【文献】
ACCESSION:NP_001124635, DEFINITION:cystathionine gamma-lyase [Pongo abelii],Database NCBI[Online]; https://www.ncbi.nlm.nih.gov/protein/197098156?sat=18&satkey=19857535,2013年 8月22日
【文献】
Google [Online](「Wei-Cheng Lu」の検索結果); https://www.google.com/search?q=wei-Cheng+Lu&hl=ja&source=lnt&tbs=cdr%3A1%2Ccd_min%3A%2Ccd_max%3A8%2F29%2F2013&tbm=
【文献】
Stone et al.,ACS Chemical Biology,2012年,Vol.7,p.1822-1829
【文献】
Motoshima et al.,Journal of Biochemistry,2000年,Vol.128,P.349-354
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記組成物が、腫瘍内、静脈内、皮内、動脈内、腹腔内、病巣内、頭蓋内、関節内、前立腺内、胸膜内、気管内、眼内、鼻腔内、硝子体内、膣内、直腸内、筋肉内、皮下、結膜下、膀胱内、経粘膜、心膜内、臍帯内、経口投与用に処方されている、請求項23に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0035】
例示的態様の説明
本発明は、hMGL−NLV変異体(E59N、R119L、E339V)に関し、改善されたヒトメチオニン−γ−リアーゼ(hMGL)に関する主題の組成物を開示するものである。これら変異体は、高い触媒活性を示し、それにより、患者への投与に必要とされる治療剤濃度が低下しうる。これら改変ヒト酵素は、アミノ酸L−メチオニンを分解する。
【0036】
これら組成物は、癌特異的な代謝異常を通じて、特異的な腫瘍細胞標的化の方法を提供する。細菌性の酵素もまた、当該化学的性質を有し得るが、それらの使用は非常に不安定であり、及び、免疫原性が高いことが証明されている。
【0037】
I.定義
本明細書において使用されるとき、「タンパク質」及び「ポリペプチド」という用語は、ペプチド結合を介して結合されたアミノ酸を含有する化合物を指し、相互交換可能に用いられる。
【0038】
本明細書において使用されるとき、「融合タンパク質」という用語は、人工的に操作可能に連結されたタンパク質またはタンパク質断片を含有するキメラタンパク質を指す。
【0039】
本明細書において使用されるとき、「半減期」(1/2期)という用語は、そのポリペプチドの濃度が、in vitroまたはin vivoにおいて(たとえば、哺乳類への注入後)、半分にまで下がるために必要とされる時間を指す。
【0040】
「操作可能な組み合わせで」、「操作可能な順序で」、及び、「操作可能に連結された」という用語は、そのように記述された構成要素が、意図された様式でそれらが機能できる関係性にある連結を指し、たとえば、核酸分子が、所与の遺伝子の転写及び/または所望のタンパク質分子の合成を指示することができるような様式にある核酸配列の連結、または、融合タンパク質が産生されるような様式にあるアミノ酸配列の連結等がある。
【0041】
「リンカー」という用語は、2つの異なる分子を操作可能に連結するための分子の橋として機能する化合物または部分を指すことが意図され、ここで、当該リンカーの1つの部分は、第一の分子に操作可能に連結されており、及び、当該リンカーのもう一つの部分は、第二の分子に操作可能に連結されている。
【0042】
「PEG化」という用語は、生体適合性度が高く、修飾が容易である、薬剤の担体として広く用いられているポリエチレングリコール(PEG)との結合を指す。PEGは、化学的方法を介し、当該PEG鎖の末端で、水酸基を介して活性剤と連結(たとえば共有結合)することができる。しかしながら、PEG自身は、1分子あたり、最大で2つの活性剤に限定される。他の方法では、PEGとアミノ酸のコポリマーが、PEGの生体適合性を保持しつつ、分子当たりの付加点は多く有し(それにより、より多くの薬剤が担持できる)、及び、様々な用途に適合するよう合成的に設計することができるという利点が加わった、新規バイオマテリアルとして研究されている。
【0043】
「遺伝子」という用語は、ポリペプチドまたはその前駆体の産生に必要な制御配列及びコード配列を含有するDNA配列を指す。ポリペプチドは、全長コード配列によりコードされていても良く、または、所望の酵素活性が保持されている限りコード配列の任意の部分によりコードされていても良い。
【0044】
「天然型」という用語は、遺伝子、遺伝子産物、または、天然型で存在する源から単離された際の当該遺伝子もしくは遺伝子産物の特徴の通常の形態を指す。天然型形態は、天然群でもっとも頻繁に存在するものであり、それゆえに、任意に通常形態または野生型の形態に指定される。対照的に、「修飾された」、「変異型」または「変種」とは、天然型遺伝子または遺伝子産物と比較した際に、配列及び機能特性において変化(すなわち、改変された特徴)を示す遺伝子または遺伝子産物を指す。
【0045】
「ベクター」という用語は、核酸配列が、複製することができる細胞へと導入されるために挿入されうる、担体核酸分子を指すように使用される。核酸配列は、ベクターが導入される細胞に対して異種であること、または、当該配列が、細胞中の配列に対して同種であるが、当該配列が通常は存在しない宿主細胞核酸内の位置にあることを意味する、「外来性」であっても良い。ベクターとしては、プラスミド、コスミド、ウイルス(バクテリオファージ、動物ウイルス、及び植物ウイルス)、及び人工染色体(たとえば、YAC)が挙げられる。当業者であれば、標準的な組換え技術を介して、ベクターを構築することができるであろう(たとえば、Maniatis et al., 1988及びAusubel et al., 1994を参照のこと(両方とも、参照により本明細書に援用される))。
【0046】
「発現ベクター」という用語は、転写されることができるRNAをコードする核酸を含有する任意のタイプの遺伝的構築物を指す。一部の例において、RNA分子は、その後、タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドへと翻訳される。他の例において、これら配列は、たとえば、アンチセンス分子またはリボザイムの産生により翻訳されない。発現ベクターは、様々な「制御配列」(特定の宿主細胞中において、操作可能に連結されたコード配列の転写及び、場合によって翻訳に必要とされる核酸配列を指す)を含有しても良い。転写及び翻訳を統制する制御配列に加え、ベクター及び発現ベクターは、他の機能を果たし、以下に記述される核酸配列を含有しても良い。
【0047】
本明細書を通じて用いられている「治療的利益」または「治療に有効な」という用語は、当該状態の医学的処置に関し、当該対象の健康を促進または向上させる任意のものを指す。これには、限定されないが、疾患の兆候もしくは症状の頻度または重篤度の減少が挙げられる。たとえば、癌の治療には、たとえば、腫瘍サイズの減少、腫瘍浸潤度の低下、癌の増殖率の低下、または、転移の防止が含まれても良い。癌の治療はまた、癌を有する対象の生存期間の延長を指しても良い。
【0048】
本明細書において使用されるとき、「K
M」という用語は、酵素のミカエリス−メンテン定数を指し、所与の酵素が、酵素触媒反応において、その最大速度の半分を生み出す特定の基質濃度として定義される。本明細書において使用される、「k
cat」という用語は、各酵素部位が産物へと転換する、単位時間当たりの基質分子の数または代謝回転数を指し、当該酵素は最大効率で作用する。本明細書において使用される、「k
cat/K
M」という用語は、特異性定数であり、酵素が基質を産物へと転換する効率の程度である。
【0049】
「シスタチオニン−γ−リアーゼ」(CGLまたはシスタチオナーゼ)という用語は、システインへのシスタチオニンの加水分解を触媒する任意の酵素を指す。たとえば、シスタチオニン−γ−リアーゼの霊長類型、または特に、シスタチオニン−γ−リアーゼのヒト型が含まれる。
【0050】
「治療」または「治療する」とは、対象に治療剤を投与もしくは適用すること、または、疾患または健康に関連した状態の治療的利益を得る目的で対象にモダリティもしくは治療を施すことを指す。たとえば、治療には、薬学的に有効な量のメチオニナーゼを投与する段階を含んでも良い。
【0051】
「対象」及び「患者」とは、たとえば、霊長類、哺乳類、及び脊椎動物等のヒトまたは非ヒトのいずれかを指す。特定の実施形態において、対象は、ヒトである。
【0052】
II.メチオニン−γ−リアーゼ及びシスタチオニン−γ−リアーゼ
リアーゼは、様々な化学結合の分断を触媒する酵素であり、多くの場合、新たな二重結合または新たな環構造を形成する。たとえば、この反応を触媒する酵素は、リアーゼである:ATP→cAMP+PPi。リアーゼは、1方向の反応に対しては1つの基質のみを必要とするが、逆反応に対しては2つの酵素を必要とする点で、他の酵素とは異なる。
【0053】
多くのピリオキサル−5´−リン酸(PLP)依存性酵素が、システイン、ホモシステイン、及びメチオニンの代謝に関与しており、これら酵素は、進化的に関連したファミリーを形成し、Cys/Met代謝PLP依存性酵素と指定されている。これら酵素は、約400アミノ酸のタンパク質であり、PLP基は、ポリペプチドの中心に位置するリシン残基に付着している。このファミリーのメンバーとしては、シスタチオニン−γ−リアーゼ(CGL)、シスタチオニン−γ−シンターゼ(CGS)、シスタチオニン−β−リアーゼ(CBL)、メチオニン−γ−リアーゼ(MGL)、及び、O−アセチルホモセリン(OAH)/O−アセチル−セリン(OAS)スルフヒドリラーゼ(OSHS)が挙げられる。それらすべての共通しているのは、ミカエリス複合体の形成であり、それにより、外部基質アルジミンが生じる。さらなる反応経路は、特定の酵素の基質特異性により決定される。
【0054】
たとえば、本発明者らは、PLP依存性リアーゼファミリーのメンバー(たとえば、ヒトシスタチオニン−γ−リアーゼ等)に特異的変異を導入し、その基質特異性を変化させた。この方法で、本発明者らは、新規変異体に、hMGL−NLVよりもかなり高い触媒活性で、基質としてL−Metを分解する新規の能力をもたらした。他の実施形態において、新規メチオニン分解活性をもたらすための、他のPLP依存性酵素の修飾もまた、企図されうる。
【0055】
PLP依存性酵素として、メチオニン−γ−リアーゼ(EC4.4.1.11)は化学反応を触媒する酵素である:L−メチオニン+H
2O→メタンチオール+NH
3+2−オキソブタン酸。ゆえに、この酵素の2つの基質は、L−メチオニンとH
2Oであり、一方で、その3つの産物は、メタンチオール、NH
3、及び2−オキソブタン酸である。この酵素はリアーゼファミリー、具体的には炭素−硫黄リアーゼ類に属している。この酵素類の系統名は、L−メチオニン メタンチオール−リアーゼ(2−オキソブタン酸形成を脱アミノ化する)である。普遍的に用いられている他の名称としては、L−メチオニナーゼ、メチオニンリアーゼ、メチオニナーゼ、メチオニンデチオメチラーゼ、L−メチオニン−ガンマ−リアーゼ、及び、L−メチオニンメタンチオール−リアーゼ(脱アミノ化)が挙げられる。この酵素は、セレノアミノ酸代謝に関与する。補酵素を1つ(ピリドキサル−5´−リン酸)、利用する。
【0056】
メチオニナーゼは通常、389〜441のアミノ酸からなり、ホモ四量体を形成する。メチオニナーゼ酵素は、多くの場合、同じ分子量(約45kDa)のサブユニット4つから構成される(Sridhar et al., 2000; Nakamura et al., 1984)。酵素の構造は、結晶化により解明された(Kudou et al., 2007)。四量体の各セグメントは、3つの領域から構成される:2つのヘリックスと3つのβストランドを含む、伸長N末端ドメイン(1〜63残基)、ほとんど平行な7つのストランド型βシート(8つのαヘリックスの間に挟まれている)で構成されている大PLP結合ドメイン(64〜262残基)、及び、C末端ドメイン(263〜398残基)。補酵素PLPは、触媒機能に必要である。触媒に重要なアミノ酸は、構造を基にして特定されている。近傍サブユニットのTyr59及びArg61(それらはまた、他のc−ファミリー酵素でとてもよく保存されている)は、PLPのリン酸基と接触する。これら残基は、活性部位内の主要アンカーとして重要である。1つの単量体のLys240、Asp241及びArg61、ならびに、隣接単量体のTyr114及びCys116は、酵素に特異性を寄与するメチオニナーゼ活性部位において、水素結合ネットワークを形成する。
【0057】
シスタチオニン−γ−リアーゼ(CGLまたはシスタチオナーゼ)は、シスタチオニンをシステインとα−ケト酪酸に分解する酵素である。リン酸ピリドキサルは、この酵素の補欠分子族である。哺乳類はメチオニナーゼ(MGL)を有していないが、細菌性MGL酵素に配列的、構造的、及び化学的に相同なシスタチオナーゼは有している。実施例に示されているように、タンパク質改変を用いて、L−メチオニン分解活性は有していないシスタチオナーゼを、高率で当該アミノ酸を分解することができる酵素へと転換した。
【0058】
III.メチオニナーゼ改変
ヒトはメチオニン−γ−リアーゼ(MGLまたはメチオニナーゼ)を産生しないため、ヒト治療のために、生理学的条件下でのメチオニン分解に対し、高い活性及び特異性を有し、ならびに、生理学的液体(たとえば、血清)中で高い安定性を有し、及び、非免疫原性(それらは通常、免疫寛容を惹起する天然型タンパク質であるため)のメチオニナーゼを改変する必要がある。
【0059】
pMGL(P.putida由来のMGL)を用いた動物実験において、望ましくない免疫原性効果が認められたため、ヒト酵素において、L−メチオニン分解活性を改変することが望ましい。ヒトタンパク質に対する免疫寛容により、当該酵素が非免疫原性または最小限の免疫原性となり、それにより、免疫寛容となることが可能になる。
【0060】
改変メチオニナーゼとしてMGL活性を有する新規酵素のある態様は、これらの必要性に対応するものである。哺乳類はMGLを有していないが、細菌性MGL酵素に配列的、構造的、及び科学的に相同なシスタチオニン−γ−リアーゼ(CGL)を有している。CGLは、哺乳類の含硫基移動経路の最終工程を触媒する四量体である(Rao et al., 1990)。CGLは、L−システイン、α−ケト酪酸及びアンモニアへのL−シスタチオニンの転換を触媒する。ヒトCGL(hCGL)cDNAは、従前にクローニング及び発現されているが、比較的低い収率(約5mg/L培養液)(Lu et al., 1992; Steegborn et al., 1999)であった。
【0061】
たとえば、当該シスタチオニン−γ−リアーゼは、その天然型ではメチオニナーゼ活性を示していないが、高効率でメチオニンを加水分解するために、突然変異生成を介して改変された霊長類(特にヒト)シスタチオニン−γ−リアーゼ(CGLまたはシスタチオナーゼ)に関連した方法及び組成物が開示されている。
【0062】
一部の実施形態は、修飾タンパク質及びポリペプチドに関連するものである。特定の実施形態は、非修飾型と比較し、少なくとも1つの機能的活性、好ましくは、メチオニナーゼ酵素活性を示す修飾タンパク質またはポリペプチドに関するものである。さらなる態様において、当該タンパク質またはポリペプチドは、血清安定性を高めるためにさらに修飾されていても良い。ゆえに、本出願が、「修飾タンパク質」もしくは「修飾ポリペプチド」の機能または活性を指す場合、当業者であれば、これに、たとえば、非修飾タンパク質またはポリペプチドを超える追加の利点(たとえば、メチオニナーゼ酵素活性)を有するタンパク質またはポリペプチドが含まれることを理解するであろう。ある実施形態において、非修飾タンパク質またはポリペプチドは、天然型シスタチオニン−γ−リアーゼ、具体的には、ヒトシスタチオニン−γ−リアーゼである。「修飾タンパク質」に関連する実施形態は、「修飾ポリペプチド」に対して実行されうること、及び、その逆もまた然りであることが、具体的に企図される。
【0063】
活性の測定は、当業者に良く知られた分析法、特に、タンパク質活性に関する分析法を用いて行われても良く、比較目的に関しては、たとえば、修飾もしくは非修飾タンパク質またはポリペプチドのいずれかの天然型及び/または組換え型の使用が含まれても良い。たとえば、メチオニナーゼ活性は、メチオニンの転換から生じる任意の基質(たとえば、α−ケト酪酸、メタンチオール、及び/または、アンモニア)の産生を検出するための任意の分析法により測定されても良い。
【0064】
ある実施形態において、修飾ポリペプチド(たとえば、修飾シスタチオニン−γ−リアーゼ)は、メチオニン分解活性における増加に基づき、特定されても良い。たとえば、非修飾ポリペプチドの基質認識部位が特定されても良い。この特定は、構造解析または相同性解析に基づいても良い。そのような基質認識部位の修飾を含む変異体群が作製されても良い。さらなる実施形態において、当該変異体群からメチオニン分解活性が増加した変異体が選択されても良い。所望の変異体の選択に、たとえば、メチオニン分解からの副産物または産物の検出等の方法が含まれてもよい。
【0065】
修飾タンパク質は、アミノ酸の欠失及び/または置換を含んでも良く、ゆえに、欠失を含むタンパク質、置換を含むタンパク質、ならびに、欠失及び置換を含むタンパク質は、修飾タンパク質である。一部の実施形態において、これら修飾タンパク質はさらに、たとえば、融合タンパク質またはリンカーを有するタンパク質の場合のように、挿入または追加アミノ酸を含有しても良い。「修飾欠失タンパク質」は、天然型タンパク質のうちの1以上の残基を欠落しているが、当該天然型タンパク質の特異性及び/または活性は保有している。「修飾欠失タンパク質」はまた、免疫原性または抗原性が低下していても良い。修飾欠失タンパク質の例は、少なくとも1つの抗原性領域、すなわち、特定の生物体(たとえば当該修飾タンパク質が投与されうる生物型)において抗原性があると決定されたタンパク質の領域からのアミノ酸残基欠失を有しているものである。
【0066】
置換または交換変異体は通常、タンパク質内の1以上の部位で、1つのアミノ酸と別のアミノ酸の交換を含有しており、及び、当該ポリペプチドの1以上の特性、特に、そのエフェクター機能及び/または生体利用効率が調節されるよう設計されていても良い。置換は、保存的(すなわち、1つのアミノ酸が、類似の形態及び電荷を有するものと置換される)であっても無くても良い。保存的置換は、当分野に公知であり、たとえば、アラニンからセリン、アルギニンからリシン、アスパラギンからグルタミンまたはヒスチジン、アスパラギン酸からグルタミン酸、システインからセリン、グルタミンからアスパラギン、グルタミン酸からアスパラギン酸、グリシンからプロリン、ヒスチジンからアスパラギンまたはグルタミン、イソロイシンからロイシンまたはバリン、ロイシンからバリンまたはイソロイシン、リシンからアルギニン、メチオニンからロイシンまたはイソロイシン、フェニルアラニンからチロシン、ロイシン、またはメチオニン、セリンからスレオニン、スレオニンからセリン、トリプトファンからチロシン、チロシンからトリプトファンまたはフェニルアラニン、及び、バリンからイソロイシンまたはロイシンへの変更が挙げられる。
【0067】
欠失または置換に加え、修飾タンパク質は、残基の挿入を有していても良く、通常、それは、ポリペプチド内に少なくとも1つの残基の付加を含んでいる。これは標的ペプチドまたはポリペプチドまたはシンプルに1つの残基の挿入を含んでいても良い。融合タンパク質と言われる末端付加は、以下に記述する。
【0068】
「生物学的に機能性が等しい」という用語は、当分野において良く理解されており、本明細書にさらに詳述される。従って、当該タンパク質の生物学的機能が維持されている限り、対照ポリペプチドのアミノ酸と同一である、または機能的に等しい、約70%〜約80%、または、約81%〜約90%、または、さらには約91%〜約99%のアミノ酸を有する配列が含まれる。修飾タンパク質は、ある態様において、その天然型のカウンターパートと生物学的に機能性が等しくてもよい。
【0069】
また、アミノ酸及び核酸配列は、追加の残基(たとえば、N末端アミノ酸もしくはC末端アミノ酸、または、5´もしくは3´配列の追加)を含んでも良く、及び、さらに、当該配列が、上述の基準(タンパク質発現が関係している場合、生物学的タンパク質活性の維持が挙げられる)を満たす限り、本質的に、本明細書に開示される配列のうちの1つに記載のものであることを理解されたい。末端配列の付加は特に、たとえば、コード領域の5´または3´位のいずれかに隣接する様々な非コード配列、または、様々な内部配列(すなわち、遺伝子内に存在することが知られているイントロン)を含み得る、核酸配列に適用される。
【0070】
IV.治療のための酵素的L−メチオニン枯渇
ある態様において、ポリペプチドは、L−メチオニンを枯渇させる新規酵素を用いた、メチオニン枯渇に感受性のある癌(たとえば、肝細胞癌、メラノーマ、及び腎細胞癌)を含む疾患の治療に用いられても良い。本発明は、メチオニン分解活性を有する修飾シスタチオニン−γ−リアーゼを用いた治療方法を具体的に開示する。以下に記述されるように、現在利用可能なメチオニン−γ−リアーゼは、通常、細菌由来のタンパク質であり、ヒト治療への使用にはいくつかの課題が残る。本発明のある実施形態により、治療効果の増加のためのメチオニン−γ−リアーゼ活性を有する新規酵素が提示される。
【0071】
メチオニン(L−Met)の枯渇は、有望な癌治療法として長く研究されている。L−Metは必須アミノ酸である一方、多くの悪性腫瘍ヒト細胞株及び腫瘍は、メチオニン要求性が比較的高いことが示されている(Halpern et al., 1974; Kreis and Goodenow, 1978; Breillout et al., 1990; Kreis et al., 1980; Kreis, 1979)。メチオニン依存性腫瘍細胞株は、メチオニンシンターゼを提示せず、または低レベルで提示している(当該酵素は、通常、ホモシステインをL−Metへと戻してリサイクルする)(Halpern et al., 1974; Ashe et al., 1974)。ほとんどの正常細胞は、たとえば、ホモシステイン及びホモシスチン等の前駆体で増殖することができる一方で、多くの悪性腫瘍細胞は、その細胞外環境から直接、L−Metを取得しなければならない。また、急速に増殖する新生物はいずれも、増殖に必要な必須の構成成分の欠乏に悪影響を受け得る。メチオニンは特に重要であり、これは、その欠乏によりタンパク質合成が低下するだけではなく、遺伝子制御にとりわけ重要なS−アデノシルメチオニン(SAM)依存性メチル化経路の脱制御が発生するからである。
【0072】
正常細胞とがん細胞の間のメチオニン要求性の違いにより、治療機会が提供される。酵素的なメチオニン枯渇は、多くの動物モデル実験ならびに第I相臨床試験において調査されている(Tan et al., 1997 a; Tan et al.,1996a; Lishko et al., 1993; Tan et al., 1996b; Yoshioka et al., 1998; Yang et al., 2004a; Yang et al., 2004b; Tan et al., 1997b)。
【0073】
ヒトはメチオニン加水分解酵素を欠いているため、様々な源由来の細菌性L−メチオニン−γ−リアーゼ(MGL)が、癌治療に関して評価されている。メチオニン−γ−リアーゼは、メチオニンのメタンチオール、α−ケト酪酸及びアンモニアへの転換を触媒する。様々な源由来の細菌性酵素が精製され、癌細胞株に対するメチオニン枯渇剤として検証されている。P.putida(pMGL)源は、他の源と比較し、その高い触媒活性、低いK
M値、及び比較的高いk
cat値により治療応用に選択された(Esaki and Soda, 1987; Ito et al., 1976)。さらに、pMGLの遺伝子が大腸菌にクローニングされ、タンパク質が高いタンパク質産生率で発現された(Tan et al., 1997a; Hori et al., 1996)。
【0074】
in vivo実験が動物モデルならびにヒトで行われている。Tan et al. (1997a)は、ヌードマウスへのヒト腫瘍異種移植片を用いて実験を行い、肺、大腸、腎臓、脳、前立腺、及びメラノーマの癌がすべて、pMGLに対して感受性であることが判明した。加えて、有効量では毒性は検出されなかった(動物に体重減少が無かったことにより測定された)。これら実験の半減期は、2時間のみであると測定された(採取された血液サンプルから測定)。さらに、MGL活性を維持するためにはPLPの点滴が必要とされる。非常に短い半減期であるにもかかわらず、Tan et al. (1997a)では、生理食塩水対照と比較し、腫瘍増殖の阻害が報告された。
【0075】
Yang et al.(2004b)は、霊長類モデルにおいて、MGLのメチオニン枯渇、抗原性、及び毒性の点から薬物動態的、薬力学的実験を行った。投与量範囲実験は、1000〜4000単位/kgで、静脈内投与で行われた。最も高い投与量で、注射後30分までに検出不可能レベル(0.5μM未満)にまで血漿メチオニンを低下させることができ、当該メチオニンレベルは、8時間、検出不可能状態が維持された。薬物動態解析から、pMGLは2.5時間の半減期で排出されたことが示された。2週間、8時間/日毎に当該用量を投与することにより、2μM未満までの血漿メチオニンの枯渇が定常状態となった。軽度の毒性が、食物摂取の低下と、若干の体重低下により観察された。不運なことに、28日目の再チャレンジで、アナフィラキシーショックが発生し、1匹の動物が死亡したことから、pMGLは高い免疫原性があることが示唆され、それはヒト治療にとっては非常に大きなデメリットである。その後のヒドロコルチゾンを用いた前処置により、アナフィラキシー反応が予防されたが、嘔吐が頻繁に観察された。さらなる再チャレンジは、66、86、及び116日目に行われた。最初のチャレンジの後に抗rMGL抗体が検出され、治療期間の間、濃度が増加した。
【0076】
MGL治療の実現に対する、これらの観察された障害に対し、Yang et al. (2004b)は、酵素のPEG化、ならびに、半減期及び免疫原性に対するその効果について実験した。酵素は、メトキシポリエチレングリコールスクシンイミジルグルタル酸(MEGC−PEG−5000)に連結された。投与範囲実験が再度行われ、血漿メチオニンを12時間、5μmol/L未満にまで低下させるためには、4000単位/kg(90mg/kg)で十分であった。薬物動態解析から、非PEG化酵素と比較し、PEG化酵素の血漿クリアランス半減期は、36倍に改善されたことが示された。また、PEG化により、いくらか免疫原性が減弱した(食物摂取の低下と深刻ではない程度の体重減少の、わずかな毒性が観察された)。しかしながら、活性半減期は改善されず、L−Metレベルは、12時間のみ、検出レベル以下であった(非PEG化酵素は8時間)。抗新生物剤としてのL−Met枯渇酵素の使用に対する期待はあるが、これらの結果から、免疫原性及び薬物動態に関する重大な欠点を抱えている。
【0077】
本発明のある態様は、たとえば腫瘍等の疾患を治療するための、メチオニン分解活性を有する修飾シスタチオニン−γ−リアーゼを提供する。特に、当該修飾ポリペプチドはヒトポリペプチド配列を有していてもよく、それにより、ヒト患者のアレルギー反応を防止し、反復投与を可能とし、及び、治療効果を増加させ得る。
【0078】
本治療方法が有用な腫瘍としては、任意の悪性腫瘍細胞型が挙げられ、たとえば、固形腫瘍または血液腫瘍に見出されるものが挙げられる。例示的な固形腫瘍としては、限定されないが、膵臓、結腸、盲腸、胃、脳、頭、首、卵巣、腎臓、喉頭、肉腫、肺、膀胱、メラノーマ、前立腺、及び、乳からなる群から選択される器官の腫瘍が挙げられる。例示的な血液腫瘍としては、骨髄の腫瘍、TまたはB細胞の悪性腫瘍、白血病、リンパ腫、芽細胞腫、ミエローマ等が挙げられる。本明細書に提示される方法を用いて治療されうる癌のさらなる例としては、限定されないが、上皮性悪性腫瘍、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、白血病、扁平上皮細胞癌、肺癌(小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺の腺癌、及び肺の扁平上皮細胞癌を含む)、腹膜の癌、肝細胞の癌、胃または胃部の癌(消化管癌及び消化管間質腫瘍を含む)、膵臓癌、グリア芽腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、乳癌、結腸癌、大腸癌、子宮内膜癌または子宮癌、唾液腺癌、腎癌または腎臓癌、前立腺癌、外陰部癌、甲状腺がん、様々なタイプの頭頸部癌、メラノーマ、表在拡大型メラノーマ、悪性黒子型メラノーマ、末端性黒子性メラノーマ、結節型メラノーマ、ならびに、B細胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL);小リンパ球性(SL)NHL;中悪性度/濾胞性NHL;中悪性度びまん性NHL;高悪性度免疫芽球性NHL;高悪性度リンパ芽球性NHL;高悪性度小型非開裂細胞性NHL;巨大病変NHL;マントル細胞リンパ腫;AIDS関連リンパ腫;及びヴァルデンストレームマクログロブリン血症を含む)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、有毛細胞白血病、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病(AML)、及び、慢性骨髄芽球性白血病が挙げられる。
【0079】
癌は、具体的に、これらに限定はされないが、以下の組織学的型のものであっても良い:新生物、悪性;上皮性悪性腫瘍;上皮性悪性腫瘍、非分化型;巨大及び紡錘形細胞癌;小細胞癌;乳頭がん;扁平上皮細胞癌;リンパ上皮性癌:基底細胞癌;石灰化上皮癌;移行上皮細胞癌;乳頭移行上皮細胞癌;腺癌;ガストリノーマ、悪性;胆管癌;肝細胞癌;混合肝細胞癌及び胆管癌;索状腺癌;腺様嚢胞癌;腺腫様ポリープの腺癌;腺癌、家族性大腸ポリポーシス;固形癌;カルチノイド腫瘍、悪性;細気管支−肺胞腺癌;乳頭腺癌;嫌色素性細胞癌;好酸性細胞癌;好酸性腺腫;好塩基性細胞癌;透明細胞腺癌;顆粒細胞癌;濾胞性腺腫;乳頭及び濾胞性腺腫;非被包性硬化性癌;副腎皮質癌;子宮内膜癌;皮膚付属器癌;アポクリン腺癌;皮脂腺癌;耳垢腺癌;粘膜表皮癌;嚢胞腺癌;乳頭嚢胞腺癌;乳頭漿液性嚢胞腺癌;ムチン性嚢胞腺癌;ムチン性腺腫;印環細胞癌;浸潤性導管癌;髄様癌;小葉癌;炎症性癌;パジェット病、乳房;腺房細胞癌;腺扁平上皮癌;扁平上皮化生を伴う腺癌;胸腺、悪性;卵巣間質腫瘍、悪性;卵胞膜細胞腫、悪性;顆粒層細胞腫瘍、悪性;男性胚細胞腫、悪性;セルトリ細胞癌;ライディッヒ細胞腫、悪性;脂質細胞腫瘍、悪性;パラガングリオーマ、悪性;乳房外パラガングリオーマ、悪性;褐色細胞腫;血管球血管肉腫;悪性メラノーマ;メラニン欠乏性メラノーマ;表在拡大型メラノーマ;巨大色素性母斑の悪性メラノーマ;類上皮細胞メラノーマ;青色母斑、悪性;肉腫;線維肉腫;繊維性組織球腫、悪性;粘液肉腫;脂肪肉腫;平滑筋肉腫;横紋筋肉腫;胚性横紋筋肉腫;胞巣状横紋筋肉腫;間質肉腫;混合腫瘍、悪性;ミューラー管混合腫瘍;腎芽細胞腫;肝芽腫;癌肉腫;間葉腫、悪性;ブレナー腫瘍、悪性;葉状腫瘍、悪性;滑液肉腫;中皮腫、悪性;未分化胚細胞腫;胚性癌;奇形腫、悪性;卵巣甲状腺腫、悪性;絨毛上皮腫;中腎腫、悪性;血管肉腫;血管内皮腫、悪性;カポジ肉腫;血管外皮細胞腫、悪性;リンパ管肉腫;骨肉腫;傍骨性骨肉腫;軟骨肉腫;軟骨芽細胞腫、悪性;間葉性軟骨肉腫;骨の巨細胞腫;ユーイング肉腫;歯の腫瘍、悪性;エナメル上皮歯牙肉腫;エナメル上皮腫、悪性;エナメル芽細胞線維肉腫;松果体腫、悪性;脊索腫;神経膠腫、悪性;上衣腫;星状細胞腫;原形質性星状細胞腫;原線維性星状細胞腫;星状芽細胞腫;グリア芽腫;乏突起膠腫;乏突起膠芽細胞腫;原始神経外胚葉性;小脳肉腫;神経節芽腫;神経芽腫;網膜芽腫;嗅覚神経性腫瘍;髄膜腫、悪性;神経線維肉腫;神経鞘腫、悪性;顆粒細胞腫瘍、悪性;悪性リンパ腫;ホジキン病;ホジキン症;側肉芽腫;悪性リンパ腫、小リンパ細胞性;悪性リンパ腫、巨細胞、びまん性;悪性リンパ腫、濾胞性;菌状息肉腫;他の特定の非ホジキンリンパ腫;悪性組織球症;多発性骨髄腫;マスト細胞肉腫;免疫増殖性小腸疾患;白血病;リンパ性白血病;プラズマ細胞白血病;赤白血病;リンパ肉腫細胞性白血病;骨髄性白血病;好塩基性白血病;好酸性白血病;単球性白血病;マスト細胞性白血病;巨核芽球性白血病;骨髄性肉腫;及び、有毛細胞性白血病。
【0080】
本明細書において、シスタチオナーゼ由来の改変ヒトメチオニナーゼは、腫瘍細胞、腫瘍組織、または癌を有する哺乳類の循環系からメチオニンを枯渇させるための様々なモダリティにおける抗腫瘍剤として用いられても良く、または、メチオニンの枯渇が望ましいと考えられている場合のメチオニン枯渇のための様々なモダリティにおける抗腫瘍剤として用いられても良い。
【0081】
枯渇は、哺乳類の循環系においてin vivoで、組織培養または他の生物学的培地でメチオニン枯渇が望ましい場合にin vitroで、及び、生物学的液体、細胞、または組織が身体の外側で操作され、次いで、当該患者哺乳類の身体に戻される場合にex vivo法で、行われても良い。循環系、培養培地、生物学的液体、または細胞からのメチオニンの枯渇は、処置される物質にアクセス可能なメチオニンの量を低下させるために行われ、及び、それゆえ、枯渇される物質と、メチオニンを枯渇させる量の改変ヒトメチオニナーゼとを、メチオニン枯渇条件下で接触させ、接触された物質中の環境メチオニン量を低下させることを含む。
【0082】
腫瘍細胞は、その栄養培地にメチオニンを依存しており、枯渇は、細胞に対する栄養源を対象としており、細胞それ自身を対象とする必要はない。それゆえ、in vivo応用において、腫瘍細胞の治療には、当該腫瘍細胞群の栄養培地と、改変メチオニナーゼを接触させることが含まれる。この実施形態において、当該培地は、血液、リンパ液、髄液、及び類似のメチオニン枯渇が望ましい体液であっても良い。
【0083】
メチオニン枯渇の効率は、応用によって様々に変化し、通常、当該物質中に存在するメチオニンの量、枯渇の望ましい速度、及び、メチオニナーゼ露出に対する当該物質の寛容性に依存する。物質中のメチオニンレベル、及び、当該物質からメチオニンが枯渇する速度は、当分野公知の様々な化学的及び生物学的方法により、容易にモニターされうる。例示的なメチオニン枯渇量は、本明細書にさらに記述されており、処置される物質ミリリットル(mL)あたり、0.001〜100単位(U)の改変メチオニナーゼ、好ましくは、約0.01〜10U、及び、より好ましくは約0.1〜5Uの改変メチオニナーゼの範囲であっても良い。
【0084】
メチオニン枯渇条件は、メチオニナーゼ酵素の生物学的活性と適合性のある緩衝液及び温度の条件であり、当該酵素に適合性のある適度な温度、塩、pH条件が含まれる(たとえば、生理学的条件)。例示的な条件としては、約4〜40℃、約0.05〜0.2M NaClと等しいイオン強度、約5〜9のpHが含まれ、生理学的条件も含まれる。
【0085】
特定の実施形態において、本発明から、抗腫瘍剤として改変メチオニナーゼを用いる方法が企図され、及び、ゆえに、腫瘍細胞群と、改変メチオニナーゼの治療に有効な量を、腫瘍細胞の増殖を阻害するために十分な期間、接触させることが含まれる。
【0086】
1つの実施形態において、in vivo接触は、本発明の改変メチオニナーゼを含有する、生理学的に耐容できる組成物の治療に有効な量を患者に静脈内注射または腹腔内注射により投与すること、それにより、患者中に存在する腫瘍細胞の循環メチオニン源を枯渇させることにより、遂行される。改変メチオニナーゼの接触はまた、腫瘍細胞を含有する組織内に、改変メチオニナーゼを投与することによっても遂行されうる。
【0087】
改変メチオニナーゼの治療に有効な量は、所望の効果(すなわち、腫瘍組織または患者循環系中のメチオニンを枯渇させ、それにより、腫瘍細胞の分裂を停止させること)を得るために算出された、既定量である。ゆえに、本発明の改変メチオニナーゼ投与のための用量範囲は、腫瘍細胞分裂の兆候及び細胞サイクルを低下させる所望の効果を得るために十分な大きさである。用量は、たとえば、過粘調度症候群、肺水腫、うっ血性心不全等の副作用が発生しない大きさでなければならない。通常、用量は、患者の年齢、状態、性別、疾患の程度で変化し、当業者により決定されうる。用量は、任意の合併症が発生した際に、個々の医師により調節されうる。
【0088】
たとえば、改変メチオニナーゼの治療に有効な量は、生理学的に耐容可能な組成物で投与された際に、約0.001〜約100単位(U)/mL、好ましくは、約0.1U超、及びより好ましくは1U/mL超の改変メチオニナーゼの血管内(血漿)濃度または局所濃度を得るために十分な量であっても良い。典型的な投与量は、体重に基づいて投与されても良く、及び、典型的な投与量は、約5〜1000U/キログラム(kg)/日、好ましくは、約5〜100U/kg/日、より好ましくは約10〜50U/kg/日、及び、より好ましくは約20〜40U/kg/日である。
【0089】
改変メチオニナーゼは、注射により、または、経時的に、徐々に点滴を行うことにより、非経口的に投与されても良い。改変メチオニナーゼは、静脈内、腹腔内、経口、筋肉内、皮下、腔内、経皮、皮膚に投与されても良く、ぜん動的手段により送達されても良く、腫瘍細胞を含有する組織内に直接注入されても良く、または、電位バイオセンサーもしくはメチオニンを含有しうるカテーテルに連結されたポンプにより投与されても良い。
【0090】
改変メチオニナーゼを含有する治療用組成物は、通常、たとえば、単位用量の注射による等、静脈内に投与される。治療用組成物に関連して用いられる場合、「単位用量」という用語は、対象に対する統一された用量として適した、物質的な個々の単位を指し、各単位は、必要とされる希釈物質(すなわち、担体またはビヒクル)との関連で所望される治療効果が生じるよう算出された活性物質の規定量を含有する。
【0091】
当該組成物は、投薬用製剤に適合性のある様式で、及び、治療に有効な量で、投与される。投与される量は、治療される対象、活性成分を利用するための対象のシステムのキャパシティ、及び、所望される治療効果の程度に依存する。投与に必要とされる活性成分の正確な量は、医師の裁量に依存し、各個人に特有のものである。しかしながら、全身適用の適切な投薬範囲が本明細書に開示され、投与経路に依存している。最初の投与、及び、追加投与のための適切なレジメンもまた企図され、及び、最初の投与の後、次の注射または他の適用により、1時間以上の間隔で反復投与が為されるという特徴がある。例示的な反復投与が本明細書に開示され、及び、改変メチオニナーゼの血清レベル及び組織レベルが継続的に高く維持され、逆に、メチオニンの血清レベル及び組織レベルは低く維持されるために特に好ましい。あるいは、in vivo治療に特定の範囲の血中濃度に維持するために十分な、継続的な静脈内への点滴が企図される。
【0092】
V.結合物
本発明の組成物及び方法には、たとえば、異種ペプチドセグメントまたはポリマー(たとえば、ポリエチレングリコール等)との結合物の形成による、改善のために改変されたメチオニナーゼのさらなる修飾が含まれる。さらなる態様において、改変メチオニナーゼは、酵素の流体力学的半径を増加させ、それにより血清持続性を増加させるために、PEGに連結されていても良い。ある態様において、開示されるポリペプチドは、任意の標的剤(たとえば、腫瘍細胞上の外部受容体または結合部位に特異的に、及び安定的に結合する能力を有するリガンド等)に結合されていても良い(米国特許出願公開第2009/0304666号)。
【0093】
A.融合タンパク質
本発明のある実施形態は、融合タンパク質に関する。これら分子は、異種ドメインに、N末端またはC末端で連結された改変ヒトメチオニナーゼを有していても良い。たとえば、融合物はまた、異種宿主中での組換えタンパク質の発現が行えるよう、他の種由来のリーダー配列を用いても良い。別の有用な融合物としては、好ましくは、当該融合タンパク質の精製を容易に行えるように開裂可能な、タンパク質アフィニティタグ(たとえば、血清アルブミンアフィニティタグまたは6ヒスチジン残基)、または、免疫学的に活性なドメイン(たとえば、抗体エピトープ)の付加が挙げられる。非限定的なアフィニティタグの例としては、ポリヒスチジン、キチン結合タンパク質(CBP)、マルトース結合タンパク質(MBP)、及び、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)が挙げられる。
【0094】
特定の実施形態において、改変ヒトメチオニナーゼは、たとえばXTENポリペプチド(Schellenberger et al., 2009)、IgG Fcドメイン、アルブミン、またはアルブミン結合ペプチド等の、in vivo半減期を延長させるペプチドに連結されていても良い。
【0095】
融合タンパク質を作製する方法は当分野の当業者に公知である。そのようなタンパク質は、たとえば、完全融合タンパク質のde novo合成により作製されても良く、または、異種ドメインをコードするDNA配列の付加後に、そのままの融合タンパク質を発現することにより作製されても良い。
【0096】
元のタンパク質の機能的活性を正常な状態に戻す融合タンパク質の作製は、遺伝子と、タンデムに連結されたポリペプチド間でスプライシングされるペプチドリンカーをコードする架橋DNAセグメントとを繋げることにより、容易になりうる。当該リンカーは、得られる融合タンパク質の適正なフォールディングが可能となるような十分な長さである。
【0097】
B.リンカー
ある実施形態において、改変メチオニナーゼは、二官能性架橋試薬を用いて化学的に結合されても良く、または、タンパク質レベルでペプチドリンカーと融合されていても良い。
【0098】
二官能性架橋試薬は、アフィニティマトリクスの調製、多様な構造の修飾及び安定化、リガンド及び受容体結合部位の特定、及び、構造研究を含む、様々な目的に対して広く用いられている。また、たとえば、Gly−Serリンカー等の適切なペプチドリンカーを用いて、改変メチオニナーゼを連結しても良い。
【0099】
2つの同一の官能基を担持するホモ二官能性試薬は、同一及び異なる高分子、または高分子のサブユニット間の架橋を高い効率で誘導すること、及び、ポリぺプチドリガンドをその特定の結合部位に高い効率で連結することが証明されている。ヘテロ二官能性試薬は、2つの異なる官能基を含有している。2つの異なる官能基の異なる反応性を利用して、選択的、及び、連続的の両方で架橋が制御されうる。二官能性架橋試薬は、その官能基の特異性により、分けられる(たとえば、アミノ−、スルフヒドリル−、グアニジン−、インドール−、カルボキシ−特異的基)。これらの内、遊離アミノ基を指向する試薬は、市販されていること、合成が容易であること、適用されうる穏やかな反応条件が理由で、特に良く好まれている。
【0100】
主要なヘテロ二官能性架橋試薬は、1級アミン反応基及びチオール反応基を含有している。別の例においては、ヘテロ二官能性架橋試薬及び当該架橋試薬を用いる方法が開示されている(米国特許第5,889,155号。その全体が、参照により本明細書に具体的に援用される)。当該架橋試薬は、求核性ヒドラジド残基と求電子性マレイミド残基とを結合させ、1つの例では、アルデヒドの遊離チオールへのカップリングを可能にする。当該架橋試薬を修飾し、様々な官能基を架橋することができる。
【0101】
さらに、当分野の当業者に公知の任意の他の連結/カップリング剤、及び/または、メカニズムを用いて、ヒト改変メチオニナーゼを結合させても良い(たとえば、抗体−抗原相互作用、アビジンビオチン結合、アミド結合、エステル結合、チオエステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、ホスホエステル結合、ホスホラミド結合、無水結合、ジスルフィド結合、イオン性及び疎水性相互作用、二特異性抗体及び抗体断片、またはそれらの組み合わせ)。
【0102】
血液中で合理的な安定性を有する架橋剤を用いることが望ましい。リンカーを含有する多くのタイプのジスルフィド結合が、標的剤及び治療/予防剤をうまく結合できることが知られている。立体的に障害されているジスルフィド結合を含有するリンカーは、in vivoでより高い安定性をもたらすことが判明しうる。これらリンカーは、ゆえに、連結剤の1つの群である。
【0103】
立体障害のある架橋剤に加え、立体障害のないリンカーもまた本明細書に従い用いることができる。保護されたジスルフィドを含有する、または生成するとみなされていない他の有用な架橋剤としては、SATA、SPDP、及び2−イミノチオランが挙げられる(Wawrzynczak and Thorpe, 1987)。そのような架橋剤の使用は、当分野に公知である。別の実施形態は、柔軟なリンカーの使用を含む。
【0104】
化学的に結合された時点で、通常、当該ペプチドが精製され、非結合剤及び他の混入物から、当該結合物が分離される。臨床的に有用となる十分な程度の純度の結合物の提供における使用のための、多くの精製技法が利用可能である。
【0105】
通常、サイズによる分離(たとえば、ゲルろ過、ゲル透過または高速液体クロマトグラフィー等)に基づいた精製法が、最も多く用いられている。他のクロマトグラフィー法(たとえば、Blue−Sepharose分離)を用いても良い。封入体から融合タンパク質を精製するための従来法(たとえば、ナトリウムN−ラウロイル−サルコシン(SLS)等の弱洗剤の使用等)が有用でありうる。
【0106】
C.PEG化
本発明のある態様において、改変メチオニナーゼのPEGに関連した方法及び組成物が開示される。たとえば、改変メチオニナーゼは、本明細書に開示される方法に従いPEG化されても良い。
【0107】
PEG化は、ポリ(エチレングリコール)ポリマー鎖の、別の分子(通常、薬剤または治療用タンパク質)への共有結合的付加の方法である。PEG化は、PEGの反応性誘導体と、標的高分子のインキュベーションにより、ごく普通に行われる。薬剤または治療用タンパク質へのPEGの共有結合的付加は、当該剤を、宿主の免疫系から「隠す」ことができ(免疫原性及び抗原性を低下させる)、または、当該剤の流体力学的サイズ(溶液中のサイズ)を増加させる(腎クリアランスを低下させることにより、循環時間を延長させることができる)ことができる。PEG化はまた、疎水性の薬剤及びタンパク質に、水溶性をもたらすこともできる。
【0108】
PEG化の最初の工程は、1つの末端または両末端での、PEGポリマーの適切な官能基化である。同じ反応性部分を伴い各末端で活性化されたPEGは、「ホモ二官能性」として知られ、一方、もし存在する官能基が異なっている場合には、当該PEG誘導体は、「ヘテロ二官能性」または「ヘテロ官能性」と呼称される。PEGポリマーの化学的に活性な誘導体、または活性化された誘導体を調製し、所望の分子にPEGを付加させる。
【0109】
PEG誘導体に対する適切な官能基の選択は、PEGに連結される分子上の利用可能な反応基のタイプに基づいている。タンパク質に関しては、典型的な反応性アミノ酸として、リシン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン及びチロシンが挙げられる。N末端アミノ基及びC末端カルボキシル基もまた用いることができる。
【0110】
最初のPEG誘導体の生成に用いられる方法は、通常、ヒドロキシル基と反応性の基(典型的には無水物基、酸塩化物、クロロギ酸エステル、及び炭酸塩)と、PEGポリマーを反応させることである。2回目の生成では、たとえばアルデヒド、エステル、アミド等の、より効率的な官能基のPEG化構造が結合に利用可能となる。
【0111】
PEG化応用はさらに進歩し、洗練されているため、結合のためのヘテロ二官能性PEGに対する必要性が増加している。これらヘテロ二官能性PEGは、親水性で、柔軟性があり、生体適合性のあるスペーサーが必要とされる2つの部分の連結に非常に有用である。ヘテロ二官能性PEGの好ましい末端基は、マレイミド、ビニルスルホン、ピリジルジスルフィド、アミン、カルボン酸、及びNHSエステルである。
【0112】
最も普遍的な修飾剤、またはリンカーは、メトキシPEG(mPEG)分子に基づいている。それらの活性は、タンパク質修飾基のアルコール末端への付加に依存している。一部の例において、ポリエチレングリコール(PEGジオール)が、前駆体分子として用いられている。当該ジオールは、その後、ヘテロ−またはホモ−二量体PEG連結分子を作製するために両末端で修飾される。
【0113】
タンパク質は、通常、たとえば、非プロトン化チオール(システイニル残基)またはアミノ基等の求核性の部位でPEG化される。例示的なシステイニル特異的修飾試薬としては、PEGマレイミド、PEGヨード酢酸、PEGチオール、及びPEGビニルスルホンが挙げられる。4つすべてが、穏やかな条件下、及び中性からややアルカリ性のpHで、高度にシステイニル特異的であるが、それらはいくつか、欠点を有している。マレイミドで形成されたチオエーテルは、アルカリ条件下でやや不安定であり、このリンカーを用いた剤型選択に若干の制限が伴う。ヨードPEGで形成されたカルバモチオエート結合はより安定であるが、遊離ヨウ素が、ある条件下でチロシン残基を修飾しうる。PEGチオールはタンパク質のチオールとジスルフィド結合を形成するが、この結合はまた、アルカリ条件下で不安定でありうる。PEG−ビニルスルホンの反応性は、マレイミド及びヨードPEGと比較し、ややゆっくりであるが、当該形成されたチオエーテル結合は非常に安定である。また、そのゆっくりした反応速度により、PEG−ビニルスルホン反応が、より制御しやすくなる。
【0114】
天然型システイニル残基での部位特異的PEG化は、これら残基が通常ジスルフィド結合の形態にあるため、または、生物学的活性に必要であるため、めったに行われない。他方で、部位特異的突然変異誘導を用いて、チオール特異的リンカーのためのシステイニルPEG化部位を組み込むことができる。システイン変異は、PEG化試薬がアクセス可能であるように、及び、PEG化後も生物学的に活性であるように設計されなければならない。
【0115】
アミン特異的修飾剤としては、PEG NHSエステル、PEGトレシレート(PEG tresylate)、PEGアルデヒド、PEGイソチオシアン酸、及びその他いくつかが挙げられる。すべて、穏やかな条件下で反応し、アミノ基に高度に特異的である。PEG NHSエステルは、おそらく、より反応性のある剤のうちの1つであるが、その高い反応性により、ラージスケールでのPEG化反応の制御が困難となりうる。PEGアルデヒドは、アミノ基とイミンを形成し、次いで、シアノヒドリドホウ酸ナトリウムと2級アミンに還元される。ヒドリドホウ酸ナトリウムとは異なり、シアノヒドリドホウ酸ナトリウムは、ジスルフィド結合を還元しない。しかし、この化学物質は高度に毒性があり、特に揮発性となる低pHでは注意深く扱わなければならない。
【0116】
ほとんどのタンパク質上に複数のリシン残基があるため、部位特異的PEG化は難しいものとなり得る。幸運なことに、これら試薬は非プロトン化アミノ基と反応するため、低pHで反応を行うことにより、低pKアミノ基へとPEG化を指向させることが可能である。通常、アルファ−アミノ基のpKは、リシン残基のイプシロン−アミノ基よりも1〜2pH単位低い。pH7以下で分子をPEG化することにより、N末端に対する高い選択性を高い頻度で得ることができる。しかしながら、これは、タンパク質のN末端部分が生物学的活性に必要ではない場合にのみ行うことができる。それでもなお、PEG化による薬物動態的利益は、しばしば、in vitro生物活性の著しい喪失を上回るため、PEG化構造に関わらず、より高いin vivo生物活性を有する産物が生じることとなる。
【0117】
PEG化方法を開発する際に検討するべきいくつかのパラメーターが存在する。幸運なことに、通常、4または5を超えない重要なパラメーターが存在する。PEG化条件の最適化に対する「実験デザイン」法が非常に有用である。チオール特異的PEG化反応に対し、検討すべきパラメーターとしては以下が挙げられる:タンパク質濃度、PEGとタンパク質の比率(モルベース)、温度、pH、反応時間、及び一部の例においては酸素の除外(酸素は、タンパク質による分子間ジスルフィド形成に寄与し得、それにより、PEG化産物の収率が低下する)。特にN末端アミノ基を標的とする場合には、pHがさらに重要であることを除き、アミン特異的修飾に対しても、同じ因子(酸素は除外)を検討しなければならない。
【0118】
アミン特異的修飾及びチオール特異的修飾の両方に対して、反応条件はタンパク質の安定性に影響を与えうる。これにより、温度、タンパク質濃度、及びpHが限定されうる。さらに、PEG化反応を開始する前に、PEGリンカーの反応性を知らなければならない。たとえば、PEG化剤が70%のみ活性である場合、タンパク質とPEG反応の化学量論性において、用いられるPEGの量は、確実に活性PEG分子のみを計数しなければならない。
【0119】
VI.タンパク質及びペプチド
ある実施形態において、本発明は、たとえば改変メチオニナーゼ等の少なくとも1つのタンパク質またはペプチドを含有する新規組成物に関する。これらペプチドは、上述の融合タンパク質で含有されていてもよく、または剤に結合されていても良い。
【0120】
本明細書において使用されるとき、タンパク質またはペプチドは通常、限定されないが、約200アミノ酸より大きく遺伝子から翻訳される全長配列までのタンパク質;約100アミノ酸超のポリペプチド;及び/または、約3〜約100アミノ酸のペプチドを指す。簡便には、「タンパク質」、「ポリペプチド」及び「ペプチド」という用語は、本明細書において、相互交換可能に用いられる。
【0121】
本明細書において使用されるとき、「アミノ酸残基」とは、任意の天然型アミノ酸、任意のアミノ酸誘導体、または、当分野に公知の任意のアミノ酸模倣体を指す。ある実施形態において、タンパク質またはペプチドの残基は連続的であり、いずれの非アミノ酸も、当該アミノ酸残基配列を中断しない。他の実施形態において、配列は、1以上の非アミノ酸部分を含有しても良い。特定の実施形態において、当該タンパク質またはペプチド残基の配列は、1以上の非アミノ酸部分により中断されても良い。
【0122】
従って、「タンパク質またはペプチド」という用語は、天然型タンパク質に存在する20の普遍的なアミノ酸のうちの少なくとも1つを含有するアミノ酸配列、または、修飾アミノ酸または異常アミノ酸を少なくとも1つ含有するアミノ酸配列を包含する。
【0123】
タンパク質またはペプチドは、標準的な分子生物学的技術を介したタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドの発現、天然源からのタンパク質もしくはペプチドの単離、または、タンパク質もしくはペプチドの化学的合成を含む、当分野の当業者に公知の任意の技術により作製されても良い。ヌクレオチド及びタンパク質、ポリペプチド、及び様々な遺伝子に対応するペプチド配列は従前に開示されており、及び、当分野の当業者に公知のコンピューターデータベースに見出され得る。そのようなデータベースの1つは、National Center for Biotechnology Information's Genbank and GenPeptデータベースである(ncbi.nlm.nih.gov/で、ワールドワイドウェブ上で利用可能である)。既知の遺伝子に対するコード領域は、本明細書に開示される技術を用いてまたは、当分野の当業者に公知である技術を用いて増幅及び/または発現されても良い。従って、様々な市販のタンパク質調製物、ポリペプチド調製物、及びペプチド調製物が当分野の当業者に公知である。
【0124】
VII.核酸及びベクター
本発明のある態様において、改変メチオニナーゼまたは改変ヒトメチオニナーゼを含有する融合タンパク質をコードする核酸配列が開示されうる。どの発現系が用いられているかにより、核酸配列は、標準的な方法に基づき選択されても良い。たとえば、もし改変メチオニナーゼがヒトシスタチオナーゼ由来であり、及び、大腸菌ではまれにしか用いられない多重コドンを含有する場合、それらは発現に干渉する可能性がある。それゆえ、各遺伝子またはそれらの変異体は、大腸菌発現のためにコドン最適化されていても良い。また様々なベクターを用いて対象のタンパク質(たとえば改変メチオニナーゼ)を発現させても良い。例示的なベクターとしては、限定されないが、プラスミドベクター、ウイルスベクター、トランスポゾン、またはリポソームベースのベクターが挙げられる。
【0125】
VIII.宿主細胞
宿主細胞は、改変メチオニナーゼ及びそれらの結合物の発現及び分泌が可能となるよう形質転換されたものであっても良い。宿主細胞は、細菌、哺乳類細胞、酵母、または糸状菌であっても良い。様々な細菌としては、Escherichia及びBacillusが挙げられる。Saccharomyces、Kiuyveromyces、Hansenula、またはPichia属に属する酵母は、適切な宿主細胞としての用途が見出されている。様々な種類の糸状菌が発現宿主として用いられても良く、以下の属が挙げられる:Aspergillus、Trichoderma、Neurospora、Penicillium、Cephalosporium、Achlya、Podospora、Endothia、Mucor、Cochliobolus、及びPyricularia。
【0126】
使用可能な宿主生物の例としては、細菌(たとえば、Escherichia coli MC1061、Bacillus subtilis BRB1の誘導体(Sibakov et al., 1984)、Staphylococcus aureus SAI123(Lordanescu, 1975)またはStreptococcus lividans(Hopwood et al., 1985));酵母(たとえば、Saccharomyces cerevisiae AH 22(Mellor et al., 1983)またはSchizosaccharomyces pombe);及び糸状菌(たとえば、Aspergillus nidulans、Aspergillus awamori(Ward, 1989)、またはTrichoderma reesei(Penttila et al., 1987; Harkki et al., 1989))が挙げられる。
【0127】
哺乳類宿主細胞の例としては、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO−K1;ATCC CCL61)、ラット下垂体細胞(GH1; ATCC CCL82)、HeLa S3細胞(ATCC CCL2.2)、ラット肝癌細胞(H−4−II−E;ATCCCRL 1548)、SV40−形質転換サル腎細胞(COS−1;ATCC CRL 1650)、及びマウス胚性細胞(NIH−3T3;ATCC CRL 1658)が挙げられる。上述の細胞は解説を意図しており、当分野公知の多くの可能性のある宿主生物体を限定する意図はない。原核細胞または真核細胞かどうかにかかわらず、原則として、分泌することが出来る全ての宿主を用いることができる。
【0128】
改変メチオニナーゼ及び/またはそれらの融合タンパク質を発現する哺乳類細胞は、元の細胞株を培養するために通常用いられる条件下で培養される。概して、細胞は、生理食塩及び栄養素を含有する標準的な培地(たとえば、標準的なRPMI、MEM、IMEM、またはDMEM。通常、5%〜10%の血清(たとえばウシ胎児血清)が補充されている)中で培養される。また、培養条件も標準的である(たとえば、培養物は、所望されるレベルのタンパク質が得られるまで、固定培養中、または回転培養中で、37℃でインキュベートされる)。
【0129】
IX.タンパク質精製
タンパク質精製技術は、当分野の当業者に公知である。これら技術は、あるレベルで、細胞、組織または器官の、ポリペプチド及び非ポリペプチド分画へのホモジナイゼーション及び粗分画化を含む。他で特定されない限り、部分精製または完全精製(または均質になるまでの精製)を得るために、対象のタンパク質またはポリペプチドはクロマトグラフィー法及び電気泳動法を用いてさらに精製されてもよい。純粋なペプチドの調製に特に適した解析方法は、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル排除クロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、アフィニティクロマトグラフィー、免疫アフィニティクロマトグラフィー、及び等電点電気泳動である。ペプチド精製の特に効率的な方法は、高速液体クロマトグラフィー(FPLC)、または、さらに高速の液体クロマトグラフィー(HPLC)である。
【0130】
精製されたタンパク質またはペプチドは、他の成分から単離可能な組成物を指すことが意図され、ここで、当該タンパク質またはペプチドは、天然で得られる状態と比較し、任意の程度まで精製されている。単離された、もしくは精製されたタンパク質またはペプチドは、それゆえ、天然で存在しうる環境から離れたタンパク質またはペプチドとも呼称される。一般的に「精製された」とは、様々な他の成分を除去するために分画化に供されたタンパク質またはペプチドの組成物を指し、及び、その組成物は、実質的にその発現された生物学的活性を保持している。「実質的に精製された」という用語が用いられた場合、この意味は、当該タンパク質またはペプチドが、たとえば、組成物中のタンパク質の約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、またはそれ以上を構成する等の、組成物中の主要な成分を形成する組成物を指す。
【0131】
タンパク質精製における使用に適した様々な技術が当分野の当業者に公知である。たとえば、硫酸アンモニウム、PEG、抗体等を用いた沈殿、または、熱変性後の遠心による沈殿;クロマトグラフィー工程(たとえば、イオン交換、ゲルろ過、逆相、ヒドロキシアパタイト、及びアフィニティクロマトグラフィー);等電点電気泳動;ゲル電気泳動;ならびに、これら及び他の技術の組み合わせ、が挙げられる。当分野において一般的に公知であるように、様々な精製工程の実施の順番は変更しても良く、または、ある工程を省いても良く、それでも実質的に精製されたタンパク質またはペプチドの調製に適した方法となると考えられている。
【0132】
タンパク質またはペプチドの精製の程度を定量する様々な方法が、本開示の点から、当業者に明らかである。これらには、たとえば、活性分画の特異的活性を測定する、または、SDS/PAGE解析による分画内のポリペプチドの量を評価する等が挙げられる。好ましい分画の純度の評価方法は、当該分画の特異的活性を算出すること、最初の抽出物の特異的活性とそれを比較すること、及び、それにより、「精製倍数」により評価された、その純度の程度を算出すること、である。活性量を表すために用いられた実際の単位はもちろん、精製後に選択された特定の評価法、及び、発現されたタンパク質またはペプチドが検出可能な活性を示しているかどうかに基づいている。
【0133】
タンパク質またはペプチドが常にその最大の精製状態で提供されることが、すべてに求められるわけではない。実際のところ、ある実施形態においては、実質的にあまり精製されていない生成物でも有用性がありうることが企図される。部分精製は、より少ない精製工程を組み合わせて用いることにより、または、同じ一般的精製スキームの異なる形態を利用することにより行われても良い。たとえば、通常、HPLC装置を利用して行われたカチオン交換カラムクロマトグラフィーにより、低圧クロマトグラフィーシステムを利用した同じ方法よりも高い「倍数」精製が得られることが認識されている。低度の相対精製を示す方法は、タンパク質生成物の総合的な回収、または、発現されたタンパク質の活性の維持では利点を有し得る。
【0134】
ある実施形態において、タンパク質またはペプチド(たとえば、改変メチオニナーゼ、改変メチオニナーゼを含有する融合タンパク質、またはPEG化後の改変メチオニナーゼ)は単離または精製されていても良い。たとえば、精製を容易にするために、そのような改変メチオニナーゼ中にHisタグまたはアフィニティエピトープが含有されていても良い。アフィニティクロマトグラフィーは、単離される物質と、それが特異的に結合することが出来る分子との間の特異的アフィニティに依るクロマトグラフィー法である。これは受容体−リガンド型の相互作用である。カラム物質は、結合パートナーのうちの1つを、不溶性マトリクスへ共有結合させることにより合成される。次いで、カラム物質は溶液からの物質を特異的に吸着できるようになる。溶出は、結合が発生しない条件に変更することにより生じる(たとえば、pH、イオン強度、温度等を変える)。マトリクスはいかなる有意な程度にも分子を吸着せず、広範囲の化学的、物理的、及び温度的安定性を有している物質でなければならない。リガンドは、結合特性に影響を与えないように連結されなければならない。リガンドはまた、比較的強い結合をもたらさなければならない。試料またはリガンドを破壊することなく、物質を溶出できなければならない。
【0135】
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、溶液中の分子がそのサイズに基づいて分離される、またはより専門的に言えば、その流体力学的体積に基づいて分離されるクロマトグラフィー法である。通常、たとえばタンパク質及び工業用ポリマー等の大きな分子または高分子複合体に適用される。典型的には、水性溶液を用いて、カラムを通じ試料を移動させる場合、当該技術は、ゲルろ過クロマトグラフィーとして知られており、対して、有機溶媒を移動相として用いた場合には、ゲル浸透クロマトグラフィーという名称が用いられる。
【0136】
SECの基本原理は、異なるサイズの粒子を、異なる速度で、固定相を通して溶出(ろ過)することである。これにより、サイズに基づいた粒子の溶液分離が得られる。全ての粒子が同時、またはほぼ同時にロードされたとすると、同じサイズの粒子は一緒に溶出されるはずである。各サイズ排除カラムには、分離することができる分子量の範囲がある。排除限界は、この範囲の上端の分子量と規定され、そこでは固定相に捕捉されるには分子が大きすぎる。浸透限界は、分離範囲の下端の分子量と定義され、そこでは十分に小さなサイズの分子は固定相の孔に完全に浸透し、この分子量以下の全ての分子はとても小さいため、1つのバンドとして溶出される。
【0137】
高速液体クロマトグラフィー(または高圧液体クロマトグラフィー、HPLC)は、化合物を分離、特定及び定量するために生化学及び解析化学において頻繁に用いられるカラムクロマトグラフィーの1つの形態である。HPLCはクロマトグラフの充填材料を保持するカラム(固定相)、当該カラムを通じて移動相を移動させるポンプ、及び、分子の保持時間を示す検出器を利用する。保持時間は、固定相、解析される分子、及び用いた溶媒の間の相互作用に基づき変化する。
【0138】
X.医薬組成物
腫瘍細胞の増殖を阻害するために、最も好ましくは、局所進行性または転移性の癌を有する癌患者中の癌細胞を殺傷するために、新規メチオニナーゼが全身または局所に投与されうることが企図される。それらは、静脈内、髄腔内、及び/または腹腔内に投与されても良い。それらは単独で、または、抗増殖剤と組み合わせて投与されても良い。1つの実施形態において、それらは外科手術または他の治療の前に、患者の癌の量を減らすために投与される。あるいは、それらは、いずれの残留癌(たとえば、外科手術で排除しそこねた癌)も生き延びないことを確実にするために、外科手術後に投与されても良い。
【0139】
本発明は、治療用調製物の特定の状態に限定されることを意図されない。たとえば、そのような組成物は、生理学的に耐容性のある液体、ゲル、または固形の担体、希釈物質及び賦形剤と共に処方されて提供されても良い。これら治療用調製物は、たとえば家畜動物等の獣医学的用途のために哺乳類に投与されても良く、及び、他の治療剤と類似した様式でヒトにおける臨床使用のために投与されても良い。概して、治療効果に対し必要とされる投与量は、用途のタイプ、投与の様式、ならびに、個々の対象に特殊化された要求に従い変化する。
【0140】
そのような組成物は通常、注射物質としての用途に対し、液体溶液または懸濁液として調製される。適切な希釈物質及び賦形剤は、たとえば、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロール等、及びそれらの組み合わせである。さらに、もし所望であれば、当該組成物は少量の補助物質(たとえば湿潤剤もしくは乳化剤、安定剤、またはpH緩衝剤等)を含有しても良い。
【0141】
臨床応用が企図される場合、タンパク質、抗体及び薬剤を含有する医薬組成物は、意図される応用法に適した形態で調製される必要がありうる。一般的に、医薬組成物は、薬学的に許容される担体に溶解または分散した、1以上の改変メチオニナーゼまたは追加の剤の有効量を含有しうる。「薬学的にまたは薬理学的に受容可能な」という表現は、必要に応じて、たとえばヒト等の動物に投与される際に、有害反応、アレルギー反応または他の不都合な反応を生じさせない分子実体及び組成物を指す。本明細書に開示される方法により単離された改変メチオニナーゼまたは追加の活性成分を少なくとも1つ含有する医薬組成物の調製は、本開示から当業者には公知であり、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed., 1990に例示されている(参照により本明細書に援用される)。さらに、動物(たとえばヒト)への投与に関しては、当該調製物は、FDA Office of Biological Standardsにより要求される滅菌、発熱性、一般的安全性及び純度標準に合致していなければならないことが理解されるであろう。
【0142】
本明細書において使用されるとき、「薬学的に許容される担体」としては、ありとあらゆる溶媒、分散媒、塗膜物質、界面活性剤、抗酸化剤、保存剤(たとえば、抗細菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、保存剤、薬剤、薬剤安定剤、ゲル、結合物質、賦形剤、崩壊剤、潤滑剤、甘味剤、香味剤、色素等の物質及びそれらの組み合わせが挙げられ、当分野の当業者に公知である(たとえば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed., 1990(参照により本明細書に援用される)を参照のこと)。任意の標準的な担体が活性成分と不適合である場合を除き、医薬組成物におけるその使用が企図される。
【0143】
本発明のある実施形態は、固体、液体またはエアロゾルの形態で投与されるかどうか、及び、たとえば注射等の投与経路のために滅菌されている必要があるかどうかに依存し、異なるタイプの担体を含有しても良い。当該組成物は、静脈内、皮内、経皮、髄腔内、動脈内、腹腔内、鼻内、膣内、直腸内、筋肉内、皮下、経粘膜、経口、局所、吸入(たとえば、エアロゾル吸入)、注射、点滴、持続点滴、標的細胞を直接浸す局所かん流、カテーテル、洗浄液、脂質組成物(たとえばリポソーム)、または当業者に公知の他の方法もしくは前述の内の任意の組み合わせで投与されてもよい(たとえばRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed., 1990(参照により本明細書に援用される)、を参照のこと)。
【0144】
修飾ポリペプチドは、遊離塩基、中性、または塩の形態で組成物へと処方されても良い。薬学的に受容可能な塩としては、酸付加塩(たとえば、タンパク質性組成物の遊離アミノ基と形成されるもの、または、たとえば塩酸塩もしくはリン酸塩等の無機酸、または酢酸、シュウ酸、酒石酸もしくはマンデル酸等の有機酸と形成されるもの)が挙げられる。また遊離カルボキシル基と形成される塩は、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウムまたは水酸化鉄等の無機塩基から誘導することができ;または、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、もしくはプロカイン等の有機塩基から誘導することができる。製剤化された時点で、溶液は、当該投与形態に適した様式、及び、治療に有効である量で投与される。当該製剤は、様々な投与形態で容易に投与される(たとえば、注射用溶液等の非経口投与、または肺への送達のためのエアロゾル、または薬剤放出カプセル等の食物投与用に処方される)。
【0145】
さらに本発明のある態様に従い、投与に適した組成物は、不活性な希釈剤の有無にかかわらず、薬学的に許容される担体において提供されても良い。当該担体は吸収可能でなければならず、及び、液体、半固形(すなわち、ペースト)、または固形担体を含む。任意の標準的な培地、剤、希釈物質または担体がレシピエントに対し有害である場合、または、その中に含有される組成物の治療有効性に対して有害である場合を除き、本発明の実施における使用のための投与可能な組成物におけるその使用は、適切である。担体または希釈物質の例としては、脂肪、油、水、生理食塩水、脂質、リポソーム、樹脂、結合物質、充填物質等、またはそれらの組み合わせが挙げられる。当該組成物はまた、1以上の成分の酸化を妨害するために、様々な抗酸化物質を含有しても良い。さらに、様々な抗細菌剤及び抗真菌剤(非限定的に、パラベン(たとえば、メチルパラベン、プロピルパラベン)、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール、またはそれらの組み合わせを含む)等の保存剤により微生物の作用を妨害しても良い。
【0146】
本発明のある態様に従い、当該組成物は、任意の簡便及び現実的な様式で(すなわち、溶解、懸濁、乳化、混合、カプセル化、吸収等により)担体と組み合わされる。そのような手順は、当業者にとって日常的なものである。
【0147】
本発明の特定の実施形態において、当該組成物は、半固形または固形の担体と完全に組み合わされ、または混合される。当該混合は、任意の簡便な様式(たとえば、すりつぶす等)で行うことができる。また安定化剤を当該混合プロセスに加え、治療活性の喪失(すなわち、胃での変性)から当該組成物を保護することができる。組成物中での使用のための安定化剤の例としては、緩衝剤、アミノ酸(たとえばグリシン及びリシン等)、炭水化物(たとえばデキストロース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、ソルビトール、マンニトール等)が挙げられる。
【0148】
さらなる実施形態において、本発明は、改変メチオニナーゼ、1以上の脂質、及び水性溶媒を含有する医薬用脂質ビヒクル組成物の使用に関するものでありうる。本明細書において使用されるとき、「脂質」という用語は、水中で特徴的な不溶性であり、有機溶媒中で抽出可能な広範な物質のいずれかを含むと定義される。この広範な種類の化合物は当業者に公知であり、本明細書において「脂質」という用語が用いられる場合、任意の特定の構造に限定されない。例としては、長鎖脂肪族炭化水素及びその誘導体を含有する化合物が挙げられる。脂質は、天然型または合成(すなわち、ヒトにより設計または製造された)であっても良い。しかしながら、脂質は通常、生物学的な物質である。生物学的脂質は、当分野に公知であり、たとえば、中性脂肪、リン脂質、ホスホグリセリド、ステロイド、テルペン、リゾ脂質、スフィンゴ糖脂質、糖脂質、スルファチド、エーテル−及びエステル結合脂肪酸を伴う脂質、重合性脂質、及びそれらの組み合わせが挙げられる。もちろん、当業者に脂質として理解されており、本明細書に具体的に開示されたもの以外の化合物もまた、本組成物及び本方法に包含される。
【0149】
当業者であれば、脂質ビヒクル中に組成物を分散させるために用いられうる技術の範囲に精通しているであろう。たとえば、改変メチオニナーゼまたはその融合タンパク質は、脂質を含有する溶液中に分散されても良く、脂質と共に溶解されても良く、脂質と共に乳化されても良く、脂質と混合されても良く、脂質と組み合わされても良く、脂質と共有結合されても良く、脂質中に懸濁液として含有されても良く、ミセルもしくはリポソームと共に含有され、または複合体化され、またはさもなければ、当業者公知の任意の手段により脂質もしくは脂質構造と関連付けられていても良い。分散は、リポソームの形成を生じさせても、生じさせなくても良い。
【0150】
動物患者に投与される組成物の実際の投与量は、身体的因子及び生理学的因子(たとえば体重、状態の重大度、治療される疾患のタイプ、前もって行われた治療介入または同時に行われる治療介入、患者の特発性疾患、ならびに、投与経路)により決定されても良い。投与の量及び経路に基づき、好ましい投与量及び/または有効量の投与の回数は、対象の反応により変化しうる。投与に対し責を負う医師は、任意の事象において、組成物中の活性成分の濃度及び個々の対象に対する適切な投与量を決定する。
【0151】
ある実施形態において、医薬組成物は、たとえば、少なくとも約0.1%の活性化合物を含有してもよい。他の実施形態において、活性化合物は、単位重量の約2%〜約75%、または、約25%〜約60%、たとえば、その中から導き出される任意の範囲を構成しても良い。当然ながら、各治療的に有用な組成物中の活性化合物の量は、適切な用量が、化合物の任意の所与の単位用量で得られるような方法で、調製されてもよい。たとえば溶解度、生体利用効率、生物学的半減期、投与経路、製品の保管寿命、ならびに他の薬理学的検討事項等の因子が、そのような医薬製剤の調製にかかる分野の当業者により企図され、したがって、様々な投薬量及び治療レジメンが望ましいであろう。
【0152】
他の非限定的な例において、1回投与量にはまた、投与当たり、約1マイクログラム/kg体重、約5マイクログラム/kg体重、約10マイクログラム/kg体重、約50マイクログラム/kg体重、約100マイクログラム/kg体重、約200マイクログラム/kg体重、約350マイクログラム/kg体重、約500マイクログラム/kg体重、約1ミリグラム/kg体重、約5ミリグラム/kg体重、約10ミリグラム/kg体重、約50ミリグラム/kg体重、約100ミリグラム/kg体重、約200ミリグラム/kg体重、約350ミリグラム/kg体重、約500ミリグラム/kg体重〜約1000ミリグラム/kg体重以上、及び、それらから導き出される任意の範囲を含有しても良い。本明細書に列記される数値から導き出される範囲の非限定的な例において、上述の数値に基づき、約5ミリグラム/kg体重〜約100ミリグラム/kg体重、約5マイクログラム/kg体重〜約500ミリグラム/kg体重等の範囲が投与されても良い。
【0153】
XI.併用療法
ある実施形態において、本発明の組成物及び方法は、第二の、または追加の療法と組み合わせた改変メチオニナーゼの投与を含む。そのような療法は、メチオニン依存と関連した任意の疾患の治療に適用することができる。たとえば、当該疾患は、癌であっても良い。
【0154】
併用療法を含む、方法及び組成物により、治療効果または予防効果が増強され、ならびに/または、別の抗癌治療もしくは抗過増殖性治療の治療効果が増大される。治療方法及び予防方法並びに組成物は、所望される効果(たとえば、癌細胞の殺傷及び/または細胞性過剰増殖の阻害等)を得るために有効な、総計の量で提供されても良い。この方法には、改変メチオニナーゼ及び第二の治療の療法を、細胞と接触させることが含まれても良い。組織、腫瘍または細胞を、剤(すなわち、改変メチオニナーゼまたは抗癌剤)を1以上含有する、1以上の組成物または医薬製剤と接触させても良く、または、組織、腫瘍及び/または細胞を、2以上の異なる組成物または製剤と接触させることにより、1つの組成物は、1)改変メチオニナーゼ、2)抗癌剤、または3)改変メチオニナーゼと抗癌剤の両方が提供する。または、そのような併用治療を、化学療法、放射線療法、外科的治療または免疫治療と併せて用いうることが企図される。
【0155】
「接触された」及び「露出された」という用語は、細胞に適用された場合、本明細書において、治療用構築物及び化学療法剤または放射線療法剤が、標的細胞に送達されるプロセス、または、標的細胞と直接並置されるプロセスを記述するために用いられる。細胞を殺傷するために、たとえば、当該細胞を殺傷する、または分裂を阻害するために有効な総量と組み合わせて、細胞に両剤が送達される。
【0156】
改変メチオニナーゼは、抗癌治療に対し、前、その間、その後、または、様々な組み合わせで投与されても良い。投与は、同時から、数分、数日、数週の範囲の間隔であっても良い。改変メチオニナーゼが、抗癌剤とは別に患者に投与される場合の実施形態において、通常、当該2つの化合物が、当該患者に有益な複合効果をまだもたらすことができるように、確実に、各送達の時間の間に多大な時間が経過しないようにする。そのような例において、改変メチオニナーゼと抗癌治療は、互いに、約12〜24または72時間以内、より好ましくは、互いに約6〜12時間以内に、患者に投与され得ることが企図される。一部の状況においては、治療に対する期間を著しく延長させることが望ましく、その場合、各投与の間、数日(2、3、4、5、6または7)から数週(1、2、3、4、5、6、7または8)が経過する。
【0157】
ある実施形態において、一連の治療は、1〜90日以上(この範囲には、その間の日時が含まれる)継続する。1つの剤が、1日目から90日目(この範囲には、その間の日時が含まれる)のうちの任意の日、またはそれらの任意の組み合わせで投与され、及び別の剤は、1日目から90日目(この範囲には、その間の日時が含まれる)のうちの任意の日、またはそれらの任意の組み合わせで投与されることが企図される。1日以内(24時間の期間)に、当該患者が、当該剤の1回投与または複数回投与を受けても良い。さらに、一連の治療の後、抗がん剤治療が投与されない期間があることが企図される。この期間は、患者の状態(たとえば、予後、体力、健康状態等)により、1〜7日、及び/または1〜5週、及び/または1〜12か月以上(この範囲には、その間の日時が含まれる)継続しても良い。当該治療サイクルは、必要に応じて繰り返されることが予測される。
【0158】
様々な組み合わせを用いても良い。以下の例では、改変メチオニナーゼは「A」であり、抗癌治療は「B」である:
【0159】
本実施形態の任意の化合物または療法の患者への投与は、もしあれば当該剤の毒性を考慮しながら、そのような化合物の投与に対する一般的なプロトコールに従う。それゆえ、一部の実施形態において、併用療法に起因する毒性をモニターする工程が存在する。
【0160】
A.化学療法
広範な化学療法剤を、本実施形態に従い用いても良い。「化学療法」という用語は、癌を治療するための薬剤の使用を指す。「化学療法剤」は、癌の治療において投与される化合物または組成物を示すために用いられる。これらの剤または薬物は、細胞内でのその作用様式によりカテゴライズされ、たとえば、細胞サイクルに影響を与えるかどうか、及び、どのステージで細胞サイクルに影響を与えるか、などがある。あるいは、剤は、直接DNAに架橋する能力、DNA内に挿入される能力、または、核酸合成に影響を与えることにより染色体異常及び有糸分裂異常を引き起こす能力に基づき特徴付けられても良い。
【0161】
化学療法剤の例としては、アルキル化剤(たとえばチオテパ及びシクロホスファミド);スルホン酸アルキル(たとえばブスルファン、インプロスルファン及びピポスルファン);アジリジン(たとえばベンゾドパ、カルボコン、メツレドパ及びウレドパ);エチレンイミン及びメチラメラミン(アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド及びトリメチロロメラミンを含む);アセトゲニン(特にブラタシン及びブラタシノン);カンプトテシン(合成アナログのトポテカンを含む);ブリオスタチン、カリスタチン(callystatin);CC−1065(アドゼレシン、カルゼレシン、及びビゼレシン合成アナログを含む);クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;ズオカルマイシン(合成アナログであるKW−2189及びCB1−TM1を含む);エリュテロビン;パンクラチスタチン(pancratistatin);サルコジクチン(sarcodictyin);スポンジスタチン;ナイトロジェンマスタード(例えば、クロラムブシル、クロルナファジン(chlornaphazine)、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩(mechlorethamine oxide hydrochloride)、メルファラン、ノベムビシン(novembichin)、フェネステリン(phenesterine)、プレドニムスチン、トロホスファミド、及びウラシルマスタード);ニトロソ尿素(nitrosureas)(例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン(fotemustine)、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムスチン);抗生物質(たとえば、エンジイン抗生物質(たとえば、カリケアマイシン、特にカリケアマイシンガンマ1I及びカリケアマイシンオメガI1));ダイネマイシン(ダイネマイシンAを含む;ビスホスホン酸(たとえばクロドロネート));エスペラマイシン;ならびにネオカルジノスタチンクロモフォア及び関連色素タンパク質エンジイン抗生物質クロモフォア、アクラシノマイシン(aclacinomysin)、アクチノマイシン、オートラマイシン(authrarnycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン(carminomycin)、カルジノフィリン(carzinophilin)、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン(detorubicin)、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン(モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン(esorubicin)、イダルビシン、マルセロマイシン(marcellomycin)、マイトマイシン(たとえば、マイトマイシンC)、ミコフェノール酸(mycophenolic acid)、ノガラマイシン(nogalarnycin)、オリボマイシン(olivomycin)、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン(tubercidin)、ウベニメクス、ジノスタチン(zinostatin)、及びゾルビシン;代謝拮抗剤(例えば、メトトレキサート及び5−フルオロウラシル(5−FU));葉酸アナログ(例えば、デノプテリン(denopterin)、プテロプテリン(pteropterin)、トリメトレキサート);プリンアナログ(例えば、フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン(thiamiprine)、及びチオグアニン);ピリミジンアナログ(例えば、アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、及びフロクスウリジン);アンドロゲン(例えば、カルステロン(calusterone)、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール(epitiostanol)、メピチオスタン(mepitiostane)、及びテストラクトン(testolactone));抗副腎ホルモン類(anti−adrenals)(例えば、ミトタン及びトリロスタン);葉酸補充剤(folic acid replenisher)(例えば、フロリン酸(frolinic acid));アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸(aminolevulinic acid);エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル(bestrabucil);ビサントレン(bisantrene);エダトラキサート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルシン(demecolcine);ジアジコン;エルホルミシン(elformithine);酢酸エリプチニウム(elliptinium acetate);エポチロン;エトグルシド(etoglucid);硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダイニン(lonidainine);マイタンシノイド(たとえばマイタンシン及びアンサミトシン);ミトグアゾン(mitoguazone);ミトキサントロン;モピダンモール(mopidanmol);ニトラエリン(nitraerine);ペントスタチン;フェナメット(phenamet);ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸(podophyllinic acid);2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK多糖複合体;ラゾキサン(razoxane);リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン(triaziquone);2,2',2"−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特にT−2毒素、ベラクリンA(verracurin A)、ロリジンA及びアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール(mitolactol);ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;タキソイド(たとえば、パクリタキセル及びドセタキセルゲムシタビン);6−チオグアニン;メルカプトプリン;白金配位複合体(たとえばシスプラチン、オキサリプラチン及びカルボプラチン);ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;キセロダ(xeloda);イバンドロネート;イリノテカン(たとえばCPT−11);トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイド(たとえばレチノイン酸);カペシタビン;カルボプラスチン;プロカルバジン;プリコマイシン(plicomycin);ゲムシタビン;ナベルビン;ファルネシル−タンパク質タンスフェラーゼ阻害剤;トランスプラチナ(transplatinum)、上述のいずれかの薬学的に受容可能な塩、酸、または誘導体が挙げられる。
【0162】
B.放射線療法
DNA損傷を引き起こし、広く用いられている他の因子としては、ガンマ線、X線、及び/または腫瘍細胞への直接的な放射性同位体の送達として普遍的に知られているものが挙げられる。他の形態のDNA損傷因子もまた企図され、たとえば、マイクロ波、陽子線照射(米国特許第5,760,395号及び第4,870,287号)、及びUV照射がある。おそらく、これらすべての因子が、DNA、DNA前駆体、DNAの複製及び修復、ならびに、染色体のアセンブリ及び維持に対し、広範な損傷を与える。X線量の範囲は、長期間(3〜4週)に対しては50〜200レントゲンの1日量、単回投与は2000〜6000レントゲンの範囲である。放射性同位体量の範囲は、当該同位体の半減期、放出される放射線の強さ及びタイプ、ならびに、新生細胞による取り込みに依存し、広く変化する。
【0163】
C.免疫療法
当業者であれば、本実施形態方法と組み合わせて、または併せて、免疫療法を用い得ることを理解するであろう。癌治療に関連し、免疫療法とは通常、癌細胞を標的とし、破壊するために、免疫エフェクター細胞及び分子を用いることに依るものである。リツキシマブ(RITUXAN(登録商標))はそのような例である。免疫エフェクターは、たとえば、腫瘍細胞の表面上のなんらかのマーカーに特異的な抗体であっても良い。抗体単独で治療のエフェクターとして供されても良く、または、実際に細胞殺傷作用を及ぼす他の細胞を動員しても良い。また抗体は、薬剤または毒素(化学療法剤、放射性核種、リシンA鎖、コレラ毒素、百日咳毒素等)に結合され、単なる標的化剤として供されても良い。あるいは、当該エフェクターは、腫瘍細胞標的と直接または間接のいずれかで相互作用する表面分子を担持するリンパ球であっても良い。様々なエフェクター細胞として、細胞傷害性T細胞及びNK細胞が挙げられる。
【0164】
免疫療法の1つの態様において、腫瘍細胞は、標的化に適した何らかのマーカー(すなわち、他の細胞の大部分には存在していない)を担持していなければならない。多くの腫瘍マーカーが存在しており、これらの内のいずれかが、本実施形態に関連した標的化に適し得る。普遍的な腫瘍マーカーとしては、CD20、がん胎児性抗原、チロシナーゼ(p97)、gp68、TAG−72、HMFG、Sialyl Lewis Antigen、MucA、MucB、PLAP、ラミニン受容体、erb B、及びp155が挙げられる。免疫療法の他の態様は、免疫刺激効果と抗癌作用を組み合わせることである。以下を含む免疫刺激分子もまた存在している;サイトカイン(たとえばIL−2、IL−4、IL−12、GM−CSF、ガンマ−IFN、ケモカイン(たとえばMIP−1、MCP−1)、IL−8)及び増殖因子(たとえばFLT3リガンド)。
【0165】
現在研究中または使用中の免疫療法の例は、免疫アジュバント(たとえば、Mycobacterium bovis、Plasmodium falciparum、ジニトロクロロベンゼン、及び芳香族化合物)(米国特許第5,801,005号及び第5,739,169号;Hui and Hashimoto, 1998; Christodoulides et al., 1998);サイトカイン療法(たとえば、インターフェロンα、β、及びγ、IL−1、GM−CSF、及びTNF(Bukowski et al.、1998; Davidson et al.、1998; Hellstrand et al.、1998));遺伝子療法(たとえば、TNF、IL−1、IL−2、及びp53(Qin et al.、1998; Austin−Ward and Villaseca、1998;米国特許第5,830,880号及び第5,846,945号));及び、モノクローナル抗体(たとえば、抗CD20、抗ガングリオシドGM2、及び抗p185(Hollander、2012; Hanibuchi et al.、1998;米国特許第5,824,311号))である。1以上の抗癌治療が、本明細書に開示される抗体療法と共に用いられうることが企図される。
【0166】
D.外科手術
およそ60%の癌患者が何らかのタイプの外科手術(予防手術、診断手術または病期診断手術、治療的手術及び緩和手術が挙げられる)を受けている。治療的手術には、癌性組織のすべてまたは一部を物理的に除去、摘出及び/または破壊する切除術が含まれ、及び、他の療法(たとえば、本実施形態の治療、化学療法、放射線治療、ホルモン療法、遺伝子治療、免疫療法及び/または代替療法等)と併せて用いられても良い。腫瘍切除とは、腫瘍の少なくとも一部を物理的に除去することを指す。腫瘍の切除に加え、外科手術による治療には、レーザー外科手術、寒冷外科手術、電気外科手術、及び顕微鏡下手術(モース外科手術)が含まれる。
【0167】
癌性細胞、組織または腫瘍の一部またはすべての摘出で、身体内に腔が形成されても良い。治療は、追加の抗癌治療を用いた当該領域のかん流、直接注入または局所塗布により成し遂げられても良い。そのような治療は、たとえば、1、2、3、4、5、6もしくは7日毎、または1、2、3、4、及び5週毎、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12か月毎に繰り返されても良い。これら治療もまた、投与量を変化させるものであっても良い。
【0168】
E.他の剤
処置の治療効果を改善するために本実施形態のある態様と組み合わせて他の剤を用い得ることが企図される。これら追加の剤としては、細胞表面受容体及びGAPジャンクションの上方制御に影響を与える剤、細胞増殖抑制剤及び分化剤、細胞付着阻害剤、アポトーシス誘導物質への過増殖性細胞の感受性を増加させる剤、または、他の生物学的剤が挙げられる。GAPジャンクションの数を上昇させることによる細胞内シグナル伝達の増加は、近傍の過増殖性細胞群に対する抗過増殖効果を増加させる。他の実施形態において、細胞増殖抑制剤または分化剤は、処置の抗過増殖性を改善するために本実施形態のある態様と組み合わせて用いられても良い。細胞付着阻害剤は、本実施形態の有効性の改善が企図される。細胞付着阻害剤の例としては、焦点接着キナーゼ(FAK)阻害剤及びLovastatinである。アポトーシスに対する過増殖性細胞の感受性を増加させる他の剤(たとえば、抗体c225)を、治療有効性を改善するために本実施形態のある態様と組み合わせて用いられうることが企図される。
【0169】
XII.キット
本発明のある態様において、たとえば治療用キット等のキットが開示されうる。たとえば、キットは、本明細書に開示される1以上の医薬組成物及び任意選択的にそれらの使用のための説明書を含有しても良い。また、キットは、そのような組成物の投与を成し得るためのデバイスを1以上含有しても良い。たとえば、主題のキットは、医薬組成物及び当該組成物の癌性腫瘍への直接的な静脈内注入を行うためのカテーテルを含有しても良い。他の実施形態において、主題のキットは、改変メチオニナーゼを前もって充填されたアンプル(任意選択的に、医薬用として処方され、または、送達用デバイスを用いた使用のために、凍結乾燥される)を含有しても良い。
【0170】
キットは、ラベルを貼った容器を含有しても良い。適切な容器としては、たとえば、瓶、バイアル、及び試験管が挙げられる。容器は、様々な物質(たとえばガラスまたはプラスチック)から形成されていても良い。容器は、たとえば上述の治療応用または非治療応用に有効な改変メチオニナーゼを含有する組成物を保持していても良い。容器の上のラベルは、当該組成物が、特定の治療応用または非治療応用に使用されることを示していても良く、及び、たとえば上述のような、in vivoまたはin vitro用途のいずれかに対する指示を示していても良い。本発明のキットは通常、上述の容器及び、販売及びユーザーの立場から望ましい物質(緩衝液、希釈物質、フィルター、針、シリンジ及び使用に対する説明を伴う添付文書)を含有する他の容器を1以上含有する。
【実施例】
【0171】
XIII.実施例
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すために含まれるものである。当業者であれば、以下の実施例に開示されている技術は、本発明の実施が上手く機能するよう本発明者らにより開発された技術を提示していることを認識し、ゆえに、その実施に対する好ましい様式を構成するとみなされうる。しかしながら、当業者は、本開示の観点から、開示される具体的な実施形態において、多くの変更が可能であること、及び、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、良く似た、または類似の結果が得られることを認識するであろう。
【0172】
実施例1 メチオニン−γ−リアーゼ活性に対し改変されたシスタチオニン−γ−リアーゼ
CGLは、哺乳類の含硫基移動経路において最後の工程を触媒する四量体である(Rao et al., 1990)。CGLは、L−シスタチオニンのLシステイン、アルファ−ケト酪酸及びアンモニアへの転換を触媒する。ヒトCGL(hCGL)cDNAは従前にクローニング及び発現されているが、比較的低い収率であった(約5mg/L培養液)(Lu et al., 1992; Steegborn et al., 1999)。CGL、及びガイドとしてMGL酵素の配列及び構造アライメントを用いて、hCGLを、メチオニンを効率的に分解する酵素へと転換した。
【0173】
実施例2 改善された修飾ヒトシスタチオニン−γ−リアーゼの遺伝子合成及び発現
ヒトシスタチオニン−γ−リアーゼ遺伝子は、滅多に大腸菌では用いられず、発現に干渉しうる多重コドンを含有している。ゆえに、大腸菌におけるタンパク質発現を最適化するために、各遺伝子を、DNA−Worksソフトウェアを用いて設計されたコドン最適化されたオリゴヌクレオチドを用いてアセンブリした(Hoover et al., 2002)。各構築物は、クローニングを単純化するための、N末端NcoI制限酵素部位、インフレームN末端His
6タグ、及びC末端EcoRI部位を含有している。pET28aベクター(Novagen)へのクローニングの後、適切なシスタチオナーゼ発現ベクターを含有する大腸菌(BL21)を、Terrific Broth(TB)培地(50μg/mLのカナマイシンを含有)を用いて、37℃で、振とうフラスコ、250rpmにて、約0.5〜0.6のOD
600に達するまで増殖させた。この時点で、培養を25℃での振とうに切り替え、0.5mM IPTGを用いて誘導させ、さらに12時間、タンパク質を発現させた。次いで、細胞沈殿物を遠心により回収し、IMAC緩衝液(10mM NaPO
4/10mMイミダゾール/300mM NaCl、pH8)に再懸濁した。French圧力セルにより溶解させた後、溶解物を、4℃で20分間、20,000gで遠心し、得られた上清を、ニッケルIMACカラムへと入れ、10〜20カラム体積のIMAC緩衝液で洗浄し、次いで、IMAC溶出緩衝液(50mM NaPO
4/250mMイミダゾール/300mM NaCl、pH8)で溶出させた。次いで、酵素を含有する分画を、25℃で1時間、10mM ピリドキサル−5´−リン酸(PLP)でインキュベートした。10,000MWCO遠心フィルターデバイス(AMICON(登録商標))を用いて、次いで、タンパク質を、100mM PBS、10%グリセロール、pH7.3溶液へと数回、緩衝液交換を行った。酵素の分注物を、次いで、液体窒素中で瞬間凍結させ、−80℃で保存した。この方法で精製したCGL及びCGL変異体は、95%超の均一性であった(SDS−PAGE及びクマシン染色により評価)。収率は、6Mグアニジン塩酸塩、20mMリン酸緩衝液、pH6.5の最終緩衝液濃度中、算出された吸光係数(λ
280=29,870 M
−1cm
−1)に基づき、約400mg/L培養液であると算出された(Gill and von Hippel, 1989)。
【0174】
実施例3 メチオニン−γ−リアーゼ活性に対する96ウェルプレートスクリーニング及びクローンの順位付け
MGL及びCGLの両方とも、それらの各基質から2−ケト酪酸を産生する。小ライブラリーをスクリーニングし、最も高いMETase(メチオニン−γ−リアーゼ)活性を有するクローンを順位付けするために、3−メチルベンゾチアゾリン−2−オン ヒドラゾン(MBTH)を用いた、α−ケト酸の検出に対する比色分析(Takakura et al., 2004)を96ウェルプレート形式に大きさを合わせた。このプレートスクリーニングにより、突然変異ライブラリーから最も活性のあるクローンを選択するための簡易な方法が提供される。元の対照よりも高い活性を示しているクローンをさらなる特徴解析に選択し、動的解析のために多くの変異体を精製する手間を省いた。
【0175】
突然変異hCGL、hCGLまたはpMGLを含有するシングルコロニーを選択し、75μLのTB培地/ウェル(50μg/mLのカナマイシンを含有)を含有する96ウェル培養プレートへと移した。これら培養物を、次いで、プレート振とう器上、約0.8〜1のOD
600に達するまで37℃で増殖させた。25℃まで冷却した後、さらに75μLの培地/ウェル(50μg/mLのカナマイシン及び0.5mM IPTGを含有)を加えた。2時間、振とうさせながら25℃で発現が行われ、続いて100μLの培養液/ウェルを96ウェルアッセイプレートへと移した。次いで、アッセイプレートを遠心し、細胞を沈殿させ、培地を除去し、50μL/ウェルのB−PER(登録商標)タンパク質抽出試薬(Pierce)を加えることにより細胞を溶解させた。遠心による除去の後、溶解物を5mM L−Metと共に、37℃で10〜12時間、インキュベートした。次いで、1M酢酸ナトリウム、pH5中で、3部の0.03% MBTH溶液を加えることにより反応物を誘導体化した。プレートを40分間、50℃で加熱し、冷却した後、マイクロタイタープレートリーダーで、320nmで読み取った。
【0176】
実施例4 hCGL−E59N−R119L−E339V由来の改善メチオニン分解変異体を作製するためのライブラリー設計
hCGL−E59N−R119L−E339V(hCGL−NLV)メチオニン分解酵素に対する遺伝子を、活性が改善されたさらなる変異体を作製するための開始物質として用いた。アミノ酸配列アライメントを、様々な生物体由来のMGL及びCGLの配列を用いて作製した。突然変異誘導に選択された領域は、すべてのMGL酵素が1つの保存残基を有しており、及び、すべてのCGL酵素が異なる保存残基を有していた、固有のアライメント部位で特定された。MGL及びCGLは高度に相同性のある構造を有しているが、互いの各基質を分解せず、ゆえに、MGLとCGLの間で系統発生学的に保存されたアミノ酸配列の差異は、各基質の分解に重要な残基を示唆している可能性がある。ライブラリーは、保存残基をコードする元のhCGL−NLV鋳型のコドン、または対応するMGL保存残基に対するコドンのいずれかを含有するオリゴヌクレオチドを用いた重複伸長PCRにより作製された。最終アセンブリPCR産物を、NcoI及びEcoRIを用いて消化し、T4 DNAリガーゼを有するpET28aベクターへとライゲーションされた。得られたライゲーション物を、直接大腸菌(BL21)へと形質転換し、実施例3に記述される次のスクリーニングのためにLB−カナマイシンプレートに播種した。ライブラリーの理論上の多様性(すなわち、当該ライブラリーによりコードされる、すべての可能性のある遺伝子配列)の2倍以上のコロニーをスクリーニングした。元のhCGL−NLV変異体よりも高い活性を示すクローンを単離し、活性改善に寄与した変異を特定するために配列解析を行った。上述の変異誘導の反復ラウンドにおいて、L−メチオニン分解活性が改善されていたクローンを鋳型として用いた。
【0177】
実施例5 改善ヒトメチオニン分解変異体の特徴解析
実施例3及び4に記述される突然変異誘導とスクリーニングを数ラウンド行った後、元の3つの変異部位(すなわち、E59N−R119L−E339V)に加え、5つのアミノ酸の位置が、hCGL−NLVと比較した、メチオニン分解活性の改善に寄与していることが判明した。これらの追加の位置は、hCGL(配列番号1)の63、91、268、311、及び353残基の位置である(
図1を参照)。59、119、及び339位の残基の変異と組み合わせて、これらの位置のうちの1以上のS63L、L91M、K268R、T311G、及びI353Sへの変異により、hCGL−NLVと比較し、L−メチオニン分解のk
cat/K
M値の改善がもたらされた。特に、
に相当するアミノ酸置換を含有する変異体は、最も高いL−メチオニン分解のk
cat/K
M値を示していた。これら変異体(hCGL−8mut−(1−4))は、95%を超える均一性にまで精製され(実施例2に記述されるSDS−PAGEにより評価)、及び、実施例3に記述されるものと類似の1mLスケールのMBTHアッセイを用いて、100mM PBS緩衝液(pH7.3)、37℃でのL−Met分解の能力に対し、動力学的に特徴解析がなされた。
【0178】
(表1)hCGL、hCGL−NLV及び、改善変異体hCGL−8mut(1〜4)を用いた、pH7.3及び37℃でのL−メチオニン分解のミカエリス−メンテン反応速度の比較
ND=測定せず
【0179】
実施例6 腫瘍細胞株に対する、hCGL−8mut−1の細胞毒性
メラノーマ細胞株A375ならびに前立腺癌細胞株DU145及びPC3に対するhCGL−8mut−1のin vitro細胞毒性を評価した。A375細胞に対しては、約3000細胞/ウェルで、96ウェル培養プレートのDMEM培地中に細胞を播種し、前立腺腫瘍細胞株に対してはRPMI−1640培地に細胞を播種し、様々な濃度の酵素で処理を行う前に、24時間、増殖させた。処置の5日後、(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム(MTS)アッセイを用いて、増殖を測定した。A375に対して得られたデータの解析から、0.08μMの見かけ上のIC
50値が、DU145に対しては0.21μMの見かけ上のIC
50値が、及び、PC3前立腺腫瘍細胞に対しては0.25μMの見かけ上のIC
50値が得られた(
図2)。
【0180】
実施例7 hCGL−8mut−1の薬理学的調製
hCGL−8mut−1酵素は、1つの例外(IMACカラムへの結合の後、タンパク質は、0.1%TRITON(登録商標)114を含有するIMAC緩衝液(90〜100カラム体積)を用いてしっかりと洗浄した)を除き、実施例2に記述されるように精製した。次いで、カラムを、10〜20カラム体積のIMAC緩衝液を用いて洗浄し、IMAC溶出緩衝液(50mM NaPO
4/250mMイミダゾール/300mM NaCl、pH 8)を用いて溶出した。TRITON(登録商標)114を用いた洗浄は、エンドトキシン除去のために行われた。精製されたタンパク質は、10,000MWCOのろ過デバイス(Amicon)を用いて、100mM NaPO
4緩衝液(pH8.3)への緩衝液交換に供された。続いて、PLPを、10mMの濃度で添加し、タンパク質を、1時間、25℃でインキュベートした。次いで、メトキシPEGスクシンイミジルカルボキシメチルエステル5000MW(JenKem Technology)を、80:1のモル比率でhCGL−8mut−1に加え、一定して攪拌しながら、1時間、25℃で反応させた。得られた混合物は、100,000MWCOのろ過デバイス(Amicon)を用いて、しっかりと緩衝液交換(10%グリセロールを伴うPBS)され、0.2ミクロンのシリンジフィルター(VWR)を用いて滅菌された。すべてのPEG化酵素は、Limulus Amebocyte Lysate (LAL)キット(Cape Cod Incorporated)を用いて、リポ多糖(LPS)含量を解析された。
【0181】
実施例8 PEG化hCGL−8mut−1の血清安定性
PEG化hCGL−8mut−1の血清安定性は、最終濃度10μMで、プールされたヒト血清中に当該酵素を37℃でインキュベートすることにより検証された。異なる時点で分注物を採取し、DTNBアッセイ(米国特許出願公開第2011/0200576号(参照によりその全体が本明細書に援用される)に記述されている)を用いて活性を検証した。データをプロットした後、PEG化hCGL−8mut−1は、101±4時間の半減期(T
0.5)を有していると算出された(
図3)。
【0182】
実施例9 マウスにおける、PEG化hCGL−8mut−1の薬力学的解析
マウスモデルにおける、上述の実施例4〜7で開示された改変ヒトメチオニン分解酵素のL−メチオニン除去における有効性を評価するために、3群(各3匹)を、通常食で飼育しながら、尾静脈注射により、50mg/kgのPEG−hCGL−8mut−1を投与した。血清採取のために、心静脈穿刺により8、24、48時間の時点で群を殺処分した。次いで、o−フタルアルデヒド(OPA)を用いた誘導体化により、血清サンプルをL−メチオニン含量に対して解析し、次いで、原則的に、Agilent Technologies(ワールドワイドウェブ、chem.agilent.com/Library/datasheets/Public/5980−3088.PDF)に記述されているように高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を行った。PEG−hCGL−8mut−1を用いたこの投与スキームにより、15時間にわたり、5μM未満のレベルにまでL−メチオニンが枯渇された(
図4)。対照的に、通常食のマウスにPEG化hCGL−NLV 200mg/kg投与しても、血清L−メチオニンは、4時間の間、約10μM程度までしか低下しなかった(
図5)。
【0183】
本明細書に開示され、請求される方法のすべては、本開示を鑑み、過度の実験を行うことなく、作製され、実行することができる。本発明の組成物及び方法が、好ましい実施形態に関して記述されているが、当業者であれば、本発明の主旨、目的、及び範囲から逸脱することなく、本明細書に開示される方法、及び、当該方法の工程または一連の工程に変更が適用され得ることが明らかであろう。より具体的には、化学的及び生理学的の両方に関連したある剤が、本明細書に開示される剤と置換され得、それにより同じ結果または類似の結果が得られることが明らかであろう。当業者に明らかな、そのような類似の置換及び修飾のすべてが、添付の請求項により規定される本発明の主旨、目的及び範囲内にあるとみなされる。
【0184】
参照文献
以下の参照文献は、本明細書に解説されるものに対する例示的な手順の補足、または、他の詳細な補足を提示する範囲において、参照により本明細書に具体的に援用される。