【実施例】
【0098】
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はなんらこれらに限定されるものではない。実施例中、
1H−NMRはブルカー・バイオスピン株式会社製AV400を使用し、溶媒に重クロロホルム又は重DMSOを用いて400MHzで測定した。
【0099】
合成例1
76.43重量%塩化コリン水溶液53.98g(0.30モル)、74.90重量%リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド水溶液111.00g(0.29モル)及びイオン交換水110.01gを混合し、得られた混合物を室温で2時間反応させた。反応終了後、有機層と水層とに分液している反応混合物から有機層を分取し、得られた有機層をイオン交換水113gで2回洗浄した。水洗後の有機層を減圧下で濃縮乾燥し、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド69.28gを25℃で液体として得た(収率61.00%)。以下に、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの
1H−NMRデータを示す。
【0100】
1H−NMR(CDCl
3):δ(ppm)4.04(br,2H,OCH
2),3.46(br,3H,N
+CH
2,OH),3.18(s,9H,N
+(CH
3)
3)。
【0101】
合成例2
塩化コリン20.94g(0.15モル)、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート30.79g(0.153モル)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン1.14g(7.5ミリモル)及びアセトニトリル150.03gを混合し、60℃で3時間反応させた。反応終了後、反応混合物を室温まで冷却して、反応混合物中に析出した固体をろ過し、得られた固体をアセトニトリル50gで1回洗浄した。アセトニトリル洗浄後の固体を減圧下で乾燥し、2−[N−(m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)カルバモイルオキシ]エチルトリメチルアンモニウムクロリド43.81gを25℃で固体として得た(収率87.60%)。以下に、2−[N−(m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)カルバモイルオキシ]エチルトリメチルアンモニウムクロリドの
1H−NMRデータを示す。
【0102】
1H−NMR(CDCl
3):δ(ppm)7.48(s,1H,Ar−H),7.32−7.25(m,3H,Ar−H),6.71(s,1H,NH),5.34(s,1H,C=CH
2),5.08(s,1H,C=CH
2),4.42(br,2H,OCH
2),3.89(br,2H,N
+CH
2),3.47(s,9H,N
+(CH
3)
3),2.14(s,3H,CH
2=CCH
3),1.67(s,6H,C(CH
3)
2)。
【0103】
合成例3
1−メチルイミダゾール21.08g(256.76ミリモル)、2−ブロモエタノール33.69g(269.60ミリモル)及びエタノール34.56gを混合し、リフラクスで45時間反応させた。反応終了後、反応混合物を室温まで冷却して、減圧濃縮により溶媒を留去した。得られた濃縮残渣にアセトン53gを添加して析出した固体をろ過し、得られた固体をアセトン27gで2回洗浄した。アセトン洗浄後の固体を減圧下で乾燥し、1−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルイミダゾリウムブロミド51.84gを25℃で固体として得た(収率97.50%)。以下に、1−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルイミダゾリウムブロミドの
1H−NMRデータを示す。
【0104】
1H−NMR(DMSO−d
6):δ(ppm)9.19(s,1H,NCH),7.78(t,1H,NCH=CH),7.75(t,1H,NCH=CH),5.18(br,1H,OH),4.24(t,2H,OCH
2),3.89(s,3H,N
+CH
3),3.73(s,2H,NCH
2)。
【0105】
合成例4
合成例3で得た1−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルイミダゾリウムブロミド10.36g(50.00ミリモル)、74.90%リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド水溶液20.12g(52.48ミリモル)及びイオン交換水16.70gを混合し、室温で2時間反応させた。反応終了後、有機層と水層とに分液している反応混合物から有機層を分取し、得られた有機層をイオン交換水17gで3回洗浄した。水洗後の有機層を減圧下で濃縮乾燥し、1−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド15.55gを25℃で液体として得た(収率76.38%)。以下に、1−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの
1H−NMRデータを示す。
【0106】
1H−NMR(CDCl
3):δ(ppm)8.47(s,1H,NCH),7.36(s,1H,NCH=CH),7.28(s,1H,NCH=CH),4.19(t,2H,OCH
2),3.84(br,5H,N
+CH
3,NCH
2),3.94(br,1H,OH)。
【0107】
合成例5
ピリジン104.43g(1.32モル)、2−ブロモエタノール197.49g(1.58モル)、及びアセトニトリル453.33gを混合し、80℃で24時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却して、反応混合物中に析出した固体をろ過し、得られた固体をアセトニトリル219.56gで2回洗浄した。アセトニトリル洗浄後の固体を減圧下で乾燥し、1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムブロミド220.28gを25℃で固体として得た(収率81.80%)。以下に、1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムブロミドの
1H−NMRデータを示す。
【0108】
1H−NMR(DMSO−d
6):δ(ppm)8.05(d,2H,Py−H),7.63(t,1H,Py−H),7.16(t,2H,Py−H),4.23(br,1H,OH),3.70(t,2H,OCH
2),2.86(br,2H,N
+CH
2)。
【0109】
合成例6
合成例5で得た1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムブロミド14.58g(71.45ミリモル)、75.5%リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド水溶液28.52g(75.02ミリモル)及びイオン交換水28.89gを混合し、室温で3時間反応させた。反応終了後、有機層と水層とに分液している反応混合物から有機層を分取し、得られた有機層をイオン交換水29gで3回洗浄した。水洗後の有機層を減圧下で濃縮乾燥し、1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド18.88gを25℃で液体として得た(収率65.36%)。以下に、1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの
1H−NMRデータを示す。
【0110】
1H−NMR(CDCl
3):δ(ppm)8.66(d,2H,Py−H),8.44(t,1H,Py−H),7.93(t,2H,Py−H),4.57(t,2H,OCH
2),3.94(br,2H,N
+CH
2),3.60(br,1H,OH)。
【0111】
合成例7
6−ブロモ−1−ヘキサノール10.89g(60.00ミリモル)、ピリジン5.70g(72.00ミリモル)及びアセトニトリル15.65gを混合し、80℃で24時間反応させた。反応終了後、反応混合物を室温まで冷却して、反応混合物中に析出した固体をろ過し、得られた固体をトルエン16gで3回洗浄した。トルエン洗浄後の固体を減圧下で乾燥し、1−(6−ヒドロキシヘキシル)ピリジニウムブロミド18.42gを25℃で固体として得た(収率89.97%)。以下に、1−(6−ヒドロキシヘキシル)ピリジニウムブロミドの
1H−NMRデータを示す。
【0112】
1H−NMR(DMSO−d
6):δ(ppm)9.21(d,2H,Py−H),8.62(t,1H,Py−H),8.18(t,2H,Py−H),4.65(t,2H,OCH
2),4.09(br,1H,OH),3.35(t,2H,N
+CH
2),1.90(m,2H,CH
2CH
2CH
2),1.36(m,2H,CH
2CH
2CH
2),1.28(m,4H,CH
2CH
2CH
2)。
【0113】
合成例8
合成例7で得た1−(6−ヒドロキシヘキシル)ピリジニウムブロミド12.25g(47.08ミリモル)、74.90%リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド水溶液18.95g(49.44ミリモル)及びイオン交換水21.68gを混合し、室温で2時間反応させた。反応終了後、有機層と水層とに分液している反応混合物から有機層を分取し、得られた有機層をイオン交換水22gで3回洗浄した。水洗後の有機層を減圧下で濃縮乾燥し、1−(6−ヒドロキシヘキシル)ピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド18.42gを25℃で液体として得た(収率84.96%)。以下に、1−(6−ヒドロキシヘキシル)ピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの
1H−NMRデータを示す。
【0114】
1H−NMR(DMSO−d
6):δ(ppm)9.09(d,2H,Py−H),8.60(t,1H,Py−H),8.16(t,2H,Py−H),4.59(t,2H,OCH
2),3.60(br,1H,OH),3.37(t,2H,N
+CH
2),1.91(m,2H,CH
2CH
2CH
2),1.37(m,2H,CH
2CH
2CH
2),1.29(m,4H,CH
2CH
2CH
2)。
【0115】
合成例9
10−ブロモ−1−デカノール13.05g(55.02ミリモル)、ピリジン5.22g(66.03ミリモル)及びアセトニトリル43.50gを混合し、80℃で22時間反応させた。反応終了後、反応混合物を室温まで冷却し、そこにトルエン26gを添加して析出した固体をろ過し、得られた固体をトルエン26gで洗浄した。トルエン洗浄後の固体を減圧下で乾燥し、1−(10−ヒドロキシデシル)ピリジニウムブロミド16.20gを25℃で固体として得た(収率93.10%)。以下に、1−(10−ヒドロキシデシル)ピリジニウムブロミドの
1H−NMRデータを示す。
【0116】
1H−NMR(DMSO−d
6):δ(ppm)9.15(d,2H,Py−H),8.62(t,1H,Py−H),8.17(t,2H,Py−H),4.62(t,2H,OCH
2),3.36(t,2H,N
+CH
2),1.91(m,2H,CH
2CH
2CH
2),1.38(m,2H,CH
2CH
2CH
2),1.26(m,12H,CH
2CH
2CH
2)。
【0117】
合成例10
合成例9で得た1−(10−ヒドロキシデシル)ピリジニウムブロミド15.00g(47.43ミリモル)、75.0%リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド水溶液19.06g(49.80ミリモル)、ジクロロメタン24.50g及びイオン交換水24.50gを混合し、室温で3時間反応させた。反応終了後、有機層と水層とに分液している反応混合物から有機層を分取し、得られた有機層をイオン交換水25gで3回洗浄した。水洗後の有機層を減圧下で濃縮乾燥し、1−(10−ヒドロキシデシル)ピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド23.80gを25℃で液体として得た(収率97.14%)。以下に、1−(10−ヒドロキシデシル)ピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの
1H−NMRデータを示す。
【0118】
1H−NMR(DMSO−d
6):δ(ppm)9.09(d,2H,Py−H),8.59(t,1H,Py−H),8.15(t,2H,Py−H),4.59(t,2H,OCH
2),3.93(br,1H,OH),3.37(t,2H,N
+CH
2),1.93(m,2H,CH
2CH
2CH
2),1.39(m,2H,CH
2CH
2CH
2),1.24(m,12H,CH
2CH
2CH
2)。
【0119】
合成例11
12−ブロモ−1−ドデカノール13.27g(50.03ミリモル)、ピリジン4.75g(60.04ミリモル)及びアセトニトリル43.05gを混合し、80℃で22時間反応させた。反応終了後、反応混合物を室温まで冷却して、トルエン26gを添加した後、反応混合物中に析出した固体をろ過し、得られた固体をトルエン26gで洗浄した。トルエン洗浄後の固体を減圧下で乾燥し、1−(12−ヒドロキシドデシル)ピリジニウムブロミド16.06gを25℃で固体として得た(収率93.26%)。以下に、1−(12−ヒドロキシドデシル)ピリジニウムブロミドの
1H−NMRデータを示す。
【0120】
1H−NMR(DMSO−d
6):δ(ppm)9.12(d,2H,Py−H),8.61(t,1H,Py−H),8.17(t,2H,Py−H),4.60(t,2H,OCH
2),4.31(t,1H,OH),3.35(m,2H,N
+CH
2),1.91(m,2H,CH
2CH
2CH
2),1.39(m,2H,CH
2CH
2CH
2),1.23(m,16H,CH
2CH
2CH
2)。
【0121】
合成例12
合成例11で得た1−(12−ヒドロキシドデシル)ピリジニウムブロミド15.00g(43.56ミリモル)、75.0%リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド水溶液17.51g(45.74ミリモル)、ジクロロメタン23.72g及びイオン交換水23.72gを混合し、室温で3時間反応させた。反応終了後、有機層と水層とに分液している反応混合物から有機層を分取し、得られた有機層をイオン交換水24gで3回洗浄した。水洗後の有機層を減圧下で濃縮乾燥し、1−(12−ヒドロキシドデシル)ピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド22.88gを25℃で液体として得た(収率96.46%)。以下に、1−(12−ヒドロキシドデシル)ピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの
1H−NMRデータを示す。
【0122】
1H−NMR(DMSO−d
6):δ(ppm)9.09(d,2H,Py−H),8.60(t,1H,Py−H),8.15(t,2H,Py−H),4.59(t,2H,OCH
2),4.31(t,1H,OH),3.37(t,2H,N
+CH
2),1.91(m,2H,CH
2CH
2CH
2),1.39(m,2H,CH
2CH
2CH
2),1.23(m,16H,CH
2CH
2CH
2)。
【0123】
実施例1
合成例1で得た(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド69.28g(0.18モル)、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート36.99g(0.184モル)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン1.37g(9.0ミリモル)及びアセトニトリル158.10gを混合し、60℃で3時間反応させた。反応終了後、当初仕込んだ量の約8割の重量のアセトニトリルを減圧下で留去した。得られた濃縮残渣にトルエン105.40gを添加した後、反応混合物中に析出した固体をろ過し、得られた固体をトルエン52gで1回洗浄した。トルエン洗浄後の固体を減圧下で乾燥し、2−[N−(m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)カルバモイルオキシ]エチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下IL1という)103.68gを25℃で白色固体として得た(収率98.37%)。以下に、IL1の
1H−NMRデータを示す。
【0124】
1H−NMR(CDCl
3):δ(ppm)7.46(s,1H,Ar−H),7.31−7.26(m,3H,Ar−H),5.92(s,1H,NH),5.33(s,1H,C=CH
2),5.08(s,1H,C=CH
2),4.23(br,2H,OCH
2),3.49(br,2H,N
+CH
2),3.05(s,9H,N
+(CH
3)
3),2.13(s,3H,CH
2=CCH
3),1.63(s,6H,C(CH
3)
2)。
【0125】
実施例2
合成例2で得た2−[N−(m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)カルバモイルオキシ]エチルトリメチルアンモニウムクロリド13.64g(40ミリモル)、75.0%リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド水溶液16.84g(44ミリモル)、ジクロロメタン35.13g、アセトニトリル16.39g及びイオン交換水16.39gを混合し、室温で3時間反応させた。反応終了後、有機層と水層とに分液している反応混合物から有機層を分取し、得られた有機層をイオン交換水23gで3回洗浄した。水洗後の有機層を減圧下で濃縮乾燥し、IL1 23.00gを25℃で白色固体として得た(収率98.21%)。
【0126】
実施例3
合成例4で得た1−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド10.19g(25.00ミリモル)、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート5.14g(25.50ミリモル)、ジラウリン酸ジブチル錫0.15g(0.25ミリモル)及びアセトニトリル30.42gを混合し、60℃で5時間反応させた。反応終了後、反応混合物を減圧濃縮して溶媒を留去した。得られた濃縮残渣をトルエン15.21gで2回洗浄した。トルエン洗浄後の液体を減圧下で濃縮乾燥し、1−(2−[N−(m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)カルバモイルオキシ]エチル)−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下IL2という)13.91gを25℃で液体として得た(収率91.45%)。以下に、IL2の
1H−NMRデータを示す。
【0127】
1H−NMR(CDCl
3):δ(ppm)8.62(s,1H,NCH),7.45(s,1H,NCH=CH),7.30−7.25(m,4H,Ar−H),7.16(s,1H,NCH=CH),5.90(s,1H,NH),5.32(s,1H,C=CH
2),5.06(s,1H,C=CH
2),4.27(d,2H,OCH
2),4.19(d,2H,NCH
2),3.80(s,3H,N
+CH
3),2.11(s,3H,CH
2=CCH
3),1.60(s,6H,C(CH
3)
2)。
【0128】
実施例4
合成例6で得た1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド10.11g(25.00ミリモル)、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート5.14g(25.50ミリモル)、ジラウリン酸ジブチル錫0.16g(0.25ミリモル)及びアセトニトリル30.28gを混合し、60℃で5時間反応させた。反応終了後、反応混合物を減圧濃縮して溶媒を留去した。得られた濃縮残渣をトルエン15.14gで2回洗浄した。トルエン洗浄後の液体を減圧下で濃縮乾燥し、1−(2−[N−(m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)カルバモイルオキシ]エチル)ピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下IL3という)13.93gを25℃で液体として得た(収率92.00%)。以下に、IL3の
1H−NMRデータを示す。
【0129】
1H−NMR(CDCl
3):δ(ppm)8.69(d,2H,Py−H),8.31(t,1H,Py−H),7.87(t,2H,Py−H),7.39(s,1H,Ar−H),7.27−7.22(m,3H,Ar−H),5.89(s,1H,NH),5.31(s,1H,C=CH
2),5.06(s,1H,C=CH
2),4.65(br,2H,OCH
2),4.30(br,2H,N
+CH
2),2.10(s,3H,CH
2=CCH
3),1.54(s,6H,C(CH
3)
2)。
【0130】
実施例5
合成例8で得た1−(6−ヒドロキシヘキシル)ピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド13.30g(28.89ミリモル)、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート5.93g(29.46ミリモル)、ジラウリン酸ジブチル錫0.18g(0.29ミリモル)及びアセトニトリル38.22gを混合し、60℃で5時間反応させた。反応終了後、反応混合物を減圧濃縮して溶媒を留去した。得られた濃縮残渣をトルエン19.95gで2回洗浄した。トルエン洗浄後の液体を減圧下で濃縮乾燥し、1−(6−[N−(m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)カルバモイルオキシ]ヘキシル)ピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下IL4という)18.05gを25℃で液体として得た(収率94.45%)。以下に、IL4の
1H−NMRデータを示す。
【0131】
1H−NMR(DMSO−d
6):δ(ppm)9.08(d,2H,Py−H),8.60(t,1H,Py−H),8.16(t,2H,Py−H),7.52(br,1H,NH),7.43(s,1H,Ar−H),7.29−7.25(m,3H,Ar−H),5.35(s,1H,C=CH
2),5.07(s,1H,C=CH
2),4.57(br,2H,OCH
2),3.84(br,2H,N
+CH
2),2.08(s,3H,CH
2=CCH
3),1.90(br,2H,CH
2CH
2CH
2),1.52(s,8H,C(CH
3)
2,CH
2CH
2CH
2),1.31(br,4H,CH
2CH
2CH
2)。
【0132】
実施例6
合成例10で得た1−(10−ヒドロキシデシル)ピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド16.06g(31.09ミリモル)、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート6.39g(31.71ミリモル)、ジラウリン酸ジブチル錫0.19g(0.31ミリモル)及びアセトニトリル44.64gを混合し、60℃で3時間反応させた。反応終了後、反応混合物を減圧濃縮して溶媒留去した。得られた濃縮残渣をトルエン33.48gで2回洗浄した。トルエン洗浄後の液体を減圧下で濃縮乾燥し、1−(10−[N−(m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)カルバモイルオキシ]デシル)ピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下IL5という)21.07gを25℃で液体として得た(収率94.40%)。以下に、IL5の
1H−NMRデータを示す。
【0133】
1H−NMR(DMSO−d
6):δ(ppm)9.08(d,2H,Py−H),8.59(t,1H,Py−H),8.15(t,2H,Py−H),7.50(br,1H,NH),7.44(s,1H,Ar−H),7.30〜7.24(m,3H,Ar−H),5.35(s,1H,C=CH
2),5.07(s,1H,C=CH
2),4.58(t,2H,OCH
2),3.84(br,2H,N
+CH
2),2.09(s,3H,CH
2=CCH
3),1.91(br,2H,CH
2CH
2CH
2),1.52(s,8H,C(CH
3)
2,CH
2CH
2CH
2),1.27(br,12H,CH
2CH
2CH
2)。
【0134】
実施例7
合成例12で得た1−(12−ヒドロキシドデシル)ピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド16.42g(30.15ミリモル)、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート6.19g(30.75ミリモル)、ジラウリン酸ジブチル錫0.19g(0.30ミリモル)及びアセトニトリル44.98gを混合し、60℃で5時間反応させた。反応終了後、反応混合物を減圧濃縮して溶媒を留去した。得られた濃縮残渣をトルエン33.74gで2回洗浄した。トルエン洗浄後の液体を減圧下で濃縮乾燥し、1−(12−[N−(m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)カルバモイルオキシ]ドデシル)ピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下IL6という)21.53gを25℃で液体として得た(収率95.73%)。以下に、IL6の
1H−NMRデータを示す。
【0135】
1H−NMR(DMSO−d
6):δ(ppm)9.09(d,2H,Py−H),8.59(t,1H,Py−H),8.15(t,2H,Py−H),7.54(br,1H,NH),7.44(s,1H,Ar−H),7.29−7.24(m,3H,Ar−H),5.36(s,1H,C=CH
2),5.07(s,1H,C=CH
2),4.58(t,2H,OCH
2),3.85(br,2H,N
+CH
2),2.09(s,3H,CH
2=CCH
3),1.91(br,2H,CH
2CH
2CH
2),1.52(s,8H,C(CH
3)
2,CH
2CH
2CH
2),1.24(br,16H,CH
2CH
2CH
2)。
【0136】
実施例8
エチルアクリレート(以下EAという)8.98g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(以下HEAという)0.5g、アクリル酸(以下AAという)0.02g、実施例1で得たIL1 0.5g、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNという)0.1g及び酢酸エチル18.6gを混合し、窒素で3分間パージして窒素雰囲気下、60℃で22時間重合させた。得られた反応混合物を酢酸エチルで希釈してアクリル樹脂組成物(以下、P(EA−HEA−AA−IL1)という)の25重量%溶液を得た。
(評価用シートの作成)
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚み100μm)上に、バーコーターを用いて、乾燥後の厚みが約32μmになるようにP(EA−HEA−AA−IL1)の25重量%酢酸エチル溶液を塗布した後、80℃で5分間乾燥させて評価用シートを作成した。
(表面抵抗率の測定)
得られた評価用シートを、温度25℃、相対湿度50%の条件下に3時間放置後、三菱化学株式会社製ハイレスターUP(MCP−HT450)を用いて、23±3℃、相対湿度45±5%の条件下、プローブURS、測定電圧500V、サンプリング時間60秒で評価用シートの表面抵抗率を測定した。その後、評価シートを60℃のお湯に9時間及び12時間浸した後、乾燥させて前記と同様の方法により表面抵抗率を測定した。その結果を表1に示す。
【0137】
実施例9
EA8.98g、HEA0.5g、AA0.02g、実施例3で得たIL2 0.5g、AIBN0.1g、酢酸エチル18.6gを混合し、窒素で3分間パージして、窒素雰囲気下で60℃22時間重合させた。得られた反応混合物を酢酸エチルで希釈してアクリル樹脂組成物(以下P(EA−HEA−AA−IL2)という)の25重量%溶液を得た。
アクリル樹脂組成物にP(EA−HEA−AA−IL2)の25重量%酢酸エチル溶液を使用した以外は、実施例8と同様にして評価用シートを作成し、その表面抵抗率を測定した。その結果を表1に示す。
【0138】
実施例10
EA8.98g、HEA0.5g、AA0.02g、実施例4で得たIL3 0.5g、AIBN0.1g及び酢酸エチル18.6gを混合し、窒素で3分間パージして、窒素雰囲気下で60℃22時間重合させた。得られた反応混合物を酢酸エチルで希釈してアクリル樹脂組成物(以下P(EA−HEA−AA−IL3)という)の25重量%溶液を得た。
アクリル樹脂組成物にP(EA−HEA−AA−IL3)の25重量%酢酸エチル溶液を使用した以外は、実施例8と同様にして評価用シートを作成し、その表面抵抗率を測定した。その結果を表1に示す。
【0139】
実施例11
EA8.98g、HEA0.5g、AA0.02g、実施例5で得たIL4 0.5g、AIBN0.1g及び酢酸エチル18.6gを混合し、窒素で3分間パージして、窒素雰囲気下で60℃22時間重合させた。得られた反応混合物を酢酸エチルで希釈して、アクリル樹脂組成物(以下P(EA−HEA−AA−IL4)という)の25重量%溶液を得た。
アクリル樹脂組成物にP(EA−HEA−AA−IL4)の25重量%酢酸エチル溶液を使用した以外は、実施例8と同様にして評価用シートを作成し、その表面抵抗率を測定した。その結果を表1に示す。
【0140】
実施例12
EA8.98g、HEA0.5g、AA0.02g、実施例6で得たIL5 0.5g、AIBN0.1g、アセトニトリル0.3g及び酢酸エチル18.3gを混合し、窒素で3分間パージして、窒素雰囲気下で60℃24時間重合させた。得られた反応混合物を酢酸エチルで希釈して、アクリル樹脂組成物(以下P(EA−HEA−AA−IL5)という)の25重量%溶液を得た。
アクリル樹脂組成物にP(EA−HEA−AA−IL5)の25重量%酢酸エチル溶液を使用した以外は、実施例8と同様にして評価用シートを作成し、その表面抵抗率を測定した。その結果を表1に示す。
【0141】
実施例13
EA8.98g、HEA0.5g、AA0.02g、実施例7で得たIL6 0.5g、AIBN0.1g、アセトニトリル0.3g及び酢酸エチル18.6gを混合し、窒素で3分間パージして、窒素雰囲気下で60℃24時間重合させた。得られた反応混合物を酢酸エチルで希釈してアクリル樹脂組成物(以下P(EA−HEA−AA−IL6)という)の25重量%溶液を得た。
アクリル樹脂組成物にP(EA−HEA−AA−IL6)の25重量%酢酸エチル溶液を使用した以外は、実施例8と同様にして評価用シートを作成し、その表面抵抗率を測定した。その結果を表1に示す。
【0142】
実施例14
EA9.48g、HEA0.5g、AA0.02g、AIBN0.1g及び酢酸エチル18.6gを混合し、窒素で3分間パージして、窒素雰囲気下で60℃22時間重合させた。得られた反応混合物を酢酸エチルで希釈してアクリル樹脂組成物(以下、P(EA−HEA−AA)という)の25重量%酢酸エチル溶液を得た。得られたP(EA−HEA−AA)の25重量%酢酸エチル溶液4.0gに、IL1 0.05gを添加してアクリル樹脂組成物(以下P(EA−HEA−AA)+IL1という)の25重量%酢酸エチル溶液を得た。
アクリル樹脂組成物にP(EA−HEA−AA)+IL1の25重量%酢酸エチル溶液を使用した以外は、実施例8と同様にして評価用シートを作成し、その表面抵抗率を測定した。その結果を表1に示す。
【0143】
実施例15
実施例14で得たP(EA−HEA−AA)の25重量%酢酸エチル溶液4.0gに、実施例3で得たIL2 0.05gを添加してアクリル樹脂組成物(以下、P(EA−HEA−AA)+IL2という)の25重量%酢酸エチル溶液を得た。
アクリル樹脂組成物にP(EA−HEA−AA)+IL2の25重量%酢酸エチル溶液を使用した以外は、実施例8と同様にして評価用シートを作成し、その表面抵抗率を測定した。その結果を表1に示す。
【0144】
実施例16
実施例14で得たP(EA−HEA−AA)の25重量%酢酸エチル溶液4.0gに、IL3 0.05gを添加してアクリル樹脂組成物(以下、P(EA−HEA−AA)+IL3という)の25重量%酢酸エチル溶液を得た。
アクリル樹脂組成物にP(EA−HEA−AA)+IL3の25重量%酢酸エチル溶液を使用した以外は、実施例8と同様にして評価用シートを作成し、その表面抵抗率を測定した。その結果を表1に示す。
【0145】
実施例17
実施例14で得たP(EA−HEA−AA)の25重量%酢酸エチル溶液4.0gに、IL4 0.05gを添加してアクリル樹脂組成物(以下、P(EA−HEA−AA)+IL4という)の25重量%酢酸エチル溶液を得た。
アクリル樹脂組成物にP(EA−HEA−AA)+IL4の25重量%酢酸エチル溶液を使用した以外は、実施例8と同様にして評価用シートを作成し、その表面抵抗率を測定した。その結果を表1に示す。
【0146】
比較例1
アクリル樹脂組成物にP(EA−HEA−AA)の25重量%酢酸エチル溶液を使用した以外は、実施例8と同様にして評価用シートを作成し、その表面抵抗率を測定した。その結果を表1に示す。
【0147】
比較例2
EA8.98g、HEA0.5g、AA0.02g、合成例2で得た2−[N−(m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)カルバモイルオキシ]エチルトリメチルアンモニウムクロリド0.5g、AIBN0.1g、酢酸エチル18.6gを混合したところ、2−[N−(m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)カルバモイルオキシ]エチルトリメチルアンモニウムクロリドが溶解せず、重合反応を行うことができなかった。
【0148】
比較例3
実施例14で得たP(EA−HEA−AA)の25重量%酢酸エチル溶液4.0gに、合成例2で得た2−[N−(m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)カルバモイルオキシ]エチルトリメチルアンモニウムクロリド0.05gを添加して混合したが、2−[N−(m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)カルバモイルオキシ]エチルトリメチルアンモニウムクロリドが溶解せず、均一な溶液を得ることができなかった。
【0149】
【表1】