(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アルキルセルロースは、エチルセルロースであり、前記ポリシロキサンは、500〜10,000の数平均分子量を有するアルキルフェニルポリシロキサンである、請求項1に記載の複合透明感圧膜。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド粒子を有する複合透明感圧膜に関する。本発明はまた、複合透明感圧膜を作製する方法、及びそれを含む装置を対象とする。
【0002】
テレビ、コンピュータのモニタ、携帯電話、及びタブレットなどの電子ディスプレイ装置に対する市場は、様々な製造業者が常に競争し、競争できる価格で向上した製品特徴を提供する、競争的な場である。
【0003】
多くの電子ディスプレイ装置は、ディスプレイインターフェースを通して、ユーザに情報を伝え、かつユーザから情報を受信する。タッチスクリーンは、ユーザからの入力を受けるための直感的な手段を提供する。このようなタッチスクリーンは、例えばマウス及びキーボードなどの代替の入力手段が実用的ではない、または望ましくない装置に対しては特に有用である。
【0004】
抵抗膜式、超音波表面弾性波方式、静電容量式、赤外線方式、光学イメージング方式、振動検出方式、音響パルス方式など、いくつかのタッチ感知技術が開発されてきた。これらの技術の各々は動作し、ディスプレイスクリーン上でタッチ、または複数のタッチ(すなわち、マルチタッチ)の位置を感知する。しかしながら、これらの技術はスクリーンに加えられる圧力の大きさに応答しない。
【0005】
タッチの位置及び加えられた圧力に応答するタッチ感知装置が知られている。このようなタッチ感知装置は、典型的にポリマーマトリックスポリマーに分散された電気活性粒子を利用する。しかしながら、これらの装置の光学特性は、電子ディスプレイ装置の応用における使用に対して一般的に適合しない。
【0006】
したがって、必要であるのは、感圧能力と組み合わせた従来のタッチ及びマルチタッチ能力を容易にし、さらに、光学的に透明であって光学ディスプレイタッチ感知装置における使用を容易にする感圧膜である。
【0007】
Lusseyらはタッチスクリーン装置に適応された複合材料を開示している。詳細には、米国特許出願公開第2014/0109698号において、Lusseyらは、長さ及び幅、ならびに長さ及び幅と比べて比較的小さい厚さを有する担持層を含む、タッチスクリーンに特に適応された電気応答型の複合材料を開示している。複合材料は、複数の導電性または半導電性粒子をさらに含む。粒子は凝集し、各凝集体が複数の粒子を含むように担持層内に分散した複数の凝集体を形成する。凝集体は配置され、電気応答型の複合材料が、加えられた圧力に応答して減少された抵抗を有するように、加えられた圧力に応答して担持層の厚さ上で導電性を提供する。Lusseyらは、導電性または半導電性粒子がWO99/38173において説明されるような細粒内で予め形成されてもよいことをさらに開示している。それらの予め形成される細粒は、ポリマー結合剤の非常に薄い層で被覆された電気活性粒子を含む。
【0008】
それにもかかわらず、光学的に透明であり、圧入力に加えて従来のタッチ及びマルチタッチ入力を可能にするタッチ感知ディスプレイの製造を容易にする、感圧膜への継続的な必要性が有り続けている。
【0009】
本発明は、複合透明感圧膜を提供し、25〜75重量%のアルキルセルロースと75〜25重量%のポリシロキサン組み合わせである、マトリックスポリマーと、複数のハイブリッド粒子と、を含み、複数のハイブリッド粒子内の各ハイブリッド粒子は、無機結合剤で一緒に結合された複数の一次粒子を含み、複数の一次粒子は、導電性粒子及び半導電性粒子からなる群から選択され、複数のハイブリッド粒子は、1〜50μmの平均粒径PS
avgを有し、複数のハイブリッド粒子は、マトリックスポリマー内に配置され、複合透明感圧膜は、長さ、幅、厚さT、及び平均厚さT
avgを有し、平均厚さT
avgは、0.2〜1,000μmであり、複合透明感圧膜の電気抵抗性は、電気抵抗性が、付与された圧力のz成分に応答して減少するように、複合透明感圧膜の厚さTに沿って方向付けられたz成分を有する付与された圧力に応答して可変である。
【0010】
本発明は、複合透明感圧膜を提供し、25〜75重量%のエチルセルロースと、75〜25重量%の500〜10,000の数平均分子量を有するアルキルフェニルポリシロキサンとの組み合わせである、マトリックスポリマーと、複数のハイブリッド粒子と、を含み、複数のハイブリッド粒子内の各ハイブリッド粒子は、無機結合剤で一緒に結合された複数の一次粒子を含み、複数の一次粒子は、導電性粒子及び半導電性粒子からなる群から選択され、複数のハイブリッド粒子は、1〜50μmの平均粒径PS
avgを有し、複数のハイブリッド粒子は、マトリックスポリマー内に配置され、複合透明感圧膜は、長さ、幅、厚さT、及び平均厚さT
avgを有し、平均厚さT
avgは、0.2〜1,000μmであり、複合透明感圧膜の電気抵抗性は、電気抵抗性が、付与された圧力のz成分に応答して減少するように、複合透明感圧膜の厚さTに沿って方向付けられたz成分を有する付与された圧力に応答して可変である。
【0011】
本発明は、本発明の複合透明感圧膜と、複合透明感圧膜に圧力が付与されたときに抵抗の変化を感知するための複合透明感圧膜に結合された制御装置と、を備える、装置を提供する。
【0012】
本発明は、複合透明感圧膜を提供する方法を提供し、25〜75重量%のアルキルセルロースと75〜25重量%のポリシロキサンとの組み合わせであり、弾性的に変形可能であるマトリックスポリマーを提供することと、複数のハイブリッド粒子内の各ハイブリッド粒子は、無機結合剤で一緒に結合された複数の一次粒子を含み、複数の一次粒子は、導電性粒子及び半導電性粒子からなる群から選択され、1〜50μmの平均粒径PS
avgを有する複数のハイブリッド粒子を提供することと、テルピネオール、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、シクロヘキサノン、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、キシレン、及びそれらの混合物からなる群から選択される溶媒を提供することと、マトリックスポリマー及び複数のハイブリッド粒子を溶媒に分散させ、膜形成組成物を形成することと、膜形成組成物を基板上に成膜させることと、膜形成組成物を硬化させ、基板上に複合透明感圧膜を提供することと、を含む。
【発明を実施するための形態】
【0014】
従来の位置入力(すなわち、x、y成分)と共に圧力入力要素(すなわち、z成分)を可能にするタッチ感知光学ディスプレイは、装置の製造業者に装置の設計及びインターフェースにおけるさらなる柔軟性を提供する。本発明の複合透明感圧膜は、このようなタッチ感知光学ディスプレイのための重要な成分を提供し、優れた回復力(すなわち、性能の著しい損失を伴わずに、少なくとも500,000回のタップを受ける能力)、ならびに耐候性(すなわち、少なくとも100時間にわたる60℃及び90%の湿度での高湿熱信頼性)を、迅速(すなわち、≦10分の硬化時間)な低温加工性(すなわち、≦130℃の硬化温度)とともにもたらす。
【0015】
マトリックスポリマーへの言及における、本明細書及び付属の請求項において使用されるような「非導電性」という用語は、マトリックスポリマーが、ASTM D257−14に従って測定される際、≧10
8Ω・cmの体積抵抗率ρ
vを有することを意味する。
【0016】
本発明の複合透明感圧膜(10)は、25〜75重量%のアルキルセルロースと75〜25重量%のポリシロキサン組み合わせであるマトリックスポリマーと、複数のハイブリッド粒子と、を含み、複数のハイブリッド粒子内の各ハイブリッド粒子は、無機結合剤で一緒に結合された複数の一次粒子を含み、複数の一次粒子は、導電性粒子及び半導電性粒子からなる群から選択され、複数のハイブリッド粒子は、1〜50μmの平均粒径PS
avgを有し、複数のハイブリッド粒子は、マトリックスポリマー内に配置され、複合透明感圧膜は、長さ、幅、厚さT、及び平均厚さT
avgを有し、平均厚さT
avgは、0.2〜1,000μmであり、複合透明感圧膜の電気抵抗性は、電気抵抗性が、付与された圧力のz成分に応答して減少するように、複合透明感圧膜の厚さTに沿って方向付けられたz成分を有する付与された圧力に応答して可変である。(
図1を参照)。
【0017】
好ましくは、マトリックスポリマーは、25〜75重量%のアルキルセルロースと75〜25重量%のポリシロキサンとの組み合わせである。より好ましくは、マトリックスポリマーは、30〜65重量%のアルキルセルロースと70〜35重量%のポリシロキサンとの組み合わせである。最も好ましくは、マトリックスポリマーは、40〜60重量%のアルキルセルロースと、60〜40重量%のポリシロキサンとの組み合わせである。
【0018】
好ましくは、アルキルセルロースは、C
1−6アルキルセルロースである。より好ましくは、アルキルセルロースは、C
1−4アルキルセルロースである。さらに好ましくは、アルキルセルロースポリマーは、C
1−3アルキルセルロースである。最も好ましくは、アルキルセルロースは、エチルセルロースである。
【0019】
好ましくは、ポリシロキサンは、ヒドロキシ官能性シリコーン樹脂である。好ましくは、ポリシロキサンは、500〜10,000(好ましくは600〜5,000、より好ましくは1,000〜2,000、最も好ましくは1,500〜1,750)の数平均分子量を有するヒドロキシ官能性シリコーン樹脂である。好ましくは、ヒドロキシ官能性シリコーン樹脂は、分子あたり、平均1〜15重量%(好ましくは3〜10重量%、より好ましくは5〜7重量%、最も好ましくは6重量%)のヒドロキシ基を有する。好ましくは、ヒドロキシ官能性シリコーン樹脂は、アルキルフェニルポリシロキサンである。好ましくは、アルキルフェニルポリシロキサンは、5:1〜1:5(好ましくは5:1〜1:1、より好ましくは3:1〜2:1、最も好ましくは2.71:1)のフェニルのアルキルに対する分子比を有する。好ましくは、アルキルフェニルポリシロキサンは、アルキルラジカルあたり平均1〜6の炭素原子を有するアルキルラジカルを含有する。より好ましくは、アルキルフェニルポリシロキサンは、アルキルラジカルあたり平均2〜4の炭素原子を有するアルキルラジカルを含有する。より好ましくは、アルキルフェニルポリシロキサンは、アルキルラジカルあたり平均3の炭素原子を有するアルキルラジカルを含有する。好ましくは、アルキルフェニルポリシロキサンは500〜10,000(好ましくは600〜5,000、より好ましくは1,000〜2,000、最も好ましくは1,500〜1,750)の数平均分子量を有する。
【0020】
好ましくは、マトリックスポリマーは、ASTM D257−14に従って測定された≧10
8Ω・cmの体積抵抗率ρ
vを有する。より好ましくは、マトリックスポリマーは、ASTM D257−14に従って測定された≧10
10Ω・cmの体積抵抗率ρ
vを有する。最も好ましくは、本発明の複合透明感圧膜(10)において使用されるマトリックスポリマーは、ASTM D257−14に従って測定された10
12〜10
18Ω・cmの体積抵抗率ρ
vを有する。
【0021】
好ましくは、マトリックスポリマーは、z方向の成分を含む圧力の印加を通して圧縮されるとき、静止状態から非静止状態に弾性的に変形可能である。より好ましくは、マトリックスポリマーは、0.1〜42N/cm
2のz方向の成分を含む圧力の印加を通して圧縮されるとき、静止状態から非静止状態に弾性的に変形可能である。最も好ましくは、マトリックスポリマーは、0.14〜28N/cm
2のz方向の成分を含む圧力の印加を通して圧縮されるとき、静止状態から非静止状態に弾性的に変形可能である。
【0022】
好ましくは、複数のハイブリッド粒子内の各ハイブリッド粒子は、複数の一次粒子と、無機結合剤と、を含み、一次粒子は、無機結合剤で一緒に結合される。
【0023】
好ましくは、複数の一次粒子は、導電性粒子及び半導電性粒子からなる群から選択される。好ましくは、複数の一次は、導電性金属の粒子、導電性金属合金の粒子、導電性金属酸化物の粒子、金属合金の導電性酸化物の粒子、及びそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、複数の一次粒子は、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)粒子、銀粒子、及びそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、複数の一次粒子は、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)粒子、及び銀粒子からなる群から選択される。
【0024】
好ましくは、無機結合剤は、ケイ酸塩、酸化亜鉛、有機ケイ素化合物、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、リン酸塩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。より好ましくは、無機結合剤は、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、有機ケイ素化合物、及びそれらの混合物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、無機結合剤は、TEOS及び有機ケイ素化合物からなる群から選択される。最も好ましくは、無機結合剤は、TEOSである。
【0025】
好ましくは、複数のハイブリッド粒子は、1〜5の平均アスペクト比AR
avgを有する。より好ましくは、複数のハイブリッド粒子は、1〜2の平均アスペクト比AR
avgを有する。さらにより好ましくは、複数のハイブリッド粒子は、1〜1.5の平均アスペクト比AR
avgを有する。最も好ましくは、複数のハイブリッド粒子は、1〜1.1の平均アスペクト比AR
avgを有する。
【0026】
好ましくは、複数のハイブリッド粒子は、1〜50μmの平均粒径PS
avgを有する。より好ましくは、複数のハイブリッド粒子は、1〜25μmの平均粒径PS
avgを有する。最も好ましくは、複数のハイブリッド粒子は、1〜10μmの平均粒径PS
avgを有する。
【0027】
好ましくは、複数のハイブリッド粒子は、静止状態のときの高抵抗状態と、圧縮力にさらされたときの低抵抗状態との間で可逆的に転換可能である。
【0028】
好ましくは、複数のハイブリッド粒子は、マトリックスポリマー内に配置される。より好ましくは、複数のハイブリッド粒子は、マトリックスポリマー全体に、分散される、及び配置される、のうちの少なくとも1つが行われる。最も好ましくは、複数のハイブリッド粒子は、マトリックスポリマー全体に分散される。
【0029】
好ましくは、本発明の複合透明感圧膜(10)は、<10重量%の複数のハイブリッド粒子を含有する。より好ましくは、本発明の複合透明感圧膜(10)は、0.01〜9.5重量%の複数のハイブリッド粒子を含有する。さらにより好ましくは、本発明の複合透明感圧膜(10)は、0.05〜5重量%の複数のハイブリッド粒子を含有する。最も好ましくは、本発明の複合透明感圧膜(10)は、0.5〜3重量%の複数のハイブリッド粒子を含有する。
【0030】
本発明の複合透明感圧膜(10)は、長さL、幅W、厚さT、及び平均厚さT
avgを有する。(
図1を参照。)複合透明感圧膜(10)の長さL及び幅Wは、好ましくは複合透明感圧膜(10)の厚さTよりもかなり大きい。複合透明感圧膜(10)の長さL及び幅Wは、複合透明感圧膜(10)が組み込まれるタッチ感知光学ディスプレイ装置の寸法に基づいて選択することができる。代替的に、複合透明感圧膜(10)の長さL及び幅Wは、製造の方法に基づいて選択することができる。例えば、本発明の複合透明感圧膜(10)は、ロールツーロール型の操作において製造することができ、複合透明感圧膜(10)は、後に所望の寸法に切断される。
【0031】
好ましくは、本発明の複合透明感圧膜(10)は、0.2〜1,000μmの平均厚さT
avgを有する。より好ましくは、本発明の複合透明感圧膜(10)は、0.5〜100μmの平均厚さT
avgを有する。さらにより好ましくは、本発明の複合透明感圧膜(10)は、1〜25μmの平均厚さT
avgを有する。最も好ましくは、本発明の複合透明感圧膜(10)は、1〜5μmの平均厚さT
avgを有する。
【0032】
好ましくは、本発明の複合透明感圧膜(10)は、膜の厚さに沿うz方向の成分を含む力が加えられると、高い抵抗の静止状態からより低い抵抗の静止状へ可逆的に移行する。好ましくは、複合透明感圧膜(10)は、0.1〜42N/cm
2(より好ましくは、0.14〜28N/cm
2)の大きさの、z方向の成分を含む圧力が加えられると、高い抵抗の静止状態からより低い抵抗の非静止状態に可逆的に移行する。好ましくは、複合透明感圧膜(10)は、高い抵抗の静止状態からより低い抵抗の非静止状態への少なくとも500,000回のサイクルを受けることができ、一方で一貫した応答移行を維持する。好ましくは、複合透明感圧膜(10)は、静止状態にあるとき、≧10
5Ω・cmの体積抵抗率を有する。より好ましくは、複合透明感圧膜(10)は、静止状態にあるとき、≧10
7Ω・cmの体積抵抗率を有する。最も好ましくは、複合透明感圧膜(10)は、静止状態にあるとき、≧10
8Ω・cmの体積抵抗率を有する。好ましくは、複合透明感圧膜(10)は、28N/cm
2のz方向への成分を含む圧力にさらされるとき、<10
5Ω・cmの体積抵抗率を有する。より好ましくは、複合透明感圧膜(10)は、28N/cm
2のz方向への成分を含む圧力にさらされるとき、<10
4Ω・cmの体積抵抗率を有する。最も好ましくは、複合透明感圧膜(10)は、28N/cm
2のz方向への成分を含む圧力にさらされるとき、<10
3Ω・cmの体積抵抗率を有する。
【0033】
好ましくは、本発明の複合透明感圧膜(10)は、ASTM D1003−11e1に従って測定された<5%のヘイズH
Hazeを有する。より好ましくは、本発明の複合透明感圧膜(10)は、ASTM D1003−11e1に従って測定された<4%のヘイズH
Hazeを有する。最も好ましくは、本発明の複合透明感圧膜(10)は、ASTM D1003−11e1に従って測定された<2.5%のヘイズH
Hazeを有する。
【0034】
好ましくは、本発明の複合透明感圧膜(10)は、ASTM D1003−11e1に従って測定された>75%の透過率T
Transを有する。より好ましくは、本発明の複合透明感圧膜(10)は、ASTM D1003−11e1に従って測定された>85%の透過率T
Transを有する。最も好ましくは、本発明の複合透明感圧膜(10)は、ASTM D1003−11e1に従って測定された>89%の透過率T
Transを有する。
【0035】
本発明の複合透明感圧膜を提供する方法は、25〜75重量%のアルキルセルロースと75〜25重量%のポリシロキサンとの組み合わせであり、静止状態から弾性的に変形可能であるマトリックスポリマーを提供することと、複数のハイブリッド粒子内の各ハイブリッド粒子は、無機結合剤で一緒に結合された複数の一次粒子を含み、複数の一次粒子は、導電性粒子及び半導電性粒子からなる群から選択され、1〜50μmの平均粒径PS
avgを有する複数のハイブリッド粒子を提供することと、テルピネオール、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、シクロヘキサノン、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、キシレン、及びそれらの混合物からなる群から選択される溶媒を提供することと、マトリックスポリマー及び複数のハイブリッド粒子を溶媒に分散させ、膜形成組成物を形成することと、膜形成組成物を基板上に成膜させることと、膜形成組成物を硬化させ、基板上に複合透明感圧膜を提供することと、を含む。
【0036】
好ましくは、本発明の複合透明感圧膜を提供する方法において、マトリックスポリマーは、0.1〜50重量%の濃度で膜形成組成物に含まれる。より好ましくは、マトリックスポリマーは、1〜30重量%の濃度で膜形成組成物に含まれる。最も好ましくは、マトリックスポリマーは、5〜20重量%の濃度で膜形成組成物に含まれる。
【0037】
好ましくは、本発明の複合透明感圧膜を提供する方法において、膜形成組成物は、よく知られた成膜技術を使用して基板上に成膜される。より好ましくは、膜形成組成物は、スプレー塗装、浸漬塗布、回転塗布、ナイフ塗布、キス塗布、グラビア塗布、スクリーン印刷、インクジェット印刷、及びパッド印刷からなる群から選択される工程を使用して基板の表面に付与される。より好ましくは、膜形成組成物は、浸漬塗布、回転塗布、ナイフ塗布、キス塗布、グラビア塗布、及びスクリーン印刷からなる群から選択される工程を使用して基板の表面に付与される。最も好ましくは、組み合わせは、ナイフ塗布、及びスクリーン印刷から選択される工程によって基板の表面に付与される。
【0038】
好ましくは、本発明の複合透明感圧膜を提供する方法において、膜形成組成物は、硬化され、基板上に複合透明感圧膜を提供する。好ましくは、溶媒などの膜形成組成物中の揮発性成分は、硬化工程中に除去される。好ましくは、膜形成組成物は、加熱によって硬化される。好ましくは、膜形成組成物は、燃焼、マイクロパルスフォトニック加熱、連続フォトニック加熱、マイクロ波加熱、炉加熱、真空炉加熱、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される工程によって加熱される。より好ましくは、膜形成組成物は、炉加熱及び真空炉加熱からなる群から選択される工程によって加熱される。最も好ましくは、膜形成組成物は、炉加熱によって加熱される。
【0039】
好ましくは、膜形成組成物は、100〜200℃の温度で加熱することによって硬化される。より好ましくは、膜形成組成物は、120〜150℃の温度で加熱することによって硬化される。さらにより好ましくは、膜形成組成物は、125〜140℃の温度で加熱することによって硬化される。最も好ましくは、膜形成組成物は、125〜135℃の温度で加熱することによって硬化される。
【0040】
好ましくは、膜形成組成物は、1〜45分間、100〜200℃の温度で加熱することによって硬化される。より好ましくは、膜形成組成物は、1〜45分間(好ましくは、1〜30分、より好ましくは、5〜15分、最も好ましくは、10分間)、120〜150℃の温度で加熱することによって硬化される。さらにより好ましくは、膜形成組成物は、1〜45分間(好ましくは1〜30分、より好ましくは5〜15分、最も好ましくは10分間)、125〜140℃の温度で加熱することによって硬化される。最も好ましくは、膜形成組成物は、1〜45分間(好ましくは1〜30分、より好ましくは5〜15分、最も好ましくは10分間)、125〜135℃の温度で加熱することによって硬化される。
【0041】
好ましくは、本発明の複合透明感圧膜を提供する方法において、基板上に提供される複合透明感圧膜は、0.2〜1,000μmの平均厚さT
avgを有する。より好ましくは、基板上に提供される複合透明感圧膜は、0.5〜100μmの平均厚さT
avgを有する。さらにより好ましくは、基板上に提供される複合透明感圧膜は、1〜25μmの平均厚さT
avgを有する。最も好ましくは、基板上に提供される複合透明感圧膜は、1〜5μmの平均厚さT
avgを有する。
【0042】
好ましくは、本発明の複合透明感圧膜を提供する方法において、提供される複数のハイブリッド粒子は、提供される複合透明感圧膜内の複数のハイブリッド粒子が、0.5*T
avg≦PS
avg≦1.5*T
avgであるような平均粒径PS
avgを有するように選択される。より好ましくは、本発明の複合透明感圧膜を提供する方法において、提供される複数のハイブリッド粒子は、提供される複合透明感圧膜内の複数のハイブリッド粒子が、0.75*T
avg≦PS
avg≦1.25*T
avgであるような平均粒径PS
avgを有するように選択される。最も好ましくは、本発明の複合透明感圧膜を提供する方法において、提供される複数のハイブリッド粒子は、提供される複合透明感圧膜内の複数のハイブリッド粒子が、T
avg<PS
avg−≦1.1*T
avgであるような平均粒径PS
avgを有するように選択される。
【0043】
本発明の装置は、本発明の複合透明感圧膜と、複合透明感圧膜に圧力が付与されたときに抵抗の変化を感知するための透明感圧膜に結合された、制御装置とを備える。
【0044】
好ましくは、本発明の装置は、電子ディスプレイをさらに備え、複合透明感圧膜は、電子ディスプレイと相接される。より好ましくは、複合透明感圧膜は、電子ディスプレイに重なる。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態が、下記の実施例において詳細に説明される。
【0046】
実施例において報告された透過率T
Transのデータは、BYK Gardner分光光度計を使用して、ASTM D1003−11e1に従って測定された。ITOガラス上の各感圧膜試料は、3つの異なる点において測定され、測定値の平均が報告された。
【0047】
実施例において報告されたヘイズH
Hazeのデータは、BYK Gardner分光光度計を使用して、ASTM D1003−11e1に従って測定された。ITOガラス上の各感圧膜試料は、3つの異なる点において測定され、測定値の平均が報告された。
【0048】
比較実施例C:有機−無機粒子調製
水酸化カリウムで中和したカルボン酸基90%を有するエチレンアクリル酸コポリマー(0.5g、The Dow Chemical Companyから入手可能なPrimacor(商標)59801)を、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)水性分散体(5g、Shanghai Huzheng Nanotechnology Co.,Ltd.からのWP−020)と混合し、組み合わせ液を形成した。次に、組み合わせ液を、噴霧乾燥させ、複合粒子を得た。
【0049】
実施例1:無機−無機粒子調製
アンチモンドープ酸化スズ(ATO)粉末(30g、Shanghai Huzheng Nanotechnology Co.,Ltd.から入手可能なATO−P100、99.95%)を、エタノール(30g、無水)に分散し、分散体を形成した。次に、γ−アミノプロピルトリエトキシシランカップリング剤(1.5g、Sigma−Aldrich Co. LLCから入手可能なKH550)、グリシドキシプロピルトリメトキシシランカップリング剤(Sigma−Aldrich Co. LLCから入手可能な1.5gのKH560)、及び1mmの直径を有するZrO
2ミルビーズ(80g)を、分散体に添加した。次に、水(1.5g、脱イオン)を分散に添加した。次に、分散体を、Shanghai Tian Feng Motors Co.,Ltd.からのサンドミリング装置Type YS6334のタンクに充填した。砂粉砕装置を、1,400rpm及び10℃に設定した。分散体を、記載した条件下で5時間、サンドミル内で粉砕した。次に、分散体を、200Mesh(Tyler)スクリーンを通して濾過し、ZrO
2ミルビーズを除去した。次に、分散体を、500mLの丸底フラスコ内でエタノールで200gに希釈した。次に、フラスコを80℃に設定した油浴に配置し、一晩撹拌させた。次に、真空蒸発及び160℃での炉乾燥を介して、エタノール及び水を除去することによって、乾燥生成物であるハイブリッド粒子粉末を分散体から得た。乾燥生成物であるハイブリッド粒子粉末を、300gの3〜10mmの直径範囲を有するメノウ粉砕ボールを用いて、400rpmに設定したNanjing NanDa Instrument Plantからの遊星細砕ミルタイプQM−3SP2において、2時間粉砕し、粉砕生成物であるハイブリッド粒子粉末を得た。
【0050】
実施例2:無機−無機粒子調製
実施例2は、次に、フラスコを、80℃に設定した油浴に配置し、一晩撹拌させる前に、次に、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)(7g、Sigma−Aldrich Co. LLCから入手可能)及び水(2.5g、脱イオン)を、500mLの丸底フラスコ内の分散体に添加したことを除き、実施例1と同一であった。
【0051】
実施例3−5:無機−無機粒子サイジング
実施例3−5の各々において、表1に記載されるとおりの実施例1または実施例2に従って調製された試料(4.6g)の粉砕生成物であるハイブリッド粒子粉末を、エチルセルロース(Ethocel(商標)標準10セルロースとしてThe Dow Chemical Companyから入手可能な33gの10.5%溶液、CAS番号 9004−57−3)に分散させ、分散体を形成した。次に、1mmを有する酸化ジルコニウム(ZrO
2)ミルビーズを、表1に記載される量で分散体に添加した。次に、ZrO
2ミルビーズ含有分散体を、Shanghai Tian Feng Motors Co.,Ltd.からのサンドミリング装置Type YS6334のタンクに充填した。砂粉砕装置を、1,400rpm及び10℃に設定した。次に、分散体を、記載した条件下で90分間、サンドミル内で各々粉砕した。次に、サンドミルされた分散体を、400Mesh(Tyler)スクリーンを通して濾過し、ZrO
2ビーズを除去し、ハイブリッド無機−無機粒子を含有するマザーインクを得た。
【0053】
比較実施例CI及び実施例6−8:感圧インク調製
比較実施例CIの感圧インクは、テルピネオールとジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートとの7:3の重量比の溶媒混合物中の、エチルセルロース(The Dow Chemical Companyから入手可能なEthocel(商標)標準10セルロース)と、1分子あたり平均で6重量%のヒドロキシル基を有する分岐プロピルフェニルポリシロキサン(Dow Corningから入手可能なZ6018)との7:3の重量比のポリマー混合物の9重量%溶液に、比較実施例Cに従って調製された複合粒子を、超音波で分散させることによって調製した。比較実施例CIの感圧インクは、ポリマー固体の重量に対して、2重量%の複合粒子を含有した。
【0054】
実施例6−8の感圧インクは、実施例3−5に従って調製されたマザーインクをそれぞれ希釈することによって調製した。つまり、実施例6−8に従って調製されたマザーインクは、テルピネオールとジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートとの7:3の重量比の溶媒混合物中の、エチルセルロース(The Dow Chemical Companyから入手可能なEthocel(商標)標準10セルロース)と、1分子あたり平均で6重量%のヒドロキシル基を有する分岐プロピルフェニルポリシロキサン(Dow Corningから入手可能なZ6018)との7:3の重量比のポリマー混合物の9重量%溶液で直接希釈した。実施例6−8の感圧インクは、ポリマー固体の重量に対して、2重量%のハイブリッド粒子を含有した。
【0055】
比較実施例CF及び実施例9−11:感圧膜調製
比較実施例CF及び実施例9−11の感圧膜は、それぞれ、比較実施例CI及び実施例6−8に従って調製された感圧インクを、酸化インジウムスズ(ITO、15Ω毎平方)で被覆されたガラススライド(長さ=119mm、幅=77mm、厚さ=0.5mm)(Wesley Tech. Co.,Ltd.,China)の酸化インジウムスズコーティング上に成膜することによって得た。比較実施例CF及び実施例9−11の各々において、25μmの刃隙間を持つ機械ドローダウン工程を使用して、膜を形成した。次に、膜を10分間、130℃で硬化した。形成された成膜された感圧膜の各々に対する乾燥させた膜の厚さは、原子間力顕微鏡(AFM)を使用して測定した。測定された厚さを、表2に報告する。
【0057】
初期の感圧膜の応答
酸化インジウムスズ(ITO)で被覆された表面を感圧膜に向けて、酸化インジウムスズで被覆されたポリエチレンテレフタレート膜を、比較実施例CF及び実施例9−11の各々に従って調製された感圧膜上に配置した。次に、ポリエチレンテレフタレート膜の未処理面上に配置された鋼円盤プローブ(直径3mm)上の入力圧力を制御するために、ばねを組み込んだロボットアームを使用して、3つの異なる点で感圧膜の各々の抵抗応答を評価した。鋼円盤プローブを通して膜スタック上に付加された入力圧力は、1〜200gで変化させた。感圧膜によって示された抵抗は、酸化インジウムスズで被覆されたガラススライドに接続された1つのプローブ、及び酸化インジウムスズで被覆されたポリエチレンテレフタレート膜に接続された1つのプローブを有する抵抗計を使用して記録された。比較実施例CF及び実施例9−11の各々に従って調製された感圧膜についての代表的な圧力負荷解放サイクルを、それぞれ
図2−5に提供する。比較実施例CF及び実施例9−11の各々に従って調製された感圧膜についての圧力対抵抗のグラフを、それぞれ
図6−9に提供する。
【0058】
感圧膜高湿加熱抵抗
比較実施例CF及び実施例9−11の感圧膜の高湿加熱抵抗を評価した。上で説明される初期の感圧膜の応答試験の後、膜を、70℃及び90%の相対湿度で設定した炉に、24時間配置した。次に、膜を、炉から取り出し、それらの感圧応答を再評価した。結果を、それぞれ、
図10−13において、比較実施例CF及び実施例9−11の感圧膜に関して示す。
図10−13の各々における点線は、初期の感圧膜の応答に対応する。
図10−13の各々における実線は、炉処理後の感圧膜応答に対応する。
【0059】
感圧膜の透過率及びヘイズ
比較実施例CF及び実施例9−11の各々に従って調製された感圧膜(ITOで被覆されたポリエチレンテレフタレート膜基板上に成膜された)の透過率T
Trans及びヘイズH
Hazeを、表3に提供する。