特許第6572096号(P6572096)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6572096
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】処理機及び発行機
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/14 20060101AFI20190826BHJP
   G06K 7/12 20060101ALI20190826BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20190826BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20190826BHJP
   G07B 1/00 20060101ALI20190826BHJP
   G07B 1/06 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   G06K7/14 039
   G06K7/12
   G06K19/06 046
   G06K19/06 140
   G07B15/00 B
   G07B1/00 A
   G07B1/06 101Z
【請求項の数】11
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-214706(P2015-214706)
(22)【出願日】2015年10月30日
(65)【公開番号】特開2017-84275(P2017-84275A)
(43)【公開日】2017年5月18日
【審査請求日】2018年4月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】藤本 浩章
【審査官】 境 周一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−182432(JP,A)
【文献】 特開2008−181475(JP,A)
【文献】 特開2009−053794(JP,A)
【文献】 特開平06−290288(JP,A)
【文献】 特開2010−086182(JP,A)
【文献】 特開2011−165140(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0153025(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 1/00−21/08
B42D 1/00−25/485
G07B 1/00−15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体のデータコードからコードデータを取得した場合には前記コードデータを出力し、前記コードデータを取得せず前記媒体からマークを検出した場合には第1の所定情報を出力するコードリーダと、
前記コードリーダから出力される前記第1の所定情報に基づいて前記媒体の提示を要求する第1の案内部と、
前記コードリーダから出力される前記コードデータに基づいて所定の処理を行う処理部と、
を備え、
前記コードデータは、所定の情報とコードIDとから構成され、
前記コードリーダは、前記所定の情報を取得せず前記コードIDを取得した場合に前記コードIDを出力し、
前記第1の案内部は、前記コードリーダが前記所定の情報を取得せずに前記コードIDを取得した場合に、前記媒体の提示を要求し、
前記処理部は、前記コードIDと次に前記コードリーダが出力したコードデータに含まれるコードIDとが一致した場合に、前記コードデータに基づいて所定の処理を行う、
処理機。
【請求項2】
画像を表示する表示部を備え、
前記第1の案内部は、前記媒体を前記コードリーダに翳すように促すメッセージを前記表示部に表示する、
前記請求項1に記載の処理機。
【請求項3】
音を出力するスピーカ部を備え、
前記第1の案内部は、前記スピーカ部を通じて、前記媒体を前記コードリーダに翳すように促す警告音又は警告音声を出力する、
前記請求項1又は2に記載の処理機。
【請求項4】
前記コードリーダは、前記データコードを含む第1面と検出用コードを含む第2面とを備える前記媒体から前記検出用コードを読み取った場合に、第2の所定情報を出力し、
前記コードリーダから出力される前記第2の所定情報に基づいて前記媒体の前記第1面を翳すことを要求する第2の案内部を備える、
前記請求項1乃至3の何れか1項に記載の処理機。
【請求項5】
前記第2の所定情報は、前記媒体の前記第2面が翳されたことを示す情報、又は、前記検出用コードの検出を示す情報である、
前記請求項4に記載の処理機。
【請求項6】
前記コードリーダは、不可視光を用いて、前記検出用コードを読み取る、
前記請求項4又は5に記載の処理機。
【請求項7】
利用者の通行を制御するドア機構を備え、
前記コードデータは、乗車券情報を含み、
前記処理部は、前記乗車券情報に基づいて利用者が通行可能である場合に前記ドア機構を開放し、前記利用者が通行可能でない場合に前記ドア機構を閉鎖する、
前記請求項1乃至6の何れか1項に記載の処理機。
【請求項8】
前記データコードは、前記マークの少なくとも1つを備える、
前記請求項1乃至7の何れか1項に記載の処理機。
【請求項9】
前記媒体は、前記データコードの領域外に前記マークの少なくとも1つを有する、
前記請求項1乃至8の何れか1項に記載の処理機。
【請求項10】
前記データコードは、二次元コードである、
前記請求項1乃至9の何れか1項に記載の処理機。
【請求項11】
前記データコードは、QRコードであり、
前記マークは、ファインダパターンである、
前記請求項10に記載の処理機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、処理機及び発行機に関する。
【背景技術】
【0002】
二次元コードなどを読み取るコードリーダは、翳されたシート又画面などからコードを読み取り、読み取ったコードから取得されたデータを外部に通知する。駅などに設置される自動改札機としての処理機には、コードリーダを利用したものが登場している。処理機のコードリーダは、利用者が処理機に翳した券媒体などからコードを読み取り、処理機は、取得されたデータに基づき改札処理を実行する。
【0003】
しかしながら、処理機は、コードリーダによるコードの読み取りに失敗したことを検知できない。例えば、コードリーダに対する券媒体の提示が不十分で、コードリーダがコードを読み取れない(つまりデータを取得できない)場合でも、処理機は、このような事態を検知できない。そのため、処理機は、コードリーダからデータが通知されていない状態で、利用者の進入を検知すると、単なる無札進入と判定してコードリーダをオフに制御する。コードリーダがオフに制御されると、利用者が券媒体をコードリーダへ再度翳しても券媒体からコードが読み取られることはない。その結果、利用者が改札通路に滞留し、コードリーダからの出力に基づく処理効率が低下するという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−191018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の課題を解決するために、コードリーダからの出力に基づく処理効率の低下防止に優れた処理機及び発行機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、処理機は、コードリーダと、第1の案内部と、処理部と、を備える。コードリーダは、媒体のデータコードからコードデータを取得した場合には前記コードデータを出力し、前記コードデータを取得せず前記媒体からマークを検出した場合には第1の所定情報を出力する。第1の案内部は、前記コードリーダから出力される前記第1の所定情報に基づいて前記媒体の提示を要求する。処理部は、前記コードリーダから出力される前記コードデータに基づいて所定の処理を行う。前記コードデータは、所定の情報とコードIDとから構成される。前記コードリーダは、前記所定の情報を取得せず前記コードIDを取得した場合に前記コードIDを出力する。前記第1の案内部は、前記コードリーダが前記所定の情報を取得せずに前記コードIDを取得した場合に、前記媒体の提示を要求する。前記処理部は、前記コードIDと次に前記コードリーダが出力したコードデータに含まれるコードIDとが一致した場合に、前記コードデータに基づいて所定の処理を行う。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る処理システムの構成例を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る券媒体の構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る券紙の裏面の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る券紙の裏面の他の構成例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る発行機の構成例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る処理機の構成例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る発行機の動作例を説明するためのフローチャートである。
図8図8は、実施形態に係る処理機の動作例を説明するためのフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係る処理機の動作例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら実施形態について説明する。
実施形態に係る処理システムは、コードが記録された券媒体を処理する。たとえば、処理システムは、利用者に対して種々の券媒体を発行し、発行された券媒体に種々の情報を書き込む。
【0009】
たとえば、処理システムは、駅などに設置され、乗車券情報を示すコードが記録された券媒体を処理する。また、処理システムは、券媒体としてテーマパーク又は映画館などのチケットを処理するものであってもよい。また、処理システムは、券媒体として飲食店などで食券を処理してもよい。券売機が用いられる用途及び券媒体の内容は、特定の構成に限定されるものではない。
【0010】
ここでは、処理システムは、駅などに設置され、乗車券情報などを示す券媒体を処理するものとする。
図1は、実施形態に係る処理システム100の構成例を示すブロック図である。
図1が示すように、処理システム100は、券媒体1、発行機2及び処理機3などを備える。
【0011】
券媒体1は、乗車券情報などを示すコードを有する。
【0012】
発行機2は、乗車券情報などを示すコードを有する券媒体1を発行する。ここでは、発行機2は、自動券売機として用いられる。発行機2は、利用者又は係員などの操作に基づいて、乗車券又は特急券などとして券媒体1を発行する。なお、発行機2は、精算機として用いられてもよい。この場合、発行機2は、利用者又は係員などの操作に基づいて、精算券などとして券媒体1を発行する。
【0013】
処理機3は、券媒体1からコードを読み取り、読み取ったコードをデコードし、データを取得する。例えば、コードは、エラー訂正コードを含み、仮にコードの一部分が欠落していても(コードの一部分が読み取られなくても)、エラー訂正コードによりコードをデコードすることができる。このようにして、処理機3は、コードのデコードを試行し、コードからデータを取得する。処理機3は、デコードして得られたデータに基づいて所定の処理を実行する。ここでは、処理機3は、自動改札機として用いられる。処理機3は、券媒体1からコードを読み取り、コードをデコードして乗車券情報を取得する。処理機3は、得られた乗車券情報に基づいて改札処理を行う。なお、処理機3は、係員処理機として用いられてもよい。
【0014】
次に、券媒体1について説明する。
図2は、券媒体1の構成例を示す。
券媒体1は、たとえば、矩形の感熱媒体である。券媒体1は、外部から熱を加えられると、加えられた部分が所定の色に変化する。たとえば、券媒体1は、熱により黒色に変化する。たとえば、券媒体1は、紙、プラスチック、又は、ビニールなどである。
【0015】
図2が示すように、券媒体1は、データコード11及び検出マーク12a乃至12gなどを備える。
【0016】
データコード11は、所定のデータをエンコードして作成されるコードである。データコード11は、券媒体1を発行する発行機などによって券媒体1上に印刷される。たとえば、発行機は、券媒体1を加熱することで、データコード11を券媒体1上に印刷する。ここでは、データコード11は、二次元コードである。たとえば、データコード11は、QRコード(登録商標)である。
【0017】
たとえば、データコード11は、乗車券情報及びコードIDを含むデータを示すものである。即ち、データコード11は、乗車券情報及びコードIDをエンコードして作成されるものである。データコード11が示す情報は、特定の構成に限定されるものではない。
【0018】
検出マーク12a乃至12gは、データコード11の存在を示す。たとえば、検出マーク12a乃至12gは、検出マーク12a乃至12gの基準位置から所定の範囲内にデータコード11があることを示す。例えば、データコード11が、QRコードの場合、検出マーク12a乃至12gは、QRコードのFP(ファインダパターン)であってもよい。
【0019】
データコード11は、検出マーク12を少なくとも1つを備えてもよい。図2が示す例では、検出マーク12a乃至12cは、データコード11内に形成される。即ち、検出マーク12a乃至12cは、データコード11の一部として形成される。検出マーク12a乃至12cは、データコード11の位置及び/又は方向を示してもよい。たとえば、処理機3は、検出マーク12a乃至12cの位置からデータコード11の位置及び/又は方向を認識してもよい。
【0020】
検出マーク12a乃至12cは、それぞれデータコード11の角に形成される。図2が示す例では、検出マーク12a乃至12cは、それぞれデータコード11の左上、右上、及び、左下に形成される。なお、検出マーク12は、データコード11の中心部に形成されてもよいし、その他の箇所に形成されてもよい。データコード11内に形成される検出マーク12の位置及び個数は、特定の構成に限定されるものではない。
【0021】
券媒体1は、コード領域外に検出マーク12を少なくとも1つ有してもよい。図2が示す例では、検出マーク12d乃至12gは、データコード11の領域外(コード外領域)に形成される。図2が示す例では、検出マーク12d乃至12gは、それぞれ券媒体1の左上、左下、右上、及び、右下に形成される。なお、検出マークは、コードがコード外領域のその他の箇所に形成されてもよい。コード外領域に形成される検出マーク12の位置及び個数は、特定の構成に限定されるものではない。
【0022】
また、コード外領域に形成される検出マーク12は、券媒体1を形成する券紙に予め形成されるものであってもよい。
なお、券媒体1は、データコード11又は検出マーク12a乃至12gが形成される領域外に文字列などを備えてもよい。たとえば、券媒体1は、当該領域にデータコード11に関連する文字列を備えてもよい。
【0023】
図2を参照して説明したように、券媒体1の第1面(表面)はデータコード11及び検出マーク12a乃至12gなどを備える。次に、券媒体1の第2面(裏面)について説明する。
図3は、券媒体1の裏面の構成例を示す。
図3が示すように、券媒体1の裏面は、検出マーク12h乃至12kなどを備える。検出マーク12h乃至12kは、検出マーク12a乃至12gと同様の構成である。
【0024】
図3が示す例では、検出マーク12h乃至12kは、それぞれ券媒体1の裏面の左上、左下、右上、及び、右下に形成される。なお、券媒体1の裏面は、他の位置に検出マーク12を備えてもよい。券媒体1の裏面が備える検出マーク12の個数及び位置は、特定の構成に限定されるものではない。
【0025】
次に、券媒体1の裏面の他の構成例について説明する。
図4は、券媒体1の裏面の他の構成例を示す。
図4が示すように、券媒体1の裏面は、隠蔽層13及び検出用コード14などを備える。
【0026】
隠蔽層13は、所定の専用光を用いて情報(コード)が読み取られる層である(専用光により情報が読み取り可能となる記録領域である)。隠蔽層13は、所定の専用光を透過し、可視光を透過しない。たとえば、処理機3のコードリーダは、所定の専用光を照射して、隠蔽層13の下にあるコード等からの反射光を得ることができる。
【0027】
専用光は、処理機3のコードリーダが読み取ることができる不可視光である。専用光は、たとえば、紫外線又は赤外線などである。
なお、隠蔽層13は、券媒体1の裏面の全体に形成されてもよい。
【0028】
検出用コード14は、所定の情報をエンコードして作成されるコードである。たとえば、検出用コード14は、いずれの券媒体1であっても同様の情報を示すものであってもよい。たとえば、検出用コード14は、自身が裏面に形成されていることを示すものであってもよい。また、検出用コード14は、テスト用のコードであってもよい。たとえば、検出用コード14は、QRコードである。
【0029】
検出用コード14は、隠蔽層13の下に形成される。そのため、検出用コード14は、所定の専用光で読み取られる。即ち、検出用コード14は、不可視光で読取可能である。
【0030】
次に、発行機2の構成例について説明する。
図5は、実施形態に係る発行機2の構成例を示すブロック図である。
図5が示すように、発行機2は、CPU21、ROM22、RAM23、NVM24、通信部25、表示部26、操作部27、磁気券処理部28、カードリーダライタ29、金額処理部30、及び、印刷部31などを備える。CPU21は、データバスなどを介して、ROM22、RAM23、NVM24、通信部25、表示部26、操作部27、磁気券処理部28、カードリーダライタ29、金額処理部30、及び、印刷部31と通信可能に接続する。
【0031】
CPU21は、発行機2全体の動作を制御する機能を有する。CPU21は、内部キャッシュおよび各種のインターフェースなどを備えても良い。CPU21は、内部メモリ、ROM22あるいはNVM24に予め記憶したプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0032】
なお、CPU21がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであっても良い。この場合、CPU21は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0033】
ROM22は、予め制御用のプログラム及び制御データなどが記憶された不揮発性のメモリである。ROM22に記憶される制御プログラム及び制御データは、予め発行機2の仕様に応じて組み込まれる。ROM22は、たとえば、発行機2の回路基板を制御するプログラム(例えば、BIOS)などを格納する。
【0034】
RAM23は、揮発性のメモリである。RAM23は、CPU21の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM23は、CPU21からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM23は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0035】
NVM24は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。NVM24は、例えばEEPROM(登録商標)(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、又は、SSD(Solid State Drive)などである。NVM24は、発行機2の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション、及び種々のデータを格納する。また、NVM24は、CPU21が種々の処理を実行することで生成したデータを保存する。
【0036】
通信部25は、上位装置としてのホストコンピュータなどとの通信を行うインターフェースである。
【0037】
表示部26は、CPU21からの信号に基づいて種々の情報を表示する。たとえば、表示部26は、乗車券情報を選択するアイコンなどを表示してもよい。表示部26は、たとえば、液晶ディスプレイなどである。
【0038】
操作部27は、発行機2の操作者によって、種々の操作が入力される。たとえば、操作部27は、印刷部31に券媒体1を発行させる発行操作の入力を受け付ける。操作部27は、操作者に入力された指示のデータをCPU21へ送信する。操作部27は、たとえば、キーボード、テンキー、及び、タッチパネルなどである。
【0039】
なお、表示部26と操作部27とは、一体的に形成されてもよい。即ち、表示部26は、指示を入力するためのアイコンを表示し、操作部27は、アイコンへのタッチを検出することで操作の入力を受け付けてもよい。
【0040】
磁気券処理部28は、磁気定期券に記録されている磁気情報を読み取り、又は、磁気定期券に磁気情報を書き込む。
【0041】
カードリーダライタ29は、ICカードに記録されている情報を読み取り、又は、ICカードに情報を書き込む。
【0042】
金額処理部30は、駅の係員が投入した現金あるいは金額カード(プリペイドカードやクレジットカード)を処理する。たとえば、金額処理部30は、駅の係員が投入した現金を集計し、駅の係員が投入した現金の金額を決定する。また、金額処理部30は、釣銭を放出する機能を有する。たとえば、金額処理部30は、CPU21からの命令に基づいて、釣銭を放出する。
【0043】
印刷部31は、CPU21の制御に基づいて、券媒体1に情報を印刷する。たとえば、印刷部31は、券媒体1を加熱することで券媒体1に画像を形成する。印刷部31は、券媒体1を利用者へ提供する。即ち、印刷部31は、利用者が取得可能なように券媒体1を露出させる。たとえば、印刷部31は、外部に露出する受け皿、及び、券媒体1を受け皿まで搬送する搬送部などを備えてもよい。
【0044】
なお、発行機2は、上述した構成以外の構成要素を適宜追加しても良いし、特定の構成を除外してもよい。
【0045】
次に、処理機3の構成について説明する。
図6は、実施形態に係る処理機3の構成例を示すブロック図である。
図6が示すように、処理機3は、CPU41、ROM42、RAM43、NVM44、通信部45、表示部46、スピーカ部47、磁気券処理部48、カードリーダライタ49、コードリーダ50、ドア機構51、及び、人感センサ52などを備える。CPU41は、データバスなどを介して、ROM42、RAM43、NVM44、通信部45、表示部46、磁気券処理部48、カードリーダライタ49、コードリーダ50、ドア機構51、及び、人感センサ52と通信可能に接続する。
【0046】
CPU41は、処理機3全体の動作を制御する機能を有する。CPU41は、内部キャッシュおよび各種のインターフェースなどを備えても良い。CPU41は、内部メモリ、ROM42あるいはNVM44に予め記憶したプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0047】
なお、CPU41がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであっても良い。この場合、CPU41は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0048】
ROM42は、予め制御用のプログラム及び制御データなどが記憶された不揮発性のメモリである。ROM42に記憶される制御プログラム及び制御データは、予め処理機3の仕様に応じて組み込まれる。ROM42は、たとえば、処理機3の回路基板を制御するプログラム(例えば、BIOS)などを格納する。
【0049】
RAM43は、揮発性のメモリである。RAM43は、CPU41の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM43は、CPU41からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM43は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0050】
NVM44は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。NVM44は、例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、又は、SSD(Solid State Drive)などである。NVM44は、処理機3の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション、及び種々のデータを格納する。また、NVM44は、CPU41が種々の処理を実行することで生成したデータを保存する。
【0051】
通信部45は、上位装置としてのホストコンピュータなどとの通信を行うインターフェースである。
【0052】
表示部46は、CPU41からの信号に基づいて種々の情報を表示する。たとえば、表示部46は、通行の可否、又は、読み取りエラーなどのエラーメッセージなどを表示してもよい。表示部46は、たとえば、液晶ディスプレイなどである。
【0053】
スピーカ部47は、CPU41からの信号に基づいて種々の情報を音で出力する。たとえば、スピーカ部47は、通行不可又は読み取りエラーなどを示す警告音又は警告音声などを出力する。
【0054】
磁気券処理部48は、磁気定期券に記録されている磁気情報を読み取り、又は、磁気定期券に磁気情報を書き込む。
【0055】
カードリーダライタ49は、ICカードに記録されている情報を読み取り、又は、ICカードに情報を書き込む。
【0056】
コードリーダ50は、利用者が翳すシート(たとえば、券媒体1)又は画面などの媒体からコードを読み取る。ここでは、コードリーダ50は、二次元コードを読み取る。コードリーダ50は、たとえば、光を媒体に照射してその反射光を取得することで、券媒体1から二次元コードを読み取る。また、コードリーダ50は、媒体としての画面などが発する光を取得することで画像を取得する。また、コードリーダ50は、可視光などの通常光を用いて二次元コードを読み取ってもよい。また、コードリーダ50は、不可視光を用いて画像を取得することができる。即ち、コードリーダ50は、不可視光である所定の専用光を用いて画像を取得する。コードリーダ50は、コードを読み取るためのカメラ及び/又は照明などを備える。
【0057】
コードリーダ50は、読み取ったデータコード11をデコードして、コードデータを取得する。コードリーダ50は、取得されたコードデータをCPU41へ送信する。
また、コードリーダ50は、データコードの読み取りに失敗したが(つまりコードデータの取得に失敗したが)検出マーク12の検出に成功した場合、コードの読み取りに失敗したことを示す読取異常通知(第1の所定情報)、又は検出マークの検出(成功)を示すマーク検出情報(第1の所定情報)をCPU41へ送信する。
【0058】
また、コードリーダ50は、データコード11から乗車券情報の読み取りに失敗したが検出マーク12及びコードIDの読み取りに成功した場合、読取異常通知又はマーク検出情報、及び、コードIDをCPU41に出力する。
【0059】
また、コードリーダ50は、検出用コード14を読み取った場合、券媒体1の裏面が翳されたことを示す裏面検出通知(第2の所定情報)、又は、検出用コードの検出を示す検出用コード検出情報(第2の所定情報)を送信する。
【0060】
ドア機構51は、処理機3を通過する利用者を制御するために設けられているドアである。ドア機構51は、処理機3が形成する通行路側に設けられる。ドア機構51は、CPU41の制御に従って、通行不可と判定された利用者の通行を阻止する。
【0061】
人感センサ52は、処理機3が形成する通行路に利用者が進入したことを検知するセンサである。たとえば、人感センサ52は、通行路の所定の位置(たとえば、通行路の中腹部)に利用者が侵入すると利用者を検知する。たとえば、人感センサ52は、赤外線の遮断を検出して、利用者の進入を検知する。人感センサ52が利用者の進入を検知する方法は、特定の方法に限定されるものではない。
【0062】
なお、処理機3は、上述した構成以外の構成要素を適宜追加しても良いし、特定の構成を除外してもよい。
【0063】
次に、発行機2のCPU21が実現する機能について説明する。
CPU21は、乗車券情報を設定する機能を有する(設定部)。乗車券情報は、利用可能な乗車区間などを示す。たとえば、乗車券情報は、発着駅、有効期間、及び、有効区間などを備える。有効区間は、たとえば、終着駅又は乗車料金などである。乗車券情報は、鉄道会社などを備えてもよい。乗車券情報は、特定の構成に限定されるものではない。
【0064】
CPU21は、券媒体1を発行する際に、券媒体1に印刷するデータコード11に含まれる乗車券情報を設定する。たとえば、CPU21は、操作部27を通じて利用者又は係員から乗車券情報を設定する入力を受け付ける。また、CPU21は、図示されないコードリーダなどを通じて乗車券情報を含むコードなどを利用者が所持する携帯端末などから読み取ってもよい。
【0065】
また、CPU21は、券媒体1に印刷するデータコード11に含まれるコードIDを設定する機能を有する。コードIDは、データコード11を識別する。たとえば、コードIDは、データコード11ごとにユニークに決定される。コードIDは、たとえば、文字列、数字、記号、又は、それらの組み合わせなどである。
【0066】
たとえば、CPU21は、ランダムに生成した文字列などをコードIDとして設定する。また、CPU21は、所定のリストから文字列などを取得し、取得された文字列などをコードIDとして設定する。
【0067】
また、CPU21は、設定された乗車券情報及び設定されたコードIDを含むデータコード11を生成する機能を有する(生成部)。たとえば、CPU21は、所定のアルゴリズムに従って乗車券情報及びコードIDをエンコードして、データコード11を生成する。なお、CPU21は、乗車券情報及びコードIDに加えて他のデータも示すデータコード11を生成してもよい。
【0068】
また、CPU21からの指示に基づき、印刷部31は、券媒体1に、所定の位置にデータコード11とコード外領域に検出マーク12とを印刷する。たとえば、CPU21からの指示に基づき、印刷部31は、券媒体1を加熱することでデータコード11を印刷する。また、CPU21からの指示に基づき、印刷部31は、券媒体1を加熱することでコード外領域の所定の位置に検出マーク12を印刷する。たとえば、図2に示すように、CPU21からの指示に基づき、印刷部31は、データコード11を印刷し、券媒体1の四隅に検出マーク12(たとえば、検出マーク12d乃至12g)を印刷する。なお、CPU21からの指示に基づき、印刷部31は、券媒体1の裏面にも検出マーク12(たとえば、検出マーク12h乃至12k)を印刷してもよい。
【0069】
次に、処理機3のCPU41が実現する機能について説明する。
CPU41は、コードリーダ50を通じてシート又は画面などの媒体からコードを読み取る機能を有する。即ち、CPU41は、コードリーダ50からシートに記録されたコード又は画面などの媒体に表示されるデータコード11又は検出用コード14を読み取る。たとえば、CPU41は、コードリーダ50が出力するコードデータ又は第2の所定情報を受信する。
【0070】
また、CPU41は、取得されたコードデータに基づいて改札処理(所定の処理)を行う機能を有する(処理部)。即ち、CPU41は、取得されたコードデータ(たとえば、乗車券情報を含む)に基づいて、ドア機構51を制御する。たとえば、CPU41は、取得されたコードデータ、処理機3が設置される駅、及び、現日時などに基づいて、利用者が通行可能であるか判定する。CPU41は、利用者が通行可能であると判定すると、ドア機構51を開放する。また、CPU41は、利用者が通行可能でないと判定すると、ドア機構51を閉鎖する。
【0071】
また、CPU41は、コードリーダ50が読取異常通知又はマーク検出情報を出力した場合に、出力される所定の情報に基づいて利用者にコードを記録したシート又はコードを表示した画面などの媒体の提示(再提示)を要求する機能、たとえば、コードリーダ50に媒体を再度翳すことを促す機能を有する(第1の案内部)。たとえば、CPU41は、コードリーダ50から読取異常通知又はマーク検出情報を受信すると、表示部46又はスピーカ部47を通じて利用者にシート又は画面をコードリーダ50に再度翳すように促す。たとえば、CPU41は、シート又は画面をコードリーダ50に再度翳すように促すメッセージを表示部46に表示する。また、CPU41は、スピーカ部47を通じて、シート又は画面をコードリーダ50に再度翳すように促す警告音又は警告音声を出力してもよい。
【0072】
なお、CPU41は、コードリーダ50からコードデータを受信しなくても、読取異常通知又はマーク検出情報を受信した場合には、人感センサ52を通じて利用者の進入を検出してもコードリーダ50の読み取り動作を継続する。これにより、コードリーダ50によるコードの読み取り機会を提供し続ける。また、CPU41は、コードリーダ50からコードデータを受信せず、読取異常通知又はマーク検出情報も受信しなければ、人感センサ52を通じて利用者の進入を検出するとコードリーダ50の読み取り動作を停止する。
【0073】
また、CPU41は、コードリーダ50から読取異常通知又はマーク検出情報、及び、コードIDを受信した場合には、人感センサ52を通じて利用者の進入を検出してもコードリーダ50の読み取り動作を継続する。これにより、CPU41は、コードリーダ50によるコードの読み取りの機会を提供し続ける。この場合、CPU41は、コードIDをRAM43に格納する。コードリーダ50から次のコードデータを受信した場合、CPU41は、受信したコードデータのコードIDとRAM43が格納するコードIDとを比較する。CPU41は、両者が一致する場合に、受信したコードデータに基づいて改札処理を行う。CPU41は、両者が一致しない場合には、ドア機構51を閉鎖し、コードリーダ50によるコードの読み取りを停止する。また、CPU41は、所定の案内又は警告音若しくは警告音声などを出力してもよい。
【0074】
また、CPU41は、コードリーダ50が裏面検出通知又は検出用コード情報を出力した場合に、出力される所定の情報に基づいて利用者にコードを記録したシート又はコードを表示した画面などの媒体の適切な面を提示することを要求する機能、たとえば、コードリーダ50にデータコード11を備える券媒体1の第1面(表面)を翳すことを要求する機能を有する(第2の案内部)。たとえば、CPU41は、コードリーダ50から裏面検出通知又は検出用コード情報を受信すると、表示部46又はスピーカ部47を通じて利用者にシート又は画面をコードリーダ50に券媒体1の表面を度翳すように促す。たとえば、CPU41は、シート又は画面をコードリーダ50に券媒体1の表面を翳すように促すメッセージを表示部46に表示する。また、CPU41は、スピーカ部47を通じて、シート又は画面をコードリーダ50に券媒体1の表面を翳すように促す警告音又は警告音声を出力してもよい。
【0075】
次に、発行機2の動作例について説明する。
図7は、発行機2の動作例について説明するためのフローチャートである。
ここでは、発行機2の利用者は、操作部27を通じて所定の乗車券情報を設定する操作を発行機2に入力するものとする。
【0076】
まず、発行機2のCPU21は、操作部27を通じて乗車券情報を設定する操作を受け付けたか判定する(S11)。乗車券情報を設定する入力を受けつていないと判定すると(S11、NO)、CPU21は、S11に戻る。乗車券情報を設定する入力を受け付けたと判定すると(S11、YES)、CPU21は、カードリーダライタ29又は金額処理部30を通じて、設定された乗車券情報に対応する料金を決済したか判定する(S12)。料金を決済していないと判定すると(S12、NO)、CPU21は、S12に戻る。
【0077】
料金を決済したと判定すると(S12、YES)、CPU21は、コードIDを設定する(S13)。コードIDを設定すると、CPU21は、設定された乗車券情報及びコードIDを含むデータコード11を生成する(S14)。
【0078】
データコード11を生成すると、CPU21の指示に基づき、印刷部31は、券媒体1に、所定の位置にデータコード11と、コード外領域に検出マーク12とを印刷する(S15)。券媒体1にデータコード11と検出マーク12とを印刷すると、CPU21の指示に基づき、印刷部31は、券媒体1を外部に排出する(S16)。この印刷部31による券媒体1の排出機能が、券媒体1の発行機能に相当する(発行部)。
【0079】
券媒体1を外部に排出すると、CPU21は、動作を終了する。
【0080】
次に、処理機3の動作例について説明する。
図8及び9は、処理機3の動作例について説明するためのフローチャートである。
まず、処理機3のCPU41は、人感センサ52を通じて、通行路内に利用者が進入したか判定する(S21)。即ち、CPU41は、利用者が無札進入したかを判定する。
【0081】
通行路内に利用者が進入していないと判定すると(S21、NO)、CPU41は、コードリーダ50から信号を受信したか判定する(S22)。コードリーダ50から信号を受信していないと判定すると(S22、NO)、CPU41は、S21へ戻る。
【0082】
コードリーダ50から信号を受信したと判定すると(S22、YES)、CPU41は、コードリーダ50からの信号が裏面検出通知又は検出用コード情報であるか判定する(S23)。
【0083】
コードリーダ50からの信号が裏面検出通知又は検出用コード情報でないと判定すると(S23、NO)、CPU41は、コードリーダ50からの信号が読取異常通知又はマーク検出情報であるか判定する(S24)。コードリーダ50からの信号が読取異常通知又はマーク検出情報でないと判定すると(S24、NO)、CPU41は、コードリーダ50からの信号が乗車券情報を含むか判定する(S25)。
【0084】
コードリーダ50からの信号が乗車券情報を含むと判定すると(S25、YES)、CPU41は、コードリーダ50からの乗車券情報に従って改札処理を実行する(S26)。
【0085】
コードリーダ50からの信号が乗車券情報を含まないと判定すると(S25、NO)、CPU41は、コードリーダ50からの信号に基づいて他の処理を実行する(S27)。
【0086】
通行路内に利用者が進入したと判定すると(S21、YES)、CPU41は、コードリーダ50の読み取り動作をオフにする(S28)。コードリーダ50の読み取り動作をオフにすると、CPU41は、ドア機構51を閉鎖する(S29)。ドア機構を閉鎖すると、CPU41は、スピーカ部47を通じて無札進入が生じたことを示す警告音又は警告音声を出力する(S30)。警告音又は警告音声を出力すると、CPU41は、無札進入が生じたことを示すメッセージを表示部46に表示する(S31)。
【0087】
改札処理を実行した場合(S26)、コードリーダ50からの信号に基づいて他の処理を実行した場合(S27)、又は、無札進入が生じたことを示すメッセージを表示部46に表示した場合(S31)、CPU41は、動作を終了する。
【0088】
コードリーダ50からの信号が裏面検出通知又は検出用コード情報であると判定すると(S23、YES)、CPU41は、ドア機構51を閉鎖する(S32)。ドア機構を閉鎖すると、CPU41は、スピーカ部47を通じて表面を翳すことを促す警告音又は警告音声を出力する(S33)。警告音又は警告音声を出力すると、CPU41は、表面を翳すことを促すメッセージを表示部46に表示する(S34)。なお、CPU41は、コードリーダ50の読み取り動作を継続する。
【0089】
メッセージを表示すると、CPU41は、コードリーダ50から信号を受信したか判定する(S35)。コードリーダ50から信号を受信していないと判定すると(S35、NO)、CPU41は、S35へ戻る。コードリーダ50から信号を受信したと判定すると(S35、YES)、CPU41は、S23へ進む。
【0090】
コードリーダ50からの信号が読取異常通知又はマーク検出情報であると判定すると(S24、YES)、CPU41は、ドア機構51を閉鎖する(S36)。ドア機構を閉鎖すると、CPU41は、スピーカ部47を通じて、再度媒体を翳すことを促す警告音又は警告音声を出力する(S37)。警告音又は警告音声を出力すると、CPU41は、再度媒体を翳すことを促すメッセージを表示部46に表示する(S38)。
【0091】
メッセージを表示すると、CPU41は、コードリーダ50からの信号がコードIDを含むかを判定する(S39)。コードリーダ50からの信号がコードIDを含まないと判定すると(S39、NO)、CPU41は、S35へ進む。
【0092】
S22で受信されたコードリーダ50からの信号がコードIDを含むと判定すると(S39、YES)、CPU41は、コードIDをRAM43に格納する(S40)。なお、CPU41は、コードリーダ50の読み取り動作を継続する。
【0093】
コードIDをRAM43に格納すると、CPU41は、コードリーダ50から信号を受信したか判定する(S41)。コードリーダ50から信号を受信していないと判定すると(S41、NO)、CPU41は、S41へ戻る。
【0094】
コードリーダ50から信号を受信したと判定すると(S41、YES)、CPU41は、コードリーダ50の信号が乗車券情報を含み、かつ、コードリーダ50の信号が含むコードIDがS40で格納されたコードIDと一致するか判定する(S42)。
【0095】
コードリーダ50の信号が乗車券情報を含み、かつ、コードリーダ50の信号が含むコードIDがS40で格納されたコードIDと一致すると判定すると(S42、YES)、CPU41は、S26に進む。
【0096】
コードリーダ50の信号が乗車券情報を含まず、又は、コードリーダ50の信号が含むコードIDがS40で格納されたコードIDと一致しないと判定すると(S42,NO)、CPU41は、コードリーダ50の読み取り動作をオフにする(S43)。コードリーダ50の読み取り動作をオフにすると、CPU41は、スピーカ部47を通じて、最初に翳された媒体と異なる媒体が翳されたことを示す警告音又は警告音声を出力する(S44)。
【0097】
警告音又は警告音声を出力すると、CPU41は、最初に翳された媒体と異なる媒体が翳されたことを示すメッセージを表示部46に表示する(S45)。メッセージを表示すると、CPU41は、動作を終了する。
【0098】
なお、CPU41は、S42で、コードリーダ50の信号が読取異常通知又はマーク検出情報を含み、かつ、コードリーダ50の信号が含むコードIDがS40で格納されたコードIDと一致する場合には、媒体の再翳しを促す警告音、警告音声、又は、メッセージを出力してもよい。
【0099】
なお、CPU41は、S28乃至S31、S32乃至S34、S36乃至S38、又は、S43乃至S45の順序を入れ替えてもよい。また、CPU41は、S28乃至S31、S32乃至S34、S36乃至S38、又は、S43乃至S45を同時に実行してもよい。
【0100】
以上のように構成された処理機は、利用者が翳したシート又は画面などの媒体からコードを読み取ることに失敗した場合(コードデータの取得に失敗した場合)、コードリーダによるコードの読み取り及び取得の動作を継続しつつ(コードリーダをオフにせず)、利用者にシート又は画面などの媒体をコードリーダに再度翳すことを促すことができる。その結果、処理機は、コードの読み取りに失敗した後もコードの読取機会を提供し続け、コードの読取確率(つまりコードデータの取得確率)を高めることができ、スムーズに利用者の改札処理を行うことができる。即ち、処理機は、コードリーダからの出力に基づく処理効率の低下防止に優れる。
【0101】
また、処理機は、コードからコードIDを読み取れた場合には、当該コードIDと次に読み取ったコードのコードIDとを比較する。処理機は、両者が一致した場合に、改札処理を実行する。その結果、処理機は、後続する利用者が翳した媒体のコードに基づいて先行する利用者の改札処理を行ってしまうことを防止することができる。
【0102】
また、発行機2により発行される券媒体がコード外領域にも検出マークを備えることで、処理機は、検出マークを検出しやすくなり、より確実にコードの読み取りに失敗したことを検知することができる。即ち、処理機は、コードリーダからの出力に基づく処理効率の低下防止に寄与する。
【0103】
また、処理機は、利用者が裏面を翳したことを検出することができる。処理機は、裏面が翳されたことを検出すると、利用者に表面を翳すことを促すことができる。その結果、処理機は、コードリーダからの出力に基づく処理効率の低下防止に寄与する。
【0104】
なお、上記各機能及び各処理を実現するための手順は全てソフトウェアによって実行することが可能である。このため、上記各機能及び各処理を実現するための手順を実行するプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこのプログラムを処理システム100の発行機2及び処理機3にインストールして実行することで、上記各機能及び各処理を実現することができる。
【0105】
例えば、CPU21及び41は、それぞれ通信部25及び45を介して、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体から上記プログラムを読み取り、読み取ったプログラムを記憶し、プログラムのインストールを完了することができる。或いは、CPU21及び41は、それぞれ通信部25及び45を介して、上記プログラムをサーバからダウンロードし、ダウンロードしたプログラムを記憶し、プログラムのインストールを完了することができる。これにより、CPU21及び41は、インストールされた上記プログラムに基づき、上記各機能及び各処理を実現することができる。
【0106】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に本件出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
媒体のデータコードからコードデータを取得した場合には前記コードデータを出力し、前記コードデータを取得せず前記媒体からマークを検出した場合には第1の所定情報を出力するコードリーダと、
前記コードリーダから出力される前記第1の所定情報に基づいて前記媒体の提示を要求する第1の案内部と、
前記コードリーダから出力される前記コードデータに基づいて所定の処理を行う処理部と、
を備える処理機。
[C2]
画像を表示する表示部を備え、
前記第1の案内部は、前記媒体を前記コードリーダに翳すように促すメッセージを前記表示部に表示する、
前記C1に記載の処理機。
[C3]
音を出力するスピーカ部を備え、
前記第1の案内部は、前記スピーカ部を通じて、前記媒体を前記コードリーダに翳すように促す警告音又は警告音声を出力する、
前記C1又は2に記載の処理機。
[C4]
前記コードリーダは、前記データコードを含む第1面と検出用コードを含む第2面とを備える前記媒体から前記検出用コードを読み取った場合に、第2の所定情報を出力し、
前記コードリーダから出力される前記第2の所定情報に基づいて前記媒体の前記第1面を翳すことを要求する第2の案内部を備える、
前記C1乃至3の何れか1項に記載の処理機。
[C5]
前記第2の所定情報は、前記媒体の前記第2面が翳されたことを示す情報、又は、前記検出用コードの検出を示す情報である、
前記C4に記載の処理機。
[C6]
前記コードリーダは、不可視光を用いて、前記検出用コードを読み取る、
前記C4又は5に記載の処理機。
[C7]
前記コードリーダは、前記コードデータを取得せず前記データコードのコードIDを取得した場合に前記コードIDを出力し、
前記処理部は、前記コードIDと次にコードリーダが出力したデータコードのコードIDとが一致した場合に、前記データコードに基づいて所定の処理を行う、
前記C1乃至6の何れか1項に記載の処理機。
[C8]
利用者の通行を制御するドア機構を備え、
前記コードデータは、乗車券情報を含み、
前記処理部は、前記乗車券情報に基づいて利用者の通行の可否を判定し、前記利用者が通行可能であると判定すると前記ドア機構を開放し、前記利用者が通行可能でないと判定すると前記ドア機構を閉鎖する、
前記C1乃至7の何れか1項に記載の処理機。
[C9]
前記データコードは、前記マークの少なくとも1つを備える、
前記C1乃至8の何れか1項に記載の処理機。
[C10]
前記媒体は、前記データコードの領域外に前記マークの少なくとも1つを有する、
前記C1乃至9の何れか1項に記載の処理機。
[C11]
前記データコードは、二次元コードである、
前記C1乃至10の何れか1項に記載の処理機。
[C12]
前記データコードは、QRコードであり、
前記マークは、ファインダパターンである、
前記C11に記載の処理機。
[C13]
データコードを生成する生成部と、
券媒体に、前記生成部が生成した前記データコードと、前記データコードを印刷した領域外に少なくとも1つのマークとを印刷する印刷部と、
情報が印刷された前記券媒体を発行する発行部と、
を備える発行機。
[C14]
乗車券情報を設定する設定部を備え、
前記生成部は、前記乗車券情報を含む前記データコードを生成する、
前記C13に記載の発行機。
【符号の説明】
【0107】
1…券媒体、2…発行機、3…処理機、11…データコード、12a乃至12k…検出マーク、13…隠蔽層、14…検出用コード、21…CPU、26…表示部、27…操作部、30…金額処理部、31…印刷部、41…CPU、46…表示部、47…スピーカ部、50…コードリーダ、51…ドア機構、52…人感センサ、100…処理システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9