(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記凹部は、前記対面部において前記円盤部材の径方向外側縁に周方向の全周に連続して設けられた切欠により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では、燃費向上に対応したエンジンの小規模化に伴い、排気タービン過給機においては小型化および高効率化が要求されている。そして、排気タービン過給機の出力において、低速域で軸受損失の割合が高い。このため、低速域での高効率化には軸受損失を低減することが有効である。低速域での軸受損失は、潤滑油の攪拌抵抗によることが考えられる。従って、潤滑油による軸受損失を低減することが望まれている。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、潤滑油による軸受損失を低減することのできる軸受装置および排気タービン過給機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明の軸受装置は、回転軸と、前記回転軸に設けられて前記回転軸を回転可能に支持するジャーナル軸受と、前記回転軸が延在する軸方向で前記ジャーナル軸受の側面部と間隔をおいて対面して配置される対面部を有する円盤部材と、前記側面部または前記対面部に設けられた凹部と、を備え、前記ジャーナル軸受の前記軸方向の投影面積において、側面部と対面部とで前記間隔をなす面積よりも、前記凹部を含んで前記間隔をなさない部分の面積が大きいことを特徴とする。
【0007】
この軸受装置によれば、軸方向の投影面積において、間隔をなす側面部の面積よりも凹部を含んで間隔をなさない面積が大きいため、当該凹部に潤滑油を受容することで、ジャーナル軸受の側面部とフランジ部の対面部との間の間隔に滞留する潤滑油量を低減できる。このため、間隔部分における潤滑油の攪拌抵抗が低下して軸受損失が低下する。この結果、回転軸の回転効率を向上することができる。
【0008】
また、本発明の軸受装置では、前記凹部は、前記側面部において前記ジャーナル軸受の径方向内縁に周方向で連続して設けられた切欠により形成されていることを特徴とする。
【0009】
この軸受装置によれば、凹部は、ジャーナル軸受の径方向内縁に周方向で連続して設けられた切欠により形成することができる。
【0010】
また、本発明の軸受装置では、前記凹部は、前記対面部において径方向に連続して設けられた溝が周方向に複数配置されて形成されていることを特徴とする。
【0011】
この軸受装置によれば、凹部は、対面部において径方向に連続して設けられた溝が周方向に複数配置されて形成することができる。
【0012】
また、本発明の軸受装置では、前記凹部は、前記対面部において前記円盤部材の径方向外側縁に周方向で連続して設けられた切欠により形成されていることを特徴とする。
【0013】
この軸受装置によれば、凹部は、対面部において円盤部材の径方向外側縁に周方向で連続して設けられた切欠により形成することができる。
【0014】
また、本発明の軸受装置では、前記凹部は、前記側面部において周方向で連続して設けられた溝により形成されていることを特徴とする。
【0015】
この軸受装置によれば、凹部は、側面部において周方向で連続して設けられた溝により形成することができる。
【0016】
上述の目的を達成するために、本発明の排気タービン過給機は、タービンと、コンプレッサと、前記タービンと前記コンプレッサとを同軸上に連結する回転軸と、前記タービンと前記コンプレッサと前記回転軸を収容するハウジングと、前記回転軸に設けられ前記ハウジングに収容されて前記回転軸を回転可能に支持するジャーナル軸受と、前記回転軸に設けられて前記回転軸が延在する軸方向で前記ジャーナル軸受の側面部と間隔をおいて対面して配置される対面部を有する円盤部材と、前記側面部または前記対面部に設けられた凹部と、上述したいずれか1つの軸受装置と、を備えることを特徴とする。
【0017】
この排気タービン過給機によれば、軸方向の投影面積において、間隔をなす側面部の面積よりも凹部を含んで間隔をなさない面積が大きいため、当該凹部に潤滑油を受容することで、ジャーナル軸受の側面部とフランジ部の対面部との間の間隔に滞留する潤滑油量を低減できる。このため、間隔部分における潤滑油の攪拌抵抗が低下して軸受損失が低下する。この結果、回転軸の回転効率が向上し、排気タービン過給機の効率を向上することができる。しかも、ハウジング側に潤滑油を受容する空間を設けることではないため、排気タービン過給機の小型化を維持することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、潤滑油による軸受損失を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0021】
図1は、本実施形態に係る排気タービン過給機の全体構成図である。
図2は、本実施形態に係る排気タービン過給機の軸受部分の拡大図である。
図3は、本実施形態に係る排気タービン過給機の軸受部分の拡大図である。
【0022】
図1に示す排気タービン過給機11は、主に、タービン12と、コンプレッサ13と、回転軸14と、により構成され、これらがハウジング15内に収容されている。
【0023】
ハウジング15は、内部が中空に形成され、タービン12の構成を収容する第一空間部S1をなすタービンハウジング15Aと、コンプレッサ13の構成を収容する第二空間部S2をなすコンプレッサカバー15Bと、回転軸14を収容する第三空間部S3をなすベアリングハウジング15Cと、を有する。ベアリングハウジング15Cの第三空間部S3は、タービンハウジング15Aの第一空間部S1とコンプレッサカバー15Bの第二空間部S2との間に位置している。
【0024】
回転軸14は、タービン12側の端部がタービン側軸受であるジャーナル軸受21により回転自在に支持され、コンプレッサ13側の端部がコンプレッサ側軸受であるジャーナル軸受22により回転自在に支持され、かつスラスト軸受23により回転軸14が延在する軸方向への移動を規制されている。また、回転軸14は、軸方向における一端部にタービン12のタービンディスク24が固定されている。タービンディスク24は、タービンハウジング15Aの第一空間部S1に収容され、外周部に軸流型をなす複数のタービン翼25が周方向に所定間隔で設けられている。さらに、回転軸14は、軸方向における他端部に、コンプレッサ13のコンプレッサ羽根車31が固定されており、コンプレッサ羽根車31は、コンプレッサカバー15Bの第二空間部S2に収容され、外周部に複数のブレード32が周方向に所定間隔で設けられている。
【0025】
また、タービンハウジング15Aは、タービン翼25に対して排気ガスの入口通路26と排気ガスの出口通路27が設けられている。そして、タービンハウジング15Aは、入口通路26とタービン翼25との間にタービンノズル28が設けられており、このタービンノズル28により静圧膨張された軸方向の排気ガス流が複数のタービン翼25に導かれることで、タービン12を駆動回転することができる。さらに、コンプレッサカバー15Bは、コンプレッサ羽根車31に対して空気取込口33と圧縮空気吐出口34が設けられている。そして、コンプレッサカバー15Bは、コンプレッサ羽根車31と圧縮空気吐出口34との間にディフューザ35が設けられている。コンプレッサ羽根車31により圧縮された空気は、ディフューザ35を通って排出される。
【0026】
このように構成された、排気タービン過給機11は、エンジン(図示せず)から排出された排ガスによりタービン12が駆動し、タービン12の回転が回転軸14に伝達されてコンプレッサ13が駆動し、このコンプレッサ13が燃焼用気体を圧縮してエンジンに供給する。従って、エンジンからの排気ガスは、排気ガスの入口通路26を通り、タービンノズル28により静圧膨張され、軸方向の排気ガス流が複数のタービン翼25に導かれることで、複数のタービン翼25が固定されたタービンディスク24を介してタービン12が駆動回転する。そして、複数のタービン翼25を駆動した排気ガスは、出口通路27から外部に排出される。一方、タービン12により回転軸14が回転すると、一体のコンプレッサ羽根車31が回転し、空気取込口33を通って空気が吸入される。吸入された空気は、コンプレッサ羽根車31で加圧されて圧縮空気となり、この圧縮空気は、ディフューザ35を通り、圧縮空気吐出口34からエンジンに供給される。
【0027】
また、排気タービン過給機11において、ベアリングハウジング15Cは、ジャーナル軸受21,22およびスラスト軸受23に潤滑油を供給する潤滑油供給通路40が設けられている。潤滑油供給通路40は、ベアリングハウジング15Cの上部に径方向に沿う第一供給通路41と、ベアリングハウジング15Cの上部に軸方向に沿う第二供給通路42と、ジャーナル軸受21に連通する第三供給通路43と、ジャーナル軸受22に連通する第四供給通路44と、スラスト軸受23に連通する第五供給通路45とから構成されている。第一供給通路41は、基端部が潤滑油タンク(図示略)に連結され、先端部が第二供給通路42の中間部に連通している。第三供給通路43は、基端部が第二供給通路42に連通し先端部がジャーナル軸受21に連通している。第四供給通路44は、基端部が第二供給通路42に連通し先端部がジャーナル軸受22に連通している。第五供給通路45は、基端部が第二供給通路42に連通し先端部がスラスト軸受23に連通している。
【0028】
ジャーナル軸受21,22は、
図1〜
図3に示すように、円筒形状に形成されている。ジャーナル軸受21,22は、ベアリングハウジング15Cにおいて第三空間部S3に設けられた支持部16がなす円柱状の空間に収容されている。各ジャーナル軸受21,22を支持する支持部16は、ジャーナル軸受21,22の間で第三空間部S3の下方に通じる通路16bが形成されている。
【0029】
ジャーナル軸受21は、
図2に示すように、外周面21bが支持部16の内面16aとの間で回転自在に支持され、内周面21cと回転軸14の外周面14aとの間で回転軸14を回転自在に支持する。ジャーナル軸受21は、外周面21bに向けて第三供給通路43の先端部が連通されている。さらに、ジャーナル軸受21は、外周面21bから内周面21cに貫通する通路21aが形成され、通路21aにより第三供給通路43から外周面21bに供給された潤滑油が内周面21cと回転軸14の外周面14aとの間に導かれる。従って、ジャーナル軸受21は、外周面21bと支持部16の内面16aとの間に供給された潤滑油により支持部16に回転自在に支持されると共に、内周面21cと回転軸14の外周面14aとの間に供給された潤滑油により回転軸14を回転自在に支持する。
【0030】
ここで、
図1に示すように、タービン12のタービンディスク24は、軸方向でジャーナル軸受21に隣接して配置されるようにコンプレッサ13側に突出するボス部24aが設けられている。ボス部24aは、円筒形状に形成され、回転軸14においてタービン12側の端部が段部14bを介して細径に形成された部分に嵌め入れられ、当該段部14bに当接して軸方向で位置決めされている。ボス部24aにおいて段部14bに当接する部分は、
図2に示すように、支持部16がなす円柱状の空間のタービン12側の開口を覆う円盤部材であり、軸方向でジャーナル軸受21の側面部21dと間隔Dをおいて対面して配置される対面部24aaを有する。また、ベアリングハウジング15Cは、ボス部24aの外周部に排油空間室47が形成されている。また、タービン12のタービンディスク24は、軸方向でボス部24aとタービンディスク24との間にシール部24bが形成されている。シール部24bは、ベアリングハウジング15Cとの間にシール部を形成する。
【0031】
ジャーナル軸受21において、外周面21b側および内周面21c側に供給された潤滑油は、コンプレッサ13側では、支持部16の通路16bから第三空間部S3の下方へ流れる。一方、ジャーナル軸受21において、外周面21b側および内周面21c側に供給された潤滑油は、タービン12側では、側面部21d側に流れ、対面するボス部24aの対面部24aaにおいて回転軸14の回転の遠心力により径方向外側に送られてボス部24aの外周部の排油空間室47に至り、当該排油空間室47から第三空間部S3の下方へ流れる。
【0032】
ジャーナル軸受22は、
図3に示すように、外周面22bが支持部16の内面16aとの間で回転自在に支持され、内周面22cと回転軸14の外周面14aとの間で回転軸14を回転自在に支持する。ジャーナル軸受22は、外周面22bに向けて第四供給通路44の先端部が連通されている。さらに、ジャーナル軸受22は、外周面22bから内周面22cに貫通する通路22aが形成され、通路22aにより第四供給通路44から外周面22bに供給された潤滑油が内周面22cと回転軸14の外周面14aとの間に導かれる。従って、ジャーナル軸受22は、外周面22bと支持部16の内面16aとの間に供給された潤滑油により支持部16に回転自在に支持されると共に、内周面22cと回転軸14の外周面14aとの間に供給された潤滑油により回転軸14を回転自在に支持する。
【0033】
スラスト軸受23は、
図1に示すように、回転軸14の軸方向でジャーナル軸受22に隣接してコンプレッサ13側に配置されている。スラスト軸受23は、
図3に示すように、回転軸14が挿通される挿通穴23aを有して板状に形成され、ベアリングハウジング15Cに固定されている。スラスト軸受23は、スラストリング17およびスラストスリーブ18を介して回転軸14の軸方向の移動を規制する。
【0034】
スラストリング17は、
図3に示すように、ボス部17aおよびフランジ部17bを有する。ボス部17aは、円筒状に形成され、回転軸14においてコンプレッサ13側の端部が段部14bを介して細径に形成された部分に嵌め入れられ、当該段部14bに当接して軸方向で位置決めされており、スラスト軸受23の挿通穴23aに回転軸14と共に挿通される。フランジ部17bは、ボス部17aにおいて段部14bに当接する部分で径方向外側に突出した円盤部材であり、軸方向でジャーナル軸受22側のスラスト軸受23の板面23cに対面して配置される一方の対面部17baと、軸方向でジャーナル軸受22の側面部22dと間隔Dをおいて対面して配置される他方の対面部17bbと、を有する。
【0035】
スラストスリーブ18は、
図3に示すように、ボス部18aおよびフランジ部18bを有する。ボス部18aは、円筒状に形成され、回転軸14においてコンプレッサ13側の端部の細径に形成された部分に嵌め入れられ、スラストリング17におけるボス部17aのコンプレッサ13側の端面に当接して軸方向で位置決めされている。フランジ部18bは、ボス部18aにおいてスラストリング17のボス部17aに当接する部分で径方向外側に突出した円盤部材であり、軸方向でコンプレッサ13側のスラスト軸受23の板面23dに対面して配置される一方の対面部18baと、軸方向でコンプレッサ13側からスラスト軸受23側に向く油溜空間19aを形成する油溜部19に対面して配置される他方の対面部18bbと、を有する。油溜部19は、油溜空間19aの下方が開放して第三空間部S3の下方に通じるように形成されている。
【0036】
すなわち、スラストリング17およびスラストスリーブ18は、それぞれフランジ部17b,18bの一方の対面部17ba,18baの間にスラスト軸受23を挟むように配置される。このため、スラスト軸受23は、スラストリング17およびスラストスリーブ18を介して回転軸14の軸方向の移動を規制する。
【0037】
また、スラスト軸受23は、通路23bが形成されている。通路23bは、基端部が第五供給通路45の先端部に連通し、先端部が挿通穴23aに連通している。このため、第五供給通路45から通路23bを介して挿通穴23aに供給された潤滑油は、スラスト軸受23の各板面23c,23dとフランジ部17b,18bのそれぞれの対面部17ba,18baの間に導かれる。従って、スラスト軸受23は、対面部17ba,18baの間で回転軸14の軸方向の移動を規制しつつ、フランジ部17b,18bのそれぞれの対面部17ba,18baとの間に供給された潤滑油により対面部17ba,18baとの摩擦抵抗を低減される。
【0038】
スラスト軸受23において、スラストスリーブ18のフランジ部18bの対面部18ba側では、潤滑油は、回転軸14の回転の遠心力により径方向外側に送られ、一部がフランジ部18bの外周部を伝わってフランジ部18bの下側にて第三空間部S3の下方へ流れ、一部が油溜部19の油溜空間19aに至る。油溜部19は、油溜部19の下側にて延出する舌片19bを有し、油溜空間19aは、回転軸14の周囲に沿って形成され、かつ舌片19bを介して第三空間部S3の下方に通じている。従って、油溜空間19aに至った潤滑油は、舌片19bを伝って第三空間部S3の下方へ流れる。一方、スラストリング17のフランジ部17bの対面部17ba側では、潤滑油は、回転軸14の回転の遠心力により径方向外側に送られる。フランジ部17bの外周部は、ベアリングハウジング15Cとの間に隙間48が形成され、当該隙間48は、第三空間部S3の下方に通じている。従って、対面部17ba側で径方向外側に送られた潤滑油は、隙間48を通じて第三空間部S3の下方へ流れる。
【0039】
また、スラスト軸受23に隣接するジャーナル軸受22において、外周面22b側および内周面22c側に供給された潤滑油は、タービン12側では、支持部16の通路16bから第三空間部S3の下方へ流れる。一方、スラスト軸受23に隣接するジャーナル軸受22において、外周面22b側および内周面22c側に供給された潤滑油は、スラスト軸受23側では、側面部22d側に流れ、対面するスラストリング17のフランジ部17bの対面部17bbにおいて回転軸14の回転の遠心力により径方向外側に送られて隙間48を通じて第三空間部S3の下方へ流れる。
【0040】
なお、図には明示しないが、ハウジング15のベアリングハウジング15Cは、第三空間部S3の下方に潤滑油排出管の基端部が連結されている。潤滑油排出管は、先端部がオイルパンに連結されている。オイルパンは、潤滑油供給通路40の第一供給通路41が連結された潤滑油タンクに潤滑油循環ラインで接続されている。潤滑油循環ラインは、オイルポンプとオイルフィルタが介在されており、オイルポンプによりオイルフィルタで不純物が濾過された潤滑油をオイルパンから潤滑油循環ラインを介して潤滑油タンクに送る。そして、この潤滑油タンクから第一供給通路41に潤滑油が供給される。
【0041】
以下、本実施形態における軸受装置について
図4〜
図13を参照して説明する。本実施形態の軸受装置は、上述したジャーナル軸受21,22の側面部21d,22dや、当該ジャーナル軸受22に軸方向で隣接するスラスト軸受23のスラストリング17におけるフランジ部(円盤部材)17bの他方の対面部17bbや、ジャーナル軸受21に軸方向で隣接するタービン12のタービンディスク24におけるボス部(円盤部材)24aの対面部24aaに係る。
【0042】
図4は、本実施形態に係る軸受装置の一例を示す拡大図である。
図5は、
図4におけるA−A矢視図である。
【0043】
図4に示すように、ジャーナル軸受22において軸方向でスラスト軸受23側に向く側面部22dと、スラスト軸受23のスラストリング17においてフランジ部(円盤部材)17bの他方の対面部17bbとは、軸方向で対面し、相互の間に間隔Dをおいて配置される。そして、ジャーナル軸受22は、側面部22dに凹部22eが形成されている。凹部22eは、
図4に示すように、側面部22dにおいてジャーナル軸受22の径方向内縁に周方向で連続して径方向および軸方向にて斜めに三角形状に切り取られて設けられた切欠により形成されている。また、凹部22eは、図には明示しないが、側面部22dにおいてジャーナル軸受22の径方向内縁に周方向で連続して径方向および軸方向とで矩形状に切り取られて設けられた切欠により形成されてもよい。また、凹部22eは、図には明示しないが、側面部22dにおいてジャーナル軸受22の径方向内縁に周方向で断続して設けられた複数の溝であってもよい。このように形成された凹部22eにより、ジャーナル軸受22とフランジ部17bとの間の寸法が間隔Dの部分よりも大きくなる。
【0044】
そして、
図5に示すように、ジャーナル軸受22の軸方向の投影面積(ジャーナル軸受22の外周面22bと内周面22cとの間の面積)において、
図5において網掛部で示す間隔Dをなす側面部22dの面積V1よりも、凹部22eを含んで間隔Dをなさない
図5において網掛部のない面積V2が大きい。
【0045】
上述したように、
図3に示すように、ジャーナル軸受22において、外周面22b側および内周面22c側に供給された潤滑油は、スラスト軸受23側では、側面部22d側に流れ、対面する対面部17bbにおいて回転軸14の回転の遠心力により径方向外側に送られて隙間48を通じて第三空間部S3の下方へ流れるが、隙間48に潤滑油が満ちた場合は間隔Dの部分に潤滑油が滞留するため、滞留した潤滑油の攪拌抵抗により軸受損失が生じて回転軸14の回転効率が低下し、さらに排気タービン過給機11の効率が低下することになる。
【0046】
この問題に対し、本実施形態の軸受装置によれば、軸方向の投影面積において、間隔Dをなす側面部22dの面積V1よりも凹部22eを含んで間隔Dをなさない面積V2が大きいため、当該凹部22eに潤滑油を受容することで、ジャーナル軸受22の側面部22dとフランジ部17bの対面部17bbとの間の間隔Dに滞留する潤滑油量を低減できる。このため、間隔D部分における潤滑油の攪拌抵抗が低下して軸受損失が低下する。この結果、回転軸14の回転効率が向上し、排気タービン過給機11の効率を向上することができる。しかも、ハウジング15側に潤滑油を受容する空間を設けることではないため、排気タービン過給機11の小型化を維持することができる。
【0047】
なお、
図4に示すように、凹部22eは、ジャーナル軸受22の軸方向の両側の側面部に同様に形成されている。これにより、対称形状として、製造を容易にすると共に、組み立て時での向きの間違いをなくす組み立て性の向上に寄与する。
【0048】
また、
図4および
図5を参照した説明において、ジャーナル軸受22の側面部22dに凹部22eを形成した例を示したが、これに限らない。例えば、図には明示しないが、ジャーナル軸受21において軸方向でタービン12側に向く側面部21dに同様な凹部を形成してもよい。
【0049】
図6は、本実施形態に係る軸受装置の一例を示す拡大図である。
図7は、
図6におけるB−B矢視図である。
【0050】
図6に示すように、ジャーナル軸受22において軸方向でスラスト軸受23側に向く側面部22dと、スラスト軸受23のスラストリング17においてフランジ部(円盤部材)17bの他方の対面部17bbとは、軸方向で対面し、相互の間に間隔Dをおいて配置される。そして、スラストリング17は、フランジ部17bの対面部17bbに凹部17bcが形成されている。凹部17bcは、
図6および
図7に示すように、対面部17bbにおいてフランジ部17bの径方向に連続し、周方向に複数並んで設けられた複数の溝により形成されている。また、凹部17bcをなす溝の断面形状は、矩形状、三角形状、半円形状など様々であってよい。このように形成された凹部17bcにより、ジャーナル軸受22とフランジ部17bとの間の寸法が間隔Dの部分よりも大きくなる。なお、
図6において、ジャーナル軸受22は、側面部22dにおいてジャーナル軸受22の径方向内縁に周方向で連続して径方向および軸方向にて斜めに三角形状に切り取られて設けられた切欠22fが形成されている。
【0051】
そして、
図7に示すように、ジャーナル軸受22の軸方向の投影面積(二点鎖線で示すジャーナル軸受22の外周面22bと内周面22cとの間の面積)において、
図7において網掛部で示す間隔Dをなす側面部22dの面積V1よりも、凹部17bc(切欠22f)を含んで間隔Dをなさない
図7において網掛部のない面積V2が大きい。
【0052】
上述したように、
図3に示すように、ジャーナル軸受22において、外周面22b側および内周面22c側に供給された潤滑油は、スラスト軸受23側では、側面部22d側に流れ、対面する対面部17bbにおいて回転軸14の回転の遠心力により径方向外側に送られて隙間48を通じて第三空間部S3の下方へ流れるが、隙間48に潤滑油が満ちた場合は間隔Dの部分に潤滑油が滞留するため、滞留した潤滑油の攪拌抵抗により軸受損失が生じて回転軸14の回転効率が低下し、さらに排気タービン過給機11の効率が低下することになる。
【0053】
この問題に対し、本実施形態の軸受装置によれば、軸方向の投影面積において、間隔Dをなす側面部22dの面積V1よりも凹部17bc(切欠22f)を含んで間隔Dをなさない面積V2が大きいため、当該凹部17bcに潤滑油を受容することで、ジャーナル軸受22の側面部22dとフランジ部17bの対面部17bbとの間の間隔Dに滞留する潤滑油量を低減できる。このため、間隔D部分における潤滑油の攪拌抵抗が低下して軸受損失が低下する。この結果、回転軸14の回転効率が向上し、排気タービン過給機11の効率を向上することができる。しかも、ハウジング15側に潤滑油を受容する空間を設けることではないため、排気タービン過給機11の小型化を維持することができる。
【0054】
また、
図6および
図7を参照した説明において、スラスト軸受23のスラストリング17におけるフランジ部(円盤部材)17bの他方の対面部17bbに凹部17bcを形成した例を示したが、これに限らない。例えば、図には明示しないが、ジャーナル軸受21の側面部21dに対面するボス部(円盤部材)24aの対面部24aaに同様な凹部を形成してもよい。
【0055】
図8は、本実施形態に係る軸受装置の一例を示す拡大図である。
図9は、
図8におけるC−C矢視図である。
【0056】
図8および
図9に示す軸受装置は、
図6および
図7に示す上述した軸受装置の凹部17bcをなす溝が、周方向に湾曲して形成されたものである。
【0057】
すなわち、
図8に示すように、ジャーナル軸受22において軸方向でスラスト軸受23側に向く側面部22dと、スラスト軸受23のスラストリング17においてフランジ部(円盤部材)17bの他方の対面部17bbとは、軸方向で対面し、相互の間に間隔Dをおいて配置される。そして、スラストリング17は、フランジ部17bの対面部17bbに凹部17bcが形成されている。凹部17bcは、
図8および
図9に示すように、対面部17bbにおいてフランジ部17bの径方向に連続しつつ周方向で湾曲し、周方向に複数並んで設けられた複数の溝により形成されている。また、凹部17bcをなす溝の断面形状は、矩形状、三角形状、半円形状など様々であってよい。このように形成された凹部17bcにより、ジャーナル軸受22とフランジ部17bとの間の寸法が間隔Dの部分よりも大きくなる。なお、
図8において、ジャーナル軸受22は、側面部22dにおいてジャーナル軸受22の径方向内縁に周方向で連続して径方向および軸方向にて斜めに三角形状に切り取られて設けられた切欠22fが形成されている。
【0058】
そして、
図9に示すように、ジャーナル軸受22の軸方向の投影面積(二点鎖線で示すジャーナル軸受22の外周面22bと内周面22cとの間の面積)において、
図9において網掛部で示す間隔Dをなす側面部22dの面積V1よりも、凹部17bc(切欠22f)を含んで間隔Dをなさない
図9において網掛部のない面積V2が大きい。
【0059】
上述したように、
図3に示すように、ジャーナル軸受22において、外周面22b側および内周面22c側に供給された潤滑油は、スラスト軸受23側では、側面部22d側に流れ、対面する対面部17bbにおいて回転軸14の回転の遠心力により径方向外側に送られて隙間48を通じて第三空間部S3の下方へ流れるが、隙間48に潤滑油が満ちた場合は間隔Dの部分に潤滑油が滞留するため、滞留した潤滑油の攪拌抵抗により軸受損失が生じて回転軸14の回転効率が低下し、さらに排気タービン過給機11の効率が低下することになる。
【0060】
この問題に対し、本実施形態の軸受装置によれば、軸方向の投影面積において、間隔Dをなす側面部22dの面積V1よりも凹部17bc(切欠22f)を含んで間隔Dをなさない面積V2が大きいため、当該凹部17bcに潤滑油を受容することで、ジャーナル軸受22の側面部22dとフランジ部17bの対面部17bbとの間の間隔Dに滞留する潤滑油量を低減できる。このため、間隔D部分における潤滑油の攪拌抵抗が低下して軸受損失が低下する。この結果、回転軸14の回転効率が向上し、排気タービン過給機11の効率を向上することができる。しかも、ハウジング15側に潤滑油を受容する空間を設けることではないため、排気タービン過給機11の小型化を維持することができる。
【0061】
また、
図8および
図9を参照した説明において、スラスト軸受23のスラストリング17におけるフランジ部(円盤部材)17bの他方の対面部17bbに凹部17bcを形成した例を示したが、これに限らない。例えば、図には明示しないが、ジャーナル軸受21の側面部21dに対面するボス部(円盤部材)24aの対面部24aaに同様な凹部を形成してもよい。
【0062】
図10は、本実施形態に係る軸受装置の一例を示す拡大図である。
図11は、
図10におけるD−D矢視図である。
【0063】
図10に示すように、ジャーナル軸受22において軸方向でスラスト軸受23側に向く側面部22dと、スラスト軸受23のスラストリング17においてフランジ部(円盤部材)17bの他方の対面部17bbとは、軸方向で対面し、相互の間に間隔Dをおいて配置される。そして、スラストリング17は、フランジ部17bの対面部17bbに凹部17bdが形成されている。凹部17bdは、
図10および
図11に示すように、対面部17bbにおいてフランジ部17bの径方向外側縁で開口しつつ周方向に連続して設けられた円環状の切欠により形成されている。また、凹部17bdをなす切欠の底面形状は、平坦矩形状、湾曲形状、凹凸形状など様々であってよい。このように形成された凹部17bdにより、ジャーナル軸受22とフランジ部17bとの間の寸法が間隔Dの部分よりも大きくなる。なお、
図10において、ジャーナル軸受22は、側面部22dにおいてジャーナル軸受22の径方向内縁に周方向で連続して径方向および軸方向にて斜めに三角形状に切り取られて設けられた切欠22fが形成されている。
【0064】
そして、
図11に示すように、ジャーナル軸受22の軸方向の投影面積(二点鎖線で示すジャーナル軸受22の外周面22bと内周面22cとの間の面積)において、
図11において網掛部で示す間隔Dをなす側面部22dの面積V1よりも、凹部17bd(切欠22f)を含んで間隔Dをなさない
図11において網掛部のない面積V2が大きい。
【0065】
上述したように、
図3に示すように、ジャーナル軸受22において、外周面22b側および内周面22c側に供給された潤滑油は、スラスト軸受23側では、側面部22d側に流れ、対面する対面部17bbにおいて回転軸14の回転の遠心力により径方向外側に送られて隙間48を通じて第三空間部S3の下方へ流れるが、隙間48に潤滑油が満ちた場合は間隔Dの部分に潤滑油が滞留するため、滞留した潤滑油の攪拌抵抗により軸受損失が生じて回転軸14の回転効率が低下し、さらに排気タービン過給機11の効率が低下することになる。
【0066】
この問題に対し、本実施形態の軸受装置によれば、軸方向の投影面積において、間隔Dをなす側面部22dの面積V1よりも凹部17bd(切欠22f)を含んで間隔Dをなさない面積V2が大きいため、当該凹部17bdに潤滑油を受容することで、ジャーナル軸受22の側面部22dとフランジ部17bの対面部17bbとの間の間隔Dに滞留する潤滑油量を低減できる。このため、間隔D部分における潤滑油の攪拌抵抗が低下して軸受損失が低下する。この結果、回転軸14の回転効率が向上し、排気タービン過給機11の効率を向上することができる。しかも、ハウジング15側に潤滑油を受容する空間を設けることではないため、排気タービン過給機11の小型化を維持することができる。
【0067】
また、
図10および
図11を参照した説明において、スラスト軸受23のスラストリング17におけるフランジ部(円盤部材)17bの他方の対面部17bbに凹部17bdを形成した例を示したが、これに限らない。例えば、図には明示しないが、ジャーナル軸受21の側面部21dに対面するボス部(円盤部材)24aの対面部24aaに同様な凹部を形成してもよい。
【0068】
図12は、本実施形態に係る軸受装置の一例を示す拡大図である。
図13は、
図12におけるE−E矢視図である。
【0069】
図12に示すように、ジャーナル軸受22において軸方向でスラスト軸受23側に向く側面部22dと、スラスト軸受23のスラストリング17においてフランジ部(円盤部材)17bの他方の対面部17bbとは、軸方向で対面し、相互の間に間隔Dをおいて配置される。そして、ジャーナル軸受22は、側面部22dに凹部22gが形成されている。凹部22gは、
図12および
図13に示すように、側面部22dの径方向の途中において周方向で連続して形成された円環状の溝により形成されている。また、凹部22gは、図には明示しないが、円環状の溝が径方向で複数設けられていてもよい。このように形成された凹部22gにより、ジャーナル軸受22とフランジ部17bとの間の寸法が間隔Dの部分よりも大きくなる。
【0070】
そして、
図13に示すように、ジャーナル軸受22の軸方向の投影面積(ジャーナル軸受22の外周面22bと内周面22cとの間の面積)において、
図13において網掛部で示す間隔Dをなす側面部22dの面積V1よりも、凹部22g(切欠22f)を含んで間隔Dをなさない
図13において網掛部のない面積V2が大きい。
【0071】
上述したように、
図3に示すように、ジャーナル軸受22において、外周面22b側および内周面22c側に供給された潤滑油は、スラスト軸受23側では、側面部22d側に流れ、対面する対面部17bbにおいて回転軸14の回転の遠心力により径方向外側に送られて隙間48を通じて第三空間部S3の下方へ流れるが、隙間48に潤滑油が満ちた場合は間隔Dの部分に潤滑油が滞留するため、滞留した潤滑油の攪拌抵抗により軸受損失が生じて回転軸14の回転効率が低下し、さらに排気タービン過給機11の効率が低下することになる。
【0072】
この問題に対し、本実施形態の軸受装置によれば、軸方向の投影面積において、間隔Dをなす側面部22dの面積V1よりも凹部22g(切欠22f)含んで間隔Dをなさない面積V2が大きいため、当該凹部22gに潤滑油を受容することで、ジャーナル軸受22の側面部22dとフランジ部17bの対面部17bbとの間の間隔Dに滞留する潤滑油量を低減できる。このため、間隔D部分における潤滑油の攪拌抵抗が低下して軸受損失が低下する。この結果、回転軸14の回転効率が向上し、排気タービン過給機11の効率を向上することができる。しかも、ハウジング15側に潤滑油を受容する空間を設けることではないため、排気タービン過給機11の小型化を維持することができる。
【0073】
なお、
図12に示すように、凹部22gは、ジャーナル軸受22の軸方向の両側の側面部に同様に形成されている。これにより、対称形状として、製造を容易にすると共に、組み立て時での向きの間違いをなくす組み立て性の向上に寄与する。
【0074】
また、
図12および
図13を参照した説明において、ジャーナル軸受22の側面部22dに凹部22gを形成した例を示したが、これに限らない。例えば、図には明示しないが、ジャーナル軸受21において軸方向でタービン12側に向く側面部21dに同様な凹部を形成してもよい。