特許第6572047号(P6572047)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6572047
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】化粧料の充填装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 39/00 20060101AFI20190826BHJP
   B65B 3/10 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   B65B39/00 Z
   B65B3/10
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-153795(P2015-153795)
(22)【出願日】2015年8月4日
(65)【公開番号】特開2017-30821(P2017-30821A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2018年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000158781
【氏名又は名称】紀伊産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167900
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 仁
(72)【発明者】
【氏名】畑中 巧
(72)【発明者】
【氏名】石塚 良平
【審査官】 田中 佑果
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−077990(JP,A)
【文献】 特開2013−085751(JP,A)
【文献】 特開平02−142504(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0224144(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 39/00
B65B 3/10
A45D 33/00
A45D 40/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スラリー状の化粧料を容器に充填する化粧料の充填装置であって、
第1の収容部および第2の収容部を有する容器を載置する基台と、
前記基台に載置された前記容器を搬出する搬出方向の先端側に形成された第1の貫通孔を介して容器に連通し、前記第1の収容部に形成された第1の充填孔を介して化粧料を充填する第1の充填ノズルと、
前記基台に載置された前記容器を搬出する搬出方向の基端側に形成された第2の貫通孔を介して容器に連通し、前記第2の収容部に形成された第2の充填孔を介して化粧料を充填する第2の充填ノズルとを備え、
前記第2の充填孔に前記基台が接触しないように前記第2の貫通孔から前記第1の貫通孔まで前記容器の搬出方向に沿って溝部が前記基台に形成されていることを特徴とする化粧料の充填装置。
【請求項2】
請求項1に記載された化粧料の充填装置において、
前記溝部の幅は、前記第2の充填ノズルの内径よりも大きいことを特徴とする化粧料の充填装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載された化粧料の充填装置において、
前記第1の充填孔を介して充填される化粧料の色は、前記第2の充填孔を介して充填される化粧料の色と異なることを特徴とする化粧料の充填装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スラリー状の化粧料を容器に充填する化粧料の充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スラリー状の化粧料を容器に充填する化粧料の充填装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された化粧料の充填装置は、複数の収容部を有する化粧皿(容器)を載置する基台と、複数の収容部のそれぞれに対応するように化粧皿に形成された充填孔を介してスラリー状の化粧料を充填する充填ノズルとを備えている。
この充填装置は、化粧皿を所定の搬入方向に沿って搬入することによって、基台における所定の位置に載置した後、基台に形成された貫通孔を介して充填ノズルの先端を充填孔に押し付けて当接させた状態とし、この充填ノズルの先端から化粧料を吐出することによって、スラリー状の化粧料を化粧皿に充填している。そして、充填装置は、スラリー状の化粧料を化粧皿に充填した後、この化粧皿を所定の搬出方向に沿って搬出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−077990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1に記載された充填装置において、化粧皿に形成された複数の充填孔は、化粧皿の搬入方向に沿って形成されているので、複数の充填ノズルも化粧皿の搬入方向に沿って充填装置に設けられている。
このため、例えば、この化粧皿を搬入方向と同方向に沿って搬出するように充填装置を構成した場合には、化粧料の充填を繰り返すことによって、基台に形成された貫通孔に化粧料が付着してしまい、充填ノズルの詰まりなどを引き起こしてしまう場合があるという問題がある。
【0005】
具体的には、特許文献1に記載された充填装置において、化粧皿に形成された3つの充填孔のうち、搬入方向の基端側に位置する充填孔は、スラリー状の化粧料を充填した後、化粧皿を搬出することによって、搬出方向に沿って基台上を移動する。このとき、この充填孔は、他の2つの充填孔に対応するように基台に形成された貫通孔(充填ノズルを挿入する貫通孔)を通過していくことになる。したがって、搬入方向の基端側に位置する充填孔の近傍に付着していた化粧料は、他の2つの充填孔に対応するように基台に形成された貫通孔に付着してしまい、充填ノズルの詰まりなどを引き起こしてしまう場合がある。
【0006】
本発明の目的は、基台に形成された貫通孔への化粧料の付着を抑制できる化粧料の充填装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の化粧料の充填装置は、スラリー状の化粧料を容器に充填する化粧料の充填装置であって、第1の収容部および第2の収容部を有する容器を載置する基台と、基台に載置された容器を搬出する搬出方向の先端側に形成された第1の貫通孔を介して容器に連通し、第1の収容部に形成された第1の充填孔を介して化粧料を充填する第1の充填ノズルと、基台に載置された容器を搬出する搬出方向の基端側に形成された第2の貫通孔を介して容器に連通し、第2の収容部に形成された第2の充填孔を介して化粧料を充填する第2の充填ノズルとを備え、第2の充填孔に基台が接触しないように第2の貫通孔から第1の貫通孔まで容器の搬出方向に沿って溝部が基台に形成されていることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、第2の充填孔に基台が接触しないように第2の貫通孔から第1の貫通孔まで容器の搬出方向に沿って溝部が基台に形成されているので、基台から容器を搬出するときに第2の充填孔が第1の貫通孔を通過しても第1の貫通孔に化粧料が付着してしまうことはない。したがって、化粧料の充填装置は、基台に形成された第1の貫通孔への化粧料の付着を抑制できる。

【0009】
本発明では、溝部の幅は、第2の充填ノズルの内径よりも大きいことが好ましい。
【0010】
このような構成によれば、溝部の幅は、容器の搬出方向の基端側に設けられた第2の充填ノズルの内径よりも大きいので、化粧料の充填装置は、容器の搬出方向の先端側に設けられた第1の貫通孔への化粧料の付着を確実に抑制できる。
【0011】
本発明では、化粧料の充填装置は、基台から容器を搬出するときに第2の充填孔が第1の貫通孔を通過しても第1の貫通孔に化粧料が付着してしまうことはないので、第1の充填孔を介して充填される化粧料の色と、第2の充填孔を介して充填される化粧料の色とが異なる場合に、これらの化粧料の混色を抑制できる。
【0012】
換言すれば、本発明は、第1の充填孔を介して充填される化粧料の色と、第2の充填孔を介して充填される化粧料の色とが異なる場合に、その作用効果をより一層発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る化粧料の充填装置を示す概略模式図
図2】化粧皿の上面図
図3】基台の上面図
図4】第2の充填ノズルおよび溝部の関係を示す図
図5】充填ノズルと、充填孔との関係を示す模式図
図6】充填装置の初期状態を示す図
図7】基台に化粧皿を搬入して載置した状態を示す図
図8】挟持機構によって化粧皿を挟持した状態を示す図
図9】付勢機構によって複数の充填ノズルを付勢した状態を示す図
図10】化粧皿に化粧料を充填している状態を示す図
図11】基台から化粧皿を搬出している状態を示す図
図12】充填ノズルの先端部の近傍を拡大した図
図13】基台および充填ノズルの近傍を拡大した断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る化粧料の充填装置を示す概略模式図である。
充填装置1は、4色のスラリー状の化粧料を容器としての化粧皿10に充填する化粧料の充填装置である。ここで、スラリー状の化粧料とは、ファンデーション、フェイスパウダー、アイシャドウなどの固形粉末化粧料の化粧料基材と、エタノール、水、流動パラフィン、イソパラフィン、イソプロピルアルコールなどの揮発性溶剤とを混合した流動物である。
【0015】
図2は、化粧皿の上面図である。
化粧皿10は、例えば、プラスチック成形によって略矩形状に形成される。この化粧皿10は、図2に示すように、上面を部分的に凹状に陥没させることによって形成されるとともに、互いに異なる色の化粧料を収容する4つの収容部11(11A〜11D)を有する。各収容部11は、それぞれ同一の形状を有し、2×2の格子状に配置されている。また、各収容部11は、略中央位置にそれぞれ形成された充填孔12(12A〜12D)を有している。これらの充填孔12は、化粧皿の皿底の内底面(内面)から裏面(外面)まで貫通して断面円形状に形成されている。
【0016】
また、充填装置1は、図1に示すように、化粧皿10を載置する基台2と、化粧皿10を挟持する挟持機構3と、充填孔12のそれぞれと対応して設けられた充填ノズル4と、充填ノズル4を基台2に向かって付勢する付勢機構5とを有する。ここで、化粧皿10は、ハカマ13に収納した状態で基台2に載置される。具体的には、ハカマ13は、紙面左右方向に沿って2つの化粧皿10を収納することができるように形成されている。
以下、紙面右側に配置された化粧皿10を化粧皿101とし、紙面左側に配置された化粧皿10を化粧皿102として説明する。
【0017】
そして、各化粧皿10は、ハカマ13に収納された状態で紙面左側から右側に向かう搬入方向に沿って搬入され、基台2における所定の位置に載置される。また、各化粧皿10は、ハカマ13に収納された状態で紙面左側から右側に向かう搬出方向に沿って搬出される。換言すれば、ハカマ13は、化粧皿10の搬入方向および搬出方向に沿って2つの化粧皿10を収納している。
【0018】
図3は、基台の上面図である。
基台2は、図1および図3に示すように、充填ノズル4(4A〜4D)と対応する位置にそれぞれ形成された複数の貫通孔21(21A〜21D)を有する。各貫通孔21は、充填ノズル4の外面形状と同じ内面形状に形成されている。また、充填ノズル4の先端は、充填ノズル4を貫通孔21に収納し、充填ノズル4を基台2に向かって付勢した状態において、基台2の上面から突出するように設定されている。
【0019】
以下、図3に示すように、化粧皿101の充填孔12A〜12Dを充填孔12A1〜12D1とし、これらの充填孔12A1〜12D1と対応して設けられた充填ノズル4A〜4Dを充填ノズル4A1〜4D1として説明する。同様に、化粧皿102の充填孔12A〜12Dを充填孔12A2〜12D2とし、これらの充填孔12A2〜12D2と対応して設けられた充填ノズル4A〜4Dを充填ノズル4A2〜4D2として説明する。
また、充填ノズル4A1〜4D1と対応する位置にそれぞれ形成された複数の貫通孔21A〜21Dを貫通孔21A1〜21D1とし、充填ノズル4A2〜4D2と対応する位置にそれぞれ形成された複数の貫通孔21A〜21Dを貫通孔21A2〜21D2として説明する。
なお、図1は、基台2、挟持機構3の一部、化粧皿10、およびハカマ13のそれぞれを化粧皿10の充填孔12A,12Bの中心を通るように切断した断面で示している。以降の図面においても同様である。
【0020】
ここで、前述したように、化粧皿10は、ハカマ13に収納された状態で紙面左側から右側に向かう搬出方向に沿って搬出される。したがって、本実施形態では、貫通孔21A1は、基台2から化粧皿10を搬出するときに充填孔12B1,12A2,12B2が通過する経路と重なる位置に設けられている。貫通孔21B1は、基台2から化粧皿10を搬出するときに充填孔12A2,12B2が通過する経路と重なる位置に設けられている。貫通孔21A2は、基台2から化粧皿10を搬出するときに充填孔12B2が通過する経路と重なる位置に設けられている。また、本実施形態では、貫通孔21C1は、基台2から化粧皿10を搬出するときに充填孔12D1,12C2,12D2が通過する経路と重なる位置に設けられている。貫通孔21D1は、基台2から化粧皿10を搬出するときに充填孔12C2,12D2が通過する経路と重なる位置に設けられている。貫通孔21C2は、基台2から化粧皿10を搬出するときに充填孔12D2が通過する経路と重なる位置に設けられている。
【0021】
そして、充填孔12B1(第2の充填孔)に基台2が接触しないように貫通孔21B1(第2の貫通孔)から貫通孔21A1(第1の貫通孔)まで化粧皿10の搬出方向に沿って溝部211が形成されている。
充填孔12A2(第2の充填孔)に基台2が接触しないように貫通孔21A2(第2の貫通孔)から貫通孔21B1(第1の貫通孔)まで化粧皿10の搬出方向に沿って溝部212が形成されている。
充填孔12B2(第2の充填孔)に基台2が接触しないように貫通孔21B2(第2の貫通孔)から貫通孔21A2(第1の貫通孔)まで化粧皿10の搬出方向に沿って溝部213が形成されている。
換言すれば、充填孔12B2(第2の充填孔)に基台2が接触しないように貫通孔21B2(第2の貫通孔)から貫通孔21A1(第1の貫通孔)まで化粧皿10の搬出方向に沿って溝部211〜213が形成されている。
【0022】
また、充填孔12D1(第2の充填孔)に基台2が接触しないように貫通孔21D1(第2の貫通孔)から貫通孔21C1(第1の貫通孔)まで化粧皿10の搬出方向に沿って溝部221が形成されている。
充填孔12C2(第2の充填孔)に基台2が接触しないように貫通孔21C2(第2の貫通孔)から貫通孔21D1(第1の貫通孔)まで化粧皿10の搬出方向に沿って溝部222が形成されている。
充填孔12D2(第2の充填孔)に基台2が接触しないように貫通孔21D2(第2の貫通孔)から貫通孔21C2(第1の貫通孔)まで化粧皿10の搬出方向に沿って溝部223が形成されている。
換言すれば、充填孔12D2(第2の充填孔)に基台2が接触しないように貫通孔21D2(第2の貫通孔)から貫通孔21C1(第1の貫通孔)まで化粧皿10の搬出方向に沿って溝部221〜223が形成されている。
【0023】
このように、本実施形態では、第1の貫通孔は、基台2に載置された化粧皿10を搬出する搬出方向の先端側に形成されている。また、第2の貫通孔は、基台2に載置された化粧皿10を搬出する搬出方向の基端側に形成されている。
【0024】
図4は、第2の充填ノズルおよび溝部の関係を示す図である。具体的には、図4は、基台2の上面側から充填ノズル4B2および充填ノズル4A2の周辺を見た拡大図である。
溝部213の幅Wは、図4に示すように、充填ノズル4B2の内径φAよりも大きい。具体的には、本実施形態では、貫通孔21B2の内径および充填ノズル4B2の先端部の外径は、約7mm程度であり、充填ノズル4B2の内径φAおよび充填孔12B2の内径φBは、約2.5mm程度である。そして、溝部213の幅Wは、充填ノズル4B2の内径φAよりも大きく約3mm程度である。
なお、本実施形態では、充填ノズル4(4A〜4D)、貫通孔21(21A〜21D)、および充填孔12(12A〜12D)は、それぞれ同一の形状を有している。したがって、図4では、充填ノズル4B2および溝部213の関係を図示しているが、他の第2の充填ノズルおよび溝部の関係(例えば、充填ノズル4A2および溝部212の関係など)も同様である。
【0025】
ここで、溝部213の幅Wは、充填装置1の機能に影響を及ぼさない範囲であれば、大きいほど好ましい。また、溝部213の深さは、充填装置1の機能に影響を及ぼさない範囲であれば、深いほど好ましい。これによれば、溝部は、第2の充填孔の近傍に付着していた化粧料が脱落して溝部に溜まったとしても、その機能を維持していくことができる。
【0026】
また、本実施形態では、充填装置1は、第1の収容部および第2の収容部を有する化粧皿10を載置する基台2と、基台2に載置された化粧皿10を搬出する搬出方向の先端側に形成された第1の貫通孔を介して化粧皿10に連通し、第1の収容部に形成された第1の充填孔を介して化粧料を充填する第1の充填ノズルと、基台2に載置された化粧皿10を搬出する搬出方向の基端側に形成された第2の貫通孔を介して化粧皿10に連通し、第2の収容部に形成された第2の充填孔を介して化粧料を充填する第2の充填ノズルとを備えている。
さらに、本実施形態では、第1の充填孔を介して充填される化粧料の色は、第2の充填孔を介して充填される化粧料の色と異なっている。
【0027】
挟持機構3は、図1に示すように、各化粧皿10を開口側から押さえるためのストリッパー31と、ストリッパー31を支持する台座32と、台座32を昇降させるサーボモータ33と、台座32および各化粧皿10の間に配設された吸収性の高い紙や不織布などからなる吸収シート34Aの供給ローラ34とを有する。
ストリッパー31は、矩形枠板状に形成され、台座32とともに下降することによって、各化粧皿10の外縁を押さえる。すなわち、ストリッパー31にて各化粧皿10を押さえた状態において、各化粧皿10の全ての収容部11は露出する。
【0028】
台座32は、ストリッパー31側の面に設けられた吸引ヘッド32Aと、吸引ヘッド32Aの外側に設けられたバネ32Bとを有する。吸引ヘッド32Aは、台座32を下降させることによって、ストリッパー31の枠内を通過するとともに、各化粧皿10の全ての収容部11を覆う矩形板状に形成される。バネ32Bは、ストリッパー31と、台座32とを接続する。
【0029】
したがって、挟持機構3は、サーボモータ33を回転させて台座32を下降させることによって、ストリッパー31を介して各化粧皿10を基台2に向かって開口側から付勢する。換言すれば、挟持機構3は、ストリッパー31と基台2とによって各化粧皿10を挟持する。また、バネ32Bは、ネジ32Cを回転させることによって、その強度を調節することができるので、各化粧皿10を付勢する力を調整することができる。
【0030】
付勢機構5は、充填ノズル4の基端にそれぞれ接続された複数のバネ51と、バネ51を介して充填ノズル4を支持する支持部材52と、支持部材52を基台2に対して昇降させる昇降装置53とを有する。なお、バネ51に代えて、例えば、ゴム部材などの他の弾性体を採用してもよい。
この付勢機構5は、昇降装置53を動作させて支持部材52を上昇させることによって、充填ノズル4を基台2に向かって付勢する。
【0031】
ここで、充填ノズル4の基端には、バネ51が接続されているので、付勢機構5は、複数の充填ノズル4をそれぞれ付勢することになる。そして、充填ノズル4の先端は、基台2の貫通孔21を介して化粧皿10の充填孔12と当接する。
また、バネ51は、ネジ51Aを回転させることによって、その強度を調整することができる。すなわち、付勢機構5は、基台2に向かって付勢する力を充填ノズル4ごとに調整可能である。具体的には、付勢機構5によって複数の充填ノズル4を付勢する力は、挟持機構3によって各化粧皿10を付勢する力よりも小さく設定されている。これによれば、付勢機構5にて複数の充填ノズル4を付勢する際に基台2から各化粧皿10が浮いてしまうことを防止することができる。
【0032】
図5は、充填ノズルと、充填孔との関係を示す模式図である。
充填ノズル4は、図5に示すように、化粧料を吐出する金属製のノズル本体41と、ノズル本体41の先端部に設けられるゴム製の弾性部材42とを備えている。
ノズル本体41は、円筒状の先端部を有し、この先端部の内径φAは、前述したように、充填孔12の内径φBと同一(約2.5mm程度)に設定されている。また、ノズル本体41の先端部の外径φCは、約4mm程度である。
弾性部材42は、円筒状に形成されるとともに、化粧皿10の裏面と互いに平行な端面43を有し、ノズル本体41よりも各化粧皿10側に突出して設けられている。なお、弾性部材42の外径(充填ノズル4の先端部の外径)φDは、貫通孔21B2の内径(約7mm程度)よりも僅かに小さく設定されている。
【0033】
図6図11は、充填装置による化粧料の充填方法を説明する工程図である。具体的には、図6は、充填装置の初期状態を示す図である。図7は、基台に化粧皿を搬入して載置した状態を示す図である。図8は、挟持機構によって化粧皿を挟持した状態を示す図である。図9は、付勢機構によって複数の充填ノズルを付勢した状態を示す図である。図10は、化粧皿に化粧料を充填している状態を示す図である。図11は、基台から化粧皿を搬出している状態を示す図である。以下、これらの図を参照して化粧料の充填方法を説明する。
【0034】
まず、充填装置1は、図6に示すように、サーボモータ33を回転させて台座32を上昇させるとともに、昇降装置53を動作させて支持部材52を下降させた状態とする。次に、充填装置1は、図7の矢印に示すように、ハカマ13を搬送して各化粧皿10を所定の搬入方向(紙面右方向)に沿って搬入することによって、基台2における所定の位置に各化粧皿10を載置する。次に、充填装置1は、図8の矢印に示すように、サーボモータ33を回転させて台座32を下降させることによって、ストリッパー31にて各化粧皿10を基台2に向かって開口側から付勢する。この際、吸引ヘッド32Aは、ストリッパー31の枠内を通過するとともに、各化粧皿10の全ての収容部11を覆う。そして、充填装置1は、図9の矢印に示すように、昇降装置53を動作させて支持部材52を上昇させることによって、複数の充填ノズル4を基台2に向かって付勢する。
【0035】
図12は、充填ノズルの先端部の近傍を拡大した図である。
支持部材52を上昇させて充填ノズル4のノズル本体41を各化粧皿10に向かって付勢することによって、図12(A)に示すように、まず、弾性部材42の端面43と、各化粧皿10の裏面とが当接する。そして、ノズル本体41を各化粧皿10に向かって更に付勢することによって、弾性部材42は、図12(B)に示すように、各化粧皿10と当接して弾性変形し、ノズル本体41の吐出口から充填孔12に至る化粧料の流路を密閉する。換言すれば、弾性部材42の弾性力は、付勢機構5によって複数の充填ノズル4を付勢する力よりも小さくなるように設定されている。
【0036】
図13は、基台および充填ノズルの近傍を拡大した断面図である。
また、充填ノズル4を各化粧皿10に向かって付勢することによって、充填ノズル4を基台2に向かって付勢すると、充填ノズル4は、図13の矢印に示すように、基端側に沈み込むことになる。これは、充填ノズル4を基台2に向かって付勢した状態において、充填ノズル4の先端を基台2の上面から突出させるように設定しているとともに、付勢機構5によって複数の充填ノズル4を付勢する力を、挟持機構3によって化粧皿10を付勢する力よりも小さく設定しているからである。
【0037】
その後、充填装置1は、図10に示すように、ポンプ(図示略)から供給された互いに異なる色の化粧料Cを充填ノズル4から吐出することによって、各化粧皿10の収容部11にそれぞれ形成された充填孔12を介して化粧料Cを充填する。
なお、図10では、収容部11Aに充填する化粧料をCAとし、収容部11Bに充填する化粧料をCBとする。また、図10は、前述したように、基台2、挟持機構3の一部、化粧皿10、およびハカマ13のそれぞれを化粧皿10の充填孔12A,12Bの中心を通るように切断した断面で示している。したがって、図10では、収容部11Cに充填する化粧料と、収容部11Dに充填する化粧料の図示は省略している。以降の図面においても同様である。
【0038】
また、充填装置1は、吸引ヘッド32Aおよび吸収シート34Aを介して化粧料C中の揮発性溶剤を化粧料の表面から吸引する。次に、充填装置1は、図11に示すように、サーボモータ33を回転させて台座32を上昇させるとともに、昇降装置53を動作させて支持部材52を下降させた状態とした後、各化粧皿10を所定の搬出方向(紙面右方向)に沿って基台2から搬出する。
そして、各化粧皿10に充填された化粧料に対してプレスヘッドにてプレス処理を施す等の後処理を行うことによって、固形化粧料を製造することができる。
【0039】
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)第2の充填孔に基台2が接触しないように第2の貫通孔から第1の貫通孔まで化粧皿10の搬出方向に沿って溝部211〜213,221〜223が形成されているので、基台2から化粧皿10を搬出するときに第2の充填孔が第1の貫通孔を通過しても第1の貫通孔に化粧料Cが付着してしまうことはない。したがって、化粧料の充填装置1は、基台2に形成された第1の貫通孔への化粧料Cの付着を抑制できる。
【0040】
(2)溝部211〜213,221〜223の幅Wは、化粧皿10の搬出方向の基端側に設けられた第2の充填ノズルの内径φAよりも大きいので、化粧料Cの充填装置1は、化粧皿10の搬出方向の先端側に設けられた第1の貫通孔への化粧料Cの付着を確実に抑制できる。
(3)化粧料の充填装置1は、基台2から化粧皿10を搬出するときに第2の充填孔が第1の貫通孔を通過しても第1の貫通孔に化粧料Cが付着してしまうことはないので、第1の充填孔を介して充填される化粧料の色と、第2の充填孔を介して充填される化粧料の色とが異なる場合に、これらの混色を抑制できる。
【0041】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、化粧皿10の搬入方向および搬出方向は同一の方向に設定されていたが、異なる方向に設定されていてもよい。また、前記実施形態では、化粧皿10は、4つの収容部11(11A〜11D)を有していたが、2つまたは3つの収容部を有していてもよく、5つ以上の複数の収容部を有していてもよい。要するに、容器の搬入方向および搬出方向や、容器の収容部の数や、容器の充填孔の位置などは、自由に設計してよく、第2の充填孔に基台が接触しないように第2の貫通孔から第1の貫通孔まで容器の搬出方向に沿って溝部が形成されていればよい。
【0042】
前記実施形態では、第1の貫通孔は、基台2から化粧皿10を搬出するときに第2の充填孔が通過する経路と重なる位置に設けられているが、この経路と部分的に重なる位置に設けられていてもよく、この経路との間にクリアランスを有するように設けられていてもよい。なお、このときのクリアランスは0であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上のように、本発明は、スラリー状の化粧料を容器に充填する化粧料の充填装置に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0044】
1 充填装置
2 基台
3 挟持機構
4 充填ノズル
5 付勢機構
10 化粧皿(容器)
11 収容部
12 充填孔
13 ハカマ
21 貫通孔
31 ストリッパー
32 台座
32A 吸引ヘッド
33 サーボモータ
34 供給ローラ
34A 吸収シート
41 ノズル本体
42 弾性部材
52 支持部材
53 昇降装置
211〜213 溝部
221〜223 溝部
C 化粧料
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
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図13