特許第6572343号(P6572343)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6572343
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】魚介類採取具の爪
(51)【国際特許分類】
   A01K 80/00 20060101AFI20190826BHJP
【FI】
   A01K80/00
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-87360(P2018-87360)
(22)【出願日】2018年4月27日
【審査請求日】2018年4月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000176833
【氏名又は名称】三菱製鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】板谷 利幸
【審査官】 大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−198571(JP,A)
【文献】 特開2002−017205(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3157371(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚介類採取具の爪であって、
水底の土壌を掘り起こす弾性金属線材と、
魚介類採取具に取り付けて固定する固定部と、
前記固定部に対して前記弾性金属線材の動きを緩衝するように、前記弾性金属線材を前記固定部に対して支持する緩衝部とを含み、
前記緩衝部は板ばねを含み、前記動きは前記板ばねが緩衝し、
前記板ばねは、長手方向に、基部と、基部から延びて一面を内側にして曲がった屈曲部と、前記屈曲部から延び、前記基部に対して間隙を挟んで対向する対向部とを含み、前記固定部は前記基部に取り付けられ、前記弾性金属線材は前記対向部に取り付けられ、
前記固定部は、第1押え板、第1把持部材及び第2把持部材を含み、前記第1押え板と前記第1把持部材とで前記板ばねの基部を挟持し、前記第1把持部材と前記第2把持部材とで前記魚介類採取具を挟持し、前記第1押え板、前記第1把持部材及び前記第2把持部材を共締めすることによって前記板ばねの基部と前記魚介類採取具とを固定し、
第2押え板、第3把持部材及び第4把持部材をさらに含み、前記第2押え板と前記第3把持部材とで前記板ばねの対向部を挟持し、前記第3把持部材と前記第4把持部材とで前記弾性金属線材を挟持し、前記第2押え板、前記第3把持部材及び前記第4把持部材を共締めすることによって前記板ばねの対向部と前記弾性金属線材とを固定する魚介類採取具の爪。
【請求項2】
前記弾性金属線材は、第1方向に延び、前記板ばねの対向部に取り付けられる基部と、延びる方向を第1方向から第2方向に転換させる屈曲部と、前記屈曲部から第2方向に延び、水底の土壌を掘り起こす作用部とを含む請求項に記載の魚介類採取具の爪。
【請求項3】
前記板ばねは、前記弾性金属線材が第1方向から第2方向に向かう動き及びその逆に向かう動きを緩衝する請求項に記載の魚介類採取具の爪。
【請求項4】
前記板ばねは、所定の厚さを有するばね鋼でなる請求項1からのいずれか一項に記載の魚介類採取具の爪。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホタテ貝等を採取する魚介類採取具の爪に関するものである。
【背景技術】
【0002】
海底下3cm程の所に生息しているホタテ貝等を漁獲する道具として、八尺と呼ばれる大きな熊手状の漁具が古くから使われている。この八尺を海底に沿って引き摺ると、八尺の後方に並べて取り付けてある多数の爪が海底の砂に約10cm程度食い込み、海底の砂の中に潜り込んでいるホタテ貝等を掻き起こして採取することができる(例えば引用文献1を参照)。
【0003】
このときホタテ貝の貝殻は外部からの衝撃によって容易に割れてしまうため、ホタテ貝に爪が与える衝撃を和らげるように、爪は八尺の横棒に対して緩衝部材を介して取り付けられることがあった。従来の緩衝部材には、コイルばねが使われることがあった。引用文献1においては、緩衝部材として、爪の基端部に沿うように複数の板ばねが固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3075078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、コイルばねや複数の板ばねを使用した緩衝部材は、部品点数が多くなり、構造も複雑になっていた。
【0006】
本発明は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、魚介類採取具の爪であって、部品点数が少なく、構造も簡単であるような緩衝部材を有するものを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、この出願に係る魚介類採取具の爪は、水底の土壌を掘り起こす弾性金属線材と、魚介類採取具に取り付けて固定する固定部と、固定部に対して弾性金属線材の動きを緩衝するように、弾性金属線材を固定部に対して支持する緩衝部とを含み、緩衝部は板ばねを含み、前記動きは板ばねが緩衝する。
【0008】
板ばねは、長手方向に、基部と、基部から延びて一面を内側にして曲がった屈曲部と、屈曲部から延び、基部に対して間隙を挟んで対向する対向部とを含み、固定部は基部に取り付けられ、弾性金属線材は対向部に取り付けられてもよい。
【0009】
弾性金属線材は、第1方向に延び、板ばねの対向部に取り付けられる基部と、延びる方向を第1方向から第2方向に転換させる屈曲部と、屈曲部から第2方向に延び、水底の土壌を掘り起こす作用部とを含んでもよい。
【0010】
板ばねは、弾性金属線材が第1方向から第2方向に向かう動き及びその逆に向かう動きを緩衝してもよい。板ばねは、所定の厚さを有するばね鋼でなってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、部品点数が少なく、構造も簡単であるような緩衝部材を有する魚介類採取具の爪を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施の形態の魚介類採取具の爪の概略的な構造を示す正面図である。
図2】本実施の形態の魚介類採取具の爪において固定部及び緩衝部を拡大して示す斜視図である。
図3】本実施の形態の魚介類採取具の爪の固定部及び緩衝部の正面図である。
図4】板ばねの三面図である。
図5】本実施の形態の魚介類採取具の爪を八尺に取り付けた態様を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施の形態の魚介類採取具の爪について、図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態の魚介類採取具の爪は、八尺の横棒に取り付けて使用することを想定している。図1は、本実施の形態の魚介類採取具の爪の正面図である。図2は、魚介類採取具の爪において、固定部及び緩衝部を拡大して示した斜視図である。図3は、固定部及び斜視図の正面図である。
【0014】
本実施の形態の魚介類採取具の爪は、図中において、海底の土壌を掘り起こすための弾性金属線材1を有している。弾性金属線材1は、水平方向から略上方に向かう第1方向に延びた基部1a、基部1aの端部であって鉛直上向きに近づくように折れ曲がった端部1b、延びる方向を第1方向から鉛直下向きの方向に近づけた第2方向に転換させる屈曲部1c、及び屈曲部1cから第2方向に延び、土壌を掘り起こす作用部1dを有している。作用部1dは、所望の深さまで海底の土壌を掘り起こすことができるように、所定の長さが確保されている。弾性金属線材1は、所定の径を有する鋼材で構成されてもよい。
【0015】
また、本実施の形態の魚介類採取具の爪は、八尺の横棒100に取り付けて固定するための固定部を有している。固定部は、八尺の横棒100を把持して固定する略直方体の形状を有する第1把持部材6及び第2把持部材7を有している。固定部において、八尺の横棒100は、下側の第1把持部材6及び上側の第2把持部材7によって、それぞれの対向面に形成された溝で受けられて挟持され、スペーサ11を介してボルト及びナット15で第1把持部材6及び第2把持部材7を締結することによって把持するように固定されている。第1把持部材6及び第2把持部材7は、ステンレス鋼によって構成されてもよい。
【0016】
さらに、本実施の形態の魚介類採取具の爪は、固定部に対する弾性金属線材1の動きを緩衝するように、弾性金属線材1を固定部に対して支持する緩衝部を有している。本実施の形態の緩衝部は、板ばね2によって構成されている。
【0017】
図4は、板ばねの形状を示す三面図である。図2(a)は上面図であり、図2(b)は正面図であり、図2(c)は右側面図である。板ばねは、細長い略矩形状で所定厚さの弾性金属板を曲げて形成され、長手方向に沿って、一端から略水平方向に延びる基部2a、基部2aから上面を内側にして所定の曲率で曲がった屈曲部2b、屈曲部2bから略一端の方向に水平方向から略下向きに延び、所定の間隙を挟んで基部2aに対向する対向部2c、及び対向部2cから他端まで鉛直上向きの方向に近づくように折れ曲がった上端部2dを有している。基部2aには、複数の貫通孔2fが形成されている。板ばね2は、所定の厚さを有するばね鋼で構成されてもよい。
【0018】
本実施の形態の魚介類の採取具の爪において、板ばね2の基部2aは、固定部に取り付けられている。固定部において、板ばね2の基部2aは、上側の第1把持部材6及び下側の押え板5との間に挟持され、板ばね2の貫通孔2fを通ったボルト及びナット15、16で第1把持部材6及び押え板5を締結することによって固定されている。ここで、押え板5、第1把持部材6及び第2把持部材7は、ボルト及びナット15によって共締めされている。押え板5は、ステンレス鋼によって構成されてもよい。
【0019】
板ばね2の対向部2cは、弾性金属線材1の基部1aに取り付けられている。弾性金属線材1の基部1aは、それぞれ略直方体の形状を有する下側の第3把持部材9及び上側の第4把持部材10によって、それぞれの対向面に形成された溝で受けられて挟持されている。板ばね2の対向部2cは、下側の押え板8及び上側の第3把持部材9によって挟持されている。このように押え板8、第3把持部材9及び第4把持部材10の間にそれぞれ挟持された板ばね2の対向部2c及び弾性金属線材1の基部1aは、ボルト及びナット17で押え板8、第3把持部材9及び第4把持部材10を共締めすることによって固定されている。押え板8、第3把持部材9及び第4把持部材は、ステンレス鋼によって構成されてもよい。
【0020】
板ばね2の上端部2dは、第3把持部材9及び第4把持部材10の端面にそれぞれ対向して接し、第3把持部材9及び第4把持部材10で挟持する板ばね2の対向部2cが、対向部2cの面内で回転することを防止している。弾性金属線材1の端部1bは、第4把持部材10の貫通孔10dを通って第4把持部材10の上面に突出し、第1方向に延びる弾性金属線材1の基部1aが第1方向に回転することを防止している。
【0021】
本実施の形態の魚介類採取具の爪は、八尺の横棒に取り付けて魚介類を採取するときには、弾性金属線材1は作用部1dが水底の土壌を掘り起こす動作に従い、基部1aが延びる第1方向と作用部1dが延びる第2方向を含む面内において、第1方向から第2方向に向かう方向又はその逆に第2方向から第1方向に向かう方向に揺動する。このとき、板ばね2においては、弾性金属線材1の基部1aの動きに応じて、基部2aと対向部2cとの間隙が変動するように、対向部2cが基部aに対して離接方向に移動することによって、固定部に対する弾性金属線材1の動きを緩衝することができる。板ばね2が提供する緩衝の大きさについては、板ばね2の厚さや幅、材質によって所望の範囲に設定することができる。
【0022】
本実施の形態の魚介類採取具の爪においては、緩衝部が板ばね2によって構成されているため、構造が簡単であり、部品点数も少ない。このため、修理や交換を容易に行うことができ、製造コストを低減することもできる。また、緩衝部の板ばねは、コイルばねと比較すると断面積が大きいため、強度を確保することができる。
【0023】
なお、上述の実施の形態は一例を示すものであり、本発明はこのような実施の形態に限られない。例えば、板ばね2の形状は、図4に示したものに限られず、固定部に対する弾性金属線材1の動きを緩衝するように、弾性金属線材1を固定部に対して支持するものであれば自由な形状に設定することができる。この形状は、平面的であっても立体的であってもよい。
【0024】
図5は、本実施の形態の魚介類採取具の爪を八尺に取り付けた態様を示す斜視図である。八尺200の横棒100には、複数の魚介類採取具の爪30が櫛状に取り付けられている。八尺200は引手110に取り付けられた図示しない引綱によって海底を引かれ、魚介類採取具の爪30によって海底から掘り起こされたホタテ貝等の魚介類は網口120から袋状の網130に取り込まれる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、水底の土壌を掘り起こして魚介類を採取する魚介類採取具の爪に使用することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 弾性金属線材
2 板ばね
6 第1把持部材
7 第2把持部材
9 第3把持部材
10 第4把持部材
100 八尺の横棒
200 八尺
【要約】      (修正有)
【課題】魚介類採取具の爪の緩衝部材について、部品点数が少なく、構造も簡単な爪の提供。
【解決手段】魚介類採取具の爪は、水底の土壌を掘り起こす弾性金属線材1と、魚介類採取具に取り付けて固定する固定部と、固定部に対して弾性金属線材1の動きを緩衝するように、弾性金属線材1を固定部に対して支持する緩衝部とを有し、緩衝部は板ばね2を含み、前記動きは板ばね2が緩衝し、板ばね2は、長手方向に、基部2aと、基部2aから延びて上面を内側にして曲がった屈曲部2bと、屈曲部2bから延び、基部2aに対して間隙を挟んで対向する対向部2cとを含み、固定部は基部2aに取り付けられ、弾性金属線材1は対向部2cに取り付けられている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5