(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無線タグから商品情報を取得するための電波は、ゲート内の商品だけでなく、陳列棚に陳列されている商品に到達する場合がある。この場合、従来の商品販売装置は、ゲートを通過する商品だけでなく、陳列棚に陳列された商品の商品情報を取得してしまうことがある。そのため、従来の商品販売装置は、陳列棚に陳列された商品の商品情報を、ゲートを通過する商品の商品情報であると誤って検出してしまう場合があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ゲートを通過する商品の誤検出を低減する商品管理システム、商品情報取得装置、及び商品管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様である商品管理システムは、ゲート内を通行するユーザが購入する商品の商品情報を取得する商品情報取得装置と、前記商品情報に基づいて請求額を決定する請求額決定装置と、を備え、前記商品情報取得装置は、前記ユーザからユーザ識別情報を取得する識別情報取得部と、前記ゲート内における前記ユーザが歩く方向に配列された複数のアンテナと、前記識別情報取得部が前記ユーザ識別情報を取得した後に、前記商品に取り付けられた無線タグを読み取るための電波を前記複数のアンテナに送信させることにより複数の前記商品情報を取得する商品情報取得部と、前記ユーザ識別情報と前記複数の商品情報とを関連付けて前記請求額決定装置に送信する送信制御部と、を有し、前記請求額決定装置は、前記ユーザ識別情報と前記複数の商品情報とを受信する受信制御部と、前記ユーザ識別情報に関連付けられた前記複数の商品情報に対応する前記商品の金額を前記ユーザ識別情報に対応する前記ユーザに対する請求額として決定する請求額決定部と、を有する。
【0007】
例えば、前記請求額決定部は、前記商品情報を受信した受信回数、前記商品情報を受信した電波の電波強度、又は前記商品情報を受信したときの前記ユーザに対応する位置情報の少なくともいずれか1つに対応する前記商品の金額を前記請求額として決定する。
【0008】
前記送信制御部は、前記ユーザが前記ゲート内を通行していた時間を示す通行時間情報を前記請求額決定装置に送信し、前記請求額決定部は、前記通行時間情報が示す時間が短いほど前記受信回数を少なくしてもよい。
【0009】
例えば、前記請求額決定装置は、店舗を示す店舗情報と、前記店舗が販売する商品の商品情報とを関連付けた販売商品情報を記憶する記憶部をさらに有し、前記送信制御部は、前記商品情報取得装置が設置された店舗を示す店舗情報を前記商品情報に関連付けて送信し、前記請求額決定部は、前記受信制御部が受信した前記商品情報と前記店舗情報との組み合わせが、前記販売商品情報として前記記憶部に記憶された前記商品情報と前記店舗情報との組み合わせと一致する場合、前記商品情報に対応する前記商品の金額を前記請求額として決定する。
【0010】
前記記憶部は、商品の賞味期限又は消費期限を前記販売商品情報に関連付けて記憶し、前記請求額決定部は、前記受信制御部が受信した前記複数の商品情報に対応する前記販売商品情報に関連付けられた賞味期限又は消費期限を経過している場合、期限が経過していることを示す情報を所定の端末に送信してもよい。
【0011】
前記受信制御部は、前記複数の商品情報のうち、受信した回数が所定の回数未満である前記商品情報を前記商品情報取得装置に送信し、前記商品情報取得部は、受信した回数が所定の回数未満である前記商品情報を取得する回数が少なくなるように前記アンテナに出力させる電波の状態を変更してもよい。
【0012】
例えば、前記商品情報取得部は、前記電波の放射角度、前記電波の強度、及び前記電波の放射時間の少なくともいずれかを変更する。
【0013】
前記商品にそれぞれ異なる複数の前記無線タグが取り付けられており、前記商品情報取得部は、前記商品に取り付けられた複数の無線タグのそれぞれから前記複数の商品情報を取得し、前記受信制御部は、前記複数の無線タグのそれぞれの前記商品情報を受信した回数が、相対的に少ない前記商品情報に対応する無線タグを示す情報を所定の端末に送信してもよい。
【0014】
本発明の第2の態様である商品情報取得装置は、商品を購入するユーザが歩く方向を誘導するゲートと、前記ユーザからユーザ識別情報を取得する識別情報取得部と、前記ゲート内を通行する前記ユーザが歩く方向に配列された複数のアンテナと、前記識別情報取得部が前記ユーザ識別情報を取得した後に、前記商品に取り付けられた無線タグを読み取るための電波を前記複数のアンテナに送信させることにより複数の商品情報を取得する商品情報取得部と、前記ユーザ識別情報と、前記複数の商品情報とを前記商品情報を管理する情報処理装置に送信する送信制御部と、を備える。
【0015】
本発明の第3の態様である商品管理方法は、コンピュータが実行する、ゲート内を通行するユーザからユーザ識別情報を取得するステップと、前記ユーザ識別情報を取得した後に、商品に取り付けられた無線タグを読み取るための電波を、前記ゲート内における前記ユーザが歩く方向に配列された複数のアンテナに送信させることにより複数の商品情報を取得するステップと、前記ユーザ識別情報と前記複数の商品情報とを関連付けて出力するステップと、前記ユーザ識別情報に関連付けられた複数の商品情報に対応する前記商品の金額を前記ユーザ識別情報に対応する前記ユーザに対する請求額として決定するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ゲートを通過する商品の誤検出を低減できるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施形態>
[商品管理システムSの概要]
商品管理システムSは、ゲート内を通行するユーザが購入する商品の商品情報を取得して、取得した商品情報に基づいて請求額を決定する商品管理システムである。
図1は、商品管理システムSの概要を説明するための図である。商品管理システムSは、ゲート内を通過する商品の商品情報を取得する商品情報取得装置1、及び取得した商品情報に基づいて請求額を決定する請求額決定装置2を備える。
【0019】
商品情報取得装置1は、ユーザが歩く方向に配列された複数のアンテナ10(10a、10b、10c、10d)と、通信部11と、識別センサ15と、フラッパーゲート16a及び16bと、人感センサ17とを備える。
【0020】
識別センサ15は、ユーザからユーザ識別情報を取得する。識別センサ15は、例えばICカードリーダであるが、これに限定するものではない。識別センサ15がICカードリーダである場合、識別センサ15は、ユーザが識別センサ15にユーザのICカードをかざすことにより、ICカードに記憶されたユーザ識別情報を取得する。商品情報取得装置1は、識別センサ15によりユーザ識別情報が取得されると、ユーザがゲート内に入場できるようにフラッパーゲート16a及び16bを開く。
【0021】
なお、商品情報取得装置1は、フラッパーゲート16を備えなくてもよい。この場合、商品情報取得装置1は、ゲートへの進入を促すサインを表示するサイン表示部を備えていてもよい。例えば、商品情報取得装置1は、サイン表示部に、ゲート内部へ向かう矢印を表示する。また、商品情報取得装置1は、通信部11を介して、ユーザ識別情報に対応するユーザのユーザ端末に、ユーザ認証が行われたことを示す情報を送信してもよい。ユーザ端末は、ユーザ認証が行われたことを示す情報を受信すると、ユーザ認証が行われたことを示す情報を表示部に表示させる。
【0022】
商品情報取得装置1は、ユーザ識別情報を取得すると、商品に取り付けられた無線タグを読み取るための電波を複数のアンテナ10に送信させることにより、複数の商品情報を取得し、取得した複数の商品情報をユーザ識別情報に関連付けて請求額決定装置2に送信する。請求額決定装置2は、受信した複数の商品情報に基づいて、ユーザ識別情報に対応するユーザに対する請求額を決定する。
【0023】
商品情報取得装置1が送信する電波は、散乱又は回折することにより、ゲート内を通過する商品だけでなく陳列棚に陳列された商品に対して到達する場合がある。陳列棚に陳列された商品に対して電波が到達した場合、商品情報取得装置1は、陳列棚に陳列されている商品の商品情報を取得してしまうことがある。陳列棚に陳列されている商品から取得された商品情報が、ゲート内を通過した商品から取得した商品情報であるとして扱われると、ユーザが購入していない商品の金額が請求額に加算されてしまう。
【0024】
そこで、実施形態に係る商品管理システムSは、商品情報を取得した回数に基づいて、ゲート内を通過した商品から取得した商品情報なのか、陳列棚に陳列された商品から取得した商品情報なのかを区別する。このようにすることで、商品管理システムSは、陳列棚に陳列された商品を、ゲートを通過した商品であると誤検出してしまうことを低減できる。
【0025】
[商品管理システムSの機能構成]
以下、
図1及び
図2を参照しながら商品管理システムSの機能構成を具体的に説明する。
図2は、商品管理システムSの機能構成を示す図である。
【0026】
[商品情報取得装置1の機能構成]
まず、商品情報取得装置1の機能構成について説明する。
【0027】
アンテナ10は、商品に取り付けられた無線タグに記憶された商品情報を読み取るための電波を送信する。アンテナ10が送信する電波は、例えばUHF(Ultra High Frequency)であるが、これに限らず、マイクロ波でもよい。なお、無線タグは、例えばRF(Radio Frequency)タグであり、電波を用いて、内蔵したメモリのデータを非接触で読み書きする情報媒体である。無線タグに記憶された商品情報は、無線タグが取り付けられた商品の種別を示す種別情報と、商品を個体ごとに識別する識別情報とを含む。
【0028】
通信部11は、ネットワークに接続するための通信インターフェースであり、例えばLAN(Local Area Network)コントローラを有する。通信部11は、ネットワークを介して請求額決定装置2と情報を送受信する。ネットワークは、例えばインターネットである。
【0029】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体を含む。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。表示部14は、各種情報を表示するディスプレイである。
【0030】
識別センサ15は、ユーザからユーザを識別するユーザ識別情報を取得するセンサである。識別センサ15は、例えば、接触型IC(integrated circuit)カードリーダ、NFC(Near Field Communication)リーダである。また、識別センサ15は、各種生体認証を行う機器であってもよい。生体認証は、例えば、指紋認証、掌静脈認証、顔認証、虹彩認証などが利用できるが、これに限定するものではない。
【0031】
人感センサ17は、ゲートの出口に設けられた人間の所在を検知するセンサである。人感センサ17は、例えば赤外線センサ、超音波センサ、又は赤外線と超音波とを組み合わせたセンサである。
【0032】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、識別情報取得部131、商品情報取得部132、及び送信制御部133として機能する。
識別情報取得部131は、ユーザから識別センサ15が取得したユーザ識別情報を取得する。
【0033】
商品情報取得部132は、識別情報取得部131がユーザ識別情報を取得した後に、商品に取り付けられた無線タグに記憶された商品情報を読み取るための電波を複数のアンテナ10に送信させる。商品情報取得部132は、複数のアンテナ10に電波を送信させることにより、複数の商品情報を取得する。
【0034】
送信制御部133は、識別情報取得部131により取得されたユーザ識別情報を請求額決定装置2に通信部11を介して送信し、商品情報取得部132により取得された商品情報を請求額決定装置2に送信する。例えば、送信制御部133は、識別情報取得部131により取得されたユーザ識別情報と、ユーザがゲートを通行している間に取得された複数の商品情報とを関連付けて請求額決定装置2に送信する。また、送信制御部133は、商品情報取得装置1が設置された店舗を示す店舗情報を複数の商品情報に関連付けて送信してもよい。
【0035】
送信制御部133は、人感センサ17により検出された人間の所在に基づいてユーザがゲートを退出したことを検出する。具体的には、送信制御部133は、人感センサ17の検出範囲内をユーザが通過した場合、ユーザがゲートを退出したと判定する。送信制御部133は、ユーザがゲートを退出すると、ユーザがゲートを退出したことを示す退出情報を、商品情報取得部132と請求額決定装置2とに送信し、取得した商品情報の送信を停止する。そして、商品情報取得部132は、退出情報を受信すると、複数のアンテナ10を制御して電波の送信を停止させる。送信制御部133は、退出情報に関連付けてユーザがゲート内を通行していた時間を示す通行時間情報を請求額決定装置2に送信してもよい。ユーザがゲート内を通行していた時間は、例えば、識別情報取得部131によりユーザ識別情報が取得されてから、送信制御部133によりユーザがゲートを退出したと判定されるまでの時間である。
【0036】
なお、送信制御部133は、商品情報を取得するたびに、取得した商品情報を請求額決定装置2に送信したが、これに限らず、複数の商品情報を一度に送信してもよい。例えば、送信制御部133は、商品情報取得部132が取得した複数の商品情報を記憶部12に一時的に記憶させ、所定の待機時間の間に記憶部12に記憶させた複数の商品情報を一度に送信する。待機時間は、例えばユーザがゲート内を通行していた時間である。
【0037】
[請求額決定装置2の機能構成]
続いて、請求額決定装置2の機能構成について説明する。請求額決定装置2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備える。
【0038】
通信部21は、ネットワークに接続するための通信インターフェースであり、例えばLANコントローラを有する。通信部21は、商品情報取得装置1とユーザ端末3とネットワークを介して情報を送受信する。
【0039】
記憶部22は、ROM、RAM及びハードディスク等の記憶媒体を含む。記憶部22は、制御部23が実行するプログラムを記憶する。
【0040】
制御部23は、例えばCPUである。制御部23は、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、受信制御部231、及び請求額決定部232として機能する。
【0041】
受信制御部231は、商品情報取得装置1から通信部21を介してユーザ識別情報と複数の商品情報とを受信する。また、受信制御部231は、送信制御部133から複数の商品情報に関連付けて店舗情報が送信された場合、複数の商品情報に関連付けられた店舗情報を受信する。
【0042】
請求額決定部232は、ユーザに対する請求額を決定する。例えば、請求額決定部232は、ユーザ識別情報に関連付けられた複数の商品情報に対応する商品の金額をユーザ識別情報に対応するユーザに対する請求額として決定する。具体的には、請求額決定部232は、所定の読取回数以上受信した商品情報に対応する商品を、ゲートを通過した商品であるとして、当該商品を請求対象であると判定する。請求額決定部232は、請求対象であると判定した商品の金額を請求額として決定する。請求額決定部232は、例えば同一の商品情報の読取回数が50回以上である場合に、当該商品情報に対応する商品を請求対象であると判定する。
【0043】
図3は、商品情報と、商品情報を受信した回数と、商品情報に対応する商品を請求対象とするか否かの判定結果との関係を示す表である。請求額決定部232は、商品情報AAA123を受信した受信回数が50回であるので、商品情報AAA123に対応する商品を請求対象であると判定する。請求額決定部232は、商品情報BBB234を受信した受信回数が53回であるので、商品情報BBB234に対応する商品を請求対象であると判定する。請求額決定部232は、商品情報CCC345を受信した受信回数が3回であるので、商品情報CCC345に対応する商品を請求対象ではないと判定する。
図3に示す表の例において、請求額決定部232は、商品情報AAA123に対応する商品の金額と、商品情報BBB234に対応する商品の金額とを合算した金額をユーザに対する請求額として決定する。
【0044】
なお、請求額決定部232は、受信した回数が所定の回数以下の商品情報の数が閾値以上である場合に、店舗の端末に警告情報を送信してもよい。このようにすることで、店舗の店員は、商品情報取得装置1における読取精度が低下していることが原因で、請求額決定装置2が商品情報を受信する回数が減っていることを速やかに把握することが可能になる。
【0045】
なお、請求額決定部232は、読取回数を変更してもよい。例えば、請求額決定部232は、商品情報取得装置1から通行時間情報を受信した場合、通行時間情報が示す時間が短いほど読取回数を少なくする。このようにすることで、商品管理システムSは、ユーザがゲート内を短い時間で通過したときに、ゲート内を通過した商品を陳列棚に陳列された商品であると誤検出することを低減できる。
【0046】
また、請求額決定部232は、受信した複数の商品情報のうち、所定の条件にあてはまる商品情報に対応する商品の金額を請求額として決定してもよい。以下、請求額決定部232が商品情報に対応する商品の金額を請求額として決定する条件について例を挙げて説明する。
【0047】
(商品情報を受信した電波の強度)
請求額決定部232は、商品情報取得装置1が取得した電波の強度が所定の読取強度以上の商品情報に対応する商品をゲート内を通過した商品であると判定し、読取強度未満の商品情報に対応する商品を陳列棚に陳列された商品であると判定してもよい。そして、請求額決定部232は、商品情報取得装置1が取得した電波の強度が所定の読取強度以上の商品情報に対応する商品の金額を請求額として決定する。所定の読取強度は、無線タグがゲート内を通過するときに取得される電波の強度より小さい電波の強度である。このように、商品管理システムSは、取得した電波の強度が、無線タグがゲート内を通過するときに取得される電波の強度より小さい商品情報に対応する商品を陳列棚に陳列された商品であると判定するので、商品の誤検出を低減することができる。
【0048】
(ユーザの位置を示す位置情報)
請求額決定部232は、位置情報が示すユーザの位置が所定の範囲内に含まれているときに受信した商品情報に対応する商品の金額を請求額として決定してもよい。所定の範囲は、複数の商品情報に関連付けて送信された店舗情報に示される店舗の店内を示す店舗範囲である。なお、店舗範囲は、店舗内に設置されたゲート内としてもよい。このようにすることで、商品管理システムSは、店舗情報が示す店内にユーザがいることを確認できるので、誤ったユーザに対して請求額を決定してしまうことを抑制できる。
【0049】
(商品情報を取得した店舗)
例えば、商品管理システムSは、商品情報を取得した店舗において販売される商品を請求対象の商品であると判定し、商品情報を取得した店舗において販売されていない商品を請求対象の商品ではないと判定する。具体的には、まず、記憶部22は、店舗を示す店舗情報と、店舗が販売する商品の商品情報とを関連付けた販売商品情報を記憶する。次に、送信制御部133は、商品情報取得装置1が設置された店舗を示す店舗情報を商品情報に関連付けて請求額決定装置2に送信する。そして、請求額決定部232は、受信制御部231が受信した商品情報と店舗情報との組み合わせが、販売商品情報として記憶部22に記憶された商品情報と店舗情報との組み合わせと一致する場合、商品情報に対応する商品の金額を請求額として決定する。
【0050】
このように、商品管理システムSは、商品情報を取得した店舗で販売される商品のみを請求対象の商品であると判定する。そのため、商品管理システムSは、他の店舗で販売される商品を請求対象としてしまうことを抑制できる。
【0051】
なお、商品情報は、商品が販売される店舗を特定するための店舗情報を含んでいてもよい。この場合、請求額決定部232は、送信制御部133が送信した店舗情報と、商品情報に含まれる店舗情報とが一致した場合、商品情報に対応する商品を請求対象であると判定する。また、送信制御部133は、商品情報取得装置1が設置された店舗の店舗情報と、取得した商品情報に含まれる店舗情報とが一致した場合に、商品情報を請求額決定装置2に送信してもよい。このように、商品情報に商品が販売される店舗を示す店舗情報を含めることでも、商品管理システムSは、他の店舗で販売される商品を請求対象としてしまうことを抑制できる。
【0052】
請求額決定部232は、請求額を決定すると、請求額を示す決済情報をユーザ端末3に送信する。また、請求額決定部232は、決済情報を商品情報取得装置1に送信してもよい。この場合、商品情報取得装置1は、決済情報を受信すると、受信した決済情報を表示部に表示させる。このように、請求額決定部232が所定の端末に決済情報を送信することにより、商品管理システムSは、商品を購入したユーザに、購入した商品の決済情報を通知することができる。
【0053】
なお、請求額決定部232は、決済情報とともに、決済情報に示されるユーザが購入した商品に対応する商品に関連付けられた情報をユーザ端末3に送信してもよい。商品情報に対応する商品に関連付けられた情報は、例えばユーザが購入した商品に関連付けられたお勧め商品を示す情報である。
【0054】
また、記憶部22が商品の賞味期限又は消費期限を販売商品情報に関連付けて記憶している場合、請求額決定部232は、取得した商品情報に対応する商品の賞味期限又は消費期限を示す情報を送信してもよい。例えば、請求額決定部232は、受信制御部231が受信した複数の商品情報に対応する販売商品情報に関連付けられた賞味期限又は消費期限を経過している場合、期限が経過していることを示す情報を所定の端末に送信する。所定の端末は、例えば、商品情報取得装置1又はユーザ端末3である。このようにすることで、商品管理システムSは、ユーザが期限切れの商品を購入してしまうことを抑制できる。
【0055】
[ユーザ端末3の機能構成]
ユーザ端末3は、例えばスマートフォンである。ユーザ端末3は、通信部31と、表示制御部32と、表示部33とを備える。通信部31は、無線通信回線を用いてネットワークに接続する通信モジュールである。表示部33は、例えば液晶ディスプレイである。
【0056】
表示制御部32は、通信部31が請求額決定装置2から受信した決済情報、又は商品情報に対応する商品に関連付けられた情報を表示部33に表示させる。例えば、表示制御部32は、請求額決定装置2から決済情報を受信すると、表示部33に決済情報を表示させる。
図4は、決済情報を表示する表示画面の一例を模式的に示す図である。
図4に示すように、表示制御部32は、決済情報として、商品を購入した日、商品を購入した店舗、購入した商品の品目、品目に対応する金額、及び購入した商品の合計金額を表示部33に表示させる。
【0057】
また、表示制御部32は、請求額決定装置2からお勧め商品を示す情報を受信すると、表示部33にお勧め商品を示す情報を表示させる。このようにすることで、商品管理システムSを運営する事業者は、ユーザにお勧め商品の購入を促すことができる。
【0058】
[商品管理システムSが実行する商品の決済を行う処理]
以下、
図5を参照しながら、商品管理システムSが実行する、商品の決済を行う処理の流れを説明する。
図5は、商品の決済を行う処理のシーケンス図である。
【0059】
まず、商品情報取得装置1は、ユーザからユーザ識別情報を取得する(ステップS1)。商品情報取得装置1は、ユーザ識別情報を取得すると、取得したユーザ識別情報を請求額決定装置2に送信する。請求額決定装置2は、ユーザ識別情報に示されるユーザが、ユーザ登録されているか否かを判定するユーザ認証を行う(ステップS2)。請求額決定装置2は、ユーザ登録されていると判定すると、ユーザ認証ができたことを示す認証情報を商品情報取得装置1に送信する。請求額決定装置2は、ユーザ登録されていないと判定すると、ユーザ認証ができなかったことを示すエラー情報を商品情報取得装置1に送信する。以下、ユーザ認証ができたものとして説明を続ける。
【0060】
商品情報取得装置1は、ユーザ認証が行われ、認証情報を取得すると、ユーザの歩く方向に沿って配置された複数のアンテナ10に、無線タグを読み取るための電波を送信させる(ステップS3)。商品情報取得装置1は、電波を送信することにより、商品情報を取得する(ステップS4)。商品情報取得装置1は、商品情報を取得すると、取得した商品情報をユーザ識別情報に関連付けて請求額決定装置2に送信する。このとき、商品情報取得装置1は、無線タグを読み取るための電波を、例えば1秒間に数十回送信する。商品情報取得装置1は、商品情報を取得するたびに、取得した商品情報を請求額決定装置2に送信する。このように、商品情報取得装置1は、多数の商品情報を次々に請求額決定装置2に送信する。そして、請求額決定装置2は、受信した多数の商品情報を、記憶部22に記憶させる(ステップS5)。
【0061】
商品情報取得装置1は、ユーザがゲートを退出したか否かを判定する(ステップS6)。商品情報取得装置1は、ユーザがゲートを退出していないと判定すると(ステップS6でNo)、ステップS4に戻り、無線タグを読み取るための電波をさらに送信させる。商品情報取得装置1は、ユーザがゲートを退出したと判定すると(ステップS6でYes)、ユーザが退出したことを示す退出情報を請求額決定装置2に送信する(ステップS7)。
【0062】
請求額決定装置2は、退出情報を受信すると、記憶部22に記憶させた複数の商品情報のうち、所定の受信回数以上受信した商品情報に対応する商品の金額をユーザに対する請求額として決定し、決定した請求額に基づく決済情報をユーザ端末3に送信する(ステップS8)。ユーザ端末3は、受信した決済情報を表示部33に表示させる(ステップS9)。
【0063】
[請求額決定装置2が実行する請求額を決定する処理]
以下、
図6を参照しながら、請求額決定装置2が実行する、請求額を決定する処理の流れを説明する。
図6は、ユーザに対する請求額を決定する処理のフローチャートである。
【0064】
まず、請求額決定装置2は、商品情報取得装置1からユーザ識別情報を取得する(ステップS11)。請求額決定装置2は、ユーザ識別情報を取得するとユーザ認証を行う。請求額決定装置2がユーザ認証を行う処理は、すでに説明したので省略する。請求額決定装置2は、ユーザ認証が行われると、商品情報取得装置1から複数の商品情報を取得する(ステップS12)。このとき、請求額決定装置2は、商品情報取得装置1から多数の商品情報を次々と受信して、ユーザ識別情報と関連付けて記憶部22に記憶させる。
【0065】
次に、請求額決定装置2は、商品情報取得装置1からユーザがゲートを退出したことを示す退出情報を取得する(ステップS13)。請求額決定装置2は、退出情報を取得すると、商品情報を受信した回数が読取回数以上か否かを判定する(ステップS14)。請求額決定装置2は、商品情報を受信した回数が読取回数以上であれば、商品情報に対応する商品を請求対象とする(ステップS15)。請求額決定装置2は、商品情報を受信した回数が読取回数未満であれば、商品情報に対応する商品を請求対象としない。
【0066】
請求額決定装置2は、決済対象とした商品の金額を請求額として決定する(ステップS16)。請求額決定装置2は、決定した請求額に基づく決済情報をユーザ端末3に送信する(ステップS17)。
【0067】
(変形例)
以上の説明においては、送信制御部133は、ユーザ識別情報と複数の商品情報とを関連付けて送信したが、ユーザ識別情報と複数の商品情報とを関連付けずに送信してもよい。例えば、送信制御部133は、ユーザ識別情報を請求額決定装置2に送信した後、複数の商品情報を請求額決定装置2に送信する。請求額決定装置2は、ユーザ識別情報を受信した後に受信した複数の商品情報を、受信したユーザ識別情報に関連付けて記憶する。具体的には、請求額決定装置2は、退出情報を受信するまでの間に受信した複数の商品情報をユーザ識別情報に関連付けて記憶する。請求額決定装置2は、ユーザ識別情報に関連付けて記憶された複数の商品情報に対応する商品の金額を請求額として決定する。
【0068】
[実施形態に係る商品管理システムSの効果]
以上説明したように、商品管理システムSは、ゲート内におけるユーザが歩く方向に配列された複数のアンテナに、商品に取り付けられた無線タグを読み取る電波を送信させることにより、複数の商品情報を取得する。商品管理システムSは、取得した回数が多い商品情報をゲート内を通過した商品の商品情報であると判定し、取得した回数が少ない商品情報を陳列棚に陳列された商品の商品情報であると判定する。このようにすることで、商品管理システムSは、陳列棚に陳列された商品を、ゲート内を通過した商品であると誤検出してしまうことを低減できる。
【0069】
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る商品情報取得装置1の商品情報取得部132は、複数のアンテナ10に出力させる電波の状態を変更する。例えば、商品情報取得部132は、請求額決定部232が陳列棚に陳列された商品であると判定した商品の商品情報を取得する回数がより少なくなるようにアンテナ10に出力させる電波の状態を変更する。以下、商品情報取得部132が複数のアンテナ10に出力させる電波の状態を変更することについて具体的に説明する。
【0070】
請求額決定装置2の受信制御部231は、複数の商品情報のうち、受信した回数が所定の読取回数未満である商品情報を商品情報取得装置1に送信する。商品情報取得部132は、受信した回数が所定の読取回数未満である商品情報を取得する回数が少なくなるように、複数のアンテナ10に送信させる電波の状態を変更する。より具体的には、商品情報取得部132は、送信させる電波の放射角度、電波の強度、及び電波の放射時間の少なくともいずれかを、受信した回数が所定の読取回数未満である商品情報を取得する回数が少なくなるように変更する。
【0071】
なお、商品情報取得部132は、機械学習により、商品情報を受信した回数が所定の読取回数未満である陳列棚に陳列された商品の商品情報を取得する回数を減らすことができる。具体的には、まず、商品情報取得部132は、アンテナ10に出力させる電波の状態を入力データとし、陳列棚に陳列された商品の商品情報を取得する回数を出力データとして学習を行う。次に、商品情報取得部132は、学習したデータに基づいて、陳列棚に陳列された商品の商品情報を取得する回数がより少なくなる電波の状態を決定する。そして、商品情報取得部132は、決定した電波の状態になるように、電波の放射角度、電波の強度、及び電波の放射時間の少なくともいずれかを変更する。
【0072】
また、記憶部22は、販売商品情報と、販売商品情報に対応する商品の陳列位置を示す陳列位置情報とを関連付けて記憶してもよい。この場合、受信制御部231は、受信した回数が所定の回数未満である商品情報に対応する販売商品情報に関連付けられた陳列位置情報を、商品情報取得装置1に送信する。商品情報取得部132は、受信した陳列位置情報に示される陳列位置に陳列された商品の商品情報を取得する回数がより少なくなるようにアンテナ10に出力させる電波の状態を変更する。このように、商品管理システムSは、誤検出が多い場所に陳列された商品の商品情報を取得しないようにアンテナ10に出力させる電波の状態を変更する。そのため、商品管理システムSは、陳列棚に陳列された商品の誤検出を低減できる。
【0073】
[第2の実施形態に係る商品管理システムSの効果]
以上説明したように、第2の実施形態に係る商品管理システムSは、商品情報を受信した回数が所定の回数未満の商品の商品情報を取得する回数をより少なくするように、複数のアンテナ10に送信させる電波の状態を変更する。このようにすることで、商品管理システムSは、陳列棚に陳列された商品の商品情報を取得する回数を減らすことができるので、ゲート内の商品のみを検出する検出精度を向上することができる。
【0074】
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る商品管理システムSは、店舗で販売される商品にそれぞれ異なる複数の無線タグを取り付けて、複数の無線タグのそれぞれに対応する商品情報を受信した回数を特定する。具体的には、まず、第3の実施形態に係る商品情報取得装置1の商品情報取得部132は、商品に設けられた複数の無線タグのそれぞれから複数の商品情報を取得する。次に、受信制御部231は、複数の無線タグのそれぞれと、複数の無線タグのそれぞれに対応する商品情報を受信した回数とを特定する。
【0075】
受信制御部231は、複数の無線タグのそれぞれに対応する商品情報を受信した回数が相対的に少ない商品情報を特定してもよい。例えば、受信制御部231は、商品に取り付けられた複数の無線タグのそれぞれの商品情報のうち、受信した回数が0である商品情報を特定する。受信制御部231は、特定した商品情報に対応する無線タグを示す情報を所定の端末に送信する。所定の端末は、例えば、商品管理システムSを運営する事業者の端末である。このようにすることで、商品管理システムSを運営する事業者は、商品に無線タグを取り付けた場合に、無線タグの商品情報を取得できない取り付け位置を特定することができる。そのため、商品管理システムSは、ゲート内を通過する商品の無線タグを読み取れず、商品情報を取得できない取得漏れを低減することができる。
【0076】
なお、受信制御部231は、複数の無線タグのそれぞれに対応する商品情報を受信した回数が相対的に多い商品情報を特定してもよい。例えば、受信制御部231は、複数の無線タグのそれぞれに対応する商品情報を受信した回数が最も多い商品情報を特定する。受信制御部231は、商品情報を受信した回数が最も多い商品情報に対応する無線タグを示す情報を所定の端末に送信する。このようにすることで、商品管理システムSを運営する事業者は、商品に無線タグを取り付けた場合に、より多く商品情報を取得できる取り付け位置を特定することができる。
【0077】
[第3の実施形態に係る商品管理システムSの効果]
以上説明したように、第3の実施形態に係る商品管理システムSは、店舗で販売される商品にそれぞれ異なる複数の無線タグを取り付けて、複数の無線タグのそれぞれに対応する商品情報を受信した回数を特定する。そして、商品管理システムSは、複数の無線タグのそれぞれと、複数の無線タグのそれぞれに対応する商品情報を受信した回数とを関連付けて商品管理システムSを運営する事業者の端末に送信する。このようにすることで、商品管理システムSを運営する事業者は、商品情報を取得できない位置を避けて、より多く商品情報を取得できる位置に無線タグを取り付けることができる。そのため、商品管理システムSは、商品に取り付けられた無線タグの商品情報を取得できない取得漏れを低減することができる。
【0078】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【0079】
(変形例)
商品管理システムSは、ユーザが、店舗において使用される買い物カゴに商品を入れると、買い物カゴに設けられた表示部に商品名と金額とを表示してもよい。例えば、買い物カゴは、アンテナと、商品情報取得部と、表示部とを備える。商品情報取得部は、アンテナに、商品に取り付けられた無線タグを読み取るための電波を買い物カゴの内部に向けて送信させる。表示部は、商品情報取得部が商品情報を取得すると、商品情報に対応する商品の商品名と金額とを表示する。