特許第6572273号(P6572273)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6572273CGRP受容体アンタゴニストの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6572273
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】CGRP受容体アンタゴニストの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/20 20060101AFI20190826BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20190826BHJP
   C07D 211/76 20060101ALI20190826BHJP
   C07D 213/50 20060101ALI20190826BHJP
   C07F 7/10 20060101ALI20190826BHJP
   C07F 7/18 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   C07D471/20ZNA
   C07D471/04 104Z
   C07D211/76
   C07D213/50
   C07F7/10 V
   C07F7/18 V
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】75
(21)【出願番号】特願2017-178964(P2017-178964)
(22)【出願日】2017年9月19日
(62)【分割の表示】特願2015-500541(P2015-500541)の分割
【原出願日】2013年3月13日
(65)【公開番号】特開2018-30858(P2018-30858A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2017年9月26日
(31)【優先権主張番号】61/610,746
(32)【優先日】2012年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/644,648
(32)【優先日】2012年5月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596129215
【氏名又は名称】メルク・シャープ・アンド・ドーム・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Merck Sharp & Dohme Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ベリク,ケビン,エム
(72)【発明者】
【氏名】クリエーター,エドワード
(72)【発明者】
【氏名】クオ,シエン−チユン
(72)【発明者】
【氏名】マリグレス,ピーター,エマニユエル
(72)【発明者】
【氏名】シアーン,バーンピーン
(72)【発明者】
【氏名】安田修祥
(72)【発明者】
【氏名】イン,ジアーングオ
【審査官】 ▲吉▼澤 英一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/130524(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/027927(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/021864(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/014383(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/005731(WO,A1)
【文献】 特表2007−519729(JP,A)
【文献】 特表2013−542261(JP,A)
【文献】 特表2013−542260(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
C07F
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の群から選択される化合物もしくはその塩、又はその立体異性体:
【化1】

[式中、Bocは、tert−ブトキシカルボニルであり、SEMは、2−(トリメチルシリル)エトキシメチルであり、TIPSは、トリイソプロピルシリルである]。
【請求項2】
化合物が以下である、請求項1に記載の化合物もしくはその塩、又はその立体異性体:
【化2】
【請求項3】
化合物が以下である、請求項1に記載の化合物もしくはその塩、又はその立体異性体:
【化3】
【請求項4】
化合物が以下である、請求項1に記載の化合物もしくはその塩、又はその立体異性体:
【化4】
【請求項5】
化合物が以下である、請求項1に記載の化合物もしくはその塩、又はその立体異性体:
【化5】
【請求項6】
化合物が以下である、請求項1に記載の化合物もしくはその塩、又はその立体異性体:
【化6】
【請求項7】
化合物が以下である、請求項1に記載の化合物もしくはその塩、又はその立体異性体:
【化7】
【請求項8】
以下の群から選択される式の化合物又はその塩:
【化8】

[式中、Rは、C1−4アルキル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル及び[1−(トリフルオロメチル)シクロプロピル]メチルからなる群から選択され、ここで、それぞれは、F及びヒドロキシよりなる群から独立に選択される、価数により許容される1以上の置換基で置換されていてもよく、そして、
は、水素、メチル、F、Cl又はBrである]。
【請求項9】
化合物が以下である、請求項8に記載の化合物又はその塩:
【化9】
【請求項10】
化合物が以下である、請求項8に記載の化合物又はその塩:
【化10】
【請求項11】
化合物が以下である、請求項8に記載の化合物又はその塩:
【化11】
【請求項12】
化合物が以下である、請求項8に記載の化合物又はその塩:
【化12】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表の参照 配列表の公式コピーは、ASCII方式のテキストファイルとして、20
12年5月9日作成、4,570バイトのサイズの「23237USPSP−SEQLI
ST−09MAY2012」というファイル名で本明細書と同時にEFS−Webを介し
て提出した。EFS−Webを介して提出した配列表は、本明細書の一部であり、参照に
より本明細書中にその全体が組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本願は、偏頭痛の処置に有用なCGRP受容体アンタゴニストであるピペリジノンカルボ
キサミドインダンおよびアザイナン(azainane)誘導体の製造方法に関する。こ
のクラスの化合物は、2011年11月10日提出の米国特許出願第13/293,16
6号、2011年11月10日提出の同第13/293,177号および2011年11
月10日提出の同第13/293,186号および2011年11月10日提出の国際出
願PCT/US11/60081号および2011年11月10日提出のPCT/US1
1/60083号に記載されている。
【0003】
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、カルシトニンメッセンジャーRNAの
組織特異的なオルタナティブプロセシングにより作製される天然の37−アミノ酸ペプチ
ドであり、中枢および末梢神経系に広く分布している。CGRPは、感覚求心性神経およ
び中枢ニューロンに主に局在しており、血管拡張を含むいくつかの生物学的作用に介在す
る。CGRPは、ラットおよびヒトにおいてそれぞれ1個および3個のアミノ酸が異なる
、αおよびβ型で発現される。CGRP−αとCGRP−βとは、類似の生物学的特性を
示す。細胞から放出される場合、CGRPは、主にアデニリルシクラーゼの活性化につな
がる特異的な細胞表面受容体に結合することによってその生物学的反応を開始させる。C
GRP受容体は同定されており、脳、心血管系、内皮および平滑筋起源を含むいくつかの
組織および細胞において薬理学的に評価されている。
【0004】
薬理学的特性に基づき、これらの受容体は、CGRPおよびCGRPと呼ばれる少な
くとも2つのサブタイプに分類される。7個のN末端アミノ酸残基を欠くCGRPの断片
であるヒトα−CGRP−(8−37)はCGRP1の選択的アンタゴニストであり、一
方、ジアセトアミドメチルシステインCGRP([Cys(ACM)2,7]CGRP)
であるCGRPの直鎖状類似体は、CGRPの選択的なアゴニストである。CGRPは
、脳血管障害、例えば偏頭痛および群発頭痛などの病理に関連付けられている強力な神経
修飾物質である。臨床研究において、偏頭痛発作中、頸静脈でCGRPレベル上昇が起こ
ることが分かった(Goadsbyら、Ann.Neurol.,1990,28,18
3−187)、発作と発作との間でCGRPの唾液レベルが偏頭痛対象において上昇して
おり(Bellamyら、Headache,2006,46,24−33)、CGRP
それ自身が、偏頭痛性の頭痛を惹起することが示されている(Lassenら、Ceph
alalgia,2002,22,54−61)。臨床試験において、CGRPアンタゴ
ニストBIBN4096BSが偏頭痛の急性発作を処置することにおいて有効であること
が示されており(Olesenら、New Engl.J.Med.,2004,350
,1104−1110)、対照群においてCGRP点滴により誘導される頭痛を予防する
ことができた(Petersenら、Clin.Pharmacol.Ther.,20
05,77,202−213)。
【0005】
三叉神経血管系のCGRP介在性活性化は、偏頭痛の病態において重要な役割を果たし得
る。さらに、CGRPは、頭蓋内血管の平滑筋において受容体を活性化し、血管拡張が増
加し、これが偏頭痛発作中の頭痛に寄与すると考えられる(Lance,Headach
e Pathogenesis:Monoamines,Neuropeptides,
Purines and Nitric Oxide,Lippincott−Rave
n Publishers,1997,3−9)。硬膜中の主な動脈である中硬膜動脈は
、CGRPを含むいくつかの神経ペプチドを含有する三叉神経節からの知覚線維により支
配を受ける。ネコにおける三叉神経節刺激の結果、CGRPレベルが上昇し、ヒトにおい
て、三叉神経系の活性化により、顔面紅潮が起こり、外頸静脈のCGRPレベルが上昇し
た(Goadsbyら、Ann.Neurol.,1988,23,193−196)。
ラットにおける硬膜の電気刺激によって、中硬膜動脈の直径が大きくなるが、ペプチドC
GRPアンタゴニストであるCGRP(8−37)の前投与により影響が阻止された(W
illiamsonら、Cephalalgia,1997,17,525−531)。
三叉神経節刺激は、ラットにおいて顔面の血流を向上させるが、これはCGRP(8−3
7)により阻害された(Escottら、Brain Res.1995,669,93
−99)。マーモセットにおける三叉神経節の電気刺激によって、顔面血流の増加が引き
起こされるが、これは非ペプチドCGRPアンタゴニストBIBN4096BSにより阻
止され得る(Doodsら、Br.J.Pharmacol.,2000,129,42
0−423)。したがって、CGRPの血管効果は、CGRPアンタゴニストによって減
弱され得るか、阻止され得るかまたは解消され得る。
【0006】
ラット中硬膜動脈のCGRP介在性血管拡張は、三叉神経脊髄路核尾側亜核のニューロン
を過敏にすることが示された(Williamsonら、The CGRP Famil
y:Calcitonin Gene−Related Peptide(CGRP),
Amylin and Adrenomedullin,Landes Bioscie
nce,2000,245−247)。同様に、偏頭痛中の硬膜血管の膨張は、三叉神経
ニューロンを過敏にし得る。頭蓋外痛および顔面異痛を含む偏頭痛の関連症状の一部は、
三叉神経ニューロンが過敏になった結果であり得る(Bursteinら、Ann.Ne
urol.2000,47,614−624)。CGRPアンタゴニストは、ニューロン
増感の効果を減弱、阻止または解消することにおいて有益であり得る。
【0007】
本化合物のCGRPアンタゴニストとしての作用能によって、これらは、ヒトおよび動物
における、しかし特にヒトにおける、CGRPを含む障害に対する有用な薬理学的物質と
なる。このような障害としては、偏頭痛および群発頭痛(Doods,Curr Opi
n Inves Drugs,2001,2(9),1261−1268;Edvins
sonら、Cephalalgia,1994,14,320−327);慢性緊張型頭
痛(Ashinaら、Neurology,2000,14,1335−1340);疼
痛(Yuら、Eur.J.Pharm.,1998,347,275−282);慢性痛
(Hulseboschら、Pain,2000,86,163−175);神経性炎症
および炎症性疼痛(Holzer,Neurosci.,1988,24,739−76
8;Delay−Goyetら、Acta Physiol.Scanda.1992,
146,537−538;Salmonら、Nature Neurosci.,200
1,4(4),357−358);眼痛(Mayら、Cephalalgia,2002
,22,195−196)、歯痛(Awawdehら、Int.Endocrin.J.
,2002,35,30−36)、インスリン非依存性糖尿病(Molinaら、Dia
betes,1990,39,260−265);血管障害;炎症(Zhangら、Pa
in,2001,89,265)、関節炎、気管支過敏性、喘息、(Fosterら、A
nn.NY Acad.Sci.,1992,657,397−404;Schiniら
、Am.J.Physiol.,1994,267,H2483−H2490;Zhen
gら、J.Virol.,1993,67,5786−5791);ショック、敗血症(
Beerら、Crit.Care Med.,2002,30(8),1794−179
8);アヘン製剤離脱症候群(Salmonら、Nature Neurosci.,2
001,4(4),357−358);モルヒネ耐性(Menardら、J.Neuro
sci.,1996,16(7),2342−2351);男女におけるホットフラッシ
ュ(Chenら、Lancet,1993,342,49;Spetzら、J.Urol
ogy,2001,166,1720−1723);アレルギー性皮膚炎(Wallen
gren,Contact Dermatitis,2000,43(3),137−1
43);乾癬;脳炎、脳外傷、虚血、卒中、てんかんおよび神経変性疾患(Rohren
beckら、Neurobiol.of Disease 1999,6,15−34)
;皮膚疾患(GeppettiおよびHolzer,Eds.,Neurogenic
Inflammation,1996,CRC Press,Boca Raton,F
L)、神経原性皮膚発赤、皮膚酒さおよび紅斑;耳鳴り(Herzogら、J.Memb
rane Biology,2002,189(3),225);炎症性腸疾患、過敏性
腸症候群(Hoffmanら、Scandinavian Journal of Ga
stroenterology,2002,37(4)414−422)および膀胱炎が
挙げられる。特に重要であるのは、偏頭痛および群発頭痛を含む頭痛の急性または予防処
置である。
【0008】
本発明は、CGRP受容体アンタゴニストである、ピペリジノンカルボキサミドインダン
およびアザイナン(azainane)誘導体の新規な製造方法を記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願第13/293,166号明細書
【特許文献2】米国特許出願第13/293,177号明細書
【特許文献3】米国特許出願第13/293,186号明細書
【特許文献4】国際出願PCT/US11/60081号パンフレット
【特許文献5】国際出願PCT/US11/60083号パンフレット
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Goadsbyら、Ann.Neurol.,1990,28,183−187
【非特許文献2】Bellamyら、Headache,2006,46,24−33
【非特許文献3】Lassenら、Cephalalgia,2002,22,54−61
【非特許文献4】Olesenら、New Engl.J.Med.,2004,350,1104−1110
【非特許文献5】Petersenら、Clin.Pharmacol.Ther.,2005,77,202−213
【非特許文献6】Lance,Headache Pathogenesis:Monoamines,Neuropeptides,Purines and Nitric Oxide,Lippincott−Raven Publishers,1997,3−9
【非特許文献7】Goadsbyら、Ann.Neurol.,1988,23,193−196
【非特許文献8】Williamsonら、Cephalalgia,1997,17,525−531
【非特許文献9】Escottら、Brain Res.1995,669,93−99
【非特許文献10】Doodsら、Br.J.Pharmacol.,2000,129,420−423
【非特許文献11】Williamsonら、The CGRP Family:Calcitonin Gene−Related Peptide(CGRP),Amylin and Adrenomedullin,Landes Bioscience,2000,245−247
【非特許文献12】Bursteinら、Ann.Neurol.2000,47,614−624
【非特許文献13】Doods,Curr Opin Inves Drugs,2001,2(9),1261−1268
【非特許文献14】Edvinssonら、Cephalalgia,1994,14,320−327
【非特許文献15】Ashinaら、Neurology,2000,14,1335−1340)
【非特許文献16】Yuら、Eur.J.Pharm.,1998,347,275−282)
【非特許文献17】Hulseboschら、Pain,2000,86,163−175
【非特許文献18】Holzer,Neurosci.,1988,24,739−768
【非特許文献19】Delay−Goyetら、Acta Physiol.Scanda.1992,146,537−538
【非特許文献20】Salmonら、Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358
【非特許文献21】Mayら、Cephalalgia,2002,22,195−196
【非特許文献22】Awawdehら、Int.Endocrin.J.,2002,35,30−36
【非特許文献23】Molinaら、Diabetes,1990,39,260−265
【非特許文献24】Zhangら、Pain,2001,89,265
【非特許文献25】Fosterら、Ann.NY Acad.Sci.,1992,657,397−404
【非特許文献26】Schiniら、Am.J.Physiol.,1994,267,H2483−H2490
【非特許文献27】Zhengら、J.Virol.,1993,67,5786−5791
【非特許文献28】Beerら、Crit.Care Med.,2002,30(8),1794−1798
【非特許文献29】Salmonら、Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358
【非特許文献30】Menardら、J.Neurosci.,1996,16(7),2342−2351
【非特許文献31】Chenら、Lancet,1993,342,49
【非特許文献32】Spetzら、J.Urology,2001,166,1720−1723
【非特許文献33】Wallengren,Contact Dermatitis,2000,43(3),137−143
【非特許文献34】Rohrenbeckら、Neurobiol.of Disease 1999,6,15−34
【非特許文献35】GeppettiおよびHolzer,Eds.,Neurogenic Inflammation,1996,CRC Press,Boca Raton,FL
【非特許文献36】Herzogら、J.Membrane Biology,2002,189(3),225
【非特許文献37】Hoffmanら、Scandinavian Journal of Gastroenterology,2002,37(4)414−422
【発明の概要】
【0011】
本発明は、非常に有効なスピロ酸合成を利用した、偏頭痛の処置に有用であるCGRP受
容体アンタゴニストであるピペリジノンカルボキサミドインダンおよびアザイナン(az
ainane)誘導体の新規な製造方法を包含する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、式Iの化合物:
【化1】
【0013】
(式中、Xは、−C(R)=または−N=から選択され、ここでRは、水素、Fまた
はCNであり; Yは、CHまたはNであり; Rは、C1−4アルキル、シクロプロ
ピルメチル、シクロブチルメチルおよび[1−(トリフルオロメチル)シクロプロピル]
メチルからなる群から選択され、これらのそれぞれは、Fおよびヒドロキシからなる群か
ら独立に選択される、価数により許容されるような1以上の置換基で置換されていてもよ
く; Rは、水素、メチル、F、ClまたはBrである。)または医薬的に許容可能な
その塩の製造方法であって、 有機相中で、水相中のモノまたはビス四級シンコナアルカ
ロイド塩および無機塩基の存在下で、式Fの化合物:
【化2】
【0014】
(式中、Eは、ハロゲン、−C(O)−O−R’’、−CN、−CONRR’、−NR
R’、−CH−OR、OR、メチルおよびビニルからなる群から選択され、ここで各R
およびR’は、水素、C1−6アルキル、アリール、ヘテロアリールまたはベンジルから
なる群から独立に選択され、R’’は、水素または、カルボン酸に対して可溶化され得る
炭素含有置換基であり、 Eは、脱離能を有する官能基であり、 PGは、窒素保護基
である。)の反応を開始させ、水相および有機相を含む二相媒質を形成し、式Gの化合物

【化3】
【0015】
を作製し、 Eが−C(O)−O−H以外である場合、適切な化学反応を利用してE
をカルボン酸で置換するかまたは、カルボン酸に変換して式Hの化合物:
【化4】
【0016】
を得て、 前記式Hの化合物を脱保護して、式Cの化合物:
【化5】
【0017】
(これは塩として単離されてもよい)を得て、酸とアミンとの間のアミド結合形成のため
の条件下で、前記式Cの化合物を塩としてでもよい式Bの化合物:
【化6】
【0018】
とカップリングし、式Iの化合物を得ることを含む。
【0019】
本発明のある実施形態において、Rは、1から3個のFまたはヒドロキシまたは両方で
置換されていてもよいC1−4アルキルである。この実施形態のあるクラスにおいて、R
は、イソプロピル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2
−メチルプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピルおよび3,3,3−トリフルオロ
−2−ヒドロキシプロピルからなる群から選択される。この実施形態のあるサブクラスに
おいて、Rは2,2,2−トリフルオロエチルである。
【0020】
「モノまたはビス四級シンコナアルカロイド塩」という用語は、一般構造:
【化7】
【0021】
(式中、一方または両方の窒素原子が四級化されている。)を有する化合物の塩を意味す
る。別段の断りまたは指摘がない限り、本発明のシンコナアルカロイド塩は、シンコニン
、シンコニジン、キニーネ、キニジン、ジヒドロシンコニン、ジヒドロシンコニジン、ジ
ヒドロキニジンおよびジヒドロキニーネを含む全ての立体異性体を包含する。Rに対す
る表現:
【化8】
【0022】
は、純粋なエチル、純粋なビニルまたはエチルおよびビニルの混合物を意味する。シンコ
ナアルカロイド塩は、本明細書中に記載の不斉合成において相間移動触媒として機能する
。Takashi OoiおよびKeiji Maruoka,Recent Adva
nces in Asymmetric Phase−Transfer Cataly
sis,Angew.Chem.Int.Ed.2007,46,4222−4266を
参照のこと。
【0023】
ある実施形態において、本発明は、シンコナアルカロイド塩がビス四級であり、式IIの
化学構造:
【化9】
【0024】
(式中、Rは、
【化10】
【0025】
であり、 Rは、水素およびメトキシからなる群から選択され、 RおよびRはそ
れぞれ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロ
アルキル、アリール、ヘテロアリール、−C1−4アルキル−アリールおよび−C1−4
アルキル−ヘテロアリールからなる群から独立に選択され、ここでC1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロア
リールならびに、−C1−4アルキル−アリールおよび−C1−4アルキル−ヘテロアリ
ールのアリールおよびヘテロアリール部分は、Rから独立に選択される1から5個の置
換基で置換されていてもよく、 Rは、水素、C(O)R、C(O)OR、CONRR
’およびC1−6アルキルからなる群から選択され、 Rは、C1−4アルキル、アリ
ール、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、CN、COR、CONRR’、SR、SO
R、SOR、PR、PO(OR)、PO(OR)(NRR’)、PO(NRR’)
、P(OR)、P(OR)(NRR’)、P(NRR’)、SiRR’R’’、B
(OR)、C(O)R、NRR’、NO、ハロゲンおよびCFからなる群から選択
され、各R、R’およびR’’は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシル、C1−6
ルコキシ、アリール、ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール
からなる群から独立に選択され、 各XおよびXは、独立に、ハロゲン化物、OH、
HSO、SO、BF、SbF、カルボン酸、炭酸、炭酸水素、NO、スルホン
酸、ヘキサフルオロリン酸、リン酸、リン酸水素および過塩素酸からなる群から選択され
る陰イオンである。)を有する、本明細書中に記載の方法を包含する。
【0026】
が−C(O)−O−H以外である場合、Eは、適切な化学反応を利用して、カルボ
ン酸で置き換えられ得るかまたはカルボン酸に変換され得る。このような反応は、当業者
にとって周知である。例えば、Eがハロゲンである場合、パラジウム触媒カルボニル化
またはグリニャール試薬形成と続く二酸化炭素の添加を介してカルボン酸が導入されるか
、またはアルコール溶媒中で遷移金属が介在するカルボニル化を介してもまたカルボン酸
エステルが導入される。Eがエステル(−C(O)−O−R’’)、−CONRR’ま
たは−CNである場合、これらの基が加溶媒分解を介してカルボン酸に変換され得る。E
が−NRR’である場合、ザンドマイヤー反応を介してアミノ基をハロゲンに変換し得
るか、または遷移金属介在カルボニル化においてジアゾニウムを介してカルボン酸または
エステルの何れかに直接変換され得る。Eが−CH−ORである場合、酸化によりカ
ルボン酸またはエステルを導入し得る。EがORである場合、OR基は、ハロゲンまた
はO−スルホナート(トシラート、トリフルラート(triflurate)など)に変
換され得、次いで遷移
金属介在カルボニル化によってカルボン酸またはエステルの何れかにさらに変換され得る
。Eがメチルおよびビニルである場合、これらの基は、酸化を介してカルボン酸に変換
され得る(KMnO、Oを含む。)。
【0027】
別の実施形態において、Eはハロゲンである。この実施形態内で、本発明は、式Gの化
合物のカルボニル化が一酸化炭素とのパラジウム触媒反応を介し、それにより式Gの化合
物を、パラジウム触媒、第一の塩基および配位子の存在下で一酸化炭素と反応させ、式H
の化合物を得る、本明細書中に記載の方法を包含する。本発明の実施形態において、配位
子は、ホスフィン配位子である。別の実施形態において、配位子は、DCPEおよびDC
PPから選択される。塩基は例えば炭酸カリウムである。
【0028】
別の実施形態において、本発明は、式Gの化合物のカルボニル化(式中、Eはハロゲン
である。)が、グリニャール試薬形成を介し、それにより式Gの化合物をマグネシウムま
たはリチウムと反応させて、続いてCOおよび酸と反応させて式Hの化合物を得る、本
明細書中に記載の方法を包含する。
【0029】
「カルボン酸に対して可溶化され得る炭素含有置換基」は、例えばメチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ア
リル、ヘキシル、オクチル、シクロへキシル、ベンジルおよびフェニルである。
【0030】
「窒素保護基」という用語は、試薬または化学環境から反応において窒素原子を保護する
置換基を意味する。窒素保護基は当技術分野で周知であり、例えば、t−ブチル、ビニル
、フェニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、p−ニト
ロベンジル、ベンズヒドリル、トリチル、トリアルキルシリル、メトキシメチルエーテル
、(2,2,2−トリクロロエトキシ)メチルおよび2−(トリメチルシリル)エトキシ
)メチルが挙げられる。窒素を脱保護するための方法もまた、十分に当業者の技術の範囲
内である。ある実施形態において、本発明は、PGが、C1−6アルキル、ビニル、C(
O)−O−L、C(O)−L、アリール、ヘトロアリール(hetroaryl)、ベン
ジル、ベンズヒドリル、トリチル、アンスラニルおよびC1−6アルコキシメチルからな
る群から選択され、ここで、アリール、ヘテロアリール、ベンジル、ベンジヒドリル(b
enzyhydryl)およびトリチルは、メトキシおよびニトロから独立に選択される
1から3個の置換基で置換されていてもよく、C1−6アルコキシメチルは、トリメチル
シリルで置換されていてもよく、Lは、C1−6アルキル、アリールまたはベンジルであ
る、本明細書中に記載の方法を包含する。
【0031】
「脱離能を有する官能基」という用語は、置換または脱離反応において基質から脱離する
原子または原子団、即ち脱離基を意味し、例えばハロゲンおよびスルホナートが挙げられ
る。ある実施形態において、本発明は、Eが、ハロゲン、OMs、OTs、OBs、O
P(O)(OR、OC(O)R、OC(O)ORおよびOC(O)NR
(式中、RおよびRiiは、HおよびC1−6アルキルから独立に選択される。)か
らなる群から選択される、本明細書中に記載の方法を包含する。
【0032】
別の実施形態において、本発明は、有機相が、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベ
ンゼン、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテト
ラヒドロフラン、ジオキサン、メチルtert−ブチルエーテル、シクロペンチルメチル
エーテル、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタン、シクロへキサン、ジク
ロロメタン、ジクロロエタン、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、ブタノ
ールおよびアミルアルコールからなる群から選択される、本明細書中に記載の方法を包含
する。
【0033】
別の実施形態において、本発明は、無機塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、水酸化セシウム、炭酸セ
シウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、フッ化リチウム、
フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リチウムtert−ブトキシド、
ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、リン酸ナトリウムお
よびリン酸カリウムからなる群から選択される、本明細書中に記載の方法を包含する。
【0034】
別の実施形態において、本発明は、有機相がトルエンであり、無機塩基が水酸化ナトリウ
ムである、本明細書中に記載の方法を包含する。
【0035】
別の実施形態において、本発明は、式Cの化合物が、HCl、HSO、Na、K、L
i、HPOおよびHBFから選択される塩として単離される、本明細書中に記載の
方法を包含する。
【0036】
酸とアミンとの間のアミド結合形成のための条件には、例えば、非反応性溶媒中で、式B
(塩分解(salt break)後)およびCの化合物をアミドカップリング試薬およ
び場合によっては添加物および塩基と反応させることが含まれる。アミドカップリング試
薬としては、例えば、EDC、CDI、SOCl、(COCl)、DCC、TP、
DPPAなどが挙げられる。添加物としては、HOBT、HOAt、HATU、HOPO
およびHOSu、ピリジン、ピリジン誘導体などが挙げられる。適切な塩基としては、各
が独立に、水素、アルキルおよびアリール、無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、水
酸化リチウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重
炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、リン酸カリウムなどである
、式N(Rを有するアミンが挙げられる。酸またはエステルとアミンとの間のアミ
ド結合形成のための条件は、混合無水炭酸中間体を介して活性化アシルを利用することも
含む。例としては、塩化ピバロイル、クロロギ酸アルキル+塩基が挙げられる。有機合成
におけるペプチドカップリング試薬のさらなる例は当技術分野で周知であり、例えばHa
nら、Tetrahedron 60(2004)2447−2467に記載されている
【0037】
別の実施形態において、本発明は、式IIのビス四級シンコナアルカロイド塩において、
およびRが独立にC1−6アルキルまたはベンジルであり、このベンジルのそれぞ
れのアルキルまたはフェニル部分が、Rから独立に選択される1から5個の置換基で置
換されていてもよい、本明細書中に記載の方法を包含する。ある実施形態において、式I
Iのビス四級シンコナアルカロイド塩、Rはメトキシである。別の実施形態において、
式IIのビス四級シンコナアルカロイド塩において、Rは、ハロゲンおよびメトキシか
らなる群から選択される。
【0038】
別の実施形態において、本発明は、ビス四級シンコナアルカロイド塩が、次の式:
【化11】
【表1】
【0039】
のものである、本明細書中に記載の方法を包含する。
【0040】
別の実施形態において、本発明は、式Jの化合物:
【化12】
【0041】
(式中、EおよびEは、独立に、脱離能を有する官能基である。)をR−Zまた
はその塩およびHC(O)−N(R(式中、Rは、C1−6アルキルであり、Z
はハロゲン化マグネシウムまたはリチウムであり、各Rは、独立にHまたはC1−6
アルキルである。)と反応させて、式Kの化合物:
【化13】
【0042】
を得て、前記式Kの化合物を第一の還元剤と反応させて、式Lの化合物:
【化14】
【0043】
を得て、アルコール保護基(APG)を前記式Lの化合物に導入して、式Mの化合物:

【化15】
【0044】
を得て、(i)一酸化炭素および水素を用いるパラジウム触媒反応を介した前記式Mの化
合物の還元的カルボニル化または(ii)前記式Mの化合物をR−Zまたはその塩お
よびHC(O)−N(R(式中、RはC1−6アルキルであり、Zはハロゲン
化マグネシウムまたはリチウムであり、各Rは独立にHまたはC1−6アルキルである
。)と反応させて、式Nの化合物:
【化16】
【0045】
を得ることおよび、式Fの化合物を得るための下記の次の段階(a)または段階(b):
・段階(a)−第二の塩基の存在下で前記式Nの化合物を式Oの化合物:
【化17】
【0046】
とカップリングさせて、式Pの化合物:
【化18】
【0047】
を得て、前記式Pの化合物を第二の還元剤と反応させ、続いてアルコール脱保護および適
切な脱離基Eでの置き換えを行って、式Fの化合物を得るか、または、 ・段階(b)
−前記式Nの化合物においてアルデヒドをアルコールに還元して式Qの化合物:
【化19】
【0048】
を生成させ、前記式Qの化合物を活性化剤と反応させて、式Rの化合物:
【化20】
【0049】
(式中、Eは、独立に、脱離能を有する官能基である。)を得て、第二の塩基の存在下
で前記式Rの化合物を式Oの化合物とカップリングさせて、式Sの化合物:
【化21】
【0050】
を得て、続いてアルコール脱保護および適切な脱離基Eでのアルコールの置換を行って
、式Fの化合物を得ることによって、式Fの化合物を作製することをさらに含む、本明細
書中に記載の方法を包含する。本発明の実施形態において、EおよびEは独立にハロ
ゲンである。
【0051】
ある実施形態において、本発明は、式Nの化合物が、式Mの化合物をR−Zまたはそ
の塩およびHC(O)−N(R(式中、RはC1−6アルキルであり、Zはハ
ロゲン化マグネシウムまたはリチウムであり、各Rは独立にHまたはC1−6アルキル
である。)と反応させて、式Nの化合物を得ることによって作製される、本明細書中に記
載の方法を包含する。本発明のある実施形態において、RおよびRは、独立にイソプ
ロピルまたはs−ブチルであり、各例の任意選択の塩R−ZおよびR−Zはリチ
ウムであり、各RおよびRはメチルである。
【0052】
「アルコール保護基」という用語は、試薬または化学環境からの反応においてアルコール
/酸素原子を保護する置換基を意味する。アルコール保護基は当技術分野で周知である。
アルコール保護基の導入および除去は、十分に当業者の技術の範囲内である。例えば、P
hilip J.Koceienski,Protecting Groups,3rd
Ed.,Thieme,2005を参照のこと。ある実施形態において、本発明は、A
PGが、THP、テトラヒドロフリル、SEM、MOM、BO
M、TMS、TES、TBDMS、TIPSならびに、ハロゲン、メチル、メトキシおよ
びニトロから独立に選択される1から3個の置換基で置換されていてもよいベンジルから
なる群から選択される、本明細書中に記載の方法を包含する。
【0053】
「還元剤」という用語は、水素を送達可能な物質を意味し、当業者にとって周知である。
ある実施形態において、本発明は、第一の還元剤および第二の還元剤が、H、HCO
H、HCONH、NaBH、LiBHおよびLiAlHからなる群から独立に
選択される、本明細書中に記載の方法を包含する。
【0054】
別の実施形態において、本発明は、第二の塩基が、DBU、N,N−ジイソプロピルエチ
ルアミン、TEA、モルホリンおよびN−メチルモルホリンからなる群から選択される、
本明細書中に記載の方法を包含する。
【0055】
別の実施形態において、本発明は、第二の塩基が無機塩基である、本明細書中に記載の方
法を包含する。
【0056】
適切な脱離基Eでのアルコールの置き換えは、当業者にとって周知の技術により遂行さ
れ得る。例えば、塩化チオニルとの反応によって塩化物でアルコールを置き換え得る。「
活性化剤」という用語は、脱離基、例えば塩化メシル、塩化トシル、(PhO)POC
l、塩化オキサリル、SOClおよびホスゲンでアルコールを置き換え可能な物質を意
味する。
【0057】
別の実施形態において、本発明は、次の群から選択される化合物:
【化22】
【0058】
または前述のものの何れかの塩を包含する。
【0059】
本明細書中で使用される場合、「アルキル」という用語は、指定の範囲の炭素原子数を有
する一価直線状または分岐状鎖、飽和脂肪族炭化水素基を指す。したがって、例えば、「
1−6アルキル」(または「C−Cアルキル」)は、ヘキシルアルキルおよびペン
チルアルキル異性体ならびにn−、iso−、sec−およびt−ブチル、n−およびイ
ソ−プロピル、エチルおよびメチルの何れかを指す。別の例として、「C1−4アルキル
」は、n−、イソ−、sec−およびt−ブチル、n−およびイソプロピル、エチルおよ
びメチルを指す。別の例として、「C1−3アルキル」は、n−プロピル、イソプロピル
、エチルおよびメチルを指す。
【0060】
「アシル」という用語は、−C(O)−アルキル(アルキルは上記で定められるとおりで
ある。)を意味する。
【0061】
「アルコキシ」という用語は、−O−アルキル(アルキルは上記で定められるとおりであ
る。)を意味する。
【0062】
「アルケニル」という用語は、指定の範囲の炭素原子数および少なくとも1個の炭素−炭
素二重結合およびそれ以外には炭素−炭素単結合を有する、一価直線状または分岐状鎖、
飽和脂肪族炭化水素基を指す。アルケニルとしては、例えば、エテニル、1−メチルエチ
ニル、2−プロペネニル、2−ブテニル、1,4−ペンタジエニルなどが挙げられる。
【0063】
「アルキニル」という用語は、指定の範囲の炭素原子数および少なくとも1個の炭素−炭
素三重結合およびそれ以外には炭素−炭素二重または単結合を有する、一価直線状または
分岐状鎖、飽和脂肪族炭化水素基を指す。アルキニルとしては、例えば2−プロピニル、
1−ブチニル、3−ヘキセン−5−イニルなどが挙げられる。
【0064】
「シクロアルキル」という用語は、指定の範囲の炭素原子数を有するアルカンの何らかの
単環式環を指す。したがって、例えば、「C3−6シクロアルキル」(または「C−C
シクロアルキル」)は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロ
へキシルを指し、「C3−5シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチルおよび
シクロペンチルを指す。
【0065】
「ハロゲン」(または「ハロ」)という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素(ある
いはフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードと呼ばれる。)を指す。
【0066】
「アリール」という用語は、フェニル、ナフチルおよびアンスラニルを指す。
【0067】
「ヘテロアリール」という用語は、(i)N、OおよびSから独立に選択される1から3
個のヘテロ原子を含有する5−もしくは6員複素環式芳香環を指すか、または(ii)イ
ンドリル、キノリニル、イソキノリニルおよびキノキサリニルから選択されるヘテロ二環
式環である。適切な5−および6員複素環式芳香環としては、例えば、ピリジル(ピリジ
ニルとも呼ばれる。)、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジ
ニル、チエニル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、
イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリ
ルおよびチアジアゾリルが挙げられる。特定の関心のあるヘテロアリールは、ピロリル、
イミダゾリル、ピリジル、ピラジニル、キノリニル(またはキノリル)、イソキノリニル
(またはイソキノリル)およびキノキサリニルである。
【0068】
本発明の範囲内の4から7員の飽和複素環の例としては、例えば、アゼチジニル、ピペリ
ジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、オキ
サゾリジニル、イソオキサゾリジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル
、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピラゾリジニル、ヘキサヒドロピリミ
ジニル、チアジナニル、チアゼパニル、アゼパニル、ジアゼパニル、テトラヒドロピラニ
ル、テトラヒドロチオピラニルおよびジオキサニルが挙げられる。本発明の範囲内の4か
ら7員の不飽和複素環の例(HetB参照)としては、単結合が二重結合で置き換えられ
る(例えば炭素−炭素単結合が炭素−炭素二重結合で置き換えられる。)前述の文章で列
挙される飽和複素環に対応する単不飽和複素環が挙げられる。
【0069】
上記で列挙される具体的な環は、本発明で使用され得る環に対する限定ではないことを理
解されたい。これらの環は単なる代表例である。
【0070】
特定の内容において明らかに異なることが述べられない限り、本明細書中に記載の様々な
環状環および環系の何れかを、何れかの環原子(即ち何れかの炭素原子または何れかのヘ
テロ原子)においてその化合物の残りの部分に連結させ得るが、ただし、安定な化合物が
得られるものとする。
【0071】
明らかに異なることが述べられない限り、本明細書中で引用される範囲は全て、全てを含
む。例えば、「1から4個のヘテロ原子」を含有するとして述べられる複素環式芳香環は
、その環が、1、2、3または4個のヘテロ原子を含有し得ることを意味する。本明細書
中で引用される何れの範囲も、その範囲内に、その範囲内の下位の範囲全てを含むことも
理解されたい。したがって、例えば、「1から4個のヘテロ原子」を含有するとして述べ
られる複素環は、その態様として2から4個のヘテロ原子、3または4個のヘテロ原子、
1から3個のヘテロ原子、2または3個のヘテロ原子、1または2個のヘテロ原子、1個
のヘテロ原子、2個のヘテロ原子、3個のヘテロ原子および4個のヘテロ原子を含有する
複素環を含むものとする。別の例として、1から4個の置換基で置換されていてもよいと
して述べられるアリールまたはヘテロアリールは、その態様として、1から4個の置換基
、2から4個の置換基、3から4個の置換基、4個の置換基、1から3個の置換基、2か
ら3個の置換基、3個の置換基、1から2個の置換基、2個の置換基および1個の置換基
で置換されるアリールまたはヘテロアリールを含むものとする。
【0072】
何らかの可変要素が、何らかの構成要素において、または本発明の化合物を示し、説明す
る何らかの他の式において複数回現れる場合、各出現におけるそれの定義は、他の全ての
出現でのそれの定義と独立である。また、置換基および/または可変要素の組み合わせは
、このような組み合わせの結果、安定な化合物が得られる場合にのみ許容される。
【0073】
明らかに異なることが述べられない限り、指名された置換基による置換は、このような環
置換が化学的に許容され、その結果安定な化合物が得られるならば、環中の何れかの原子
において許される(例えば、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール)。
【0074】
本発明の化合物は不斉中心を含有し、置換基および置換基パターンの選択の結果としてさ
らなる不斉中心を含有し得、したがって、立体異性体の混合物として、または個々のジア
ステレオマーまたは鏡像異性体として出現し得る。これらの化合物の異性体型は全て、別
個であれ、または混合物中であれ、本発明の範囲内である。
【0075】
置換基および置換基パターンが、本発明の化合物において互変異性体(例えば、ケト−エ
ノール互変異性体)の存在を提供する限りは、これらの化合物の全互変異性体型は、個々
に存在するのであれ、混合物中に存在するのであれ、本発明の範囲内である。複素環式芳
香環の炭素原子においてヒドロキシ置換基を有する本発明の化合物は、ヒドロキシのみが
存在する化合物、互変異性体ケト型(即ちオキソ置換基)のみが存在する化合物およびケ
トおよびエノール型が両方とも存在する化合物を含むと理解される。
【0076】
略語 本明細書を通じて次の略語が使用される。
【0077】
Bs=ベンゼンスルホニル Boc=tert−ブトキシカルボニル BOM=ベンジル
オキシメチル BOP=(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−トリス(ジメチルア
ミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート Cbz=ベンジルオキシカルボニル
CDI=1,1’−カルボニルジイミダゾール CPME=シクロペンチルメチルエーテ
ル DBU=1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン DCC=N,
N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド DCM=ジクロロメタン DCPE=1,3−
ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン DCPP=1,3−ビス(ジシクロヘキシ
ルホスフィノ)プロパン DHP=3,4−ジヒドロ−2H−ピラン DMAc=N,N
−ジメチルアセトアミド DMF=N,N−ジメチルホルムアミド DMPU=1,3−
ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン DMSO=ジメ
チルスルホキシド DPPA=ジフェニルホスホリルアジド EDC=N−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩 HATU=O−(7−アザベ
ンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウムHCl H
Cl=塩酸 HOAt=1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール HOPO=2−
ヒドロキシピリジン−N−オキシド HOBT=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール H
OSu=N−ヒドロキシスクシンイミド IPAまたはiPA=イソプロピルアルコール
IPAc=酢酸イソプロピル LCAP=液体クロマトグラフィー面積パーセント L
iHMDS=リチウムビス(トリメチルシリル)アミド Ms=メタンスルホニル MO
M=メトキシメチル MTBE=メチルtert−ブチルエーテル NMP=N−メチル
−2−ピロリドン Ph=フェニル PTC=相間移動触媒 RBF=丸底フラスコ R
T=室温 SEM=2−(トリメチルシリル)エトキシメチル SFC=超臨界流体クロ
マトグラフィー TBDMS=tert−ブチルジメチルシリル TEA=トリエチルア
ミン TES=トリエチルシリル THF=テトラヒドロフラン THP=テトラヒドロ
ピラニル TIPS=トリイソプロピルシリル TMS=トリメチルシリル Ts=トル
エンスルホニル 式Iの化合物を合成するための以前の方法を下記のスキーム1から15
で示す。
【0078】
スキーム1は、本発明の化合物を調製するために使用され得るタイプ1.5の3−アミノ
ピペリジノン中間体への経路を説明する。アリールアセトン1.1は、塩基性条件下でヨ
ードアラニン誘
導体1.2を用いてアルキル化されて、ケトエステル1.3を提供し得る。還元的アミノ
化と続く環化およびエピマー化により、ラセミ混合物として主にシス−置換ラクタム1.
4が提供される。例えば順相液体クロマトグラフィーを用いたキラル分割およびEtOA
c中でのHClによるBoc保護基の除去により、3−アミノピペリジノン1.5が塩酸
塩として与えられる。
【化23】
【0079】
タイプ1.5の3−アミノピペリジノン中間体に対する代替的な順序をスキーム2で示す
。アンモニアを用いたケトエステル1.3の還元的アミノ化と続くエピマー化によって、
殆どシス置換されたラセミ混合物として2.1が提供される。鏡像異性体のキラル分割に
よって、2.2が提供される。例えば塩基としてのLiHMDSおよびアルキルハロゲン
化物またはエポキシドを用いたN−アルキル化によって、1.4が得られる。次いで、H
Clを用いたBoc保護基の除去によって、塩酸塩として1.5が得られる。
【化24】
【0080】
タイプ1.5の3−アミノピペリジノン中間体に対する第三の方法をスキーム3で示す。
塩基としての炭酸セシウムおよびアルキルハロゲン化物を用いた5−ブロモ−6−メチル
ピリジン−2(1H)−オン(3.1)のN−アルキル化とそれに続くニトロ化によって
、3.2が提供される。次に、アリールボロン酸とのパラジウム触媒によるクロスカップ
リングによって、3.3が得られる。酸性条件下での酸化白金を用いた水素化および殆ど
シス置換されているラセミ生成物混合物のキラル分割によって、単一の鏡像異性体として
1.5が提供される。
【化25】
【0081】
タイプ4.4の3−アミノピペリジノン中間体の合成経路をスキーム4で示す。塩基性条
件下でヨードアラニン誘導体1.2を用いてアリールアセトニトリル4.1をアルキル化
して、シアノエステル4.2を提供し得る。炭素またはラネーニッケル上での水素および
水酸化パラジウムを用いた還元的環化、エピマー化およびキラル分割によって、単一の鏡
像異性体としてシスラクタム4.3が得られる。次いで、N−アルキル化およびBoc保
護基の除去により塩酸塩として4.4が得られる。
【化26】
【0082】
スキーム5は、タイプ4.4の3−アミノピペリジノン中間体に対する代替的経路を説明
する。アリールアセトニトリル5.1を、高温でアクリラート5.2と縮合させて、4−
シアノブタノアートエステル5.3を与え得る。ラネーニッケル触媒およびアンモニアの
エタノール性溶液を用いたニトリル5.3の水素化によって、対応するアミン生成物が得
られるが、これは一般にインサイチュで環状化して、ピペリジノン5.4を提供する。ラ
クタム5.4のN−アルキル化は、有機合成の技術分野の熟練者にとって公知の様々な方
法により遂行され得、条件の的確な選択は、アルキル化剤、RXの性質によって影響さ
れる。Evansおよび共同研究者(Evansら(1990)J.Am.Chem.S
oc.112,4011−4030)により記載されるものと同様の方法を用いて、得ら
れる置換ラクタム5.5の求電子性アジ化を遂行して、ジアステレオマーの混合物として
アジド5.6を提供し得、これをクロマトグラフィーにより分離し得る。アジド5.6の
所望のシスジアステレオマーをジ−tert−ブチルジカルボナートの存在下で触媒的水
素化により還元し、対応するBoc−保護化アミン5.7を得ることができ、キラルHP
LCまたはSFCを用いた鏡像異性体の分離により、(3S,5S)−異性体5.8が導
かれる。最後に、標準的な脱保護によって、塩酸塩として所望の3−アミノピペリジノン
中間体4.4が得られる。
【化27】
【0083】
3−アミノ−6−メチル−5−アリールピペリジン−2−オン、例えば1.5などを調製
するために特に有用である、関心のある3−アミノピペリジノン中間体に対する別のアプ
ローチをスキーム6で概説する。塩基性条件下での適切な求電子(RX)での処理によ
って、ピリジン−2(1H)−オン3.1をN−置換ピリジノン6.1に変換し得る。次
に、ピリジノン6.1をボロン酸6.2とのSuzuki−Miyauraカップリング
に供し得、得られた5−アリールピリジノン6.3は、例えば酸化白金(IV)触媒を用
いて水素化され、対応する5−アリールピペリジノン6.4を得ることができるが、通常
これは主にシス異性体として得られる。スキーム5で記載されるものと同様の方法を用い
て、ピペリジノン6.4のさらなる加工が達成され得る。具体的に、求電子性アジ化とそ
れに続くワンポット還元およびBoc保護によって、カルバマート6.6が導かれ、キラ
ルクロマトグラフィーを用いて所望の鏡像異性体が得られ得る。いくつかのケースにおい
て、粗製生成物のシリカゲルクロマトグラフィー後、(3S,5S,6R)−および(3
R,5R,6S)−異性体のラセミ混合物としてアジド6.5の所望のジアステレオマー
を単離し得、スキーム6で概説されるようにこの混合物を加工し得る。他のケースにおい
て、対応するカルバマート6.6に対してアジド6.5のジアステレオマーの混合物を採
ることは有利であり得る。EtOH中の炭酸カリウムなど、塩基性条件下でカルバマート
6.6ジアステレオマーの混合物をエピマー化し、所望の(3S,5S,6R)−および
(3R,5R,6S)−異性体が顕著に豊富である混合物を得ることができ、本明細書中
で概説されるような関心のある鏡像異性体を得るために、さらなる精製を使用し得る。

【化28】
【0084】
アザオキシインドールピリジン酸中間体7.4に対する合成経路をスキーム7で示す。調
製が国際公開第2008/020902号パンフレットで記載されているアミノピリジン
7.1のジアゾ化とそれに続くNaNO存在下でのヨウ化カリウムでの処理によって、
ヨウ化物7.2が提供される。次にメタノール中のパラジウム触媒カルボニル化によって
、エステル7.3が得られ、これを水酸化ナトリウムによりけん化して、7.4が与えら
れ得る。
【化29】
【0085】
アザオキシインドールピリジン酸中間体7.4の代替的な合成をスキーム8で示す。二塩
基酸8.1のエステル化と続く臭素化によって8.2が提供される。次に、水素化ホウ素
ナトリウムでの還元によってジオール8.3が与えられる。8.3から生成されるビス−
メシラートでの保護化アザオキシインドール8.4のアルキル化によって、スピロ環8.
5が得られる。メタノール中でのパラジウム触媒カルボニル化とそれに続くキラル分割に
よって、単一の鏡像異性体としてエステル8.6が得られる。次に、酸性条件下でのSE
M保護基の除去および水酸化ナトリウムを用いたエステルの加水分解によって7.4が提
供される。
【化30】
【0086】
ジアザオキシインドールカルボン酸中間体9.7に対する合成経路をスキーム9で示す。
酸9.1のエステル化に続いて、パラジウム触媒下でのビニル化が行われ、ジビニルピリ
ジン9.2が得られる。次に、ホウ化水素還元的処理でのオゾン分解によって、ジオール
9.3が得られる。メシル化および塩化ナトリウムでの処理後、塩基性条件下で、オキシ
インドール9.5を用いて、得られるジクロロ中間体9.4をアルキル化し、鏡像異性体
のキラル分割後、スピロ環9.6が与えられる。緩衝化水素化条件下での脱塩素および酸
性脱保護によって、酸9.7が与えられる。
【化31】
【0087】
本明細書中に記載の中間体の有用な誘導体は、十分に先例のある方法を用いて調製し得る
。1つのこのような例をスキーム10で示すが、ここで、アザオキシインドール中間体7
.4が対応するニトリル誘導体10.2に変換され、本発明の化合物を調製するためにこ
れを使用し得る。三フッ化ホウ素二水和物中でのN−ブロモスクシンイミドでの7.4の
臭素化によって、ブロモ誘導体10.1が提供され、示されるようにシアン化亜鉛および
パラジウム触媒を用いて所望のニトリル10.2に変換され得る。
【化32】
【0088】
アザオキシインドールインダン酸中間体11.17に対する合成経路をスキーム11で示
す。触媒として炭素上でパラジウムを用いた二塩基酸11.1のエステル化とそれに続く
水素化によって、アニリン11.2が提供される。加熱を伴う塩基性条件下でのジベンジ
ル化によって、11.3が得られ、LiAlHでのジエステルの還元によってジオール
11.4が与えられる。塩化チオニルによる塩素化によって、塩化ベンジル11.5が提
供される。tert−ブチルアミンを用いた臭化物11.6のパラジウム触媒アミノ化に
よって、11.7が与えられる。n−ヘキシルリチウムおよびクロロギ酸メチル(2x)
による連続処理によって、アザオキシインドールエステル11.8が得られる。シンコニ
ジン由来触媒11.12(臭化ベンジル11.11でのシンコニジン11.10のアルキ
ル化を介して調製)の存在下での塩基性条件下における塩化ベンジル11.5によるアル
キル化によって、スピロ環11.13が得られる。加熱を伴うメタンスルホン酸を用いた
アザオキシインドールの脱保護および標準的な水素化条件下での脱ベンジル化によって、
アニリン11.14が提供される。ジアゾ化と続くヨウ化カリウムによる処理によって、
ヨウ化物11.15が提供される。次に、メタノール中でのパラジウム触媒カルボニル化
によってエステル11.16が得られ、これを水酸化ナトリウムでけん化して11.17
が与えられ得る。
【化33】
【0089】
アザオキシインドールピリジン酸中間体11.17の代替的な合成をスキーム12で示す
。臭化ジベンジル12.1でのアザオキシインドールエステル11.8のアルキル化と続
く鏡像異性体のキラル分割によって、エステル12.2が提供される。加熱を伴うメタン
スルホン酸を用いたアザオキシインドールの連続的な脱保護およびエステルの加水分解に
よって11.17が提供される。
【化34】
【0090】
ジアザオキシインドールカルボン酸中間体13.4に対する合成経路をスキーム13で示
す。塩基性条件下でのオキシインドール9.5でのジブロミド12.1のアルキル化およ
び続くキラル分割によって、スピロ環13.2が得られる。次に、緩衝化水素化状態下で
の脱塩素およびエステル加水分解によって酸13.4が得られる。
【化35】
【0091】
本明細書中に記載の中間体の有用な誘導体は、十分に先例がある方法を用いて調製し得る
。1つのこのような例は、アザオキシインドール中間体11.17が対応するニトリル誘
導体14.2に変換され、これが本発明の化合物を調製するために使用され得る、スキー
ム14で示す。酢酸中での臭素での11.17の処理によって、ブロモ誘導体14.1が
提供され、これは、示されるように、シアン化亜鉛およびパラジウム触媒を用いて所望の
ニトリル14.2に変換され得る。
【化36】
【0092】
スキーム15は、この例においてはアミド15.3を生成させるための、15.1などの
3−アミノピペリジノン中間体およびカルボン酸中間体15.2のカップリングのために
使用し得る条件を示す。これらの標準的なカップリング条件は、本発明の化合物を調製す
るために使用される方法の代表例である。
【化37】
【0093】
ラクタム中間体を合成するための以前の方法は1以上の欠点があり:キラル−HPLC、
結晶化によるジアステレオ混合物の分離および/または費用のかかるPtOによってラ
セミ混合物が分離された。本発明の方
法は、C5およびC6位において高いジアステレオ選択性をもたらすトランスアミナーゼ
により誘導される動的速度論的分割を利用する。N−モノ−トリフルオロエチル化を発見
し、開発した。アリールアルデヒド誘導体の存在下での結晶化によって、アミンのα位で
のシスおよびトランス異性体をうまく調節した。全体に、合成段階はより短く、実際的で
あり、効率的であり、収率が劇的に向上する。
【0094】
[実施例1] イソプロピル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(メチ
ルスルホニルオキシ)プロパノアート(2)
【化38】
【0095】
ジクロロメタン(100mL)中のN−tert−ブチル−L−セリンイソプロピルエス
テル1(12g、48.5mmol)およびメタンスルホニルクロリド(4.0mL)
の溶液に、トリエチルアミン(7.2mL)を氷浴下でゆっくりと添加した。反応混合物
を室温で1時間撹拌し、次いで撹拌しながら1NHCl(40mL)を添加した。有機層
を分離し、1NHCl(40mL)および塩水(40mL)で洗浄し、MgSO上で乾
燥させ、真空下で濃縮して、固形物として2(14.5g、91.9%)を得た。
NMR(CDCl,500MHz):δ 5.45(s,broad,1H),5.1
3(m,1H),4.62−4.47(m,3H),3.04(s,3H),1.48(
s,9H),1.31(d,J=6.4Hz,6H);13C NMR(CDCl,1
00MHz):δ 168.0,135.1,80.6,70.5,69.1,53.3
,37.4,28.3,21.7,21.6;HRMS m/z C1223NO
に対する計算値 348.1087(M+Na);実測値348.1097。
【0096】
1の調製は、J.Med.Chem.,2010,53,6825−6837 682
5で報告された。
【0097】
イソプロピル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−ヨードプロパノアート
(3)
【化39】
【0098】
アセトン(3.14L)中の2(392g)の溶液に、ヨウ化ナトリウム(542g)を
添加した。反応温度を17℃から29℃に上昇させた。反応混合物を週末にわたり室温に
維持した。混合物をろ過し、MTBEで洗浄した。ろ液および洗浄した液を合わせ、濃縮
した。残渣をMTBEおよび少量のチオ硫酸ナトリウム入りの水で処理した。有機層を水
で洗浄し、油状物質になるまで濃縮した。5℃で少量の結晶種入りの水(2L)およびD
MF(300mL)の混合物に油状物質をゆっくりと入れた。結晶をろ過し、乾燥させて
3(400g、93%収率)を得た。
【0099】
イソプロピル4−(4−ブロモフェニル)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ
)−5−オキソヘキサノアート(5)およびイソプロピル4−フェニル−2−(tert
−ブトキシカルボニルアミノ)−5−オキソヘキサノアート(6)
【化40】
【0100】
DMF(850mL)中の4(51.7g、243mmol)の溶液に、3(88g、2
46mmol)を添加した。得られた溶液を5℃に冷却し、CsCO(240g)を
一度に添加した。懸濁液を15℃に温め、この温度で2.5時間撹拌した。さらなるCs
CO(25g)を入れ、混合物をさらに8時間、またはHPLC分析によって変換が
95%を超えたことが示されるまで撹拌した。次に、そのバッチを5から20℃で2NH
Cl(850mL)およびMTBE(900mL)の混合液中に入れてゆっくりと不活性
化した。有機層を分離し、水層をMTBE(400mL)で抽出した。合わせた有機層を
5%NaHCO溶液(400mL)で2回洗浄した。所望の生成物5(90%LC純度
)を含有する得られた溶液を真空下で濃縮した。残渣をイソプロパノール(1L)中で溶
解させた。この溶液に、KCO(25g)、ギ酸カリウム(34g)および10%P
d/C(20g)を添加した。混合物を60℃まで温め、2時間撹拌した。室温まで冷却
後、混合物をろ過した。ろ液のHPLC分析から、この溶液が6(54.7g、95wt
%、62%収率)を含有したことが示された。粗製生成物を、さらに精製することなく次
の段階で直接使用した。化合物6は、溶出剤として酢酸エチルおよびヘプタン(1:10
)を用いたシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより部分的に分離可能なジ
アステレオマー6−1および6−2の2つのペアの混合物である。6−1:H NMR
(CDCl,500MHz):δ 7.35(m,2H),7.30(m,1H),7
.20(m,2H),5.17(br,1H),4.95(m,1H),4.76(br
,1H),3.73(m,1H),2.70(br,1H),2.07(s,1H),1
.45(s,9H),1.29(d,J=6.6Hz,3H),1.28(d,J=6.
6Hz,3H);6−2:H NMR(CDCl,500MHz):δ 5.12(
m,1H),4.70(m,1H),3.27(m,1H),2.80(m 1H),2
.34(s,3H),1.50(s,9H),1.26(d,J=6.6Hz,3H),
1.25(d,J=6.6Hz,3H);HRMS m/z 6−1:C2029NO
に対する計算値 386.1938(M+Na);実測値386.1947。
【0101】
イソプロピル2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)アクリラート(7)
【化41】
【0102】
DMF(100mL)中の1(10.05g、40.6mmol)の溶液に、氷冷下でM
sCl(4.12mL、52.8mmol)を添加した。次に、反応温度を0から5℃の
間に維持しながら、滴下漏斗を介して30分間にわたりトリエチルアミン(14.16m
L、102.0mmol)を滴下して添加した。添加が完了したら、冷却槽を取りはずし
、黄色の不均一な反応混合物をN下で一晩室温で熟成させた。反応混合物を氷冷水(1
L)およびMTBE(1L)で希釈した。層を分離し、水層をMTBE(500mL)で
逆抽出した。有機層を合わせ、1Mクエン酸(750mL)、水(1L)および次いで1
0%NaCl水(1L)で洗浄した。有機溶液は7(8.652g、93%収率)を含有
した。<40℃で溶媒をDMSOに交換し、溶液を次の段階で直接使用した。
【0103】
イソプロピル4−フェニル−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−オキソ
ヘキサノアート(6)
【化42】
【0104】
室温で1.05当量のフェニルアセトンとともに0.5当量のCsCOの存在下でD
MSO中の7から化合物6を79%収率で調製した。
【0105】
tert−ブチル(5S,6R)−6−メチル−2−オキソ−5−フェニルピペリジン−
3−イルカルバマート(8)
【化43】
【0106】
オーバーヘッド撹拌、温度調節、pHプローブおよび塩基添加ライン付きの5L RBF
に、四ホウ酸ナトリウム十水和物(26.7g)およびDI水(1.4L)を添加した。
固形物を全て溶解させた後、イソプロピルアミン(82.8g)を添加した。6NHCl
を用いて緩衝液のpHをpH10.5に調整した。緩衝液を室温に冷却した。次に、ピリ
ドキサル−5−ホスファート(2.8g)および配列番号1(70g)を添加し、室温で
ゆっくりと溶解させた。
【0107】
油状物質(197.9g、70.7wt%ケトエステル6(140g、0.385mol
)を含有)をDMSO(1.4L)中で溶解させた。5から10分間にわたり溶液をフラ
スコに添加し、反応物を55℃に加熱した。手持ち式のpHメーターに従いpHを10.
5に調整し、8Mイソプロピルアミン水を用いて自動pH調整装置により一晩調整した。
反応物を24時間熟成させた。HPLCによって>95A%変換を確認した後、最初にi
PA:IPAc(3:4、2.8L)の混合液を添加し、20分間撹拌することによって
反応物を抽出した。相を分離し、iPA:IPAc(2:8、2.8L)の混合液で水層
を逆抽出した。相を分離し、有機層を合わせ、DI水(0.5L)で洗浄した。有機層中
のHPLCに基づくアッセイ収率は、C5およびC6位で>60:1drで8(114.
6g)であった。C2位の立体異性体の比率は、約1:1であった。抽出物を濃縮し、C
Cl中で溶解させた。有機溶液を水で洗浄し、次いで飽和NaCl水で洗浄し、濃
縮し、MTBE/n−ヘキサン(2:3)から結晶化させた。結晶を室温でろ過し、MT
BE/n−ヘキサン(2:3)で洗浄し、乾燥させ、ラクタム8(99.6g、80.0
%)のシスおよびトランス混合物(約1:1.2)を結晶として得た。
【0108】
シス:トランス(約1:1.2)混合物であるが、NMR積分は、1:1として報告され
た(プロトン数カウントに対して)Mp87−90.9℃;H NMR(CDCl
400ΜΗz):δ 7.40−7.20(m,8H,cis and trans),
7.16−7.12(m,2H,cis and trans);6.56(broad
s,1H,trans),6.35(broad s,1H,cis),5.57(b
road d,J=4.6Hz,1H,cis),5.34(broad d,J=5.
7Hz,1H,trans),4.33−4.15(m,2H,cis and tra
ns),3.93(m,1H,trans),3.81(m,1H,cis),3.41
(dt,J=11.8,5.0Hz,1H,cis),3.29(dt,J=8.0,4
.4Hz,1H,trans),2.74(m,lH,cis),2.57(m,1H,
trans),2.23(ddd,J=13.5,8.0,4.4Hz,trans),
2.07(q,J=11.8Hz,1H,cis),1.46(s,9H,cis),1
.42(s,9H,trans),1.05(d,J=6.9Hz,3H,trans)
,0.89(d,J=6.9Hz,3H,cis);13C NMR(CDCl,10
0MHz):δ 171.52(cis),171.46(trans),156.04
(cis or trans),155.93(cis or trans),140.
8(cis),139.9(trans),128.8(trans),128.7(c
is),128.6(trans),128.1(cis),127.25(trans
),127.18(cis),79.98(trans),79.91(cis),52
.4(trans),51.8(broad,cis),51.7(cis),49.0
(broad,trans),42.1(cis),41.9(trans),32.4
(broad,trans),30.1(cis),28.57(cis or tra
ns),28.53(cis or trans,18.3(cis),18.1(br
oad,trans);HRMS m/z C1724に対する計算値 32
7.1679(M+Na);実測値327.1696。
【0109】
tert−ブチル(5S,6R)−6−メチル−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,
2,2−トリフルオロエチル)ピペリジン−3−イルカルバマート(9)およびtert
−ブチル(5S,6R)−6−メチル−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−
トリフルオロエチル)ピペリジン−3−イル(2,2,2−トリフルオロエチル)カルバ
マート(10)
【化44】
【0110】
反応温度を15から20℃の間に維持しながら、約15分間にわたり、無水THF(3.
8L)中の8(480g、1.58mol)の溶液に、ヘプタン中のリチウムtert−
アモキシド溶液(512mL、3.1M、1.58mol)を添加した。次いで、得られ
た溶液を0から2℃の間の温度に冷却した。反応温度を0から3℃の間に維持しながら、
2,2,2−トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホナート(368g、1.58
mol)を15分間にわたり添加した。溶液を0℃で15分間かき混ぜた。反応温度を0
から3℃の間に維持しながら、30分間にわたり、滴下漏斗を通じて混合物にDMPU(
300mL)を入れた。得られた溶液を0℃で2.5時間かき混ぜた。反応温度を0から
3℃の間に維持しながら、さらなる2,2,2−トリフルオロエチルトリフルオロメタン
スルホナート(182g、0.79mol)を10分間にわたり混合物に添加し、続いて
さらなる3.1Mリチウムtert−アモキシド溶液(104mL)を添加した。そのバ
ッチを0℃でさらに2.5時間かき混ぜた。この混合物を15℃未満のヘプタン(4.8
L)、水(3.4L)および2NHCl溶液(280mL)の混合液に入れて不活性化し
た。相を分離した。水相をヘプタン(4L)で抽出した。合わせた有機相を水(2L)で
洗浄した。25から50℃の間で真空下で約1Lの体積まで溶液を濃縮した。ヘプタン/
酢酸エチルを用いて粗製物質を短いシリカゲルプラグに通過させた。50℃未満の温度で
蒸留が停止するまで、得られた溶液を真空下で濃縮し、IPAc(2L)中で溶解させ、
次の処理段階のために使用した。シスおよびトランス異性体両方に対する9のアッセイ収
率は、約8:1の比率で85%であった。
【0111】
溶出剤として酢酸エチルおよびヘプタンを用いたシリカゲル上でのクロマトグラフィーに
よって9の分析上純粋なシスおよびトランス異性体を分離した。9(cis):H N
MR(CDCl,500MHz):δ 7.30(m,5H),5.75(s,bro
ad,1H),4.35(m,1H),4.15(m,1H),3.80(m,1H),
3.50(m,1H),3.17(m,1H),2.45(m,2H),1.45(s,
9H),0.93(d,J=6.7Hz,3H);13C NMR(CDCl,100
MHz):δ 170.3,155.9,140.0,128.6,127.6,127
.1,124.6(q,J=279Hz),79.7,58.7,52.2,45.3(
q,J=33.7Hz),41.9,28.3,27.4,13.4;HRMS:m/z
1925に対する計算値 387.1890(M+H);実測値38
7.1899。9(trans):H NMR(CDCl,500MHz):δ 7
.40(m,2H),7.30(m,3H),5.55(br,1H),4.53(br
,1H),4.45(m,1H),3.78(m 2H),3.45(m,1H),3.
0(m,1H),2.12(m,1H),1.46(s,9H),1.12(d,J=7
.0Hz,3H);13C NMR(CDCl,100MHz):δ 170.2,1
55.9,139.6,128.7,127.9,127.4,124.3(q,J=2
79Hz),80.0,59.6,49.1,46.9(q,J=34.0Hz),42
.1,28.3,25.3,13.4;HRMS:m/z C1925
対する計算値 387.1890(M+H);実測値387.1901。
【0112】
(3S,5S,6R)−6−メチル−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−ト
リフルオロエチル)ピペリジン−3−アミニウム4−ニトロベンゾアート(11)
【化45】
【0113】
iPAC(8mL)中の上記実験から得られた粗製物質9(10gアッセイ、25.9m
mol)の溶液に、p−トルエンスルホン酸一水和物(6.7g、35.2mmol)を
添加し、反応が完了(>99%)するまで混合物を50から60℃で3時間撹拌した。溶
液を15から20℃に冷却し、10%KCO水、続いて水で洗浄した。水層をiPA
c(5mL)で再抽出した。有機層を合わせ、55から60℃に加熱した。4−ニトロ安
息香酸(3.9g、23.2mmol)をゆっくりと20分で添加した。混合物を室温に
ゆっくりと冷却した。5−ニトロ−2−ヒドロキシルベンズアルデヒド(50mg)を添
加し、そのバッチを少なくとも12時間かき混ぜた。混合物をろ過し、MeCNで洗浄し
、結晶として11を得た。MeCN中のスラリーを11のさらなる精製に移してもよい。
単離収率は90%であった。Mp205−208℃;H NMR(DMSO−d,4
00MHz):δ 8.21(dd,J=9.0,2.1Hz,2H),8.08(dd
,J=9.0,2.1Hz,2H),7.37(t,J=7.4Hz,2H),7.28
(t,J=7.4Hz,1H),7.24(d,J=7.4Hz,2H),4.65(d
dd,J=15.1,9.7,7.7Hz,1H),3.72−3.98(m,3H),
3.57(m,1H),2.46(q,J=12.6Hz,1H),2.25(m,1H
),0.90(d,J=6.4Hz,3H);19F NMR(DMSO−d,376
MHz):δ−69(s);13C NMR(DMSO−d,100MHz):δ 1
68.7,167.3,148.3,143.8,140.1,130.1,128.6
,127.4,127.0,124.9(q,J=280.9Hz),122.8,58
.7,49.8,44.5(q,J=32.7Hz),40.6,25.3,13.2。
【0114】
(5S,6R)−3−アミノ−6−メチル−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフル
オロエチル)ピペリジン−2−オン(12)
【化46】
【0115】
THF(200mL)中の8(20.0g、65.7mmol)およびNa
0.52g、3.3mmol)の混合物にtert−BuOLi(6.8g、85mmo
l)を16℃で添加した。混合物を16℃で15分間撹拌し、続いてトリフルオロエチル
トリフルオロメタンスルホナート(20.6g、89mmol)を一度に添加した。得ら
れた混合物を16℃で18時間撹拌した。次に、トルエン(70mL)、続いて0.5N
HCl溶液(50mL)の添加によって反応混合物を不活性化した。水層を分離し、トル
エン(20mL)で抽出した。合わせた有機層は、HPLCによって87%の9、6%の
10および6%の8を含有し、所望の生成物9に対する収率は87%であった。次に、H
PLC分析によって、未反応8中の選択的なBoc基の除去が完了したことが示されるま
で、3NHCl溶液(80mL)およびテトラブチルアンモニウムブロミド(0.8g)
とともに有機層を約3時間撹拌した。水層を除去した。次に、9および10を含有する有
機層を真空下で60℃にて濃縮し、溶媒の殆どを除去した。残渣をMTBE(60mL)
中で溶解させ、5NHCl溶液(65mL)を添加した。10がほぼそのままでありなが
ら9の脱保護が完了するまで、2相性溶液を50℃で約5時間、激しく撹拌した。混合物
へのヘプタン(30mL)の添加後、45℃で有機層を分離した。水層を水(60mL)
で希釈し、得られた水および45℃でヘプタン(30mL)で洗浄した。次に、水溶液を
MTBE(100mL)と混合し、混合物のpHが約10になるまで、10N NaOH
溶液で塩基性にした。有機層を分離し、水層をMTBE(60mL)で逆抽出した。合わ
せた有機層を塩水(60mL)で洗浄した。得られた有機溶液は、次の反応に適切であっ
た。この溶液は、2つのジアステレオマー(シスおよびトランス)の4:1の比率の混合
物として97%LC純度で12(15.6g、8から83%)を含有した。
【0116】
(3S,5S,6R)−6−メチル−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−ト
リフルオロエチル)ピペリジン−3−アミニウム4−メチルベンゾアート(13)
【化47】
【0117】
MTBE(40mL)中の4−メチル安息香酸(6.8g、49.9mmol)および3
,5−ジクロロサリチルアルデヒド(93mg、0.49mmol)の懸濁液に、MTB
E(約150mL)中の12(13.9g、48.5mmol)の溶液を50℃で1時間
にわたり添加した。得られた懸濁液を50℃で約3時間かき混ぜた。−5℃で1時間にわ
たり冷却した後、固形物をろ過により回収した。ケーキをMTBE(50mL)で洗浄し
た。固形物を真空オーブン中で乾燥させ、99.5%LC純度および99.6%deで1
3(17.6g、86%)を結晶として得た。H NMR(DMSO−d,400M
Hz):δ 7.85(d,J=8.1Hz,2H),7.40(m,2H),7.25
(m,5H),6.0(br,3H),4.65(m,1H),3.65−3.80(m
,2H),3.45−3.65(m,2H),2.35(s,3H),2.30(m,1
H),2.15(m,1H),0.88(d,J=6.5Hz,3H);13C NMR
(DMSO−d,100MHz):δ 172.4,168.5,142.1,141
.1,130.9,129.7,129.2,129.0,128.0,125.5(q
,J=279Hz),59.1,51.6,45.1(q,J=32Hz),41.6,
28.0,21.5,13.9。
【0118】
(S)−N−((3S,5S,6R)−6−メチル−2−オキソ−5−フェニル−1−(
2,2,2−トリフルオロエチル)ピペリジン−3−イル)−2’−オキソ−1’,2’
,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,
3−b]ピリジン]−3−カルボキサミド三水和物(15)
【化48】
【0119】
iPAc(4.6L)中の11(465g、96%wt、0.99mol)の懸濁液に、
5%KPO水(4.6L)を添加した。混合物を5分間撹拌した。有機層を分離し、
5%KPO水(4.6L)で2回洗浄し、真空下で濃縮し、アセトニトリル(1.8
L)中で溶解させた。
【0120】
別のフラスコに、14(303g、91.4wt%)、アセトニトリル(1.8L)およ
び水(1.8L)を添加し、続いて10N NaOH(99mL)を添加した。得られた
溶液を室温で5分間撹拌し、この混合物に上記で調製したキラルアミン溶液を入れ、容器
をアセトニトリル(900mL)ですすいだ。HOBT水和物(164g)、続いてED
C塩酸塩(283g)を入れた。混合物を室温で2.5時間かき混ぜた。混合物に、iP
Ac(4.6L)を添加し、有機層を分離し、5%NaHCO水(2.3L)で、続い
て15%クエン酸水(3.2L)および飽和NaCl水(1.2L)の混合液で洗浄した
。得られた有機層を最終的に5%NaHCO水(2.3L)で洗浄した。50℃未満で
有機溶液を濃縮し、メタノール(2.3L)中で溶解させた。約2gの結晶種入りの水(
6L)およびメタノール(600mL)の混合液にこの溶液をゆっくりと添加した。そし
て、得られた懸濁液を室温で一晩撹拌した。結晶をろ過し、水/メタノール(4L、10
:1)ですすぎ、室温で窒素気流下で乾燥させ、三水和物として15(576g、97%
収率)を得た。
【0121】
H NMR(
500MHz,CDCl):δ 10.15(br s,1H),8.91(br s
,1H),8.21(d,J=6.0Hz,1H),8.16(dd,J=5.3,1.
5Hz,1H),8.01(br s,1H),7.39−7.33(m,2H),7.
31−7.25(m,1H),7.22−7.20(m,2H),7.17(dd,J=
7.4,1.6Hz,1H),6.88(dd,J=7.4,5.3Hz,1H),4.
94(dq,J=9.3,7.6Hz,1H),4.45−4.37(m,1H),3.
94−3.87(m,1H),3.72(d,J=17.2Hz,1H),3.63−3
.56(m,2H),3.38−3.26(m,1H),3.24(d,J=17.3H
z,1H),3.13(d,J=16.5Hz,1H),2.78(q,J=12.5H
z,1H),2.62−2.56(m,1H),1.11(d,J=6.5Hz,3H)
13C NMR(126MHz,CDCN):δ 181.42,170.63,1
66.73,166.63,156.90,148.55,148.08,141.74
,135.77,132.08,131.09,130.08,129.66,129.
56,128.78,128.07,126.25(q,J=280.1Hz),119
.41,60.14,53.07,52.00,46.41(q,J=33.3Hz),
45.18,42.80,41.72,27.79,13.46;HRMS m/z:C
2926に対する計算値550.2061(M+H):実測値550.2
059。
【0122】
15に対する代替手順:
【化49】
【0123】
MTBE(70mL)中の13(10g、98wt%、23.2mmol)の懸濁液に、
0.6NHCl(42mL)を添加した。有機層を分離し、さらなる0.6NHCl(8
mL)で抽出した。合わせた水溶液をMTBE(10mLx3)で洗浄した。得られた水
溶液にアセトニトリル(35mL)および14(6.66g、99wt%)を添加した。
得られた懸濁液に対して、29%NaOH溶液でpH6に中性化した。HOPO(0.2
6g)、続いてEDC塩酸塩(5.34g)を添加した。変換が完了(>99%)するま
で、混合物を室温で6から12時間撹拌した。エタノール(30mL)を添加し、混合物
を35℃に加熱した。得られた溶液を2時間にわたり、エタノール(10mL)、水(3
0mL)および15の結晶種(0.4g)を含有する別の三つ口フラスコに添加した。同
時に、混合物に水(70mL)も添加した。次いで懸濁液を30分間にわたり5℃に冷却
し、ろ過した。エタノール/水(1:3、40mL)の混合液でケーキを洗浄した。ケー
キを真空オーブン中で40℃で乾燥させ、結晶として15の三水和物(13.7g、95
%)を得た。
【0124】
[実施例2] N−メトキシ−N−メチル−2−(2,3,6−トリフルオロフェニル)
アセトアミド(17)
【化50】
【0125】
iPAc(951mL)中のDMF(58.1mL、750mmol)の溶液に、氷冷下
でPOCl(55.9mL、600mmol)を添加した。氷浴下で1時間熟成させた
後、酸16(95g、500mmol)を氷冷下で添加した。溶液を氷冷下で30分間撹
拌した。この溶液を8℃未満で水(951mL)中のKCO(254g、1.835
mol)およびNHMe(OMe)HCl(73.2g、750mmol)の溶液に30
分間にわたり添加した。8℃未満で30分間熟成させた後、有機層を分離し、水(500
mL)で2回および飽和NaCl水(100mL)で1回洗浄し、真空下で濃縮して、油
状物質として17(117.9g、97.7wt%、99%収率)を得た。H NMR
(CDCl,400MHz);δ 7.05(m,1H),6.82(m,1H),3
.86(s,2H),3.76(s,3H),3.22(s,3H);19F NMR(
CDCl,376.6MHz);δ−120.4(dd,J=15.1,2.7Hz)
,−137.9(dd,J=20.8,2.7Hz),−143.5(dd,J=20.
8,15.1Hz);13C NMR(CDCl,100MHz);δ 169.4,
156.9(ddd,J=244,6.2,2.7Hz),149.3(ddd,J=2
49,14.4,8.4Hz),147.1(ddd,J=244,13.1,3.5H
z),115.5(ddd,J=19.4,9.9,1.5Hz),133.4(dd,
J=22.3,16.4Hz),110.2(ddd,J=24.8,6.7,4.1H
z),32.4(broad),26.6(m);HRMS m/z C1010
NOに対する計算値234.0736(M+H);実測値234.0746。
【0126】
1−(2,3,6−トリフルオロフェニル)プロパン−2−オン(18)
【化51】
【0127】
CeCl(438g、1779mmol)およびTHF(12L)の混合物を約2時間
、40℃に加熱し、次いで5℃に冷却した。5から9℃でTHF中のメチルマグネシウム
クロリド(3M、3.4L)を入れ、次いでこれを16℃に温め、1時間保持した。懸濁
液を−10から−15℃に再冷却した。15分間にわたりTHF(2.4L)中17(1
.19kg)の溶液をこの懸濁液に入れた。反応完了確認後、反応混合物を5から10℃
の塩酸(2N、8.4L)およびMTBE(5L)の冷溶液に移した。水相を分離し、有
機層を5%KCO水(6L)および、次に10%NaCl水(5L)で洗浄した。有
機層をNaSO上で乾燥させ、濃縮し、95%収率で粗製18(917g、>99w
t%)を得た。さらに精製することなく粗製18を次の段階で使用した。分析上純粋な1
8をシリカゲルカラムによって得た。
【0128】
H NMR(CDCl,400MHz);δ 7.07(m,1H),6.84(m
,1H),3.82(s,2H),2.28(s,3H);19F NMR(CDCl
,376.6MHz);δ−120.3(dd,J=15.3,2.5Hz),−137
.8(dd,J=21.2,2.5Hz),−143.0(dd,J=20.2,15.
3Hz);13C NMR(CDCl,100MHz);δ 202.2,156.5
(ddd,J=244,6.3,2.9Hz),148.9(ddd,J=249,14
.4,8.6Hz),147.0(ddd,J=244,13.1,3.5Hz),11
5.7(ddd,J=19.4,10.5,1.2Hz),112.8(dd,J=22
.7,17.0Hz),110.3(ddd,J=24.8,6.7,4.1Hz),3
7.2(d,J=1.2Hz),29.3。
【0129】
イソプロピル2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−オキソ−4−(2
,3,6−トリフルオロフェニル)ヘキサノアート(19)
【化52】
【0130】
MTBE(1.8L)中の18(195g、1.03mol)の溶液に、臭化亜鉛(67
g、0.30mol)、続いて2(390g、1.2mol)を添加した。次いで、反応
温度を40℃未満に維持しながら、tert−BuOLi(290g、3.6mol)を
数回に分けて添加した。得られた混合物を35℃で24時間撹拌し、0℃の2NHCl(
5.6L)およびヘプタン(5L)の混合液に入れて不活性化した。有機層を分離し、5
%NaHCO水(5L)で2回洗浄した。得られた有機溶液を真空下で濃縮した。残渣
をヘプタン(2L)中で溶解させ、溶液を再び真空下で濃縮した。得られた油状物質をD
MSO(2.5L)中で溶解させ、さらに精製することなく、この溶液を次の段階で使用
した。HPLC分析によって、この溶液が、5%の出発物質18とともに主要な構成要素
として所望の生成物19(290g、67%収率)を含有したことが示された。溶出剤と
して酢酸エチルおよびヘプタン混合液を用いたシリカゲル上でのクロマトグラフィーによ
って、ジアステレオマーの1ペアとしての分析上純粋な生成物19を単離した。HRMS
:m/z C2026NOに対する計算値418.1836(M+H);実測値
418.1849。
【0131】
tert−ブチル((5S,6R)−6−メチル−2−オキソ−5−(2,3,6−トリ
フルオロフェニル)ピペリジン−3−イル)カルバマート(20)
【化53】
【0132】
オーバーヘッド撹拌、温度調節、pHプローブおよび塩基添加ライン付きの0.5L円筒
状Sixfors反応装置に、四ホウ酸ナトリウム十水和物(3.12g)およびDI水
(163mL)を添加した。固形物を全て溶解させた後、イソプロピルアミン(9.63
g)を添加した。6NHClを用いて、緩衝液のpHをpH10.5に調整した。緩衝液
を室温に冷却した。次いで、ピリドキサル−5−ホスフェート(0.33g)および配列
番号1(8.15g)を添加し、室温でゆっくりと溶解させた。
【0133】
粗製ケトエステル19(23.6g、69wt%、16.3gアッセイ、39mmol)
をDMSO(163mL)中で溶解させ、反応装置に5から10分間にわたり溶液を添加
した。次いで、反応物を55℃に加熱した。手持ち式のpHメーターに従い、pHを10
.5に調整し、8Mイソプロピルアミン水を用いて自動pH調整装置により一晩調整した
。反応物を27.5時間にわたり熟成させた。
【0134】
HPLCによって>95A%変換を確認した後、最初にiPA:iPAc(3:4、35
0mL)の混合液を添加し、20分間撹拌することによって、反応物を抽出した。相を分
離し、iPA:iPAc(2:8、350mL)の混合液で水層を逆抽出した。相を分離
した。有機層を合わせ、DI水(90mL)で洗浄した。有機層におけるHPLCに基づ
くアッセイ収率は、20(9.86g、70.5%アッセイ収率)であり、C5およびC
6位で>60:1 drであった。
【0135】
tert−ブチル((3S,5S,6R)−6−メチル−2−オキソ−5−(2,3,6
−トリフルオロフェニル)ピペリジン−3−イル)カルバマート(21)
【化54】
【0136】
iPAcおよびiPA(1.83wt%、9.9kg;181g混合物としてのアッセイ
)の混合液中の粗製シスおよびトランス混合物20の溶液を真空下で濃縮し、2−Me−
THF(3.6L)中で溶解させた。この溶液に、室温でtert−BuOK(66.6
g、0.594mol)を添加した。懸濁液を室温で2時間撹拌した。混合物を水(3.
5L)に注ぎ、有機層を分離し、15wt%のNaCl水(3.5L)で洗浄し、Na
SO上で乾燥させ、濃縮乾固させた。残渣を60℃でiPAc(275mL)およびヘ
プタン(900mL)とともに懸濁した。懸濁液を1℃にゆっくりと冷却した。固形物を
ろ過し、iPAcおよびヘプタン(1:3)ですすぎ、乾燥させ、結晶として21(16
6g、93wt%;85%)を得た。Mp 176−179℃;H NMR(CDCl
,500MHz):δ 7.06(m,1H),6.84(m,1H),5.83(b
road s,1H),5.58(broad s,1H),4.22(m,1H),3
.88−3.79(m,2H),2.77(m,1H),2.25(m,1H),1.4
6(s,9H),1.
08(d,J=6.4Hz,3H);19F NMR(CDCl,376MHz):δ
−117(d,J=14Hz),−135(d,J=20Hz),−142(dd,J=
20,14Hz);13C NMR(CDCl,100MHz):δ 171.1,1
56.6(ddd,J=245,6.4,2.8Hz),155.8,149.3(dd
d,J=248,14.4,8.8Hz),147.4(ddd,J=245,14.2
,3.8Hz),118.0(dd,J=19.3,14.5Hz),115.9(dd
,J=19.2,10.4Hz),111.0(ddd,J=26.4,6.0,4.3
Hz),79.8,51.4,49.5,34.1,29.3,28.3,18.0;H
RMS:m/z C1721に対する計算値381.1396(M+Na
);実測値381.1410。
【0137】
tert−ブチル((5S,6R)−6−メチル−2−オキソ−1−(2,2,2−トリ
フルオロエチル)−5−(2,3,6−トリフルオロフェニル)ピペリジン−3−イル)
カルバマート(22)
【化55】
【0138】
THF(70mL)中の21(10g、87%純度、24.3mmol)の溶液に、5℃
でtert−BuOLi(2.5g、31.2mmol)を一度に添加した。溶液を0か
ら5℃の間に冷却し、トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホナート(10.0g
、43mmol)を一度に添加した。反応温度を5℃未満に維持しながら、15分間にわ
たりDMPU(7mL)をゆっくりと添加した。混合物を0℃で3時間撹拌した後、さら
なるtert−BuOLi(0.9g、11.2mmol)を添加した。混合物をさらに
90分間熟成させた。0.2NHCl(70mL)を用いて混合物を不活性化し、続いて
ヘプタン(80mL)を添加した。有機層を分離し、水層をヘプタン(30mL)で抽出
した。合わせた有機層を15%クエン酸水(50mL)および5%NaHCO水(50
mL)で洗浄した。40℃で溶液を真空下で濃縮し、得られた油状物質をiPAc(30
mL)中で溶解させた。溶液をさらに精製することなく次の段階で直接使用した。HPL
C分析から、この溶液が4%の出発物質21および8%のN,N’−アルキル化化合物と
ともに22(9.8g、6.5:1の比率のシスおよびトランス混合物として92%)を
含有したことが示された。溶出剤として酢酸エチルおよびヘプタンを用いたシリカゲル上
でのクロマトグラフィーによって分析上純粋な22(シス異性体)を単離した。H N
MR(CDCl,500MHz):δ 7.15(m,1H),6.85(m,1H)
,5.45(broad,s,1H),4.90(m,H),4.20(m,1H),3
.92(m,2H),3.28(m,1H),2.70(m,2H),1.48(s,9
H),1.20(d,J=5.9Hz,3H);13C NMR(CDCl,100M
Hz):δ 170.2,156.9(ddd,J=245,6.3,2.7Hz),1
56.0,149.6(ddd,J=251,14.8,8.8Hz),147.6(d
dd,J=246,13.9,3.6Hz),124.5(q,J=281Hz),11
7.6(dd,J=19.2,3.7Hz),116.4(dd,J=19.1,10.
4Hz),111.4(ddd,J=25.8,6.4,4.1Hz),56.6,52
.8,45.3(q,J=34.2Hz),35.2,28.7,28.3(br t,
J=4Hz),14.6;HRMS:m/z C1922(M+H)に対
する計算値:441.1607;実測値441.1617。
【0139】
(3S,5S,6R)−6−メチル−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチ
ル)−5−(2,3,6−トリフルオロフェニル)ピペリジン−3−アミニウム−(S)
−2−アセトアミド−3−フェニルプロパノアート(23)
【化56】
【0140】
前の段階から得られた22(アッセイして529g、1.2mol)のiPAc溶液をi
PAcで6Lに希釈し、p−トルエンスルホン酸モノヒドリド(monohydride
)(343g、1.8mol)を添加し、溶液を55℃に加熱した。4時間後、反応が完
了した(>99%変換)。15から25℃に冷却した後、この溶液にKCO水(3L
の水中530g)を入れた。水層を分離し、iPAc(2L)で逆抽出した。iPAc溶
液を合わせ、iPAcを添加することによって総体積を10Lに調整した。この溶液を5
0から60℃に加熱した。約20gのN−アセチルL−フェニルアラニンを添加し、溶液
を15分間または固形物が析出するまでかき混ぜた。残存N−アセチルL−フェニルアラ
ニン(全部で250g、1.2mol)をゆっくりと入れ、2−ヒドロキシ−5−ニトロ
ベンズアルデヒド(2g)を入れた。懸濁液を20℃で12時間かき混ぜ、次いで0℃に
3時間冷却した。懸濁液をろ過し、iPAcで3回洗浄し、乾燥させて、結晶として23
(583g、89%収率)を得た。Mp 188−190℃;H NMR(DMSO−
,400MHz):δ 7.96(d,J=8.0Hz,1H),7.48(m,1
H),7.15−7.25(m,6H),4.65(ddd,J=19.4,15.3,
9.6Hz,1H),4.33(ddd,J=8.7,8.4,4.9Hz,1H),3
.70−3.87(m,3H),3.57(dd,J=11.5,6.6Hz,lH),
3.04(dd,J=13.7,4.9Hz,1H),2.82(dd,J=13.7,
8.9Ηz,1Η),2.59(m,1H),2.24(m,1H),2.95(s,3
H),1.10(d,J=6.4Hz,1H);19F NMR(DMSO−d,37
6MHz):δ−69(s),−118(d,J=15Hz),−137(d,J=21
Hz),−142(dd,J=21,15Hz);13C NMR(DMSO−d,1
00MHz):δ 173.6,171,.1,168.7,156.3(ddd,J=
243.5,7.0,3.1Hz),148.7(ddd,J=249,14.4,9.
1Hz),146.8(ddd,J=245,13.7,3.1Hz),138.5,1
29.2,128.0,126.1,124.9(q,J=280.9Hz),117.
4.0(dd,J=19.3,13.8Hz),116.7(dd,J=19.3,10
.6Hz),111.8(ddd,J=26.0,6.7,3.6Hz),56.6,5
4.3,51,2,44.3(q,J=32.5Hz),37.2,34.8,26.9
(br t,J=4Hz),22.5,14.1。
【0141】
(3S,5S,6R)−6−メチル−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチ
ル)−5−(2,3,6−トリフルオロフェニル)ピペリジン−3−アミニウム2,2−
ジフェニルアセタート(25)
【化57】
【0142】
窒素下、55から60℃の酢酸イソプロピル(15.0mL)中の、前の実施例と同じ方
法に従い調製した(5S,6R)−3−アミノ−6−メチル−1−(2,2,2−トリフ
ルオロエチル)−5−(2,3,6−トリフルオロフェニル)ピペリジン−2−オン(2
4、2.00g、5.88mmol)および3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシベンズア
ルデヒド(0.011g、0.059mmol)を含有する粗製物質の混合物に、THF
(10.0mL)中のジフェニル酢酸(1.26g、5.88mmol)の溶液をゆっく
りと2時間にわたり添加した。酸添加の完了後、濃厚な塩懸濁液を55から60℃でさら
に18時間かき混ぜ、次いで周囲温度に冷ました。塩をろ過し、酢酸イソプロピルで洗浄
した。窒素パージを行い真空オーブン中で60℃で8時間乾燥させた後、25(2.97
g、91.4%)を結晶として得た。H NMR(500MHz,DMSO−d):
δ 7.48(qd,J=9.4,4.9Hz,1H),7.32(d,J=7.7Hz
,4H),7.25−7.26(m,4H),7.19−7.17(m,3H),6.7
9(br,3H),4.95(s,1H),4.67(dq,J=15.3,9.7Hz
,1H),3.81−3.79(m,3H),3.62(dd,J=11.6,6.5H
z,1H),2.66−2.62(m,1H),2.25(dd,J=12.9,6.4
Hz,1H),1.11(d,J=6.5Hz,3H);13C NMR(100MHz
,DMSO−d):δ 174.4,171.8,156.9(ddd,J=244,
7.0,2.5Hz),149.1(ddd,/=249,14.4,8.5Hz),1
47.2(ddd,J=246,13.9,3.2Hz),141.4,129.0,1
28.5,126.7,125.5(q,J=281Hz),118.0(dd,J=1
9.8,13.8Hz),117.1(dd,J=19.2,10.6Hz),112.
3(ddd,J=26.1,6.7,3.3Hz),58.5,57.1,51.7,4
4.8(q,J=32.7Hz),35.3,27.5(br t,J=4.6Hz),
14.5。
【0143】
(3S,5S,6R)−6−メチル−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチ
ル)−5−(2,3,6−トリフルオロフェニル)ピペリジン−3−アミニウム1H−イ
ンドール−2−カルボキシラート(26)
【化58】
【0144】
窒素下の55から60℃の酢酸イソプロピル(15.0mL)中の24(2.00g、5
.88mmol)を含有する粗製物質および3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシベンズア
ルデヒド(0.011g、0.059mmol)の混合物に、THF(10.0mL)中
の1H−インドール−2−カルボン酸(0.96g、5.88mmol)の溶液を2時間
にわたりゆっくりと添加した。酸添加の完了後、濃厚な塩懸濁液を55から60℃でさら
に18時間かき混ぜ、次いで周囲温度に冷ました。塩をろ過し、酢酸イソプロピルで洗浄
した。窒素パージを行い真空オーブン中で60℃で8時間乾燥させた後、26(2.33
g、79.0%)を結晶として単離した。H NMR(500MHz,DMSO):δ
11.40(s,1H),7.56(d,J=8.0Hz,1H),7.45(br,
3H),7.47(ddd,J=14.8,10.1,8.3Hz,1H),7.41−
7.40(m,1H),7.16−7.14(m,2H),6.98−6.97(m,1
H),6.87(s,1H),4.69(dq,J=15.3,9.6Hz,1H),3
.84−3.81(m,4H),2.76−2.71(m,1H),2.34(dd,J
=12.7,6.3Hz,1H),1.13(d,J=6.5Hz,3H);13C N
MR(100MHz,DMSO−d):δ 170.9,164.8,156.8(d
dd,J=244,7.0,2.5Hz),149.1(ddd,J=249,14.4
,8.5Hz),147.2(ddd,J=246,13.9,3.2Hz),137.
0,133.5,127.8,125.4(q,J=282Hz),123.3,121
.8,119.7,117.8(dd,J=19.8,13.8Hz),117.2(d
d,J=19.2,10.6Hz),112.7,112.3(ddd,J=26.1,
6.7,3.3Hz),105.1,57.1,51.3,44.8(q,J=32.7
Hz),35.2,26.9,14.5。
【0145】
N−((3S,5
S,6R)−6−メチル−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−5−
(2,3,6−トリフルオロフェニル)ピペリジン−3−イル)−2’−オキソ−1’,
2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[
2,3−b]ピリジン]−3−カルボキサミド一水和物(28)
【化59】
【0146】
酢酸イソプロピル(50mL)中の23(5.0g、9.1mmol)の懸濁液に、5%
PO水(50mL)を添加した。混合物を5分間撹拌した。有機層を分離し、K
PO水(50mL)で洗浄した。溶媒を真空下で除去し、得られた油状物質(27)を
アセトニトリル(20mL)中で溶解させた。別のフラスコに、14(2.57g)、ア
セトニトリル(40mL)、水(20mL)およびNaOH溶液(10N、0.9mL)
を添加した。この混合物にアセトニトリル中の27の溶液を入れ、次いでHOBT一水和
物(1.5g)およびEDC塩酸塩(2.6g)を入れた。混合物を室温で4時間かき混
ぜ、HPLC分析によって完全な変換が示された。反応混合物を酢酸イソプロピル(60
mL)とともに撹拌し、水層を除去した。有機層を5%NaHCO水(40mL)で、
続いて15%クエン酸水(40mL)および飽和NaCl水(10mL)の混合液で洗浄
した。得られた有機層を最終的に5%NaHCO水(40mL)で洗浄した。溶媒を真
空下で除去し、残渣をメタノール(20mL)中で溶解させた。よくかき混ぜながら、3
0分間にわたりメタノール溶液を水(50mL)およびメタノール(5mL)の混合液に
ゆっくりと入れ、続いて30分間にわたり水(50mL)を添加した。懸濁液を室温で一
晩撹拌した。混合物をろ過し、結晶を真空オーブン中で50℃で5時間乾燥させ、一水和
物として28(5.4g、95%)を得た。H NMR(500MHz,CDOD)
:δ 8.88(t,J=1.2Hz,1H),8.15(t,J=1.2Hz,1H)
,8.09(dd,J=5.3,1.5Hz,1H),7.36(dd,J=7.4,1
.5Hz,1H),7.28(qd,J=9.3,4.7Hz,1H),7.01(td
d,J=9.7,3.6,1.9Hz,1H),6.96(dd,J=7.4,5.3H
z,1H),4.80(dq,J=15.2,9.2Hz,1H),4.56(dd,J
=11.7,6.8Hz,1H),4.03(ddd,J=13.6,4.2,2.6H
z,1H),3.97−3.90(m,1H),3.68(dq,J=15.3,8.8
Hz,1H),3.59(t,J=16.2Hz,2H),3.35(d,J=4.4H
z,1H),3.32(d,J=3.5Hz,1H),3.21(qt,J=12.7,
3.1Hz,1H),2.38−2.32(m,1H),1.34(d,J=6.5Hz
,3H);13C NMR(126MHz,CDOD):δ 182.79,171.
48,168.03,166.71,159.37(ddd,J=244.1,6.5,
2.1Hz),157.43,150.88(ddd,J=249.4,14.4,8.
7Hz),148.96(ddd,J=243.8,13.7,3.1Hz),148.
67,148.15,136.84,133.43,131.63,130.83,13
0.48,126.41(q,J=280.0Hz),119.85,118.89(d
d,J=19.0,13.5Hz),117.77(dd,J=19.8,10.8Hz
),112.80(ddd,J=26.5,6.5,4.2Hz),58.86,53.
67,52.87,46.56(q,J=33.3Hz),45.18,42.06,3
6.95,27.76(t,J=4.8Hz),14.11。
【0147】
[実施例3] 3−ヒドロキシ−3−(2,3,6−トリフルオロフェニル)ブタン−2
−オン(30)
【化60】
【0148】
−70℃でTHF(750mL)中の1,2,4−トリフルオロベンゼン(29、49.
00g、371mmol)およびジイソプロピルアミン(4.23mL、29.7mmo
l)の溶液に、2.5Mのn−BuLi(156.0mL、390mmol)をゆっくり
と添加し、−45から−40℃の間の温度に維持した。そのバッチを30分間かき混ぜた
。別のフラスコに、THF(150mL)中の2,3−ブタジオン(37.7mL、42
7mmol)の溶液を調製し、−70℃に冷却した。前に調製したリチウムトリフルオロ
ベンゼン溶液を−70から−45℃の間で第二のフラスコに移した。−55から−45で
反応物を1時間かき混ぜ、次いでAcOH(25.7mL、445mmol)および次に
水(150mL)添加することによって不活性化した。室温に温めた後、水層を分離した
。水溶液をMTBE(200mLx1)で抽出し、合わせた有機層を塩水(100mLx
1)で洗浄した。有機層を25から35℃で濃縮した。残渣に対してヘプタン(100m
Lx1)をフラッシュし、濃縮乾固して、油状物質として30(87.94g、90.2
wt%、98%収率および>99%HPLC純度)を得た。H NMR(CDCl
400MHz):δ 7.16(m,1H),6.86(m,1H),6.88(s,1
H),4.59(s,1H),2.22(s,3H),1.84(dd,J=4.0,2
.8Hz,3H);19F NMR(CDCl,376.6MHz):δ−114.6
(dd,J=14.5,1.4Hz),−133.6(d,J=19.9Hz),−14
1.3(dd,J=19.9,14.5Hz);13C NMR(CDCl,100M
Hz):δ 207.4,156.4(ddd,J=247,6.2,2.9Hz),1
49.4(ddd,J=253,15.0,9.0Hz),147.5(ddd,J=2
45,14.4,3.3Hz),119.4(dd,J=17.3,11.7Hz),1
17.0(ddd,J=19.3,11.1,1.4Hz),116.6(ddd,J=
26.6,6.5,4.1Hz),77.9,25.0(dd,J=6.5,4.9Hz
),23.3。
【0149】
3−(2,3,6−トリフルオロフェニル)ブト−3−エン−2−オン(31)
【化61】
【0150】
ヒドロキシケトン30(7.69g、35.2mmol)および95%HSO(26
.2mL、492.8mmol)を流式反応装置にそれぞれ2.3および9.2mL/分
で汲み出した。反応装置を水浴(21℃)中に置くことによって、混合時の温度を22か
ら25℃に調節した。0℃に冷却したジャケット付き反応装置中の冷水(106g)およ
びヘプタン/IPAc(1:1、92mL)の混合液に入れて流出物を不活性化したが、
反応中の不活性化溶液の内部温度は、約7℃であった。不活性化反応装置中の層を分離し
、有機層を10%NaHPO/NaHPO(1:1、50mL)で洗浄した。最
終洗浄液のpHは5から6であった。この有機溶液にソルカフロック(3.85g、50
wt%)を添加した。得られたスラリーを濃縮し、25から30℃のヘプタンへと溶媒交
換した。混合物をろ過し、ヘプタン(50mLx1)ですすいだ。合わせたろ液を真空下
で濃縮し、淡黄色の油状物質として31(6.86g、90wt%、87%収率)を得て
、これを冷凍庫で固形化した。H NMR(CDCl,400MHz):δ 7.1
3(m,1H),6.86(m,1H),6.60(s,1H),6.15(s,1H)
,2.46(s,3H);19F NMR(CDCl,376.6MHz):δ−11
7.7(dd,J=15.0,1.4Hz),−135.4(dd,J=21.4,1.
4Hz),−42.7(dd,J=21.4,15.0Hz);13C NMR(CDC
,100MHz):δ 196.3,155.3(ddd,J=245,5.1,2
.9Hz),147.9(ddd,J=250,14.5,7.8Hz),147.0(
ddd,J=245,13.4,3.7Hz),137.5(d,J=1.3Hz),1
31.7,116.6(ddd,J=19.9,9.7,1.2Hz),116.2(d
d,J=22.6,16.5Hz),110.6(ddd,J=24.8,6.5,4.
1Hz),25.8。
【0151】
3−(2,3,6−トリフルオロフェニル)ブト−3−エン−2−オン(31)の代替的
合成
【化62】
【0152】
MeCN(20mL)中の18(3.5g、18.6mmol)、酢酸(0.34mL、
5.58mmol)、ピペリジン(0.37mL、3.72mmol)、ホルムアルデヒ
ド(6.0g、37%水溶液)の溶液を週末にわたり加熱した。変換は約60%であった
。反応物を70℃に一晩加熱した。混合物を濃縮し、MTBEおよびHCl(0.5N)
で抽出した。有機層をKCO水(0.5N)および水で順に洗浄した。有機層を濃縮
した。クロマトグラフィーカラム(ヘキサンおよびEtOAc)によって生成物を単離し
、31(2.29g、61.5%)を得た。
【0153】
イソプロピル2−((ジフェニルメチレン)アミノ)−5−オキソ−4−(2,3,6−
トリフルオロフェニル)ヘキサノアート(32)
【化63】
【0154】
ジフェニリデンイソプロピルグリシナート(2.0g、7.0mmol)および31(1
.4g、7.0mmole)をTHF(10mL)中で溶解させた。溶液を−10℃に冷
却した。tert−BuOLi(0.56g、7.0mmole)を数回に分けて溶液に
入れた。反応物を室温までゆっくりと温め、一晩撹拌した。NHCl水の添加によって
不活性化した後、真空下で蒸留により溶媒を除去した。残渣をシリカクロマトグラフィー
カラムに供し、ヘキサンおよびEtOAcにより溶出させ、油状物質として32(3.0
g、89%)を得て、これを次の段階で直接使用した。
【0155】
イソプロピル2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−オキソ−4−(2
,3,6−トリフルオロフェニル)ヘキサノアート(19)
【化64】
【0156】
THF(2mL)中で化合物32(100mg、0.21mmol)を溶解させ、溶液を
−10℃に冷却した。塩酸(2N、1mL)を添加し、TLCによって全出発物質が消失
するまで撹拌した。KCO水の添加によって、反応物のpH(pH.>10)を調整
した。混合物にBocO(68mg、0.31mmole)を添加し、一晩撹拌した。
反応の完了をTLCによって確認し、生成物はヨードカップリング経路から調製されるも
のと同一であった。
【0157】
イソプロピル2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−オキソ−4−(2
,3,6−トリフルオロフェニル)ヘキサノアート(19)
【化65】
【0158】
100mL丸底に、2−メチルTHF(43.7mL)およびジイソプロピルアミン(4
.92mL、34.2mmol)を入れ、溶液を−70℃に冷却した。温度を−45℃未
満に調節しながら、n−BuLi(13.08mL、32.7mmol)を滴下して入れ
た。混合物を−45℃で0.5時間撹拌した。温度を−45から−40℃に維持しながら
、N−Boc−グリシンエステル(3.58g)を滴下して添加し、同じ温度で1時間熟
成させた。
【0159】
次に、2−メチルTHF(2.9mL)中の31(2.91g、14.5mmol)の溶
液を−45から−40℃で同じようにして滴下して添加した。0.5から1時間の熟成後
、LC分析によってほぼ完全な反応が示された。HOAc(3.83mL)の添加によっ
て反応を停止させ、混合物を−10℃に温め、<20℃で水(11.6mL、4体積)を
入れた。相を分離し、有機層を16%NaCl水溶液(11.6mL)で洗浄した。有機
溶液中のジアステレオマーの混合物として所望の生成物19をアッセイしたところ、5.
40g(89%収率)であった。有機層を濃縮し、粗製生成物19を得て、これを次の反
応段階で直接使用した。特性評価の目的のために、少量の試料をフラッシュクロマトグラ
フィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン=1:10)により精製し、2種類のジアス
テレオマー19Aおよび19Bを得た。無色油状物質としての19A、H NMR(C
CN,400MHz)δ:7.29(m,1H),7.02(m,1H),5.58
(d,J=6.1Hz,1H),4.91(m,1H),4.19−4.05(m,2H
),2.79(m,1H),2.05(s,3H),1.84(m,1H),1.41(
s,9H),1.23(d,J=6.7Hz,3H),1.22(d,J=6.7Hz,
3H);13C NMR(CDCN,100MHz)δ:204.7,172.4,1
58.6(ddd,J=244,6,3Hz),156.3,149.8(ddd,J=
248,15,9Hz),148.5(ddd,J=242,14,3Hz),118.
3(dd,J=21,16Hz),117.7(ddd,J=19,10,2Hz),1
12.6(ddd,J=26,7,4Hz),80.2,70.0,53.5,46.0
,32.0,28.5,22.0,21.9.無色結晶としての19B、MP91.5−
92.0℃、H NMR(CDCN,400MHz)δ:7.31(m,1H),7
.03(m,1H),5.61(d,J=8.2Hz,1H),4.95(m,1H),
4.19(dd,J=10.2,5.1Hz,1H),3.72(m,1H),2.45
−2.29(m,2H),2.09(s,3H),1.41(s,9H),1.21(d
,J=6.3Hz,3H),1.20(d,J=6.3Hz,3H);13C NMR(
CDCN,100MHz)δ:205.0,172.8,157.9(ddd,J=2
44,7,3Hz),156.5,150.3(ddd,J=248,149,9Hz)
,148.5(ddd,J=242,13,4Hz),117.9(dd,J=19,1
0Hz),115.9(dd,J=21,15Hz),111.5(ddd,J=25,
8,4Hz),80.1,69.9,52.9,46.5,31.1,28.5,22.
0,21.9。
【0160】
[実施例4] N−メトキシ−N−メチル−2−(o−トリル)アセトアミド(34)

【化66】
【0161】
THF(1L)中のNHMe(OMe)・HCl(203g、2.1mol)の溶液、H
O(400mL)およびTEA(263g、2.2mol)に、33(200g、1.
3mol)およびCDI(243g、1.5mol)を0から10℃で添加した。反応混
合物を0から10℃で5時間撹拌した。HPLCによって反応が完了したことが示された
後、セライトを通じて混合物をろ過し、ろ液を水およびEtOAcで分配した。有機溶液
をNaSO上で乾燥させ、濃縮した。粗製残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマ
トグラフィー(5から10%EtOAc/PE)によってさらに精製し、34(200g
、78%収率)を得た。H NMR(CDCl,400MHz):δ 7.17−7
.13(m,4H),3.75(m,2H),3.66(d,3H),3.11(s,3
H),2.20(s,3H),1.63−1.55(m,1H);MS(ESI)m/e
[M+H]:194.1。
【0162】
1−(o−トリル)プロパン−2−オン(35)
【化67】
【0163】
THF(4L)中のCeCl(114.4g、0.45mol)の溶液に対して1時間
脱気を行い、45から50℃に5時間加熱した。溶液を−10から−5℃に冷却したとき
、THF中のMeMgCl(193.2g、2.6mol)を添加し、混合物を−10か
ら−5℃で1時間撹拌した。アミド34(256g、1.3mol)を−10から−5℃
で反応混合物に入れた後、混合物を10から20℃で5時間撹拌した。LCMSによって
反応が完了したことが観察された後、1MHClによって混合物を不活性化し、次いで水
およびEtOAcで分配した。有機相をNaSO上で乾燥させ、濃縮した。粗製残渣
をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(2−10%EtOAc/PE)によ
ってさらに精製し、35(157g、80%収率)を得た。H NMR(CDCl
400MHz):δ 7.1−6.91(d,4H),3.55(s,3H),2.25
(s,3H),2.05(s,3H);MS(ESI)m/e[M+H]:149.0
5。
【0164】
イソプロピル2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−オキソ−4−(o
−トリル)ヘキサノアート(36)
【化68】
【0165】
THF(1L)中の2(181.2g、0.557mol)の溶液に、15から20℃で
TEA(84.6g、0.836mol)を数回に分けて添加した。混合物を30時間撹
拌した。反応完了後、溶液を濃縮して、粗製物質7を得た。DMSO(1L)中の35(
82.5g、0.557mol)およびCsCO(91g、0.279mol)の溶
液に、15から20℃で30分間にわたりDMSO(500mL)中で粗製物質7をゆっ
くりと添加した。混合物を1時間撹拌した。反応完了後、混合物を水およびMTBE(5
L)で分配し、MTBEで2回抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥させ、
濃縮した。粗製残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(5から10%E
tOAc/PE)によってさらに精製し、36(138g、65%収率)を得た。
NMR(DMSO−d,400MHz):δ 7.14−7.09(m,3H),7.
10−6.91(d,1H),4.93−4.89(m,1H),4.05−3.98(
s,3H),2.39−2.37(d,3H),1.98−1.92(d,3H),1.
20−1.19(m,9H),1.18−1.15(m,6H);MS(ESI)m/e
[M+H]:364.2。
【0166】
tert−ブチル((5S,6R)−6−メチル−2−オキソ−5−(o−トリル)ピペ
リジン−3−イル)カルバマート(37)
【化69】
【0167】
O(180g)中のNaBO・4HO(10g、0.026mol)の溶液に、
20℃でイソプロピルアミン(30g、0.25mmol)を滴下して入れた。混合物を
30分間撹拌した後、6MHClによってpHを10.3から10.5に調整した。20
℃でこの溶液にPLP(1g、6.4mmol)およびATA−412(25g)を入れ
た。上述の混合物を1時間撹拌した後、DMSO(250mL)中の36(50g、4.
7mmol)の溶液を20℃でゆっくりと添加した。溶液を55℃に加熱し、24時間撹
拌した。反応完了後、イソプロピルアルコール(100mL)によって反応を停止させ、
次いで水およびIPAcで分配した。有機相をNaSO上で乾燥させ、濃縮した。粗
製残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(5−20%EtOAc/PE
)によってさらに精製し、37(16.5g、40%収率)を得た。H(DMSO−d
,400MHz):δ 7.83(s,1H),7.18−7.13(m,4H),4
.06(br,1H),3.67−3.51(m,2H),2.30(d,3H),1.
99(t,1H),1.36(s,9H),0.82(m,3H);MS(ESI)m/
e[M+H]:319.2。
【0168】
tert−ブチル((5S,6R)−6−メチル−2−オキソ−5−(o−トリル)−1
−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピペリジン−3−イル)カルバマート(38)

【化70】
【0169】
THF(500mL)中の37(50g、0.164mol)およびDMPU(25g、
0.2mol)の溶液に、20℃で0.5時間にわたりtert−BuOLi(16.5
g、0.2mol)を数回に分けて添加した。混合物を20℃で30分間脱気した後、C
CHOTf(45.8g、0.2mol)を20から25℃で添加した。反応を2
0から25℃で24時間撹拌した。反応完了後、混合物を水によって不活性化し、次いで
水およびEtOAcで分配した。有機溶液をNaSO上で乾燥させ、濃縮した。粗製
残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(2−10%EtOAc/PE)
によってさらに精製し、生成物38(50g、78%収率)を得た。H NMR(DM
SO−d,400MHz):δ 7.18−7.13(m,4H),4.17(m,1
H),4.11(br,1H),3.67(m,3H),2.66(s,1H),2.3
3(d,3H),1.83(t,1H),1.41(s,9H),0.96(d,3H)
;MS(ESI)m/e[M+H]:405.17。
【0170】
(3S,5S,6R)−6−メチル−2−オキソ−5−(o−トリル)−1−(2,2,
2−トリフルオロエチル)ピペリジン−3−アミニウム4−メチルベンゾアート(39)

【化71】
【0171】
THF(10mL)中の38(2.0g、5.0mol)の溶液に、6NHCl(10m
L、59.9mmol)を滴下して添加した。反応物を20から25℃で5時間熟成させ
、次いで濃縮してTHFを除去した。残渣をMTBEで希釈し、KCOで塩基性化し
た。全部で3mLのHOを添加して、全固形物を溶解させた。有機層を分離し、塩水で
洗浄し、IPACに溶媒交換した。有機層の3分の1に4−メチル安息香酸(0.27g
、2.00mmol)を添加した。溶液を50℃に加熱し、2−ヒドロキシ−5−ニトロ
ベンズアルデヒド(0.0028g、0.017mmol)を添加した。反応物を20か
ら25℃で16時間熟成させた。得られたスラリーを氷浴中で2℃に冷却し、ろ過した。
固形物をIPACで洗浄し、乾燥させ、結晶として生成物39(0.38g、52%)を
得た。H NMR(500MHz,DMSO−d):δ 7.82(d,J=8.0
Hz,2H),7.26(d,J=7.9Hz,2H),7.18−7.19(m,3H
),7.12(d,J=7.5Hz,1H),4.67(dq,J=15.2,9.7H
z,1H),3.72−3.74(m,2H),3.61−3.63(m,1H),3.
55(dd,J=11.3,6.7Hz,1H),2.40(dd,J=25.2,12
.9Hz,1H),2.35(s,3H),2.32(s,3H),2.02(dd,J
=12.6,6.7Hz,1H),0.91(d,J=6.4Hz;3H);13C N
MR(100MHz,DMSO−d):δ 172.7,168.3,142.4,1
39.1,136.1,130.9,130.5,129.7,129.3,127.4
,1
27.2,126.5,125.6(q,J=281Hz),56.2,52.1,45
.0(q,J=32.3Hz),38.5,29.1,21.5,18.7,14.2
(S)−N−((3S,5S,6R)−6−メチル−2−オキソ−5−(o−トリル)−
1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピペリジン−3−イル)−2’−オキソ−1’
,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ
[2,3−b]ピリジン]−3−カルボキサミド(41)
【化72】
【0172】
塩39(0.25g、0.58mmol)をIPAC(2.5mL)とKPOの5w
t%水溶液(2.5mL)との間で分配し、5wt%KPO水で2回洗浄した。有機
層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮して、粗製物質40を得た。粗製物
質40をMeCN(1.75mL)およびHO(1.0mL)中で溶解させた。これに
酸14(0.17g、0.53mmol)、HOBT(0.11g、0.70mmol)
およびEDCHCl(0.17g、0.87mmol)を添加した。不均一の混合物を2
0から25℃で16時間熟成させた。均一な反応物をIPACと飽和NaHCO水との
間で分配し、飽和NaHCO水で2回洗浄した。有機層を15wt%クエン酸水溶液、
飽和NaHCO水および塩水で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させ、濃縮し
て、生成物41(0.29g、89%収率)を得た。H NMR(400MHz,CD
OD):δ 8.88(d,J=1.9Hz,1H),8.15(d,J=1.9Hz
,1H),8.08(dd,J=5.3,1.6Hz,1H),7.35(dd,J=7
.4,1.6Hz,1H),7.15−7.18(m,4H),6.95(dd,J=7
.4,5.3Hz,1H),4.59(dd,J=11.5,7.0Hz,1H),3.
89−3.92(m,1H),3.81(dt,J=13.4,3.2Hz,1H),3
.61−3.63(m,4H),3.31−3.32(m,2H),2.93−2.95
(m,1H),2.40(s,3H),2.14−2.17(m,1H);1.14(d
,J=6.5Hz,3H);H NMR(500MHz,CDCl):δ 8.91
(s,1H),8.56(s,1H),8.17(dd,J=5.0,1.5Hz,1H
),8.05(s,1H),7.30(d,J=5.0Hz,1H),7.20(m,3
H),7.12(m,2H),6.89(dd,J=7.5,5.0Hz,1H),5.
00−4.94(m,1H),4.55(m,1H),3.93−3.90(m,1H)
,3.81−3.76(m,2H),3.68(d,J=16.5Hz,1H),3.3
1−3.23(m,2H),3.17(d,J=16.5Hz,1H),2.75−2.
67(m,2H),2.41(s,3H),1.11(d,J=6.5Hz,3H);
C NMR(100MHz,CDOD):δ 182.8,171.8,168.0
,166.7,157.5,148.7,148.2,139.5,137.5,136
.8,133.4,132.0,131.6,130.8,130.6,128.4,1
28.3,127.4,126.6(q,J=283Hz),119.9,58.1,5
3.7,53.0,46.7(q,J=33.4Hz),45.2,42.1,40.2
,28.8,19.0,13.6;HRMS:m/z=564.2219(M+1)、C
3028に対して、計算したm/z=564.2234。
【0173】
[実施例5] N−メトキシ−N−メチル−2−(2,3,5−トリフルオロフェニル)
アセトアミド(43)
【化73】
【0174】
THF(110mL)中のNHMe(OMe)・HCl(20.3g、0.21mol)
の溶液、HO(40mL)およびTEA(26.3g、0.22mol)に、0から1
0℃で、2,3,5−トリフルオロフェニル酢酸(42、24.7g、0.13mol)
およびCDI(24.3g、0.15mol)を添加した。反応混合物を0から10℃で
5時間撹拌した。HPLCにより反応完了が示された後、セライトを通じて混合物をろ過
し、ろ液を水およびEtOAcで分配した。有機溶液をNaSO上で乾燥させ、濃縮
した。粗製残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(5から10%EtO
Ac/PE)によってさらに精製し、43(24.0g、80%収率)を得た。H N
MR(CDCl,400MHz):δ 6.76−6.72(m,2H),3.72(
m,2H),3.66(d,3H),3.15(d,3H);MS(ESI)m/e[M
+H]:234.07。
【0175】
1−(2,3,5−トリフルオロフェニル)プロパン−2−オン(44)
【化74】
【0176】
THF(350mL)中のCeCl(11.44g、0.045mol)の溶液に対し
て1時間脱気を行い、45から50℃に5時間加熱した。溶液を、−10から5℃に冷却
し、THF中でMeMgCl(19.44g、0.26mol)を添加し、混合物を−1
0から−5°Cで1時間撹拌した。−10から−5℃でアミド43(30.3g、0.1
3mol)を反応混合物に入れた後、混合物を10から20℃で5時間撹拌した。反応完
了後、混合物を1MHClにより不活性化し、次いで水およびEtOAcで分配した。有
機相をNaSO上で乾燥させ、濃縮した。粗製残渣をシリカゲル上でのフラッシュク
ロマトグラフィー(2から10%EtOAc/PE)によってさらに精製し、44(20
.8g、85%収率)を得た。H NMR(CDCl,400MHz):δ 6.9
1−6.78(m,1H),6.69(dd,1H),3.77(d,2H),2.25
(s,3H);MS(ESI)m/e[M+H]:189.05。
【0177】
イソプロピル2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−オキソ−4−(2
,3,5−トリフルオロフェニル)ヘキサノアート(45)
【化75】
【0178】
THF(50mL)中の2(10.98g、33.7mmol)の溶液に、15から20
℃でTEA(4.8g、47.4mmol)を数回に分けて添加した。混合物を30時間
撹拌した。反応完了後、溶液を濃縮して、粗製物質7を得た。DMSO(35mL)中の
44(6.3g、33.7mmol)およびCsCO(5.0g、15.3mmol
)の溶液に、15から20℃で30分間にわたりDMSO(35mL)中の粗製物質7を
ゆっくりと添加した。混合物を1時間撹拌した。反応完了後、混合物を水およびMTBE
(50mL)で分配し、MTBEによって2回抽出した。合わせた有機層をNaSO
上で乾燥させ、濃縮した。粗製残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(
5から10%EtOAc/PE)によってさらに精製し、45(8.4g、60%収率)
を得た。H NMR(DMSO−d,400MHz):δ 6.77(d,1H),
6.59(d,1H),5.11(m,1H),4.93−4.89(m,1H),4.
12(s,2H),2.66(d,1H),2.05−2.01(d,3H),1.38
(m,9H),1.18−1.15(m,6H);MS(ESI)m/e[M+H]
418.18。
【0179】
tert−ブチル((5S,6R)−6−メチル−2−オキソ−5−(2,3,5−トリ
フルオロフェニル)ピペリジン−3−イル)カルバマート(46)
【化76】
【0180】
O(18.2g)中のNaBO・4HO(1.5g、3.9mmol)の溶液に
、20℃でイソプロピルアミン(1.16g、19.6mmol)を滴下して入れた。混
合物を30分間撹拌した後、6NHClによってpHを10.2から10.3に調整した
。20℃でこの溶液にPLP(0.042g、0.27mmol)およびATA−412
(1.0g)を入れた。上記混合物を1時間撹拌した後、DMSO(10mL)中の45
(2g、4.7mmol)の溶液を20℃でゆっくりと添加した。この溶液を55℃に加
熱し、24時間撹拌した。反応完了後、イソプロピルアルコール(10mL)によって反
応を停止させ、次いで水およびIPAcで分配した。有機溶液をNaSO上で乾燥さ
せ、濃縮した。粗製残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(5から20
%EtOAc/PE)によってさらに精製し、46(1.45g、85%収率)を得た。
H NMR(DMSO−d,400MHz):δ 7.95−7.78(m,1H)
,6.95(m,1H),3.01(t,1H),1.36(s,9H),1.17−1
.10(br,4H),1.12(m,3H);MS(ESI)m/e[M+H]:3
59.15。
【0181】
tert−ブチル((5S,6R)−6−メチル−2−オキソ−1−(2,2,2−トリ
フルオロエチル)−5−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピペリジン−3−イル)
カルバマート(47)
【化77】
【0182】
THF(500mL)中の46(50g、0.14mol)およびDMPU(7.2g、
0.06mol)の溶液に、20℃で0.5時間、数回に分けてtert−BuOLi(
8.6g、0.11mol)を添加した。混合物に対して20℃で30分間脱気を行った
後、20から25℃でCFCHOTf(37.5g、0.14mol)を添加した。
溶液を20から25℃で24時間撹拌した。反応完了後、混合物を水によって不活性化し
、次に水およびEtOAcで分配した。有機溶液をNaSO上で乾燥させ、濃縮した
。粗製残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(2−10%EtOAc/
PE)によってさらに精製し、生成物47(50g、82%収率)を得た。H(DMS
O−d,400MHz):δ 7.52(m,1H),7.22−6.91(m,1H
),4.65(m,1H),3.85(br,1H),3.38−3.37(m,2H)
,1.40(s,9H),0.90(m,3H);MS(ESI)m/e[M+H]
441.15。
【0183】
(5S,6R)−3−アミノ−6−メチル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−
5−(2,3,5−トリフルオロフェニル)−ピペリジン−2−オン(48)
【化78】
【0184】
IPAC(20mL)中の47(2.0g、4.5mmol)の溶液に、p−トルエンス
ルホン酸一水和物(1.3g、6.8mmol)を添加した。混合物を55℃で4時間熟
成させた。反応完了後、氷浴中でスラリーを5℃に冷却し、HO(10mL)中の炭酸
カリウム(1.9g、13.6mmol)の溶液を添加した。水層(pH=10)を分離
し、有機層を飽和NaHCO水、水および塩水で順に洗浄し、NaSO上で乾燥さ
せた。濃縮によって、ジアステレオマーの4:1混合物として、48(1.3g、86%
収率)を得た。
【0185】
(3S,5S,6R)−3−アミノ−6−メチル−1−(2,2,2
−トリフルオロエチル)−5−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピペリジン−2−
オン−(S)−2−ヒドロキシスクシナート(49)
【化79】
【0186】
THF(3.7mL)中の48(0.24g、0.72mmol)の溶液に、L−(−)
−リンゴ酸(0.10g、0.75mmol)を添加した。均一な反応物を58℃に加熱
し、3時間熟成させた。反応完了後、スラリーを20から25℃に冷却し、16時間熟成
させた。固形物をろ過し、氷冷THFで2回洗浄し、乾燥させ、結晶として生成物49(
0.25g、73%収率)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ
7.50−7.54(m,1H),7.01−7.06(m,1H),4.68(dq
,J=15.3,9.6Hz,1H),4.05(dd,J=11.6,6.7Hz,1
H),3.91−3.92(m,2H),3.84−3.87(m,2H),2.51(
m,1H),2.45(m,1H),2.33(dd,J=15.6,4.4Hz,1H
),2.15(dd,J=12.3,6.7Hz,1H),0.97(d,J=6.4H
z,3H);13C NMR(100MHz,DSMO−d):δ 176.3,17
2.0,168.4,157.4(ddd,J=243,11,2Hz),150.0(
dt,J=248,14Hz),144.7(ddd,J=242,13,4Hz),1
30.4(dd,J=13,9Hz),124.8(q,J=281Hz),110.9
(dt,J=26,3Hz),105.1(dd,J=28,21Hz),66.1,5
6.0,49.6,44.5(q,J=33Hz),41.3,35.1,25.1,1
3.8;19F NMR(377MHz,DMSO−d):δ−69.3,−114.
6(d,J=14.9Hz),−134.7(d,J=21.8Hz),−148.8(
dd,J=21.8,14.9Hz)。
【0187】
(S)−N−((3S,5S,6R)−6−メチル−2−オキソ−1−(2,2,2−ト
リフルオロエチル)−5−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピペリジン−3−イル
)−2’−オキソ−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリ
ジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−3−カルボキサミド(51)
【化80】
【0188】
IPAC(6mL)および5wt%KPO水(6mL)中で塩49(0.60g、1
.27mmol)を分配し、5wt%KPO水で2回洗浄した。有機層を塩水で洗浄
し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、粗製物質50を得た。次に、MeCN(4.2
mL)およびHO(2.4mL)中で粗製物質50を溶解させた。この溶液に、酸14
(0.32g、1.12mmol)、HOBT(0.22g、1.42mmol)および
EDCHCl(0.34g、1.77mmol)を添加した。不均一の混合物を20から
25℃で16時間熟成させた。反応物をIPACと飽和NaHCO水との間で分配し、
飽和NaHCO水で2回洗浄した。次いで、有機層を5wt%クエン酸水、飽和NaH
CO水および塩水で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させ、濃縮し、生成物5
1を得た。水の添加によってエタノール溶液から化合物51を結晶化させた。H NM
R(500MHz,CDOD):δ 9.15(s,1H),8.82(s,1H),
8.22(dd,J=6.1,1.2Hz,1H),8.13(dd,J=7.3,1.
2Hz,1H),7.37(dd,J=7.3,6.1Hz,1H),7.16(m,1
H),6.94(m,1H),4.79(m,1H),4.67(dd,J=11.5,
7.1Hz,1H),4.06(m,1H),4.01(d,J=14.2Hz,1H)
,3.90(s,2H),3.79(d,J=18.3Hz,1H),3.73(m,1
H),3.69(d,J=16.6Hz,1H),2.89(q,J=12.5Hz,1
H),2.28(m,1H),1.20(d,J=6.4Hz,3H);13C NMR
(400MHz,CDOD):δ 182.8,171.4,168.1,166.7
,159.6(ddd,J=245,10.5,2.8Hz),157.5,151.9
(dt,J=250,14.2Hz),148.7,148.2,146.9(ddd,
J=243,12.6,3.9Hz),136.8,133.4,132.3(dd,J
=13.5,8.5Hz),131.6,130.8,130.6,126.4(q,J
=280Hz),119.8,111.7(bd,J=24.8Hz),105.7(d
d,J=28.1,21.8Hz),69.2,58.0,53.7,52.5,46.
7(q,J=33.6Hz),45.2,42.1,37.5,27.6,13.7;
F NMR(400MHz,CDOD):δ−71.96,−116.67(d,J
=14.7Hz),−136.41(d,J=20.0Hz),−150.47(dd,
J=19.5,15.2Hz);HRMS:m/z=604.1778(M+1)、C
24に対して、計算したm/z=604.1778。
【0189】
[実施例6]
【化81】
【0190】
(2−ブロモ−5−クロロピリジン−3−イル)メタノール(52)
【化82】
【0191】
THF(500mL)中の2,3−ジブロモ−5−クロロピリジン(60g、221mm
ol)の溶液に、−40℃で約30分間にわたりTHF中のイソプロピルマグネシウムク
ロリドリチウムクロリド溶液(1.3M、185mL)の溶液を添加した。溶液を−40
℃で30分間撹拌し、DMF(50mL)を添加した。得られた溶液を室温まで温め、3
0分間撹拌した。反応を1NHCl(400mL)で停止させ、MTBE(200mL)
を添加した。有機層を分離し、5%NaHCO水(200mL)で2回洗浄した。50
℃で溶媒を真空下で除去した。得られた固形物(アルデヒド中間体)をメタノール(40
0mL)中で溶解させた。溶液を氷浴下で5℃に冷却した。反応温度を室温未満に維持し
ながら、NaBH(3.6g)を30分間にわたりゆっくりと添加した。反応混合物を
さらに30分間撹拌し、続いて水(125mL)を添加した。得られた混合物をおよそ1
50mLになるまで真空下で濃縮した。濃縮中に固形物が沈殿した。懸濁液を室温で1時
間激しく撹拌し、固形物をろ過により回収した。湿潤ケーキを真空オーブン中で一晩、6
0℃で乾燥させ、固形物として52(45.6g、93%)を得た。H NMR(CD
Cl,400MHz):δ 8.26(d,J=2.5Hz,1H),7.88(d,
J=2.5Hz,1H),4.73(d,J=5.8Hz,2H),2.33(t,J=
11.4Hz,1H);13C NMR(CDCl,100MHz):δ 147.1
2,138.48,138.39,136.14,132.06,62.76。
【0192】
5−クロロ−3−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)ピコ
リンアルデヒド(53)
【化83】
【0193】
2−MeTHF(15mL)中の52(5.0g、22.5mmol)の溶液に、室温で
3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(2.7mL、29.6mmol)および濃硫酸(12
5mg)を添加した。溶液を10分間撹拌し、次いで−3℃に冷却した。イソプロピルマ
グネシウムクロリドリチウムクロリド溶液(1.3M、30mL、39mmol)を−3
から3℃でゆっくりと添加した。HPLCにより変換が97%より多くなったことが示さ
れるまで、得られた溶液を−3℃で3時間撹拌した。5℃未満で15分間にわたりDMF
(5mL)を添加した。得られた溶液をこの温度でさらに1時間撹拌した。MTBE(5
0mL)、15%クエン酸水(25mL)および水(15mL)を添加することによって
、反応混合物を不活性化した。有機層を分離し、5%NaCl水(50mL)で2回洗浄
した。有機溶液を50℃で真空下で濃縮し、油状物質として53(6.2g、68wt%
、16.6mmol、74%収率)を得た。さらに精製することなく、粗製生成物を次の
段階に対して直接使用した。溶出剤としてヘキサン中の5%酢酸エチルを用いたシリカゲ
ル上でのフラッシュクロマトグラフィーによって、純粋な試料を単離した。H NMR
(CDCl,400MHz):δ 10.13(s,1H),8.65(s,1H),
8.20(s,1H),5.25(d,J=16.6Hz,1H),5.01(d,J=
16.6Hz,1H),4.80(m,1H),3.88(m,1H),3.58(m,
1H),1.7(m,6H);13C NMR(CDCl,100MHz):δ 19
4.20,147.06,146.32,138.98,136.41,134.87,
99.04,64.42,62.72,30.53,25.30,19.66。
【0194】
(E)−1−(tert−ブチル)−3−((5−クロロ−3−(((テトラヒドロ−2
H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)ピリジン−2−イル)メチレン)−1H−ピロ
ロ[2,3−b]ピリジン−2(3H)−オン(55)
【化84】
【0195】
イソプロパノール(40mL)中の粗製物質53(6.2g、68wt%、16.6mm
ol)および54(3.46g、18.3mmol)の溶液に、−2℃でDBU(0.1
2g、0.83mmol)を添加した。−2℃で2時間撹拌した後、溶液を10℃まで温
め、この温度で3時間撹拌した。黄色の固形物が溶液から沈殿した。懸濁液を一晩撹拌し
、その間、そのバッチの温度を室温までゆっくりと上昇させた。懸濁液の温度を最終的に
50℃まで上昇させ、この温度で4時間撹拌した。30℃に冷却後、滴下漏斗から30分
間にわたり水(35mL)を滴下して添加した。懸濁液を室温に冷却し、ろ過した。ケー
キをイソプロパノール(3mL)および水(3mL)の混合液で洗浄した。沈殿物を回収
し、真空オーブン中で50℃で一晩乾燥させ、固形物として55(6.2g、87%)を
得た。NMR(CDCl,400MHz):δ 8.72(dd,J=7.5,1.
8Hz),8.66(d,J=2.4Hz,1H),8.18(dd,J=5.1,1.
8Hz,1H),7.94(d,J=2.4Hz,1H),7.78(s,1H,1H)
,6.89(dd,J=7.5,5.1Hz,1H),4.99(d,J=13.8Hz
,1H),4.80(m,1H),4.70(d,J=13.8Hz,1H),3.90
(m,1H),3.60(m,1H),1.83(s,9H),2.0−1.5(m,6
H).NOE実験によってトランス異性体としての二重結合の立体配座を確認した。13
C NMR(CDCl,100MHz):δ 168.75,159.64,148.
99,147.85,146.65,137.01,135.29,133.56,13
2.41,129.50,129.37,117.27,116.32,98.77 6
4.80,62.49,58.62,30.39,29.01,25.26,19.34
【0196】
1−(tert−ブチル)−3−((5−クロロ−3−(ヒドロキシメチル)ピリジン−
2−イル)メチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2(3H)−オ
ン(56)
【化85】
【0197】
エタノール(25mL)中の55(3.0g、7.0mmol)の懸濁液に、NaBH
(0.37g)を一度に添加した。得られた懸濁液を室温で1時間撹拌した。水(10m
L)を添加し、続いてイソプロパノール中の6NHCl溶液(5mL)をゆっくりと添加
することによって、反応を停止させた。溶液の温度を40℃まで上昇させ、3時間撹拌し
た。反応混合物をMTBE(50mL)および飽和NaCl水(50mL)と混合した。
有機物を分離し、水(50mL)で洗浄した。溶液を真空下で50℃で濃縮し、残渣をヘ
キサン(30mL)とともに粉砕した。得られた懸濁液を室温で30分間撹拌した。沈殿
物をろ過により回収し、固形物として56(2.2g、86%)を得た。H NMR(
CDCl,400MHz):δ 8.34(s,1H),8.15(d,J=4.9H
z,1H),7.74(s,1H),7.30(d,J=7.1Hz,1H),6.83
(t,J=5.7Hz,1H),4.73(dd,J=13.4,4.9Hz,1H),
4.63(dd,J=13.4,5.7Hz,1H),4.01(t,J=6.1Hz,
1H),3.44(dd,J=15.4,5.2Hz,1H),3.17(dd,J=1
5.4,7.2Hz,1H),2.94(t,J=5.5Hz,1H),1.79(s,
9H);13C NMR(CDCl,100MHz):δ 178.72,159.1
2,153.82,146.45,145.83 135.72,135.32,130
.63,130.27,124.04,117.33,61.40,58.70,44.
12,34.01,28.81。
【0198】
1−(tert−ブチル)−3−((5−クロロ−3−(クロロメチル)ピリジン−2−
イル)メチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2(3H)−オン(57)
【化86】
【0199】
ジクロロメタン(30mL)中の56(5.8g、16.8mmol)の溶液に、5℃で
DMF(60μL)および塩化チオニル(2.2g)を添加した。混合物をこの温度で3
0分間撹拌し、続いて5%NaCl水(30mL)を添加した。有機層を分離し、5%N
aCl水(30mL)で洗浄した。溶媒を除去し、残渣をヘプタン(20mL)中で溶解
させた。溶液を30分間撹拌し、生成物が沈殿した。懸濁液を0℃に冷却し、ろ過して、
固形物として57(5.8g、93%)を得た。H NMR(CDCl,400MH
z):δ 8.36(d,J=2.3Hz,1H),8.13(dd,J=5.1,1.
4Hz,1H),7.65(d,J=2.3Hz,1H),7.19(om,1H),6
.78(dd,J=7.3,5.2Hz,1H),4.58(m,2H),4.06(m
,1H),3.66(dd,J=16.3,4.6Hz,1H),3.32(dd,J=
16.3,7.5Hz,1H),1.75(s,9H);13C NMR(CDCl
100MHz):δ 178.06,159.45,154.58,147.39,14
5.73,136.87,132.47,130.42,130.11,123.77,
117.03,58.51,43.37,42.25,33.69,28.82。
【0200】
(S)−1’−(tert−ブチル)−3−クロロ−5,7−ジヒドロスピロ[シクロペ
ンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オ
ン(58)
【化87】
【0201】
トルエン(50mL)中の57(2.39g、6.56mmol)の溶液を窒素雰囲気下
で−2.5℃に冷却した。化合物61(17mg、0.020mmol)を入れ、−3.
3℃に冷却しながら、得られた溶液を約15分間熟成させた。−0.6℃未満で、4分間
にわたり、予め冷却した(−1℃)NaOH水(26.2mL、0.3N)を入れた。反
応物を−1.3℃で3時間熟成させた。反応を水(10mL)で停止させた。有機層を水
(10mL)で洗浄し、濃縮し、IPAをフラッシュして、粗製生成物58を得た(2.
59g、94.4%ee、83%wt(内部標準としての1,3,5−トリメトキシベン
ゼンに対するNMRによる))。
【0202】
IPAおよび水から粗製生成物を再結晶化し、ろ過し、オーブン中で50℃で乾燥させ、
固形物として58(1.95g、95.7%wt、99%ee、87%収率)を得た。
H NMR(CDCl,400MHz):δ 8.42(s,1H),8.19(d,
J=5.2Hz,1H),7.56(s,1H),7.10(d,J=7.3Hz,1H
),6.83(dd,J=7.3,5.2Hz,1H),3.60(dd,J=24.9
,16.8Hz,2H),3.09(dd,J=28.6,16.8Hz,2H);13
C NMR(CDCl,100Hz):δ 179.43,160.54,157.8
2,147.44,146.54,135.80,132.17,130.62,129
.33,128.36,117.69,58.83,51.94,44.35,41.5
7,28.83。
【0203】
(1S,2R,4S,5R)−1−(2−ブロモ−5−メトキシベンジル)−2−((S
)−(1−(2−ブロモ−5−メトキシベンジル)−6−メトキシキノリン−1−イウム
−4−イル)(ヒドロキシ)メチル)−5−ビニルキヌクリジン−1−イウムブロミド(
61)
【化88】
【0204】
IPA(4.0mL)およびDMF(28.4mL)中のキニジン(62、8.1g、2
3.7mmol、約14%ジヒドロキニジンを含有)および2−ブロモ−5−メトキシベ
ンジルブロミド(63、16.59g、59.3mmol)のスラリーに対して真空によ
り脱気を行い、Nをフラッシュし、次いで70℃に7時間加熱した。反応混合物を22
℃に冷却し、撹拌しながら、22℃で10分間にわたりこの反応溶液をAcOEt(32
0mL)に入れた。得られたスラリーを22℃で1から2時間熟成させ、ろ過し、AcO
Et(2×24mL)ですすぎ、次いでヘキサン(2×24mL)ですすいだ。固形物を
真空下で乾燥させ、ビス−塩(ビス−キニジン塩61およびビス−ジヒドロキニジン塩)
の混合物として粉末を得た。(全部で19.7g、94%収率)。SFCによって61の
基準試料を精製した(ICカラム、20×250mm、60%MeOH/CO、50m
L/分、100bar、35℃、220nm、試料濃度:MeOH中、133mg/mL
;所望のピーク:3から4.5分)。H NMR(CDCl,500MHz):δ
9.34(d,J=6.1Hz,1H),8.46(d,J=6.1Hz,1H),8.
38(d,J=9.7Hz,1H),8.0(dd,J=9.7,2.1Hz,1H),
7.86(s,1H),7.79(d,J=8.9Hz,1H),7.74(d,J=8
.9Hz,1H),7.60(d,J=2.5Hz,1H),7.42(d,J=2.3
Hz,1H),7.17(dd,J=8.8,2.8Hz,1H),7.03(dd,J
=8.8,2.7Hz,1H),6.93(s,1H),6.50(d,J=2.4Hz
,1H),6.06(m,1H),5.24(m,3H),4.95(d,J=12.9
Hz,1H),4.37(m,1H),4.23(m,4H),4.12(m,1H),
3.88(s,3H),3.69(s,3H),3.54(m,1H),3.32(s,
2H),3.23(m,1H),2.71(m,1H),2.51(s,2H),2.3
3(m,1H),1.94(br,1H),1.83(br,2H),1.17(br,
1H);13C NMR(DMSO−d,100Hz):δ 159.45,159.
07,158.67,156.12,146.01,137.08,134.68,13
4.30,133.21,132.98,128.18,128.03,127.45,
122.13,121.89,121.22,118.08,117.5,117.07
,116.73,116.20,115.81,112.67,105.09,66.8
1,65.51,62.43,56.75,56.06,55.91,55.52,54
.80,36.84,25.91,23.10,20.75。
【0205】
(S)−1’−(tert−ブチル)−2’−オキソ−1’,2’,5,7−テトラヒド
ロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−
3−カルボン酸(59)
【化89】
【0206】
30psiのCO下で24時間、NMP(32mL)中の58(5.0g、14.5mm
ol)、KCO(5.01g、36.2mmol)、Pd(OAc)(33mg、
0.145mmol)、1,3−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパン(DCP
P、127mg、0.290mmol)および水(0.522mL、29.0mmol)
の混合物を120℃に加熱した。室温に冷却後、得られたスラリーを水(100mL)で
希釈した。2NHClでpHをゆっくりと3から4に調整した。スラリーを室温で1時間
熟成させ、ろ過し、水(40から50mL)ですすぎ、オーブン下で60℃で乾燥させ、
固形物として59(4.64g、95%)を得た。H NMR(DMSO−d,50
0MHz):δ 8.90(s,1H),8.19(d,J=5.2Hz,1H),7.
54(d,J=7.3Hz,1H,),6.99(dd,J=7.3,5.2Hz,1H
),3.33(m,4H),1.72(s,9H);13C NMR(DMSO−d
125MHz):δ 180.16,167.44,166.97,158.07,14
9.76,146.61,135.39,133.09,130.36,128.81,
125.48,118.44,58.19,51.12,44.56,41.24,28
.91。
【0207】
(S)−2’−オキソ−1’,2’,5,7−テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]
ピリジン−6,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−3−カルボン酸(14)
【化90】
【0208】
59(4g、97%wt)に37%HCl(40から44mL)を入れた。スラリーを9
4℃で最長で48時間加熱し、室温まで温度低下させた。減圧することによって溶媒を一
部除去して全部で約2体積にした(約4mLの水が残留)。残渣を水(20mL)で希釈
し、続いてNaOH(3.5N、4.5mL)でpHを2.6に調整した。濃厚なスラリ
ーを1から2時間熟成させ、ろ過し、水(2×8mL)ですすぎ、続いて水/アセトン(
1:1、8mL)ですすいだ。湿潤ケーキを乾燥させ、結晶として化合物14(3.1g
、98%wt、94%)を得た。H NMR(DMSO−d,500MHz):δ
13.3 l(br,1H),11.14(s,1H),8.91(s,1H),8.1
1(m,2H),7.49(dd,J=7.3,1.3Hz,1H),6.93(dd,
J=7.3,5,3Hz,1H),3.36(m,4H);13C NMR(DMSO−
,125MHz):δ 181.06,167.36,166.95,156.80
,149.79,147.32,135.37,133.19,130.73,128.
88,125.50,118.46,51.78,44.12,40.70。
【0209】
[実施例7] 1−(tert−ブチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2(
3H)−オン(54)
【化91】
【0210】
DMSO(50mL)中の化合物54a(10.0g、40.3mmol)、NaCl(
2.9g)および水(2mL)の混合物を120℃で30分間加熱した。混合物を30℃
に冷却し、続いてMTBE(200mL)および水(50mL)を添加した。有機層を分
離し、水層をさらなるMTBE(50mL)で抽出した。合わせた有機層を水(50mL
)で3回洗浄した。真空下で溶媒を除去し、得られた固形物を真空オーブン中で30℃で
乾燥させ、固形物として54(7.0g、92%)を得た。H NMR(CDCl
400MHz):δ 8.15(dd,J=5.2,1.4Hz,1H),7.40(d
d,J=7.2,1.4Hz,1H),6.88(dd,J=7.2,5.2Hz,1H
),3.45(s,2H),1.78(s,9H);13C NMR(CDCl,10
0MHz):δ 174.99,160.06,145.82,130.80,119.
51,117.15,58.53,35.98,28.80。
【0211】
[実施例8]
【化92】
【0212】
メチル5−クロロ−3−(((トリイソプロピルシリル)オキシ)メチル)ピコリナート
(64) ジクロロメタン(60mL)中の52(15.0g、67.4mmol)の溶
液に、トリイソプロピルシリルトリフルオロメタンスルホナート(29.0g、94mm
ol)を添加した。溶液を5℃に冷却し、20℃未満で数回に分けてイミダゾール(12
.0g、176mmol)を添加した。反応混合物を室温で5分間撹拌し、5%塩水(5
0mL)を入れた。有機層を分離し、真空下で50℃で溶媒を除去した。得られた油状物
質をメタノール(100mL)中で溶解させた。5mol%のPd(dppf)Cl
在下で溶液をCO下(100psi)で60℃にて18時間、維持した。溶媒を除去し、
残渣をろ過用漏斗上のシリカゲル(60g)上に移した。混合物をヘキサン中の10%酢
酸エチルの混合液(400mL)ですすいだ。得られた溶液を濃縮して、油状物質として
粗製物質64(29.2g、98%LCAP、84%wt、100%収率)を得て、これ
を、さらに精製することなく次の段階で直接使用した。H NMR(CDCl,40
0MHz):δ 8.56(d,J=2.4Hz,1H),8.30(d,J=2.4H
z,1H),5.23(s,2H),4.01(s,3H),1.25(m,3H),1
.12(d,J=6.8Hz,18H)。
【0213】
5−クロロ−2−(クロロメチル)−3−(((トリイソプロピルシリル)オキシ)メチ
ル)ピリジン(65) メタノール(120mL)中の粗製物質64(29.2g、84
wt%、67.4mmol)の溶液に、5℃で約1時間にわたり分割してNaBH(1
1.6g)を添加した。反応混合物を水(150mL)で不活性化し、混合物をMTBE
(150mL)で抽出した。有機溶液を水(100mL)で洗浄した。溶媒を真空下で5
0℃で除去し、残渣をジクロロメタン(60mL)中で溶解させた。溶液を真空下で60
℃で濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン(100mL)中で溶解させた。溶液を0
℃に冷却し、DMF(0.5g)を添加し、続いて塩化チオニル(11.1g)を滴下し
て添加した。次いで、反応混合物を0℃で30分間撹拌し、5%塩水(100mL)で不
活性化した。有機層を分離し、塩水(100mL)で洗浄した。溶媒を真空下で60℃で
除去し、油状物質として65(25g、92%LCAP、70%wt、72%収率)を得
て、これを、さらに精製することなく次の段階で使用した。H NMR(CDCl
400MHz):δ 8.44(d,J=2.4Hz,1H),7.94(d,J=2.
4Hz,1H),4.96(s,2H),4.65(s,2H),1.22(m,3H)
,1.12(d,J=6.7Hz,18H)。
【0214】
1−(tert−ブチル)−3−((5−クロロ−3−(ヒドロキシメチル)ピリジン−
2−イル)メチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2(3H)−オン(56)
DMF(30mL)中の65(8g、70%wt、16.1mmol)および54a(
4.15g)の溶液に、CsCO(5.76g)およびNaI(2.4g)を添加し
た。混合物を室温で1時間撹拌し、反応混合物をMTBE(100mL)および15%ク
エン酸水(80mL)と混合した。有機物質を水(80mL)で2回洗浄し、溶媒を除去
した。エタノール(70mL)および水(20mL)の混合液中で残渣(66、90%L
CAP)を溶解させた。LiOH(2.8g)の添加後、溶液を室温で30分間撹拌した
。IPA(17mL)中の6NHCl溶液で反応混合物を酸性化した。得られた溶液を8
0℃で2時間加熱した。室温に冷却後、混合物をMTBE(100mL)および5%塩水
(50mL)で希釈した。有機層を水(50mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させた
。溶液を真空下で50℃で濃縮し、残渣をヘキサン(30mL)から結晶化させて、結晶
として56(3.75g、65から67%)を得た。
【0215】
[実施例9]
【化93】
【0216】
メチルtert−ブチル(3−メチルピリジン−2−イル)カルバマート(68) TH
F(100mL)中のN−(tert−ブチル)−3−メチルピリジン−2−アミン(6
7)(16.78g、92%wt、102mmol)に、−10℃下で5分間にわたりT
HF中のMeMgCl(44.3mL、3M、133mmol)を添加した。反応混合物
の温度を室温まで上昇させ、80分間熟成させ、次に−20から−15℃に冷却し、−8
℃下でクロロギ酸メチル(8.7mL、112mol)を10分間にわたり添加した。反
応混合物の温度を徐々に上昇させ、室温で一晩熟成させた。0℃で15%クエン酸水(1
3mL)、水(40mL)およびMTBE(33mL)を添加することによって反応混合
物を不活性化した。有機層を分離し、水(50mL)、飽和NaHCO/水(1:3、
50mL)、塩水(50mL)および水(50mL)で順に洗浄した。有機層を濃縮し、
THFをフラッシュして68(19.3g、92%)を得た。
【0217】
1−(tert−ブチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2(3H)−オン塩
酸塩(54b) THF(30mL)またはトルエン(50mL)中の化合物68(5g
、97%wt、21.8mmol)に対して脱気を行い、−45℃に冷却した。−45か
ら−40℃の間で13分間にわたりLDA(45.8mL、1.0N)を添加した。(注
記:LDAは、−35℃から0から12℃でTHF中の1.0当量のn−BuLiおよび
1.1当量のジイソプロピルアミンを使用し、次いで0℃に冷却することによって別のフ
ラスコ中で個別に調製した。)上記反応混合物の温度を4.5時間にわたり徐々に13℃
に上昇させ、氷浴下で冷却し、20℃未満で2NHCl(約40mL)(pH約4)およ
びトルエン(15mL)で不活性化した。有機層を分離し、水(15mL)、塩水(15
mL)および水(15mL)で順に洗浄した。54(3.79g、91%アッセイ収率)
を含有した有機溶液を濃縮し、トルエンをフラッシュして、水を除去した。トルエン(7
.6mL)中の残渣の溶液に、30分間にわたりエーテル中の2NHCl(12mL)を
添加した。混合物にヘキサン(8mL)を添加し、1時間熟成させた。沈殿物をろ過し、
トルエン/ヘキサン(1:2、8mL)ですすぎ、次いでヘキサン(8mL)ですすぎ、
窒素流により真空下で乾燥させ、固形物として塩54b(3.92g、87%)を得た。
H NMR(CDCl,400MHz):δ 11.9(br,1H),8.13(
dd,J=5.2,0.8Hz,1H),7.54(dd,J=7.2,1.1Hz,1
H),6.96(dd,J=7.2,5.2Hz,1H),3.52(s,2H),1.
69(s,9H);13C NMR(DMSO−d,100MHz):δ 174.9
9,159.8,145.67,131.77,120.54,117.68,57.8
9,35.80,28.99。
【0218】
[実施例10]
【化94】
【0219】
1−(tert−ブチル)−3−((5−クロロ−3−(((トリイソプロピルシリル)
オキシ)メチル)ピリジン−2−イル)メチル)−1H−ピロロ[2,3−b)]ピリジ
ン−2(3H)−オン(69) 5℃未満で、THF(200mL)中の65(23.8
4g、60.7mmol)および54(17.32g、91mmol)の溶液に対して真
空/フラッシュNにより脱気を行った。この溶液に、7℃未満に維持して、ヘプテン(
27.4mL、40%、85mmol)中のリチウムアモキシド溶液を添加した。反応物
を5℃未満で40分間熟成させ、次いで飽和NHCl水(10mL)で不活性化し、ヘ
キサン(120mL)で希釈した。有機層を分離し、飽和NHCl水(100mL)お
よび水(150mL)で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラム(0から5%AcOEt/ヘ
キサン)によって精製し、69を得て、これを、さらに精製することなく次の反応段階で
使用した。HRMS m/z C2841ClNSiに対して計算、502.2
651(M+H);実測値502.2641。
【0220】
1−(tert−ブチル)−3−((5−クロロ−3−(ヒドロキシメチル)ピリジン−
2−イル)メチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2(3H)−オン(56)
前の段階から得られたTHF(50mL)中の69(最大60.7mmol)の溶液に
対して真空/フラッシュNにより脱気を行い、5℃未満に冷却し、続いてTBAF(7
9mL、THF中1.0N)を入れた。反応物質を室温で1時間20分熟成させ、10℃
未満に冷却し、水(100mL)で不活性化し、AcOEt(200mL)で希釈した。
水層をAcOEt(100mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、
ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラム(50から100%AcOEt/ヘキサン)によって
精製し、固形物として56(16.3g、65から78%)を得た。
【0221】
結果 表1で示されるように、ビス四級触媒は、示されるスピロ環化反応に対するモノ四
級触媒と比較した場合、非常に活性が高く、効率的である。この実験に対して、ビス四級
触媒は、約12から15%の二重結合飽和化合物ヒドロキニジンまたはヒドロシンコニン
を含有した。
【0222】
表1
【化95】
【表2】
【0223】
表2および3は、スピロ環化に対するビス四級PTC触媒のSAR実験を示す。ビス四級
キニジンおよびシンコニン触媒の両者とも、非常に効率的である(エントリー2から5)
。ビス四級キニジン触媒は、ビス四級シンコニン触媒(エントリー2および3)よりも比
較的良好である。2−ブロモ−5−メトキシ−ベンジル基は、この反応に対する最も効率
的な基の1つである。
【0224】
表2
【化96】
【表3】
【0225】
表3
【化97】
【表4】
【0226】
表4は、様々な官能基の実験を示す。
【0227】
表4
【化98】
【表5】
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]