特許第6572040号(P6572040)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6572040
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】コンデンサ
(51)【国際特許分類】
   F25B 39/04 20060101AFI20190826BHJP
   F25B 43/00 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   F25B39/04 S
   F25B43/00 M
【請求項の数】8
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-145562(P2015-145562)
(22)【出願日】2015年7月23日
(65)【公開番号】特開2016-38196(P2016-38196A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2018年4月17日
(31)【優先権主張番号】特願2014-162118(P2014-162118)
(32)【優先日】2014年8月8日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】512025676
【氏名又は名称】株式会社ケーヒン・サーマル・テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】花房 達也
(72)【発明者】
【氏名】沼沢 誠
(72)【発明者】
【氏名】萩原 好太郎
【審査官】 西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−175166(JP,A)
【文献】 特開2011−196625(JP,A)
【文献】 特開2001−235255(JP,A)
【文献】 特開2014−020597(JP,A)
【文献】 特開2011−191048(JP,A)
【文献】 特開2012−102900(JP,A)
【文献】 特開2007−218441(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/047320(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 39/00 − 39/04
F25B 43/00
B60H 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凝縮部と、凝縮部の下方に設けられた過冷却部と、凝縮部と過冷却部との間に設けられ、かつ長手方向を上下方向に向けるとともに上下両端部が閉鎖された筒状体からなる受液部とを備えており、凝縮部に、長手方向を左右方向に向けるとともに上下方向に間隔をおいて並列状に配置された複数の熱交換管からなる少なくとも1つの冷媒凝縮パスが設けられ、過冷却部に、長手方向を左右方向に向けるとともに上下方向に間隔をおいて並列状に配置された複数の熱交換管からなる少なくとも1つの冷媒過冷却パスが設けられ、下端の冷媒凝縮パスの熱交換管から流出した冷媒が、受液部を経て上端の冷媒過冷却パスの熱交換管に流入するようになっており、受液部内に、冷媒が下端の冷媒凝縮パスの熱交換管から流入する第1空間と、第1空間よりも上方に位置し、かつ冷媒が第1空間内から流入して気相と液相とに分離される第2空間と、第1空間の下方に位置し、かつ冷媒が第2空間から流入するとともに上端の冷媒過冷却パスの熱交換管に流出する第3空間とが設けられているコンデンサであって、
受液部内に、受液部内を第1空間と第2空間とに分割する第1仕切部材、受液部内を第1空間と第3空間とに分割する第2仕切部材、および第2空間と第3空間とを通じさせる冷媒通過路を有する冷媒流通部材が設けられており、第1仕切部材に、第1空間と第2空間とを通じさせる冷媒通過穴が形成され、下端の冷媒凝縮パスの熱交換管から第1空間に流入した冷媒が、第1仕切部材の冷媒通過穴を通って第2空間に流入し、ついで冷媒流通部材の冷媒通過路を通って第3空間に流入し、その後上端の冷媒過冷却パスの熱交換管に流入するようになされ、第1仕切部材の冷媒通過穴が、冷媒が第1空間から第2空間に流入する際の絞りとなっており、
冷媒流通部材が、上端が第1仕切部材よりも上方に位置するとともに下端が第2仕切部材よりも下方に位置し、かつ内部が冷媒通過路となっている筒状体からなり、第1仕切部材および第2仕切部材が、受液部の内周面と冷媒流通部材の外周面との間の間隙を塞ぐように設けられ、冷媒流通部材における第1仕切部材よりも上方に位置する部分に、冷媒流通部材の冷媒通過路と第2空間とを通じさせる第1連通口が形成され、同じく第2仕切部材よりも下方に位置する部分に、冷媒流通部材の冷媒通過路と第3空間とを通じさせる第2連通口が形成されており、冷媒流通部材の冷媒通過路と第1空間とが非連通状態であって、第1連通口から冷媒通過路内に入った冷媒が、第1空間に流入することなく第2連通口から第3空間内に流入するようになされているコンデンサ。
【請求項2】
凝縮部が、受液部と別個に設けられ、かつ下端の冷媒凝縮パスの熱交換管の冷媒流れ方向下流側端部が通じる凝縮部出口ヘッダ部を有し、過冷却部が、凝縮部出口ヘッダ部と左右いずれか同じ側でかつ凝縮部出口ヘッダ部よりも下方に設けられるとともに、上端の冷媒過冷却パスの熱交換管の冷媒流れ方向上流側端部が通じる過冷却部入口ヘッダ部を有し、受液部の下端が凝縮部出口ヘッダ部の下端よりも下方に位置するとともに、受液部の上端が凝縮部出口ヘッダ部の下端よりも上方に位置しており、受液部と凝縮部出口ヘッダ部との間に連通路を有する連通部材が設けられるとともに、受液部の第1空間内と凝縮部出口ヘッダ部内とが、連通部材の連通路を介して通じさせられ、凝縮部出口ヘッダ部から流出した冷媒が、連通部材の連通路を通って受液部の第1空間内に流入するようになされており、連通部材の連通路が、冷媒が凝縮部出口ヘッダ部から受液部の第1空間に流入する際の絞りとなっている請求項1記載のコンデンサ。
【請求項3】
連通部材の連通路の流路断面積が、凝縮部出口ヘッダ部に通じる全熱交換管の総流路断面積以下となっている請求項2記載のコンデンサ。
【請求項4】
左右いずれか一端部側に、凝縮部の全熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、過冷却部の全熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが、第2ヘッダタンクが第1ヘッダタンクよりも左右方向外側に位置するように配置され、第2ヘッダタンクが受液部を兼ねており、第1ヘッダタンクに凝縮部出口ヘッダ部が設けられ、第2ヘッダタンクの下端が第1ヘッダタンクの下端よりも下方に位置するとともに同上端が第1ヘッダタンクの下端よりも上方に位置し、第2ヘッダタンクにおける第1ヘッダタンクの下端よりも下方に位置する部分に過冷却部の全熱交換管が接続され、第2ヘッダタンクにおける第1ヘッダタンクの下端よりも下方に位置する部分に過冷却部入口ヘッダ部が設けられ、第2ヘッダタンクにおける凝縮部出口ヘッダ部の下端よりも上方の部分に第1空間が設けられ、第2ヘッダタンクにおける凝縮部出口ヘッダ部の下端よりも下方の部分に第3空間が設けられ、第2ヘッダタンクの第3空間が過冷却部入口ヘッダ部を兼ねている請求項2または3記載のコンデンサ。
【請求項5】
凝縮部に1つの冷媒凝縮パスが設けられ、第1ヘッダタンクの全体に凝縮部出口ヘッダ部が設けられるとともに、凝縮部出口ヘッダ部に冷媒凝縮パスの全熱交換管が接続され、過冷却部に1つの冷媒過冷却パスが設けられ、第2ヘッダタンクにおける第1ヘッダタンクの下端よりも下方に位置する部分の全体に過冷却部入口ヘッダ部が設けられるとともに、過冷却部入口ヘッダ部に冷媒過冷却パスの全熱交換管が接続されている請求項4記載のコンデンサ。
【請求項6】
左右いずれか一端部側に、凝縮部および過冷却部の全熱交換管が接続されるヘッダタンクと、ヘッダタンクとは別個に形成された受液部とが配置され、ヘッダタンク内が分割部材により上下2つのタンク部に分割され、ヘッダタンクの上タンク部に凝縮部の全熱交換管が接続されるとともに、同下タンク部に過冷却部の全熱交換管が接続され、ヘッダタンクの上タンク部に凝縮部出口ヘッダ部が設けられ、ヘッダタンクの下タンク部に過冷却部入口ヘッダ部が設けられ、受液部における凝縮部出口ヘッダ部の下端よりも上方の部分に第1空間が設けられ、受液部の第3空間内と過冷却部入口ヘッダ部内とが、連通路を有する第2の連通部材を介して通じさせられ、受液部の第3空間から流出した冷媒が、第2の連通部材の連通路を通ってヘッダタンクの過冷却部入口ヘッダ部内に流入するようになされている請求項2または3記載のコンデンサ。
【請求項7】
凝縮部が、少なくとも2つの冷媒凝縮パスと、下端の冷媒凝縮パスの熱交換管の冷媒流れ方向下流側端部が通じる凝縮部出口ヘッダ部とを有し、過冷却部が、少なくとも1つの冷媒過冷却パスと、凝縮部出口ヘッダ部と左右いずれか同じ側でかつ凝縮部出口ヘッダ部よりも下方に設けられるとともに、上端の冷媒過冷却パスの熱交換管の冷媒流れ方向上流側端部が通じる過冷却部入口ヘッダ部とを有し、受液部の下端が凝縮部出口ヘッダ部の下端よりも下方に位置するとともに、受液部の上端が凝縮部出口ヘッダ部の下端よりも上方に位置しており、左右いずれか一端部側に、凝縮部における下端の冷媒凝縮パスの熱交換管を除いた熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、凝縮部における下端の冷媒凝縮パスの熱交換管、および過冷却部の全熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが、第2ヘッダタンクが第1ヘッダタンクよりも左右方向外側に位置するように配置され、第2ヘッダタンクが受液部を兼ねており、第2ヘッダタンクの下端が第1ヘッダタンクの下端よりも下方に位置するとともに同上端が第1ヘッダタンクの下端よりも上方に位置し、第2ヘッダタンクにおける第1ヘッダタンクの下端よりも下方に位置する部分に、凝縮部における下端の冷媒凝縮パスの熱交換管、および過冷却部の全熱交換管が接続され、第2ヘッダタンクにおける第1ヘッダタンクの下端よりも下方の部分に、凝縮部出口ヘッダ部および過冷却部入口ヘッダ部が、前者が上方に位置するように設けられ、第2ヘッダタンクにおける凝縮部の下端の冷媒凝縮パスの熱交換管が接続された部分に第1空間が設けられ、第2ヘッダタンクにおける過冷却部の上端の冷媒過冷却パスの熱交換管が接続された部分に第3空間が設けられ、第2ヘッダタンクの第1空間が凝縮部出口ヘッダ部を兼ねているとともに、同第3空間が過冷却部入口ヘッダ部を兼ねている請求項1記載のコンデンサ。
【請求項8】
過冷却部に1つの冷媒過冷却パスが設けられ、過冷却部入口ヘッダ部に冷媒過冷却パスの全熱交換管が接続されている請求項7記載のコンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば自動車に搭載される冷凍サイクルであるカーエアコンに好適に用いられるコンデンサに関する。
【0002】
この明細書および特許請求の範囲において、図1図8および図11の上下、左右を上下、左右というものとする。
【背景技術】
【0003】
たとえばカーエアコンのコンデンサとして、本出願人は、先に、凝縮部と、凝縮部の下方に設けられた過冷却部と、長手方向を上下方向に向けて配置された受液部とを備えており、凝縮部に、長手方向を左右方向に向けるとともに上下方向に間隔をおいて並列状に配置された複数の熱交換管からなる少なくとも2つの冷媒凝縮パスが設けられ、過冷却部に、長手方向を左右方向に向けるとともに上下方向に間隔をおいて並列状に配置された複数の熱交換管からなる少なくとも1つの冷媒過冷却パスが設けられ、下端の冷媒凝縮パスの熱交換管から流出した冷媒が、受液部を経て上端の冷媒過冷却パスの熱交換管に流入するようになっており、凝縮部が、少なくとも2つの冷媒凝縮パスと、下端の冷媒凝縮パスの熱交換管の冷媒流れ方向下流側端部が通じる凝縮部出口ヘッダ部とを有し、過冷却部が、少なくとも1つの冷媒過冷却パスと、凝縮部出口ヘッダ部と左右いずれか同じ側でかつ凝縮部出口ヘッダ部よりも下方に設けられるとともに、上端の冷媒過冷却パスの熱交換管の冷媒流れ方向上流側端部が通じる過冷却部入口ヘッダ部とを有し、受液部の下端が凝縮部出口ヘッダ部の下端よりも下方に位置するとともに、受液部の上端が凝縮部出口ヘッダ部の下端よりも上方に位置しており、左右いずれか一端部側に、凝縮部における下端の冷媒凝縮パスの熱交換管を除いた熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、凝縮部における下端の冷媒凝縮パスの熱交換管、および過冷却部の全熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが、第2ヘッダタンクが第1ヘッダタンクよりも左右方向外側に位置するように配置され、第2ヘッダタンクの下端が第1ヘッダタンクの下端よりも下方に位置するとともに同上端が第1ヘッダタンクの下端よりも上方に位置し、第2ヘッダタンクにおける第1ヘッダタンクの下端よりも下方に位置する部分に、凝縮部における下端の冷媒凝縮パスの熱交換管、および過冷却部の全熱交換管が接続され、第2ヘッダタンクにおける第1ヘッダタンクの下端よりも下方の部分に、凝縮部出口ヘッダ部および過冷却部入口ヘッダ部が、前者が上方に位置するとともに相互に通じるように設けられ、第2ヘッダタンクが受液部を兼ねているコンデンサを提案した(特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1記載のコンデンサは、下端の冷媒凝縮パスと第2ヘッダタンク内とでは、冷媒の状態がほぼ同等となり、下端の冷媒凝縮パスにおいても冷媒が若干過冷却されるようになっている。
【0005】
ところで、エンジンルームにおける他機器とのレイアウトの制約上、コンデンサの小型化を図らなければならない場合がある。たとえば、過給機付きエンジンを搭載する自動車においては、圧縮された吸気を冷却して吸気密度を高め、エンジンの燃焼効率を向上させる目的で、チャージエアクーラが用いられることが一般的であり、チャージエアクーラが、ラジエータよりも前側において、コンデンサの下方に配置されることがあるが、この場合、コンデンサを小型化する必要がある。
【0006】
コンデンサを小型化するということは、熱交換負荷が大きくなるということであるが、特許文献1記載のコンデンサを小型化した場合、第2ヘッダタンクにチューブを差し込んだ段数で過冷却領域が固定されることにより凝縮領域が不足する場合があり、温度や風速などの外部環境変動の特殊な条件下では、凝縮部の凝縮能力が十分に発揮されない場合が想定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2010/047320号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明の目的は、上記問題を解決し、小型化を図った場合にも、外部環境変動に対する凝縮部の凝縮能力の安定性が向上したコンデンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【0010】
1)凝縮部と、凝縮部の下方に設けられた過冷却部と、凝縮部と過冷却部との間に設けられ、かつ長手方向を上下方向に向けるとともに上下両端部が閉鎖された筒状体からなる受液部とを備えており、凝縮部に、長手方向を左右方向に向けるとともに上下方向に間隔をおいて並列状に配置された複数の熱交換管からなる少なくとも1つの冷媒凝縮パスが設けられ、過冷却部に、長手方向を左右方向に向けるとともに上下方向に間隔をおいて並列状に配置された複数の熱交換管からなる少なくとも1つの冷媒過冷却パスが設けられ、下端の冷媒凝縮パスの熱交換管から流出した冷媒が、受液部を経て上端の冷媒過冷却パスの熱交換管に流入するようになっており、受液部内に、冷媒が下端の冷媒凝縮パスの熱交換管から流入する第1空間と、第1空間よりも上方に位置し、かつ冷媒が第1空間内から流入して気相と液相とに分離される第2空間と、第1空間の下方に位置し、かつ冷媒が第2空間から流入するとともに上端の冷媒過冷却パスの熱交換管に流出する第3空間とが設けられているコンデンサであって、
受液部内に、受液部内を第1空間と第2空間とに分割する第1仕切部材、受液部内を第1空間と第3空間とに分割する第2仕切部材、および第2空間と第3空間とを通じさせる冷媒通過路を有する冷媒流通部材が設けられており、第1仕切部材に、第1空間と第2空間とを通じさせる冷媒通過穴が形成され、下端の冷媒凝縮パスの熱交換管から第1空間に流入した冷媒が、第1仕切部材の冷媒通過穴を通って第2空間に流入し、ついで冷媒流通部材の冷媒通過路を通って第3空間に流入し、その後上端の冷媒過冷却パスの熱交換管に流入するようになされ、第1仕切部材の冷媒通過穴が、冷媒が第1空間から第2空間に流入する際の絞りとなっており、
冷媒流通部材が、上端が第1仕切部材よりも上方に位置するとともに下端が第2仕切部材よりも下方に位置し、かつ内部が冷媒通過路となっている筒状体からなり、第1仕切部材および第2仕切部材が、受液部の内周面と冷媒流通部材の外周面との間の間隙を塞ぐように設けられ、冷媒流通部材における第1仕切部材よりも上方に位置する部分に、冷媒流通部材の冷媒通過路と第2空間とを通じさせる第1連通口が形成され、同じく第2仕切部材よりも下方に位置する部分に、冷媒流通部材の冷媒通過路と第3空間とを通じさせる第2連通口が形成されており、冷媒流通部材の冷媒通過路と第1空間とが非連通状態であって、第1連通口から冷媒通過路内に入った冷媒が、第1空間に流入することなく第2連通口から第3空間内に流入するようになされているコンデンサ。
【0011】
2)凝縮部が、受液部と別個に設けられ、かつ下端の冷媒凝縮パスの熱交換管の冷媒流れ方向下流側端部が通じる凝縮部出口ヘッダ部を有し、過冷却部が、凝縮部出口ヘッダ部と左右いずれか同じ側でかつ凝縮部出口ヘッダ部よりも下方に設けられるとともに、上端の冷媒過冷却パスの熱交換管の冷媒流れ方向上流側端部が通じる過冷却部入口ヘッダ部を有し、受液部の下端が凝縮部出口ヘッダ部の下端よりも下方に位置するとともに、受液部の上端が凝縮部出口ヘッダ部の下端よりも上方に位置しており、受液部と凝縮部出口ヘッダ部との間に連通路を有する連通部材が設けられるとともに、受液部の第1空間内と凝縮部出口ヘッダ部内とが、連通部材の連通路を介して通じさせられ、凝縮部出口ヘッダ部から流出した冷媒が、連通部材の連通路を通って受液部の第1空間内に流入するようになされており、連通部材の連通路が、冷媒が凝縮部出口ヘッダ部から受液部の第1空間に流入する際の絞りとなっている上記1)記載のコンデンサ。
【0012】
3)連通部材の連通路の流路断面積が、凝縮部出口ヘッダ部に通じる全熱交換管の総流路断面積以下となっている上記2)記載のコンデンサ。
【0013】
4)左右いずれか一端部側に、凝縮部の全熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、過冷却部の全熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが、第2ヘッダタンクが第1ヘッダタンクよりも左右方向外側に位置するように配置され、第2ヘッダタンクが受液部を兼ねており、第1ヘッダタンクに凝縮部出口ヘッダ部が設けられ、第2ヘッダタンクの下端が第1ヘッダタンクの下端よりも下方に位置するとともに同上端が第1ヘッダタンクの下端よりも上方に位置し、第2ヘッダタンクにおける第1ヘッダタンクの下端よりも下方に位置する部分に過冷却部の全熱交換管が接続され、第2ヘッダタンクにおける第1ヘッダタンクの下端よりも下方に位置する部分に過冷却部入口ヘッダ部が設けられ、第2ヘッダタンクにおける凝縮部出口ヘッダ部の下端よりも上方の部分に第1空間が設けられ、第2ヘッダタンクにおける凝縮部出口ヘッダ部の下端よりも下方の部分に第3空間が設けられ、第2ヘッダタンクの第3空間が過冷却部入口ヘッダ部を兼ねている上記2)または3)記載のコンデンサ。
【0014】
5)凝縮部に1つの冷媒凝縮パスが設けられ、第1ヘッダタンクの全体に凝縮部出口ヘッダ部が設けられるとともに、凝縮部出口ヘッダ部に冷媒凝縮パスの全熱交換管が接続され、過冷却部に1つの冷媒過冷却パスが設けられ、第2ヘッダタンクにおける第1ヘッダタンクの下端よりも下方に位置する部分の全体に過冷却部入口ヘッダ部が設けられるとともに、過冷却部入口ヘッダ部に冷媒過冷却パスの全熱交換管が接続されている上記4)記載のコンデンサ。
【0015】
6)左右いずれか一端部側に、凝縮部および過冷却部の全熱交換管が接続されるヘッダタンクと、ヘッダタンクとは別個に形成された受液部とが配置され、ヘッダタンク内が分割部材により上下2つのタンク部に分割され、ヘッダタンクの上タンク部に凝縮部の全熱交換管が接続されるとともに、同下タンク部に過冷却部の全熱交換管が接続され、ヘッダタンクの上タンク部に凝縮部出口ヘッダ部が設けられ、ヘッダタンクの下タンク部に過冷却部入口ヘッダ部が設けられ、受液部における凝縮部出口ヘッダ部の下端よりも上方の部分に第1空間が設けられ、受液部の第3空間内と過冷却部入口ヘッダ部内とが、連通路を有する第2の連通部材を介して通じさせられ、受液部の第3空間から流出した冷媒が、第2の連通部材の連通路を通ってヘッダタンクの過冷却部入口ヘッダ部内に流入するようになされている上記2)または3)記載のコンデンサ。
【0016】
7)凝縮部が、少なくとも2つの冷媒凝縮パスと、下端の冷媒凝縮パスの熱交換管の冷媒流れ方向下流側端部が通じる凝縮部出口ヘッダ部とを有し、過冷却部が、少なくとも1つの冷媒過冷却パスと、凝縮部出口ヘッダ部と左右いずれか同じ側でかつ凝縮部出口ヘッダ部よりも下方に設けられるとともに、上端の冷媒過冷却パスの熱交換管の冷媒流れ方向上流側端部が通じる過冷却部入口ヘッダ部とを有し、受液部の下端が凝縮部出口ヘッダ部の下端よりも下方に位置するとともに、受液部の上端が凝縮部出口ヘッダ部の下端よりも上方に位置しており、左右いずれか一端部側に、凝縮部における下端の冷媒凝縮パスの熱交換管を除いた熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、凝縮部における下端の冷媒凝縮パスの熱交換管、および過冷却部の全熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが、第2ヘッダタンクが第1ヘッダタンクよりも左右方向外側に位置するように配置され、第2ヘッダタンクが受液部を兼ねており、第2ヘッダタンクの下端が第1ヘッダタンクの下端よりも下方に位置するとともに同上端が第1ヘッダタンクの下端よりも上方に位置し、第2ヘッダタンクにおける第1ヘッダタンクの下端よりも下方に位置する部分に、凝縮部における下端の冷媒凝縮パスの熱交換管、および過冷却部の全熱交換管が接続され、第2ヘッダタンクにおける第1ヘッダタンクの下端よりも下方の部分に、凝縮部出口ヘッダ部および過冷却部入口ヘッダ部が、前者が上方に位置するように設けられ、第2ヘッダタンクにおける凝縮部の下端の冷媒凝縮パスの熱交換管が接続された部分に第1空間が設けられ、第2ヘッダタンクにおける過冷却部の上端の冷媒過冷却パスの熱交換管が接続された部分に第3空間が設けられ、第2ヘッダタンクの第1空間が凝縮部出口ヘッダ部を兼ねているとともに、同第3空間が過冷却部入口ヘッダ部を兼ねている上記1)記載のコンデンサ。
【0017】
8)過冷却部に1つの冷媒過冷却パスが設けられ、過冷却部入口ヘッダ部に冷媒過冷却パスの全熱交換管が接続されている上記7)記載のコンデンサ。
【発明の効果】
【0018】
上記1)〜8)のコンデンサによれば、凝縮部と、凝縮部の下方に設けられた過冷却部と、長手方向を上下方向に向けて配置され、かつ上下両端が閉鎖された筒状体からなる受液部とを備えたコンデンサにおいて、受液部内に、冷媒が下端の冷媒凝縮パスの熱交換管から流入する第1空間と、第1空間よりも上方に位置し、かつ冷媒が第1空間内から流入して気相と液相とに分離される第2空間と、第1空間の下方に位置し、かつ冷媒が第2空間から流入するとともに上端の冷媒過冷却パスの熱交換管に流出する第3空間とが設けられており、受液部内に、受液部内を第1空間と第2空間とに分割する第1仕切部材、受液部内を第1空間と第3空間とに分割する第2仕切部材、および第2空間と第3空間とを通じさせる冷媒通過路を有する冷媒流通部材が設けられており、第1仕切部材に、第1空間と第2空間とを通じさせるとともに冷媒が第1空間から第2空間に流入する際の絞りとなっている冷媒通過穴が形成されているので、絞りの働きによって、冷媒が第1空間から第2空間に流入する際に圧力損失が発生し、第1空間内と第2空間内とでは冷媒圧力条件に明確な差が生じる。したがって、第1空間に通じる凝縮部の下端の冷媒凝縮パスと、第2空間内の冷媒状態の差を明確にすることが可能になり、下端の冷媒凝縮パスの熱交換管内に凝縮されて過冷却された液相冷媒が溜まることが抑制され、コンデンサ内の冷媒が温度や風速などの外部環境の変動を受けにくくなる。その結果、コンデンサの小型化を図った場合にも、外部環境変動に対する凝縮部の凝縮能力の安定性が向上し、特殊な外部環境条件下においても、凝縮部は、期待される冷媒凝縮能力を安定的に発揮する。
【0019】
また、上記1)〜8)のコンデンサによれば、第2空間において冷媒が気相と液相とに分離されるが、冷媒が、第1空間から第2空間に上向きに流れて流入するので、気液分離機能が向上する。
【0020】
上記1)のコンデンサによれば、比較的簡単な構造で、受液部内に第1空間、第2空間および第3空間を設けることができるとともに、冷媒が第1空間から第2空間に流入する部分に絞りを設けることができる。
【0021】
上記2)のコンデンサによれば、凝縮部出口ヘッダ部内と受液部の第1空間内とを通じさせる連通部材の連通路が、冷媒が凝縮部出口ヘッダ部から受液部の第1空間に流入する際の絞りとなるので、連通部材の連通路の働きによって、冷媒が凝縮部出口ヘッダ部から第1空間に流入する際に圧力損失が発生し、凝縮部出口ヘッダ部内と第1空間内とでは、冷媒圧力条件に明確な差が生じる。したがって、凝縮部出口ヘッダ部および連通部材を介して第1空間内に通じる凝縮部の下端の冷媒凝縮パスと、第2空間内の冷媒状態の差を一層効果的に明確にすることが可能になる。したがって、コンデンサ内の冷媒が温度や風速などの外部環境の変動を受けにくくなって、コンデンサの小型化を図った場合にも、外部環境変動に対する凝縮部の凝縮能力の安定性が効果的に向上し、これにより特殊な外部環境条件下においても、凝縮部は、期待される冷媒凝縮能力を安定的に発揮する。
【0022】
上記3)のコンデンサによれば、連通部材の連通路の前記絞りとしての働きが顕著になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】この発明の実施形態1のコンデンサの全体構成を具体的に示す正面図である。
図2図1に示すコンデンサを模式的に示す正面図である。
図3図1のA−A線拡大断面図である。
図4図3のB−B線断面図である。
図5図1に示すコンデンサの第1および第2ヘッダタンクの一部と冷媒流通部材とを示す分解斜視図である。
図6図1に示すコンデンサにおける冷媒封入量と過冷度との関係を示すチャージグラフである。
図7】実施形態1のコンデンサの第2ヘッダタンク内を第1空間と第3空間とに分割する第2仕切部材の変形例を示す図4相当の図である。
図8】この発明の実施形態2のコンデンサの全体構成を具体的に示す正面図である。
図9図8に示すコンデンサを模式的に示す正面図である。
図10図8に示すコンデンサの一部分を示す図4相当の図である。
図11】この発明の実施形態3のコンデンサの全体構成を具体的に示す正面図である。
図12図11に示すコンデンサを模式的に示す正面図である。
図13図11に示すコンデンサの一部分を示す図4相当の図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0025】
以下の説明において、図1図8および図11の紙面裏側(図3の上側)を前、これと反対側を後というものとする。
【0026】
また、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【0027】
さらに、全図面を通じて同一物および同一部分には同一符号を付す。
実施形態1
この実施形態は図1図6に示すものである。
【0028】
図1はこの発明の実施形態1のコンデンサの全体構成を具体的に示し、図2図1のコンデンサを模式的に示し、図3図5図1のコンデンサの要部の構成を示す。図2においては、個々の熱交換管の図示は省略されるとともに、コルゲートフィン、サイドプレート、冷媒入口部材および冷媒出口部材の図示も省略されている。
【0029】
図1および図2において、コンデンサ(1)は、凝縮部(1A)と、凝縮部(1A)の下方に設けられた過冷却部(1B)と、凝縮部(1A)と過冷却部(1B)との間に設けられ、かつ長手方向を上下方向に向けるとともに上下両端部が閉鎖された筒状体からなる受液部(2)とを備えている。コンデンサ(1)は、幅方向を通風方向(図1および図2の紙面表裏方向)に向けるとともに長手方向を左右方向に向けた状態で上下方向に間隔をおいて配置された複数のアルミニウム製扁平状熱交換管(3)と、長手方向を上下方向に向けて配置されるとともに熱交換管(3)の左右両端部がろう付により接続された3つのアルミニウム製ヘッダタンク(4)(5)(6)と、隣り合う熱交換管(3)どうしの間および上下両端の外側に配置されて熱交換管(3)にろう付されたアルミニウム製コルゲートフィン(7)と、上下両端のコルゲートフィン(7)の外側に配置されてコルゲートフィン(7)にろう付されたアルミニウム製サイドプレート(8)とを備えている。
【0030】
コンデンサ(1)の凝縮部(1A)および過冷却部(1B)には、それぞれ上下に連続して並んだ複数の熱交換管(3)からなる少なくとも1つ、ここでは1つの熱交換パス(P1)(P2)が設けられており、凝縮部(1A)に設けられた熱交換パス(P1)が冷媒凝縮パスとなり、過冷却部(1B)に設けられた熱交換パス(P2)が冷媒過冷却パスとなっている。冷媒過冷却パスを構成する熱交換管(3)の長さは、冷媒凝縮パスを構成する熱交換管(3)の長さよりも長い。各熱交換パス(P1)(P2)を構成する全ての熱交換管(3)の冷媒流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの熱交換パスの熱交換管(3)の冷媒流れ方向が異なっている。ここで、凝縮部(1A)の熱交換パス(P1)を第1熱交換パスといい、過冷却部(1B)の熱交換パス(P2)を第2熱交換パスというものとする。コンデンサ(1)においては、第1熱交換パス(P1)(下端の冷媒凝縮パス)の熱交換管(3)から流出した冷媒が、受液部(2)を経て第2熱交換パス(P2)(上端の冷媒過冷却パス)の熱交換管(3)に流入するようになっている。
【0031】
コンデンサ(1)の左端側には、凝縮部(1A)に設けられた第1熱交換パス(P1)の全熱交換管(3)の左端部がろう付により接続された第1ヘッダタンク(4)と、過冷却部(1B)に設けられた第2熱交換パス(P2)の全熱交換管(3)の左端部がろう付により接続された第2ヘッダタンク(5)とが、第2ヘッダタンク(5)が左右方向外側に位置するように別個に設けられている。第2ヘッダタンク(5)の下端は第1ヘッダタンク(4)の下端よりも下方に位置するとともに同上端が第1ヘッダタンク(4)の下端よりも上方に位置しており、第2ヘッダタンク(5)における第1ヘッダタンク(4)の下端よりも下方に位置する部分に過冷却部(1B)の全熱交換管(3)、すなわち第2熱交換パス(P2)の全熱交換管(3)が接続されている。第2ヘッダタンク(5)が、凝縮部(1A)から流入した冷媒を貯留して気相と液相とに分離するとともに、液相主体の冷媒を過冷却部(1B)に供給する受液部(2)を兼ねている。
【0032】
第1ヘッダタンク(4)の全体に、受液部(2)と別個に設けられるとともに、第1熱交換パス(P1)(凝縮部(1A)の下端の熱交換パス)の冷媒流れ方向下流側端部が通じる1つの凝縮部出口ヘッダ部(9)が設けられ、第2ヘッダタンク(5)における第1ヘッダタンク(4)の下端よりも下方に位置する部分に、第2熱交換パス(P2)(過冷却部(1B)の上端の熱交換パス)の冷媒流れ方向上流側端部が通じる過冷却部入口ヘッダ部(11)が設けられている。すなわち、受液部(2)、すなわち第2ヘッダタンク(5)の下端が凝縮部出口ヘッダ部(9)の下端よりも下方に位置するとともに、同じく上端が凝縮部出口ヘッダ部(9)の下端よりも上方に位置している。
【0033】
コンデンサ(1)の右端部側には、第1および第2熱交換パス(P1)(P2)を構成する全ての熱交換管(3)の右端部がろう付により接続された第3ヘッダタンク(6)が配置されている。
【0034】
第3ヘッダタンク(6)内は、第1熱交換パス(P1)と第2熱交換パス(P2)との間の高さ位置に設けられた板状のアルミニウム製仕切部材(12)により上下2つの区画(6a)(6b)に分割されており、上側区画(6a)に、凝縮部(1A)の第1熱交換パス(P1)の冷媒流れ方向上流側端部が通じる1つの凝縮部入口ヘッダ部(13)が設けられ、同じく下側区画(6b)に、過冷却部(1B)の第2熱交換パス(P2)の冷媒流れ方向下流側端部が通じる過冷却部出口ヘッダ部(14)が設けられている。第3ヘッダタンク(6)の凝縮部入口ヘッダ部(13)の高さ方向の中程に冷媒入口(15)が形成されるとともに、過冷却部出口ヘッダ部(14)に冷媒出口(16)が形成されている。また、第3ヘッダタンク(6)に、冷媒入口(15)に通じるアルミニウム製冷媒入口部材(17)および冷媒出口(16)に通じるアルミニウム製冷媒出口部材(18)が接合されている。
【0035】
図3図5に示すように、受液部(2)である第2ヘッダタンク(5)内に、冷媒が、第1熱交換パス(P1)の熱交換管(3)から凝縮部出口ヘッダ部(9)を経て流入する第1空間(20)と、第1空間(20)よりも上方に位置し、かつ冷媒が第1空間(20)内から流入する第2空間(21)と、第1空間(20)の下方に位置し、かつ冷媒が第2空間(21)から流入するとともに第2熱交換パス(P2)の熱交換管(3)に流出する第3空間(22)とが設けられており、冷媒が第1空間(20)から第2空間(21)に流入する部分に絞りが設けられている。第1空間(20)は凝縮部出口ヘッダ部(9)の下端よりも上方の部分に設けられている。第3空間(22)は過冷却部入口ヘッダ部(11)を兼ねている。
【0036】
第1ヘッダタンク(4)の凝縮部出口ヘッダ部(9)内の下端寄りの部分と、第2ヘッダタンク(5)の第1空間(20)に対応する高さ位置との間にアルミニウム製連通部材(23)が配置されるとともに両ヘッダタンク(4)(5)にろう付されている。連通部材(23)には凝縮部出口ヘッダ部(9)内および第1空間(20)内を通じさせる連通路(24)が形成されている。連通部材(23)の連通路(24)が、冷媒が凝縮部出口ヘッダ部(9)内から第1空間(20)に流入する際の絞りとなっている。連通部材(23)の連通路(24)の流路断面積は、凝縮部出口ヘッダ部(9)に通じる全熱交換管(3)の総流路断面積以下となっていることが好ましい。
【0037】
受液部(2)である第2ヘッダタンク(5)内に、第2ヘッダタンク(5)内を第1空間(20)と第2空間(21)とに分割する第1仕切部材(25)、第2ヘッダタンク(5)内を第1空間(20)と第3空間(22)とに分割する第2仕切部材(26)、および第2空間(21)と第3空間(22)とを通じさせる冷媒通過路(28)を有する冷媒流通部材(27)が設けられている。第2空間(21)内に、通気性および通液性を有する材料からなる袋状の乾燥剤収納容器(29)が配置されている。第2ヘッダタンク(5)は、上端が開口するとともに下端が閉鎖された円筒状のタンク本体(38)と、タンク本体(38)の上端部に着脱自在に取り付けられてタンク本体(38)の上端開口を閉鎖する閉鎖部材(39)とからなる。
【0038】
冷媒流通部材(27)は合成樹脂製であって、上端が開口するとともに下端が閉鎖され、かつ内部が冷媒通過路(28)となっている円筒状である。冷媒流通部材(27)の上端が第1仕切部材(25)よりも上方でかつ凝縮部出口ヘッダ部(9)の下端よりも上方(第2空間(21)内)に位置しているとともに、下端が第2仕切部材(26)よりも下方でかつ第2ヘッダタンク(5)の下端部(第3空間(22)内)に位置しており、第1〜第3空間(20)(21)(22)にかけて配置されている。冷媒流通部材(27)の第3空間(22)内に存在する部分の外径は、第1空間(20)内および第2空間(21)内に存在する部分の外径よりも小径となっている。大径部を(27a)で示し、小径部を(27b)で示す。冷媒流通部材(27)の大径部(27a)における第2空間(21)内に存在する部分に、冷媒通過路(28)と第2空間(21)とを通じさせる第1連通口(31)が周方向に間隔をおいて複数形成され、同じく第3空間(22)内に存在する小径部(27b)に、冷媒通過路(28)と第3空間(22)とを通じさせる第2連通口(32)が周方向に間隔をおいて複数形成されており、冷媒流通部材(27)の冷媒通過路(28)と第1空間(20)とは非連通状態となっている。第1連通口(31)および第2連通口(32)のうち少なくともいずれか一方、ここでは第2連通口(32)が、メッシュ状のフィルタ(33)により塞がれている。フィルタ(33)は、冷媒流通部材(27)と一体に形成されていてもよいし、あるいは冷媒流通部材(27)とは別個に形成されたものが冷媒流通部材(27)に固着されていてもよい。また、冷媒流通部材(27)の上端部には、径方向の外方に張り出した複数の外方張り出し部(34)が周方向に間隔をおいて一体に形成されており、冷媒流通部材(27)の周壁の上端および外方張り出し部(34)によって乾燥剤収納容器(29)が支持され、これにより第1連通口(31)が乾燥剤収納容器(29)により塞がれることがないようになっている。
【0039】
第1仕切部材(25)は、冷媒流通部材(27)の外周面に一体に形成されるとともに、その外周縁部が第2ヘッダタンク(5)の内周面に密接しており、第1仕切部材(25)が、第2ヘッダタンク(5)(受液部(2))の内周面と冷媒流通部材(27)の大径部(27a)外周面との間の間隙を塞いでいる。第1仕切部材(25)に第1空間(20)と第2空間(21)とを通じさせる複数の冷媒通過穴(35)が形成されており、冷媒通過穴(35)が、冷媒が第1空間(20)から第2空間(21)に流入する際の絞りとなっている。
【0040】
第2仕切部材(26)は第2ヘッダタンク(5)に固定されたアルミニウム板からなる。第2仕切部材(26)は、第2ヘッダタンク(5)の周壁に形成されたスリット(5a)に外側から挿入されて周壁にろう付されている。第2仕切部材(26)における中心よりも左右方向外側部分に円形の貫通穴(36)が形成されるとともに、貫通穴(36)に冷媒流通部材(27)の小径部(27b)が上方から密に通されており、第2仕切部材(26)が、第2ヘッダタンク(5)(受液部(2))の内周面と冷媒流通部材(27)の小径部(27b)外周面との間の間隙を塞いでいる。第2仕切部材(26)は、冷媒流通部材(27)の小径部(27b)外周面に周方向に間隔をおいて一体に形成され、かつ径方向外方に突出した複数の突起(37)と、冷媒流通部材(27)の大径部(27a)の下端とに上下から挟着され、これにより冷媒流通部材(27)の上下方向の移動が阻止されている。
【0041】
第1仕切部材(25)が一体に形成された冷媒流通部材(27)は、冷媒流通部材(27)、乾燥剤収納容器(29)および閉鎖部材(39)を除いた部材を一括してろう付した後に、第2ヘッダタンク(5)のタンク本体(38)内に、上端開口から入れられる。
【0042】
なお、図3図5に示された実施形態1のコンデンサ(1)では、第1仕切部材(25)が冷媒流通部材(27)に一体に形成されているが、これに限定されるものではなく、第2仕切部材(26)と同様にアルミニウム板からなり、第2ヘッダタンク(5)の周壁に形成されたスリットに外側から挿入されて周壁にろう付されていてもよい。この場合、第1仕切部材(25)における中心よりも左右方向外側部分に円形の貫通穴が形成され、当該貫通穴に冷媒流通部材(27)が上方から密に通される。
【0043】
コンデンサ(1)は、圧縮機、膨張弁(減圧器)およびエバポレータとともに冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両に搭載される。
【0044】
上述した構成のコンデンサ(1)を備えたカーエアコンにおいて、圧縮機により圧縮された高温高圧の気相冷媒が、冷媒入口部材(17)および冷媒入口(15)を通って第3ヘッダタンク(6)の凝縮部入口ヘッダ部(13)内に流入し、第1熱交換パス(P1)の熱交換管(3)内を左方に流れて第1ヘッダタンク(4)の凝縮部出口ヘッダ部(9)内に流入する。
【0045】
第1ヘッダタンク(4)の凝縮部出口ヘッダ部(9)内に流入した冷媒は、連通部材(23)の連通路(24)を通って第2ヘッダタンク(5)の第1空間(20)内に横向きに流入する。このとき、連通部材(23)の連通路(24)が絞りとして働き、冷媒が凝縮部出口ヘッダ部(9)から第1空間(20)に流入する際に圧力損失が発生する。
【0046】
第2ヘッダタンク(5)の第1空間(20)内に流入した冷媒は、第1仕切部材(25)の冷媒通過穴(35)を通って第2空間(21)内に流入し、第2空間(21)内において気相と液相とに分離され、液相が第2空間(21)内に溜められる。このとき、冷媒通過穴(35)が絞りとして働き、冷媒が第1空間(20)から第2空間(21)に流入する際に圧力損失が発生する。また、冷媒は、第1空間(20)内から第2空間(21)内に上向きに流れて流入するので、第2空間(21)における気液分離機能が向上する。
【0047】
第2ヘッダタンク(5)の第2空間(21)内で気液に分離されて溜められていた液相の冷媒は、冷媒流通部材(27)の第1連通口(31)から冷媒通過路(28)内に入って冷媒通過路(28)を下方に流れ、第1空間(20)に流入することなく第2連通口(32)から第3空間(22)である過冷却部入口ヘッダ部(11)内に流入する。過冷却部入口ヘッダ部(11)に入った冷媒は、第2熱交換パス(P2)の熱交換管(3)内に入り、熱交換管(3)内を右方に流れる間に過冷却された後、第3ヘッダタンク(6)の過冷却部出口ヘッダ部(14)内に入り、冷媒出口(16)および冷媒出口部材(18)を通って流出し、膨張弁を経てエバポレータに送られる。
【0048】
上述したコンデンサ(1)において、冷媒が、凝縮部出口ヘッダ部(9)から第1空間(20)に流入する際、および第1空間(20)から第2空間(21)に流入する際にそれぞれ圧力損失が発生するので、凝縮部出口ヘッダ部(9)内と第1空間(20)内、および第1空間(20)内と第2空間(21)内とで、それぞれ冷媒圧力条件に明確な差が生じ、その結果第1空間(20)に通じる第1熱交換パス(P1)と、第2空間(21)内の冷媒状態の差を明確にすることが可能になる。
【0049】
すなわち、コンデンサ(1)を備えたカーエアコン内に最初に所定量の冷媒を入れて冷凍サイクルの運転を開始し、冷媒を継ぎ足しつつ種々の冷媒封入量における過冷度を調べてチャージグラフ(図6実線参照)を作成した場合、特許文献1記載のコンデンサを備えたカーエアコンで作成したチャージグラフ(図6破線参照)に比較して過冷度が下がる。したがって、第1熱交換パス(P1)における下部の熱交換管(3)内の冷媒状態と、受液部(2)である第2ヘッダタンク(5)における気液を分離して液相を溜める第2空間(21)内の冷媒状態との差が明確になり、冷媒凝縮パスである第1熱交換パス(P1)の熱交換管(3)内に凝縮されて過冷却された液相冷媒が溜まることが抑制され、コンデンサ(1)内の冷媒が温度や風速などの外部環境の変動を受けにくくなる。その結果、コンデンサ(1)の小型化を図った場合にも、外部環境変動に対する凝縮部(1A)の凝縮能力の安定性が効果的に向上し、これにより特殊な外部環境条件下においても、凝縮部(1A)は、期待される冷媒凝縮能力を安定的に発揮する。
【0050】
実施形態1のコンデンサ(1)において、凝縮部(1A)に、上下に連続して並んだ複数の熱交換管(3)からなる複数の熱交換パスが上下に並んで設けられ、過冷却部(1B)に、上下に連続して並んだ複数の熱交換管(3)からなる複数の熱交換パスが設けられていてもよい。凝縮部(1A)に複数の熱交換パスが上下に並んで設けられる場合、上端の熱交換パスから下端の熱交換パスに向かって冷媒が順次流れるように、第1ヘッダタンク(4)内および第3ヘッダタンク(6)内は、適当な高さ位置に設けられた仕切部材により複数の区画に分割され、第1ヘッダタンク(4)の下端の区画が凝縮部出口ヘッダ部となる。また、過冷却部(1B)に複数の熱交換パスが上下に並んで設けられる場合、上端の熱交換パスから下端の熱交換パスに向かって冷媒が順次流れるように、第2ヘッダタンク(5)の第3空間(22)内および第3ヘッダタンク(6)内は、適当な高さ位置に設けられた仕切部材により複数の区画に分割され、第2ヘッダタンク(5)の上端の区画が過冷却部入口ヘッダ部となる。
【0051】
図7は、実施形態1のコンデンサ(1)の第2ヘッダタンク(5)内を第1空間(20)と第3空間(22)とに分割する第2仕切部材の変形例を示す。
【0052】
図7に示す第2仕切部材(260)は、冷媒流通部材(27)の外周面、ここでは小径部(27b)上端の外周面に一体に形成されるとともに、その外周縁部が第2ヘッダタンク(5)の内周面に密接している。第2仕切部材(260)が、第2ヘッダタンク(5)(受液部(2))の内周面と冷媒流通部材(27)の小径部(27b)外周面との間の間隙を塞いでいる。なお、第2仕切部材(260)は小径部(27B)の外周面に一体に形成される代わりに、大径部(27a)の外周面に一体に形成されていてもよい。さらに、冷媒流通部材(27)には、必ずしも大径部(27a)と小径部(27b)とが設けられている必要はなく、外周面の全体が同径であってもよい。冷媒流通部材(27)の外周面の全体が同径の場合、第2仕切部材(260)は、冷媒流通部材(27)の適当な部分の外周面に一体に形成されて、その外周縁部が第2ヘッダタンク(5)の内周面に密接し、第2仕切部材(260)が、第2ヘッダタンク(5)(受液部(2))の内周面と冷媒流通部材(27)の外周面との間の間隙を塞ぐ。
【0053】
図7に示す第2仕切部材(260)を用いた場合、次の効果を奏する。すなわち、第2仕切部材(260)が冷媒流通部材(27)に一体に形成されているので、第1仕切部材(25)が冷媒流通部材(27)と一体に形成されことと相俟って、部品点数を削減することができる。また、第2ヘッダタンク(5)に第2仕切部材を通すスリットが不要になるので、加工工数が減って製造コストが低減される。このような効果を考慮すると、第2仕切部材(260)が冷媒流通部材(27)に一体に形成されている場合には、第1仕切部材(25)が冷媒流通部材(27)と一体に形成されることがベストである。
【0054】
なお、第2仕切部材(260)を冷媒流通部材(27)に一体に形成するには、第2ヘッダタンク(5)における第2仕切部材(260)よりも上方の部分に熱交換管(3)が接続されていないこと、ならびに第2ヘッダタンク(5)がタンク本体(38)およびタンク本体(38)の上端部に着脱自在に取り付けられた閉鎖部材(39)からなることが前提となる。
実施形態2
この実施形態は図8図10に示すものである。
【0055】
図8はこの発明の実施形態2のコンデンサの全体構成を具体的に示し、図9図8のコンデンサを模式的に示し、図10図8のコンデンサの要部の構成を示す。図9においては、個々の熱交換管の図示は省略されるとともに、コルゲートフィン、サイドプレート、冷媒入口部材および冷媒出口部材の図示も省略されている。
【0056】
図8および図9において、コンデンサ(40)は、凝縮部(40A)と、凝縮部(40A)の下方に設けられた過冷却部(40B)と、凝縮部(40A)と過冷却部(40B)との間に設けられ、かつ長手方向を上下方向に向けるとともに上下両端部が閉鎖された筒状体からなる受液部(41)とを備えている。
【0057】
コンデンサ(40)の凝縮部(40A)には上下に連続して並んだ複数の熱交換管(3)からなる少なくとも2つ、ここでは3つの熱交換パス(P1)(P2)(P3)が設けられ、過冷却部(40B)には上下に連続して並んだ複数の熱交換管(3)からなる少なくとも1つ、ここでは1つの熱交換パス(P4)が設けられている。凝縮部(40A)に設けられた熱交換パス(P1)(P2)(P3)が冷媒凝縮パスとなり、過冷却部(40B)に設けられた熱交換パス(P4)が冷媒過冷却パスとなっている。各熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)を構成する全ての熱交換管(3)の冷媒流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの熱交換パスの熱交換管(3)の冷媒流れ方向が異なっている。ここで、全熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)を上から順に第1〜第4熱交換パスというものとする。第3熱交換パス(P3)(下端の冷媒凝縮パス)の熱交換管(3)から流出した冷媒が、受液部(41)を経て第4熱交換パス(P4)(上端の冷媒過冷却パス)の熱交換管(3)に流入するようになっている。
【0058】
コンデンサ(40)の左端側に配置された第1ヘッダタンク(4)に、凝縮部(40A)に設けられた第1および第2熱交換パス(P1)(P2)の全熱交換管(3)(凝縮部(40A)における下端の冷媒凝縮パスの熱交換管を除いた熱交換管)の左端部がろう付により接続され、同じく第2ヘッダタンク(5)における第1ヘッダタンク(4)の下端よりも下方に位置する部分に、第3および第4熱交換パス(P3)(P4)の全熱交換管(3)(凝縮部(40A)の下端の冷媒凝縮パスの熱交換管および過冷却部(40B)の全熱交換管)の左端部がろう付により接続されている。第2ヘッダタンク(5)が、凝縮部(1A)から流入した冷媒を貯留して気相と液相とに分離するとともに、液相主体の冷媒を過冷却部(1B)に供給する受液部(41)を兼ねている。
【0059】
第1ヘッダタンク(4)の全体に、第1熱交換パス(P1)の冷媒流れ方向下流側端部、および第2熱交換パス(P2)の冷媒流れ方向上流側端部が通じる第1中間ヘッダ部(42)が設けられている。
【0060】
第2ヘッダタンク(5)における第1ヘッダタンク(4)の下端よりも下方に位置する部分に、第3熱交換パス(P3)(凝縮部(40A)の下端の熱交換パス)の冷媒流れ方向下流側端部が通じる凝縮部出口ヘッダ部(9)と、第4熱交換パス(P4)(過冷却部(40B)の上端の熱交換パス)の冷媒流れ方向上流側端部が通じる過冷却部入口ヘッダ部(11)とが、前者が上方に位置するように設けられている。
【0061】
コンデンサ(40)の右端部側に配置された第3ヘッダタンク(6)内は、第1熱交換パス(P1)と第2熱交換パス(P2)との間の高さ位置、および第3熱交換パス(P3)と第4熱交換パス(P4)との間の高さ位置に設けられた板状のアルミニウム製仕切部材(12)により上中下3つの区画(6c)(6d)(6e)に分割されており、上側区画(6c)に、凝縮部(40A)の第1熱交換パス(P1)の冷媒流れ方向上流側端部が通じる凝縮部入口ヘッダ部(13)が設けられ、中間区画(6d)に、第2熱交換パス(P2)の冷媒流れ方向下流側端部、および第3熱交換パス(P3)の冷媒流れ方向上流側端部が通じる第2中間ヘッダ部(43)が設けられ、下側区画(6e)に、過冷却部(40B)の第4熱交換パス(P4)の冷媒流れ方向下流側端部が通じる過冷却部出口ヘッダ部(14)が設けられている。
【0062】
図10に示すように、受液部(41)である第2ヘッダタンク(5)内に、冷媒が、第3熱交換パス(P3)の熱交換管(3)から流入する第1空間(44)と、第1空間(44)よりも上方に位置し、かつ冷媒が第1空間(44)内から流入する第2空間(45)と、第1空間(44)の下方に位置し、かつ冷媒が第2空間(45)から流入するとともに第4熱交換パス(P4)(上端の冷媒過冷却パス)の熱交換管(3)に流出する第3空間(46)とが設けられており、冷媒が第1空間(44)から第2空間(45)に流入する部分に絞りが設けられている。
【0063】
第1空間(44)は第2ヘッダタンク(5)における第3熱交換パス(P3)の熱交換管(3)が接続された部分に設けられ、第3空間(46)は第2ヘッダタンク(5)における第4熱交換パス(P4)の熱交換管(3)が接続されて部分に設けられており、第1空間(44)が凝縮部出口ヘッダ部(9)を兼ねているとともに、第3空間(46)が過冷却部入口ヘッダ部(11)を兼ねている。
【0064】
受液部(41)である第2ヘッダタンク(5)内に、第2ヘッダタンク(5)内を第1空間(44)と第2空間(45)とに分割する第1仕切部材(25)、第2ヘッダタンク(5)内を第1空間(44)と第3空間(46)とに分割する第2仕切部材(26)、および第2空間(45)と第3空間(46)とを通じさせる冷媒通過路(28)を有する冷媒流通部材(27)とが設けられている。
【0065】
第2ヘッダタンク(5)内に配置された冷媒流通部材(27)の上端が第1仕切部材(25)よりも上方(第2空間(45)内)に位置しているとともに、下端が第2仕切部材(26)よりも下方でかつ第2ヘッダタンク(5)の下端部(第3空間(46)内)に位置しており、第1〜第3空間(44)(45)(46)にかけて配置されている。冷媒流通部材(27)における第2空間(45)内に存在する部分に、冷媒通過路(28)と第2空間(45)とを通じさせる第1連通口(31)が周方向に間隔をおいて複数形成され、同じく第3空間(46)内に存在する部分に、冷媒通過路(28)と第3空間(46)とを通じさせる第2連通口(32)が周方向に間隔をおいて複数形成されており、冷媒流通部材(27)の冷媒通過路(28)と第1空間(44)とは非連通状態となっている。
【0066】
なお、図8図10に示された実施形態2のコンデンサ(40)の場合も、第1仕切部材(25)が冷媒流通部材(27)に一体に形成されているが、これに限定されるものではなく、第2仕切部材(26)と同様にアルミニウム板からなり、第2ヘッダタンク(5)の周壁に形成されたスリットに外側から挿入されて周壁にろう付されていてもよい。この場合、第1仕切部材(25)における中心よりも左右方向外側部分に円形の貫通穴が形成され、当該貫通穴に冷媒流通部材(27)が上方から密に通される。
【0067】
コンデンサ(40)は、圧縮機、膨張弁(減圧器)およびエバポレータとともに冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両に搭載される。
【0068】
上述した構成のコンデンサ(40)を備えたカーエアコンにおいて、圧縮機により圧縮された高温高圧の気相冷媒が、冷媒入口部材(17)および冷媒入口(15)を通って第3ヘッダタンク(6)の凝縮部入口ヘッダ部(14)内に流入し、第1熱交換パス(P1)の熱交換管(3)内を左方に流れて第1ヘッダタンク(4)の第1中間ヘッダ部(42)内に流入する。第1中間ヘッダ部(42)内に流入した冷媒は、第2熱交換パス(P2)の熱交換管(3)内を右方に流れて第3ヘッダタンク(6)の第2中間ヘッダ部(43)内に流入し、さらに第3熱交換パス(P3)の熱交換管(3)内を左方に流れて第1ヘッダタンク(4)の第1空間(44)である凝縮部出口ヘッダ部(9)内に流入する。
【0069】
第1ヘッダタンク(4)の第1空間(44)である凝縮部出口ヘッダ部(9)内に流入した冷媒は、第1仕切部材(25)の冷媒通過穴(35)を通って第2空間(45)内に流入し、第2空間(45)内において気相と液相とに分離され、液相が第2空間(21)内に溜められる。このとき、冷媒通過穴(35)が絞りとして働き、冷媒が第1空間(44)から第2空間(45)に流入する際に圧力損失が発生する。また、冷媒は、第1空間(44)内から第2空間(45)内に上向きに流れて流入するので、第2空間(45)における気液分離機能が向上する。
【0070】
第2ヘッダタンク(5)の第2空間(45)内で気液に分離されて溜められていた液相の冷媒は、冷媒流通部材(27)の第1連通口(31)から冷媒通過路(28)内に入って冷媒通過路(28)を下方に流れ、第1空間(44)に流入することなく第2連通口(32)から第3空間(46)である過冷却部入口ヘッダ部(11)内に流入する。過冷却部入口ヘッダ部(11)に入った冷媒は、第4熱交換パス(P4)の熱交換管(3)内に入り、熱交換管(3)内を右方に流れる間に過冷却された後、第3ヘッダタンク(6)の過冷却部出口ヘッダ部(14)内に入り、冷媒出口(16)および冷媒出口部材(18)を通って流出し、膨張弁を経てエバポレータに送られる。
【0071】
上述したコンデンサ(40)において、冷媒が、第1空間(44)から第2空間(45)に流入する際に圧力損失が発生するので、第1空間(44)内と第2空間(45)内とで、冷媒圧力条件に明確な差が生じ、その結果第1空間(44)に通じる第3熱交換パス(P3)と、第2空間(45)内の冷媒状態の差を明確にすることが可能になる。したがって、実施形態1のコンデンサ(1)と同様に、第3熱交換パス(P3)における下部の熱交換管(3)内の冷媒状態と、受液部(41)である第2ヘッダタンク(5)の第2空間(45)内の冷媒状態との差が明確になり、下端の冷媒凝縮パスである第3熱交換パス(P3)の熱交換管(3)内に凝縮されて過冷却された液相冷媒が溜まることが抑制され、コンデンサ(40)内の冷媒が温度や風速などの外部環境の変動を受けにくくなる。その結果、コンデンサ(40)の小型化を図った場合にも、外部環境変動に対する凝縮部(40A)の凝縮能力の安定性が効果的に向上し、これにより特殊な外部環境条件下においても、凝縮部(40A)は、期待される冷媒凝縮能力を安定的に発揮する。
実施形態3
この実施形態は図11図13に示すものである。
【0072】
図11はこの発明の実施形態3のコンデンサの全体構成を具体的に示し、図12図11のコンデンサを模式的に示し、図13図11のコンデンサの要部の構成を示す。図12においては、個々の熱交換管の図示は省略されるとともに、コルゲートフィン、サイドプレート、冷媒入口部材および冷媒出口部材の図示も省略されている。
【0073】
図11および図12において、コンデンサ(50)は、凝縮部(50A)と、凝縮部(50A)の下方に設けられた過冷却部(50B)と、凝縮部(50A)と過冷却部(50B)との間に凝縮部(50A)および過冷却部(50B)とは別個に設けられ、かつ長手方向を上下方向に向けるとともに上下両端部が閉鎖された筒状体からなる受液タンク(51)(受液部)とを備えている。
【0074】
コンデンサ(50)の凝縮部(50A)には、上下に連続して並んだ複数の熱交換管(3)からなる少なくとも1つ、ここでは3つの熱交換パス(P1)(P2)(P3)が設けられ、過冷却部(50B)には上下に連続して並んだ複数の熱交換管(3)からなる少なくとも1つ、ここでは1つの熱交換パス(P4)が設けられている。凝縮部(50A)に設けられた熱交換パス(P1)(P2)(P3)が冷媒凝縮パスとなり、過冷却部(50B)に設けられた熱交換パス(P4)が冷媒過冷却パスとなっている。各熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)を構成する全ての熱交換管(3)の冷媒流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの熱交換パスの熱交換管(3)の冷媒流れ方向が異なっている。ここで、全熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)を上から順に第1〜第4熱交換パスというものとする。第3熱交換パス(P3)(下端の冷媒凝縮パス)の熱交換管(3)から流出した冷媒が、受液タンク(51)を経て第4熱交換パス(P4)(上端の冷媒過冷却パス)の熱交換管(3)に流入するようになっている。
【0075】
コンデンサ(50)の左端側には、第1〜第4熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)の全熱交換管(3)の左端部がろう付により接続されたアルミニウム製左ヘッダタンク(52)と、左ヘッダタンク(52)とは別個に形成された受液タンク(51)とが、受液タンク(51)が左右方向外側に位置するように配置されている。コンデンサ(50)の右端部側には、第1〜第4熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)の全熱交換管(3)の右端部がろう付により接続されたアルミニウム製右ヘッダタンク(53)が配置されている。左ヘッダタンク(52)内および右ヘッダタンク(53)は、それぞれ第2熱交換パス(P2)と第3熱交換パス(P2)との間の高さ位置に設けられた板状のアルミニウム製分割部材(54)により上下のタンク部(55)(56)(57)(58)に分割されており、両ヘッダタンク(52)(53)の上タンク部(55)(57)に第1〜第3熱交換パス(P1)(P2)(P3)の熱交換管(3)が接続され、同じく下タンク部(56)(58)に第4熱交換パス(P4)の熱交換管(3)が接続されている。
【0076】
左ヘッダタンク(52)の上タンク部(55)内は、第2熱交換パス(P2)と第3熱交換パス(P3)との間の高さ位置に設けられた板状のアルミニウム製仕切部材(12)により上下2つの区画(55a)(55b)に分割されており、上側区画(55a)に、第1熱交換パス(P1)の冷媒流れ方向下流側端部、および第2熱交換パス(P2)の冷媒流れ方向上流側端部が通じる第1中間ヘッダ部(42)が設けられ、下側区画(55b)に、第3熱交換パス(P3)(凝縮部(50A)の下端の熱交換パス)の冷媒流れ方向下流側端部が通じる凝縮部出口ヘッダ部(9)が設けられている。また、左ヘッダタンク(52)の下タンク部(56)の全体に、第4熱交換パス(P4)(過冷却部(50B)の上端の熱交換パス)の冷媒流れ方向上流側端部が通じる過冷却部入口ヘッダ部(11)が設けられている。
【0077】
右ヘッダタンク(53)の上タンク部(57)内は、第1熱交換パス(P1)と第2熱交換パス(P2)との間の高さ位置に設けられた板状のアルミニウム製仕切部材(12)により上下2つの区画(57a)(57b)に分割されている。上側区画(57a)に、凝縮部(50A)の第1熱交換パス(P1)の冷媒流れ方向上流側端部が通じる凝縮部入口ヘッダ部(13)が設けられ、下側区画(57b)に、凝縮部(50A)の第2熱交換パス(P2)の冷媒流れ方向下流側端部、および第3熱交換パス(P3)の冷媒流れ方向上流側端部が通じる第2中間ヘッダ部(43)が設けられている。また、右ヘッダタンク(53)の下タンク部(58)の全体に、第4熱交換パス(P4)の冷媒流れ方向下流側端部が通じる過冷却部出口ヘッダ部(14)が設けられている。右ヘッダタンク(53)の凝縮部入口ヘッダ部(13)の上部に冷媒入口(15)が形成されるとともに、過冷却部出口ヘッダ部(14)に冷媒出口(16)が形成されている。また、右ヘッダタンク(53)に、冷媒入口(15)に通じる冷媒入口部材(17)および冷媒出口(16)に通じる冷媒出口部材(18)が接合されている。
【0078】
受液タンク(51)は、左ヘッダタンク(52)の下部にろう付等により固定されたアルミニウム製ベース部材(59)と、上端が閉鎖されるとともに下端が開口した円筒状であり、かつベース部材(59)に着脱自在に取り付けられたアルミニウム製受液タンク本体(61)とよりなり、受液タンク(51)の上端が凝縮部出口ヘッダ部(9)の下端よりも上方に位置するとともに、同下端が凝縮部出口ヘッダ部(9)の下端よりも下方に位置している。
【0079】
図13に示すように、受液タンク(51)のベース部材(59)は、下端が閉鎖されるとともに上端が開口した円筒状であり、ベース部材(59)における左ヘッダタンク(52)の凝縮部出口ヘッダ部(9)の高さの中程よりも下方と対応する部分、および左ヘッダタンク(52)の過冷却部入口ヘッダ部(11)における高さの中程よりも上方と対応する部分に、それぞれ連通部材(62)(63)が右方突出状に一体に形成されており、上下両連通部材(62)(63)の先端が左ヘッダタンク(52)の周壁にろう付されている。
【0080】
ベース部材(59)の上部外周面にはおねじ(64)が形成されているとともに、受液タンク本体(61)の下端部内周面には、ベース部材(59)のおねじ(64)にねじ合わされるめねじ(65)が形成されており、受液タンク本体(61)の下端部がベース部材(59)の上端部にねじ被せられることにより、受液タンク本体(61)がベース部材(59)に着脱自在に取り付けられ、受液タンク本体(61)の下端開口がベース部材(59)によって閉鎖されている。
【0081】
受液タンク(51)内に、冷媒が、第3熱交換パス(P3)の熱交換管(3)から凝縮部出口ヘッダ部(9)を経て流入する第1空間(66)と、第1空間(66)よりも上方に位置し、かつ冷媒が第1空間(66)内から流入する第2空間(67)と、第1空間(66)の下方に位置し、かつ冷媒が第2空間(67)から流入するとともに第4熱交換パス(P4)の熱交換管(3)に流出する第3空間(68)とが設けられており、冷媒が第1空間(66)から第2空間(67)に流入する部分に絞りが設けられている。第1空間(66)は凝縮部出口ヘッダ部(9)の下端よりも上方の部分に設けられている。
【0082】
受液タンク(51)のベース部材(59)の上連通部材(62)に、左ヘッダタンク(52)の凝縮部出口ヘッダ部(9)内および受液タンク(51)の第1空間(66)内を通じさせる連通路(69)が形成され、同じく下連通部材(63)に、左ヘッダタンク(52)の過冷却入口ヘッダ部(11)内および受液タンク(51)の第3空間(68)内を通じさせる連通路(71)が形成されている。上連通部材(62)の連通路(69)が、冷媒が凝縮部出口ヘッダ部(9)内から第1空間(66)に流入する際の絞りとなっている。上連通部材(62)の連通路(69)の流路断面積は、凝縮部出口ヘッダ部(9)に通じる第3熱交換パス(P3)の全熱交換管(3)の総流路断面積以下となっていることが好ましい。
【0083】
受液タンク(51)内に、受液タンク(51)内を第1空間(66)と第2空間(67)とに分割する第1仕切部材(25)、受液タンク(51)内を第1空間(66)と第3空間(68)とに分割する第2仕切部材(26)、および第2空間(67)と第3空間(68)とを通じさせる冷媒通過路(28)を有する冷媒流通部材(27)とが設けられている。
【0084】
受液タンク(51)内に配置された冷媒流通部材(27)の上端は第1仕切部材(25)よりも上方(第2空間(67)内)に位置しているとともに、下端は第2仕切部材(26)よりも下方でかつ受液タンク(51)の下端部(第3空間(68)内)に位置しており、第1〜第3空間(66)(67)(68)にかけて配置されている。冷媒流通部材(27)における第2空間(67)内に存在する部分に、冷媒通過路(28)と第2空間(67)とを通じさせる第1連通口(31)が周方向に間隔をおいて複数形成され、同じく第3空間(68)内に存在する部分に、冷媒通過路(28)と第3空間(68)とを通じさせる第2連通口(32)が周方向に間隔をおいて複数形成されており、冷媒流通部材(27)の冷媒通過路(28)と第1空間(66)とは非連通状態となっている。
【0085】
第1仕切部材(25)が一体に形成された冷媒流通部材(27)は、冷媒流通部材(27)、乾燥剤収納容器(29)および受液タンク本体(51)を除いた部材を一括してろう付した後に、ベース部材(59)内に配置される。
【0086】
なお、図11図13に示された実施形態3のコンデンサ(50)の場合も、第1仕切部材(25)が冷媒流通部材(27)に一体に形成されているが、これに限定されるものではなく、第2仕切部材(26)と同様にアルミニウム板からなり、受液タンク(51)のベース部材(59)の周壁にろう付されていてもよい。この場合、第1仕切部材(25)における中心よりも左右方向外側部分に円形の貫通穴が形成され、当該貫通穴に冷媒流通部材(27)が上方から密に通される。
【0087】
コンデンサ(50)は、圧縮機、膨張弁(減圧器)およびエバポレータとともに冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両に搭載される。
【0088】
上述した構成のコンデンサ(50)を備えたカーエアコンにおいて、圧縮機により圧縮された高温高圧の気相冷媒が、冷媒入口部材(17)および冷媒入口(15)を通って右ヘッダタンク(53)の凝縮部入口ヘッダ部(13)内に流入し、第1熱交換パス(P1)の熱交換管(3)内を左方に流れて左ヘッダタンク(52)の第1中間ヘッダ部(42)内に流入する。第1中間ヘッダ部(42)内に流入した冷媒は、第2熱交換パス(P2)の熱交換管(3)内を右方に流れて右ヘッダタンク(53)の第2中間ヘッダ部(43)内に流入し、さらに第3熱交換パス(P3)の熱交換管(3)内を左方に流れて左ヘッダタンク(52)の凝縮部出口ヘッダ部(9)内に流入する。
【0089】
左ヘッダタンク(52)の凝縮部出口ヘッダ部(9)内に流入した冷媒は、ベース部材(59)の上連通部材(62)の連通路(69)を通って受液タンク(51)の第1空間(66)内に横向きに流入する。このとき、連通路(69)が絞りとして働き、冷媒が凝縮部出口ヘッダ部(9)から第1空間(66)に流入する際に圧力損失が発生する。
【0090】
受液タンク(51)の第1空間(66)内に流入した冷媒は、第1仕切部材(25)の冷媒通過穴(35)を通って第2空間(67)内に流入し、第2空間(67)内において気相と液相とに分離され、液相が第2空間(21)内に溜められる。このとき、冷媒通過穴(35)が絞りとして働き、冷媒が第1空間(66)から第2空間(67)に流入する際に圧力損失が発生する。また、冷媒は、第1空間(66)内から第2空間(67)内に上向きに流れて流入するので、第2空間(67)における気液分離機能が向上する。
【0091】
受液タンク(51)の第2空間(67)内で気液に分離されて溜められていた液相の冷媒は、冷媒流通部材(27)の第1連通口(31)から冷媒通過路(28)内に入って冷媒通過路(28)を下方に流れ、第1空間(66)に流入することなく第2連通口(32)から第3空間(68)内に流入する。第3空間(68)内に流入した冷媒は、ベース部材(59)の下連通部材(63)の連通路(71)を通って、左ヘッダタンク(52)の過冷却部入口ヘッダ部(11)内に入る。過冷却部入口ヘッダ部(11)に入った冷媒は、第4熱交換パス(P4)の熱交換管(3)内に入り、熱交換管(3)内を右方に流れる間に過冷却された後、右ヘッダタンク(53)の過冷却部出口ヘッダ部(14)内に入り、冷媒出口(16)および冷媒出口部材(18)を通って流出し、膨張弁を経てエバポレータに送られる。
【0092】
上述したコンデンサ(50)において、冷媒が、凝縮部出口ヘッダ部(9)から第1空間(66)に流入する際、および第1空間(66)から第2空間(67)に流入する際にそれぼれ圧力損失が発生するので、凝縮部出口ヘッダ部(9)内と第1空間(66)内、および第1空間(66)内と第2空間(67)内とで、それぞれ冷媒圧力条件に明確な差が生じ、その結果第1空間(66)に通じる第3熱交換パス(P3)と、第2空間(67)内の冷媒状態の差を明確にすることが可能になる。したがって、実施形態1のコンデンサ(1)と同様に、第3熱交換パス(P3)における下部の熱交換管(3)内の冷媒状態と、受液タンク(51)の第2空間(67)内の冷媒状態との差が明確になり、冷媒凝縮パスである第3熱交換パス(P3)の熱交換管(3)内に凝縮されて過冷却された液相冷媒が溜まることが抑制され、コンデンサ(50)内の冷媒が温度や風速などの外部環境の変動を受けにくくなる。その結果、コンデンサ(50)の小型化を図った場合にも、外部環境変動に対する凝縮部(50A)の凝縮能力の安定性が効果的に向上し、これにより特殊な外部環境条件下においても、凝縮部(50A)は、期待される冷媒凝縮能力を安定的に発揮する。
【0093】
実施形態3のコンデンサ(50)においては、受液タンク(51)に熱交換管(3)が接続されていないので、図7に示す第2仕切部材(260)と同様に、受液タンク(51)内を第1空間(66)と第3空間(68)とに分割する第2仕切部材は、冷媒流通部材(27)の外周面に一体に形成されるとともに、その外周縁部が第2ヘッダタンク(5)の内周面に密接し、第2仕切部材が、受液タンク(51)(受液部(2))の内周面と冷媒流通部材(27)の外周面との間の間隙を塞いでいてもよい。なお、第2仕切部材)は小径部(27B)の外周面に一体に形成される代わりに、大径部(27a)の外周面に一体に形成されていてもよい。さらに、冷媒流通部材(27)には、必ずしも大径部(27a)と小径部(27b)とが設けられている必要はなく、外周面の全体が同径であってもよい。冷媒流通部材(27)の外周面の全体が同径の場合、第2仕切部材は、冷媒流通部材(27)の適当な部分の外周面に一体に形成されて、その外周縁部が受液タンク(51)の内周面に密接し、第2仕切部材が、受液タンク(51)の内周面と冷媒流通部材(27)の外周面との間の間隙を塞ぐ。この場合も、第1仕切部材(25)が冷媒流通部材(27)と一体に形成されことと相俟って、図7に示す第2仕切部材(260)と同様な効果を奏する。
【0094】
なお、実施形態3のコンデンサ(50)において、第2仕切部材を冷媒流通部材(27)に一体に形成するには、受液タンク(51)がベース部材(59)およびベース部材(59)に着脱自在に取り付けられた受液タンク本体(61)からなることが前提となる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
この発明によるコンデンサは、自動車に搭載されるカーエアコンに好適に用いられる。
【符号の説明】
【0096】
(1)(40)(50):コンデンサ
(1A)(40A)(50A):凝縮部
(1B)(40B)(50B):過冷却部
(2):受液部
(3):熱交換管
(4):第1ヘッダタンク
(5):第2ヘッダタンク
(9):凝縮部出口ヘッダ部
(11):過冷却部入口ヘッダ部
(20)(44)(66):第1空間
(21)(45)(67):第2空間
(22)(46)(68):第3空間
(23):連通部材
(24):連通路
(25):第1仕切部材
(26):第2仕切部材
(27):冷媒流通部材
(28):冷媒通過路
(31):第1連通口
(32):第2連通口
(35):冷媒通過穴(絞り)
(51):受液タンク(受液部)
(52):左ヘッダタンク
(54):分割部材
(55):上タンク部
(56):下タンク部
(62):上連通部材
(69):連通路
(P1):第1熱交換パス
(P2):第2熱交換パス
(P3):第3熱交換パス
(P4):第4熱交換パス
図1
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