特許第6572278号(P6572278)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6572278
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】新規な水性製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/185 20060101AFI20190826BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20190826BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20190826BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20190826BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20190826BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20190826BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20190826BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20190826BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20190826BHJP
   A61P 11/04 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   A61K31/185
   A61P29/00
   A61K9/08
   A61K47/26
   A61K47/10
   A61K47/12
   A61K47/22
   A61K9/12
   A61P1/02
   A61P11/04
【請求項の数】12
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-185036(P2017-185036)
(22)【出願日】2017年9月26日
(65)【公開番号】特開2019-59690(P2019-59690A)
(43)【公開日】2019年4月18日
【審査請求日】2018年4月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】390011017
【氏名又は名称】ダイヤ製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100153394
【弁理士】
【氏名又は名称】謝 卓峰
(74)【代理人】
【識別番号】100116311
【弁理士】
【氏名又は名称】元山 忠行
(74)【代理人】
【識別番号】100145056
【弁理士】
【氏名又は名称】當別當 健司
(72)【発明者】
【氏名】守金 大蔵
【審査官】 今村 明子
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第106974847(CN,A)
【文献】 特開平06−065071(JP,A)
【文献】 特開2007−001884(JP,A)
【文献】 特開2009−062285(JP,A)
【文献】 特開平11−246513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/185
A61K 9/08
A61K 9/12
A61K 47/10
A61K 47/12
A61K 47/22
A61K 47/26
A61P 1/02
A61P 11/04
A61P 29/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.02〜0.5%未満のアズレンスルホン酸ナトリウム、および20〜40%のマルチトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトールおよびラクチトールから選ばれる少なくとも1種類の糖アルコール、ならびに10〜19%のエタノールおよび10〜19%のグリセリンから選ばれるすくなくとも1 種のアルコールを含有し、塩化セチルピリジニウムを含有しない、水性製剤。
【請求項2】
0.02〜0.5%未満のアズレンスルホン酸ナトリウム、20〜40%のマルチトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトールおよびラクチトールから選ばれる少なくとも1種類の糖アルコール、10〜19%のエタノールおよび10〜19%のグリセリンから選ばれるすくなくとも1 種のアルコール、および0.05〜0.3%の塩化セチルピリジニウムを含有する、水性製剤。
【請求項3】
含水量が、15〜65%である、請求項1または2に記載の水性製剤。
【請求項4】
pHが、6〜9である、請求項1または2に記載の水性製剤。
【請求項5】
さらに、クエン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムから選ばれるすくなくとも1種のpH調製剤を含有する、請求項1または2に記載の水性製剤。
【請求項6】
6〜9のpHを有する水性製剤であって、 (a)該組成物の全重量に基づき、0.02〜0.5%未満のアズレンスルホン酸ナトリウム (b)20〜40%のマルチトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、ラクチ トールから選ばれる少なくとも1種類の糖アルコール、 (c)15〜65%の水、 (d)10〜19%のエタノールおよび10〜19%のグリセリンから選ばれるすくなくとも1種 のアルコールおよび (e) 0.05〜0.3%の塩化セチルピリジニウムを含有する水性製剤。
【請求項7】
スプレーの形態である、請求項1〜のいずれか1項に記載の水性製剤。
【請求項8】
口腔用剤形態である、請求項1〜のいずれか1項に記載の水性製剤。
【請求項9】
のど炎症を治療するか、予防するか又は改善するのに適している、請求項1〜 のいずれか1項に記載の水性製剤。
【請求項10】
のどの炎症によるのどあれ、のどの痛み、のどのはれ、のどの不快感および声がれ、また は口内炎を治療するか、予防するか又は改善するのに適している、請求項1〜のいずれか1項に記載の水性製剤。
【請求項11】
アズレンスルホン酸ナトリウムおよび、マルチトール、エリスリトール、キシリトール 、ソルビトール、ラクチトールから選ばれる少なくとも1種類の糖アルコールを均質な物理的混合物にすることを含んでなる、請求項1〜のいずれか1項に記載の水性製剤を製造する方法。
【請求項12】
のど炎症を治療するための医薬品の製造における、請求項1〜のいずれか1項に記載の水性製剤の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なアズレンスルホン酸ナトリウムを含有する水性製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
アズレンスルホン酸ナトリウムは1/2水和物、あるいは1水和物として存在していることが知られており、光、熱、酸素などによって分解を受けやすく、含量の低下及びアズレンスルホン酸塩特有の味の変化や色の退色などが生じ、不安定化することが知られている(非特許文献1)。その安定化には、例えば、非イオン性界面活性剤とアルコールを配合したことで安定化する方法(特許文献1〜5)などが提案されている。
しかし、長期間の保存安定性、及び服用感が良好で長期服用可能なアズレンスルホン酸ナトリウムを含有する抗炎スプレー剤に関する解決法の開示も示唆もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−246513
【特許文献2】特開平6−065071
【特許文献3】特開2003−081822
【特許文献4】特開2007−001884
【特許文献5】特開昭63−051341
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】K.Nakamichi et al., Stabilization of sodium guaiazulene sulfonate in granules for tableting prepared using a twin-screw extruder, Eur. J. Pharm. Biopharm., 56, 347-354(2003)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記にかんがみて、光、熱や酸素に対し、十分な安定性を保証でき、かつ、服用感が良好なアズレンスルホン酸ナトリウム水溶液を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、糖アルコールを配合すると、良好な服用感(味、匂い、風味)が得られることが判明したが、アズレンスルホン酸Naの安定性を著しく損なう結果となった。そこで、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、アズレンスルホン酸ナトリウムを含有する水性製剤において、アズレンスルホン酸ナトリウムに、糖アルコールを含有し、アルコールおよび第4級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種の添加剤を配合することにより、十分な安定性(アズレンスルホン酸ナトリウムとして、配合量に対して95%以上)を保証でき、かつ、服用感が良好なアズレンスルホン酸ナトリウム水溶液を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、下記記載の発明を提供することにより、上記課題を解決したものである。
[1]
0.02〜0.5%アズレンスルホン酸ナトリウム、および20〜40%のマルチトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトールおよびラクチトールから選ばれる少なくとも1種類の糖アルコールを含有する水性製剤。
[2]さらに、10〜19%のエタノールおよび10〜19%のグリセリンから選ばれるすくなくとも1種のアルコールを含有する、[1]に記載の水性製剤。
[3]
さらに、0.05〜0.5%の塩化セチルピリジニウムを含有する、[1]に記載の水性製剤。
[4]
含水量が、15〜65%である、[1]に記載の水性製剤。
[5]
pHが、6〜9である、[1]に記載の水性製剤。
[6]
さらに、クエン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムから選ばれるすくなくとも1種のpH調製剤を含有する、[1]に記載の水性製剤。
[7]
6〜9のpHを有する水性製剤であって、
(a)該組成物の全重量に基づき、0.02〜0.5%のアズレンスルホン酸ナトリウム
(b)20〜40%のマルチトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、ラクチトールから選ばれる少なくとも1種類の糖アルコール、
(c)15〜65%の水、
(d)10〜19%のエタノールおよび10〜19%のグリセリンから選ばれるすくなくとも1種のアルコール
(e)0.05〜0.5%の塩化セチルピリジニウムを含有する水性製剤。
[8]
スプレーの形態である、[1]〜[7]のいずれかに記載の水性製剤。
[9]
口腔用剤形態である、[1]〜[7]のいずれかに記載の水性製剤。
[10]
のど炎症を治療するか、予防するか又は改善するのに適している、[1]〜[9]のいずれかに記載の水性製剤。
[11]
のどの炎症によるのどあれ、のどの痛み、のどのはれ、のどの不快感および声がれ、または口内炎を治療するか、予防するか又は改善するのに適している、[1]〜[9]のいずれかに記載の水性製剤。
[12]
アズレンスルホン酸ナトリウムおよび、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、ラクチトールから選ばれる少なくとも1種類の糖アルコールを均質な物理的混合物にすることを含んでなる、[1]〜[9]のいずれかに記載の水性製剤を製造する方法。
[13]
のど炎症を治療するための医薬品の製造における、[1]〜[9]のいずれかに記載の水性製剤の使用。
【0008】
本発明に用いる「%」は、すべて、w/v%である。
本発明に用いる「アズレンスルホン酸ナトリウム」は、消化器、口腔咽喉、耳鼻科、眼科などの領域における炎症性疾患の予防及び治療剤として、知られている
アズレンスルホン酸ナトリウムは公知物質であり、市場において容易に入手することができる。
アズレンスルホン酸ナトリウムの配合量は、液剤の全容量に対して、0.02w/v%以上〜0.5w/v%未満、好ましくは 0.02w/v%以上〜0.4 w/v%以下、特に好ましくは 0.02w/v%以上〜 0.1w/v%以下である。
尚、配合量の単位「w/v%」とは、質量対容量百分率(液剤(100mL)中の成分含量(g))をいう(以下、他の成分についても同様)。
【0009】
本発明のアズレンスルホン酸ナトリウムの水性製剤は、糖アルコールを含有する。
服用感が良好で長期服用可能なアズレンスルホン酸ナトリウムを提供するために、味がよく、匂いがなく、吐出するために粘性が少ない添加剤をアズレンスルホン酸ナトリウムに配合することができる。該添加物としては、糖アルコールが用いられる。
該糖アルコールとしては、例えば、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール等が挙げられ、マルチトールが好ましい。また、マルチトールの代わりに、マルチトール液(マルチトールとして75〜80%を含有する)を用いてもよい。
アズレンスルホン酸ナトリウムを含有する水性製剤を糖アルコールにより配合することにより、アズレンスルホン酸ナトリウムの服用感がよくなる。
該糖アルコールの含有量は、液剤の全容量に対して、20w/v%以上〜40w/v%未満、好ましくは25w/v%以上〜40w/v%以下、特に好ましくは 25w/v%以上〜35w/v%以下である。
【0010】
本発明のアズレンスルホン酸ナトリウムの水性製剤は、第4級アンモニウム塩を含有することができる。
第4級アンモニウム塩、例えば塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。これらから選ばれる1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて配合することができる。好ましくは塩化セチルピリジニウムが挙げられる。
該第4級アンモニウム塩の含有量は、液剤の全容量に対して、0.05w/v%以上〜0.5w/v%未満、好ましくは0.05w/v%以上〜0.3w/v%以下、特に好ましくは 0.1w/v%以上〜0.3w/v%以下である。
アズレンスルホン酸ナトリウムを含有する水性製剤を第4級アンモニウム塩により配合することにより、アズレンスルホン酸ナトリウムの水性製剤の安定性を改善できる。
【0011】
本発明のアズレンスルホン酸ナトリウムの水性製剤は、1価アルコールおよび多価アルコールのようなアルコールを含有することができる。
該1価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられ、これらから選ばれる1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。特に、エタノールが好適である。
該多価アルコールとしては、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびブチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上が好適である。グリセリンが好ましい。
該アルコールの含有量は、液剤の全容量に対して、40w/v%未満である。
【0012】
本発明のアズレンスルホン酸ナトリウムの水性製剤は、pH調製剤を含有することができる。
pH調製剤としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウム等が挙げられる。
本発明の水性製剤のp Hは、約6〜9程度、好ましくは約7.0〜8.5程度、特に 好ましくは約7.0〜8.0程度に調整される。
【0013】
本発明のアズレンスルホン酸ナトリウムの水性製剤の含水量が、15〜65%であり、好ましくは15〜45%である。
【0014】
本発明の水性製剤においては、本発明の目的に反しない限り、通常の医薬製剤に配合される矯味剤、緩衝剤、緩衝剤、保存剤、安定化剤等を配合することができる。
【0015】
矯味剤は薬効成分特有の味を緩和する作用を有し、例えば、エリスリトールとL−メントールは矯味剤として作用する。
緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。
また、本発明に用いられる水性製剤の保存剤としてパラベン類を使うことも可能である。
安定化剤としては、例えば、界面活性剤(例えばポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート、ラウロマクロゴール、マクロゴール、ラウリル硫酸ナトリウム等)、エデト酸ナトリウム、シクロデキストリン、亜硫酸塩、クエン酸又はその塩等が挙げられる。
【0016】
本発明の水性製剤は、自体公知の調製法、例えば、第 1 4改正日本薬局方及び製剤総則の液剤に記載された方法で製造することができる。例えば、アズレンスルホン酸ナトリウムおよび、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、ラクチトールから選ばれる少なくとも1種類の糖アルコール並びにその他の添加物を均質な物理的混合することにより、本発明の水性製剤を調製することができる。
本発明の水性製剤は、温血動物(例えば、ヒト、ラット、マウス、ウサギ、 ゥシ、ブ夕、ィヌ、ネコなど)に使用することができる。
【0017】
本発明の水性製剤は、上記した成分を例えば蒸留水、滅菌精製水に溶解させることにより容易に製造される。例えば、口腔用剤として使用する場合は、口腔の炎症性疾患、具体的には例えば、のどの炎症によるのどあれ、のどの痛み、のどのはれ、のどの不快感および声がれ、または口内炎等に用いることができる。その投与量は、例えば アズレンスルホン酸ナトリウム含有する本発明の水性製剤を成人に使用する場合は、1日数回適量を患部に噴射塗布すればよい。なお、適応症状の程度などにより、適宜投与回数を増減する。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、光、熱や酸素に対し、十分な安定性を保証でき、かつ、服用感が良好なアズレンスルホン酸ナトリウム水溶液を提供するができ、製品の流通過程や市場における製品の品質を確保できる利点を持つ有用な医薬品として提供することが可能となった。
【実施例】
【0019】
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明がこれに限定されないことはいうまでもない。本実施例は、アズレンスルホン酸ナトリウムは、熱、酸化に弱いことが知られており、出願人の実験結果から、室温保管(30℃以下)3年間と、60℃下、7日間の加速試験の安定性結果は相関することから、加速試験を用いて評価を行った。
【実施例1】
【0020】
アズレンスルホン酸ナトリウム0.2gを精製水に溶解し、100mLにメスアップする。この液を、5mLを、メスフラスコに加え、さらに添加剤として、種々の糖アルコールを15g添加してよく振りまぜてから、精製水で50mLにメスアップする。この液を、約15ccずつ3つのサンプル瓶に小分けして、試験液とする。そして、作成した試験液の吸光度を測定してから、60℃下 7日間保管し、吸光度を測定し、開始時と、加速試験終了後の吸光度の減少から残存率を計算する。
その結果を表1に示す。
表1
表1の結果から、アズレンスルホン酸ナトリウムに糖アルコールを配合すると、アズレンスルホン酸ナトリウムの安定性を著しく損なうことが、判明した。
【実施例2】
【0021】
アズレンスルホン酸アズレンスルホン酸ナトリウム0.2gを精製水に溶解し、100mLにメスアップする。この液を、5mLを、メスフラスコに加え、さらに指定されたマルチトールの規定量を添加してよく振りまぜてから、精製水で50mLにメスアップする。この液を、約15ccずつ3つのサンプル瓶に小分けして、試験液とする。そして、作成した試験液の吸光度を測定してから、60℃下 7日間保管し、吸光度を測定し、開始時と、加速試験終了後の吸光度の減少から残存率を計算する。その結果を表2に示す。
表2
表2の結果から、アズレンスルホン酸ナトリウムに糖アルコール(マルチトール)の配合量を増やすと、比例的にアズレンスルホン酸ナトリウムの安定性を損なうことが、判明した。
【実施例3】
【0022】
アズレンスルホン酸ナトリウム0.2gを精製水に溶解し、100mLにメスアップする。この液を、5mLを、メスフラスコに加え、さらに指定された添加剤(グリセリンおよびアルコール(エタノール))を規定量添加してよく振りまぜてから、精製水を加えて、50mLの8割程度までメスアップする。そして、pH調整剤を加えて、pHを、7.0±0.5の範囲に調整し、その後、50mLにメスアップする。この液を、約15ccずつ3つのサンプル瓶に小分けして、試験液とする。そして、作成した試験液の吸光度を測定してから、60℃下 7日間保管し、吸光度を測定し、開始時と、過酷試験終了後の吸光度の減少から残存率を計算する。その結果を表3に示す。
表3
表1及び表3の結果から、アズレンスルホン酸ナトリウムにグリセリンまたはエタノールを添加すると、アズレンスルホン酸ナトリウムの安定性を著しく改善したことが、判明した。また、界面活性剤(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油)や香料(l-メントール)を追加配合しても影響のないことが判明した。
【実施例4】
【0023】
アズレンスルホン酸ナトリウム0.2g及び塩化セチルピリジニウム1.0gを精製水に溶解し、100mLにメスアップする。この液を、5mLを、メスフラスコに加え、さらに指定されたマルチトールの規定量を添加してよく振りまぜてから、精製水を加えて、50mLの8割程度までメスアップする。そして、pH調整剤を加えて、pHを、7.0±0.5の範囲に調整し、その後、50mLにメスアップする。この液を、約15ccずつ3つのサンプル瓶に小分けして、試験液とする。そして、作成した試験液の吸光度を測定してから、60℃下 7日間保管し、吸光度を測定し、開始時と、過酷試験終了後の吸光度の減少から残存率を計算する。その結果を表4に示す。
表4
表2及び表4の結果から、アズレンスルホン酸ナトリウムに塩化セチルピリジニウムを添加すると、アズレンスルホン酸ナトリウムの安定性を著しく改善したことが、判明した。
【実施例5】
【0024】
アズレンスルホン酸ナトリウム0.2gを精製水に溶解し、100mLにメスアップする。この液を、5mLを、メスフラスコに加え、さらに指定された添加剤(塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウムおよび塩化ベンザルコニウム)を規定量添加してよく振りまぜてから、精製水を加えて、50mLの8割程度までメスアップする。そして、pH調整剤を加えて、pHを、7.0±0.5の範囲に調整し、その後、50mLにメスアップする。この液を、約15ccずつ3つのサンプル瓶に小分けして、試験液とする。そして、作成した試験液の吸光度を測定してから、60℃下 7日間保管し、吸光度を測定し、開始時と、過酷試験終了後の吸光度の減少から残存率を計算する。その結果を表5に示す。
表5
表5の結果から、塩化セチルピリジニウムは、塩化ベンゼトニウムまたは塩化ベンザルコニウムより、優れたアズレンスルホン酸ナトリウムの安定性を奏することが、判明した。また、界面活性剤(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油)や香料(l-メントール)を追加配合しても影響のないことが判明した。