(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
暗証番号に対応する表示記号を円状に表示し、顧客の回転操作に応じて回転される数字盤と、前記数字盤の表示記号を合わせるための目印として前記数字盤の周囲に固定的に配置され、真のマークに加えてダミーのマークを含む複数個のマークと、を有する暗証入力画面を表示し、
顧客の回転操作に応じて前記数字盤を回転させて表示し、
前記回転操作の終了後に、前記暗証入力画面に表示された確定ボタンが操作された場合、前記複数個のマークの中で前記真のマークの位置に対応する前記数字盤の表示記号を取得し、該取得した数字盤の表示記号を暗証番号として確定する
ことを特徴とする暗証番号入力装置。
暗証番号に対応する表示記号を円状に表示し、顧客の回転操作に応じて回転される数字盤と、前記数字盤の表示記号を合わせるための目印として前記数字盤の周囲に固定的に配置され、真のマークに加えてダミーのマークを含む複数個のマークと、を有する暗証入力画面を表示し、
顧客の回転操作に応じて前記数字盤を回転させて表示し、
前記回転操作の終了後に、前記暗証入力画面に表示された確定ボタンが操作された場合、前記複数個のマークの中で前記真のマークの位置に対応する前記数字盤の表示記号を取得し、該取得した数字盤の表示記号を暗証番号として確定する
ことを特徴とする暗証番号入力方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に従って本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る自動取引装置10の外観図である。自動取引装置10は、金融機関やコンビニエンスストア等に設けられ、顧客の操作により入出金や振込等の取引処理を自動的に行うものである。
【0012】
自動取引装置10には、通帳出入口12、カード出入口14、硬貨出入口16、紙幣出入口18、タッチパネル20等が配置される。通帳出入口12は、顧客が取引用の通帳を自動取引装置10に出し入れするための開口である。カード出入口14は、顧客がカード等の取引媒体を自動取引装置10に出し入れするための開口である。
【0013】
硬貨出入口16は、顧客が自動取引装置10に入金する硬貨を投入し、自動取引装置10から出金された硬貨が排出される部位である。紙幣出入口18は、顧客が自動取引装置10に入金する紙幣を投入し、自動取引装置10から出金された紙幣が排出される部位である。タッチパネル20は、操作の手順を案内する画面や顧客が入力した情報を表示し、対応して顧客のタッチ入力を検出する。
【0014】
図2は、自動取引装置10とホストコンピュータ200からなる自動取引システム1の全体構成を示す図である。複数の自動取引装置10とホストコンピュータ200はネットワーク300等の回線により接続される。
【0015】
自動取引装置10は、顧客からの取引指示等をホストコンピュータ200に送信する。ホストコンピュータ200は、各自動取引装置10から送信される取引等の要求に対する判断及び処理を行い、自動取引装置10へ指示を送信する。自動取引装置10は、ホストコンピュータ200からの指示により、入金や出金あるいは記帳処理等を行う。
【0016】
自動取引装置10は、制御部30、記憶部50、通信部52、通帳処理部54、カード処理部56、紙幣処理部58、硬貨処理部60、操作部62及び表示部64等を有する。
【0017】
制御部30は、自動取引装置10の全体を統括的に制御する制御部である。制御部30は、CPUを有し、制御プログラムを読込んだCPUによるソフトウェア処理により、各処理を実行する。記憶部50は、制御プログラムや案内画面等のデータあるいは音声ガイドのデータを記憶する不揮発性の記憶部である。
【0018】
通信部52は、ホストコンピュータ200との通信を処理するもので、自動取引装置10とホストコンピュータ200間で電文の送受信処理を行う。通帳処理部54は、顧客から通帳出入口12に入れられた通帳を内部に搬送し、通帳のMS(Magnetic stripe)データを読取り、取引内容に関する印字を行う。
【0019】
カード処理部56は、顧客からカード出入口14に入れられたカードを内部に搬送し、カードのMSデータあるいはカードのICメモリに対して、読取りと書込みを行う。
【0020】
紙幣処理部58は、顧客から紙幣出入口18に投入された紙幣を内部に搬送し、紙幣を一時的に格納し、紙幣の真偽を判別し、紙幣を金種別に紙幣スタッカ(不図示)に格納する。硬貨処理部60は、顧客から硬貨出入口16に投入された硬貨を内部に搬送し、硬貨を金種別に内部の硬貨スタッカ(不図示)に格納する。操作部62及び表示部64操作部62は、タッチパネル20を構成する。
【0021】
制御部30は、取引制御部32、カード制御部34、画面制御部36及び暗証番号処理部38を有する。取引制御部32は、顧客からの指示で選択された取引処理を、実行する。例えば、顧客から取引として出金処理が指定された場合には、取引制御部32は、入力された暗証番号をホストコンピュータ200に送信して暗証番号の確認をしたり、カードの口座番号や出金金額をホストコンピュータ200に送信して、ホストコンピュータ200からの回答に応じて出金の可否を判断する。取引制御部32は、出金が許可された場合には、紙幣処理部58や硬貨処理部60を制御して、所定金額の紙幣や硬貨の出金処理を行う。
【0022】
カード制御部34は、カード処理部56を制御して、顧客から挿入されたカードの読取りや書込みを行わせる。画面制御部36は、表示部64に操作の進行に従って各種案内画面を表示し、また、カードの暗証番号の入力時には、暗証入力画面を表示部64に表示する。
【0023】
暗証番号処理部38は、カードの暗証番号の入力時に、暗証入力画面100(暗証番号入力画面とも呼ぶ)を生成し、表示された暗証入力画面に対する顧客からの操作に応じて、暗証番号を確定する。暗証番号処理部38を、暗証番号入力装置とも呼ぶ。暗証入力画面の詳細は、後述する。
【0024】
ホストコンピュータ200は、通信部202、顧客管理部204及び顧客データベース206を有する。通信部52は、ホストコンピュータ200と自動取引装置10との通信を処理するもので、自動取引装置10とホストコンピュータ200間で電文の送受信処理を行う。顧客データベース206には、口座の各情報が記録された口座元帳と各口座ごとの取引実績が記載された取引履歴等が記録される。顧客管理部204は、顧客データベース206により、顧客の口座情報を管理する。
【0025】
図3及び
図4は、自動取引装置10による取引処理例を説明するフローチャート1及びフローチャート2である。また、
図5及び
図6は、取引処理の過程で表示部64に表示される案内画面1及び案内画面2である。なお、以下では、「残高照会」が選択された場合を中心に説明する。
【0026】
最初に、取引制御部32は、顧客に取引種別選択を行わせる(ステップS10)。取引制御部32は、画面制御部36により表示部64に画面1(
図5参照)を表示する。取引制御部32は、画面1でいずれか取引キーが押下されたかを判断する(ステップS12)。取引制御部32は、取引キーが押下されたと判断するまで(ステップS12NO)、ステップS12をループする。
【0027】
取引制御部32は、取引キーが押下されたと判断すると(ステップS12YES)、「残高照会」が押下されたかを判断する(ステップS14)。取引制御部32は、「残高照会」が押下されていないと判断すると(ステップS14NO)、押下された他の取引処理を実行して(ステップS16)、ステップS10に戻る。
【0028】
取引制御部32は、押下されたのが「残高照会」であると判断すると(ステップS14YES)、顧客に媒体(本例では、カードとする)挿入を促すために、画面2(
図5参照)を表示する(ステップS18)。取引制御部32は、媒体が挿入されたと判断するまで(ステップS20NO)、ステップS20をループする。
【0029】
取引制御部32は、媒体が挿入されたと判断すると(ステップS20YES)、媒体チェックがOKであるかを判断する(ステップS22)。カード制御部34は、挿入された媒体(カード)からMSデータあるいはICチップのデータを読取り、所定の取引媒体であるかを判定する。
【0030】
取引制御部32は、媒体チェックがOKでないと判断すると(ステップS22NO)、顧客にNG媒体を返却するため画面7を表示して(ステップS24)、カード制御部34によって媒体返却処理を行う(ステップS40)。カード制御部34は、媒体抜取済であるかを判断する(ステップS42)。カード制御部34は、媒体抜取済であると判断するまで、ステップS42をループする。カード制御部34は、媒体抜取済であると判断すると(ステップS42YES)、ステップS10に戻る。
【0031】
ステップS22に戻り、取引制御部32は、媒体チェックがOKであると判断すると(ステップS22YES)、暗証入力処理を実行する(ステップS26)。暗証入力処理については、
図7以降で、説明する。
【0032】
暗証入力処理された暗証番号の電文が自動取引装置10からホストコンピュータ200に送信され、登録された暗証番号と照会される。ホストコンピュータ200から、正しい暗証番号であるとの電文が自動取引装置10に送信されたとする。一方、ホストコンピュータ200から、暗証番号が一致しないとの電文を受信した場合には、取引制御部32は、暗証番号の再入力を指示する画面を表示させる。
【0033】
取引制御部32は、残高照会取引電文を生成する(ステップS28)。取引制御部32は、ホストコンピュータ200と残高照会処理中であることを知らせるため、顧客に待ち画面(
図5の画面3)を表示する(ステップS30)。取引制御部32は、通信部52により残高照会電文をホストコンピュータ200に通信する処理を行う(ステップS32)。
【0034】
取引制御部32は、残高照会電文に対する応答電文をホストコンピュータ200から受信したかを判断する(ステップS34)。取引制御部32は、応答電文を受信したと判断するまで(ステップS34NO)、ステップS34をループする。
【0035】
取引制御部32は、応答電文を受信したと判断すると(ステップS34YES)、残高照会を許可する応答であるかを判断する(ステップS36)。取引制御部32は、残高照会を許可する応答ではないと判断すると(ステップS36NO)、カード制御部34によって取引不可(NG)媒体を返却して、
図6の画面8を表示する(ステップS38)。そして、取引制御部32は、前述したステップS40、ステップS42の処理を実行して、ステップS10に戻る。
【0036】
取引制御部32は、残高照会を許可する応答であると判断すると(ステップS36YES)、
図5の画面4に示すように残高を表示する(ステップS50)。取引制御部32は、画面4に示す確認キーが押下されたかを判断する(ステップS52)。取引制御部32は、確認キーが押下されたと判断するまで(ステップS52NO)、ステップS52をループする。取引制御部32は、確認キーが押下されたと判断すると(ステップS52YES)、図
5の画面5を表示して媒体返却を行う(ステップS54)。
【0037】
取引制御部32は、カード制御部34により媒体返却処理を行う(ステップS56)。取引制御部32は、カード制御部34により、媒体抜取済であるかを判断する(ステップS58)。取引制御部32は、媒体が抜取られるまでステップS58をループする。取引制御部32は、媒体抜取済であると判断すると(ステップS58YES)、顧客への御礼の画面として、
図5の画面6を表示して(ステップS60)、ステップS10に戻る。
【0038】
〈暗証入力画面〉
次に、ステップS26の暗証入力処理を説明する。まず、暗証入力画面100の構成を説明する。
図7は、表示部64(タッチパネル20)に表示される暗証入力画面100の例を示す図である。
図7の暗証入力画面100は、開始時の画面である。
【0039】
暗証入力画面100は、暗証番号処理部38により作成される。暗証入力画面100の左上部に、顧客に対する案内として、操作ガイド102(暗証番号を入力してください)が表示される。暗証入力画面100の右上部には、4桁の暗証番号の入力状況を示す確定フィールド108が表示される。
【0040】
暗証入力画面100の左下部には、数字盤120が表示される。数字盤120には、0−9までの数字と、*、#の文字の計12の記号が、30°の等間隔で円状に配置される。「0−9」の数字と「*、#」の記号が、暗証番号として入力可能な記号である。これらをあわせて、表示記号122と呼ぶ。
【0041】
また、数字盤120の周囲には、A、B、C、D、E、Fの6つのマーク104が、60°等間隔で配置される。マーク104は、数字盤120の表示記号122の合わせ位置を示す指標である。6つのマーク104のうち、1つだけが正しいマークで、他の5つがみせかけのマークである。正しいマークを確定マーク104a(真のマークとも呼ぶ)と呼び、みせかけのマークをダミーマーク104bと呼ぶ。
【0042】
ダミーマーク104bは、操作している画面を脇から覗き見されても、入力されている暗証番号を特定させないようにするためのものである。数字盤120は、顧客の操作に応じて回動されるが、マーク104は固定の位置に表示される。
【0043】
暗証入力画面100の右下部に、操作ボタン106として、取消ボタン106aと確定ボタン106bが表示される。取消ボタン106aは、入力した暗証番号の取消を指示するボタンで、確定ボタン106bは、数字盤120で合わせた表示記号122を暗証番号として確定入力を指示するボタンである。
【0044】
図8は、暗証入力画面100の数字盤120とマーク104を拡大した図である。なお、以下説明では、垂直軸Yを基準(0°)として、垂直軸Yから時計回りで角度を表示する。まず、数字盤で示される表示記号122の順番は、図示のように、時計回りで、0−9、*、#の順で、常に一定とする。数字盤120は、顧客の操作で回転されるが、開始時に表示される、数字盤120の表示記号122の位置は、乱数で決定される。
図8では、表示記号の「0」が0°からスタートし、時計回りで、「0,1,2・・・*、#」になっている。表示記号の「0」が、30°あるいは100°などからスタートする場合もある。
【0045】
また、マーク104の位置は、並び及び位置ともに、ランダムに決定される。
図8では、Y軸を基準に時計回りで、30°の位置に「A」、90°の位置に「B」が表示され、以下、60°間隔で「C、D、F、F」であるが、これは一例である。具体的には、マーク104の位置は、まず、30°の位置のマークを乱数で決定し(
図8では「A」)、次の60°の位置のマークを乱数で決定し(
図8では「B」)、これを繰り返して、すべてのマークを決定する。
【0046】
図9A、
図9Bに、マークの位置の他の例を示す。
図9Aは、マーク104の順番は、
図8と同じ順であるが、開始の位置が異なる。
図9Bは、マーク104の順番及び位置ともに、
図8と異なる。
【0047】
これにより、暗証番号入力の開始時点でマークの並び順および初期位置はランダムとなる(バリエーションはマークが6個の場合に、6*5*4*3*2*1=720パターンある)。また、前回表示したマークの並び順を保持しておき、今回の並び順と一致している場合は並び順を再決定するようにするなどして、前回の並び順とは必ず一致しないようにするとさらに安全性は高まる。
【0048】
そして、以下の例では、「B」が確定マーク104aであるとする。顧客は、自分の確定マークが、「A、B・・・F」のいずれであるかを、媒体発行等の手続き時に予め示されるとする。また、自分の確定マークの情報は、媒体(カード)にも記録される。なお、確定マーク104aは、顧客によって異なる。確定マーク104aの位置を、Y軸から確定マーク104aまでの角度θで表す。
図8の例では、「B」が確定マーク104aであるので、θ=90°になる。
【0049】
図10Aは、開始角度αを説明する図である。開始角度αは、各表示記号122の位置を示すものである。開始角度αは、Y軸を基準とし、時計回りの角度である。
図10Aに示すように、表示記号「0」の開始角度α(0)=0°、表示記号「1」の開始角度α(1)=30°、表示記号「#」の開始角度α(#)=330°となる。
【0050】
また、前述したように表示記号122の順番は固定であるが、暗証入力画面100の表示開始時の位置は、ランダムである。
図10Bは、数字盤の表示記号122の位置がランダムに設定されることを示す図で、
図10Bに示すように、Y軸から時計回りで最初の表示記号が「*」となる場合もある。
【0051】
図11及び
図12は、ステップS26の暗証入力の処理手順を説明するサブルーチンである。また、
図13−
図18は、
図11及び
図12の暗証入力処理の途中過程での暗証入力画面100を示す図で、順番に暗証画面1、暗証画面2・・・と表示する。また、
図19及び
図20は、各暗証入力画面に対応する数字盤テーブルの例を示す図である。
図11及び
図12に沿って、暗証入力の処理を説明する。
【0052】
暗証番号処理部38は、媒体から確定マーク104aの情報を取得する(ステップS100)。確定マーク104aの情報とは、確定マーク104aの符号の情報である。以下では、
図7の例と同様に、確定マーク104aが「B」であるとする。
【0053】
暗証番号処理部38は、初期設定として、マークの位置を決定する(ステップS102)。前述のように、暗証番号処理部38は、乱数により、数字盤120における確定マーク104aとダミーマーク104bを含めた各マークの位置を決定する。
【0054】
また、暗証番号処理部38は、初期設定として、表示記号122の開始時の位置を決定する(ステップS104)。前述のように、暗証番号処理部38は、乱数により、表示記号122の開始時の位置を決定する。暗証番号処理部38は、決定した各マークの位置と表示記号122の初期位置により、暗証入力画面100を生成する。
【0055】
暗証番号処理部38は、画面制御部36により、開始時の暗証入力画面100である暗証画面1を表示部64に表示する(ステップS106)。
図13に暗証画面1を示す。確定マーク104aの「B」が、θ=90°の位置に決定されたとする。「A、C、D、E、F」はダミーマーク104bである。
【0056】
暗証番号処理部38は、顧客により数字盤120が操作されたかを判断する(ステップS108)。暗証番号処理部38は、数字盤120が操作されていないあるいは操作が終了したと判断すると(ステップS108NO)、ステップS114に進む。暗証番号処理部38は、数字盤120が操作されたと判断すると(ステップS108YES)、暗証番号処理部38は、数字盤120への操作に応じて、数字盤120を回転させる(ステップS110)。暗証番号処理部38は、操作に応じて、数字盤120を回転させた暗証画面を生成する。
【0057】
以下では、顧客が暗証番号として「9」、「6」、「0」、「3」を順に入力する例を説明する。なお、前述のように、顧客は、「B」が確定マーク104aであることを記憶している。
【0058】
まず、顧客は、暗証番号の1桁目が「9」であるので、数字盤120の「9」を「B」の位置まで回転させる。顧客は、指rを数字盤120の「9」にタッチして、q方向に回転させる(
図13の暗証画面2−1)。そして、顧客は、数字盤120の「9」を「B」の位置に合わせる(
図13の暗証画面2−2)。
【0059】
暗証番号処理部38は、数字盤120の回転に応じて数字盤テーブルを更新する(ステップS112)。
【0060】
図19及び
図20は、各暗証画面に対応する数字盤テーブルである。数字盤テーブルは、各暗証画面における表示記号122とその開始角度を表にしたものである。
【0061】
また、行番号は、各表示記号122に対応する連続番号であって、表示記号122と行番号の対応関係は、回転に関わらず一定である。つまり、行番号(1)・・・行番号(12)が、それぞれ表示記号0、1・・・#に常に対応する。
【0062】
顧客による回転操作の方向が右回転(時計回り)なら、回転の角度を加算した値が新たな開始角度となる。なお、開始角度が360°以上となった場合には、360°を減算した値にする。また、回転操作の方向が左回転(反時計回り)なら、回転の角度を減算した値が新たな開始角度となる。なお、開始角度が0未満となった場合には、360°を加算した値にする。
【0063】
図19のテーブルT10は、開始時の暗証画面1の数字盤テーブルである。例えば、表示記号「0」の開始角度α(0)=0である。表示記号「9」が「B」の位置まで回転されると(
図14の暗証画面2−2)、数字盤テーブルがテーブルT11に更新される。例えば、表示記号「0」の開始角度α(0)=170°、表示記号「9」の開始角度α(9)=80°になる。
【0064】
数字盤120の回転操作終了後、暗証番号処理部38は、確定ボタン106bが押下されたかを判断する(ステップS114)。顧客は、目的の表示記号122を確定マーク104aに合わせた後に、指rで確定ボタン106bを押下する(
図14の暗証画面3)。なお、回転操作させる場合に、目的の表示記号122にタッチして回転させる必要はない。また、確定ボタン106bが押下されるまでは確定されないので、途中で、数字盤120から指rを外してもよい。
【0065】
暗証番号処理部38は、確定ボタン106bが押下されていないと判断すると(ステップS114NO)、取消ボタン106aが押下されたかを判断する(ステップS116)。
【0066】
暗証番号処理部38は、取消ボタン106aが押下されていないと判断すると(ステップS116NO)、ステップS108に戻る。
【0067】
暗証番号処理部38は、取消ボタン106aが押下されたと判断すると(ステップS116YES)、確定済暗証番号を全て破棄し(ステップS118)、確定済暗証番号の桁数を0にして(ステップS120)、ステップS108に戻る。
【0068】
暗証番号処理部38は、確定ボタン106bが押下されたと判断すると(ステップS114YES)、数字盤テーブルから、確定マーク104aに対応する行番号を取得する(ステップS122)。暗証画面2−2の状態では、数字盤テーブルは、
図19のテーブルT11に更新されている。これにより、確定マーク104aに対応する行番号が「10」となることで、確定マーク104aに対応する表示記号は「9」と取得されるが、この取得方法を説明する。
【0069】
まず、ステップS122における、確定マーク104aに対応する行番号を算出する方法を説明する。行番号をmとする。m=1・・・12である。
【0070】
i)行番号(m)の開始角度 < 行番号(m+1)の開始角度 の場合には、以下の式1を満足する行番号(m)が、確定マーク104aに対応する。
行番号(m)の開始角度 ≦ 確定マーク104aの角度 < 行番号(m+1)の開始角度 ・・・式1
【0071】
ii)行番号(m)の開始角度 > 行番号(m+1)の開始角度 の場合には、以下の式2を満足する行番号(m)が、確定マーク104aに対応する。
行番号(m)の開始角度 ≦ 確定マークの角度+360° < 行番号(m+1)の開始角度+360° ・・・式2
【0072】
行番号(1)から行番号(12)までを順番に、式1あるいは式2に適合するかを調べていく。例えば、
図19のテーブルT11の例で、まず行番号(1)を調べる。テーブルT11により、行番号(1)の開始角度170°、行番号(2)の開始角度200°、確定マーク104aの角度θ=90°である。行番号(1)は、i)の場合であるが、式1を満足しないことがわかる。行番号(2)も同様に、式1を満足しない。行番号(10)は、行番号(10)の開始角度80°、行番号(11)の開始角度110°となり、式1を満足する。
【0073】
従って、暗証画面2−2の状態では、確定マーク104aに対応する行番号は、行番号(10)と取得される。
【0074】
暗証番号処理部38は、行番号から対応する表示記号122を取得し、暗証番号の1桁と確定する(ステップS124)。暗証画面2−2の状態では、テーブルT11から、行番号(10)に対応する表示記号「9」が暗証番号と取得される。
【0075】
暗証番号処理部38は、暗証番号の1桁が確定したことを、確定フィールド108に反映する(ステップS126)。
図15の暗証画面4は、
図14の暗証画面3に続いて表示される画面で、確定フィールド108で1桁目が確定したことが示される。
【0076】
同様にして2桁目以降も回転と確定ボタン106bの押下により確定される。2桁目以降の操作を簡単に説明する。2桁目入力で、顧客は、数字盤120をq方向に回転させて表示記号「6」を確定マーク104aの「B」に合わせてから(
図15の暗証画面5−1)、確定ボタン106bを押下する(
図16の暗証画面5−2)。
図16の暗証画面5−2では、数字盤テーブルは、
図19のテーブルT12のように更新され、行番号(7)が式1を満足する。これにより行番号(7)が取得され、対応する表示記号「6」が取得される。そして、2桁目の暗証番号として「6」が確定される。
【0077】
3桁目入力で、顧客は、数字盤120をq方向に回転させて表示記号「0」を確定マーク104aの「B」に合わせてから(
図16の暗証画面5−3)、確定ボタン106bを押下する(図
17の暗証画面5−4)。図
17の暗証画面5−4では、数字盤テーブルは、
図20のテーブルT13のように更新され、行番号(1)が式1を満足する。これにより、行番号(1)が取得され、対応する表示記号「0」が取得される。3桁目の暗証番号として「0」が確定される(
図17の暗証画面5−4)。
【0078】
4桁目入力で、顧客は、数字盤120をq方向に回転させて表示記号「3」を「B」に合わせ(図
17の暗証画面5−5)、確定ボタン106bを押下する(
図18の暗証画面5−6)。図
17の暗証画面5−5では、数字盤テーブルは、
図20のテーブルT14のように更新され、行番号(4)が式1を満足する。行番号(4)が取得され、対応する表示記号「3」が取得される。4桁目の暗証番号として「3」が確定される。
【0079】
図12のステップS128に戻る。暗証番号処理部38は、確定済暗証番号の桁数が4になったかを判断する(ステップS128)。暗証番号処理部38は、確定済暗証番号の桁数が4未満と判断すると(ステップS128NO)、ステップS108に戻り、次の暗証番号入力を待つ。暗証番号処理部38は、確定済暗証番号の桁数が4になったと判断すると(ステップS128YES)、暗証番号の入力処理を終了して、前述した
図3のフローチャートのステップS28に進む。
【0080】
〈実施形態による効果〉
以上説明した実施形態によれば、回転する数字盤120の表示記号122を合わせるマーク(指標)に、ダミーマーク
を含ませたので、暗証番号入力時に、第3者に覗き見等されて暗証番号が漏洩するおそれがなくなる。
【0081】
さらに、表示記号122を合わせる真のマークの表示位置を取引毎に変化させることで、より暗証番号の推定を困難にできる。また、表示記号122の初期位置も、変化させるので、さらに推定を困難にできる。また、真のマークの情報をカードに記憶させたので、暗証番号と一元的な管理が可能になる。
【0082】
〈変形例〉
・確定マークの情報を、カードに記憶させると説明したが、確定マークの情報をホストコンピュータ200に保存してもよい。ホストコンピュータ200に全てのマーク104の角度及び確定ボタン106b押下時の数字盤テーブル(4桁分)を送信することで、ホストコンピュータ200で暗証番号の決定を行うことができる。
・マークの個数は、6個の例を説明したが、6個に限ることはない。
・制御部30は、制御プログラムを読込んだCPUによるソフトウェア処理により実現されると説明したが、一部または全部をハードウェアで構成してもよい。
【0083】
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。