【実施例】
【0016】
以下、本発明の実施例に係るバンド着脱式血液酸化ストレス抑制具について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
本発明の実施例に係るバンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1は、詳細は後述する黒体放射焼結体23から放射され多層磁性体24を通過した特定波長の電磁波により生体構成要素である手首31又は足首32内の血管を流れる血液中の水分の水素核に共鳴を発生させ、これにより水の凝集体を小さくする。
【0018】
そして、水の凝集体が小さくなったことで水和電子の位置を凝集体の外側に移動させて、その血液の流れによる運動エネルギーで水和電子を血管内に流通させ、血管内の血液中の活性酸素を抑制、すなわち、血液の酸化ストレスを抑制するものである。
【0019】
本実施例に係るバンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1について
図1乃至
図4を参照して具体的に説明する。
【0020】
本実施例に係るバンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1は、内部に血液が存在する生体の手首31又は足首32の周りに巻き付ける例えば伸縮性を有し帯状に形成した布製二層形態のバンド3と、このバンド3の両端に配置した止着具オス12と止着具メス13とからなる止着具11とを具備し、前記手首又は足首の周りに着脱可能に取り付けるバンド式の取り付け具2と、前記取り付け具2に保持されて前記手首31又は足首32の外周にこの手首31又は足首32を挟んで正対(相対向)するように例えば2個分離配置される直方体状の電磁波作用体21と、を有している。前記止着具オス12と止着具メス13とは、ワンンタッチで嵌め付け、分離可能な構造を採用している。
【0021】
前記バンド3は、二層構造で、前記手首31又は足首32の外周寸法に略相当する長さを有し、
図1、
図2においてその中央部より右側に一方の電磁波作用体21を保持し、中央部より左側に他方の電磁波作用体21を保持し、また、右側の端部にバンド3を挿通状態で止着具オス12を取り付け、左側の端部にバンド3を挿通状態で止着具メス13を取り付けている。
【0022】
前記止着具オス12は、止着具オス基部12aと、この止着具オス基部12aから外方に突設するとともに、止着具オス基部12aにより回動可能に支持された一対の開閉嵌め付け片12b、12bと、前記止着具オス基部12aに設けた前記バンド3挿通用の挿通穴12cとを具備している。
【0023】
そして、前記一対の開閉嵌め付け片12b、12bを、各々図示しないバネにより常時開方向(前記バンド3の幅方向)に一定の範囲で付勢している。
【0024】
前記止着具メス13は、止着具メス基部13aと、この止着具メス基部13aと一体の止着具オス受部13bと、前記止着具メス基部13aに設けた前記バンド3挿通用の挿通穴13dとを具備している。
【0025】
前記止着具オス受部13bは、前記一対の開閉嵌め付け片12b、12bを嵌装し前記止着具オス12を前記止着具メス13に連結可能に構成するとともに、前記開閉嵌め付け片12b、12bが嵌装されたとき、これら開閉嵌め付け片12b、12bの一部(前記バンド3の幅方向に位置する側辺部の一部)が表出し、操作者が前記図示しないバネの付勢力に抗して開閉嵌め付け片12b、12bを指操作し前記止着具オス12を前記止着具メス13から離脱し得るように一対の操作用凹部13c、13cを設けている。
【0026】
更に、前記バンド3は、その中央部より右側に一方の電磁波作用体21をその長辺方向で包囲して保持する包囲保持部3aを設け、中央部より左側に他方の電磁波作用体21をその長辺方向で包囲して保持する包囲保持部3bを設けている。
【0027】
前記包囲保持部3aと、包囲保持部3bとの間隔は、本実施例に係るバンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1を手首31又は足首32の外周に取り付けたとき、前記包囲保持部3aと、包囲保持部3bにより各々保持された2個の電磁波作用体21、21がこの手首31又は足首32を挟んで正対(相対向)するような所定の間隔に設定している。
【0028】
また、前記一方の包囲保持部3aは、二層構造のバンド3の一部を電磁波作用体21をその長辺方向で包囲可能な範囲で一層ずつ上下に分離した状態とし、その分離した領域内に電磁波作用体21を挟み込み、更に、電磁波作用体21の上面と上側の一層部分、電磁波作用体21の下面と下側の一層部分を各々接着剤を用いて固着して電磁波作用体21を定位置に保持するように構成している。
【0029】
なお、他方の包囲保持部3bも一方の包囲保持部3aと同様に構成している。
【0030】
更に、前記二層構造のバンド3は、前記止着具オス12の近傍位置から一方の包囲保持部3aの近傍位置に至る範囲、一方の包囲保持部3aの近傍位置から他方の包囲保持部3bの近傍位置に至る範囲、及び、他方の包囲保持部3bの近傍位置から前記止着具メス13の近傍位置に至る範囲を、各々二層構造が一体化するように接着剤を用いて接着している。
【0031】
次に、前記電磁波作用体21について
図3、
図4を参照して詳述する。
【0032】
前記電磁波作用体21は、例えばステンレス製で直方体状の容器22と、この容器内に配置した電磁波を放射する直方体状の黒体放射焼結体23と、この黒体放射焼結体23と重合配置され前記黒体放射焼結体23が放射する電磁波を磁界により収束して手首又は足首内の血管中の血液に作用させる孔空き構造の多層磁性体24と、を具備している。
【0033】
前記黒体放射焼結体23は、複種類の金属酸化物を粉体化し、1000〜1400℃で熱処理して形成されている。
【0034】
前記黒体放射焼結体23は、次の7種の原料であるコバルト(Cobalt)、ニッケル(Nickel)、マンガン(Manganese)、銅(Copper)、鉄(Iron)、ボロン(Boron)、アルミニウム(Aluminum)を主成分とし、これらに次のネオジウム(Neodymium)、プラセオジウム(Praseodymium)、イットリウム(Yttrium)、ランサニウム(Lanthanum)、セリウム(Cerium)、サマリウム(Samarium)、ユウロピウム(Europium)、ガドリニウム(Gadolinium)、テルビウム(Terbium)、ディスプロシウム(Dysprosium)、ホルミウム(Holmium)、エルビウム(Erbium)、ツリウム(Thulium)、イッテルビウム(Ytterbium)、ルテチウム(Lutetium)、クロミウム(Chromium)の内の5種の金属酸化物を混合、すなわち、計12種の金属酸化物を混合して形成されている。
【0035】
前記多層磁性体24は、長方形状の磁石板25を、N極とS極とが互いに交互に配置されるように非磁性体被覆26を用いて多層(例えば3層)一体構造としたものである。
【0036】
また、各磁石板25には、例えば直径1mm以下の微細な電磁波通過穴25aが多数設けられ、各磁石板25の各電磁波通過穴25aがその重なり方向で一直線に並ぶように配列されている。
【0037】
そして、前記バンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1を手首31又は足首32の周りに取り付けたとき、前記電磁波作用体21を構成する前記黒体放射焼結体23が放射する電磁波を、前記多層磁性体24の一直線に並んだ各電磁波通過穴25aを通過させ磁界により収束して手首31又は足首32内の血管中の血液に作用させるように構成している。
【0038】
図5は、本実施例のバンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1を、被装着者の手首31に取り付けた状態を示すものである。
【0039】
また、
図6、
図7は、本実施例のバンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1を、被装着者の足首32に取り付けた状態を示すものである。
【0040】
次に、本実施例のバンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1を使用した場合における血液の酸化ストレスの減少効果に関する試験結果について
図8乃至
図10を参照して説明する。
【0041】
この試験の内容は以下の通りである。
(血液試験の提供者)
本試験は奥羽大学の倫理委員会の審査を得ており、またヘルシンキ宣言に基づくものである。9人の健康な血液提供者にバンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1による電磁波を照射し、その血液を採血した。
【0042】
(採血した血液のd−ROMとBAPの測定)
ウイスマー社のFRAS4(Free Radical Analytical System4)により採血した血液の酸化ストレス(d−ROM)の値と抗酸化力(BAP)を測定した。
【0043】
ここに、「d−ROM」とは、「Diacronreactive oxygen metabolites」の略称で、「酸化ストレス」を意味する。
また、「BAP」とは、「biological antioxidant potential」の略称で、「抗酸化力」を意味する。
【0044】
予め各血液提供者の血液を採血し、そのd−ROM、BAPを測定した。
【0045】
また、前記バンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1を各血液提供者の足首32に装着し電磁波を照射(10分間(強度1.0×10
−3dB V/m×3))し、その後血液を採血してd−ROM、BAPを測定した。
【0046】
9人の血液提供者から提供されたバンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1使用前後の各血液のd−ROMとBAPの測定結果を
図8に示す。
【0047】
図8から明らかなように、バンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1使用前の各血液のd−ROMの値は平均して249.6±6.7(mean±SE)であった。
【0048】
一方、バンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1使用後の各血液のd−ROMの値は劇的に減少し平均して230.4±14.8(mean±SE)(p<0.01)となった。
【0049】
10分間の電磁波の照射後おいて、d−ROMの値とは対照的に、BAPの値に変化は無かった(照射前/照射後=2401.1±37.5 vs 2401.2±37.0,mean±SE)。
【0050】
そして、BAP/d−ROMの値は、9人の血液提供者に関してバンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1の使用前に比べ使用後はいずれも
図8に示すように有意に上昇していることを確認できた。
【0051】
図9は9人の血液提供者個人別のバンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1使用前後におけるBAP/d−ROMの変化を示すグラフであり、
図8に示す場合と同様な結果を示している。
【0052】
以上説明したように、正常な状態下においても、10分間の電磁波照射は、生体内のH
2O
2をおよそ0.16mg抑えるができた。人間の持つ抗酸化力(BAP)は何の変化もなく、免疫力の低下はなかった。
【0053】
ところで、健康的な血液提供者は250−300CARE U(20.08−24.00mg/dL of H
2O
2)と推測される。ここに、1CARE UユニットはH
2O
20.08mgであり、CARR Uは活性酸素と同じである血液中のヒドロペルオキシド値を示すものである。これらの数値は正常値であり、血液提供者達が健康であることを示す。
【0054】
前記バンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1について更に考察すると、バンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1からの電磁波の水への照射は、Fe(III)イオンをFe(II)イオンへと還元する水和電子を放出するマイナス帯電した水をつくる。
【0055】
前記バンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1からの電磁波は同様に血液に対して作用し、酸化ストレス(d−ROM)を減少させる。
【0056】
本願発明者が予備調査として行ったバンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1による電磁波照射についての生体の睡眠への影響に関する試験においては、その眠気を増幅させ血液の鎮静効果をもたらす効果があると推定された。
【0057】
すなわち、血液中の酸化ストレスの蓄積は眠気を生じさせると考えられるが、酸化ストレスを取り除くことにより、安易に眠りにつくことが出来るようになると思われる。
【0058】
更に、前記バンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1による電磁波照射は動物の行動停止時間に影響を与えると推定される。
【0059】
図10はNo.1マウスとNo.2マウスに関するバンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1使用時と、不使用時とにおけるBAP/d−ROMの比較を示すグラフである。
【0060】
この場合も、No.1マウス、No.2マウスともにバンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1の使用前に比べ使用後はいずれもBAP/d−ROMが有意に上昇していることを確認できた。
【0061】
例えば、前記バンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1による電磁波照射はマウスの行動停止時間を増加させると推定される。
【0062】
次に、
図11、
図12を参照して被験者1、被験者2に対して行った前記バンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1を使用する前後における計算能力テストの結果について説明する。
【0063】
図11は、被験者1に対して行ったバンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1を使用する前後における計算能力テスト結果を示すものであり、被験者1が前記バンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1を使用する前に行った計算能力テストの場合には、
図11の上欄(右欄は右脳、左欄は左脳を示す)に示すように、被験者1の右脳の状態は興奮状態(図中の濃い部分A)で、左脳の状態は右脳の興奮状態よりも低い興奮状態(図中の右欄の濃い部分Aよりも薄い部分A’)で、また、このときの計算能力テスト結果は104点であった。
【0064】
これに対して、被験者1が前記バンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1を使用した後に行った計算能力テストの場合には、
図11(右欄は右脳、左欄は左脳を示す)の下欄に示すように、被験者1の右脳の状態は沈静化(図中の薄い部分A’)し、左脳の状態は集中力が増し脳の働きが活性化(図中の右欄の薄い部分A’よりも濃い部分A)して脳の動きは活発化し、このときの計算能力テスト結果は125点であった。
【0065】
図12は、前記被験者1とは別の被験者2に対して行ったバンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1を使用する前後における計算能力テスト結果を示すものであり、被験者2が前記バンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1を使用する前に行った計算能力テストの場合には、
図12の上欄(右欄は右脳、左欄は左脳を示す)に示すように、被験者2の左右の脳の状態は興奮状態(図中の薄い部分A’)で、また、このときの計算能力テスト結果は94点であった。
【0066】
これに対して、被験者2が前記バンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1を使用した後に行った計算能力テストの場合には、
図12(右欄は右脳、左欄は左脳を示す)の下欄に示すように、被験者2の右脳の状態は沈静化し、左脳の状態は集中力が増し脳の働きが活性化(図中の濃い部分A)し、脳の動きは活発化して、このときの計算能力テスト結果は107点であった。
【0067】
図11、
図12に示す結果から明らかなように、前記バンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1を使用することによって、被験者1、被験者2ともに使用しない場合に比べて10%以上の計算能力の向上を実現し得ることが確認できた。
なお、本実施例に係るバンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1において、前記バンド3としては、布製とする他、革製、金属製等のバンドを使用することも可能である。
【0068】
また、本実施例に係るバンド着脱式血液酸化ストレス抑制具1においては、前記バンド3に対して電磁波作用体21を2個分離配置した場合について説明したが、これに限らず4個、6個等更に多数の電磁波作用体21を分離配置に取り付けた構成とすることも可能である。
【0069】
更に、前記多層磁性体24を構成する磁石板25の積層個数も、上述した実施例の場合に限定されず、5枚、8枚等更に多数個積層してもよい。