【実施例】
【0128】
以下、具体的な実施例を用いて本発明について説明するが、それらの実施例は本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0129】
一般的な実験手順
本明細書中のスキームにおける構造の可変部分に関する定義は、本明細書に詳述されている式の中の対応する位置の可変部分の定義に対応している。
【0130】
1または1aの合成
【化140】
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【0131】
鏡像異性的に純粋な化合物1または1aの調製方法を開示する。1または1aの合成は、以下に示す合成例(スキーム1〜4)を用いて達成してもよい。2,5−ジブロモピリジンと2−ブロモジフルオロ酢酸エチルとの反応で開始してエステル2−Brを生成することにより、前駆体ケトン3−Brの調製を行う。このエステルをモルホリンと反応させてモルホリンアミド2b−Brを得、次いでアリール化してケトン3−Brを得る。
【0132】
スキーム1:ケトン3−Brの合成
【化141】
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【0133】
ケトン3は、対応する置換2−ブロモピリジンから開始するスキーム1に記載されている類似した方法で調製してもよく、当該技術分野で知られ、かつ本明細書に引用されている参考文献に含まれている合成変換(スキーム2)に従って調製することができる。
【0134】
スキーム2:ケトン3の合成
【化142】
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【0135】
スキーム3に示すように、TMS−CN、好適な溶媒(例えば、ジクロロメタンまたはトルエン、好ましくはトルエン)、10%以下のキラル触媒を−78℃〜−20℃で用いてケトン3または1−4をトリメチルシリルシアノヒドリン(TMS−シアノヒドリン)に変換して化合物22(または22a、22の鏡像異性体またはそれらの混合物)あるいは1−5(または1−5a、1−5の鏡像異性体またはそれらの混合物)を得てもよい。その後の好適な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン(THF)またはメチルt−ブチルエーテル(MTBE)、好ましくはMTBE)中でのニトリル還元(好ましくは金属水素化物還元剤、好ましくはLiAlH4を用いる)により、化合物23(または23a、23の鏡像異性体またはそれらの混合物)あるいは1−6(または1−7、1−6の鏡像異性体またはそれらの混合物)を得る。オルトギ酸トリメチルおよび酢酸ナトリウムの酢酸溶液の存在下でTMS−アジドにより化合物23または1−6(またはそれらの鏡像異性体またはそれらの混合物)を化合物20(または20a、20の鏡像異性体またはそれらの混合物)あるいは1(または1a、1の鏡像異性体またはそれらの混合物)に直接変換することができる(米国特許第4,426,531号)。あるいは、好適な溶媒(例えば、アセトニトリル、イソプロパノール、エタノール(EtOH)またはそれらの混合物、あるいはこれらのいずれかと水またはメタノール(MeOH)との混合物、好ましくはアセトニトリルまたはアセトニトリルおよびMeOHの混合物、例えば90:10、85:15または80:20混合物)中でキラル酸(例えば、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸またはジ−p−トルオイル酒石酸)に曝露して化合物4b(または4c、4bの鏡像異性体またはそれらの混合物)あるいは1−6*(または1−7*、1−6*の鏡像異性体またはそれらの混合物)を得ることにより、化合物23(または23a、23の鏡像異性体またはそれらの混合物)あるいは1−6(または1−7、1−6の鏡像異性体またはそれらの混合物)を鏡像異性的に濃縮することができる。その後のオルトギ酸トリメチルおよび酢酸ナトリウムの酢酸溶液の存在下でのTMS−アジドによる処理により、化合物20(または20a、20の鏡像異性体またはそれらの混合物)あるいは1(または1a、1の鏡像異性体またはそれらの混合物)を得る(米国特許第4,426,531号)。
【0136】
スキーム3:TMS−シアノヒドリン法による1または1aの合成
【化143】
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【0137】
スキーム4に示すように、本明細書に示されている方法のいずれかにより調製した化合物1(または1a、1の鏡像異性体またはそれらの混合物)を、式IX(またはIXa、IXの鏡像異性体またはそれらの混合物)のスルホン酸塩に変換することができる。これは、a)化合物1(または1a、1の鏡像異性体またはそれらの混合物)、結晶化溶媒または結晶化溶媒混合物(例えば、EtOAc、iPrOAc、EtOH、MeOH、アセトニトリルまたはそれらの組み合わせ)およびスルホン酸:
【化144】
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(例えば、Z=Ph、p−トリル、MeまたはEt)を組み合わせる工程、b)混合物を適当な結晶化共溶媒または結晶化共溶媒混合物(例えば、ペンタン、メチルt−ブチルエーテル、ヘキサン、ヘプタン、トルエンまたはそれらの組み合わせ)で希釈する工程、およびc)混合物を濾過して式IX(またはIXa、IXの鏡像異性体またはそれらの混合物)のスルホン酸塩を得る工程により達成することができる。
【0138】
スキーム4:化合物1または1aのスルホン酸塩の合成
【化145】
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【0139】
実施例1:1−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,2−ジフルオロ−2−(5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン−2−イル)エタノン(1−4)の調製
【0140】
1a:2−(5−ブロモピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロ酢酸エチル(2)
方法の開発
【化146】
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【0141】
表1は、反応系の全収率および純度によって測定した場合の全体的な変換性能に対する試薬および反応物のそれぞれの相対的割合の効果、温度の効果および溶媒変更の効果を示す。
【表1】
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【0142】
2−Brを調製するための典型的な手順
銅(45μm、149g、0.198モル、2.5当量)を、凝縮器、熱電対およびオーバーヘッドスターラーを備えた3Lの三口丸底フラスコの中に入れた。DMSO(890mL、2−ブロモ−2,2−ジフルオロ酢酸エチルに基づき4.7体積)および14mLの濃硫酸を添加し、混合物を30分間撹拌した。撹拌時間中に混合物を約31℃まで自己加熱させた。この内容物を23℃に冷却した後、2,5−ジブロモピリジン1(277g、1.17モル、1.5当量)を反応混合物に添加した。この内容物の温度を10分間の撹拌時間中に16℃に低下させた。2−ブロモ−2,2−ジフルオロ酢酸塩(190g、0.936モル、1.0当量)を一度で添加し、混合物を10分間撹拌した。フラスコの内容物を35℃に温め、内部温度を35〜38℃に18時間維持した。インプロセスHPLC法では72%の所望の2−Brが確認された。温かい反応混合物を濾紙で濾過し、回収した固体を300mLの35℃のDMSOで洗浄した。次いで、この固体を450mLのn−ヘプタンおよび450mLのMTBEで洗浄した。回収した濾液を約10℃に冷却し、900mLの冷たい20%NH4Cl水溶液にゆっくりと添加し、添加中に内部温度を16℃未満に維持した。15分間撹拌した後、層を安定させて分離した。水層を2×450mLの1:1=MTBE:n−ヘプタン混合物で抽出した。1つにまとめた有機層を2×450mLの20%NH4Cl水溶液および200mLの20%NaCl水溶液で洗浄した。有機層を50gのMgSO4で乾燥し、溶媒を除去して2−Brを暗色油として得た。油の重量=183g(70重量%の収率)、HPLC純度(面積%)=85%。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ8.86 (m, 1H), 8.35 (dd, J= 8.4, 2.3Hz, 1H), 7.84 (dd, J= 8.3, 0.6Hz, 1H), 4.34 (q, J= 7.1Hz, 2H), 1.23 (t, J= 7.1Hz, 3H). MS m/z 280 (M+H+), 282 (M+2+H+).
【0143】
1b:2−(5−ブロモピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロ−1−モルホリノエタノン(2b−Br)
方法の開発
【化147】
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【0144】
表2は、反応系の全収率および純度によって測定した場合の全体的な変換性能に対する試薬および反応物のそれぞれの相対的割合の効果および溶媒変更の効果を示す。
【表2】
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【0145】
2−Brを2b−Brに変換するための典型的な手順
粗製のエステル2−Br(183g、0.65モル)を1.5Lのn−ヘプタンに溶解し、凝縮器、オーバーヘッドスターラーおよび熱電対を備えた5Lの三口丸底フラスコに移した。モルホリン(248g、2.85モル、4.4当量)をこのフラスコに入れ、混合物を60℃に温め、16時間撹拌した。インプロセスHPLCでは1%未満のエステル2−Brが確認された。反応混合物を22〜25℃に冷却し、混合物を4℃に冷却し続けながら1.5LのMTBEを添加し、700mLの30重量%クエン酸水溶液にゆっくりと添加した。添加中に反応混合物の温度を15℃未満に維持した。反応系を約14℃で1時間撹拌し、次いで層を分離した。有機層を400mLの30重量%クエン酸水溶液で洗浄し、次いで400mLの9%NaHCO3水溶液で洗浄した。565gの反応混合物が残るまで溶媒をゆっくりと除去した。オーバーヘッド撹拌によりこの混合物を約16時間撹拌した。スラリーを濾過し、固体を250mLのn−ヘプタンで洗浄した。2b−Brの重量=133g。HPLC純度(面積%):98%。これは2,5−ジブロモピリジンから44%の全収率である。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ8.86 (d, J= 2.3Hz, 1H), 8.34 (dd, J= 8.5, 2.3Hz, 1H), 7.81 (dd, J = 8.5, 0.5Hz, 1H), 3.63-3.54 (m, 4H), 3.44-3.39 (m, 2H), 3.34-3.30 (m, 2H). MS m/z 321 (M+H+), 323 (M+2+H+).
【0146】
1c:2−(5−ブロモピリジン−2−イル)−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,2−ジフルオロエタノン(3−Br)
方法の開発
【化148】
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【0147】
表3は、反応系の全収率および純度によって測定した場合の全体的な変換性能に対する試薬および反応物のそれぞれの相対的割合の効果および温度変更の効果を示す。
【表3】
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【0148】
2b−Brを3−Brに変換するための典型的な手順
グリニャール形成
削り状マグネシウム(13.63g、0.56モル)を凝縮器、熱電対、添加漏斗および撹拌子を備えた三口丸底フラスコに入れた。540mLの無水テトラヒドロフラン、次いで1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(16.3mL、0.144モル)を添加した。この内容物を22〜25℃で撹拌し、44℃まで自己加熱させた。添加中に内部温度を40〜44℃に維持する速度で1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(47mL、0.416モル)を反応混合物に添加した。添加が完了したら混合物を2時間撹拌し、撹拌時間中に約25℃に放冷した。この混合物を22〜25℃に維持し、1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼンの添加が完了した後3〜4時間以内に使用した。
【0149】
カップリング反応
化合物2b−Br(120g、0.0374モル)を凝縮器、熱電対およびオーバーヘッドスターラーを備えた三口丸底フラスコに入れた。600mLの無水テトラヒドロフランを添加した。透明な溶液が得られるまでフラスコの内容物を22℃で撹拌した。この溶液を0〜5℃に冷却した。次いで、反応温度を0〜2℃に維持しながら、先に調製したグリニャール試薬溶液をゆっくりと添加した。反応の進行をHPLCで監視した。45分後のインプロセスチェックでは1%未満のアミド2b−Brの残留が確認された。添加中に温度を18℃未満に維持しながら2NのHCl水溶液(600mL、3体積)をゆっくりと添加した。反応系を30分間撹拌し、層を分離した。水層を240mLのMTBEで抽出した。1つにまとめた有機層を240mLの9%NaHCO3水溶液および240mLの20%NaCl水溶液で洗浄した。有機層を28gのMgSO4で乾燥し、溶媒を除去して3−Br(137g)を琥珀色の油として得た。HPLC純度(面積%)=約90%。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ8.80 (d, J= 2.2Hz, 1H), 8.41 (dd, J= 8.3, 2.3Hz, 1H), 8.00 (m, 2H), 7.45 (m, 1H), 7.30 (m, 1H). MS m/z 348 (M+H+), 350 (M+2+H+).
【0150】
1d:1−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,2−ジフルオロ−2−(5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン−2−イル)エタノン(1−4)
【化149】
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【0151】
3−Brを1−4に変換するための典型的な手順
250mLの反応器の中に、THF(45mL)、水(9.8mL)、ブロモピリジン3−Br(6.0g、17.2ミリモル)、4−(トリフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(3.57g、17.3ミリモル)およびNa2CO3(4.55g、42.9ミリモル)を入れた。撹拌した混合物を窒素で15分間パージした。触媒(CH2Cl2付加物としてPd(dppf)Cl2、0.72g、0.88ミリモル)を添加し、反応混合物を65℃に加熱し、2.5時間維持した。熱を遮断し、反応混合物を20〜25℃に放冷し、一晩撹拌した。HPLC分析では約90%のケトン1−4/水和物が確認され、未反応のブロモピリジン3−Brは確認されなかった。MTBE(45mL)およびDI−H2O(20mL)を添加し、失活させた反応系を45分間撹拌した。混合物をセライトプラグ(3g)に通して固体を除去し、MTBE(25mL)で洗い流した。濾液を分離漏斗に移し、水層を排出した。有機層を20%塩水(25mL)で洗浄し、2つの部分に分けた。両方をロータリーエバポレーター(rotovap)で濃縮して油(7.05gおよび1.84g、合計8.89g、100%超の収率、HPLC純度:約90%)を得た。多い方の分割量を使用してケトン1−4をそのまま生成した。少ない方の分割量をDCM(3.7g、2部)に溶解し、SiO2パッド(5.5g、3部)の上に置いた。フラスコをDCM(1.8g)で洗い流し、この流出物をパッドに添加した。このパッドをDCM(90mL)で溶離し、回収した濾液を濃縮して油(1.52g)を得た。これにヘプタン(6g、4部)を添加し、混合物を撹拌した。この油を結晶化し、スラリーを得た。スラリーを20〜25℃で一晩撹拌した。固体を真空濾過により単離し、ケークをヘプタン(約1.5mL)で洗浄した。ケークを真空オーブン(40〜45℃)でN2スイープ(N2 sweep)により乾燥した。60.1%の収率(分割量の大きさに対して補正)、99.9%のHPLC純度で0.92gのケトン1−4を得た。
【0152】
実施例2:3−アミノ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン−2−イル)プロパン−2−オール(1−6*または1−7*)の調製
【0153】
TMS−シアノヒドリン法
3a:2−(2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロアリル)−5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン(1−5または1−5a)
方法の開発
【化150】
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【0154】
表4は用いたキラル触媒を示し、表5は用いた実験パラメータおよび得られたTMS−シアノ化の結果を示す。
【表4】
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【表5】
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【0155】
1−4を1−5または1−5aに変換するための典型的な手順
ケトン1−4(3.0g、6.99ミリモル)、Jacobsen触媒9(144mg、0.35ミリモル、5モル%)およびDCM(14mL)を100mLの反応フラスコに入れた。フラスコを密閉し、N2ブランケットの下に置き、−50〜−55℃の冷水浴に入れた。この溶液を撹拌し、TMSCN(1.95mL、15.6ミリモル、2.2当量)を2分かけて注射器で添加した。反応系を−50〜−55℃に24時間維持した。フラスコを冷水浴から取り出し、懸濁液をロータリーエバポレーター(rotovap)で濃縮してオフホワイトの固体を得た。HPLCではその固体が94.0%の1−5(ee=80.3)を含むことが確認された。この固体にヘプタン(28mL)を添加し、懸濁液を20〜25℃で4時間撹拌した。固体を真空濾過により単離し、ケークをヘプタン(4mL)で洗浄した後、真空オーブン(40〜45℃)でN2スイープにより乾燥した。90.5%のHPLC純度、69.9のeeで3.39g(91.8%)の1−5または1−5aを得た。
【0156】
3b:3−アミノ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1(5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン−2−イル)プロパン−2−オール(1−6または1−7)
方法の開発
【化151】
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【0157】
表6は、反応系の全収率および純度によって測定した場合の全体的な変換性能に対する試薬および反応物のそれぞれの相対的割合および同一性の効果、溶媒変更の効果および温度変更の効果を示す。
【表6】
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【0158】
1−5または1−5aを1−6または1−7に変換するための典型的な手順
MTBE(29mL)を100mLの反応フラスコに入れ、フラスコを氷浴で冷却した。溶媒を撹拌し、LAHのTHF(1.0M、8.52mL、8.52ミリモル)溶液を注射器で添加した。TMS−シアノヒドリン1−5または1−5a(3.0g、5.68ミリモル)をバイアルに入れ、MTBE(29mL)を添加し、溶液を調製した。TMS−シアノヒドリン溶液(1−5または1−5a)を23分かけてLAH溶液に滴下し、反応温度を2.1℃未満に維持した。反応系を0〜2℃に維持した。0.5時間後に0.5mLを2NのHClおよびMTBEの混合物(それぞれ1mL)の中に入れて失活させることにより、HPLCのために反応試料を採取した。MTBE層から試料を採取した。HPLCでは88.6%のアミノアルコール1−6または1−7、5.4%のイミンが確認され、未反応のTMS−シアノヒドリン1−5または1−5aは確認されなかった。47分後、EtOAc(0.84mL)を添加して反応系を失活させ、温度を2℃未満に維持した。失活させた反応系を0〜2℃に5分間維持し、次いでH2O(0.33mL)、15%NaOH(0.33mL)およびH2O(0.98mL)を添加した。反応系を0〜5℃で5分間、次いで20〜25℃で100分間撹拌した。反応混合物をSiO2プラグ(15g、5部)に通し、フラスコをMTBE(20mL)で洗い流し、この流出物を漏斗に添加した。パッドをさらなるMTBE(260mL)で溶離した。濾液を2NのHCl(85mL)、次いで10%K2CO3(85mL)で洗浄した。有機層をロータリーエバポレーターで濃縮して、アミノアルコール1−6とTMSがまだ結合した状態の1−6との混合物2.73gを得た。HPLCでは85.6%のアミノアルコール1−6または1−7±TMSが確認された。
【0159】
3c:3−アミノ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン−2−イル)プロパン−2−オール(1−6*または1−7*)
方法の開発
【化152】
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【0160】
この鏡像異性体濃縮方法の開発に関して、ラセミ±1−6の1−6*または1−7*への鏡像異性体濃縮について以下により完全に説明する。1−6または1−7の1−6*または1−7*への鏡像異性体濃縮では、ラセミ±1−6の1−6*または1−7*への鏡像異性体濃縮を達成するために同様の条件(実施例3fを参照)を使用し、その結果を以下の表7に示す。
【表7】
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【0161】
実施例3:ラセミ±1−6の1−6*または1−7*への変換
【0162】
3f:3−アミノ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン−2−イル)プロパン−2−オール(1−6*または1−7*)
【化153】
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【0163】
方法の開発
表8は、各種キラル酸/溶媒の組み合わせの調査を行った最初の選別を示す。0.1ミリモルのアミノアルコール±1−6、1当量のキラル酸および1mLの溶媒を用いて表8内の全ての項目を生成した。
【表8】
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【0164】
表9における最良の結果は酒石酸およびジ−p−トルオイル酒石酸を用いて得られたため、表9は、これらの2種類のキラル酸と各種溶媒との組み合わせを用いる集中選別による結果を示す。0.2ミリモルのアミノアルコール±1−6、87体積の溶媒を用いて表9内の全ての項目を生成し、各項目を51℃で1時間の加熱に曝露し、室温に冷却し、室温で24時間撹拌した。
【表9】
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【0165】
表10内のジ−p−トルオイル酒石酸を用いる3つの項目のそれぞれにより、酒石酸と比較した場合より高レベルの鏡像異性体濃縮が得られた。従って、鏡像異性体濃縮をさらに最適化するための努力を、ジ−p−トルオイル酒石酸を用いる条件に集中した(表10)。
【表10】
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【0166】
表11は、DPPTA分割から得られた鏡像体過剰率(表10)を、ACN/MeOH中でスラリー化することによりさらに増加させることができることを実証している。
【表11】
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【0167】
±1−6を1−6*または1−7*に変換するための典型的な手順
(この実験手順は、±1−6の分割について記載しているが、1−6または1−7のDPPTA分割のために使用される条件は本質的に同じである。)
【0168】
アミノアルコール±1−6(7.0g、15ミリモル)をアセトニトリル(84mL)とメタノール(21mL)との混合物に溶解した。(D)−DPTTA(5.89g、15ミリモル)を添加し、反応系を50℃に温め、2.5時間維持した。次いで、熱を除去し、懸濁液を放冷し、20〜25℃で65時間撹拌した。この懸濁液を氷浴で冷却し、さらに2時間撹拌した。固体を真空濾過で単離し、ケークを冷たい8:2のACN/MeOH(35mL)で洗浄した。50℃で乾燥した後、5.18gの1−6*または1−7*/DPPTA塩を単離した(HPLC純度=99.0、ee=74)。
【0169】
1−6*または1−7*/DPPTA塩(5.18g)を8:2のACN/MeOH(68mL)と共に1つにまとめ、この懸濁液を50℃に加熱し、20分間維持した。20〜25℃に冷却した後、混合物を16時間撹拌した。固体を真空濾過で単離し、ケークを冷たい8:2のACN/MeOH(30mL)で洗浄し、漏斗上で吸引乾燥した。2.82gの1−6*または1−7*/DPPTA塩を44.4%の収率(粗製の±1−6から)、97.5のeeで得た。得られた固体を遊離塩基化して1−6*または1−7*をDPPTA塩と同じアキラルおよびキラル純度で得た。
【0170】
実施例4:2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン−2−イル)プロパン−2−オール(1または1a)の調製
【化154】
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【0171】
化合物1または1aを生成するために使用した手順は、米国特許第4,426,531号に記載されているとおりである。表12は、TMS−シアノヒドリン法およびTMSI−エポキシ化法の両方から生成したアミノアルコール1−6*または1−7*に対して行ったこの手順の効率的かつ定量的な性質を示す。
【表12】
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【0172】
実施例5:2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン−2−イル)プロパン−2−オールのベンゼンスルホン酸塩(1−BSAまたは1a−BSA)
【化155】
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【0173】
1または1aを1−BSAまたは1a−BSAに変換するための典型的な手順
46.6gの化合物1または1aを酢酸エチル(360ml)に溶解した。この溶液を極小繊維ガラスフィルタで濾過し、オーバーヘッドスターラー、凝縮器およびJ−Kem熱電対を備えた2Lの反応フラスコに入れた。医薬品グレードのベンゼンスルホン酸(BSA、14.39g、1当量)を酢酸エチル(100ml)に溶解した。BSA溶液を極小繊維ガラスフィルタで濾過し、撹拌した1または1a溶液に一度で添加した。混合物を60〜65℃に温め、温め期間中に1または1a/BSA塩の沈殿が生じた。スラリーを60〜65℃に60分間維持した。懸濁液をゆっくりと22℃に放冷し、20〜25℃で16時間撹拌した。n−ヘプタン(920ml)を一度に入れ、懸濁液を22℃でさらに90分間撹拌した。スラリーを濾過し、回収した固体をn−ヘプタン(250ml)で洗浄した。単離した固体を50℃の真空オーブンに16時間入れた。52.26g(86%の収率)の1または1aのベンゼンスルホン酸塩を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6 + D20): 89.16 (s, 1H), 8.95 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.26 (dd, J = 8.2, 2.3 Hz, 1H), 7.96-7.89 (m, 2H), 7.66-7.61 (m, 2H), 7.59 (dd, J = 8.3, 0.4 Hz, 1H), 7.53 (br d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.38-7.15 (m, 5H), 6.90 (dt, J = 8.3, 2.5 Hz, 1H), 5.69 (d, J = 14.8 Hz, 1H), 5.15 (d, J = 15.2 Hz, 1H).
【0174】
さらなる結果を表13に示す。
【表13】
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【0175】
図1〜
図3は、TMS−シアノヒドリン法によって調製した1または1a−BSAの分析データを含む。
【0176】
実施例6:3−アミノ−1−(5−ブロモピリジン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロプロパン−2−オール(4b−Brまたは4c−Br)
【化156】
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【0177】
4−Brを4b−Brまたは4c−Brに変換するための典型的な手順
粗製のアミノアルコール±4b−Br(42.4、0.11モル)を、425mLの8:2=IPA:CH3CNに溶解した。この溶液を凝縮器、オーバーヘッドスターラーおよび熱電対を備えた1Lの三口丸底フラスコに入れた。このフラスコにジ−p−トルオイル−L−酒石酸(21.6g、0.056モル、0.5当量)を入れ、この内容物を52℃に温めた。反応混合物を52℃で5時間撹拌し、22〜25℃に冷却し、12時間撹拌した。スラリーを5〜10℃に冷却し、90分間撹拌した。混合物を濾過し、回収した固体を80mLの冷たいCH3CNで洗浄した。固体を45〜50℃の真空オーブンで乾燥した。アミノアルコール/DPTTA塩の重量=17.4g。HPLCによる化学純度(面積%)=98.5%、キラルHPLC=98.0%ee。
【0178】
13.60gのアミノアルコール/DPTTA塩を、撹拌子を有する250mLのフラスコの中に入れ、ここに100mLのMTBEおよび100mLの10%K2CO3水溶液を添加した。完全な溶解が観察されるまで反応系を撹拌した。層を分離し、水層を50mLのMTBEで抽出した。1つにまとめたMTBE層を50mLの20%NaCl水溶液で洗浄し、溶媒を除去して8.84(98%)の4b−Brまたは4c−Brを淡黄色の油として得た。
【0179】
実施例7:3−アミノ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン−2−イル)プロパン−2−オール(1−6*または1−7*)
【化157】
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【0180】
4b−Brまたは4c−Brを1−6*または1−7*に変換するための典型的な手順
アミノアルコール4b−Brまたは4c−Br(8.84g、0.023モル、1当量)を73mLのn−プロパノールに溶解した。この溶液を、凝縮器、熱電対、撹拌子およびセプタムを備えた250mLの三口丸底フラスコに移した。17mLの水を添加し、22〜25℃で5分間撹拌した。この反応系にK2CO3(9.67g、0.07モル、3当量)、4−(トリフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(5.76g、0.028モル、1.2当量)、およびCH2Cl2付加物としてのPd(dppf)Cl2(0.38g、0.47ミリモル、0.02当量)をフラスコに添加した。混合物を窒素で10分間パージした後、次いで、反応系を85〜87℃に温め、85〜87℃で16時間撹拌した。HPLC分析では1%未満のアミノアルコール4b−Brまたは4c−Brの残留が確認された。混合物を22〜25℃に冷却し、次いで、115mLのMTBEおよび115mLの水を添加し、30分間撹拌した。層を分離し、有機層を2×60mLの20%NaCl水溶液で洗浄した。溶媒を除去して12.96g(121%の収率)の1−6*または1−7*を粗製の暗色油として得た。なお、この油は、残留している溶媒、Pdおよびボロン酸不純物を含んでいる。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ8.90 (d, J= 2.2Hz, 1H), 8.22 (dd, J= 8.3, 2.3Hz, 1H), 7.91 (m, 2H), 7.54 (m, 4H), 7.14 (m, 1H), 7.02 (m, 1H), 3.41 (m, 1H), 3.27 (dd, J= 14.0, 2.7, 1H). MS m/z 461 (M+H+).
【0181】
参照による組み込み
本出願の全体にわたって引用されている全ての参考文献(文献、取得済特許、公開特許出願および同時係属中の特許出願を含む)の内容全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0182】
均等物
当業者であれば、本明細書に記載されている本発明の具体的な実施形態の多くの均等物を知っているか、日常の実験のみを用いて確認することができるであろう。そのような均等物は、以下の特許請求の範囲によって包含されるものとする。