特許第6572179号(P6572179)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6572179特典管理装置、特典管理方法及び特典管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6572179
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】特典管理装置、特典管理方法及び特典管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20190826BHJP
【FI】
   G06Q30/02 350
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-142022(P2016-142022)
(22)【出願日】2016年7月20日
(65)【公開番号】特開2018-13896(P2018-13896A)
(43)【公開日】2018年1月25日
【審査請求日】2017年9月6日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(72)【発明者】
【氏名】中村 俊一
(72)【発明者】
【氏名】吉村 幸浩
【審査官】 岸 健司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−227416(JP,A)
【文献】 特開2009−211194(JP,A)
【文献】 特開2015−018437(JP,A)
【文献】 特開2003−187140(JP,A)
【文献】 特開2002−288504(JP,A)
【文献】 特開2009−301419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの通信端末の契約者番号に関連付けられたユーザIDに関連付けて、決済が行われた際の決済額を含む決済情報を取得する取得部と、
前記ユーザの通信端末において所定のアプリケーションソフトがインストールされた場合に前記ユーザが使用可能になる特典の内容を、前記取得部が取得した前記ユーザの前記決済額のうち過去の所定の期間に行われた決済における決済額に基づいて、前記契約者番号に関連付けて決定する特典決定部と、
前記特典決定部が決定した特典の内容を示す特典情報を、前記契約者番号に対応する通信端末に表示させる表示制御部と、
前記特典決定部が特典を付与する対象となる店舗を登録する登録部と、
を有し、
前記取得部は、決済が行われた店舗を特定するための店舗情報を前記決済額に関連付けて取得し、
前記特典決定部は、前記登録部が新店舗を登録した場合に、過去の所定の期間に前記新店舗で行われた決済における決済額に基づいて、前記ユーザに付与される前記新店舗の前記特典の内容を決定し、
前記表示制御部は、前記新店舗の前記店舗情報に関連付けて前記特典情報を表示させる、
特典管理装置。
【請求項2】
前記特典決定部は、店舗ごとに定められた長さの過去の所定の期間に行われた決済における決済額に基づいて、前記ユーザに付与される店舗ごとの前記特典の内容を決定する、
請求項1に記載の特典管理装置。
【請求項3】
前記特典決定部は、店舗に関連付けられた商品の購入サイクルに対応する長さの過去の所定の期間に行われた決済における決済額に基づいて、前記ユーザに付与される店舗ごとの前記特典の内容を決定する、
請求項に記載の特典管理装置。
【請求項4】
前記特典決定部は、前記ユーザが購入した商品に対応する長さの過去の所定の期間に行われた決済における決済額に基づいて、前記ユーザに付与される前記特典の内容を決定する、
請求項1からのいずれか一項に記載の特典管理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記通信端末にインストールされた第1のアプリケーションソフトからの要求に応じて前記特典情報を前記通信端末に表示させ、
前記特典決定部は、前記通信端末に前記第1のアプリケーションソフトと異なる第2のアプリケーションソフトがインストールされたことを通知する通知情報を受信した場合に、前記特典決定部が内容を決定した前記特典を使用可能にすることで、前記ユーザに前記特典を付与する、
請求項1からのいずれか一項に記載の特典管理装置。
【請求項6】
コンピュータが実行する、
ユーザの通信端末において所定のアプリケーションソフトがインストールされた場合に前記ユーザが使用可能になる特典を付与する対象となる店舗を登録するステップと、
ユーザの通信端末の契約者番号に関連付けられたユーザIDに関連付けて、決済が行われた際の決済額を含む決済情報を取得するステップと、
決済が行われた店舗を特定するための店舗情報を前記決済額に関連付けて取得するステップと、
前記店舗として新店舗を登録した場合に、前記特典の内容を、前記ユーザの前記決済額のうち過去の所定の期間に前記新店舗で行われた決済における決済額に基づいて、前記契約者番号に関連付けて決定するステップと、
決定した特典の内容を示す特典情報を、前記契約者番号に対応する通信端末に表示させるステップと、
を有する特典管理方法。
【請求項7】
通信端末と、前記通信端末のユーザに付与される特典を管理する特典管理装置とを備え、
前記特典管理装置は、
前記通信端末の契約者番号に関連付けられたユーザIDに関連付けて、決済が行われた際の決済額を含む決済情報を取得する取得部と、
前記ユーザの通信端末において所定のアプリケーションソフトがインストールされた場合に前記ユーザが使用可能になる特典の内容を、前記取得部が取得した前記ユーザの前記決済額のうち過去の所定の期間に行われた決済における決済額に基づいて、前記契約者番号に関連付けて決定する特典決定部と、
前記特典決定部が決定した特典の内容を示す特典情報を、前記契約者番号に対応する通信端末に表示させる表示制御部と、
前記特典決定部が特典を付与する対象となる店舗を登録する登録部と、
を有し、
前記通信端末は、前記特典管理装置から送信された前記特典情報が示す特典の内容を表示する表示部を有し、
前記取得部は、決済が行われた店舗を特定するための店舗情報を前記決済額に関連付けて取得し、
前記特典決定部は、前記登録部が新店舗を登録した場合に、過去の所定の期間に前記新店舗で行われた決済における決済額に基づいて、前記ユーザに付与される前記新店舗の前記特典の内容を決定し、
前記表示制御部は、前記新店舗の前記店舗情報に関連付けて前記特典情報を表示させる、
特典管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品を購入したユーザに対して付与されるポイント等の特典を管理する特典管理装置、特典管理方法及び特典管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クレジットカードを用いて商品を購入した場合にポイントが付与されるサービスが知られている。特許文献1には、クレジットカードで商品を購入した場合に、クレジットカードを用いないで商品を購入した際よりも多くのポイントを付与するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−66156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のシステムにおいては、ポイント等の特典を受け取ることができるサービスの提供を受け始めた場合、サービスの提供を受け始めてから商品を購入した場合に特典を受けることができる。このような場合、ユーザは、商品を購入して特典が付与されるまでは特典を使うことができず、特典を得ることのメリットを実感しづらい。例えば、商品を購入するとくじ引きができるという特典がある場合に、ユーザは、商品を購入するまではくじ引きを行うことによるメリットを実感しづらいので、特典を得るために商品を購入するという動機付けを抱きにくいという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、商品を購入する意欲を高めるための特典管理装置、特典管理方法及び特典管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る特典管理装置は、通信端末のユーザに関連付けて、決済が行われた際の決済額を含む決済情報を取得する取得部と、前記ユーザの通信端末において所定のアプリケーションソフトがインストールされた場合に前記ユーザが使用可能になる特典の内容を、前記取得部が取得した前記ユーザの前記決済額のうち過去の所定の期間に行われた決済における決済額に基づいて決定する特典決定部と、前記特典決定部が決定した特典の内容を示す特典情報を前記ユーザの通信端末に表示させる表示制御部と、を有する。
【0007】
前記取得部は、決済が行われた店舗を特定するための店舗情報を前記決済額に関連付けて取得し、前記特典決定部は、過去の所定の期間に行われた決済における店舗ごとの決済額に基づいて、前記ユーザに付与される店舗ごとの特典の内容を決定し、前記表示制御部は、前記店舗情報に関連付けて前記特典情報を表示させてもよい。
【0008】
前記特典決定部が特典を付与する対象となる店舗を登録する登録部をさらに有し、前記特典決定部は、登録部が新店舗を登録した場合に、過去の所定の期間に前記新店舗で行われた決済における決済額に基づいて、前記ユーザに付与される前記新店舗の特典の内容を決定し、前記表示制御部は、前記新店舗の前記店舗情報に関連付けて前記特典情報を表示させてもよい。
【0009】
前記特典決定部は、店舗ごとに定められた長さの過去の所定の期間に行われた決済における決済額に基づいて、前記ユーザに付与される店舗ごとの特典の内容を決定してもよい。
【0010】
前記特典決定部は、店舗に関連付けられた商品の購入サイクルに対応する長さの過去の所定の期間に行われた決済における決済額に基づいて、前記ユーザに付与される店舗ごとの特典の内容を決定してもよい。
【0011】
前記特典決定部は、前記ユーザが購入した商品に対応する長さの過去の所定の期間に行われた決済における決済額に基づいて、前記ユーザに付与される特典の内容を決定してもよい。
【0012】
前記表示制御部は、前記通信端末にインストールされた第1のアプリケーションソフトからの要求に応じて前記特典情報を前記通信端末に表示させ、前記特典決定部は、前記通信端末に前記第1のアプリケーションソフトと異なる第2のアプリケーションソフトがインストールされたことを通知する通知情報を受信した場合に、前記特典決定部が内容を決定した特典を使用可能にすることで、前記ユーザに特典を付与してもよい。
【0013】
本発明の第2の態様に係る特典管理方法は、コンピュータが実行する、通信端末のユーザに関連付けて、決済が行われた際の決済額を含む決済情報を取得するステップと、前記ユーザの通信端末において所定のアプリケーションソフトがインストールされた場合に前記ユーザが使用可能になる特典の内容を、前記ユーザの前記決済額のうち過去の所定の期間に行われた決済における決済額に基づいて決定するステップと、決定した特典の内容を示す特典情報を前記ユーザの通信端末に表示させるステップと、を有する。
【0014】
本発明の第3の態様に係る特典管理システムは、通信端末と、前記通信端末のユーザに付与される特典を管理する特典管理装置とを備え、前記特典管理装置は、前記通信端末のユーザに関連付けて、決済が行われた際の決済額を含む決済情報を取得する取得部と、前記ユーザの通信端末において所定のアプリケーションソフトがインストールされた場合に前記ユーザが使用可能になる特典の内容を、前記取得部が取得した前記ユーザの前記決済額のうち過去の所定の期間に行われた決済における決済額に基づいて決定する特典決定部と、前記特典決定部が決定した特典の内容を示す特典情報を前記ユーザの通信端末に表示させる表示制御部と、を有し、前記通信端末は、前記特典管理装置から送信された前記特典情報が示す特典の内容を表示する表示部を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、商品を購入する意欲を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係る特典管理システムSの構成を示す図である。
図2】ユーザが保有する特典に関する情報が表示された通信端末2のディスプレイを示す図である。
図3】特典管理サーバ1の構成を示す図である。
図4】店舗情報DBに登録されている複数のユーザに対応するレコードのうち、一人のユーザに対応するレコードの一例を示す図である。
図5】特典管理サーバ1がユーザに特典としてのスタンプを付与する動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[特典管理システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る特典管理システムSの構成を示す図である。特典管理システムSは、特典管理サーバ1と、通信端末2と、決済情報管理サーバ3とを有する。特典管理サーバ1は、通信端末2のユーザに関連付けて、ユーザに付与する特典の内容を決定するとともに、決定した特典の内容を記憶することにより、各ユーザが保有している特典を管理する特典管理装置である。
【0018】
通信端末2は、スマートフォン、タブレット又はコンピュータ等のように通信機能を有する端末である。通信端末2は、携帯電話網及びインターネット等を含むネットワークNを介して、特典管理サーバ1との間でデータを送受信することができる。
【0019】
決済情報管理サーバ3は、店舗においてクレジットカードで決済された際の決済情報を管理するサーバである。決済情報は、決済が行われた日時、決済が行われた店舗の名称、購入された商品名、決済額等の情報を含む。決済情報管理サーバ3は、ユーザに関連付けて決済情報を記憶しており、特典管理サーバ1からの要求に応じて決済情報を特典管理サーバ1に送信する。
【0020】
図2は、ユーザが保有する特典に関する情報が表示された通信端末2のディスプレイを示す図である。図2は、通信端末2にインストールされた第1のアプリケーションソフトにより表示されている。
【0021】
図2(a)は、特典の一例としてのスタンプが貯まったことを通知する画面を示している。スタンプは、ユーザが所定数のポイントを獲得するたびに付与される特典である。ユーザは、所定の数のスタンプが貯まると、ランダムな数のポイントを獲得できるくじ引き(以下、「ポイントくじ」という)を実行することができる。くじ引きによるポイントアップの効果を実感できるように、ユーザが最初にスタンプを獲得した時には、その時点でくじ引きができるようにされており、図2(a)には、ポイントくじへの挑戦を促す画像21表示されている。
【0022】
ユーザが画像21にタッチすると、図2(b)の画面に切り替わる。図2(b)においては、スタンプを使用可能な店舗に関する情報が表示されている。具体的には、AレストランとB洋品店のスタンプが貯まり、ユーザがポイントくじを引くことを促す画像22が表示されている。また、図2(b)には、もう少しでスタンプを獲得できる店舗名「Cコーヒー」も表示されている。
【0023】
ユーザが画像22にタッチすると、スタンプを実行するための第2のアプリケーションソフトが通信端末2にインストールされているかどうかによって処理が分かれる。第2のアプリケーションソフトがインストールされている場合、第1のアプリケーションソフトは第2のアプリケーションソフトを起動し、第2のアプリケーションソフトが特典管理サーバ1にアクセスすることにより、ポイントくじを実行する。
【0024】
一方、第2のアプリケーションソフトがインストールされていない場合、第1のアプリケーションソフトは、第2のアプリケーションソフトをインストールするための画面を表示する。第2のアプリケーションソフトがインストールされると、第2のアプリケーションソフトが起動し、第2のアプリケーションソフトが特典管理サーバ1にアクセスすることにより、ポイントくじを実行する。
【0025】
ここで、ユーザは、第2のアプリケーションソフトがインストールされた後にポイントくじを実行することができるが、特典管理システムSは、第2のアプリケーションソフトがインストールされる前の所定の期間内(例えば、過去の3ヶ月間)にユーザがクレジットカードで決済した額に遡ってスタンプが付与されることを特徴としている。また、店舗がスタンプの提供を開始した場合にも、スタンプの提供を開始する前の所定の期間内に当該店舗でユーザがクレジットカードで決済した額に遡ってスタンプが付与されることも特徴としている。
【0026】
このように、特典管理システムSにおいては、ユーザが、特典を使用可能になった時点の過去に遡って特典が付与されるので、ユーザに対して、特典を使用するために用いられる第2のアプリケーションソフトをインストールするように動機付けることができる。そして、第2のアプリケーションソフトをインストールして特典(例えばポイントくじ)を利用したユーザが特典のメリットを実感することにより、クレジットカードを使って商品を購入するように動機付けられる。
以下、特典管理サーバ1の構成及び動作について詳細に説明する。
【0027】
[特典管理サーバ1の構成]
図3は、特典管理サーバ1の構成を示す図である。特典管理サーバ1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
通信部11は、ネットワークNに接続するための通信インターフェースであり、例えばLAN(Local Area Network)コントローラを有する。
【0028】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体を含む。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部12は、特典情報DB121及び店舗情報DB122を有する。
【0029】
特典情報DB121は、ユーザIDと、ユーザに付与された特典情報とが関連付けられたデータベースである。特典情報は、例えば、ユーザが店舗で所定の金額分の商品を購入するたびに付与されるスタンプである。ユーザIDは、ユーザに固有の識別情報であり、例えば通信端末2の契約者番号に関連付けられている。
【0030】
図4は、特典情報DB121に登録されている複数のユーザに対応するレコードのうち、一人のユーザに対応するレコードの一例を示す図である。レコードにおいては、店舗名と、ユーザが獲得しているポイント数及びスタンプ数とが関連付けられている。10個のスタンプを獲得するとポイントくじを引くことができる場合、図4に示すレコードのユーザは、AレストランとB洋品店においては、ポイントくじを引くだけのスタンプを獲得できていることになる。
【0031】
店舗情報DB122は、ユーザIDと、通信端末2に表示するお気に入りリストに登録された店舗に対応する複数の登録店舗情報とが関連付けられたデータベースである。店舗情報DB122には、特典管理サーバ1が提供するサービスを契約した全ての店舗の店舗情報が登録されている。ユーザが、全ての店舗情報のうち、ユーザのレコードに登録すべき店舗情報を指定することにより、店舗情報DB122におけるユーザのレコードに、新たな店舗の店舗情報が登録店舗情報として登録される。
【0032】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部131、特典決定部132、登録部133及び表示制御部134として機能する。
【0033】
取得部131は、通信部11を介して決済情報管理サーバ3にアクセスして、通信端末2のユーザに関連付けて、クレジットカードを用いて決済が行われた際の決済額を含む決済情報を取得する。取得部131は、クレジットカードを用いて決済が行われた店舗を特定するための店舗情報を決済額に関連付けて取得する。取得部131は、取得した決済情報及び店舗情報を特典決定部132に通知する。
【0034】
特典決定部132は、ユーザの通信端末2から所定のアプリケーションソフト(スタンプを使用するための第2のアプリケーションソフト)がインストールされたことを通知する通知情報を受信した場合に使用可能になる特典の内容を決定する。特典の内容は、取得部131が取得したユーザの決済額のうち、過去の所定の期間に行われた決済における決済額に基づいて定められる。特典決定部132は、例えば、過去の所定の期間に行われた決済における店舗ごとの決済額に基づいて、ユーザに付与される店舗ごとの特典の内容を決定する。
【0035】
特典決定部132は、通信端末2の第1のアプリケーションソフトから特典の内容が問い合わせられた時点で、その時点よりも前の所定の期間に行われた決済における決済額に基づいて付与されるポイントの数に基づいて、ユーザに付与されるスタンプの数を決定する。そして、特典決定部132は、スタンプの数を決定してから所定の期間以内に、通信端末2に第2のアプリケーションソフトがインストールされたことの通知を受けると、決定したスタンプの数に基づく特典を使用可能にすることにより、ユーザに特典を付与する。
【0036】
特典決定部132は、第1のアプリケーションソフトからの問い合わせによりスタンプの数を決定してから所定の期間が経過した後に、通信端末2に第2のアプリケーションソフトがインストールされたことの通知を受けた場合、その時点で特典の内容を再決定してもよい。例えば、特典決定部132は、決定したスタンプの数を第1のアプリケーションソフトに通知してから第2のアプリケーションソフトがインストールされるまでの期間の長さに応じて、使用可能なスタンプの数を減らすようにしてもよい。このように、特典管理サーバ1は、第2のアプリケーションソフトがインストールされるまでの期間の長さに応じて、使用可能なスタンプの数を減らすことを通信端末2に表示することで、第2のアプリケーションソフトを早くインストールすることをユーザに促すことができる。
【0037】
特典決定部132は、ユーザが第2のアプリケーションをインストールした後に、初めて決済をしたことを条件として、その時点よりも前の所定の期間に行われた決済における決済額に基づいて特典を付与してもよい。
【0038】
特典決定部132は、登録部133が店舗情報DB122に新店舗を登録した場合に、過去の所定の期間に新店舗で行われた決済における決済額に基づいて、ユーザに付与される新店舗の特典の内容を決定してもよい。このようにすることで、新たな店舗がスタンプを付与するサービスを開始した場合に過去の決済額が考慮されるので、ユーザは、短期間でスタンプの使用を開始することが可能になる。特典決定部132は、新店舗がスタンプを付与するサービスを開始した後に、ユーザが初めて新店舗で決済をしたことを条件として、その時点よりも前の所定の期間に行われた決済における決済額に基づいて特典を付与してもよい。
【0039】
また、特典決定部132は、店舗ごとに定められた長さの過去の所定の期間に行われた決済における決済額に基づいて、ユーザに付与される店舗ごとの特典の内容を決定してもよい。例えば、特典決定部132は、店舗に関連付けられた商品の購入サイクルに対応する長さの過去の所定の期間に行われた決済における決済額に基づいて、ユーザに付与される店舗ごとの特典の内容を決定する。「店舗に関連付けられた商品」は、例えば、店舗で最も販売数が多い商品である。「店舗に関連付けられた商品」は、店舗で販売される複数の種類の商品を含んでいてもよい。
【0040】
具体的には、特典決定部132は、コンビニエンスストアのように、店舗で販売される商品の平均的な購入サイクルが比較的短く、ユーザが頻繁に訪れる店舗である場合、特典を付与する対象として過去に遡る期間を比較的短く設定する。一方、洋品店のように、販売されている商品の平均的な購入サイクルが比較的長く、ユーザが訪れる頻度が比較的低い店舗である場合、特典を付与する対象として過去に遡る期間を比較的長く設定する。
【0041】
さらに、特典決定部132は、ユーザがクレジットカードを用いて購入した商品に対応する長さの過去の所定の期間に行われた決済における決済額に基づいて、ユーザに付与される特典の内容を決定してもよい。例えば、特典決定部132は、ユーザが、比較的安価で購入頻度が高い商品を購入した場合、特典を付与する対象として過去に遡る期間を比較的短く設定する。逆に、特典決定部132は、ユーザが、比較的高価で購入頻度が低い商品を購入した場合、特典を付与する対象として過去に遡る期間を比較的長く設定してもよい。このようにすることで、店舗で販売している商品の購入サイクル等の属性に基づいて、スタンプを貯めるメリットをユーザに実感してもらうために必要最小限の適切な量の特典をユーザに付与することができる。
【0042】
登録部133は、特典決定部132が特典を付与する対象となる店舗を店舗情報DB122に登録する。登録部133は、例えば、通信部11を介して、店舗から所定の申込情報を取得することにより、新たな店舗を店舗情報DB122に登録する。
【0043】
表示制御部134は、通信端末2から、ユーザが保有している特典の内容を要求する通知を受けると、特典決定部132が決定した特典の内容を示す特典情報をユーザの通信端末2に表示させるべく、通信部11を介して特典情報を通信端末2に送信する。表示制御部134は、例えば、図4に示した特典情報DB121にアクセスして、店舗名、獲得ポイント数及び獲得スタンプ数を関連付けて通信端末2に送信することにより、店舗情報に関連付けて特典情報を通信端末2に表示させる。
【0044】
また、表示制御部134は、お気に入りリストに含まれる複数の登録店舗情報の閲覧要求があった場合に、店舗情報DB122に登録されている複数の登録店舗情報を通信端末2に表示させる。具体的には、表示制御部134は、通信端末2のユーザに関連付けて店舗情報DB122に登録されている複数の登録店舗情報を読み出して、通信部11を介して、読み出した複数の登録店舗情報を通信端末2に送信する。登録店舗情報が、通信端末2に表示されるコンテンツ自体を含んでもよく、登録店舗情報が、通信端末2に表示されるコンテンツを取得するためのURLを含んでいてもよい。
【0045】
[特典管理サーバ1の動作のフローチャート]
図5は、特典管理サーバ1がユーザに特典としてのスタンプを付与する動作のフローチャートである。
特典決定部132は、第1のアプリケーションソフトから、ユーザが保有しているスタンプ数を確認する要求を受信した場合(S11においてYES)、決済情報管理サーバ3から、過去の所定期間におけるユーザのクレジットカードを用いて決済での決済額を示す決済情報を取得する(S12)。特典決定部132は、決済情報を取得すると、店舗ごとにスタンプ数を決定する(S13)。特典決定部132がスタンプ数を決定すると、表示制御部134は、決定されたスタンプ数を含む特典情報を通信端末2に送信する(S14)。
【0046】
その後、特典決定部132は、第2のアプリケーションソフトから、特典を使用する要求を受信した場合(S15においてYES)、ユーザが保有しているスタンプを使用可能な状態にする(S16)。具体的には、特典決定部132は、特典情報DB121にアクセスして、ユーザのレコード内のスタンプに関連付けられたフラグを「使用可能」を示す状態に変化させることにより、スタンプを使用可能な状態にする。
【0047】
特典決定部132は、スタンプを使用可能な状態にすると、その旨を表示制御部134に通知する。表示制御部134は、使用可能な状態になったスタンプを用いて実行することができるポイントくじの画面データを通信端末2に送信する(S17)。通信端末2においては、第2のアプリケーションソフトがポイントくじの画面データを受信すると、ポイントくじを実行するための操作画面をディスプレイに表示する。
【0048】
特典決定部132は、通信端末2においてポイントくじを実行するための操作が行われたことの通知を受けると(S18においてYES)、所定の範囲内の乱数を発生させ、発生した乱数に対応するポイントをユーザに付与する(S19)。
【0049】
[特典管理サーバ1による効果]
以上説明したように、本実施形態に係る特典管理サーバ1においては、特典決定部132が、付与される特典を使用するためのアプリケーションソフトがインストールされると使用可能になる特典の内容を、取得部131が取得したユーザの決済額のうち過去の所定の期間に行われた決済における決済額に基づいて決定する。
【0050】
このようにすることで、特典管理サーバ1は、付与される特典を使用するためのアプリケーションソフトがインストールされると、ユーザが速やかに特典を使用できるので、ユーザにアプリケーションソフトをインストールすることを促すことができる。そして、特典管理サーバ1は、アプリケーションソフトをインストールしたユーザが特典を使用して、特典を貯めるメリットを実感させることで、ユーザに対して、クレジットカードを用いて商品を購入するように動機付けることが可能になる。
【0051】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0052】
例えば、上記の例では、ユーザがクレジットカードを用いて決済する場合について説明したが、ユーザが決済する手段はこれに限らない。決済したユーザと、決済した店舗と、決済額とを関連付けることができる限りにおいて、本発明は、任意の手段で決済される場合に適用される。例えば、ユーザが会員制ポイントカードを用いて決済した場合であっても、本発明が適用可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 特典管理サーバ
2 通信端末
3 決済情報管理サーバ
11 通信部
12 記憶部
121 特典情報DB
122 店舗情報DB
13 制御部
131 取得部
132 特典決定部
133 登録部
134 表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5