特許第6572225号(P6572225)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 上海海▲優▼威新材料股▲ふん▼有限公司の特許一覧

特許6572225放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム及び作製方法並びにパッケージ用の方法及びアセンブリ
<>
  • 特許6572225-放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム及び作製方法並びにパッケージ用の方法及びアセンブリ 図000019
  • 特許6572225-放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム及び作製方法並びにパッケージ用の方法及びアセンブリ 図000020
  • 特許6572225-放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム及び作製方法並びにパッケージ用の方法及びアセンブリ 図000021
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6572225
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム及び作製方法並びにパッケージ用の方法及びアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/38 20180101AFI20190826BHJP
   C09J 123/00 20060101ALI20190826BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20190826BHJP
   C09J 11/04 20060101ALI20190826BHJP
   C08J 3/28 20060101ALI20190826BHJP
   C08J 3/24 20060101ALI20190826BHJP
   C08K 5/14 20060101ALI20190826BHJP
   C08L 23/08 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   C09J7/38
   C09J123/00
   C09J11/06
   C09J11/04
   C08J3/28CES
   C08J3/24
   C08K5/14
   C08L23/08
【請求項の数】86
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2016-549359(P2016-549359)
(86)(22)【出願日】2015年2月16日
(65)【公表番号】特表2017-512846(P2017-512846A)
(43)【公表日】2017年5月25日
(86)【国際出願番号】CN2015073185
(87)【国際公開番号】WO2015124109
(87)【国際公開日】20150827
【審査請求日】2018年1月26日
(31)【優先権主張番号】201410061030.3
(32)【優先日】2014年2月24日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201410061051.5
(32)【優先日】2014年2月24日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201420092359.1
(32)【優先日】2014年3月3日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201510010023.5
(32)【優先日】2015年1月8日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】316010399
【氏名又は名称】上海海▲優▼威新材料股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shanghai HIUV New Materials Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100158344
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 誠
(72)【発明者】
【氏名】李 民
【審査官】 田澤 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第103013364(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第103289582(CN,A)
【文献】 特開2013−115211(JP,A)
【文献】 特開2013−177506(JP,A)
【文献】 特開2011−111566(JP,A)
【文献】 特開平08−283696(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/007211(WO,A1)
【文献】 特開2013−224354(JP,A)
【文献】 特開2014−013790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00−201/10
C08J 3/00−3/28
C08K 3/00−13/08
C08L 1/00−101/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィン原材料を混合して粘着フィルムを製造するステップと、
前記ポリオレフィン原材料の架橋反応を直接励起可能な照射エネルギーを用いて前記粘着フィルムを照射するステップと、
前記照射エネルギーの照射線量を調整して、前記粘着フィルムでの架橋された部分の架橋度を3〜95%にするステップと、
前記照射エネルギーの照射線量を調整して、前記粘着フィルムの厚さに占める前記架橋部の割合を5〜100%にし、そのうち100%は前記粘着フィルムのすべてが架橋された場合を指すステップと、
を含み、
前記照射エネルギーがβ線、γ線、X線、α線または中性子線のうちの1種類であることを特徴とするパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項2】
前記粘着フィルムの前架橋された部分が少なくとも前記粘着フィルムの表層を構成することを特徴とする請求項1に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項3】
前記ポリオレフィン原材料を混合して粘着フィルムを製造する方法は、T型プレート金型で押し出して製膜する、または2つのカレンダーロールで製膜することを含むことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項4】
前記製膜温度が70〜200℃で、金型温度が70〜200℃であることを特徴とする請求項3に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項5】
前記照射エネルギーの照射線量の調整はポリオレフィン粘着フィルムの積層後の照射または展開後の照射であることを特徴とする請求項1に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項6】
前記ポリオレフィン粘着フィルムがエチレン酢酸ビニル樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項7】
前記エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムはEVA樹脂51〜99.58部、有機過酸化物系架橋剤0.3〜2部、共架橋剤0.01〜5部、酸化防止剤0.1〜2部、シランカップリング剤0.01〜2部、顔料0〜40部、ポリオレフィンエラストマー0〜40部を重量部とすることを特徴とする請求項6に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項8】
前記放射線量が0.2〜100KGYであることを特徴とする請求項6に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項9】
前記粘着フィルムがすべて前架橋された場合、前記放射線照射前架橋エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムの前架橋度が5〜74%であることを特徴とする請求項6に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項10】
前記放射線照射前架橋エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムが単一層、2層または多層の共押出フィルムであることを特徴とする請求項6に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項11】
前記放射線照射前架橋エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムの厚さが0.01〜2mmであることを特徴とする請求項6に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項12】
前記EVA樹脂はVA重量の百分率が20〜35%のEVA樹脂であることを特徴とする請求項7に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項13】
前記有機過酸化物系架橋剤はジアルキルペルオキシド、アルキルアリールペルオキシド、ジアリールペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ジアシルペルオキシド、ペルオキシエステル、ケトンパーオキサイド、ペルオキシ炭酸エステル、ペルオキシケタールのうちの1種類または複数種類を含むことを特徴とする請求項7に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項14】
前記共架橋剤はアクリル酸類、メタクリル酸類、アクリルアミド類、アリル類、エポキシ類化合物のうちの1種類または複数種類を含むことを特徴とする請求項7に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項15】
前記酸化防止剤が光安定剤、UV吸収剤と熱酸化エージング分解剤のうちの1種類または複数種類を含むことを特徴とする請求項7に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項16】
前記シランカップリング剤とは分子に化学的性質が異なる2種類の基が同時に含まれる有機けい素化合物を指すことを特徴とする請求項7に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項17】
前記顔料とはEVAフィルムの色を変えられる添加剤を指し、カーボンブラック、リトポン、硫化亜鉛、二酸化チタン粉末、超微粒子硫酸バリウム、グラスバブルズのうちの1種類または数種類であることを特徴とする請求項7に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項18】
前記ポリオレフィンエラストマーとは、低密度ポリエチレン、エチレンとブチレンまたはオクテンの共重合体のうちの少なくとも1種類である、EVAと混合可能な炭素−炭素鎖樹脂を指すことを特徴とする請求項7に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項19】
前記ポリオレフィンフィルムがポリオレフィンエラストマーフィルムであることを特徴とする請求項1に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項20】
前記ポリオレフィンエラストマーフィルムはポリオレフィンエラストマー69〜99.8部、共架橋剤0.01〜5部、酸化防止剤0.01〜2部、シランカップリング剤0〜2部、有機過酸化物架橋剤0〜2部、顔料0〜20部を重量部とし、
前記ポリオレフィンエラストマーはエチレンとブチレン、アミレン、エチレンまたはオクテンの共重合体の中の1種類または数種類の混合物であり、
前記粘着フィルムのすべてが前架橋した場合、前記放射線照射前架橋ポリオレフィンエラストマーフィルムの架橋度が3〜70%で、前記照射線量が10〜200KGYであることを特徴とする、請求項19に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィンフィルムの作製方法。
【請求項21】
前記放射線量が10〜200KGYであることを特徴とする請求項19に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項22】
前記粘着フィルムがすべて前架橋された場合、前記放射線照射前架橋ポリオレフィンエラストマーフィルムの架橋度が3〜70%であることを特徴とする請求項19に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項23】
前記放射線照射前架橋ポリオレフィンエラストマーフィルムの厚さが0.2〜1mmであることを特徴とする請求項19に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項24】
前記ポリオレフィンエラストマーがエチレンとブチレン、アミレン、ヘキセンまたはオクテンの共重合体の中の1種類または数種類の混合物であることを特徴とする請求項19に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項25】
前記ポリオレフィンエラストマーが極性基によってグラフトされたものまたはグラフトされていないもので、製膜時に極性基小分子添加剤を加え、極性基が、シランカップリング剤、グラフト率が3%を下回る、エラストマー製膜前にエラストマー分子鎖にグラフトされたシランカップリング剤、又はグラフト率が0.6%の、ビニルトリメトキシシランをグラフトしたエチレン−ヘキセン共重合体であることを特徴とする請求項20に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項26】
前記共架橋剤とは多官能モノマーを指し、トリアリルイソシアヌレート、シアヌル酸トリアリル、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリラートのうちの1種類または数種類であることを特徴とする請求項20に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項27】
前記酸化防止剤とは熱酸化エージング分解剤とUV吸収剤を指し、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、セバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)とN,N’−ジ−SEC−ブチル−1,4−フェニレンジアミンのうちの1種類または数種類、フェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、亜リン酸類、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類であることを特徴とする請求項20に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項28】
前記シランカップリング剤とは分子に化学的性質が異なる2種類の基が同時に含まれる有機けい素化合物であることを特徴とする請求項20に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項29】
前記有機過酸化物系架橋剤とは、プラスチックに常用される熱架橋用の有機過酸化物系架橋剤を指し、ジクミルペルオキシド、tert−ブチル=2−エチルペルオキシヘキサノアート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサンのうちの1種類または数種類であることを特徴とする請求項20に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項30】
前記顔料とはポリオレフィンエラストマーフィルムの色を変えられる添加剤を指し、カーボンブラック、リトポン、硫化亜鉛、二酸化チタン粉末、グラスバブルズであることを特徴とする請求項20に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法。
【請求項31】
ポリオレフィンの粘着フィルムにおける照射エネルギーの照射によって架橋された部分がポリオレフィン粘着フィルムの厚さの5〜100%を占め、そのうち100%は前記粘着フィルムがすべて架橋された場合を指し、前記架橋された部分の架橋度が3〜95%であり、
前記照射エネルギーがβ線、γ線、X線、α線または中性子線のうちの1種類であることを特徴とするパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項32】
前記粘着フィルムの架橋された部分が前記粘着フィルムの表層を構成することを特徴とする請求項31に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項33】
前記ポリオレフィン粘着フィルムがエチレン酢酸ビニル樹脂フィルムであることを特徴とする請求項31に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項34】
前記エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムはEVA樹脂51〜99.58部、有機過酸化物系架橋剤0.3〜2部、共架橋剤0.01〜5部、酸化防止剤0.1〜2部、シランカップリング剤0.01〜2部、顔料0〜40部、ポリオレフィンエラストマー0〜40部を重量部とすることを特徴とする請求項33に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項35】
前記粘着フィルムがすべて前架橋された場合、前記放射線照射前架橋エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムの前架橋度が5〜74%であることを特徴とする請求項33に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項36】
前記放射線照射前架橋エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムが単一層、2層または多層の共押出フィルムであることを特徴とする請求項33に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項37】
前記放射線照射前架橋エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムの厚さが0.01〜2mmであることを特徴とする請求項33に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項38】
前記EVA樹脂はVA重量の百分率が20〜35%のEVA樹脂であることを特徴とする請求項34に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項39】
前記有機過酸化物系架橋剤はジアルキルペルオキシド、アルキルアリールペルオキシド、ジアリールペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ジアシルペルオキシド、ペルオキシエステル、ケトンパーオキサイド、ペルオキシ炭酸エステル、ペルオキシケタールのうちの1種または複数種類を含むことを特徴とする請求項34に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項40】
前記共架橋剤はアクリル酸類、メタクリル酸類、アクリルアミド類、アリル類、エポキシ類化合物のうちの1種類または複数種類を含むことを特徴とする請求項34に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項41】
前記酸化防止剤は光安定剤、UV吸収剤と熱酸化エージング分解剤のうちの1種類または複数種類を含むことを特徴とする請求項34に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項42】
前記シランカップリング剤とは分子に化学的性質が異なる2種類の基が同時に含まれる有機けい素化合物を指すことを特徴とする請求項34に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項43】
前記顔料とはEVAフィルムの色を変えられる添加剤を指し、カーボンブラック、リトポン、硫化亜鉛、二酸化チタン粉末、超微粒子硫酸バリウム、グラスバブルズのうちの1種類または数種類であることを特徴とする請求項34に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項44】
前記ポリオレフィンエラストマーとは、低密度ポリエチレン、エチレンとブチレンまたはオクテンの共重合体のうちの少なくとも1種類である、EVAと混合可能な炭素−炭素鎖樹脂を指すことを特徴とする請求項34に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項45】
前記ポリオレフィン粘着フィルムがポリオレフィンエラストマーフィルムであることを特徴とする請求項31に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項46】
前記ポリオレフィンエラストマーフィルムはポリオレフィンエラストマー69〜99.8部、共架橋剤0.01〜5部、酸化防止剤0.01〜2部、シランカップリング剤0〜2部、有機過酸化物系架橋剤0〜2部、顔料0〜20部を重量部とすることを特徴とする請求項45に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項47】
前記粘着フィルムがすべて前架橋された場合、前記放射線照射前架橋ポリオレフィンエラストマーフィルムの架橋度が3〜70%であることを特徴とする請求項45に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項48】
前記放射線照射前架橋ポリオレフィンエラストマーフィルムの厚さが0.2〜1mmであることを特徴とする請求項45に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項49】
前記ポリオレフィンエラストマーはエチレンとブチレン、アミレン、ヘキセンまたはオクテンの共重合体のうちの1種類または数種類の混合物であることを特徴とする請求項45に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項50】
前記ポリオレフィンエラストマーが極性基によってグラフトされたものまたはグラフトされていないもので、製膜時に極性基小分子添加剤を加え、極性基が、シランカップリング剤、グラフト率が3%を下回る、エラストマー製膜前にエラストマー分子鎖にグラフトされたシランカップリング剤、又はグラフト率が0.6%の、ビニルトリメトキシシランをグラフトしたエチレン−ヘキセン共重合体であることを特徴とする請求項46に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項51】
前記共架橋剤とは多官能モノマーを指し、トリアリルイソシアヌレート、シアヌル酸トリアリル、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリラートのうちの1種類または数種類であることを特徴とする請求項46に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項52】
前記酸化防止剤とは熱酸化エージング分解剤とUV吸収剤を指し、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、セバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)とN,N’−ジ−SEC−ブチル−1,4−フェニレンジアミンのうちの1種類または数種類、フェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、亜リン酸類、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類であることを特徴とする請求項46に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項53】
前記シランカップリング剤とは分子に化学的性質が異なる2種類の基が同時に含まれる有機けい素化合物であることを特徴とする請求項46に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項54】
前記有機過酸化物系架橋剤とはプラスチックに常用される熱架橋用の有機過酸化物系架橋剤を指し、ジクミルペルオキシド、tert−ブチル=2−エチルペルオキシヘキサノアート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサンのうちの1種類または数種類であることを特徴とする請求項46に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項55】
前記顔料とはポリオレフィンエラストマーフィルムの色を変えられる添加剤を指し、カーボンブラック、リトポン、硫化亜鉛、二酸化チタン粉末、グラスバブルズであることを特徴とする請求項46に記載のパッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム。
【請求項56】
ポリオレフィン原材料を混合してフィルムを製造するステップと、
前記ポリオレフィン原材料の架橋反応を直接励起可能な照射エネルギーを用いて前記フィルムを照射するステップと、
前記照射エネルギーの照射線量を調整して、前記フィルムでの架橋された部分の架橋度を5%〜95%にするステップと、
前記照射エネルギーの照射線量を調整して、前記フィルムの厚さに占める前記架橋された部分の割合を51〜100%にし、そのうち100%は前記フィルムのすべてが架橋された場合を指すステップと、
前記フィルムを前保護層とパッケージ基板との間に置いてパッケージ対象物と共にパッケージアセンブリを構成し、前記フィルムの前架橋部を前記パッケージ対象物に接触させるステップと、
前記パッケージアセンブリを加熱することにより前記フィルムに更なる架橋反応を起こさせてパッケージを完成させるステップと、
を含み、
前記照射エネルギーがβ線、γ線、X線、α線または中性子線のうちの1種類であることを特徴とする放射線照射前架橋ポリオレフィンフィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項57】
前記粘着フィルムの前架橋された部分が前記粘着フィルムの表層を構成することを特徴とする請求項56に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項58】
前記ポリオレフィン原材料を混合して粘着フィルムを製造する方法はT型プレート金型で押し出して製膜する、または2つのカレンダーロールで製膜することを含むことを特徴とする請求項56に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項59】
前記製膜温度が70〜200℃で、金型温度が70〜200℃であることを特徴とする請求項58に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項60】
前記照射はポリオレフィン粘着フィルム全体に対する照射または展開後の照射であることを特徴とする請求項56に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項61】
前記ポリオレフィン粘着フィルムがエチレン酢酸ビニル樹脂フィルムであることを特徴とする請求項56に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項62】
前記エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムはEVA樹脂51〜99.58部、有機過酸化物系架橋剤0.3〜2部、共架橋剤0.01〜5部、酸化防止剤0.1〜2部、シランカップリング剤0.01〜2部、顔料0〜40部、ポリオレフィンエラストマー0〜40部を重量部とすることを特徴とする請求項61に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項63】
放射線量が0.2〜100KGYであることを特徴とする請求項61に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項64】
前記粘着フィルムがすべて前架橋された場合、前記放射線照射前架橋エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムの前架橋度が5〜74%であることを特徴とする請求項61に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項65】
前記放射線照射前架橋エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムが単一層、2層または多層の共押出フィルムであることを特徴とする請求項61に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項66】
前記放射線照射前架橋エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムの厚さが0.01〜2mmであることを特徴とする請求項61に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項67】
前記ポリオレフィン粘着フィルムがポリオレフィンエラストマーフィルムであることを特徴とする請求項56に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項68】
前記ポリオレフィンエラストマーフィルムはポリオレフィンエラストマー69〜99.8部、共架橋剤0.01〜5部、酸化防止剤0.01〜2部、シランカップリング剤0〜2部、有機過酸化物系架橋剤0〜2部、顔料0〜20部を重量部とすることを特徴とする請求項67に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項69】
前記放射線量が10〜200KGYであることを特徴とする請求項67に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項70】
前記粘着フィルムがすべて前架橋された場合、前記放射線照射前架橋ポリオレフィンエラストマーフィルムの架橋度が3〜70%であることを特徴とする請求項67に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項71】
前記放射線照射前架橋ポリオレフィンエラストマーフィルムの厚さが0.2〜1mmであることを特徴とする請求項67に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項72】
前記ポリオレフィンエラストマーはエチレンとブチレン、アミレン、ヘキセンまたはオクテンの共重合体のうちの1種類または数種類の混合物であることを特徴とする請求項67に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項73】
前記パッケージアセンブリの加熱・パッケージング時に、前記パッケージアセンブリに対する加圧または真空排気してパッケージすることを特徴とする請求項56に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項74】
前記パッケージ対象部は結晶シリコン太陽電池、発光半導体LED、有機発光半導体OLED、又はディスプレイを含むことを特徴とする請求項56に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項75】
前記前保護層と前記パッケージ基板との間に、少なくとも1層が前記前架橋粘着フィルムである粘着フィルムが2層設けられ、その間にパッケージ対象部が設けられることを特徴とする請求項56に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項76】
前記前保護層が透明保護層で、具体的には透明ガラス、透明セラミックスまたは透明プラスチックであることを特徴とする請求項56に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項77】
前記粘着フィルムはEVA(エチレン酢酸ビニル樹脂)粘着フィルムと前架橋EVA粘着フィルムをそれぞれ1層備え、前記EVA粘着フィルムが前記前保護層に近い箇所に設けられることを特徴とする請求項56に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項78】
前記粘着フィルム2層がいずれも前架橋POE(ポリオレフィンエラストマー)粘着フィルムであることを特徴とする請求項56に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項79】
前記パッケージ基板がガラス、セラミックスまたはプラスチックであることを特徴とする請求項56に記載の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法。
【請求項80】
ポリオレフィンの粘着フィルムにおける照射エネルギーの照射によって架橋された部分がポリオレフィン粘着フィルムの厚さの51〜100%を占め、そのうち100%は前記粘着フィルムがすべて架橋された場合を指し、前記架橋された部分の架橋度が5〜95%であり、
前保護層とパッケージ基板との間にパッケージ対象部と共にパッケージアセンブリを構成する放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムが設けられ、前記粘着フィルムの前架橋部が前記パッケージ対象部と接触し、
前記照射エネルギーがβ線、γ線、X線、α線または中性子線のうちの1種類であることを特徴とするパッケージアセンブリ。
【請求項81】
前記パッケージ対象部は結晶シリコン太陽電池、発光半導体LED、有機発光半導体OLED、ディスプレイを含むことを特徴とする請求項80に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項82】
前記前保護層と前記パッケージ基板との間に、少なくとも1層が前記前架橋粘着フィルムである粘着フィルムが2層設けられ、その間にパッケージ対象部が設けられることを特徴とする請求項80に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項83】
前記前保護層が透明保護層で、具体的には透明ガラス、透明セラミックスまたは透明プラスチックであることを特徴とする請求項80に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項84】
前記粘着フィルムがEVA(エチレン酢酸ビニル樹脂)粘着フィルムと前架橋EVA粘着フィルムをそれぞれ1層備え、前記EVA粘着フィルムが前記前保護層に近い箇所に設けられることを特徴とする請求項80に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項85】
前記粘着フィルム2層がいずれも前架橋POE(ポリオレフィンエラストマー)粘着フィルムであることを特徴とする請求項80に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項86】
前記パッケージ基板がガラス、セラミックスまたはプラスチックであることを特徴とする請求項80に記載のパッケージアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粘着フィルム及びその作製方法並びに該粘着フィルムを用いる方法及びアセンブリに関わり、特にパッケージ分野用のポリオレフィン粘着フィルム及びその作製方法並びに該粘着フィルムを用いるパッケージ方法及びアセンブリに関わる。
【背景技術】
【0002】
パッケージ工程は半導体デバイス、結晶シリコン太陽電池、発光半導体LED、有機発光半導体OLED、ディスプレイなどの分野で幅広く利用されており、そのうち、パッケージ用の粘着フィルムはパッケージの接着及びパッケージ対象部の保護に用いられる。ポリオレフィンはパッケージ用の粘着フィルムに常用される材料であり、中でもエチレン酢酸ビニル樹脂、ポリオレフィンエラストマーは従来のポリオレフィン系のパッケージ材料のうち、最も常用されている2種類である。
【0003】
エチレン酢酸ビニル樹脂とはEVA樹脂のことをいい、ソール素材、農業用フィルムとホットメルト接着剤として使用できる。ホットメルト接着剤として使用する場合、VA(酢酸ビニル)の含有量が比較的高いEVAを用いるため、その融点は通常90°C以下と低い。ホットメルト接着剤としての粘着フィルムは利用前に、グルースティックまたは粘着フィルムに製造されるのが一般的である。使用者はグルースティックまたは粘着フィルムを調達し、実際の工程に応じて利用している。EVA樹脂における酢酸ビニル(すなわちVA)の含有量が25〜33%である場合、その透明性は高く、透過率が90%を超えるだけでなく、フレキシビリティーにも優れている。VAの含有量が上記範囲にあるEVA樹脂は、複層ガラスにおける積層フィルムまたは太陽電池モジュールにおけるパッケージ用フィルムとしての利用に非常に適している。それはガラスが受けた衝撃を吸収するほか、太陽電池モジュールにおけるガラス後部の脆性の高い太陽電池を保護することもできる。しかし、このVAの範囲のEVA樹脂は融点が60〜80°Cであって、軟化点が室温を遥かに下回るため、室温で寸法の安定性とEVA樹脂それ自体の強度を長時間維持することができず、架橋しなければ長時間利用することができない。架橋の目的を果たすためには、この用途のEVAフィルムには熱架橋剤が加えられていなければならないが、通常はジクミルペルオキシド(DCP)、炭酸tert−ブチルオキシ(2−エチルヘキシル)(TBEC)といった有機過酸化物である。架橋剤が加えられたEVAフィルムは複層ガラスのガラス間または太陽電池モジュールのガラス後部における電池の上下側に敷設され、真空排気をしながら135°C以上まで加熱することで、EVA樹脂が溶解してガラス間または電池との間の隙間を埋めるとともに、過酸化物の分解によるEVA樹脂の架橋を引き起こす。この場合、EVA樹脂の架橋度は75〜95%に達することができる。EVAフィルムは架橋によって熱硬化性材料となり、弾性はあるが溶解はせず、形状と強度を永久的に維持することができる。常用されるEVAフィルムは利用前に架橋度がゼロで寸法の安定性が低いため、加熱して利用する際にガラスの縁部から溢れ出して加工装置を汚しがちである。有色EVAフィルムと透明EVAフィルムが上部と下部に敷設されて同時に利用される場合、寸法の安定性が悪いため、有色フィルムと透明フィルムとの界面がはっきりとせず外観に影響を及ぼしてしまうことがよくある。
【0004】
ポリオレフィンエラストマーとはPOE樹脂で、具体的にはエチレンとブチレン、アミレン、ヘキセンまたはオクテンとの共重合体のことをいい、最初は米国ダウ・ケミカル社が発明した、メタロセンを触媒とした分子量分布が狭く短鎖分岐度分布が均一であるエラストマーエチレンとオクテンとの共重合体であった。ポリオレフィンエラストマーにおけるエチレン鎖結晶領域は物理架橋点であり、長鎖のブチレン、アミレン、ヘキセンまたはオクテンはゴムの弾性とプラスチックの熱硬化性の2つの特性を同時に備えた無定形ゴム相を形成する。それはポリオレフィン、とりわけポリエチレンやポリプロピレンと相溶性がよいとともに、不飽和結合がないことから耐候性がよく、変性ポリプロピレン製の自動車部品など、変性ポリオレフィンの加工に多く利用されている。ポリオレフィンエラストマーは溶融温度が通常50〜70°Cと低いため、単独での利用が極めて少ない。国内外でポリオレフィンエラストマーの単独利用またはポリオレフィンエラストマーを主成分とした利用をめぐる報道が稀に見られる。ダウ・ケミカル社はポリオレフィンエラストマーとポリエチレンを混合したポリオレフィンエラストマー粘着フィルムを太陽光発電モジュールに常用されるEVA粘着フィルムに代わる材料として発売したが、その主成分は高融点のポリエチレンと低融点のポリオレフィンエラストマーとを混合することで混合物の融点のピークを100°C以上にするポリオレフィンエラストマーである。特許CN103289582Aでは、ポリオレフィンエラストマーはシラングラフト後に有機過酸化物を加えてフィルムを作製し、使用時に加熱で過酸化物の分解による架橋反応を起こさせてポリオレフィンエラストマーの耐熱性を高めることが開示されている。ポリオレフィンエラストマーは融点が非常に低いため、高融点のポリエチレンまたは架橋剤が加えられた場合でも、エラストマー部の融点は依然として低く、加熱過程においてエラストマーがすぐに溶けてしまい非常に利用しにくく、または融点が低いことから輸送・保存をする上で厳しい温度要件が求められているため、その利用が制限されていた。
【0005】
EVA粘着フィルムやPOE粘着フィルムにかかわらず、その融点はいずれも低い。太陽電池モジュール積層工程の加熱温度は通常両者の溶融温度を遥かに上回る135〜150°Cである。積層過程において段階的に溶解していくため、その過程では粘着フィルムの寸法安定性を維持することができず、積層前後に寸法と形状が著しく変化してしまう。最もわかりやすい例として、寸法がガラスより小さい粘着フィルム2層が積層後にガラスの周囲から溢れ出す、または粘着フィルム2層のうちの1層が有色フィルムである場合、積層後に粘着フィルム間の界面がはっきりとせず互いに浸透し合うことが挙げられる。これらの問題はいずれも、アセンブリの最終品質への悪い影響またはアセンブリ製造工程の増加をもたらしてしまう。
【0006】
パッケージアセンブリの作製工程における、ホットメルト接着剤としてのEVAフィルム、POEフィルムといったポリオレフィンパッケージ粘着フィルムの耐熱性をいかに高めて界面がよりはっきりとしたパッケージ効果を得るかが重要な課題になっている。
【0007】
放射線架橋はさまざまな放射線で高分子重合体の高分子の長鎖の間の架橋反応を起こさせる技術的手段である。放射線は、α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマー)、Xと中性子などの放射線といった、物質に直接的または間接的に電離作用(すなわち原子または分子が電子を得るまたは失うことでイオンになること)を及ぼす電離放射線と、可視光、紫外線、音放射、熱放射と低エネルギー電磁放射といった非電離放射線という2種類に分けられる。高分子重合体の分子鎖間の結合力が強くないため、材料全体が外力や環境温度の影響を受ける場合に変形または破壊が生じて、その応用が制限されていた。架橋反応により、高分子重合体の高分子の長鎖の間に化学結合をはじめとする結合点が形成され、その物理的性質と化学的性質が改善されるため、高分子重合体に対する非常に効果的な変性手段である。放射線架橋時に、高分子重合体自体と放射線発生装置とに物理的接触も反応前後の変形もないが、その内部には架橋反応が生じている。共重合体は製品を直接放射線に置いて架橋反応を起こさせることができるほか、架橋助剤を加えることで放射線架橋の効率を高めることもできる。しかし、紫外線といった非電離放射線は透過力が弱く硬化深度が限られており、UV硬化をするには光重合開始剤を加えなければならないため、高分子重合体に対する一部架橋操作は難しいかまたはできない。しかし、β線、γ線、X線など、高分子重合体の架橋反応を直接起こさせる照射エネルギーを用いた場合、光重合開始剤を必要とせず、より操作しやすくなり一部架橋をする上でより良好な効果が得られる。
【0008】
現在、放射線架橋は熱収縮チューブの製造に用いられることが多く、照射されたプラスチックが架橋により形状記憶力を備えるようになるため、室温で照射されたプラスチックパイプを拡張して、受熱後に元の形状に戻る能力を持たせる。また、放射線架橋によって電線の使用温度が上昇して自動車エンジンの周囲における高温環境での要件を満たすことができるため、自動車用電線の製造にも多く利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】中国特許出願公開第103289582A号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、太陽光発電、発光半導体LED、有機発光半導体OLED、ディスプレイなどの分野のアセンブリパッケージ過程での、前記EVAフィルム、POEフィルムをはじめとするポリオレフィンパッケージ用フィルムの欠陥を克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、ポリオレフィン原材料を混合して粘着フィルムを製造するステップと、ポリオレフィン原材料の架橋反応を直接励起可能な照射エネルギーを用いて粘着フィルムを照射するステップと、照射エネルギーの照射線量を調整して、粘着フィルムでの架橋された部分の架橋度を3〜95%にするステップと、照射エネルギーの照射線量を調整して、粘着フィルムの厚さに占める架橋部の割合を5〜100%にし、そのうち100%は粘着フィルムのすべてが架橋された場合を指すステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、粘着フィルムの前架橋された部分が少なくとも粘着フィルムの表層を構成することを特徴とする。
【0013】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、照射エネルギーがβ線、γ線、X線、α線または中性子線のうちの1種類であることを特徴とする。
【0014】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法、ポリオレフィン原材料を混合して粘着フィルムを製造する方法であって、T型プレート金型で押し出して製膜する、または2つのカレンダーロールで製膜することを含むがこれらに限らないことを特徴とする。
【0015】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、製膜温度が70〜200℃で、金型温度が70〜200℃であることを特徴とする。
【0016】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、照射エネルギーの照射線量の調整はポリオレフィン粘着フィルムの積層後の照射または展開後の照射であってよいことを特徴とする。
【0017】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、ポリオレフィン粘着フィルムがエチレン酢酸ビニル樹脂フィルムであることを特徴とする。
【0018】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムはEVA樹脂51〜99.58部、有機過酸化物系架橋剤0.3〜2部、共架橋剤0.01〜5部、酸化防止剤0.1〜2部、シランカップリング剤0.01〜2部、顔料0〜40部、ポリオレフィンエラストマー0〜40部を重量部とすることを特徴とする。
【0019】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、放射線量が0.2〜100KGYであることを特徴とする。
【0020】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、粘着フィルムがすべて前架橋された場合、放射線照射前架橋エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムの前架橋度が5〜74%であることを特徴とする。
【0021】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、放射線照射前架橋エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムが単一層、2層または多層の共押出フィルムであることを特徴とする。
【0022】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、放射線照射前架橋エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムの厚さが0.01〜2mmで、より好ましくは、0.3〜0.7mmであることを特徴とする。
【0023】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、EVA樹脂はVA重量の百分率が20〜35%のEVA樹脂で、より好ましくはVA含有量が25〜33%のEVA樹脂であることを特徴とする。
【0024】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、有機過酸化物系架橋剤はジアルキルペルオキシド、アルキルアリールペルオキシド、ジアリールペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ジアシルペルオキシド、ペルオキシエステル、ケトンパーオキサイド、ペルオキシ炭酸エステル、ペルオキシケタールのうちの1種類または複数種類を含むがこれらに限らないことを特徴とする。
【0025】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、共架橋剤はアクリル酸類、メタクリル酸類、アクリルアミド類、アリル類、エポキシ類化合物のうちの1種類または複数種類を含むがこれらに限らないことを特徴とする。
【0026】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、酸化防止剤が光安定剤、UV吸収剤と熱酸化エージング分解剤のうちの1種類または複数種類を含むがこれらに限らないことを特徴とする。
【0027】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、シランカップリング剤とは分子に化学的性質が異なる2種類の基が同時に含まれる有機けい素化合物を指すことを特徴とする。
【0028】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、顔料とはEVAフィルムの色を変えられる添加剤を指し、カーボンブラック、リトポン、硫化亜鉛、二酸化チタン粉末、超微粒子硫酸バリウム、グラスバブルズのうちの1種類または数種類であってよいがこれらに限らないことを特徴とする。
【0029】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、ポリオレフィンエラストマーとは、低密度ポリエチレン、エチレンとブチレンまたはオクテンの共重合体のうちの少なくとも1種類である、EVAと混合可能な炭素−炭素鎖樹脂を指すことを特徴とする。
【0030】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、ポリオレフィンフィルムがポリオレフィンエラストマーフィルムであることを特徴とする。
【0031】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィンフィルムの作製方法であって、ポリオレフィンエラストマーフィルムはポリオレフィンエラストマー69〜99.8部、共架橋剤0.01〜5部、酸化防止剤0.01〜2部、シランカップリング剤0〜2部、有機過酸化物架橋剤0〜2部、顔料0〜20部を重量部とし、ポリオレフィンエラストマーはエチレンとブチレン、アミレン、エチレンまたはオクテンの共重合体の中の1種類または数種類の混合物であり、粘着フィルムのすべてが前架橋した場合、放射線照射前架橋ポリオレフィンエラストマーフィルムの架橋度が3〜70%で、照射線量が10〜200KGYであることを特徴とする。
【0032】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、放射線量が10〜200KGYであることを特徴とする。
【0033】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、粘着フィルムがすべて前架橋された場合、放射線照射前架橋ポリオレフィンエラストマーフィルムの架橋度が3〜70%であることを特徴とする。
【0034】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、放射線照射前架橋ポリオレフィンエラストマーフィルムの厚さが0.2〜1mmで、より好ましくは0.3〜0.7mmであることを特徴とする。
【0035】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、ポリオレフィンエラストマーがエチレンとブチレン、アミレン、ヘキセンまたはオクテンの共重合体の中の1種類または数種類の混合物であることを特徴とする。
【0036】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、ポリオレフィンエラストマーが極性基によってグラフトされたものまたはグラフトされていないもので、製膜時に極性基小分子添加剤を加え、好ましくは極性基がシランカップリング剤で、より好ましくはグラフト率が3%を下回る、エラストマー製膜前にエラストマー分子鎖にグラフトされたシランカップリング剤で、さらに好ましくはグラフト率が0.6%の、ビニルトリメトキシシランをグラフトしたエチレン−ヘキセン共重合体であることを特徴とする。
【0037】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、共架橋剤とは多官能モノマーを指し、トリアリルイソシアヌレート、シアヌル酸トリアリル、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリラートのうちの1種類または数種類であってよいがこれらに限らないことを特徴とする。
【0038】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、酸化防止剤とは熱酸化エージング分解剤とUV吸収剤を指し、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、セバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)とN,N’−ジ−SEC−ブチル−1,4−フェニレンジアミンのうちの1種類または数種類に限らない、フェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、亜リン酸類、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類であってよいがこれらに限らないことを特徴とする。
【0039】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、シランカップリング剤とは分子に化学的性質が異なる2種類の基が同時に含まれる有機けい素化合物を指し、好ましくはKH550であることを特徴とする。
【0040】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、有機過酸化物系架橋剤とは、プラスチックに常用される熱架橋用の有機過酸化物系架橋剤を指し、ジクミルペルオキシド、tert−ブチル=2−エチルペルオキシヘキサノアート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサンのうちの1種類または数種類であってよいがこれらに限らないことを特徴とする。
【0041】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、顔料とはポリオレフィンエラストマーフィルムの色を変えられる添加剤を指し、カーボンブラック、リトポン、硫化亜鉛、二酸化チタン粉末、グラスバブルズであってよいがこれらに限らないことを特徴とする。
【0042】
本発明は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの提供を他の目的としている。この放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムは、粘着フィルムの物理的・化学的性質を変えずに、使用前に適切な架橋度を備えさせることで、フィルムの寸法安定性と耐熱性を向上させた。使用時に、真空排気と加熱積層によって必要な架橋範囲である75〜95%の範囲に達することもでき、2層以上のポリオレフィン粘着フィルム、とりわけ透明ポリオレフィンフィルムと有色ポリオレフィンフィルムとが同時に利用される場合、寸法の安定性に優れているためフィルム間で互いに浸透し合うことがなく、パッケージアセンブリの界面が非常にはっきりとして、優れた外観を有し、幅広い普及と応用に適する。本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムの作製方法であって、ポリオレフィン粘着フィルムにおける照射エネルギーの照射によって架橋された部分がポリオレフィン粘着フィルムの厚さの5〜100%を占め、そのうち100%は粘着フィルムがすべて架橋された場合を指し、架橋部の架橋度が3〜95%であることを特徴とする。
【0043】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、粘着フィルムの架橋された部分が粘着フィルムの表層を構成することを特徴とする。
【0044】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、ポリオレフィン粘着フィルムがエチレン酢酸ビニル樹脂フィルムであることを特徴とする。
【0045】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムはEVA樹脂51〜99.58部、有機過酸化物系架橋剤0.3〜2部、共架橋剤0.01〜5部、酸化防止剤0.1〜2部、シランカップリング剤0.01〜2部、顔料0〜40部、ポリオレフィンエラストマー0〜40部を重量部とすることを特徴とする。
【0046】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、粘着フィルムがすべて前架橋された場合、放射線照射前架橋エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムの前架橋度が5〜74%であることを特徴とする。
【0047】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、放射線照射前架橋エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムが単一層、2層または多層の共押出フィルムであることを特徴とする。
【0048】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、放射線照射前架橋エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムの厚さが0.01〜2mmで、より好ましくは0.3〜0.7mmであることを特徴とする。
【0049】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、EVA樹脂はVA重量の百分率が20〜35%のEVA樹脂で、より好ましくはVA含有量が25〜33%のEVA樹脂であることを特徴とする。
【0050】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、有機過酸化物系架橋剤はジアルキルペルオキシド、アルキルアリールペルオキシド、ジアリールペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ジアシルペルオキシド、ペルオキシエステル、ケトンパーオキサイド、ペルオキシ炭酸エステル、ペルオキシケタールのうちの1種または複数種類を含むがこれらに限らないことを特徴とする。
【0051】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、共架橋剤はアクリル酸類、メタクリル酸類、アクリルアミド類、アリル類、エポキシ類化合物のうちの1種類または複数種類を含むがこれらに限らないことを特徴とする。
【0052】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、酸化防止剤は光安定剤、UV吸収剤と熱酸化エージング分解剤のうちの1種類または複数種類を含むがこれらに限らないことを特徴とする。
【0053】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、シランカップリング剤とは分子に化学的性質が異なる2種類の基が同時に含まれる有機けい素化合物を指すことを特徴とする。
【0054】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、顔料とはEVAフィルムの色を変えられる添加剤を指し、カーボンブラック、リトポン、硫化亜鉛、二酸化チタン粉末、超微粒子硫酸バリウム、グラスバブルズのうちの1種類または数種類であってよいがこれらに限らないことを特徴とする。
【0055】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、ポリオレフィンエラストマーとは、低密度ポリエチレン、エチレンとブチレンまたはオクテンの共重合体のうちの少なくとも1種類である、EVAと混合可能な炭素−炭素鎖樹脂を指すことを特徴とする。
【0056】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、ポリオレフィン粘着フィルムがポリオレフィンエラストマーフィルムであることを特徴とする。
【0057】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、ポリオレフィンエラストマーフィルムはポリオレフィンエラストマー69〜99.8部、共架橋剤0.01〜5部、酸化防止剤0.01〜2部、シランカップリング剤0〜2部、有機過酸化物系架橋剤0〜2部、顔料0〜20部を重量部とすることを特徴とする。
【0058】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、粘着フィルムがすべて前架橋された場合、放射線照射前架橋ポリオレフィンエラストマーフィルムの架橋度が3〜70%であることを特徴とする。
【0059】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、放射線照射前架橋ポリオレフィンエラストマーフィルムの厚さが0.2〜1mmで、より好ましくは0.3〜0.7mmであることを特徴とする。
【0060】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、ポリオレフィンエラストマーはエチレンとブチレン、アミレン、ヘキセンまたはオクテンの共重合体のうちの1種類または数種類の混合物であることを特徴とする。
【0061】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、ポリオレフィンエラストマーが極性基によってグラフトされたものまたはグラフトされていないもので、製膜時に極性基小分子添加剤を加え、好ましくは極性基がシランカップリング剤で、より好ましくはグラフト率が3%を下回る、エラストマー製膜前にエラストマー分子鎖にグラフトされたシランカップリング剤で、さらに好ましくはグラフト率が0.6%の、ビニルトリメトキシシランをグラフトしたエチレン−ヘキセン共重合体であることを特徴とする。
【0062】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、共架橋剤とは多官能モノマーを指し、トリアリルイソシアヌレート、シアヌル酸トリアリル、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリラートのうちの1種類または数種類であってよいがこれらに限らないことを特徴とする。
【0063】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、酸化防止剤とは熱酸化エージング分解剤とUV吸収剤を指し、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、セバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)とN,N’−ジ−SEC−ブチル−1,4−フェニレンジアミンのうちの1種類または数種類に限らない、フェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、亜リン酸類、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類であってよいがこれらに限らないことを特徴とする。
【0064】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、シランカップリング剤とは分子に化学的性質が異なる2種類の基が同時に含まれる有機けい素化合物を指し、好ましくはKH550であることを特徴とする。
【0065】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、有機過酸化物系架橋剤とはプラスチックに常用される熱架橋用の有機過酸化物系架橋剤を指し、ジクミルペルオキシド、tert−ブチル=2−エチルペルオキシヘキサノアート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサンのうちの1種類または数種類であってよいがこれらに限らないことを特徴とする。
【0066】
本発明の一態様は、パッケージ用の放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムであって、顔料とはポリオレフィンエラストマーフィルムの色を変えられる添加剤を指し、カーボンブラック、リトポン、硫化亜鉛、二酸化チタン粉末、グラスバブルズであってよいがこれらに限らないことを特徴とする。
【0067】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィンフィルムを用いたパッケージ方法であって、ポリオレフィン原材料を混合してフィルムを製造するステップと、ポリオレフィン原材料の架橋反応を直接励起可能な照射エネルギーを用いてフィルムを照射するステップと、照射エネルギーの照射線量を調整して、フィルムでの架橋された部分の架橋度を5%〜95%にするステップと、照射エネルギーの照射線量を調整して、フィルムの厚さに占める架橋された部分の割合を51〜100%にし、そのうち100%はフィルムのすべてが架橋された場合を指すステップと、フィルムを前保護層とパッケージ基板との間に置いてパッケージ対象物と共にパッケージアセンブリを構成し、フィルムの前架橋部をパッケージ対象物に接触させるステップと、パッケージアセンブリを加熱することによりフィルムに更なる架橋反応を起こさせてパッケージを完成させるステップと、を含むことを特徴とする。
【0068】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、粘着フィルムの架橋された部分が粘着フィルムの表層を構成することを特徴とする。
【0069】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、照射エネルギーがβ線、γ線、X線、α線または中性子線のうちの1種類であることを特徴とする。
【0070】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、ポリオレフィン原材料を混合して粘着フィルムを製造する方法はT型プレート金型で押し出して製膜する、または2つのカレンダーロールで製膜することを含むがこれらに限らないことを特徴とする。
【0071】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、製膜温度が70〜200℃で、金型温度が70〜200℃であることを特徴とする。
【0072】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、照射はポリオレフィン粘着フィルム全体に対する照射または展開後の照射であってよいことを特徴とする。
【0073】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、ポリオレフィン粘着フィルムがエチレン酢酸ビニル樹脂フィルムであることを特徴とする。
【0074】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムはEVA樹脂51〜99.58部、有機過酸化物系架橋剤0.3〜2部、共架橋剤0.01〜5部、酸化防止剤0.1〜2部、シランカップリング剤0.01〜2部、顔料0〜40部、ポリオレフィンエラストマー0〜40部を重量部とすることを特徴とする。
【0075】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、放射線量が0.2〜100KGYであることを特徴とする。
【0076】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、粘着フィルムがすべて前架橋された場合、放射線照射前架橋エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムの前架橋度が5〜74%であることを特徴とする。
【0077】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、放射線照射前架橋エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムが単一層、2層または多層の共押出フィルムであることを特徴とする。
【0078】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、放射線照射前架橋エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムの厚さが0.01〜2mmで、より好ましくは0.3〜0.7mmであることを特徴とする。
【0079】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、ポリオレフィン粘着フィルムがポリオレフィンエラストマーフィルムであることを特徴とする。
【0080】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、ポリオレフィンエラストマーフィルムはポリオレフィンエラストマー69〜99.8部、共架橋剤0.01〜5部、酸化防止剤0.01〜2部、シランカップリング剤0〜2部、有機過酸化物系架橋剤0〜2部、顔料0〜20部を重量部とすることを特徴とする。
【0081】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、放射線量が10〜200KGYであることを特徴とする。
【0082】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、粘着フィルムがすべて前架橋された場合、放射線照射前架橋ポリオレフィンエラストマーフィルムの架橋度が3〜70%であることを特徴とする。
【0083】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、放射線照射前架橋ポリオレフィンエラストマーフィルムの厚さが0.2〜1mmで、より好ましくは0.3〜0.7mmであることを特徴とする。
【0084】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、ポリオレフィンエラストマーはエチレンとブチレン、アミレン、ヘキセンまたはオクテンの共重合体のうちの1種類または数種類の混合物であることを特徴とする。
【0085】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、パッケージアセンブリの加熱・パッケージング時に、パッケージアセンブリに対する加圧または真空排気してパッケージすることもできることを特徴とする。
【0086】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、パッケージ対象部は結晶シリコン太陽電池、発光半導体LED、有機発光半導体OLED、ディスプレイなどを含むがこれらに限らないことを特徴とする。
【0087】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、前保護層とパッケージ基板との間に、少なくとも1層が前架橋粘着フィルムである粘着フィルムが2層設けられ、その間にパッケージ対象部が設けられることを特徴とする。
【0088】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、前保護層が透明保護層で、具体的には透明ガラス、透明セラミックスまたは透明プラスチックなどであることを特徴とする。
【0089】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、粘着フィルムはEVA(エチレン酢酸ビニル樹脂)粘着フィルムと前架橋EVA粘着フィルムをそれぞれ1層備え、EVA粘着フィルムが前保護層に近い箇所に設けられることを特徴とする。
【0090】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、粘着フィルム2層がいずれも前架橋POE(ポリオレフィンエラストマー)粘着フィルムであることを特徴とする。
【0091】
本発明の一態様は、放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムを用いたパッケージ方法であって、パッケージ基板がガラス、セラミックスまたはプラスチックなどであることを特徴とする。
【0092】
本発明の一態様は、パッケージアセンブリの作製方法であって、前保護層とパッケージ基板との間にパッケージ対象部と共にパッケージアセンブリを構成する放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルムが設けられ、粘着フィルムの前架橋部がパッケージ対象部と接触することを特徴とする。
【0093】
本発明の一態様は、パッケージアセンブリであって、パッケージ対象部は結晶シリコン太陽電池、発光半導体LED、有機発光半導体OLED、ディスプレイなどを含むがこれらに限らないことを特徴とする。
【0094】
本発明の一態様は、パッケージアセンブリであって、前保護層とパッケージ基板との間に、少なくとも1層が前架橋粘着フィルムである粘着フィルムが2層設けられ、その間にパッケージ対象部が設けられることを特徴とする。
【0095】
本発明の一態様は、パッケージアセンブリであって、前保護層が透明保護層で、具体的には透明ガラス、透明セラミックスまたは透明プラスチックなどであることを特徴とする。
【0096】
本発明の一態様は、パッケージアセンブリであって、粘着フィルムがEVA(エチレン酢酸ビニル樹脂)粘着フィルムと前架橋EVA粘着フィルムをそれぞれ1層備え、EVA粘着フィルムが前保護層に近い箇所に設けられることを特徴とする。
【0097】
本発明の一態様は、パッケージアセンブリであって、粘着フィルム2層がいずれも前架橋POE(ポリオレフィンエラストマー)粘着フィルムであることを特徴とする。
【0098】
本発明の一態様は、パッケージアセンブリであって、パッケージ基板がガラス、セラミックスまたはプラスチックなどであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0099】
先行技術と比較して、本発明は次の利点と有益な効果を有する。本発明では、高エネルギー放射線でポリオレフィン粘着フィルムを照射して前架橋を発生させる。使用前に前架橋されたフィルムであるため、前架橋ポリオレフィン粘着フィルムは前架橋されていないポリオレフィン粘着フィルムと比べて、フィルムの寸法安定性と耐熱性が大幅に向上し、前架橋されていないフィルムのパッケージング時の加熱により大きな寸法変化や変形が起こるという欠点を回避し、パッケージ対象アセンブリにおいて界面がはっきりとしたパッケージ効果に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0100】
図1】放射線照射前架橋ポリオレフィンフィルムを用いたパッケージアセンブリにかかる実施例を示す図である。
図2】放射線照射前架橋ポリオレフィンフィルムを用いたパッケージアセンブリにかかる他の実施例を示す図である。
図3】放射線照射前架橋ポリオレフィンフィルムを用いたパッケージアセンブリにかかるさらに別の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0101】
本発明に技術内容を詳細に説明するために、実施例を用いて説明する。
【実施例1】
【0102】
【表1】
【0103】
上記成分を充分に混合して、押出機温度が110℃で、金型温度が110℃である押出機に加えた。T型プレート金型で押し出して製膜できるほか、2つのカレンダーロールでも直接製膜できる。巻き取りは、フィルムの厚みが0.3mmで、一巻きの長さが100mであった。該非架橋型フィルムは3インチの紙管で巻き取った。
【0104】
上記非架橋型フィルムの1巻全部または複数巻きを広げ、照射線量が200KGYであるβ線発生装置の下に重ねて置いた。放射線照射前架橋部のフィルムの厚みがフィルムの総厚の100%で、その範囲が60〜70%である該フィルムの架橋度を測定した。前架橋型フィルムを二重ガラスと同じ大きさに切断して二重ガラス間に置き、真空排気して加圧し200℃になるまで10分加熱し、最終的に架橋度が95%以上に達した。該前架橋型フィルムとガラスとの粘着力が75N/cmを上回った。該前架橋の膜から溢れ出した二重ガラスの縁は5mmを下回った。
【0105】
前架橋型フィルムと、同成分の非架橋型フィルムはA4サイズのものをそれぞれ5枚取り、別々に畳んで35℃のオーブンに入れ、その上に1000gの分銅を24時間放置して取り出した。接着度を比較すると、放射線照射前架橋型フィルムの接着度は同成分の非放射線架橋型フィルムを著しく下回ったことが分かる。
【0106】
前架橋型フィルムと、同成分の非架橋型フィルムは幅が1cm、長さが15cmであるスプラインをそれぞれ5つ取った。引張強さを比較すると、放射線架橋型フィルムの引張強さはいずれも同成分の非放射線型フィルムより大きいことが分かる。
【実施例2】
【0107】
【表2】
【0108】
上記成分を充分に混合して、押出機温度が90℃で、金型温度が90℃である押出機に加えた。T型プレート金型で押し出して製膜できるほか、2つのカレンダーロールでも直接製膜できる。巻き取り、フィルムの厚みが0.6mmで、一巻きの長さが100mであった。該非架橋型フィルムは6インチの紙管で巻き取った。
【0109】
上記非架橋型フィルムの1巻全部または複数巻きを広げ、電子加速器のエネルギーが10MeVで、照射線量が100KGYであるβ線発生装置の下に重ねて置いた。放射線照射前架橋部のフィルムの厚みがフィルムの総厚の100%で、その範囲が50〜70%である該フィルムの架橋度を測定した。前架橋型フィルムを二重ガラスと同じ大きさに切断して二重ガラス間に置き、真空排気して加圧し200℃になるまで10分加熱し、最終的に架橋度が95%以上に達した。該前架橋型フィルムとガラスとの粘着力が70N/cmを上回った。
【0110】
前架橋型フィルムと、同成分の非架橋型フィルムはA4サイズのものをそれぞれ5枚取り、別々に畳んで35℃のオーブンに入れ、その上に1000gの分銅を24時間放置して取り出した。接着度を比較すると、放射線照射前架橋型フィルムの接着度は同成分の非放射線架橋型フィルムを著しく下回ったことが分かる。
【0111】
前架橋型フィルムと、同成分の非架橋型フィルムは幅が1cm、長さが15cmであるスプラインをそれぞれ5つ取った。引張強さを比較すると、放射線架橋型フィルムの引張強さはいずれも同成分の非放射線型フィルムより大きいことが分かる。
【実施例3】
【0112】
【表3】
【0113】
上記成分を充分に混合して押出機温度が90℃で、金型温度が90℃である押出機に加えた。T型プレート金型で押し出して製膜できるほか、2つのカレンダーロールでも直接製膜できる。巻き取り、フィルムの厚みが0.7mmで、一巻きの長さが20mであった。該非架橋型フィルムは3インチの紙管で巻き取った。
【0114】
上記非架橋型フィルムの1巻全部または複数巻きを展開し、電子加速器のエネルギーが5MeVで、照射線量が10KGYであるβ線発生装置の下に重ねて置いた。放射線照射前架橋部のフィルムの厚みがフィルムの総厚みの100%、その範囲が3〜9%である該フィルムの架橋度を測定した。前架橋型フィルムを二重ガラスと同じ大きさに切断して二重ガラス間に置き、真空排気して加圧し200℃になるまで10分加熱し、最終的に架橋度が95%以上に達した。該前架橋型フィルムとガラスとの粘着力が90N/cmを上回った。
【0115】
前架橋型フィルムと、同成分の非架橋型フィルムはA4サイズのものをそれぞれ5枚取り、別々に畳んで35℃のオーブンに入れ、その上に1000gの分銅を24時間放置して取り出した。接着度を比較すると、放射線照射前架橋型フィルムの接着度は同成分の非放射線架橋型フィルムを著しく下回ったことが分かる。
【0116】
前架橋型フィルムと、同成分の非架橋型フィルムは幅が1cm、長さが15cmであるスプラインをそれぞれ5つ取った。引張強さを比較すると、放射線架橋型フィルムの引張強さはいずれも同成分の非放射線型フィルムより大きいことが分かる。
【実施例4】
【0117】
【表4】
【0118】
上記成分を充分に混合して、押出機温度が110℃で、金型温度が110℃である押出機に加えた。T型プレート金型で押し出して製膜できるほか、2つのカレンダーロールでも直接製膜できる。巻き取りは、フィルムの厚みが0.6mmで、一巻きの長さが400mであった。該非架橋型フィルムは3インチの紙管で巻き取った。
【0119】
上記非架橋型フィルムは3インチの紙管で巻き取り、照射線量が200KGYであるγ線発生装置の下に重ねて置いた。放射線照射前架橋部のフィルムの厚みがフィルムの総厚の100%で、その範囲が60〜68%である該フィルムの架橋度を測定した。前架橋型フィルムを二重ガラスのソーラー電池の背後に置き、架橋面を電池側に置き、非架橋面を下層ガラスと合わせて置きガラスと接触させる。電池の正面は通常透明のポリオレフィンエラストマー接着膜を覆う。それを2枚の同じ大きさのガラスの間に置き、全体をソーラーモジュール製のラミネーターに置き、6分間真空排気し、真空排気して加圧し200℃になるまで15分加熱し、最終的に架橋度が95%以上に達した。該ラミネート部品のうち、該前架橋型フィルムとガラスとの粘着力が50N/cmを上回った。
【0120】
前架橋型フィルムと、電池上側部の透明なポリオレフィンエラストマーフィルムの界面はクリアで、架橋フィルムの下層膜が電池上側部に移動する現象はなかった。
【実施例5】
【0121】
【表5】
【0122】
上記成分を充分に混合して、押出機温度が110℃で、金型温度が110℃である押出機に加えた。T型プレート金型で押し出して製膜できるほか、2つのカレンダーロールでも直接製膜できる。巻き取りは、EVA樹脂フィルムの厚みが0.1mmで、一巻きの長さが100mであった。EVA樹脂フィルムは3インチの紙管で巻き取った。
【0123】
上記EVA樹脂フィルムは電子束照射方式で放射し、電子加速器のエネルギーが300KeVで、電子束の照射線量が30KGYであるβ線発生装置の下に重ねて置き、照射後前架橋を行い、もう一つの3インチの紙管に巻き取った。放射線照射前架橋部のフィルムの厚みがフィルムの総厚の30%で、該前架橋EVA樹脂フィルムを二重ガラスソーラー電池の背後に置き、架橋面を電池側に置き、非架橋面を下層ガラスと合わせて置きガラスと接触させる。電池の正面は通常透明のEVA樹脂フィルムを覆う。それを2枚の同じ大きさのガラスの間に置き、全体をソーラーモジュール製のラミネーターに置き、6分間真空排気し、真空排気して加圧し150℃になるまで15分加熱する。該ラミネートのうち、前架橋型EVA樹脂フィルムとガラスとの粘着力が70N/cmを上回った。
【0124】
該前架橋型EVA樹脂フィルムと、電池上側部の透明なEVA樹脂フィルムの界面はクリアで、下層膜が電池上側部に移動する現象はなかった。
【実施例6】
【0125】
2枚のEVA樹脂フィルムを押し出す方案を採用し、1枚目はEVA樹脂は透明で、2枚目のEVA樹脂は黒色とする。2枚のEVA樹脂の成分配合方法は下表に示す。
【表6】
【0126】
上記成分を充分に混合して、押出機温度が100℃で、分配器の温度が100℃で、金型温度が102℃である二層を同時に押し出す押出機ユニット(2台の押出機)に加えた。混合物を押出機を通して融合させ、分配器でT型プレート金型で押し出して製膜し、巻き取った。EVA樹脂フィルムを透明層の一片を、放射発生装置に向けて放射線放射し、もう一つの3インチの紙管に巻き取った。前架橋部のエチエン-アセトアルデヒドエチレンエステル樹脂を同時に製膜する。EVAフィルムの厚みは0.7mmで、一巻きの長さが300mであった。
【0127】
上記EVA樹脂フィルムは、電子加速器のエネルギーが500MeVで、照射線量が50KGYである。放射線照射前架橋部のフィルムの総厚の100%で、該前架橋EVA樹脂フィルムの二層をカッターで細かく切り離し、透明層の範囲が60〜68%である該フィルムの架橋度を測定した。カットしたフィルムとソーラー電池の大きさは、ガラス/透明EVA/電池/二層同時に押し出したEVAフィルム/バックボードの順による構造で重ねて5分間真空排気し、真空排気して加圧し148℃になるまで12分加熱する。重ねて押し出した後ガラス側に面した底は黒く、バックボード側は白いソーラーモジュールである。黒い面と透明面の界面はクリアで、層が逆になることやその他の外観の欠陥はなかった。
【実施例7】
【0128】
【表7】
【0129】
上記成分を充分に混合して、押出機温度が110℃で、金型温度が110℃である押出機に加えた。T型プレート金型で押し出して製膜できるほか、2つのカレンダーロールでも直接製膜できる。巻き取りは、前架橋EVA樹脂フィルムの厚みが2mmで、一巻きの長さが200mであった。非架橋型EVA樹脂フィルムは3インチの紙管で巻き取った。
【0130】
上記非架橋型フィルムを広げ、電子束の照射方式により、照射線量が300KeV、電子束の照射線量が30KGYであるβ線発生装置の下に重ねて置き、もう一つの3インチの紙管上に巻き取った。放射線照射前架橋部のフィルムの厚みがフィルムの総厚の30%で、その範囲が25〜35%である該フィルムの架橋度を測定した。前架橋型EVA樹脂フィルムを二重ガラスと同じ大きさに切断して二重ガラス間に置き、真空排気して加圧し200℃になるまで10分加熱し、該前架橋型EVA樹脂フィルムとガラスとの粘着力が60N/cmを上回った。EVA樹脂フィルムから溢れ出した二重ガラスの縁は5mmを下回った。
【実施例8】
【0131】
【表8】
【0132】
上記成分を充分に混合して、押出機温度が90℃で、金型温度が90℃である押出機に加えた。T型プレート金型で押し出して製膜することができる。巻き取りは、EVA樹脂フィルムの厚みが0.1mmで、一巻きの長さが20mであった。EVA樹脂フィルムは3インチの紙管で巻き取った。
【0133】
上記非架橋型EVA樹脂フィルムの1巻全部または複数巻きを広げ、電子加速器のエネルギーが500KeVで、電子束の照射線量が100KGYであるβ線発生装置の下に重ねて置いた。放射線照射前架橋部のEVA樹脂フィルムの厚みがフィルムの総厚の100%で、その範囲が53〜74%であるEVA樹脂該フィルムの架橋度を測定した。上記前架橋型EVA樹脂フィルムをソーラー電池の背後に置き、ソーラー電池の正面を通常の透明なEVA樹脂フィルムで覆った。その後、同じ大きさの2つのガラスの間に置き更にソーラーモジュールのラミネーターの中に置き、6分真空排気し、同時に150℃になるまで15分加熱した。該ラミネーターにおいて、前架橋型EVA樹脂フィルムとガラスとの引張強さは70N/cmを上回った。前架橋型EVA樹脂フィルムと電池上側部分の透明EVA樹脂フィルムの界面はクリアで、前架橋型EVA樹脂フィルムは下層膜の電池上側部への移動現象はなかった。
【実施例9】
【0134】
【表9】
【0135】
上記成分を充分に混合して、押出機温度が100℃で、金型温度が102℃である押出機に加えた。T型プレート金型で押し出して製膜することができる。巻き取りは、EVA樹脂フィルムの厚みが0.7mmで、一巻きの長さが300mであった。EVA樹脂フィルムは3インチの紙管で巻き取った。
【0136】
上記非架橋型EVA樹脂フィルムの1巻全部または複数巻きを広げ、照射強度が100100KGYであるα線発生装置の下に重ねて置いた。放射線照射前架橋部のEVA樹脂フィルムの厚みがフィルムの総厚の100%で、その範囲が35〜55%であるEVA樹脂該フィルムの架橋度を測定した。上記前架橋型EVA樹脂フィルムは二層のガラスの大きさが同じ二層のガラスの間に置き、真空排気して加圧し150℃になるまで10分加熱した。その結果、架橋後は82%〜90%の間に達した。
【0137】
前架橋型EVA樹脂フィルムを五層に重ねえ置き、上面には1000gの分銅を置き35℃のオーブンの中に40時間放置し、取り出した後5層のEVA樹脂フィルムは非常に軽く層を分解することができる。同じ成分配合方法の前架橋型EVA樹脂フィルムは同じ情況において深刻に接着し離れない。
【実施例10】
【0138】
【表10】
【0139】
上記成分を充分に混合して、押出機温度が90℃で、金型温度が90℃である押出機に加えた。T型プレート金型で押し出して製膜することができる。巻き取りは、EVA樹脂フィルムの厚みが0.1mmで、一巻きの長さが100mであった。EVA樹脂フィルムは3インチの紙管で巻き取った。
【0140】
上記非架橋型EVA樹脂フィルムを広げ、照射線量が0.2KGYであるα線発生装置の下に重ねて置き、α線照射方式で照射した。放射線照射前架橋部のEVA樹脂フィルムの厚みがフィルムの総厚の80%で、該フィルムは非常に薄いため、表層をとることができないため、EVA樹脂該フィルムの架橋度を測定した。測定で得たEVA樹脂フィルムの前架橋度は10〜18%の間であった。上記前架橋型EVA樹脂フィルムを二層のガラスと同じ大きさに切断して二層のガラス間に置き、真空排気して加圧し150℃になるまで10分加熱した。前架橋型EVA樹脂フィルムとガラスとの引張強さは80N/cmを上回った。EVA樹脂フィルムは二層のガラスの縁より2mm溢れ出していた。
【実施例11】
【0141】
【表11】
【0142】
上記成分を充分に混合して、押出機温度が110℃で、金型温度が110℃である押出機に加えた。T型プレート金型で押し出して製膜できるほか、2つのカレンダーロールでも直接製膜できる。巻き取りは、EVA樹脂フィルムの厚みが0.5mmで、一巻きの長さが20mであった。EVA樹脂フィルムは3インチの紙管で巻き取った。
【0143】
上記EVA樹脂フィルムをX線発生装置の下に重ねて置き、もう一つの3インチの紙管上に巻き取った。電子束照射方式で放射し、照射線量が0.2KGYである照射後前架橋型フィルムに照射した。放射線照射前架橋部のフィルムの厚みがフィルムの総厚の40%で、その範囲が11〜18%である0.2mmの表層を取りその架橋度を測定した。上記前架橋EVA樹脂フィルムを二重ガラスソーラー電池の背後に置き、架橋面を電池側に、非架橋面を下層ガラスと重ねて置きガラスと接触させた。電池の正面は通常透明のEVA樹脂フィルムを覆い、2枚の同じ大きさのガラスの間に置き、全体をソーラーモジュール製のラミネーターに広げ、6分間真空排気し、真空排気して加圧し150℃になるまで15分加熱した。該ラミネートのうち、前架橋型EVA樹脂フィルムとガラスとの粘着力が70N/cmを上回った。
【0144】
該前架橋型EVA樹脂フィルムと、電池上側部の透明なEVA樹脂フィルムの界面はクリアで、下層膜が電池上側部に移動する現象はなかった。
【実施例12】
【0145】
【表12】
【0146】
上記成分を充分に混合して、押出機温度が110℃で、金型温度が110℃である押出機に加えた。T型プレート金型で押し出して製膜できるほか、2つのカレンダーロールでも直接製膜できる。巻き取りは、EVA樹脂フィルムの厚みが0.5mmで、一巻きの長さが20mであった。EVA樹脂フィルムは3インチの紙管で巻き取った。
【0147】
上記EVA樹脂フィルムをγ線発生装置の下に重ねて置き、もう一つの3インチの紙管上に巻き取った。γ線照射方式で放射し、照射線量が0.2KGYである照射後前架橋型フィルムに照射した。放射線照射前架橋部のフィルムの厚みがフィルムの総厚の50%で、その範囲が15〜22%である0.2mmの表層を取りその架橋度を測定した。上記前架橋EVA樹脂フィルムを二重ガラスソーラー電池の背後に置き、架橋面を電池側に、非架橋面を下層ガラスと重ねて置きガラスと接触させた。電池の正面は通常透明のEVA樹脂フィルムを覆う。その後、2枚の同じ大きさのガラスの間に置き、全体をソーラーモジュール製のラミネーターに広げ、6分間真空排気し、真空排気して加圧し150℃になるまで15分加熱した。該ラミネートのうち、前架橋型EVA樹脂フィルムとガラスとの粘着力が70N/cmを上回った。
【0148】
該前架橋型EVA樹脂フィルムと、電池上側部の透明なEVA樹脂フィルムの界面はクリアで、下層膜が電池上側部に移動する現象はなかった。
【実施例13】
【0149】
【表13】
【0150】
上記成分を充分に混合して、押出機温度が90℃で、金型温度が90℃である押出機に加えた。T型プレート金型で押し出して製膜できるほか、2つのカレンダーロールでも直接製膜できる。巻き取りは、フィルムの厚みが0.2mmで、一巻きの長さが50mであった。該非架橋型フィルムは6インチの紙管で巻き取った。
【0151】
上記非架橋型フィルムの1巻全部または複数巻きを広げ、電子加速器のエネルギーが5MeVで、照射線量が15KGYであるβ線発生装置の下に重ねて置いた。放射線照射前架橋部のフィルムの厚みがフィルムの総厚の100%で、その範囲が12〜29%である該フィルムの架橋度を測定した。前架橋型フィルムを二重ガラスと同じ大きさに切断して二重ガラス間に置き、真空排気して加圧し150℃になるまで10分加熱した。該前架橋型フィルムとガラスとの粘着力が70N/cmを上回った。
前架橋型フィルムと、同成分の非架橋型フィルムはA4サイズのものをそれぞれ5枚取り、別々に畳んで35℃のオーブンに入れ、その上に1000gの分銅を24時間放置して取り出した。接着度を比較すると、放射線照射前架橋型フィルムの接着度は同成分の非放射線架橋型フィルムを著しく下回ったことが分かる。
【0152】
前架橋型フィルムと、同成分の非架橋型フィルムは幅が1cm、長さが15cmであるスプラインをそれぞれ5つ取った。引張強さを比較すると、放射線架橋型フィルムの引張強さはいずれも同成分の非放射線型フィルムより大きいことが分かる。
【実施例14】
【0153】
【表14】
【0154】
上記成分を充分に混合して、押出機温度が90℃で、金型温度が90℃である押出機に加えた。T型プレート金型で押し出して製膜できるほか、2つのカレンダーロールでも直接製膜できる。巻き取り、フィルムの厚みが0.5mmで、一巻きの長さが30mであった。該非架橋型フィルムは3インチの紙管で巻き取った。
【0155】
上記非架橋型フィルムの1巻全部または複数巻きを広げ、電子加速器のエネルギーが10MeVで、照射線量が35KGYであるβ線発生装置の下に重ねて置いた。放射線照射前架橋部のフィルムの厚みがフィルムの総厚の100%で、その範囲が20〜50%である該フィルムの架橋度を測定した。前架橋型フィルムを二重ガラスと同じ大きさに切断して二重ガラス間に置き、真空排気して加圧し155℃になるまで10分加熱し、該前架橋型フィルムとガラスとの粘着力が90N/cmを上回った。
前架橋型フィルムと、同成分の非架橋型フィルムはA4サイズのものをそれぞれ5枚取り、別々に畳んで35℃のオーブンに入れ、その上に1000gの分銅を24時間放置して取り出した。接着度を比較すると、放射線照射前架橋型フィルムの接着度は同成分の非放射線架橋型フィルムを著しく下回ったことが分かる。
【0156】
前架橋型フィルムと、同成分の非架橋型フィルムは幅が1cm、長さが15cmであるスプラインをそれぞれ5つ取った。引張強さを比較すると、放射線架橋型フィルムの引張強さはいずれも同成分の非放射線型フィルムより大きいことが分かる。
【実施例15】
【0157】
【表15】
【0158】
上記成分を充分に混合して、押出機温度が110℃で、金型温度が110℃である押出機に加えた。T型プレート金型で押し出して製膜できるほか、2つのカレンダーロールでも直接製膜できる。巻き取り、非架橋ポリオレフィンエラストマーフィルムの厚みが0.01mmで、一巻きの長さが20mであった。該非架橋型フィルムは6インチの紙管で巻き取った。
【0159】
上記非架橋型ポリオレフィンエラストマーフィルムを広げ、電子束の照射方式で放射し、電子加速器のエネルギーが100KeVで、照射線量が20KGYであるβ線発生装置の下に重ねて置いた。放射線照射前架橋部のフィルムの厚みがフィルムの総厚の100%で、その範囲が21〜28%である該フィルムの架橋度を測定した。基板(ガラス基材、厚みが150μm)/前架橋型ポリオレフィンエラストマーフィルム/有機ELエレメント/基板(帝人株式会社製、商品名MelinexS、厚みが100μm)に対して畳んだ層から畳み、前架橋型ポリオレフィンエラストマーフィルムの架橋面に有機ELを置き、基板ヒーターに置き側に基板を合わせて接触させる。畳んだ層を有機ELをディスプレイを製造する真空ラミネーターに置き、100℃になるまで1時間ラミネートする。該ラミネートのうち、前架橋型ポリオレフィンエラストマーフィルムとガラス基材の粘着力が70N/cmを上回った。ポリオレフィンエラストマーフィルムの溢れ出しは二層の基板の縁を2mm下回っていることが分かる。
【実施例16】
【0160】
【表16】
【0161】
上記成分を充分に混合して、押出機温度が110℃で、金型温度が110℃である押出機に加えた。T型プレート金型で押し出して製膜し、巻き取り、照射による前架橋エチレン-アセトアルデヒド酢酸ビニル樹脂を得ることができる。EVA樹脂フィルムの厚みが0.1mmで、一巻きの長さが100mであった。EVA樹脂フィルムは3インチの紙管で巻き取った。
【0162】
巻き取ったEVA樹脂フィルムを電子束放射線の放射方式で、電子加速器のエネルギーが50KeV、電子束の照射線量が30KGYである電子束発生装置の下に置き、もう一つの3インチの紙管に巻き取った。放射線照射前架橋部のフィルムの厚みがフィルムの総厚の40%で、フィルムが薄すぎて、表層を取ることができないため、その範囲が10〜15%である全体の架橋度を測定した。前架橋型EVAは二層のガラスと同じ大きさに切断し二層のガラスの間に置き、真空排気して150℃になるまで10分加熱する。前記実施例1で説明した前架橋型EVA樹脂フィルムを二重ガラスのソーラーモジュール電池の背後に置き、架橋面を電池側に、非架橋面を下層ガラスと合わせて置きガラスに接触させた。電池の正面は通常、透明なEVA樹脂を覆っている。2つの大きさの同じガラスの間に同じ大きさに切断して二重ガラス間に置き、真空排気して加圧し200℃になるまで15分加熱した。該ラミネートのうち、前記実施例1のEVA樹脂フィルムとガラスとの粘着力が70N/cmを上回った。前記実施例1のEVA樹脂フィルムと電池上側部の透明なEVA樹脂フィルムの界面はクリアで、前記実施例1のEVA樹脂フィルムは下層膜が電池上側に移動する現象は発生しなかった。
【実施例17】
【0163】
【表17】
【0164】
上記成分を充分に混合して、押出機温度が90℃で、金型温度が90℃である押出機に加えた。T型プレート金型で押し出して製膜することができる。巻き取り、EVA樹脂フィルムの厚みが0.1mmで、一巻きの長さが100mであった。EVA樹脂フィルムは3インチの紙管で巻き取った。
【0165】
上記非架橋型EVA樹脂フィルムを広げ、電子加速器のエネルギーが50keVで、照射線量が30KGYであるα線発生装置の下に重ねて置き、α線照射方式で照射した。放射線照射前架橋部のEVA樹脂フィルムの厚みがフィルムの総厚の40%で、該フィルムは非常に薄いため、表層をとることができないため、EVA樹脂該フィルムの架橋度を測定した。測定で得たEVA樹脂フィルムの前架橋度は10〜15%の間であった。上記前架橋型EVA樹脂フィルムを二層のガラスと同じ大きさに切断して二層のガラス間に置き、真空排気して加圧し150℃になるまで10分加熱した。前架橋型EVA樹脂フィルムとガラスとの引張強さは80N/cmを上回った。EVA樹脂フィルムは二層のガラスの縁より2mm溢れ出していた。
【実施例18】
【0166】
本発明は、前架橋ポリオレフィン粘着フィルムで作製されるパッケージアセンブリの好ましい実施例について、太陽電池モジュールを例にする。
【0167】
図1図3に示す通り、太陽電池モジュールは、層間に粘着フィルムが2層設けられた前ガラス1後部パッケージ層を備え、粘着フィルムの少なくとも1層が電子ビーム、γ線、X線、α線または中性子線のうちの1種類に照射された、前架橋度が3〜74%の前架橋型粘着フィルムである。前架橋型粘着フィルムの厚みは0.1〜2mmで、常用される太陽電池モジュールの粘着フィルムと一致するが、好ましくは0.3〜0.7mmである。
【0168】
使用前にある程度の架橋ネットワークが形成されるため、前架橋型粘着フィルムは前架橋されていない粘着フィルムと比べて、耐熱性の大幅な向上、樹脂の流動性の低下、溶融温度の上昇または消滅が見られる。モジュールを製造するための積層工程において、粘着フィルムがガラスの周囲から溢れ出す現象が大幅に減少した。透明粘着フィルムと有色粘着フィルムが同時に利用される場合、2層の粘着フィルム間の界面がはっきりとして互いに浸透し合うことがない。
【0169】
層粘着フィルム間に結晶シリコン太陽電池2またはCIGS電池(薄膜太陽電池)が設けられる。
【0170】
粘着フィルムはEVA粘着フィルムと前架橋EVA粘着フィルムをそれぞれ1層備え、EVA粘着フィルムが前ガラスに近い箇所に設けられる。2層の粘着フィルムはいずれも前架橋POE粘着フィルムである。
【0171】
後部パッケージ層はバックシートまたは後ガラスである。後ガラスまたはバックシートには、従来型の薄い太陽電池モジュールの後ガラスまたは太陽電池モジュールのバックシートが使われるほか、PMMAフィルム(ポリメタクリル酸メチル系フィルム材、ポリイミドフィルムまたはシート材、PVC(ポリ塩化ビニル)型材、金属板ないし石材といった、支持作用を果たす他の材料を利用することもできる。
【0172】
図1に示す通り、太陽電池モジュールは前から順に、前ガラス1、透明EVA粘着フィルム3(前架橋されていない、VA含有量は28%)、結晶シリコン太陽電池2、前架橋EVA白色粘着フィルム5(前架橋度は74%、反射率は88%)、後ガラス4から構成される。この構造が145℃で積層された後、透明EVA粘着フィルム3と前架橋EVA白色粘着フィルム5の架橋度はいずれも80%を上回った。透明EVA粘着フィルム3と前架橋EVA白色粘着フィルム5は界面がはっきりとし、下層における前架橋EVA白色粘着フィルム5の透明EVA粘着フィルム3への浸透または結晶シリコン太陽電池2への移動はなかった。
【0173】
図2に示す通り、他の太陽電池モジュールは前から順に、前ガラス1、透明前架橋POE粘着フィルム6(前架橋度は3%)、結晶シリコン太陽電池2、透明前架橋POE粘着フィルム6(前架橋度は15%)、後ガラス4から構成される。この構造が150℃で積層された後、透明前架橋POE粘着フィルム6の寸法安定性がよく、積層後にガラスの周囲から溢れ出す粘着フィルムは極めて少なかった。
【0174】
図3に示す通り、もう1種類の太陽電池モジュールは前から順に、前ガラス1、透明EVA粘着フィルム3、結晶シリコン太陽電池2、前架橋EVA黒色粘着フィルム7(前架橋度が35%)、バックシート8(TPE構造バックシート)から構成される。この構造が145℃で積層された後、透明EVA粘着フィルム3と前架橋EVA黒色粘着フィルム7は界面がはっきりとし、下層における前架橋EVA黒色粘着フィルム7の透明EVA粘着フィルム3への浸透または結晶シリコン太陽電池2への移動はなかった。
【0175】
該構造を用いた太陽電池モジュール構造は、前架橋型粘着フィルムが用いられるため、太陽電池モジュールに応用した場合、周囲の粘着フィルムの溢出が減少するという効果が得られる。上層における透明粘着フィルムと下層における有色粘着フィルムが用いられた場合、そのうち少なくとも1層が前架橋型粘着フィルムであれば、2層の粘着フィルムが互い浸透し合うことはなく、界面がはっきりとする効果が維持できる。
【0176】
以上は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の実質的な技術的内容の範囲を限定するものではない。本発明の実質的な技術的内容は出願された請求項の範囲に広く定義されたもので、本願の請求項の範囲に定義された内容と完全に同一である、または同等の変形である他人によって完成されたいかなる技術または方法も、すべて該請求項の範囲に包含されると見なす。
図1
図2
図3