(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各部品に関する情報として長さを含む複数の部品の部品データと、各材料に関する情報としての長さ及び所有する本数を含む複数の材料の材料データとを記憶する記憶部と、
前記部品データにおける複数の部品のうち製作しようとする1または複数の部品が製作対象部品として選択されて各製作対象部品の員数が設定され、前記材料データにおける複数の材料のうち前記各製作対象部品を製作するために使用することができる複数の材料が複数の使用可能材料として抽出されているとき、前記各製作対象部品を設定された員数だけ前記複数の使用可能材料より選択された使用可能材料に配置して配置データを作成する配置データ作成部と、
を備え、
前記配置データ作成部は、
前記複数の使用可能材料のうち最長の使用可能材料である第1の使用可能材料を選択して、前記第1の使用可能材料に前記各製作対象部品を配置するネスティングを実行し、
前記第1の使用可能材料に配置された前記各製作対象部品の配置の状態を維持したまま、前記各製作対象部品を、前記複数の使用可能材料のうちの前記第1の使用可能材料よりも短い第2の使用可能材料に配置することができるときに、前記各製作対象部品を前記第2の使用可能材料に配置する第1の後処理を実行する
配置データ作成装置。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態の配置データ作成装置として機能するコンピュータ機器を含むレーザ加工システムを示すブロック図である。
【
図2】コンピュータ機器の表示部に表示されるネスティング計画画像の一例を示す図である。
【
図3】ネスティング計画に投入された投入部品及びその部品を製作するために抽出された投入材料の例1を示す図である。
【
図4】一実施形態及び比較例において、例1の投入部品を投入材料にネスティングした状態を示す図である。
【
図5】ネスティング計画に投入された投入部品及びその部品を製作するために抽出された投入材料の例2を示す図である。
【
図6】一実施形態において、例2の投入部品を投入材料にネスティングした状態を示す図である。
【
図7】一実施形態の例2において、第1の後処理を実行した状態を示す図である。
【
図8】ネスティング計画に投入された投入部品及びその部品を製作するために抽出された投入材料の例3を示す図である。
【
図9】一実施形態において、例3の投入部品を投入材料にネスティングした状態を示す図である。
【
図10】一実施形態の例3において、歩留まり率最低材料に配置された第2の後処理の対象の投入部品と、歩留まり率最低材料より短い投入材料を示す図である。
【
図11】一実施形態の例3において、第2の後処理を実行した状態を示す図である。
【
図12】一実施形態の例3における最終的なネスティングの状態を示す図である。
【
図13A】一実施形態の配置データ作成装置の動作、及び、一実施形態の配置データ作成方法を示すフローチャートである。
【
図13B】一実施形態の配置データ作成装置の動作、及び、一実施形態の配置データ作成方法を示すフローチャートである。
【
図14】
図13BのステップS8において、第2の後処理の対象の全ての投入部品を材料に配置できないと判定される第1の例を示す図である。
【
図15】
図13BのステップS8において、第2の後処理の対象の全ての投入部品を材料に配置できないと判定される第2の例を示す図である。
【
図16】
図13Bにおいて、第2の後処理が複数回実行される場合の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態の配置データ作成装置及び配置データ作成方法について、添付図面を参照して説明する。
【0011】
図1において、コンピュータ機器10と、NC装置20と、レーザ加工機30は、レーザ加工システムを構成する。コンピュータ機器10は、一実施形態の配置データ作成装置を構成し、一実施形態の配置データ作成方法を実行し、配置データ作成プログラムを記憶している。
【0012】
コンピュータ機器10は、レーザ加工機30が材料を加工するための加工プログラムを作成して、NC装置20に供給する。NC装置20が加工プログラムに基づいてレーザ加工機30を制御することにより、レーザ加工機30は材料を切断する。材料は金属のパイプまたは鋼材であり、パイプは例えば円柱(円筒)状または四角柱状の形状を有し、鋼材は例えば山形鋼、溝形鋼、軽量山形鋼、軽量溝形鋼、リップ溝形鋼のいずれかである。
【0013】
加工プログラムが図示していないサーバ等の記憶部に保存され、NC装置20が記憶部より読み出した加工プログラムに基づいてレーザ加工機30を制御してもよい。コンピュータ機器10がNC装置20と離れた遠隔地に配置されていて、ネットワークによってNC装置20と接続されていてもよい。
【0014】
コンピュータ機器10は、CAM(Computer Aided Manufacturing)として機能するコンピュータ機器である。コンピュータ機器10は、記憶部11と、中央処理装置(以下、CPU)12と、操作部13と、表示部14とを備える。記憶部11には、部品データと、材料データと、配置データを作成するためのコンピュータプログラムである配置データ作成プログラムと、加工プログラムを作成するためのコンピュータプログラムである加工プログラム作成プログラムとが記憶されている。
【0015】
部品データは複数の部品に関するデータであり、各部品に関する情報としての長さを含む。材料データは複数の材料に関するデータであり、各材料に関する情報としての長さ及び所有する本数を含む。
【0016】
部品データ及び材料データと、配置データ作成プログラム及び加工プログラム作成プログラムとが異なる記憶部に記憶されていてもよい。配置データ作成プログラム及び加工プログラム作成プログラムは、CAMプログラムである。
【0017】
CPU12が配置データ作成プログラムを実行すると、CPU12は配置データ作成部121として機能する。CPU12が加工プログラム作成プログラムを実行すると、CPU12は加工プログラム作成部122として機能する。加工プログラム作成部122は、配置データ作成部121によって作成された配置データに基づいて、レーザ加工機30が材料を切断する際に用いるNCデータよりなる加工プログラムを作成する。NCデータはレーザ加工機30を制御する機械制御コードである。
【0018】
材料を切断して所定の部品を製作しようとするとき、オペレータが操作部13によってネスティング計画を実行するよう操作すると、
図2に示すように、表示部14にはネスティング計画画像140が表示される。配置データ作成部121は、表示部14にネスティング計画画像140を表示させる。ネスティング計画画像140は、製作しようとする部品の一覧を示す部品一覧領域141と、部品一覧領域141の部品を製作するために使用可能な材料(投入材料)の一覧を示す材料一覧領域142とを含む。
【0019】
図2に示すネスティング計画画像140は、オペレータが、記憶部11に記憶されている部品データのうち、部品番号P−X、P−Y、及びP−Zの部品を選択し、製作する員数をそれぞれ2個、2個、及び4個に設定した場合を示している。部品一覧領域141には、部品番号P−X、P−Y、及びP−Zの各部品がパイプを切断した部品であることを示すマーク143が表示されている。
【0020】
配置データ作成部121は、部品番号P−X、P−Y、及びP−Zの各部品を製作するために使用可能な材料を材料データより抽出して、材料一覧領域142に表示させる。部品番号P−X、P−Y、及びP−Zの各部品は直径100mm、板厚2mmの部品であるから、使用可能な材料は直径100mmで板厚2mmのパイプである。
【0021】
図2に示す例では、パイプ材料名称MT−PA、MT−PB、MT−PX、…のパイプが使用可能な材料として抽出されている。パイプ材料名称ごとに、材料の長さと所有する本数が表示されている。材料一覧領域142には、材料がパイプであることを示すマーク144が表示されている。マーク144はマーク143と同じでよい。
【0022】
図3〜
図12を用いて、歩留まり率を向上させるために、配置データ作成部121がどのようにネスティングを実行して配置データを作成するかを説明する。
図3は、例1として、ネスティング計画に投入された投入部品が部品番号P−A及びP−Bの部品であって、それらの部品を製作するために使用可能な投入材料が材料名称MT−A及びMT−Bの材料であった場合を示している。部品番号P−A及びP−Bの部品が製作しようとする製作対象部品である。材料名称MT−A及びMT−Bの材料が、各製作対象部品を製作するために使用することができる使用可能材料である。
【0023】
部品番号P−A及びP−Bの部品の部品長さはそれぞれ500mm及び1600mmであり、各部品の員数は1である。材料名称MT−A及びMT−Bの材料の材料長さはそれぞれ2000mm及び2500mmであり、各材料の本数は1である。
【0024】
従来においては、使用可能な複数の投入材料が存在するときにオペレータによって投入材料の優先順位が設定され、優先順位に従って投入材料が選択されてネスティングが実行される。材料名称MT−Aの材料が優先順位の最も高い優先順位1、材料名称MT−Bの材料が優先順位1よりも優先順位の低い優先順位2に設定されている場合を比較例とする。なお、オペレータは複数の投入材料に対して任意に優先順位を設定することができる。
【0025】
図4に示すように、比較例においては、部品番号P−Bの部品が材料名称MT−Aの材料に自動的に配置され、部品番号P−Aの部品が材料名称MT−Bの材料に自動的に配置される。なお、材料名称MT−Aの材料に部品番号P−Bの部品を配置すると材料名称MT−Aの材料には部品番号P−Aの部品を配置できないため、部品番号P−Aの部品は材料名称MT−Bの材料に配置される。
【0026】
比較例においては、材料名称MT−Aの材料の歩留まり率は(1600/2000)×100で80%であり、材料名称MT−Bの材料の歩留まり率は(500/2500)×100で20%である。材料名称MT−A及びMT−Bの材料の平均歩留まり率は50%である。
【0027】
本実施形態においては、使用可能な複数の投入材料が存在するときに、最長の投入材料(第1の使用可能材料)が優先的に選択されて、ネスティングが実行される。
図4に示すように、本実施形態においては、配置データ作成部121は例1における最長の投入材料である材料名称MT−Bの材料に部品番号P−B及びP−Aの部品を配置する配置データを作成する。本実施形態においては、材料名称MT−Bの材料の歩留まり率は{(1600+500)/2500}×100で84%である。平均歩留まり率は50%から84%に改善される。
【0028】
図4に示すように、部品番号P−Bの部品と部品番号P−Aの部品との間には、5〜10mm程度の隙間である部品間さん巾を設けている。歩留まり率の計算においては部品間さん巾を無視している。部品間さん巾は0に設定することも可能である。部品間さん巾及び歩留まり率の計算については他の図面においても同様である。
【0029】
なお、部品長さまたは員数と材料長さとの関係によっては、最長の材料を優先的に選択してネスティングを実行することにより歩留まり率が改善されないことが起こり得る。しかしながら、本発明者による検証によって、最長の材料を優先的に選択してネスティングを実行することにより歩留まり率が改善されることが多いことが確認されている。よって、最長の投入材料を優先的に選択してネスティングを実行するのがよい。
【0030】
なお、最長の材料を優先的に選択しても歩留まり率が改善されない場合の歩留まり率の改善の処理については、後述する例2及び例3を用いて説明する。
【0031】
図5は、例2として、ネスティング計画に投入された投入部品が部品番号P−Bの部品であって、それらの部品を製作するために使用可能な投入材料が材料名称MT−C及びMT−Aの材料であった場合を示している。部品番号P−Bの部品が製作対象部品である。材料名称MT−C及びMT−Aの材料が、製作対象部品を製作するために使用することができる使用可能材料である。
【0032】
部品番号P−Bの部品の部品長さは1600mmであり、員数は1である。材料名称MT−C及びMT−Bの材料の材料長さはそれぞれ3000mm及び2000mmであり、各材料の本数は1である。
【0033】
本実施形態においては、
図6に示すように、配置データ作成部121は例2における最長の投入材料(第1の使用可能材料)である材料名称MT−Cの材料に部品番号P−Bの部品を配置する配置データを作成する。このとき、材料名称MT−Cの材料の歩留まり率は(1600/3000)×100で53%である。
【0034】
続けて、配置データ作成部121は、未使用の材料であって最長の投入材料よりも短い投入材料(第2の使用可能材料)が存在するときには、その短い投入材料に対して投入部品を配置する第1の後処理を実行する。例2では、配置データ作成部121は、材料名称MT−Aの材料に部品番号P−Bの部品を配置する配置データを作成する。配置データ作成部121が投入部品を配置する投入材料を変更するとき、投入部品の配置の状態を変更せず維持する。
【0035】
図7に示すように、配置データ作成部121が材料名称MT−Aの材料に部品番号P−Bの部品を配置する配置データを作成すると、歩留まり率は(1600/2000)×100で80%となり、平均歩留まり率は53%から84%に改善される。
【0036】
例1において、配置データ作成部121が第1の後処理を実行しないのは、
図4における部品番号P−B及びP−Aの2つ部品を、それらの配置の状態を変更しないで材料名称MT−Aの材料に配置することができないからである。
【0037】
さらに、配置データ作成部121は、後述する第2の後処理を実行することが好ましい。配置データ作成部121は、第1の後処理を実行したか否かにかかわらず、第2の後処理を実行する。例3を用いて、配置データ作成部121が第2の後処理をどのように実行するかを説明する。
【0038】
図8は、例3として、ネスティング計画に投入された投入部品が部品番号P−A及びP−Bの部品であって、それらの投入部品を製作するために使用可能な投入材料が材料名称MT−D及びMT−Aの材料であった場合を示している。部品番号P−A及びP−Bの部品が製作対象部品である。材料名称MT−D及びMT−Aの材料が、各製作対象部品を製作するために使用することができる使用可能材料である。
【0039】
部品番号P−A及びP−Bの部品の部品長さはそれぞれ500mm及び1600mmであり、員数はそれぞれ2及び4である。材料名称MT−D及びMT−Aの材料の材料長さはそれぞれ6000mm及び2000mmであり、各材料の本数は2である。
【0040】
図9に示すように、配置データ作成部121は例3における最長の投入材料である材料名称MT−Dの材料に部品番号P−A及びP−Bの部品を配置する配置データを作成する。材料名称MT−Dの1本目の材料には、部品番号P−Bの部品が3つ配置され、2本目の材料には、部品番号P−Bの部品が1つ、部品番号P−Aの部品が2つ配置される。このとき、1本目の材料の歩留まり率は{(3×1600)/6000)}×100で80%であり、2本目の材料の歩留まり率は{(1600+2×500)/6000)}×100で43%である。
【0041】
例3においては第1の後処理を実行することができないため、最長の投入材料に投入部品が配置された状態で、配置データ作成部121は、投入部品が配置されている複数の投入材料のうち、歩留まり率が最も低く、かつ、歩留まり率が所定の基準値未満の材料に対して、第2の後処理を実行する。本実施形態においては、基準値を80%とする。
【0042】
具体的には、配置データ作成部121は、歩留まり率が最も低く、かつ、歩留まり率が基準値未満の投入材料(以下、歩留まり率最低材料)に配置された部品を、歩留まり率最低材料の材料長さより短い未使用の材料に配置するネスティングを実行する。配置データ作成部121は、歩留まり率最低材料の材料長さより短い材料が複数存在する場合には、材料長さが長い材料から短い材料へと順にネスティングを実行する。
【0043】
第1の後処理が実行された場合には、最長の投入材料より短い投入材料に投入部品が配置された状態で、配置データ作成部121は、投入部品が配置されている複数の投入材料のうち、歩留まり率が最も低く、かつ、歩留まり率が所定の基準値未満の材料に対して、第2の後処理を実行すればよい。
【0044】
図9に示すように、例3において、材料名称MT−Dの2本目の材料の歩留まり率が最も低く、かつ、歩留まり率が80%未満である。
図10に示すように、2本目の材料に配置された投入部品は、部品番号P−Aの部品が2つ、部品番号P−Bの部品が1つである。歩留まり率最低材料の材料長さより短い未使用の材料は、材料名称MT−Aの材料であり、2本存在している。
【0045】
図11に示すように、配置データ作成部121は、第2の後処理として、材料名称MT−Aの1本目の材料に部品番号P−Bの部品を1つ配置し、2本目の材料に部品番号P−Aの部品を2つ配置するネスティングを実行する。このとき、1本目の材料の歩留まり率は(1600/2000)×100で80%であり、2本目の材料の歩留まり率は(2×500/2000)×100で50%である。2本の材料の平均歩留まり率は65%である。
【0046】
以上によって、配置データ作成部121は、例3において最終的に
図12に示す配置データを作成する。材料名称MT−Dの1本の材料に部品番号P−Bの部品が3つ配置され、材料名称MT−Aの1本目の材料に部品番号P−Bの部品が1つ配置され、材料名称MT−Aの2本目の材料に部品番号P−Aの部品が2つ配置される。第2の後処理を実行することにより平均歩留まり率は61.5%から70%に改善される。
【0047】
図13A及び
図13Bに示すフローチャートを用いて、CPU12(配置データ作成部121)が実行する配置データの作成処理を説明する。
図13Aにおいて、CPU12は、ステップS1にて、最長の投入材料に投入部品を自動的に配置する自動ネスティングを実行する。CPU12は、ステップS2にて、第1の後処理が実行可能か否かを判定する。第1の後処理が実行可能であれば(YES)、CPU12は、ステップS3にて、第1の後処理を実行して、処理をステップS4に移行させる。ステップS2にて第1の後処理が実行可能でなければ(NO)、CPU12は処理をステップS4に移行させる。
【0048】
CPU12は、ステップS4にて、投入部品が配置された各材料の歩留まり率を算出し、ステップS5にて、歩留まり率最小の材料の歩留まり率UTLが80%未満であるか否かを判定する。UTLは変数である。歩留まり率UTLが80%未満でなければ(NO)、CPU12は処理を終了させる。
【0049】
歩留まり率UTLが80%未満であれば(YES)、CPU12は、
図13Bに示すステップS6にて、第2の後処理で使用可能な投入材料があるか否かを判定する。第2の後処理で使用可能な投入材料があれば(YES)、CPU12は、ステップS7にて、第2の後処理を実行する。第2の後処理で使用可能な投入材料がなければ(NO)、CPU12は処理をステップS13に移行させる。
【0050】
CPU12は、ステップS7に続けてステップS8にて、第2の後処理の対象の全ての投入部品を、第2の後処理で使用可能と判定された投入材料に配置可能であるか否かを判定する。第2の後処理の対象の全ての投入部品を投入材料に配置可能であれば(YES)、CPU12は、ステップS9にて、第2の後処理の対象の投入部品を配置した投入材料における平均歩留まり率UTLaveを算出する。UTLaveは変数である。ステップS8にて、第2の後処理の対象の全ての投入部品を投入材料に配置可能でなければ(NO)、CPU12は処理をステップS13に移行させる。
【0051】
ステップS8にて第2の後処理の対象の全ての投入部品を投入材料に配置可能でないと判定されるのは、
図14または
図15のような場合である。
図14は、第2の後処理で使用しようとする投入材料が投入部品よりも短い場合を示している。
図15は、一例として、投入部品を投入材料に10個配置しなければならないのに9個しか配置できず、全ての投入部品を投入材料に配置できない場合を示している。
【0052】
図13Bに戻り、CPU12は、ステップS10にて、平均歩留まり率UTLaveが歩留まり率UTLより大きいか否かを判定する。平均歩留まり率UTLaveが歩留まり率UTLより大きくなければ(NO)、歩留まり率最小の投入材料の歩留まり率UTLは改善していないということであり、CPU12は、処理をステップS6に戻して、ステップS6以降を繰り返す。
【0053】
CPU12は、歩留まり率最低材料より短い投入材料が複数存在する場合には、材料長さが長い材料から短い材料へと順に選択してステップS7の第2の後処理を実行する。よって、第2の後処理は、複数回実行されることがある。
【0054】
図16は、第2の後処理が複数回実行される場合の一例を示している。
図13AのステップS1における自動ネスティング及びステップS3における第1の後処理を実行した結果、材料名称MT−A及びMT−Bの材料が使用され、MT−Bの材料が歩留まり率最低材料であったとする。この場合、未使用の材料のうち、歩留まり率最低材料より短い材料名称MT−D、MT−E、MT−F、及びMT−Gの材料が第2の後処理で使用可能な投入材料となる。
【0055】
1回目の第2の後処理として、例えば材料名称MT−Dの材料が選択されて第2の後処理が実行される。平均歩留まり率UTLaveが歩留まり率UTLより大きくなければ、材料名称MT−Dの材料より短い材料名称MT−F及びMT−Gの材料が2回目の第2の後処理で使用可能な材料となる。
【0056】
2回目の第2の後処理として、材料名称MT−Fの材料が選択されて第2の後処理が実行される。平均歩留まり率UTLaveが歩留まり率UTLより大きくなければ、材料名称MT−Fの材料より短い材料名称MT−Gの材料が3回目の第2の後処理で使用可能な材料となる。3回目の第2の後処理として、材料名称MT−Gの材料が選択されて第2の後処理が実行される。
【0057】
図13Bに戻り、ステップS10にて平均歩留まり率UTLaveが歩留まり率UTLより大きければ(YES)、CPU12は、ステップS11にて、歩留まり率UTL(変数UTL)を平均歩留まり率UTLave(変数UTLave)に設定する。CPU12は、ステップS11に続けてステップS12にて、歩留まり率UTLが80%以上であるか否かを判定する。歩留まり率UTLが80%以上でなければ(NO)、CPU12は、処理をステップS6に戻して、ステップS6以降を繰り返す。
【0058】
ステップS12にて歩留まり率UTLが80%以上であれば(YES)、CPU12は、ステップS13にて、歩留まり率UTLがステップS5における歩留まり率UTLと同じであるか否かを判定する。第2の後処理で使用可能な投入材料がない場合、第2の後処理の対象の全ての投入部品を第2の後処理で使用可能と判定された投入材料に配置可能でない場合には、歩留まり率UTLはステップS5における歩留まり率UTLと同じとなる。
【0059】
歩留まり率UTLが80%以上であるときステップS13に移行させるのは、仮に第2の後処理で使用可能な投入材料が残っていたとしても、それ以上第2の後処理を実行する必要はないからである。ステップS13にて歩留まり率UTLがステップS5における歩留まり率UTLと同じであれば(YES)、CPU12は処理を終了させる。
【0060】
ステップS13にて歩留まり率UTLがステップS5における歩留まり率UTLと同じでなければ(NO)、歩留まり率最低材料の歩留まり率UTLが改善したということであり、CPU12は、ステップS14にて、第2の後処理を実行した状態を最終的なネスティングと決定して処理を終了させる。
【0061】
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。配置データ作成プログラムをインターネットまたは構内LAN等のネットワークを介してコンピュータ機器10に伝送してもよい。配置データ作成プログラムをコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶して、コンピュータ機器10に提供してもよい。
図1において、レーザビームを用いて材料を切断するレーザ加工機30の代わりに、鋸刃を用いて材料を切断する加工機であってもよい。
【解決手段】記憶部11は、各部品に関する情報として長さを含む複数の部品の部品データと、各材料に関する情報としての長さ及び所有する本数を含む複数の材料の材料データとを記憶している。配置データ作成部121は、複数の使用可能材料のうち最長の使用可能材料である第1の使用可能材料を選択して、第1の使用可能材料に各製作対象部品を配置するネスティングを実行する。配置データ作成部121は、第1の使用可能材料に配置された各製作対象部品の配置の状態を維持したまま、各製作対象部品を、複数の使用可能材料のうちの第1の使用可能材料よりも短い第2の使用可能材料に配置することができるときに、各製作対象部品を第2の使用可能材料に配置する第1の後処理を実行する。