(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6572170
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】電線供給機及び電線の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01B 13/00 20060101AFI20190826BHJP
【FI】
H01B13/00 Z
H01B13/00 F
H01B13/00 D
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-98029(P2016-98029)
(22)【出願日】2016年5月16日
(65)【公開番号】特開2017-208174(P2017-208174A)
(43)【公開日】2017年11月24日
【審査請求日】2018年10月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 慶紀
【審査官】
神田 太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−115433(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 13/00
H02G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線供給源から電線を送り出す電線送出部と、
上記電線供給源から繰り出されてきた電線を押さえ付けて該電線の矯正やねじれ抑制を行う電線押圧部と、
上記送り出された電線を所定の切断長で切断し、該電線の端部の被覆を剥ぐカッター部と、
上記電線押圧部において上記電線を押さえ付ける押圧力を制御する制御部とを備えた電線供給機であって、
上記制御部は、上記カッター部で切断する上記電線の切断位置の前後において、上記電線押圧部の押圧力を低減又は無くし、上記切断位置の前後以外は、上記電線押圧部の押圧力を維持するように構成されている
ことを特徴とする電線供給機。
【請求項2】
請求項1に記載の電線供給機において、
上記電線押圧部は、少なくとも一対の矯正ローラと、該少なくとも一対の矯正ローラの間の距離を調整するアクチュエータとを備え、
上記制御部により、上記アクチュエータを操作して上記電線押圧部の押圧力を調整可能に構成されている
ことを特徴とする電線供給機。
【請求項3】
電線供給源から電線を送り出し、
上記電線供給源から繰り出されてきた電線を押さえ付けて該電線の矯正やねじれ抑制を行い、
上記送り出された電線をカッター部で所定の切断長で切断し、該電線の端部の被覆を剥ぐ電線の製造方法であって、
上記カッター部で切断する上記電線の切断位置の前後において、上記電線を押圧する電線押圧部の押圧力を低減又は無くし、上記切断位置の前後以外は、上記電線押圧部の押圧力を維持する
ことを特徴とする電線の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の電線の製造方法において、
上記カッター部で切断する上記電線の切断位置の前後において、少なくとも一対の矯正ローラの間の距離を大きくし、上記切断位置の前後以外は、少なくとも一対の矯正ローラの間の距離を小さくする
ことを特徴とする電線の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線供給源から送り出した電線を切断して被覆を剥ぐ電線供給機及び電線の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、
図3に示すように、電線2として被覆2bで導体2aを被覆した被覆電線が用いられている。その導体2aとしては、一般的に電気用軟銅線が用いられる。特に可撓性を必要とする場合は細い線が撚り合わせられる。被覆2bとしては、絶縁体、例えば溶融した合成樹脂を押出して導体2aを被覆する。汎用的な材料としてPVC(ポリ塩化ビニル混合物)、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。被覆2bは、導体2aを覆った後、通常、冷却する際に収縮しながら導体2aに密着する。このため、被覆2bには残留歪みが残りやすいことが知られている。
【0003】
また、複数のローラで電線を千鳥状に挟んで電線を送り出すことにより、電線の屈曲を繰り返して電線の巻き癖等を矯正する方法やこの電線を矯正する機器の上流に配され互いに近づく方向に付勢された一対のローラ間に電線挟むことにより、電線が軸芯周りに回転することを抑制する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−181844号公報
【特許文献2】特開2009−4315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の矯正方法では、電線癖の強弱に合わせてローラの押圧力を調整する。ローラの押圧力の調整方法として一般的なものは、以下の3つがある。
【0006】
第1に対向するローラの距離(ギャップ量)を調整する方法であり、調整ねじを用いてローラの位置を調整し、対向するローラ間の距離を一定に保つ構造が一般的となっている。
【0007】
第2にローラの押圧力を一定に保つ方法であり、対向するローラの距離は変位可能な構造で、エアシリンダなどでローラに一定の押圧力を加えるようにしている。
【0008】
第3にローラの変位量に応じてローラの押圧力を変化させる方法であり、対向するローラの距離は変位可能な構造で、ばねなどでローラに押圧力を加えることで、ローラの変位量に応じてローラの押圧力が自動調整されるようにしている。
【0009】
また、最近の自動車や精密機器等に使用される電線は、細径化してきている。この細い電線を電線供給機の加工に用いた場合、上記のような電線矯正を行う機器と電線リールなどの電線供給源との間にキンク(瘤)が発生する不具合が起こりやすくなる。
【0010】
このキンク(瘤)が起こる原因の一つとしては、電線の芯線は、螺旋状に撚られて形成されているため、矯正ローラが被覆の上から上記芯線の螺旋状の溝をつたうことになり、この電線が連続的に下流側に搬送されるため、電線をねじる方向に回転させてしまうことになる。この電線のねじれが電線矯正の上流側に溜められていくことにより、やがて電線がくの字に変形して瘤ができると考えられている。
【0011】
このキンクの発生を抑制するために、例えばピンチローラのように、上記矯正装置の上流側に互いに近づく方向に付勢された一対のローラを配し、一定の押圧力で電線を挟みつけることにより、矯正装置から伝わるねじれをこのローラで食い止め、下流側に送り出す押圧機構もよく利用されている。
【0012】
上記電線供給機では、電線リールやボビンなどの電線供給源での電線の巻き付け癖を矯正したり、キンク(瘤)の発生を規制したりするために電線全体にわたってローラで押圧力を加えて、電線加工に不具合が起こらないようにしている。
【0013】
しかし、この押圧力により、密着していた被覆と導体とが剥離し、被覆の残留歪みが解消されたり、被覆が揉みほぐされたりする等の様々な影響でしばしば被覆端位置の変位(伸び縮み)が発生する。この被覆端位置の変位により、絶縁体で保護すべき導体が保護されない等の加工不良が起こり、製品電線の品質問題が発生する。
【0014】
この品質問題の発生を避けるには、電線を適正に加工するために必要な押圧力を十分に加えることができないという問題がある。
【0015】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電線の切断された端部での被覆位置を安定させて品質を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために、この発明では、電線の切断される端部の周辺で電線押圧部の押圧力を調整するようにした。
【0017】
具体的には、第1の発明では、
電線供給源から電線を送り出す電線送出部と、
上記電線供給源から繰り出されてきた電線を押さえ付けて該電線の矯正やねじれ抑制を行う電線押圧部と、
上記送り出された電線を所定の切断長で切断し、該電線の端部の被覆を剥ぐカッター部と、
上記電線押圧部において上記電線を押さえ付ける押圧力を制御する制御部とを備えた電線供給機を対象とする。
【0018】
そして、上記制御部は、上記カッター部で切断する上記電線の切断位置の前後において、上記電線押圧部の押圧力を低減又は無くし、上記切断位置の前後以外は、上記電線押圧部の押圧力を維持するように構成されている。
【0019】
すなわち、通常、電線の導体と被覆は被覆時に張り付いているが、ローラの押圧力が強いと張付きが無くなり、被覆と導体がずれやすくなる。しかし上記の構成によると、電線の切断された端部付近で電線に対する押圧力を減少させ又は0にするので、被覆端位置の変位(伸び縮み)が抑制される。電線端で被覆位置が変位すると品質問題になるため、電線端での押圧力を弱めることで問題を解決する。一方で、電線の切断端以外では押圧力を加えても品質問題は発生しないため、必要な押圧力を加えることで十分な品質効果が得られる。
【0020】
第2の発明では、第1の発明において、
上記電線押圧部は、少なくとも一対の矯正ローラと、該少なくとも一対の矯正ローラの間の距離を調整するアクチュエータとを備え、
上記制御部により、上記アクチュエータを操作して上記電線押圧部の押圧力を調整可能に構成されている。
【0021】
上記の構成によると、制御部がアクチュエータを電線の切断位置に合わせて矯正ローラ間の距離を調整することで、簡単な構成で電線に加わる押圧力が適切に調整される。
【0022】
第3の発明では、電線供給源から電線を送り出し、
上記電線供給源から繰り出されてきた電線を押さえ付けて該電線の矯正やねじれ抑制を行い、
上記送り出された電線をカッター部で所定の切断長で切断し、該電線の端部の被覆を剥ぐ電線の製造方法を対象とし、
上記カッター部で切断する上記電線の切断位置の前後において、上記電線を押圧する電線押圧部の押圧力を低減又は無くし、上記切断位置の前後以外は、上記電線押圧部の押圧力を維持する。
【0023】
上記の構成によると、電線の切断された端部の周辺で電線に対する押圧力を減少させることにより、被覆と導体との密着性が低下すると導体が露出しやすい端部において被覆が導体から剥がれにくくなり、被覆のストリップ長さのバラツキが抑制される。一方で、電線の切断端以外では、必要な押圧力を加えることで十分な品質効果を得ることができる。
【0024】
第4の発明では、第3の発明において、
上記カッター部で切断する上記電線の切断位置の前後において、少なくとも一対の矯正ローラの間の距離を大きくし、上記切断位置の前後以外は、少なくとも一対の矯正ローラの間の距離を小さくする。
【0025】
上記の構成によると、電線の切断位置に合わせて矯正ローラ間の距離を調整することで、電線に加わる押圧力が容易且つ適切に調整される。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明によれば、電線の切断された端部での被覆位置が安定するため、品質を向上させることができる。また、電線の端部以外では押圧力を自由に調整できるため、最適な押圧力に調整することで矯正効果を最大化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施形態に係る電線供給機の概要を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る電線の製造方法を示すフローチャートである。
【
図3】電線の代表的な断面を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
図1は本発明の実施形態の電線供給機1を示し、この電線供給機1は、電線リール3から電線2を送り出す電線送出部20を備えている。
図3に示すように、電線2として例えば、被覆2bで導体2aを被覆した被覆電線が用いられている。本実施形態では、導体2aは、電気用軟銅線のより線よりなり、例えば、全体の外径が1.0mmで被覆2bの厚さが0.3mmである。導体2aの種類、外径、被覆2bの種類、外径等は特に限定されない。被覆2bは、特許文献1等で示される公知の方法で形成される。この電線送出部20には、一対の送りベルト21が回転ローラ22によって互いに逆方向に駆動されることで、その間に挟持された電線2を送り出すようになっている。回転ローラ22の回転速度は、制御部としてのコントローラ40により、電線2の送り量Mが正確に制御される。なお、この電線送出部20での一対の送りベルト21で挟む力を強くすることで電線2の矯正機能やねじれ抑制機能を持たせることもある程度可能であるが、本実施形態では、電線送出部20は、電線2の矯正機能やねじれ抑制機能は有していないものとする。
【0030】
電線供給機1は、電線リール3から繰り出されてきた電線2を押さえ付けて電線2の矯正を行う電線矯正部10を備えている。この電線矯正部10は、例えば、千鳥状に配置された三対の矯正ローラ11,12を備えている。矯正ローラ11,12の個数は特に限定されず、少なくとも一対あればよい。これらの矯正ローラ11,12の間の距離は、アクチュエータとしてのエアシリンダ13で調整可能となっている。この距離を調整することで、三対の矯正ローラ11,12間に挟まれる電線2に加わる押圧力を調整可能に構成されている。具体的には、コントローラ40により、図示しないコンプレッサ等から高圧エアを送り込んでエアシリンダ13を伸縮操作することで、電線矯正部10の押圧力を調整する。電線2の導体2a、被覆2bの種類、外径などから押圧力が決定される。押圧力が強すぎると、被覆2bと導体2aとの密着が剥がれてしまい、弱すぎると電線2の巻癖が十分にとれない。
【0031】
電線供給機1は、さらに、この矯正された電線2を所定の切断長で切断し、電線2の端部の被覆2bを剥ぐカッター部30を備えている。カッター部30は、一対のカッター31を有し、図示しないハンドリング部で掴まれた電線2を切断し、また、その被覆2bを剥ぐことができる。
【0032】
そして、本発明の特徴として、コントローラ40は、カッター部30で切断する電線2の切断位置の前後において、電線矯正部10の押圧力を低減又は無くし、切断位置の前後以外は、電線矯正部10の押圧力を維持するように構成されている。
【0033】
次いで、本実施形態に係る電線供給機1の矯正ローラ11,12の開閉動作について図面を用いて具体的に説明する。
【0034】
図2に示すように、ステップS01の条件入力工程では、まず、ユーザが、切断長L、矯正ローラ11,12を開く範囲F1,F2を入力する。またコントローラ40は、電線送出部20の回転ローラ22の回転速度を設定する。
【0035】
そして、ステップS02の電線送り開始で、切断長L当たりの送り量をMとして図示しないセンサ等により継続的に計測を始める。
【0036】
最初に、ステップS03の判断工程において、コントローラ40は、エアシリンダ13の伸縮の必要性について判断する。具体的には、P/Lの商がXで余りP’のとき、送り量Mが切断長Lから余りP’とF2を引いた値よりも大きくなったとき(M>L−P’−F2)は、ステップS04に進み、矯正ローラ11,12を開いておき、押圧力を低減し又は0とし、ステップS05に進む。一方ステップS03において、送り量Mが切断長Lから余りP’とF2を引いた値を越えないとき(M<L−P’−F2)は、ステップS11に進む。このステップS11において、コントローラ40は、エアシリンダ13を伸張させ、矯正ローラ11,12間の距離を短くし、電線リール3から繰り出されてきた電線2を矯正ローラ11,12で押さえ付けた状態でS12に進み、電線リール3から電線2が供給され、再びステップ03に戻る。
【0037】
そして、ステップS05においては、範囲F2において、矯正ローラ11,12が開いた状態で弱い力で矯正を行いながら、又は矯正を行わない状態で電線2の送出を継続する。
【0038】
次いで、ステップS06において、送り量Mが切断長Lから余りP’を引きF1を足した値よりも大きくなったとき(M>L−P’+F1)には、ステップS07に進み、それまではステップS04に戻って矯正ローラ11,12を開いて押圧力を低減したまま電線2を送り続ける。すなわち、切断位置のすぐ後の範囲F1で、弱い力で矯正が行われ、又は矯正が行われない。このため、範囲F1では被覆2bの導体2aに対する密着度の低下が抑制される。
【0039】
次いで、ステップS07において、コントローラ40は、エアシリンダ13を伸張させ、矯正ローラ11,12間の距離を短くする。
【0040】
次いで、ステップS08において、電線リール3から繰り出されてきた電線2を矯正ローラ11,12で押さえ付けて所定の押圧力を加えながら電線2の矯正を行う。
【0041】
次いで、ステップS09において、送り量Mが切断長Lと等しくなったか判断する。切断長Lに達しない間は、ステップS07に戻って矯正しながら電線2の送り出が継続される。切断長Lに達すると、電線2の一本分繰り出されたので、いったんステップS10で電線送りが停止される。
【0042】
その後、切断工程に移り、カッター部30で電線2の切断が行われる。
【0043】
次いで、図示しない把持部が切断された電線2を掴み、電線2の被覆2bを剥ぐストリップ作業が行われる。詳しい説明は省略するが、必要であれば、スリップされた部分に端子が圧着され、半田付けされ又は防水処理される。
【0044】
処理後の電線2は、図示しない排出トレイに排出される。電線2は、適切な力で矯正されているので、排出トレイでも綺麗に並んで互いに絡まることはない。
【0045】
このように、本実施形態では、カッター部30で切断する電線2の切断位置の前後、すなわちF1,F2の範囲において、電線矯正部10の押圧力を低減し、切断位置の前後以外は、電線矯正部10の押圧力を維持し、電線2の切断された端部の周辺で電線2に対する押圧力を減少させることにより、被覆2bと導体2aとの密着度が低下しにくくなり、被覆2bが縮まず、ストリップ長さのバラツキが抑制される。電線2の切断端で被覆2bの位置が変位しないので、品質問題が発生しない。一方で、電線2の切断端以外では比較的強い押圧力を加え密着度が低下しても品質問題は発生しないため、必要な押圧力を加えることで十分な矯正効果を得ることができる。
【0046】
上述したように、電線2の切断端の範囲F1,F2において、矯正ローラ11,12の間の距離を大きくし、切断位置の前後以外は、矯正ローラ11,12の間の距離を小さくしている。このように、電線2の切断位置に合わせて矯正ローラ11,12間の距離を調整することで、電線2に加わる押圧力が容易且つ適切に調整される。
【0047】
したがって、本実施形態に係る電線供給機1によると、電線2の切断された端部での被覆2b位置が安定するため、品質問題が解決する。また、電線2の端部以外では押圧力を自由に調整できるため、最適な押圧力に調整することで矯正効果を最大化することができる。
【0048】
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0049】
上記の実施形態では、押圧部として、電線矯正部を配置した構成の説明をしたが、電線矯正部の上流側に他の押圧部としてピンチローラを配置してもよい。
【0050】
このピンチローラを配置するときには、矯正ローラ11,12の距離を調整するエアシリンダ13と同様のアクチュエータを配置し、矯正ローラ11,12の間の距離を小さくする電線位置とピンチローラで押圧力を弱める電線位置が同じ位置になるようにアクチュエータを制御してもよいし、矯正ローラ又はピンチローラのどちらか一方のみのローラ間の距離を制御することにより、上記実施形態と同じ効果が期待できる。
【0051】
また、上記実施形態では、電線矯正部として、複数のローラで電線を千鳥状に挟んで電線を送り出す矯正機構の説明をしたが、電線矯正ローラとしては、上記ピンチローラのように正対するローラで電線を挟んで電線を矯正するような構成であってもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、アクチュエータとしてエアシリンダ13を用いたが、油圧シリンダ、電動シリンダ、電動モータ等で構成してもよい。
【0053】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0054】
1 電線供給機
2 電線
2a 導体
2b 被覆
3 電線リール
10 電線矯正部
11,12 矯正ローラ
13 エアシリンダ
20 電線送出部
21 ベルト
22 回転ローラ
30 カッター部
31 カッター
40 コントローラ
L 切断長
M 送り量
P 商
P’ 余り
F1,F2 範囲