(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6572224
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】少なくとも二つのバラストタンクを含む船におけるバラスト水処理方法およびバラスト水処理システム
(51)【国際特許分類】
B63B 13/00 20060101AFI20190826BHJP
C02F 1/02 20060101ALI20190826BHJP
C02F 1/30 20060101ALI20190826BHJP
C02F 1/32 20060101ALI20190826BHJP
C02F 1/34 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
B63B13/00 Z
C02F1/02 C
C02F1/30
C02F1/32
C02F1/34
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-545887(P2016-545887)
(86)(22)【出願日】2015年1月8日
(65)【公表番号】特表2017-503707(P2017-503707A)
(43)【公表日】2017年2月2日
(86)【国際出願番号】EP2015050268
(87)【国際公開番号】WO2015104341
(87)【国際公開日】20150716
【審査請求日】2018年1月5日
(31)【優先権主張番号】PA201470009
(32)【優先日】2014年1月9日
(33)【優先権主張国】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】513220931
【氏名又は名称】バワット エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100114889
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 義弘
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ハマー ヤン スタンプ
【審査官】
畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/116698(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 13/00
C02F 1/02
C02F 1/30
C02F 1/32
C02F 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 少なくとも一つのバラストタンクが空のまま残るようにバラスト水をポンピングする工程;
− 未処理のバラスト水を有する一つのバラストタンクからバラスト水処理システムを介して空のバラストタンクへとバラスト水をポンピングする工程;
− ポンピングされるバラストタンクが空になるまでポンピングおよび処理を続ける工程
を含む、少なくとも二つのバラストタンクを含む船の中でバラスト水をバラスト水処理システムによって処理する方法であって、
バラスト水を該バラストタンクの一つ一つにポンピングすることができるよう、かつバラスト水を処理済みまたは未処理のいずれかの状態で該バラストタンクの間でポンピングすることができるよう、該バラストタンクが互いに流体連通している、方法。
【請求項2】
− 少なくとも一つのバラストタンクが空のまま残るように船上でバラスト水をポンピングする工程;
− 未処理のバラスト水を有する一つのバラストタンクからバラスト水処理システムを介して空のバラストタンクへとバラスト水をポンピングする工程;
− ポンピングされるバラストタンクが空になるまでポンピングおよび処理を続ける工程
を含む、少なくとも二つのバラストタンクを含む船の中でバラスト水をバラスト水処理システムによって処理する方法であって、
バラスト水を該バラストタンクの一つ一つにポンピングすることができるよう、かつバラスト水を処理済みまたは未処理のいずれかの状態で該バラストタンクの間でポンピングすることができるよう、該バラストタンクが互いに流体連通している、方法。
【請求項3】
− 少なくとも一つのバラストタンクが空のまま残るようにバラスト水をポンピングする工程;
− 未処理のバラスト水を含む一つのバラストタンクからバラスト水熱処理システムを介して空のバラストタンクへとバラスト水をポンピングする工程;
− ポンピングされるバラストタンクが空になるまでポンピングおよび熱処理を続ける工程
を含む、少なくとも二つのバラストタンクを含む船の中でバラスト水をバラスト水熱処理システムによって処理する方法であって、
バラスト水を該バラストタンクの一つ一つにポンピングすることができるよう、かつバラスト水を処理済みまたは未処理のいずれかの状態で該バラストタンクの間でポンピングすることができるよう、該バラストタンクが互いに流体連通している、方法。
【請求項4】
− 少なくとも一つのバラストタンクが空のまま残るようにバラスト水をポンピングする工程;
− バラスト水へのガスの注入中、未処理のバラスト水を含む一つのバラストタンクから空のバラストタンクへとバラスト水をポンピングする工程;
− ポンピングされるバラストタンクが空になるまでポンピングおよびガス注入を続ける工程
を含む、少なくとも二つのバラストタンクを含む船の中でバラスト水をバラスト水ガス注入システムによって処理する方法であって、
バラスト水を該バラストタンクの一つ一つにポンピングすることができるよう、かつバラスト水を処理済みまたは未処理のいずれかの状態で該バラストタンクの間でポンピングすることができるよう、該バラストタンクが互いに流体連通している、方法。
【請求項5】
− 少なくとも一つのバラストタンクが空のまま残るようにバラスト水をポンピングする工程;
− バラスト水へのガスの注入中、未処理のバラスト水を含む一つのバラストタンクからバラスト水熱処理システムを介して空のバラストタンクへとバラスト水をポンピングする工程;
− ポンピングされるバラストタンクが空になるまでポンピングならびに熱処理およびガス注入を続ける工程
を含む、少なくとも二つのバラストタンクを含む船の中でバラスト水をバラスト水熱処理システムおよびバラスト水ガス注入システムによって処理する方法であって、
バラスト水を該バラストタンクの一つ一つにポンピングすることができるよう、かつバラスト水を処理済みまたは未処理のいずれかの状態で該バラストタンクの間でポンピングすることができるよう、該バラストタンクが互いに流体連通している、方法。
【請求項6】
以下の連続工程:すべてのバラストタンクが少なくとも一度は空になるまで、未処理のバラスト水を有する一つのバラストタンクから空のバラストタンクへとバラスト水をポンピングする工程を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
処理済みバラスト水を含む一つのバラストタンクからバラスト水処理システムおよび/またはバラスト水ガス注入システムおよび/またはバラスト水熱処理システムを介して空のバラストタンクへとバラスト水をポンピングする工程をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
【請求項8】
バラストタンクにガスを注入するための手段として、バラストタンクの一つまたは複数の中に設置された少なくとも一つの注入ノズルを含むことを特徴とする、請求項3〜7のいずれか一項記載の方法。
【請求項9】
処理しながら空のバラストタンクを満たす工程を含むことを特徴とする、請求項5記載の、または請求項5に従属する場合、請求項6もしくは7記載の方法。
【請求項10】
バラスト水の入った第一のバラストタンクと空の第二のバラストタンクとを含む少なくとも二つのバラストタンクを含む船においてバラスト水を処理する方法であって、
分配されるバラスト水が処理されるように、バラスト水処理システムを介して第一のバラストタンクから第二のバラストタンクへとバラスト水を分配する工程を含む、方法。
【請求項11】
第二のバラストタンクが空のまま残るか、バラスト水を分配する前記工程の前に空になるように、バラスト水処理システムを介して第一のバラストタンクから第二のバラストタンクへとバラスト水を充填するまたは分配する工程を含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
少なくとも二つのバラストタンクのいずれかにバラスト水が充填され、続いてそれが、バラスト水処理システムを介して該少なくとも二つのバラストタンクの他のいずれかに分配される、請求項10または11記載の方法。
【請求項13】
バラスト水をバラストタンクの一つ一つに提供できるよう、かつバラスト水を処理済みまたは未処理のいずれかの状態で該バラストタンクの間で分配できるよう、少なくとも二つのバラストタンクが互いに流体連通している、請求項10〜12のいずれか一項記載の方法。
【請求項14】
バラスト水の入った第一のバラストタンクと空の第二のバラストタンクとを含む少なくとも二つのバラストタンクを含む船におけるバラスト水処理システムであって、
分配されるバラスト水が処理されるように、該バラスト水処理システムを介して第一のバラストタンクから第二のバラストタンクへとバラスト水を分配するよう構成されている、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、船におけるバラスト水の処理に関し、特に、バラスト水処理システムによってバラスト水を処理する方法に関する。より具体的には、本発明は、少なくとも二つのバラストタンクを含む該システムによってバラスト水を処理する方法であって、該システムと該バラストタンクとが処理システムを介して互いに流体連通しており、バラスト水を該バラストタンクの一つ一つにポンピングすることができ、バラスト水を処理済みまたは未処理の状態で該バラストタンクの間でポンピングすることができる、以下の工程を含む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
積荷を運んでいるかどうかにかかわらず船の安定性を維持するために、船は、積荷の性質に応じて充填するかまたは空にすることができるタンクを備えている。そのようなタンクはバラストタンクと呼ばれ、それに充填される水はバラスト水と呼ばれる。
【0003】
空荷の船または部分的に積荷を運ぶ船が出港するときには、安定性を維持し、船の浮力を調節するために、バラスト水がバラストタンクに充填されている。
【0004】
ほぼ常に、そのようなバラスト水は生物を含有する。船がその目的地に到着し、再び積荷を受け取るとき、バラスト水は再び海に放出される。したがって、このバラスト水の放出は、潜在的に、目的港の海洋環境に侵略的外来種を持ち込むおそれがあり、それは、その生物が本来の生息地から新たな生物圏に移動することを意味する。
【0005】
バラスト水中の生物を死滅させる処理システムによって上記問題に対処するためのいくつかの技術およびシステムが開発されている。
【0006】
US20030205(特許文献1)は、有害な海洋生物を死滅させるために船のバラスト水を処理するための相乗的手法を開示している。相乗作用は、(i)バラストタンクのアレージ空間を大気圧未満の圧(「圧力不足」状態と呼ばれる)に維持すると同時に、(ii)アレージ空間ガスを不活性化する、すなわち、船の航海中の少なくとも一時、好ましくは実質的な期間中、アレージ空間ガス中の酸素の割合を、通常の大気圧における割合よりも低く減らし、最終的には、バラスト水内の好気性海洋生命体を含む好気性生命体を維持するレベルよりも低く減らす(不活性化アレージガスとでガス交換が起こることによって)ことによって得られる。
【0007】
WO12116704(特許文献2)は、船上および沖合建造物上のバラストタンク中のバラスト水を処理するためのシステムであって、一つまたは複数のバラストタンクと、バラスト水を一つまたは複数のバラストタンクとの間で配管によって循環または再循環させることができる循環ポンプと、ガス、たとえば大気および/または不活性ガス、たとえば窒素および二酸化炭素がバラスト水に供給されることができるように配管に接続されたガス供給ユニットと、ガス含有水を一つまたは複数のバラストタンクに注入するための少なくとも一つのノズルを含む、配管に機能的に接続され、かつ一つまたは複数のバラストタンク中に配置された一つまたは複数のノズルヘッドと、バラスト水中に存在する生物を除去する、および/または死滅させるように構成された装置とを含む、システムを開示している。
【0008】
上記技術に伴う問題は効率であり、本発明の目的は、従来技術に代わるものとして、より効率的な方法およびより効率的なシステムを提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】US20030205
【特許文献2】WO12116704
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的は、
少なくとも一つのバラストタンクが空のまま残るようにバラスト水をポンピングする工程;
未処理のバラスト水を有する一つのバラストタンクからバラスト水処理システムを介して空のバラストタンクへとバラスト水をポンピングする工程;
ポンピングされるバラストタンクが空になるまでポンピングおよび処理を続ける工程
を含む方法によって達成される。
【0011】
バラスト水処理システムはバラスト分配システムおよびバラスト処理システムを含み得る。
【0012】
該処理システムは、該分配システムの一体化部分を形成してもよいし、または該分配システムと並列に接続されてもよいし、または該分配システムと直列に接続されてもよい。
【0013】
本発明の一つの態様において、バラスト水処理システムは少なくとも二つのバラストタンクを含む。該バラストタンクは、右舷側に位置してもよいし、左舷側に位置してもよいし、船尾に位置してもよいし、船首に位置してもよいし、またはそれらの位置の組み合わせに位置してもよい。該バラスト水タンクは該分配システムによって互いに流体連通し得る。
【0014】
該分配システムは、流体導管(conduct)、管、ストリングなどを含み得、流体が任意の二つのバラスト水タンクの間で運ばれ得るように構成され得、それらの間にポンプ、弁またはサブシステムがあってもよい。
【0015】
バラスト水処理システムは、バラスト水が、処理済みまたは未処理のいずれかの状態で、任意のバラストタンクの間で分配され得るように構成され得る。バラスト水処理システムはさらに、バラスト水を、処理済みの状態、未処理の状態、または両方の組み合わせのいずれかで、一つより多いバラストタンクから、空であるバラストタンクの中に分配するように構成され得る。
【0016】
システムはまた、バラスト水が、処理済みまたは未処理のいずれかの状態で、一つより多いバラストタンクから一つより多いバラストタンクに分配され得るように構成され得る。
【0017】
未処理のバラスト水とは、たとえば、細菌、植物プランクトンまたは動物プランクトンの含量に関して、関連規則に適合しない、許容可能レベルを超える含量を有するようなバラスト水をいう。
【0018】
バラスト水は、規則の対象となる含量が許容可能レベル未満であるとき、処理済みと指定される。
【0019】
該処理システムは、ガス供給ユニット、放射線ユニット、超音波、熱処理システムおよび一つまたは複数の注入ノズルを含み得る。
【0020】
本発明の好ましい態様において、バラスト水を処理する方法は、少なくとも一つのポンプによってバラスト水を該バラストタンクに充填する工程を含む。該少なくとも一つのポンプは、双方向流を達成するように構成され得る。バラスト水は、バラスト水出口としても機能し得るバラスト水入口を介して該バラストタンクに充填され得る。バラスト水入口は、海などのバラスト水供給源または船上もしくは陸上の別のタンクなどのバラスト水供給源と流体連通し得る。
【0021】
本発明の好ましい態様において、バラスト水は、一つのバラストタンクが空のまま残るようにバラストタンクに充填されてもよいし、または、バラスト水は、該バラストタンク中で十分な容積が空のまま残り、少なくとも一つのバラストタンクが空になるように該バラストタンクの間でバラスト水を分配し得るように充填される。ここで「空」とは、バラストタンクを完全に空にすることは不可能であるとしても、実質的に空である、またはバラスト水分配システムによって達成可能である程度に空であると解釈されるべきである。
【0022】
ひとたび少なくとも一つのバラストタンクが空になると、バラスト水を、たとえば少なくとも一つのポンプにより、たとえば処理済みまたは未処理のバラスト水を含むバラストタンクからバラスト分配システムによって該空のタンクに分配し、処理システムを介して分配し得る。該分配は、たとえば港で実施されてもよいし、または航路中、海上で実施されてもよい。
【0023】
処理システムは、一つまたは複数のバラストタンク中に設置された一つまたは複数の注入ノズルを含み得る。該ガス注入ノズルは、該バラスト水がバラストタンクの内部にあるとき、バラスト水の処理を可能にする。それにより、バラスト水タンクを海水で充填し、その後、該バラスト水タンク内の該注入ノズルによって処理することを達成する。
【0024】
本発明の一つの態様において、処理システムは、少なくとも二つの処理弁を含み得、各処理弁が二つのバラストタンクの間に配置されて、バラスト水導管をサブストリングへと分割し、いくつかのバラストタンクが各サブストリングに接続されている。バラストタンクは、右舷側または左舷側または両側に位置し得る。たとえば右舷側に位置するバラストタンクの数が奇数であり、処理弁が各二つのバラスト水タンクの間に配置されるならば、得られる一つのサブストリングは、その他のサブストリングよりも一つ少ないバラストタンクに接続され得る。
【0025】
また、本明細書は不活性ガスに言及するが、本明細書に使用される「不活性ガス」は、ガス組成物がたとえば窒素、二酸化炭素またはアルゴンであることができることを意味するため、狭い意味に解釈されてはならない。不活性ガスはまた、ガスからの気泡が、バラストタンク中に存在する生物が死滅するほど多くの酸素を掃去することができるであろう、何らかの他のガスまたは一定の比率および濃度のガス混合物であることもできる。しかし、いくつかの態様において、ガス供給ユニットはまた、大気/空気を供給するユニットであることもできる。
[本発明1001]
− 少なくとも一つのバラストタンクが空のまま残るようにバラスト水をポンピングする工程;
− 未処理のバラスト水を有する一つのバラストタンクからバラスト水処理システムを介して空のバラストタンクへとバラスト水をポンピングする工程;
− ポンピングされるバラストタンクが空になるまでポンピングおよび処理を続ける工程
を含む、少なくとも二つのバラストタンクを含む船の中でバラスト水をバラスト水処理システムによって処理する方法であって、
バラスト水を該バラストタンクの一つ一つにポンピングすることができるよう、かつバラスト水を処理済みまたは未処理のいずれかの状態で該バラストタンクの間でポンピングすることができるよう、該バラストタンクが互いに流体連通している、方法。
[本発明1002]
− 少なくとも一つのバラストタンクが空のまま残るように船上でバラスト水をポンピングする工程;
− 未処理のバラスト水を有する一つのバラストタンクからバラスト水処理システムを介して空のバラストタンクへとバラスト水をポンピングする工程;
− ポンピングされるバラストタンクが空になるまでポンピングおよび処理を続ける工程
を含む、少なくとも二つのバラストタンクを含む船の中でバラスト水をバラスト水処理システムによって処理する方法であって、
バラスト水を該バラストタンクの一つ一つにポンピングすることができるよう、かつバラスト水を処理済みまたは未処理のいずれかの状態で該バラストタンクの間でポンピングすることができるよう、該バラストタンクが互いに流体連通している、方法。
[本発明1003]
− 少なくとも一つのバラストタンクが空のまま残るようにバラスト水をポンピングする工程;
− 未処理のバラスト水を含む一つのバラストタンクからバラスト水熱処理システムを介して空のバラストタンクへとバラスト水をポンピングする工程;
− ポンピングされるバラストタンクが空になるまでポンピングおよび熱処理を続ける工程
を含む、少なくとも二つのバラストタンクを含む船の中でバラスト水をバラスト水熱処理システムによって処理する方法であって、
バラスト水を該バラストタンクの一つ一つにポンピングすることができるよう、かつバラスト水を処理済みまたは未処理のいずれかの状態で該バラストタンクの間でポンピングすることができるよう、該バラストタンクが互いに流体連通している、方法。
[本発明1004]
− 少なくとも一つのバラストタンクが空のまま残るようにバラスト水をポンピングする工程;
− バラスト水へのガスの注入中、未処理のバラスト水を含む一つのバラストタンクから空のバラストタンクへとバラスト水をポンピングする工程;
− ポンピングされるバラストタンクが空になるまでポンピングおよびガス注入を続ける工程
を含む、少なくとも二つのバラストタンクを含む船の中でバラスト水をバラスト水ガス注入システムによって処理する方法であって、
バラスト水を該バラストタンクの一つ一つにポンピングすることができるよう、かつバラスト水を処理済みまたは未処理のいずれかの状態で該バラストタンクの間でポンピングすることができるよう、該バラストタンクが互いに流体連通している、方法。
[本発明1005]
− 少なくとも一つのバラストタンクが空のまま残るようにバラスト水をポンピングする工程;
− バラスト水へのガスの注入中、未処理のバラスト水を含む一つのバラストタンクからバラスト水熱処理システムを介して空のバラストタンクへとバラスト水をポンピングする工程;
− ポンピングされるバラストタンクが空になるまでポンピングならびに熱処理およびガス注入を続ける工程
を含む、少なくとも二つのバラストタンクを含む船の中でバラスト水をバラスト水熱処理システムおよびバラスト水ガス注入システムによって処理する方法であって、
バラスト水を該バラストタンクの一つ一つにポンピングすることができるよう、かつバラスト水を処理済みまたは未処理のいずれかの状態で該バラストタンクの間でポンピングすることができるよう、該バラストタンクが互いに流体連通している、方法。
[本発明1006]
以下の連続工程:すべてのバラストタンクが少なくとも一度は空になるまで、未処理のバラスト水を有する一つのバラストタンクから空のバラストタンクへとバラスト水をポンピングする工程を含むことを特徴とする、本発明1001〜1005のいずれかの方法。
[本発明1007]
処理済みバラスト水を含む一つのバラストタンクからバラスト水処理システムおよび/またはバラスト水ガス注入システムおよび/またはバラスト水熱処理システムを介して空のバラストタンクへとバラスト水をポンピングする工程をさらに含む、本発明1001〜1006のいずれかの方法。
[本発明1008]
バラストタンクにガスを注入するための手段として、バラストタンクの一つまたは複数の中に設置された少なくとも一つの注入ノズルを含むことを特徴とする、本発明1003〜1007のいずれかの方法。
[本発明1009]
処理しながら空のバラストタンクを満たす工程を含むことを特徴とする、本発明1005の、または本発明1005に従属する場合、本発明1006もしくは1007の方法。
[本発明1010]
少なくとも二つのバラストタンクと、少なくとも一つのバラスト水処理システムと、該バラストタンクの少なくとも一つの中に設置された、バラスト水の処理のための少なくとも一つの注入ノズルとを含む船の中でバラスト水を処理するためのシステムであって、バラスト水を該バラストタンクの一つ一つにポンピングすることができるよう、かつバラスト水を処理済みまたは未処理のいずれかの状態で該バラストタンクの間でポンピングすることができるよう、該バラストタンクが互いに流体連通していることを特徴とする、システム。
[本発明1011]
船体;船尾および船首ならびに右舷側および左舷側を含む船であって、
− 右舷側および/または左舷側に位置する少なくとも三つのバラストタンクと、双方向流を提供することができる、バラスト水導管に接続されたバラスト水ポンピングシステムと、
− 各バラスト水タンクを該バラスト水導管に接続する、閉止可能な供給弁を有する供給管と、
− 海水供給源から該バラスト水導管に通じる閉止可能なバラスト水入口と、
− バラスト水を海に送るために提供された、該バラスト水導管から通じる閉止可能なバラスト水出口と、
− 該バラスト水導管に接続されたバラスト水処理システムであって、該接続が、バラスト水を該バラスト水タンクのいずれか一つから該バラスト水処理システムに通して、またはそれをバイパスさせて選択的にポンピングすることができるように適合されており、該バラスト導管が、閉止可能な循環弁を有する水循環管を備え、該バラスト水循環管が、該バラスト水入口と該バラスト水出口との相互接続のために適合されており、該バラスト水導管が、二つの供給管の間に配置された少なくとも一つの閉止可能な処理弁を備える、バラスト水処理システムと
を含む、船。
[本発明1012]
船が、右舷側または左舷側に位置する少なくとも四つのバラストタンクを含み、さらに、バラスト水導管上に、該バラスト水導管を二つのサブストリングへと分割するように配置された少なくとも一つの処理弁を含み、
各サブストリングが、少なくとも四つのバラスト水タンクを有する側にあり、かつ少なくとも二つの供給管に接続されている、
本発明1011の船。
[本発明1013]
船が、右舷側および左舷側の両方に位置する少なくとも四つのバラストタンクを含み、さらに、右舷側および左舷側それぞれでバラスト水導管上に配置された少なくとも二つの処理弁を含み、
なおさらに、各処理弁が、該バラスト水導管上に、該バラスト水導管を、右舷側および左舷側の両方に位置する二つのサブストリングへと分割するように配置されており、
各サブストリングが少なくとも二つの供給管に接続されている、
本発明1011または1012の船。
[本発明1014]
船が、右舷側に位置する偶数個のバラストタンクを含み、さらに、右舷側でバラスト水導管上に配置された少なくとも一つの処理弁を含み、
該処理弁が、該バラスト水導管上に、該バラスト水導管を、右舷側に位置する二つのサブストリングへと分割するように配置されており、
各サブストリングが同じ数の供給管に接続されている、
本発明1011〜1013のいずれかの船。
[本発明1015]
船が、左舷側に位置する偶数個のバラストタンクを含み、さらに、左舷側でバラスト水導管上に配置された少なくとも一つの処理弁を含み、
該処理弁が、該バラスト水導管上に、該バラスト水導管を、左舷側に位置する二つのサブストリングへと分割するように配置されており、
各サブストリングが同じ数の供給管に接続されている、
本発明1011〜1014のいずれかの船。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】処理システムを含む本発明の第一の態様の略図を示す。
【
図2】処理システムを含む本発明の第二の態様の略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面の詳細な説明
図1は、ここではシステム10と呼ぶ、説明される発明の一つの態様の略図を示す。明確に示すため、システム10の主な特徴を伝えるように略図は簡略化されている。
【0028】
システム10は、バラスト水をバラストタンク23から供給し、バラストタンク23に放出するように働き得る。
【0029】
本発明の一つの態様において、バラスト水は、バラスト水入口/出口24からバラストポンプ19によってポンピングされ、バラスト水導管20、供給管21および供給管弁22を介して各バラストタンク23に分配される。
【0030】
この態様においては、一つのバラストタンク23が空のまま残されるが、システムのオペレータは、バラストタンク23のいずれかを空のまま残し、残りのバラストタンク23にバラスト水を充填することを選択し得る。
【0031】
本発明のもう一つの態様において、バラストタンク23は、バラスト水を残りのバラストタンク23に分配することによって一つのバラストタンク23を空にし得るような量のバラスト水を充填される。
【0032】
ひとたびバラストタンク23がバラスト水ポンプ19によって充填されるならば、入口/出口弁18によってバラスト水入口/出口24を閉じ得る。次いで、バラスト水は、充填されたバラストタンク23からバラスト水ポンプ19によってポンピングされ、処理システム26に入り得る。処理システム26は、処理ユニット28およびガス供給ユニット29を含み得る。ひとたびバラスト水が処理システム26を通過したならば、バラスト水は、処理マニホルド25を介して空のバラストタンクに分配され得る。処理マニホルドは、どのバラストタンク23が充填されるのかに応じて開かれ得る、または閉じられ得る、いくつかのマニホルド弁27を容易にする。
【0033】
処理ユニット28は、低温殺菌熱処理システムまたは、原則として、バラスト水を処理することができる任意の他のシステム、たとえば紫外線放射ユニットを含むシステム、振動、音波、化学処理などに基づくシステムであり得る。
【0034】
ガス供給ユニット29は、窒素生成装置と二酸化炭素生成装置との組み合わせまたは二酸化炭素生成装置のみを含み得、上記または下記において、窒素または二酸化炭素のいずれかに言及するとき、一方のタイプのガスが他方のガスに代わり得るため、一義的には解釈されない。
【0035】
システム10において、バラスト水は、処理済みまたは未処理のいずれかの状態で、所与のバラストタンク23の二つの間で分配され得る。二つのバラストタンク23の間でのバラスト水の分配中、処理ユニット28は、パイパスされてもよいし、または流体が処理されずに通過することを許すように構成されてもよく、ガス供給ユニット29がオフにされてもよい。
【0036】
バラストタンク23の一つまたは複数は、処理マニホルド25に接続された注入ノズル(図示せず)を含み得る。ノズルヘッドは、固定タイプのノズル、または第一の軸を中心に駆動回転されるように構成されたノズル、または第一の軸と第一の軸に対して垂直または非垂直である第二の軸との両方を中心に駆動回転されて二次元または三次元の混合パターンを形成するように構成されたノズル、または一つまたは複数の固定ノズルおよび/または一つまたは複数の回転ノズルを有するノズルヘッドの組み合わせを含み得る。
【0037】
システム10は、同じバラストタンク23に結合された再循環システム(図示せず)を含み得る。たとえば、ノズルヘッドの各列が再循環システムを構成し得、したがって、それぞれ一つ一つの小さな再循環システムがさらに、直前の再循環システムからのバラスト水を処理し、それにより、バラスト水のフロントゾーン中の脱酸素化を増強する。
【0038】
バラスト水の処理においては、任意で、バラスト水中に酸素欠乏または無酸素環境を維持するために、必要ならば、一定の期間または一定の間隔で窒素がバラストタンク23に加えられてもよい。窒素の供給は、窒素供給源が接続され得る処理マニホルド25を介してバラストタンク23中のバラスト水に対して直接実施される。
【0039】
バラストタンク23中の水への窒素の定期的供給はまた、酸素を含有する大気がバラストタンクに流入しないことを保証し得る。
【0040】
図1に示すバラストタンク23は、たとえば右舷側または左舷側または両方の組み合わせに位置し得、処理システム26に接続されたバラストタンク23が四つより多くあってもよいことが理解されよう。
【0041】
図2は、ここではシステム30と呼ぶ、説明される発明の一つの態様の略図を示す。明確に示すため、該システムの主な特徴を伝えるように略図は簡略化されている。
【0042】
システム30は、供給管31、供給弁32、バラストタンク33、バラスト水入口/出口34、バラスト水入口/出口35、処理システム36、循環管38、循環弁37、バラストポンプ42aおよび42b、バラスト水導管40を二つのサブストリング40aおよび40bに分ける処理弁39を含む。
【0043】
処理システム36は、処理システム26に対応し、かつ低温殺菌熱処理システムまたは、原則として、バラスト水を処理することができる任意の他のシステム、たとえば紫外線放射ユニットを含むシステム、振動、音波、化学処理などに基づくシステムを含み得、さらに、上記ガス供給ニット29に対応するガス供給ユニットを含み得る。
【0044】
しかし、試験により、低温殺菌熱処理システムが非常に効率的なシステムであることが示され、また、試験結果は、低温殺菌熱処理システムによる一回の処理が、生物の含量を、IMO(国際海事機関−海運の安全および安全保障ならびに船による海洋汚染の防止を監督する国連専門機関)によって定められた規則に適合するレベルまで減らすのに十分であることを示す。これは、未処理のバラスト水がバラスト水タンクからポンピングされて低温殺菌熱処理システムにおける熱処理に通されたのち海に排出されることを必要とする。そのような一回の処理サイクルは、船が入港する前に実施されることさえもできる。
【0045】
システム30中、バラスト水は、バラスト水ポンプ42aまたは42bを作動させ、バラスト水がバラスト水入口/出口34またはバラスト水入口/出口35から任意の所与のバラストタンク33にポンピングされ得るように処理弁39および供給弁32を設定することにより、海からバラストタンク33に充填され得る。
【0046】
システム30中、バラスト水は、バラスト水ポンプ42aまたは42bを作動させ、処理済みまたは未処理のバラスト水が、バラスト水が充填されたバラストタンク33から空のバラストタンクの中に分配され得るように処理弁39および供給弁32を設定することにより、異なるバラストタンク33の間で分配され得る。
【0047】
システム30中、バラスト水は、バラストポンプ42aおよび42bにより、バラスト水導管40中を右回りまたは左回りに循環し得る。
【0048】
一つの態様において、システム30はクロスオーバ弁43、44を含み得る。
【0049】
システム30中、二つの処理弁39を用いる構成の場合、バラスト水は、共通のサブストリングに接続されていない(複数の)バラストタンク33の間でのみ分配され得る。これは、バラスト水導管40上の処理弁の配置に起因する。
【0050】
システム30は、四つのサブストリング40a、40bおよび二つの処理弁39を含むが、バラストタンク23間のバラスト水導管40上に位置する二つより多い処理弁39を含んでもよい。システム30はまた、八つより多いバラストタンク33を含んでもよく、さらなる処理弁39がバラストタンク33間のバラスト水導管40上に位置してもよい。
【0051】
一つの態様において、システム30は、右舷側に位置する奇数個のバラストタンク33を含み、該船はさらに、右舷側でバラスト水導管40上に配置された少なくとも一つの処理弁39を含み、該処理弁39は、該バラスト水導管40を、右舷側に位置する二つのサブストリング40a、40bへと分割するように該バラスト水導管40上に配置され、一方のサブストリングが、他方のサブストリングよりも一つ多い供給管に接続される。
【0052】
一つの態様において、システム30は、左舷側に位置する奇数個のバラストタンク33を含み、該船はさらに、左舷側でバラスト水導管40上に配置された少なくとも一つの処理弁39を含み、該処理弁39は、該バラスト水導管40を、左舷側に位置する二つのサブストリング40a、40bへと分割するように該バラスト水導管40上に配置され、一方のサブストリングが、他方のサブストリングよりも一つ多い供給管に接続される。