特許第6572243号(P6572243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6572243
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】排気ガスターボチャージャ
(51)【国際特許分類】
   F02B 39/00 20060101AFI20190826BHJP
   F02B 37/00 20060101ALI20190826BHJP
   F01D 5/04 20060101ALI20190826BHJP
   F01D 5/14 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   F02B39/00 Q
   F02B37/00 301Z
   F02B39/00 D
   F01D5/04
   F01D5/14
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-566748(P2016-566748)
(86)(22)【出願日】2015年5月19日
(65)【公表番号】特表2017-516012(P2017-516012A)
(43)【公表日】2017年6月15日
(86)【国際出願番号】US2015031503
(87)【国際公開番号】WO2015179353
(87)【国際公開日】20151126
【審査請求日】2018年2月14日
(31)【優先権主張番号】102014209484.4
(32)【優先日】2014年5月20日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500124378
【氏名又は名称】ボーグワーナー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】マーク・グガウ
(72)【発明者】
【氏名】アレッシオ・シェリ
【審査官】 北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭56−118521(JP,A)
【文献】 特開2011−117344(JP,A)
【文献】 特表2013−530335(JP,A)
【文献】 米国特許第04389845(US,A)
【文献】 国際公開第2010/097981(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0296835(US,A1)
【文献】 特開2014−001712(JP,A)
【文献】 特開平07−004395(JP,A)
【文献】 実開昭60−066832(JP,U)
【文献】 特開2007−092557(JP,A)
【文献】 特開昭63−050606(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0104539(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 39/00
F01D 5/04
F01D 5/14
F02B 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
好ましくは、乗用車用の排気ガスターボチャージャ(1)であって、
コンプレッサホイール3を有するコンプレッサ(2)、
タービンホイール(5)及びタービンハウジング(6)を有するタービン(4)、
前記コンプレッサホイール(3)を前記タービンホイール(5)に連結するシャフト(7)、及び
前記タービンハウジング(6)内に形成され、排気ガスを前記タービンホイール(5)上に案内する2以上のチャンネル(13、14)を含み、
軸方向(8)は、前記シャフト(7)に沿って定義され、半径方向(9)は、前記軸方向(8)に垂直に定義され、円周方向(10)は前記軸方向(8)の周りに定義され、
各チャンネル(13、14)は、前記タービンホイールのセグメントにわたって前記タービンホイール(5)に対抗する流れを誘導し、
前記タービンホイール(5)は、10以上のタービンブレード(12)を含み、
前記タービンブレード(12)は、主ブレード(22)及び中間ブレード(23)を備え、前記中間ブレード(23)は、前記軸方向(8)に見たときに、前記タービン出口に向かって前記主ブレード(22)まで延長されず、
各チャンネル(13、14)の半径方向内側面は、舌状部(17)と共に終端し、前記それぞれのチャンネルのネック部分断面積(A1)は、前記舌状部(17)の先端(18)で決定され、流出口断面積A2が前記主ブレード(22)のタービン出口縁で最も狭い流れ出口断面積として決定され、A2/A1≧(S:前記チャンネルの数)・0.9である排気ガスターボチャージャ。
【請求項2】
中間ブレード(23)は、各場合で2つの主ブレード(22)の間に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項3】
A2/A1≧S・1.0であることを特徴とする請求項1又は2記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項4】
前記タービンホイールの入口直径(D)は、前記タービンブレード(12)、特に、前記主ブレード(22)の半径方向端部まで測定したときに、前記タービンホイール(5)で定義され、ここで、S・A1/D≦15mm、好ましくはS・A1/D≦12mmであることを特徴とする、請求項3に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項5】
−各チャンネル(13、14)の半径方向内側面は、舌状部(17)及び関連先端(18)と共に終端し、
一つのチャンネル(13)の前記舌状部の前記先端(18)は、幾何学的な基準点を形成し、この基準点から開始して、次のチャンネル(14)は、前記円周方向(10)で測定したときに360゜/Sで終端し、
−この次のチャンネル(14)の前記舌状部の前記先端(18)は、前記円周方向(10)に角度(α)だけ短くなり、
−ここで、(360゜/Z)−5゜≧α≧5゜であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項6】
専用の渦巻き(15、16)が各チャンネル(13、14)ごとに前記タービンハウジング(6)内に形成され、前記渦巻き(15、16)は、前記円周方向(10)に360゜/Sまでオフセットされることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項7】
少なくとも一つの渦巻き(15)が前記タービンハウジング(6)内に形成され、前記渦巻き(15)内で、2つのチャンネル(13、14)が横木(25)によって分離され、一つのチャンネル(14)が他のチャンネル(13)の外側に放射状に配置されることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の排気ガスターボチャージャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガスターボチャージャに関する。本発明は、特に乗用車に使用されるコンパクトの排気ガスターボチャージャを提示する。
【背景技術】
【0002】
従来技術による排気ガスターボチャージャにおいて、排気ガスは、少なくとも一つの渦巻き(volute)を介して排気ガスターボチャージャのタービンホイールに誘導される。渦巻き内にパルスチャージのために、2つのチャンネルが別の横木(crosspiece)によって互いに分離されることが知られている。2つのチャンネルは、関連する内燃機関の互いに異なるシリンダに繋がることができる。このような配置の場合、2つのチャンネルは、ターボチャージャの軸方向に互いに並んで配置され、これによって、各個々のチャンネルは、タービンホイールの全幅に対する流れを誘導できない。ここでの問題点は、別の横木が常にタービンホイールの特定部分を隠蔽するようになって、流れがこの部分のタービンホイールに対して直接誘導されることができないということである。特定水準の安全性及び耐久強度を保障するために、別の横木は、所好のように薄く構成することもできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、コスト効率の良い生産及び低いメンテナンス作業と共に、パルスチャージすることができるようにすることと同時に、コンパクトでありながら、特に乗用車に使用され得る排気ガスターボチャージャを明示することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的は、独立請求項の特徴などによって達成される。従属請求項は、本発明の有利な構成に関する。
【0005】
従って、前記目的は、コンプレッサホイールを有するコンプレッサとタービンホイールを有するタービンを含む、好ましくは乗用車用の排気ガスターボチャージャによって達成される。タービンホイールは、タービンハウジング内に配置される。コンプレッサホイールは、シャプトによってタービンホイールに連結される。例えば、内燃機関からの排気ガスがタービンホイールに対して流れる。これは、シャフト、及びこれによってコンプレッサホイールも回転するようにする。例えば、内燃機関のためのチャージ空気がコンプレッサホイールを介して圧縮される。排気ガスをタービンホイールの上に案内するための少なくても2つのチャンネルがタービンハウジング内に形成される。チャンネルの数を“S”と称する。シャフトは、コンプレッサからタービンまで軸方向に延びる。この軸方向は、シャフトの軸及び/またはタービンホイールとコンプレッサホイールとの軸に沿って置かれる。半径方向は、軸方向に垂直に定義される。円周方向は、タービンホイールの回転方向に反対方向に、軸方向の周りに定義される。少なくとも2つのチャンネルのそれぞれは、後者のチャンネルの全幅にわたってタービンホイールに対する流れを誘導する。タービンホイールの幅は、軸方向に定義される。さらに、各チャンネルは、円周方向に対して見た時に一つのセグメントにわたってタービンホイールに対する流れを誘導する。2つのチャンネルが使用される場合、これによって各チャンネルは、180゜にわたって、そして、タービンホイールの全幅にわたってタービンホイールに対する流れを誘導する。本発明は、別の横木を介して細分化された2つの軸方向隣接チャンネルを提供しない。これは、タービンホイールが別の横木によって部分的に隠蔽されないことを意味する。
【0006】
それぞれのチャンネルは、いわゆる舌状部(tongue)と共に半径方向内側面上で終端する。この舌状部がタービンホイールに対する最適な流れを少なくとも部分的に阻むという事実が考慮されるべきである。ここで、本発明は、180゜までオフセットされる状態でタービンホイールに作用する少なくとも2つのチャンネルを提供するので、このような2つの舌状部がタービンホイールに対する最適な流れに悪影響を及ぼす。このような悪影響は、コンパクトな排気ガスターボチャージャ、及び対応して小さいタービンホイールの場合に特に顕著であり得る。本発明の構成内において、チャンネルが180゜までオフセットされても、適切に多い数のタービンブレード−少なくとも10個のブレード−がある場合に、タービンホイールに対して十分に良好な流れが達成され得るものとして明らかになった。以下では、タービンブレードの数を“Z”と称する。少なくとも12個、さらに好ましくは、少なくとも14個のタービンブレードが提供されることが特に好ましい。
【0007】
排気ガスターボチャージャに対するいわゆる最も狭い流出口断面積が一般的に定義される。この最も狭い流出口断面積は、タービンブレードのタービン出口側縁上のタービン出口で測定される。ここで最も狭い流出口断面積は、ブレード表面に垂直に測定され、タービンブレードなどの間の個々表面の明らかな幅として定義される。もっと多いタービンブレードがタービンホイール上に配置され、最も狭い流出口断面積がより小さくなるが、これはタービン出口側縁の厚さが各場合で流出口断面積を減少させるためである。しかし、特定の最も狭い流出口断面積は、排気ガスターボチャージャの最適な動作に有利である。従って、タービンホイールの主ブレード及び中間ブレードが使用されることが好ましい。中間ブレードは、少なくともそのハブ側端部から軸方向に主ブレードまで延長されない。これは、中間ブレードが最も狭い流出口断面積に影響を及ぼさないことを保障する。従って、最も狭い流出口断面積は、主ブレードのタービン出口側縁に沿って定義され、また、主ブレードのタービン出口側縁の厚さのみによって悪影響を受ける。
【0008】
特に、中間ブレードが、各場合で、2つの主ブレードの間に配置されるように提供される。タービンブレードの総数が少なくても10個である場合なら、これは、5個の主ブレード及び5個の中間ブレードが使用されることを意味する。特に、少なくとも6個の主ブレード及び少なくとも6個の中間ブレード、特に好ましくは少なくとも7個の主ブレード及び少なくとも7個の中間ブレードを使用することが提供される。
【0009】
冒頭で言及したように、各チャンネルの半径方向内側は、いわゆる舌状部と共に終端する。舌状部の端部は、先端として定義される。それぞれのチャンネルのネック部分(neck)断面積A1は、舌状部のこの先端で定義される。タービンホイールの軸を通じる半径方向への仮想直線は、ネック部分断面積A1内に位置する。タービンブレードのタービン出口側縁での前記した最も狭い流出口断面積をA2と称する。次のような場合、すなわち、A2/A1≧S・0.9、好ましくはA2/A1≧S・1.0が提供されることが好ましい。個々チャンネルの流出口断面積A2対ネック部分断面A1のこのような比率は、排気ガスターボチャージャの最適な動作を保障する。特に、このような目的のために比較的小さい最も狭い流出口断面積A2は、前記した中間ブレードを使用することで達成される。しかし、タービンブレードが適切に形成されることによって、中間ブレードを使用せずに前記の比率を達成することもできる。
【0010】
さらに、タービンホイールの入口直径Dは、タービンブレードの半径方向端部まで測定したときに、タービンホイールに定義されるように提供されることが好ましい。主ブレード及び中間ブレードが使用される場合、タービンホイールの入口直径Dは、主ブレードの半径方向端部まで定義される。S・A1/D≦15mm、好ましくはS・A1/D≦12mmの場合が好ましい。これら変数は、特に、排気ガスターボチャージャが小さなものであり、対応して小さいタービンホイールを有するものであることを定義する。特に、排気ガスターボチャージャのこのような大きさによって、最上の可能な効率を達成するために、少なくとも10個のタービンブレードと共に、チャンネルの本発明による配置が使用されるべきである。
【0011】
さらに、一つのチャンネルの少なくとも一つの舌状部は、短く提供されることが好ましい。一つのチャンネルの舌状部の先端は、幾何学的な基準点を形成する。この基準点から開始して、次のチャンネルが円周方向で測定したときに、360゜/Sで終端する。従って、2つのチャンネルが使用される場合、一つのチャンネルは、0゜で終端し、他のチャンネルは、180゜で終端する。第2チャンネルの舌状部の先端は、円周方向に角度αだけ短く提供されることが好ましい。この角度αに対して、(360゜/Z)−5゜≧α≧5゜である場合が好ましい。特に、少なくとも5゜だけ短くする、これはブレード疲労破壊の危険性を減少させる。
【0012】
特に、チャンネル及び渦巻きの形成のために、次の構成が提供されることが好ましい:第1の変形例によれば、専用の渦巻きは、各チャンネルごとにタービンハウジング内に形成される。従って、内燃機関から排気ガスターボチャージャにつながる、特に180゜までオフセットされる少なくとも2つの渦巻きが存在する。各渦巻きは、その中に形成されたチャンネルを有する。
【0013】
第2の変形例では、2つのチャンネルに共通の渦巻きがタービンハウジング内に形成されるように提供されることが好ましい。この一つの渦巻きは、一つのチャンネルが他のチャンネル内部に放射状に配置されるように2つのチャンネルを互いにから分離する横木を含む。横木は、タービンホイールの方向に外部チャンネルの舌状部に併合される。
【0014】
排気ガスターボチャージャは、特に、偶数のシリンダを有する内燃機関用として使用される。チャンネルがどのシリンダに連結されるかは重要ではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下、例示的な実施形態を参照して、図面と関連して本発明を説明する。
図1】本発明のすべての例示的な実施形態による排気ガスターボチャージャを概略的な簡易図を示し;
図2】本発明の第1の例示的な実施形態による排気ガスターボチャージャのタービンを通じて概略的な簡易断面図を示し;
図3】本発明の第1の例示的な実施形態による排気ガスターボチャージャのタービンホイールを示し;
図4】本発明の第2の例示的な実施形態による排気ガスターボチャージャのタービンホイールを示し;
図5】本発明の第2の例示的な実施形態による排気ガスターボチャージャのタービンを通じる断面を示し;
図6】本発明の第3の例示的な実施形態による排気ガスターボチャージャを通じる断面を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、排気ガスターボチャージャ1の例示的な実施形態に対して詳細に説明する。すべての例示的な実施形態において、同一であるとか、機能的に同一の構成要素には、同一の参照符号が提供される。図1は、すべての例示的な実施形態に対する排気ガスターボチャージャ1の一般的な構成を示している。
【0017】
図1によれば、排気ガスターボチャージャ1は、コンプレッサホイール3を有するコンプレッサ2を有する。また、タービンホイール5及びタービンハウジング6を有するタービン4も提供される。複数のタービンブレード12がタービンホイール5上に形成される。シャフト7は、コンプレッサホイール3をタービンホイール5に連結する。
【0018】
2つのチャンネル13、14がタービンハウジング6内に形成される。排気ガスは、前記チャンネル13、14を通じてタービンホイール5上に誘導される。従って、タービンホイール5が回転するようになる。これによって、シャフト7を介してコンプレッサホイール3も回転するようになる。空気がコンプレッサホイール3を介して取り込まれ、圧縮される。
【0019】
シャフト7は、軸方向8に延びる。軸方向8は、タービンホイール5の軸11に沿って置かれる。軸方向8は、コンプレッサ2からタービン4の方向に定義される。半径方向9は、軸方向8に垂直に進行する。円周方向10は、軸方向8の周りに定義される。円周方向10は、タービンホイール5の回転方向に反対方向に定義される。
【0020】
図2は、第1の例示的な実施形態による排気ガスターボチャージャ1のタービン4を通じる断面を概略的簡易図で示している。第1の例示的な実施形態では、2つの渦巻き15、16がタービンハウジング6内に形成されることが分かる。各渦巻き15、16は、それぞれのチャンネル13、14を含む。
【0021】
チャンネル13、14、または渦巻き15、16は、各場合で、軸方向8に定義されたときに、後者の全幅にわたってタービンホイール5に対する流れを誘導する。各チャンネル13、14は、180゜の一つのセグメントにわたってタービンホイール5に対する流れを誘導する。
【0022】
チャンネル13、14のそれぞれの半径方向内側面は、舌状部17と共に終端する。舌状部17の端部は、先端18として定義される。
【0023】
10個のタービンブレード12がタービンホイール5上に提供される。
【0024】
図3は、タービンホイール5の詳細を示している。それぞれのタービンブレード12は、タービン出口側縁19を有する。このタービン出口側縁19は、軸11に略垂直に位置し、タービンホイール5のハブ20に連結される。最も狭い流出口断面積A2は、10個のサブ表面(sub−surface)21から構成される。各サブ表面21は、タービンブレード12の表面に垂直方向に、それぞれのタービン出口側縁19で測定される。この場合、これらの10個のサブ表面21の総合は、最も狭い流出口断面積A2を形成する。図3の図面は、使用される各タービンブレード12が特にその厚さによって最も狭い流出口断面積A2を減少させることを明らかに示している。
【0025】
それぞれのチャンネル13、14のネック部分断面積A1は、舌状部の先端18で定義される。比A2/A1は、2・0.9、好ましくは2・1.0より大きいかそれと同一であることが好ましい。
【0026】
図4は、第2の例示的な実施形態によるタービンホイール5を示している。このタービンホイール5において、タービンブレード12は、主ブレード22及び中間ブレード23の形態で設計される。中間ブレード23は、各場合で2つの主ブレード22の間に位置する。7個の主ブレード22及び対応して7個の中間ブレード23が提供される。
【0027】
図4によるタービンホイール5の場合の重要な要素は、中間ブレード23のハブ側端部24が軸方向8に主ブレード22まで突出しないということである。従って、主ブレード22のタービン出口側縁19は、最も狭い流れ出口断面積A2の計算のために決定的なものである。最も狭い流れ出口断面積A2は、中間ブレード23の設計によって悪影響を受けない。これは、A2/A1≧S・0.9、好ましくはA2/A1≧S・1.0の好ましい比率が良好な効果で実現することができることを意味する。
【0028】
図5は、第2の例示的な実施形態に対するタービンハウジング6の設計を示している。第2の例示的な実施形態では、両チャンネル13、14に共通の渦巻き15が形成される。渦巻き15は、横木25によって2つのチャンネル13、14に細分化される。横木25は、2つのチャンネル13、14が半径方向9に互いに隣接するように配置される。これは、それぞれのチャンネル13、14がタービンホイール5の全幅にわたって作用できるようにする。図5に示したように、横木25は、外部チャンネル14の舌状部に併合される。
【0029】
図6は、第3の例示的な実施形態に対するタービンハウジング6の設計を示している。第3の例示的な実施形態は、次の差を除いて第2の例示的な実施形態に対応する:第3の例示的な実施形態では、ただ、図2でのように、一つのチャンネル14の舌状部17だけが短くなる。第1チャンネル13の舌状部の先端18は、幾何学的な基準点を形成する。この基準点から開始して、次のチャンネルが円周方向で測定したときに360゜/Sで終端する。従って、2つのチャンネル13、14が使用される場合、第1チャンネル13は、0゜で終端し、第2チャンネル14は、180゜で終端する。ここで、第2チャンネル14の舌状部の先端18は、円周方向に角度αだけ短くなる。この角度αに対しては、(360゜/Z)−5゜≧α≧5゜である場合が好ましい。特に、少なくとも5゜だけ短くする、これはブレード疲労破壊の危険性を減少させる。
【0030】
ここに示した排気ガスターボチャージャ1は、特に小さい構成のために提供される。特に、比較的小さなタービンホイール5を有することが意図されている。図1は、タービンホイール5の入口直径Dを示している。この直径Dは、35mm以下であることが好ましい。
【0031】
主ブレード22及び中間ブレード23を有するタービンホイール5の構成は、また第1の例示的な実施形態でも使用され得る。同様に、図3によるタービンホイール5は、図5または図6によるタービンハウジング6の構成で使用され得る。
【符号の説明】
【0032】
1 排気ガスターボチャージャ
2 コンプレッサ
3 コンプレッサホイール
4 タービン
5 タービンホイール
6 タービンハウジング
7 シャフト
8 軸方向
9 半径方向
10 円周方向
11 軸
12 タービンブレード
13 第1チャンネル
14 第2チャンネル
15 第1渦巻き
16 第2渦巻き
17 舌状部
18 舌状部の先端
19 タービン出口側縁
20 ハブ
21 サブ表面
22 主ブレード
23 中間ブレード
24 ハブ側端部
25 横木
A1 ネック部分断面積
A2 流出口断面積
図1
図2
図3
図4
図5
図6