(54)【発明の名称】電位作動型ナトリウムチャネルにおいて選択的活性を有する、ヒドロキシアルキルアミンおよびヒドロキシシクロアルキルアミンで置換されたジアミン−アリールスルホンアミド化合物
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
4−[(4−{[(2S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
4−({4−[3−(アミノメチル)−3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル]ブチル}アミノ)−5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−({4−[3−(アミノメチル)−3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル]ブチル}アミノ)−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−[(4−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−3−イル)メチル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−メチルベンゼンスルホンアミド;
5−ブロモ−2−フルオロ−4−[(4−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−3−イル)メチル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(2R)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]−アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イル−ベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(2S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]−アミノ}ブチル)アミノ]−5−ブロモ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イル−ベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(2R)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]−アミノ}−ブチル)アミノ]−5−ブロモ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イル−ベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]−アミノ}−ブチル)アミノ]−5−ブロモ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イル−ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−3−イル)メチル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−(4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−3−イル)メチル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−{[(3R,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−{[4−({3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]プロピル}アミノ)ブチル]アミノ}−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−{[4−({2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル}アミノ)ブチル]アミノ}−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
4−({4−[(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)アミノ]ブチル}アミノ)−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−[(4−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−3−イル)−メチル]アミノ}ブチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−{[(3S,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−{[4−({2−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−アミノ]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)ブチル]アミノ}ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−{[4−({2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−エチル}アミノ)ブチル]アミノ}ベンゼンスルホンアミド;
4−({4−[(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)アミノ]ブチル}アミノ)−5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−({4−[7−(ヒドロキシメチル)−1,4−ジアゼパン−1−イル]ブチル}アミノ)−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−({4−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1,4−ジアゼパン−1−イル]ブチル}アミノ)−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−({4−[2−(ヒドロキシメチル)−1,4−ジアゼパン−1−イル]ブチル}アミノ)−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−{[4−(6−ヒドロキシ−6−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)ブチル]アミノ}−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−({4−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1,4−ジアゼパン−1−イル]ブチル}アミノ)−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−[(4−{[(3S,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]アミノ}ブチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(2R)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(2S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−{[(3R,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−[(4−{[(3R,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]アミノ}ブチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−{[4−({[(2S,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)ブチル]アミノ}ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−{[4−({[(2S,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)ブチル]アミノ}ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−{[4−({[(2R,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)ブチル]アミノ}ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−{[4−({[(2R,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)ブチル]アミノ}ベンゼンスルホンアミド;
5−ブロモ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−[(4−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−3−イル)メチル]アミノ}ブチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−{[(3R,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
4−({4−[(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)アミノ]ブチル}アミノ)−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−3−イル)メチル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(2R)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(2S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−{[(3R,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(1S)−3−アミノ−1−(ヒドロキシメチル)プロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(1S)−3−アミノ−1−(ヒドロキシメチル)プロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(1S)−3−アミノ−1−(ヒドロキシメチル)プロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(1S)−2−アミノ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(1S)−2−アミノ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(1S)−2−アミノ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−{[(3S,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(1R)−2−アミノ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(1R)−2−アミノ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
5−ブロモ−2−フルオロ−4−((4−(6−ヒドロキシ−1,4−ジアゼパン−1−イル)ブチル)アミノ)−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド;
5−ブロモ−2−フルオロ−4−((4−(((3S,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル)アミノ)ブチル)アミノ)−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド;
5−ブロモ−2−フルオロ−4−((4−(((3R,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル)アミノ)ブチル)アミノ)−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−((4−(3−(アミノメチル)−3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)ブチル)アミノ)−5−ブロモ−2−フルオロ−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(1R)−2−アミノ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;もしくは
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−{[(4−ヒドロキシ−4−メチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}ブチル)−アミノ]−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミドである化合物、または薬学的に許容されるその塩。
加えて、(i)オピオイドアゴニストもしくはアンタゴニスト;(ii)カルシウムチャネルアンタゴニスト;(iii)NMDA受容体アゴニストもしくはアンタゴニスト;(iv)COX−2選択的阻害剤;(v)NSAID(非ステロイド性抗炎症薬);または(vi)パラセタモール(APAP、アセトアミノフェン)である有効量の少なくとも1つの他の薬学的活性成分、および薬学的に許容される担体を含む、請求項16の医薬組成物。
疼痛障害、咳嗽または急性掻痒もしくは慢性掻痒障害の治療の必要がある対象において治療的応答を提供するために十分な量の請求項1から15のいずれかの前記化合物または薬学的に許容されるその塩を提供する、請求項16または請求項17のいずれかの組成物。
【背景技術】
【0001】
電位作動型ナトリウムチャネルは、電気的興奮性細胞、例えばニューロンおよび筋肉などにおける活動電位の開始および伝播において中心的な役割を果たすものであり、例えばYu and Catterall,Genome Biology 4:207(2003)およびその中の参考文献を参照されたい。電位作動型ナトリウムチャネルは、イオン伝導性の水性ポアを包含し、チャネルの本質的特徴部位であるアルファ−サブユニット、ならびにチャネル開閉の動態および電圧依存性を改変する少なくとも1つのベータ−サブユニットを特徴とする多量体複合体である。これらの構造体は、それらが活動電位の開始および伝播において中心的な役割を果たす中枢神経系および末梢神経系において、ならびにまた活動電位が細胞収縮を誘発する骨格筋および心筋において、広範に分布する(Goldin,Ann NY Acad Sci. 30;868:38−50(1999)を参照されたい)。
【0002】
感覚ニューロンはまた、末梢、例として皮膚、筋肉および関節から中枢神経系(脊髄)に情報を伝達することにも関与する。ナトリウムチャネルは、ナトリウムチャネル活性が末梢の侵害受容器(nocipceptor)を活性化する侵害刺激(熱的、機械的および化学的なもの)により誘発される活動電位の開始および伝播に必要とされることから、このプロセスに必須である。
【0003】
9つの異なるアルファ−サブユニットが、哺乳動物電位作動型ナトリウムチャネルにおいて同定され、特性が明らかにされている。これらの構造体は、現在認められている命名慣行に従ってNa
v1.Xナトリウムチャネル(X=1から9)と呼ばれており、これは、それらのイオン選択性(Na)、生理学的調節因子(「v」、電位、すなわち電圧)およびそれらをコードする遺伝子サブファミリー(1.)を、構造体内に存在するアルファサブユニットに割り当てられる数識別子X(1から9)で指定するものである(Aoldin et al.,Neuron,28:365−368(2000)を参照されたい)。Na
v1.7電位作動型ナトリウムイオンチャネル(本明細書中で、いくつかの例において便宜上「Nav1.7チャネル」と呼ばれる)は、主に、感覚ニューロンおよび交感神経ニューロンにおいて発現しており、様々な病気、例えば侵害受容、咳嗽および掻痒において役割を果たすと、とりわけ炎症性疼痛知覚において中心的役割を持つと思われる(Wood et al. J.Neurobiol. 61:pp55−71(2004)、Nassar et al.,Proc.Nat.Acad.Sci. 101(34):pp12706−12711(2004)、Klinger et.al.,Molecular Pain,8:69(2012)を参照されたく、Devigili et.al.,Pain,155(9);pp1702−7(2014)、Lee et.al.,Cell,157:1−12(2014)、Muroi et.al.,Lung,192:15−20(2014)、Muroi et.al.,Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol 304:R1017−R1023(2013)を参照されたい)。
【0004】
NaV1.7における機能喪失型変異は先天性無痛症(CIP)を導き、患者は種々の侵害刺激に対する痛覚の欠如を呈する(Goldberg et al.,Clinical Genetics,71(4):311−319(2007))。NaV1.7、NaV1.8およびNaV1.9における機能獲得型変異は種々の疼痛症候群において現れ、患者は外部刺激を伴わない疼痛を経験する(Fischer and Waxman,Annals of the New York Academy of Sciences,1184:196−207(2010)、Faber et al.,PNAS 109(47):19444−19449)(2012)、Zhang et al.,American Journal of Human Genetics,93(5):957−966(2013))。
【0005】
したがって、Na
v1.7電位作動型ナトリウムイオンチャネルを遮断するように相互作用する剤の同定および投与は、Na
v1.7受容体が関係する障害、例えば、限定されるものではないが、上で言及される症状(急性疼痛、術前疼痛、周術期疼痛、術後疼痛、神経障害性疼痛、咳嗽または掻痒障害、同様にNa
v1.7電位作動型ナトリウムイオンチャネルの機能障害に特異的に由来する障害、Clare et al.,Drug Discovery Today,5:pp506−520(2000)を参照されたい)のための処置または治療を提供し得る合理的アプローチを代表するものと思われる。
【0006】
神経障害性疼痛のヒト患者において、同様に動物モデルにおいて、一次求心性感覚ニューロンへのダメージが神経腫形成および自発性活性を、同様に通常は無害である刺激に応答した誘発性活性を導き得ることが示されている[Carter,G.T. and Galer,B.S.,Advances in the Management of Neuropathic Pain,Physical Medicine and Rehabilitation Clinics of North America,2001,12(2):pp447から459]。末梢神経系の損傷は、しばしば、最初の損傷が回復した後に長く続く神経障害性疼痛をもたらす。神経障害性疼痛の例としては、例えば、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、糖尿病性神経障害、慢性腰痛、幻肢痛、がんおよび化学療法から生じる疼痛、慢性骨盤痛、複合性局所疼痛症候群および関連の神経痛が挙げられる。通常はサイレントである感覚ニューロンの異所性活性は、神経障害性疼痛の発生および維持に寄与すると考えられており、これは一般に、損傷を受けた神経におけるナトリウムチャネル活性の増大に関連すると想定されている[Baker,M.D. and Wood,J.N.,Involvement of Na Channels in Pain Pathways,TRENDS is Pharmacological Sciences,2001,22(1):pp27から31]。
【0007】
侵害受容は生存に不可欠であり、しばしば保護機能として働く。しかしながら、外科的手法に関連した疼痛およびその疼痛を緩和するための現在の治療は、外科手術後の回復を遅らせ、入院期間を増加させ得る。外科患者のうちの80%もが術後疼痛を経験し、これは末梢神経へのダメージおよびその後の炎症といった組織ダメージの結果として起こるものである。さらには、神経のダメージはいったん創傷が治癒すると持続性の神経障害性疼痛をもたらすため、外科患者のうちの10〜50%は外科手術後の慢性疼痛を罹患する(Meissner et al.,Current Medical Research and Opinion,31(11):2131−2143(2015))。
【0008】
咳嗽は、患者がそのためにその一次医療の医師の診察を受ける最も蔓延した徴候の1つであり;慢性咳嗽は、例えばその集団の約40%が罹患するものと推定される。咳嗽反射の基本メカニズムは複雑であり、気道感覚神経の活性化により開始されるイベントのアレイを伴うものであって、これは気道の努力呼出を物理的にもたらす。この保護的反射は外来物質および気道からの分泌物を除去するために必要であるが、慢性の非保護的な咳嗽はクオリティ・オブ・ライフに対して劇的な負の影響をもたらす(Nasra et. al.,Pharmacology & Therapeutics,124(3):354−375(2009)を参照されたい)。
【0009】
咳嗽の徴候は、普通の感冒、アレルギー性および血管運動性の鼻炎、急性および慢性の細菌性副鼻腔炎、慢性閉塞性肺疾患の増悪、ボルデテラ・パータシス(Bordetella pertussis)感染症、喘息、後鼻漏症候群、胃食道逆流症、好酸球性および慢性の気管支炎ならびにアンジオテンシン変換酵素阻害剤から起こり得るものであり、咳嗽は分類上急性、亜急性または慢性として記載され、それぞれ3週間未満、3から8週間、および8週間より長い期間持続する(Irwin et. al.,The New England Journal of Medicine,343(23):1715−1721(2000)を参照されたい)。
【0010】
咳嗽の処置のための現在の標準治療は、中枢および末梢に作用する抑制剤、例えばそれぞれオピオイドおよび局所麻酔薬などからなり、これらは両方とも副作用により用量制限がある(Cox et.al.,Best Practice & Research Clinical Anaesthesiology,117(1):111−136(2003)およびBenyamin et.al.,Pain Physician,11:S105−S120(2008)を参照されたい)。オピオイドは主として中枢系のμ−オピオイド受容体に対して、いくつかの報告においては咳嗽反射弓の末梢求心性神経に対しても作用し、これらは様々な程度の有効性を呈し、副作用、例えば鎮静作用、身体依存性および胃腸の問題などにより限定され;モルヒネは慢性咳嗽のために有効な処置であることが示されているが(Morice et.al.,Am J Respir Crit Care Med 175:312−315(2007)およびTakahama et.al.,Cough 3:8(2007)を参照されたい)、一般に末期症状を有する、例えば肺がんなどの患者に限定される。コデインは、いくつかの咳嗽シロップ中に見出され、また全身投与もされるが、プラセボよりも有効でないことが見出された(Smith et.al.,Journal of Allergy and Clinical Immunology,117:831−835(2006)を参照されたい)。局所麻酔薬は、電位作動型ナトリウムチャネルの全てのサブタイプを非選択的に阻害する結果として気道の感覚神経における活動電位の発生を低減させることにより末梢に作用するものであり、咳嗽の処置において様々な程度の有効性が実証されている。これらの化合物はOTC舐剤中にしばしば見出され、吸入投与されると咳嗽を緩和することが示されている(Nasra et. al.,Pharmacology & Therapeutics,124(3):354−375(2009)およびHansson et.al,.Thorax,49(11):1166−1168(1994)を参照されたい)。しかしながら、慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulminary disease)患者での研究において、リドカインは有効でなかった(Chong et.al.,Emerg Med J,22(6):429−32(2005)を参照されたい)。
【0011】
前臨床の動物において、Na
V1.7、Na
V1.8およびNa
V1.9は、呼吸器の求心性神経において発現する主要な電位作動型ナトリウムチャネルであることが決定され(Muroi et. al,.Lung,192:15−20(2014)を参照されたい)、咳嗽の動物モデルにおいて、NaV1.7機能の抑制は咳嗽回数の著しい減少をもたらしており(Muroi et. al.,Am J Physiol Regul integr Comp Physiol,304:R1017−R0123(2013)を参照されたい)、それゆえに、局所麻酔薬は有効な鎮咳剤であり得るという先の知見と組み合わせると、NaV1.7チャネルの標的化遮断は局所麻酔薬と比較して優先的な副作用プロファイルを有する咳嗽の処置のための合理的アプローチを代表すると思われる。局所麻酔薬は、全ての電位作動型ナトリウムチャネル、例えば心筋において見出されるNaV1.5チャネルなどを不必要に阻害する(Rook et.al.,Cardiovascular Research 93:12−23(2012)を参照されたい)。
【0012】
掻痒(pruritus)は、一般に掻痒(itch)としても知られ、世界の人口のうち約4%が罹患していて(Flaxman et.al.,Lancet,380:2163−2196(2012)を参照されたい)、「引っ掻く欲求または反射を誘起する不快な感覚」であり、疼痛と密接に関連すると見られている。掻痒の原因についての理論は、侵害受容器(痛覚ニューロン)のわずかな低頻度の活性化を含意するが、しかしながらいくつかの求心性神経はヒスタミンに優先的に応答し、これは掻痒を誘導することが記載されている(Schmelz et.al.,J Neuroscience,17(20):8003−8008(1997)を参照されたい)。同時に、ヒスタミン応答性ニューロンは疼痛を生み出すカプサイシンにも応答することが見出されている(McMahon et.al.,Trends.Neurosci.,15:497−501(1992)を参照されたい)。一過性受容器電位(TRP)ファミリーのメンバーおよび神経成長因子(NGF)は両方とも掻痒および疼痛において役割を果たすことが知られていて、臨床的にはいずれの病気も例えばガバペンチンおよび抗うつ剤などの治療薬それ自体で処置されるが、疼痛および掻痒の根本的メカニズムは高度に混交して複雑であると引き続き受け取られており、全選択的(pan−selective)経路であるかまたは掻痒選択的経路であるかを区別することはあいまいなままである(Ikoma et.al.,Nature Reviews Neuroscience,7:535−547(2006)を参照されたい)。
【0013】
掻痒は、慢性のものも急性のものも、多くの異なる侵襲および疾患から起こり得て、皮膚性もしくは掻痒受容性、神経原性、神経障害性または心因性として分類されてもよく:掻痒は、全身性障害、皮膚障害の両方から、同様に皮膚への物理的または化学的な侵襲から起こり得る。病理学的に、例えば乾燥皮膚、湿疹、乾癬、水痘帯状疱疹、じん麻疹、疥癬、腎不全、硬変、リンパ腫、鉄欠乏、糖尿病、閉経、赤血球増加症、尿毒症および甲状腺機能亢進症などの症状は、掻痒を引き起こし得て、これは神経系疾患、例えば腫瘍、多発性硬化症、末梢神経障害、神経圧迫および強迫性障害に関連した妄想なども同様である。皮膚において、炎症の際にケラチノサイト、リンパ球、マスト細胞および好酸球から起痒物質が放出される。これらの分子は自由神経終末に対して直接作用して掻痒を誘導し;例えばオピオイドおよびクロロキンなどの薬もまた掻痒を誘発し得る(Ikoma et.al.,Nature Reviews Neuroscience,7:535−547(2006)を参照されたい)。熱傷後の掻痒は、治癒プロセスを妨害し、恒常的な怯え(scaring)をもたらし、クオリティ・オブ・ライフに対して負の影響を与えることから、非常に深刻な臨床上の問題である(Loey et.al.,British Journal of Dermatology,158:95−100(2008)を参照されたい)。
【0014】
NaV1.7の機能獲得型変異は、特発性小径線維神経障害(I−SFN)を有する患者の約28%において見出されており;これらの変異は、後根神経節ニューロンを過興奮性にし、活性化の閾値を低減させ、発火誘発の頻度を増加させることが見出された(Waxman et.al.,Neurology,78(21):1635−1643(2012)を参照されたい)。重症の制御できない掻痒はまた、ヒトのナトリウムチャネルNaV1.7における機能獲得型変異(I739V)と遺伝的に関連している(Devigili et.al.,Pain,155(9);pp1702−7(2014)を参照されたい)。加えて、イソギンチャク毒素ATX−IIは、ヒトボランティアにおいて前腕に対する皮内注射の後に疼痛および掻痒を誘起することが見出されており;電気生理学研究は、ATX−IIはNaV1.7およびNaV1.6のリサージェント電流を増大させることを明らかにした(Klinger et.al.,Molecular Pain,8:69(2012)を参照されたい)。動物モデルにおいて、NaV1.7チャネルの選択的遮断は炎症性および神経障害性の両方の疼痛を、同様に急性および慢性の掻痒を効果的に抑制することができることが実証されており、それゆえにNaV1.7チャネルの遮断は疼痛および掻痒障害の処置のための合理的アプローチを代表すると思われる(Lee et.al.,Cell,157:1−12(2014)を参照されたい)。
【0015】
電位作動型ナトリウムイオンチャネルは中枢神経系および末梢神経系において、同様に心筋および骨格筋の両方において広範に分布しており、電位作動型ナトリウムイオンチャネルを特徴付ける様々なアルファ−サブユニットにおける構造の保存は、電位作動型ナトリウムイオンチャネルを阻害することを標的とする作用メカニズムを持つ治療剤を利用する際に重篤な副作用を生み出す可能性を含意することから、例えば侵害受容、咳嗽または掻痒障害の対処における使用に適した治療剤は、それらの作用に特異性を持つ治療剤であること、例えば、心機能の調節において重要であると考えられるNa
v1.5ナトリウムイオンチャネルに対する作用と、炎症性侵害受容、咳嗽または掻痒およびNa
v1.7ナトリウムイオンチャネルの機能不全から起こる障害において中心的であると考えられるNa
v1.7ナトリウムイオンチャネルに対する作用とを分け隔てる治療剤であることが必要とされる。
【0016】
選択的Nav1.7ナトリウムイオンチャネル阻害剤としての使用のための治療剤の合理的な開発を容易にする構造バリエーションを提供する、Na
v1.7ナトリウムチャネルを阻害する高い効力およびNa
v1.7ナトリウムチャネルへの選択的活性を持つさらなる化合物へのニーズが依然として存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
1つの態様において、本発明は、式A
【化1】
【0019】
の構造を持つ、Na
v1.7ナトリウムイオンチャネル阻害剤としての選択的活性を持つ化合物または薬学的に許容されるその塩であって、
ここで:
R
1は:−Cl、−Brまたは3個までの炭素原子の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキルであり;
R
2は:
(a)式:
【化2】
【0020】
の部分であり、ここでR
3aおよびR
3bのうちの1つは−Hであり、他は−H、−F、CH
3であり;または
(b)式:
【化3】
【0021】
の部分であり;ならびに
Eは:
(I)式E
1:
【化4】
【0022】
の部分であり、ここで:
R
6は、−Hもしくは6個までの炭素原子の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキルであり;ならびに
Bは:
(a)式:
【化5】
【0023】
の部分であり、この部分は、R
7A、R
7BもしくはR
7Cのうちの1つにおいて−CH
2−を介して窒素に結合しており、もしくはR
7Cのうちの1つにおいて直接窒素に結合しており、ならびに
ここで:
mは、0、1もしくは2であり;
R
7AおよびR
7Bは、各々の出現について独立して、メチレンを介して窒素に結合するように選択されないときに−Hもしくは3個までの炭素原子の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキルであり;
R
7Cは、直接もしくはメチレンを介して窒素に結合するように選択されないとき、各々の出現について独立して:(i)−H;(ii)3個までの炭素原子の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキルであり;ならびに
R
7Dは:(ai)−H;もしくは(aii)5個までの炭素原子の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキルであり;もしくは
(b)式:
【化6】
【0024】
の部分であり、ここで:
R
7hは、−Hもしくは3個までの炭素原子の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキルであり;ならびに
R
7gおよびR
7fは、以下のように選択され:
(i)R
7gは、少なくとも2から4個までの炭素原子の直鎖アルキル、少なくとも3から6個までの炭素原子の分岐鎖アルキルもしくは6個までの炭素原子の環状アルキルであり、およびR
7fは、それが付着している窒素にベータで結合している、もしくはそこからさらに遠くにあるその1つの炭素原子上で−OHで置換されている少なくとも2個の炭素原子から4個までの炭素原子の直鎖アルキル、もしくは6個までの炭素原子の分岐鎖もしくは環状のアルキルであり;もしくは
(ii)R
7fは、−Hもしくは6個までの炭素原子の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキルであり、もしくはおよびR
7gは、−(CH
2)
1−2−(HC(OH))−(CH
2)
1−2であり;
(II)式E
2:
【化7】
【0025】
の部分であり、ここで各R
8は、独立して、−Hもしくは6個までの炭素原子の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキルであり;または
(III)式E
3:
【化8】
【0026】
の部分であり、ここで:
R
9Aは、各々の出現について独立して:(i)−H;(ii)−OH;もしくは(iii)その1つの炭素原子上で−OHで置換されていてもよい6個までの炭素原子の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキルであり;
R
10Aは、各々の出現について独立して:(i)−H;もしくは(ii)その1つの炭素原子上で−OHで置換されていてもよい6個までの炭素原子の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキルであり;
R
11Aは、−H、もしくはベータもしくはガンマ炭素上で−OHで置換されていてもよい2もしくは3個の炭素のアルキルであり、
ただしR
9A、R
10AまたはR
11Aのうちの1つのみが−OH置換基を持つ、前記化合物または薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0027】
いくつかの実施形態において、Eが式E
3の部分となるよう選択される式Aの化合物中、好ましくはE
3は、E
3a:
【化9】
【0028】
の構造を持つように選択され、ここでR
9A、R
10AおよびR
11Aは、以下のとおりである:
R
10Aは−(CH
2)
1−2−OHであり、ならびにR
9AおよびR
11Aは全て−Hである;または
R
11aは−CH
2CH
2−OHであり、ならびにR
9AおよびR
10Aは全て−Hである;または
R
9Aのうちの1つは−OHであり、R
9Aのうちの他は低級アルキルであり、ならびにR
10AおよびR
11Aは全て−Hである。
【0029】
いくつかの実施形態において、Eが式E
2の部分となるよう選択される式Aの化合物中、好ましくはE
2は、E
2a:
【化10】
【0030】
の構造を持つように選択される。
【0031】
いくつかの実施形態において、Eが式EIの部分となるよう選択される式Aの化合物中、好ましくはBは:
【化11】
【0032】
である。
【0033】
いくつかの実施形態において、Eが式E
1の部分となるよう選択される式Aの化合物中、Bは:
【化12】
【0034】
であって、ここで:
(a)R
7gは−(CH
2−CH(OH)−CH
2−であり、およびR
7fは−Hもしくは低級アルキルもしくは低級環状アルキルであり;または
(b)R
7gは少なくとも3個の炭素原子から5個までの炭素原子の直鎖アルキル、6個までの炭素原子の分岐鎖アルキルもしくは環状アルキルであり、およびR
7fは窒素からベータもしくはさらに遠くにあるその1つの炭素上で−OHで置換されている4個までの炭素原子の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキルである。
【0035】
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、好ましくは、式AI:
【化13】
【0036】
の化合物であり、ここで:
Xは−N=または−C(R
14c)=であり、ここでR
14cは−H、−Fまたは−CH
3であり;
R
14は、−ClまたはBrであり;および
R
15は、R
15b、R
15cもしくはR
15dのうちの1つを通じてメチレンを介して窒素に、または存在する場合はR
15cを通じて直接的に窒素に結合している式AIb:
【化14】
【0037】
の部分であり、ここで:
mは、0または1であり;
R
15cは、存在して窒素に結合するように選択されない場合、独立して:(i)−H;または(ii)5個までの炭素原子の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキルであり;ならびに
R
15bおよびR
15dは、窒素に結合するように選択されない場合、独立して:(i)−H;または(ii)5個までの炭素原子の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキルである。
【0038】
いくつかの実施形態において、式AIの化合物中、好ましくはXは=N−である。
【0039】
いくつかの実施形態において、式AIの化合物中、好ましくはR
15は:
【化15】
【0040】
であり、いくつかの実施形態において、好ましくは「m」はゼロである。
【0041】
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、好ましくは:
4−[(4−{[(2S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
4−({4−[3−(アミノメチル)−3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル]ブチル}アミノ)−5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−({4−[3−(アミノメチル)−3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル]ブチル}アミノ)−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−[(4−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−3−イル)メチル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−メチルベンゼンスルホンアミド;
5−ブロモ−2−フルオロ−4−[(4−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−3−イル)メチル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(2R)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]−アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イル−ベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(2S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]−アミノ}ブチル)アミノ]−5−ブロモ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イル−ベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(2R)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]−アミノ}−ブチル)アミノ]−5−ブロモ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イル−ベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]−アミノ}−ブチル)アミノ]−5−ブロモ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イル−ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−3−イル)メチル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−(4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−3−イル)メチル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−{[(3R,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−{[4−({3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]プロピル}アミノ)ブチル]アミノ}−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−{[4−({2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル}アミノ)ブチル]アミノ}−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
4−({4−[(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)アミノ]ブチル}アミノ)−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−[(4−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−3−イル)−メチル]アミノ}ブチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−{[(3S,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−{[4−({2−[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−アミノ]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)ブチル]アミノ}ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−{[4−({2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−エチル}アミノ)ブチル]アミノ}ベンゼンスルホンアミド;
4−({4−[(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)アミノ]ブチル}アミノ)−5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−({4−[7−(ヒドロキシメチル)−1,4−ジアゼパン−1−イル]ブチル}アミノ)−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−({4−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1,4−ジアゼパン−1−イル]ブチル}アミノ)−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−({4−[2−(ヒドロキシメチル)−1,4−ジアゼパン−1−イル]ブチル}アミノ)−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−{[4−(6−ヒドロキシ−6−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)ブチル]アミノ}−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−({4−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1,4−ジアゼパン−1−イル]ブチル}アミノ)−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−[(4−{[(3S,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]アミノ}ブチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(2R)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(2S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−{[(3R,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−[(4−{[(3R,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]アミノ}ブチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−{[4−({[(2S,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)ブチル]アミノ}ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−{[4−({[(2S,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)ブチル]アミノ}ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−{[4−({[(2R,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)ブチル]アミノ}ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−{[4−({[(2R,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]メチル}アミノ)ブチル]アミノ}ベンゼンスルホンアミド;
5−ブロモ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−[(4−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−3−イル)メチル]アミノ}ブチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−{[(3R,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
4−({4−[(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)アミノ]ブチル}アミノ)−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−3−イル)メチル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(2R)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(2S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−{[(3R,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(1S)−3−アミノ−1−(ヒドロキシメチル)プロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(1S)−3−アミノ−1−(ヒドロキシメチル)プロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(1S)−3−アミノ−1−(ヒドロキシメチル)プロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(1S)−2−アミノ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(1S)−2−アミノ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(1S)−2−アミノ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−{[(3S,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(1R)−2−アミノ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(1R)−2−アミノ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
5−ブロモ−2−フルオロ−4−((4−(6−ヒドロキシ−1,4−ジアゼパン−1−イル)ブチル)アミノ)−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド;
5−ブロモ−2−フルオロ−4−((4−(((3S,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル)アミノ)ブチル)アミノ)−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド;
5−ブロモ−2−フルオロ−4−((4−(((3R,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル)アミノ)ブチル)アミノ)−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−((4−(3−(アミノメチル)−3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)ブチル)アミノ)−5−ブロモ−2−フルオロ−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−[(4−{[(1R)−2−アミノ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド;もしくは
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−{[(4−ヒドロキシ−4−メチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−1,3−チアゾール−2−イルベンゼンスルホンアミド、または薬学的に許容されるそのいずれかの塩である。
【0042】
1つの態様において、本発明は、任意の薬学的に許容される経路を介した患者への投与に適合させた、少なくとも1つの式Aの化合物またはその塩および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供し、これは経口、静脈内、注入、皮下、経皮、筋肉内、皮内、経粘膜または粘膜内投与経路のための剤形を包含する。
【0043】
1つの態様において、本発明はまた、薬学的担体、有効量の少なくとも1つの式Aの化合物またはその塩、(i)オピオイドアゴニストもしくはアンタゴニスト;(ii)カルシウムチャネルアンタゴニスト;(iii)NMDA受容体アゴニストもしくはアンタゴニスト;(iv)COX−2選択的阻害剤;(v)NSAID(非ステロイド性抗炎症薬);または(vi)パラセタモール(APAP、アセトアミノフェン)である有効量の少なくとも1つの他の薬学的活性成分、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0044】
1つの態様において、本発明はまた、Nav1.7チャネル活性の特異的阻害により処置、管理、緩和または寛解することができる症状または疾患状態の処置、管理、緩和または寛解の方法を提供するものであり、この方法は、その必要がある患者に、少なくとも1つの式Aの化合物またはその塩を前記症状または疾患状態の前記処置、管理、緩和または寛解を生じさせるために十分な少なくとも1つの前記化合物の血清レベルを提供する量で含む組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態において、好ましくは、処置、管理、緩和または寛解される症状または疾患状態は、急性疼痛または慢性疼痛障害である。いくつかの実施形態において、好ましくは、症状は急性疼痛である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
上で言及されるように、本発明は、式A
【化16】
【0046】
の構造を持つ、Na
v1.7ナトリウムイオンチャネル阻害剤としての選択的活性を持つと思われる化合物またはその塩であって、
ここでR
1、R
2およびEは本明細書中で定義されるとおりである、前記化合物またはその塩を提供する。
【0047】
本発明の好ましい化合物は、本明細書中に記載されるIonWorks(登録商標)アッセイ技術に従ってアッセイしたときに約500ナノモル濃度未満の効力(IC
50)を呈し、本明細書中に記載されるIonWorks(登録商標)アッセイ技術を用いて各チャネルについての機能的効力を比較したときにNa
v1.5ナトリウムチャネルに比べてNa
v1.7ナトリウムチャネルについて少なくとも50倍の選択性を、より好ましくはNa
v1.5ナトリウムチャネルに比べてNa
v1.7ナトリウムチャネルについて少なくとも500倍の選択性を呈する。
【0048】
本発明の化合物および本発明の化合物を含む製剤は、Nav1.7チャネル活性を特異的に阻害することにより処置、管理、緩和または寛解することができる症状または疾患状態の処置、管理、緩和または寛解の提供において有用であると思われる。かかる治療を用いて望ましく影響を受けると思われる疾患状態の例としては、限定されるものではないが、急性疼痛、周術期、術後および神経障害性の疼痛、例えばヘルペス後神経痛、三叉神経痛、糖尿病性神経障害、慢性腰痛、幻肢痛、がんおよび化学療法から生じる疼痛、慢性骨盤痛、複合性局所疼痛症候群および関連の神経痛、掻痒(pruritus)または咳嗽を阻害することが挙げられる。
【0049】
本明細書中に記載されるように、特に指示がないかぎり、処置における化合物の使用は、一般に他の賦形剤を含む製剤の構成成分として表されるある量の化合物が、一定分量にて時間間隔で投与され、これが少なくとも1つの薬学的活性形態の化合物の少なくとも治療的な血清レベルを用量投与間の時間間隔にわたって提供し維持することを意味する。
【0050】
絶対立体化学は、破線および実線の楔形結合の使用により説明される。Illus−IおよびIllus−II中に示されているとおりである。したがって、シクロヘキセン環が紙面内に存在する場合、Illus−Iのメチル基は紙のページから浮かび上がっており、Illus−II中のエチル基はページ内に下っている。Illus−Iのメチル基と同じ炭素上の水素はページ内に下っており、Illus−IIのエチル基と同じ炭素上の水素はページから浮かび上がっていると想定される。Illus−III中のように破線および実線の矩形の両方が同じ炭素に付加されている場合も慣例は同じであり、紙面中のシクロヘキセン環に伴って、メチル基は紙面から浮かび上がっており、エチル基は紙面内に下っている。
【化17】
【0051】
慣例的であるように、付随する文中に特に注記されないかぎり、通常の「棒状」結合または「波状」結合は、純粋な化合物、異性体の混合物およびラセミ混合物を包含する全ての可能な立体化学が表現されることを指し示す。
【0052】
本明細書中で用いられるように、特に指定されないかぎり、以下の用語は以下の意味を持つ:
組成物を構成する構成成分の数に関して用いられるフレーズ「少なくとも1つ」、例えば、「少なくとも1つの薬学的賦形剤」は、指定された群のうちの1つのメンバーが組成物中に存在し、1つより多くが付加的に存在し得ることを意味する。組成物の構成成分は、典型的に、組成物に加えられた一定分量の単離された純粋な物質であり、ここで、組成物中に加えられる単離された物質の純度レベルは、そのタイプの試薬について通常許容される純度レベルである。
【0053】
化合物基質に付加される置換基、例えばハロゲン、または水素を置き換える構造部に付加されている部分に関して用いられる「少なくとも1つ」は、指定された置換基の群のうちの1つの置換基が存在し、前記置換基のうちの1つより多くが基質の定義されたまたは化学的にアクセス可能な結合点のうちのいずれかに結合し得ることを意味する。
【0054】
化合物上の置換基に関して用いられても医薬組成物の構成成分に関して用いられても、フレーズ「1または複数」は、「少なくとも1つ」と同じものを意味する;
「同時に」および「同時期に」は、両方とも、それらの意味の中に(1)時間的に同じ時に(例として、同じ時間に);および(2)異なる時間であるが通例的な処置スケジュールの過程内であるものを包含する;
「連続的に」は1のものが他のものに続くことを意味する;
「逐次的に」は、各々の付加的な剤を投与する間に発生する有効期間を待つ、治療剤の一連の投与をいい;これは、すなわち、1つの構成成分の投与後、最初の構成成分後の有効時間の後に次の構成成分が投与されることであり;有効時間は、最初の構成成分の投与からの利益の実現のために与えられる時間量である;
「有効量」または「治療的有効量」は、本明細書中に記載される疾患または症状を処置または抑制するのに有効であり、それゆえに所望の治療的、寛解的、抑制的または予防的な効果を生み出す、本発明の少なくとも1つの化合物の量または本発明の少なくとも1つの化合物を含む組成物の量の提供を記述することを意味する。例えば、本明細書中に記載される化合物のうちの1または複数を使用した中枢神経系疾患または障害の処置において、「有効量」(または「治療的有効量」)は、例えば中枢神経系疾患または障害(「症状」)に苦しむ患者において治療的応答をもたらす少なくとも1つの式Aの化合物の量を提供することを意味し、この治療的応答は、例えば、薬力学的マーカーの分析または症状に苦しむ患者の臨床的評価により決定され得るように、症状を管理、緩和、寛解もしくは処置するために、または症状に起因する1もしくは複数の徴候を緩和、寛解、低減もしくは根絶するために、および/または症状の長期的安定化のために好適な応答を包含する;
「患者」および「対象」は、動物、例えば哺乳類など(例としてヒト)を意味し、好ましくはヒトである;
「プロドラッグ」は、例えば血中での加水分解により、インビボで親化合物に迅速に転換される化合物を意味し、これは、例として、式Aのプロドラッグから式Aの化合物への、またはその塩への変換であり;徹底的な議論がA.C.S.Symposium SeriesのT.Higuchi and V.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems,Vol.14中に、およびEdward B.Roche,ed.,Bioreversible Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987中に提供されており、これらは両方とも参照により本明細書中に組み込まれ;本発明の範囲は、本発明の新規化合物のプロドラッグを包含する。
【0055】
用語「置換されている」は、列挙された置換基のうちの1または複数が、典型的に「−H」により占められている基質上の結合位置の1または複数を占めることができることを意味し、ただし、かかる置換は基質中に表される結合配置中の原子についての通常の原子価ルールを超えず、およびただし最終的に安定な化合物を提供するものであって、すなわちかかる置換はジェミナルに位置するまたは互いに近接した相互に反応性のある置換基を有する化合物を提供せず;ここでその置換は反応混合物から有用な純度への単離に耐え抜くほどに十分に頑強な化合物を提供する。
【0056】
部分の任意選択の置換(例として「置換されていてもよい」)が記載される場合、その用語は、置換基が存在するならば、指定された基質について列挙された置換基のうちの1または複数が、通常その位置を占めているデフォルトの置換基により通常占められている結合位置において基質上に存在することができることを意味する。例えば、アルキル部分の炭素原子上のデフォルトの置換基は水素原子であり、任意選択の置換基がデフォルトの置換基を置き換えることができる。
【0057】
本明細書中で用いられるように、特に指定がないかぎり、部分を記述するために用いられる以下の用語は、本発明の化合物の構造表記のうちの可変部の完全な定義を含むものであろうと、本発明の化合物群の構造表記のうちの可変部に付加された置換基の完全な定義を含むものであろうと以下の意味を持ち、特に指定がないかぎり、各々の用語(すなわち、部分または置換基)の定義は、その用語が個々にまたは別の用語の構成要素として用いられるときに当てはまり(例として、アリールの定義は、アリールについて、およびアリールアルキル、アルキルアリール、アリールアルキニル部分などのアリール部について同じである);部分は、構造、活字表記または化学用語により、意味の区別を何ら意図することなく、本明細書中に同等に記載されており、例えば「アシル」置換基は、用語「アシル」により、活字表記「R’−(C=O)−」もしくは「R’−C(O)−」により、または構造表記:
【化18】
【0058】
により、等しく、含意される区別なく、これらの表記のいずれかまたは全てを用いて本明細書中に同等に記載され得る;
「アルキル」(他の部分のアルキル部、例えばトリフルオロメチル−アルキル−およびアルコキシ−などを包含する)は、約20個までの炭素原子を含む脂肪族炭化水素部分を意味する(例えば「C
1−20アルキル」の名称は、1から20個までの炭素原子の脂肪族炭化水素部分を指し示す)。いくつかの実施形態において、アルキルは、より短い鎖が考えられるという表示によりこの用語が修飾されないかぎり、好ましくは約10個までの炭素原子を含み、例えば1から8個までの炭素原子のアルキル部分は本明細書中で「C
1−8−アルキル」とも呼ばれる。用語「アルキル」は、「直鎖状」、「分岐鎖状」または「環状」によりさらに定義される。用語「アルキル」が2つのハイフンを伴って指し示される場合(すなわち「−アルキル−」)、これは、アルキル部分がそのいずれかの末端上で置換基と連結されるように、アルキル部分が結合することを指し示し、例えば「−アルキル−OH」は、基質にヒドロキシル部分が連結されたアルキル部分を指し示す。
【0059】
用語「直鎖アルキル」は、他の置換基が炭化水素鎖上のC−H結合を置き換えてもよいが、それに付加された脂肪族炭化水素の「枝」がない炭化水素鎖を含むアルキル部分を包含する。直鎖アルキルの例としては、限定されるものではないが、メチル−、エチル−、n−プロピル−、n−ブチル−、n−ペンチル−またはn−ヘキシル−が挙げられる。
【0060】
用語「分岐鎖アルキル」は、最大指定数までの炭素原子の炭化水素主鎖を含む部分であって、炭化水素主鎖を構成するが終わりにくるものではない炭素原子のうちの1または複数に低級アルキル鎖が付加されたものである。分岐鎖アルキル部分は、それゆえ、主鎖の中に少なくとも3個の炭素原子を含む。分岐鎖アルキル部分の例としては、限定されるものではないが、t−ブチル−、ネオペンチル−または2−メチル−4−エチル−ヘキシル−が挙げられる。
【0061】
用語「環状アルキル」(同等に「シクロアルキル」)は、少なくとも3個の炭素原子(単環式部分を提供するために必要な最少数)から、一般に単環式部分について8個であり、二環部分について10個である最大数までの指定された炭素原子を含む単環または二環の環状脂肪族部分を形成する炭化水素主鎖を持つ部分を意味する。シクロアルキル部分の例としては、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルが挙げられる。用語 環状アルキル(同等に「シクロアルキル」)はまた、一般に「アルキル」について本明細書中で定義されるように置換されていてもよい20個までの炭素原子を含む非芳香族の縮合多環式環系を包含する。好適な多環式シクロアルキルは、例えば、限定されるものではないが:1−デカリン;ノルボルニル;頑固に(adamantly)などである;
用語「低級環状アルキル」は、6個未満の炭素原子を含むシクロアルキル、例としてシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを意味する;
本明細書中で用いられるように、用語「アルキル」が「置換されている」または「置換されていてもよい」により修飾されているとき、これは、アルキル部分基の中の1または複数のC−H結合が、部分の定義において呼び出されるアルキル基質に結合する置換基によって置換されているまたは置換されていてもよいことを意味する。
【0062】
「低級アルキル」は、6個までの炭素原子を含む直鎖または分岐鎖のアルキル部分を意味し;好適な低級アルキル基の限定されない例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシルなどが挙げられる;
構造式が構造の中央で終わっている結合線、例えば以下の表記:
【化19】
【0063】
を用いて部分と基質との間の結合を表す場合、ナンバリングされているか否かにかかわらず、この構造は、特に定義されないかぎり、利用可能な環原子、例えば、この例の部分のうちのナンバリングされた原子のうちのいずれかを介して部分が基質に結合し得ることを指し示す;
「ヘテロシクリル」(またはヘテロシクロアルキル)は、3から10個の環原子、好ましくは5から10個の環原子を含む非芳香族の飽和単環式または多環式環系を意味し、ここで環系の中の原子のうちの1または複数は炭素以外の元素、例えば窒素(例としてピペリジル−またはピロリジニル)、酸素(例としてフラニルおよびテトラヒドロピラニル)または硫黄(例としてテトラヒドロチオフェネイル(tetrahydrothiopheneyl)およびテトラヒドロチオピラニル)であり;およびここでヘテロ原子は単独であることも組み合わせることもでき、ただし、この部分は環系の中に存在する隣接した酸素および/または硫黄原子を含有せず;好ましいヘテロシクリル部分は、5から6個の環原子を含有し;ヘテロシクリルのルート名(root name)の前の接頭辞アザ、オキサまたはチアは、それぞれ少なくとも1つの窒素、酸素または硫黄原子が環原子として存在することを意味し;ヘテロシクリルは、1または複数の独立して選択される置換基により置換されていてもよく;
ヘテロシクリルの窒素または硫黄原子は、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシド(SO
2)へと酸化されてもよく;好適な単環式ヘテロシクリル環の限定されない例としては、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルフォリニル−
【化20】
【0064】
(ここで特に注記されないかぎり、部分は環炭素原子C2、C3、C5またはC6のうちのいずれかを通じて基質に結合している)、チオモルフォリニル、チアゾリジニル、1,3−ジオキソラニル、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニルなど;および多環式ヘテロシクリル化合物、例えば構造:
【化21】
【0066】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味し;好ましいハロゲンは、この用語が用いられるところで特に指定がないかぎり、フッ素、塩素および臭素であり、ハロゲン原子である置換基は、−F、−Cl、−Brまたは−Iを意味し、「ハロ」は、定義された部分に結合しているフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード置換基を意味し、例えば、「ハロアルキル」は、典型的に水素原子により占められるアルキル部分上の結合位置のうちの1または複数が代わりにハロ基により占められている、上に定義されるとおりであるアルキルを意味し、ペルハロアルキル(または「完全にハロゲン化された」アルキル)は、アルキル置換基を基質に結合させることに関与しない全ての結合位置がハロゲンにより占められていることを意味し、例えば、アルキルがメチルであるように選択される場合、用語ペルフルオロアルキルは、−CF
3を意味する;
「ヒドロキシル」および「ヒドロキシ」はHO−基を意味し、「ヒドロキシアルキル」は式:「HO−アルキル−」の置換基を意味し、ここでアルキル基は基質に結合しており、上で定義されているように置換されていても置換されていなくてもよく;好ましいヒドロキシアルキル部分は低級アルキルを含み;好適なヒドロキシアルキル基の限定されない例としては、ヒドロキシメチルおよび2−ヒドロキシエチルが挙げられる;ならびに
結合配列は、部分が文中で表される場合にハイフンにより指し示され、例えば−アルキルは、基質とアルキル部分との間の単結合を指し示し、−アルキル−Xは、アルキル基が「X」置換基を基質に結合させることを指し示し、構造表記中で、結合配列は、結合表記を終結させる波線により指し示され、例えば:
【化22】
【0067】
は、メチルフェニル部分がメチル置換基に対してオルトである炭素原子を介して基質に結合していることを指し示し、一方、波線で終わっており、それが結合している原子についての何らの特定の指示なく構造内に描かれている結合表記は、上の例中に記載されるように結合のために利用可能な部分中の原子のいずれかを介して部分が基質に結合し得ることを指し示す。
【0068】
本明細書中の文章、スキーム、例、構造式および任意の表における満たされていない原子価は、原子価を満たすために十分な数の水素原子(1または複数)を持つものと想定される。
【0069】
本発明の1または複数の化合物はまた、溶媒和物として存在してもよく、溶媒和物に変換されてもよい。溶媒和物の調製は、一般に公知である。それゆえに、例えば、M.Caira et al,J.Pharmaceutical Sci.,
93(3),601−611(2004)は、酢酸エチル中での、同様に水からの抗真菌性フルコナゾールの溶媒和物の調製を記載している。水和物(ここで溶媒は、水または水系である)などを包含する溶媒和物および半溶媒和物(hemisolvate)の同様の調製は、E.C.van Tonder et al,AAPS PharmSciTech.,
5(1),article 12(2004);およびA.L.Bingham et al,Chem.Commun.,603−604(2001)により記載されている。典型的な限定されないプロセスは、本発明の化合物を所望量の所望の溶媒(例えば有機溶媒、水性溶媒、水またはそれらのうち2つもしくはそれより多くのものの混合物)中に外界温度より高い温度で溶解すること、および貧溶媒の存在下または非存在下で十分な速度で溶液を冷却して結晶を形成させ、この結晶を次いで標準的な方法により単離することを伴う。分析技術、例えばI.R.分光法などは、溶媒和物(または結晶形内に水が取り込まれている場合は水和物)としての結晶中の溶媒(水を包含する)の存在を示す。
【0070】
本発明はまた、通例的な技術により得られる単離および精製された形態の本発明の化合物を包含する。式Aの化合物ならびに式Aの化合物の塩、溶媒和物およびプロドラッグの多形形態は、本発明の中に包含されることが意図される。本発明の一定の化合物は、異なる異性体(例としてエナンチオマー、ジアステレオ異性体、アトロプ異性体)の形態で存在し得る。本発明の化合物は、全てのその異性体形態を包含し、純粋な形態であるものもラセミ混合物を包含する2つまたはそれより多くのものの混ぜ物であるものも包含する。
【0071】
同様に、特に指示がないかぎり、互変異性を呈する任意の互変異性形態の化合物の構造表記を表すことは、全てのかかる互変異性形態の化合物を包含することを意味する。したがって、本発明の化合物、それらの塩、ならびにそれらの溶媒和物およびプロドラッグは、異なる互変異性形態で存在し得る場合、またはかかる形態間で平衡で存在し得る場合、全てのかかる形態の化合物は本発明により包含され、本発明の範囲内に含まれる。かかる互変異性体の例としては、限定されるものではないが、ケトン/エノール互変異性形態、イミン−エナミン互変異性形態、および例えば複素芳香環形態、例えば以下の部分:
【化23】
【0073】
とりわけ、本明細書中で構造
図Aにより表されるそれらの構造の部分を持って表される本発明の化合物は、互変異性形態B:
【化24】
【0074】
と等価であると考えられ、ここで(S1)nはアリール環上の1から5個の置換基であり、それゆえに、互変異性が可能なあらゆる構造図表記は、それによって表される構造の範囲内にある全ての互変異性形態を包含することが意図される。
【0075】
構造中の酸素および窒素原子は、孤立電子対上でプロトン化されたものとして、またはプロトン化されていない形態で等しく表し得るものであり、いずれかの構造が表される場合、両形態が、例えば下に図示されるアミンのプロトン化形態Aおよび非プロトン化形態Bが考えられる:
【化25】
【0076】
本発明の化合物(本発明の化合物の塩および溶媒和物ならびにそれらのプロドラッグを包含する)の全ての立体異性体、例えば本発明の化合物中に存在する不斉炭素のために存在し得るものなど、ならびにエナンチオマー形態(不斉炭素の非存在下であっても存在し得るもの)、回転異性体形態、アトロプ異性体およびジアステレオマー形態を包含する立体異性体は、本発明の範囲内であると考えられる。本発明の化合物の個々の立体異性体は、純粋な形態で、例えば、実質的に他の異性体を含まずに単離されてもよく、または2つもしくはそれより多い立体異性体の混ぜ物として、もしくはラセミ体として単離されてもよい。本発明のキラル中心は、IUPAC 1974 Recommendationsにより定義されるように、SまたはR配置を持つことができる。用語「塩」、「溶媒和物」、「プロドラッグ」などの使用は、本発明の化合物の単離されたエナンチオマー、立体異性体の対または群、回転異性体、互変異性体またはラセミ体の塩、溶媒和物およびプロドラッグにも同等に当てはまることが意図される。
【0077】
ジアステレオマー混合物が、それらの物理化学的差異に基づいて、公知の方法により、例えばキラルクロマトグラフィーおよび/または分別結晶により、それらの個々のジアステレオマーへと分離することができる場合、化合物の単純な構造表記は化合物の全てのジアステレオマーを考えるものである。公知であるように、エナンチオマーはまた、適切な光学活性化合物(例としてキラル助剤、例えばキラルアルコールまたはモッシャー酸クロリドなど)を使った反応によりエナンチオマー混合物をジアステレオマー混合物へと変換すること、ジアステレオマーを分離すること、および個別に単離されたジアステレオマーを対応する精製されたエナンチオマーへと変換すること(例として加水分解すること)によっても分離され得る。
【0078】
用語が本明細書中で使用されるように、本発明の化合物の塩は、無機酸および/または有機酸を使って形成される酸性塩であろうと、無機塩基および/または有機塩基を使って形成される塩基性塩であろうと、例えば化合物が塩基性部分、例えば限定されるものではないが窒素原子、例えばアミン、ピリジンまたはイミダゾールと、酸性部分、例えば限定されるものではないが、カルボン酸との両方を含有する双性イオン性の特性を包含する形成される塩であろうと、本明細書中に記載される本発明の化合物の範囲内に包含される。塩基性の(または酸性の)薬学的化合物からの薬学的に有用な塩の形成は、例えばS.Berge et al.,Journal of Pharmaceutical Sciences(1977) 66(1) 1−19;P.Gould,International J. of Pharmaceutics(1986) 33 201−217;Anderson et al,The Practice of Medicinal Chemistry(1996),Academic Press,New Yorkにより;The Orange Book(Food&Drug Administration,Washington,D.C.、そのウェブサイト上)中に;およびP.Heinrich Stahl,Camille G.Wermuth(Eds.),Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,(2002)Int’l.Union of Pure and Applied Chemistry,pp.330−331により論じられている。これらの開示は、参照により本明細書中に組み込まれる。
【0079】
本発明は、医薬製剤の調製における使用のために安全であると一般に認識される塩、および当該技術分野における通常の能力の範囲内で現在形成され得て、医薬製剤の調製における使用のために「安全であると一般に認識される」ものとして後に分類されるものを包含する全ての利用可能な塩を、本明細書中で「薬学的に許容される塩」と呼ばれるものと考える。薬学的に許容される酸付加塩の例としては、限定されるものではないが、トリフルオロアセテート塩を包含するアセテート、アジペート、アルギネート、アスコルベート、アスパルテート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、ビスルフェート、ボレート、ブチレート、シトレート、カンホレート、カンファースルホネート、シクロペンタンプロピオネート、ジグルコネート、ドデシルスルフェート、エタンスルホネート、フマレート、グルコヘプタノエート、グリセロホスフェート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロヨージド、2−ヒドロキシエタンスルホネート、ラクテート、マレエート、メタンスルホネート、メチルスルフェート、2−ナフタレンスルホネート、ニコチネート、ナイトレート、オキサレート、パモエート、ペクチネート、ペルスルフェート、3−フェニルプロピオネート、ホスフェート、ピクレート、ピバレート、プロピオネート、サリチレート、スクシネート、スルフェート、スルホネート(例えば本明細書中で言及されているものなど)、タートレート、チオシアネート、トルエンスルホネート(トシレートとしても知られる)、ウンデカノエートなどが挙げられる。
【0080】
薬学的に許容される塩基性塩の例としては、限定されるものではないが、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えばナトリウム、リチウムおよびカリウム塩など、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムおよびマグネシウム塩など、アルミニウム塩、亜鉛塩、有機塩基(例えば有機アミン)との塩、例えばベンザチン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ヒドラバミン(N,N−ビス(デヒドロアビエチル)エチレンジアミンを使って形成される)、N−メチル−D−グルカミン、N−メチル−D−グルカミド、t−ブチルアミン、ピペラジン、フェニルシクロヘキシル−アミン、コリン、トロメタミンなどとの塩、およびアミノ酸との塩、例えばアルギニン、リジンとの塩などが挙げられる。塩基性窒素含有基は、アンモニウムイオンに変換されてもよく、または、例えば低級アルキルハライド(例としてメチル、エチル、プロピルおよびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物)、ジアルキルスルフェート(例としてジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミルの硫酸塩)、長鎖ハライド(例としてデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物)、アラルキルハライド(例としてベンジルおよびフェネチルの臭化物)などの剤を使って四級化されてもよい。
【0081】
一般的に、化合物の塩は本発明の範囲内にある薬学的に許容される塩であることが意図され、全ての酸性塩および塩基性塩は、本発明の目的のため、対応する化合物の遊離形態と同等であるとみなされる。本発明書中で例示される化合物の多くは、塩の形態で、例えばヒドロクロリド、アセテート トリフルオロアセタータ(trifluoroacetata)、ホルメートまたはトリフレート塩の形態で単離される。実本明細書中で実施例中に記載されるように、かかる塩は、適切な塩基性溶液を用いた適切な媒体からの溶出、その後の適切な極性のカラムに対するクロマトグラフィー分離により、化合物の遊離塩基形態へと容易に変換され得る。
【0082】
化合物についての用語「精製された」「精製形態で」または「単離および精製された形態で」は、合成プロセスもしくは天然の供給源またはそれらの組み合わせから単離された後の前記化合物の物理的状態をいう。それゆえに、化合物についての用語「精製された」「精製形態で」または「単離および精製された形態で」は、本明細書中に記載されるまたは当業者に周知である精製プロセス(1または複数)から得られた後の、本明細書中に記載されるまたは当業者に周知である標準的な分析技術により特性を明らかにするのに十分な純度の前記化合物の物理的状態をいう。
【0083】
「保護された」と呼ばれる化合物中の官能基は、その基が、その化合物が反応に供されるときに保護された部位において望まれない副反応を妨げるように修飾された形態であることを意味する。好適な保護基は、標準的な教科書、例えばT.W.Greene et al,Protective Groups in organic Synthesis(1991),Wiley,New Yorkへ参照されるように公知である。
【0084】
変数(例としてアリール、ヘテロシクル(heterocycl)、R
XYなど)が本発明の任意の部分または任意の化合物において1回より多く現れるとき、各々の出現についてその変数を定義する部分の選択は、その場所の変数の定義中で特に指定がない限り、あらゆる他の出現におけるその定義から独立している。
【0085】
本発明はまた、本明細書中に列挙されるものと構造的に同一であるが、化合物のその形態における統計的に有意なパーセンテージの1または複数の原子が天然において通常見出される最も大量にある同位体の原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を持つ原子により置き換えられており、それゆえに本発明中に存在するその同位体の天然起源の存在量が変わっている、同位体標識された本発明の化合物を包含する。本発明の化合物内に優先的に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、ヨウ素、フッ素および塩素の同位体、例えば、限定されるものではないが:
2H、
3H、
11C、
13C、
14C、
13N、
15N、
15O、
17O、
18O、
31P、
32P、
35S、
18Fおよび
36Cl、
123Iおよび
125Iが挙げられる。他の同位体も公知の(know)手段により組み込まれ得ることが理解される。
【0086】
ある種の同位体標識された本発明の化合物(例として
3H、
11Cおよび
14Cで標識されたもの)は、種々の公知の技術を用いた化合物および/または基質の組織分布アッセイにおいてとりわけ有用であるものと認識される。トリチウム(すなわち
3H)および炭素−14(すなわち
14C)同位体は、それらの調製および検出の容易さのため、とりわけ好ましい。さらに、天然に大量にある同位体のより重い同位体での置換、例えばプロチウムの重水素(すなわち
2H)での置換は、より高い代謝安定性から生じるある種の治療的利点(例として、インビボでの半減期の向上または必要用量の低減)を産出し得て、したがっていくつかの状況において好ましいものであり得る。同位体標識された本発明の化合物は、一般に、下の本明細書中の反応スキーム中および/もしくは実施例中に開示されるものに類似した手法に従うことにより、適切な同位体標識された試薬を同位体標識されていない試薬の代わりに用いることにより、またはかかる「標識」反応のために特異的に調製される、適切に調製された前駆体の本発明の化合物への周知の反応により調製することができる。かかる化合物もまた本発明中に包含される。
【0087】
本明細書中で用いられるように、用語「医薬組成物」は、少なくとも1つの薬学的活性化合物および少なくとも1つの賦形剤を含み、指定された量の指定された成分の組み合わせ、および指定された量の指定された成分の組み合わせから直接的または間接的に生じる任意の生成物の両方を包含することが意図される。当業者により理解されるように、賦形剤は、それ自体が活性のある薬学的効果を発揮することなく、組成物を特定の投与経路に適合させるまたは組成物の剤形への加工を補助する、任意の構成成分である。バルク組成物は、個々の投与単位に未だ形成されていない物質である。
【0088】
上で言及されるように、1つの態様において、本発明は、感覚ニューロンおよび交感神経ニューロンにおいて見出されるNav1.7ナトリウムチャネルの選択的遮断における使用に適した組成物を提供するものであり、この組成物は、少なくとも1つの本発明の化合物(本明細書中で定義されるとおりであり、例えば1または複数の式Aの化合物またはその塩)および少なくとも1つの薬学的に許容される担体(下に記載されるもの)を含む。本発明の医薬製剤は、1つより多くの本発明の化合物、例えば2つまたは3つの本発明の化合物の組み合わせを含み得て、これらは各々、所望量の薬学的に許容される純粋な形態の化合物を製剤に加えることにより存在することが理解される。本発明の組成物は、1または複数の本発明の化合物に加えて、やはり薬理活性を持つ1または複数の付加的な化合物、例えば本明細書中で下に記載されるようなものを含み得ることが理解される。かかる製剤は、疼痛、例えば急性疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛もしくは神経障害性疼痛障害に関連する、または掻痒障害もしくは咳嗽障害に関連する疾患または症状のための処置、管理、寛解において、または治療の提供において利用性があると思われる。
【0089】
本発明の組成物はバルク形態で使用され得る一方、大半の用途において、組成物は患者への投与に適した剤形中に組み込まれ、各々の剤形は、有効量の前記1または複数の式Aの化合物を含有する、ある量の選択された組成物を含むことが理解される。好適な剤形の例としては、限定されるものではないが:(i)静脈内(IV)注入に適合した剤形、例えばI.V.注入ポンプを用いた長期にわたるもの;(ii)筋肉内投与(IM)に適合した剤形、例えば注射可能な溶液もしくは懸濁液であって、延長された放出性を持つデポー剤を形成するように適合させ得るもの;(iii)静脈内点滴投与(IV)に適合した剤形、例えばIV溶液もしくは生理食塩水IVバッグ内に注射される濃縮物としての、例えば溶液もしくは懸濁液;または(iv)皮下投与に適合した剤形が挙げられる。考えられ得る他の剤形としては、限定されるものではないが:(i)経口投与、例として液体、ゲル、粉末、固体または半固体の医薬組成物であって、カプセル内に充填または錠剤に打錠され、その放出性を改変する1もしくは複数のコーティング、例えば放出遅延を付与するコーティングを付加的に含み得るもの、または延長された放出性を持つ製剤;(ii)口腔の組織を介した投与に適合した剤形、例えば迅速溶解性錠剤、舐剤、溶液、ゲル、サシェまたは粘膜内投与を提供するのに適したニードルアレイ;(iii)鼻または上部呼吸腔の粘膜を介した投与に適合した剤形、例えば鼻または気道内での分散のための溶液、懸濁液またはエマルション製剤;(iv)経皮投与に適合した剤形、例えばパッチ、クリームまたはゲル;(v)皮内投与に適合した剤形、例えばマイクロニードルアレイ;ならびに(vi)直腸または膣の粘膜を介した送達に適合した剤形、例えば坐剤が挙げられる。
【0090】
本発明の化合物を含有する医薬組成物を調製するため、一般に、本発明の化合物は、1または複数の薬学的に許容される賦形剤と組み合わされる。これらの賦形剤は、組成物に取扱いもしくは加工を容易にする性質を付与し、例えば、錠剤化が意図される粉末薬剤における滑沢剤もしくはプレス補助剤であり、または例えば製剤を所望の投与経路に適合させ得る溶液安定剤もしくは乳化剤であり、これらは例えば筋肉内もしくは静脈内の投与経路もしくはIVを介した投与もしくは拡散ポンプ注入もしくは他の形態の非経口投与のための、または例えば消化管からの吸収を介した経口投与のための、または例えば粘着性皮膚「パッチ」もしくは頬側投与を介した経皮もしくは経粘膜投与のための製剤を提供する。これらの賦形剤は、本明細書中で合わせて「担体」と呼ばれる。典型的に、製剤は約95パーセントまでの活性成分を含み得るが、より多くの量を有する製剤も調製され得る。
【0091】
医薬組成物は、固体、半固体または液体であることができる。固体形態の調製物は、種々の投与様式に適合させることができ、これらの例としては、限定されるものではないが、粉末、分散性顆粒、小錠剤、ビーズが挙げられ、これらは例えば錠剤化、カプセル化または直接投与のために用いることができる。液体形態の調製物としては、限定されるものではないが、溶液、懸濁液およびエマルションが挙げられ、これらは例えば、排他的にではないが、静脈内投与(IV)、例えば、限定されるものではないが、IV点滴もしくは注入ポンプを介した投与、例えば延長された持続期間にわたって放出されるボーラスの筋肉内投与(IM)、直接的なIV注射のために意図される製剤、または皮下の投与経路に適合した製剤の調製において使用することができる。考えられ得る他の投与経路としては、鼻腔内投与、または他の粘膜への投与のためのものが挙げられる。様々な粘膜への投与のために調製される製剤はまた、それらをかかる投与に適合させる付加的な構成成分、例えば粘度調整剤を包含し得る。
【0092】
いくつかの実施形態において、IV投与、例えばIV点滴もしくは注入ポンプもしくは注射における使用に適した、または皮下の投与経路に適した組成物が好ましいが、本発明の組成物は、他の経路を介した投与のために製剤化され得る。例としては吸入を介したまたは鼻粘膜を介した投与に適したエアロゾル調製物が挙げられ、これは溶液および粉末形態の固体を包含し得て、これらは薬学的に許容される噴霧剤、例えば、不活性圧縮ガス、例として窒素と組み合わせ得る。また、使用直前に例えば経口または非経口投与のための懸濁液または溶液に変換されることが意図された固体形態の調製物も包含される。かかる固体形態の例としては、限定されるものではないが、凍結乾燥製剤および固体吸収媒体中に吸収された液体製剤が挙げられる。
【0093】
例えば、本発明の化合物はまた、例えば液体、坐剤、クリーム、フォーム、ゲルまたは迅速溶解性の固体形態から、経皮的または経粘膜的に送達可能であり得る。経皮組成物はクリーム、ローション、エアロゾルおよび/またはエマルションの形態を取ることもでき、当該技術分野で公知(know)である任意の経皮パッチ、例えば薬学的活性化合物を含むマトリックスまたは固体もしくは液体形態の薬学的活性化合物を含むリザーバーのいずれかを組み込んだパッチといった単位剤形で提供することができることが理解される。
【0094】
上で言及される薬学的に許容される担体および様々な組成物の製造方法の例は、A.Gennaro(ed.),Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20
th Edition,(2000),Lippincott Williams & Wilkins,Baltimore,MD中に見出され得る。
【0095】
使用される実際の投薬量は、処置される患者の要件および症状の重症度に依存して変わり得る。特定の状況のための適当な投薬レジメンの決定は、例えば標準的な文献中に記載されるように、例えば“Physicians’ Desk Reference”(PDR)、例として1996 edition(Medical Economics Company,Montvale,NJ 07645−1742,USA)、Physician’s Desk Reference,56
th Edition,2002(Medical Economics company,Inc. Montvale,NJ 07645−1742による出版)またはPhysician’s Desk Reference,57
th Edition,2003(Thompson PDR,Montvale,NJ 07645−1742による出版)中に記載されるように当該技術分野におけるスキルの範囲内であり;これらの開示はそれらへの参照により本明細書中に組み込まれる。便宜上、1日の総投薬量を分けて、必要に応じてその日のなかで少しずつ投与してもよく、連続的に送達してもよい。
【0096】
別の実施形態において、本発明は、Nav1.7チャネル活性の特異的阻害により処置、管理、予防、緩和または寛解することができる症状または疾患状態の処置、管理、予防、緩和または寛解を提供するものと思われる。いくつかの例は、疼痛症状、掻痒症状および咳嗽症状である。疼痛症状の例としては、限定されるものではないが、急性疼痛、周術期疼痛、術前疼痛、術後疼痛、神経障害性疼痛、例えばヘルペス後神経痛、三叉神経痛、糖尿病性神経障害、慢性腰痛、幻肢痛、慢性骨盤痛、外陰部痛、複合性局所疼痛症候群および関連の神経痛、がんおよび化学療法に関連した疼痛、HIVに関連した疼痛およびHIV処置誘導性神経障害、神経損傷、神経根引き抜き損傷、有痛性外傷性単神経障害、有痛性多発神経障害、肢端紅痛症(erythromyelalgia)、発作性高度疼痛症、小径線維神経障害、口腔灼熱症候群、中枢痛症候群(神経系のあらゆるレベルにおいて実質的にあらゆる病変により潜在的に引き起こされるもの)、手術後疼痛症候群(例として乳房切除術後症候群、開胸術後症候群、断端痛))、骨関節疼痛(骨関節炎)、反復運動痛、歯痛、筋膜痛(筋損傷、線維筋痛症)、周術期疼痛(一般外科手術、婦人科)、慢性疼痛、月経困難症(dysmennorhea)、狭心症に関連した疼痛、様々な起源の炎症性疼痛(例として骨関節炎、関節リウマチ、リウマチ性疾患、腱滑膜炎および痛風)、肩腱炎または滑液包炎、痛風性関節炎およびリウマチ性多発筋痛、一次痛覚過敏、二次痛覚過敏、一次異痛症、二次異痛症、または中枢性感作により引き起こされる他の疼痛、複合性局所疼痛症候群、慢性関節炎痛および関連の神経痛 急性疼痛、偏頭痛、偏頭痛の痛み(migraine headache)、頭痛の痛み(headache pain)、群発性頭痛、非血管性頭痛、外傷性神経損傷、神経圧迫または神経絞扼および神経腫疼痛、掻痒症状ならびに咳嗽症状が挙げられる。
【0097】
疼痛傷害の処置が望まれるいくつかの実施形態において、好ましくは障害は急性疼痛、炎症性疼痛または神経障害性疼痛障害であり、より好ましくは急性疼痛障害である。
【0098】
本発明によると、Na
v1.7チャネル活性を阻害することによる処置を受け入れられる疾患状態、例えば上で言及される症状または疾患状態のうちの1または複数の処置、緩和、寛解または管理は、その必要がある患者に、有効量の、1または複数の、本明細書中に定義される本発明の化合物、例えば式Aの化合物または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む。いくつかの実施形態において、上で言及されるように、本発明の化合物は医薬組成物中に存在することが好ましい。
【0099】
一般的に、どのような形態で投与されるのであれ、投与される剤形はある量の少なくとも1つの本発明の化合物またはその塩を含有し、これは、最少の治療的有効血清レベルを満たすまたはこれを超える治療的有効血清レベルの化合物を、処置が投与される期間を通して継続的に提供する。上で言及されるように、本発明の組成物は、処置を提供する過程において付加的に必要とされ得ることから、付加的な薬学的活性構成成分を組み込むことができ、または他の薬学的活性組成物と共に同時に、同時期にまたは逐次的に投与することができる。
【0100】
1つの態様において、本発明はまた、薬学的担体、有効量の少なくとも1つの本発明の化合物、例えば式Aの化合物、および(i)オピオイドアゴニストもしくはアンタゴニスト;(ii)カルシウムチャネルアンタゴニスト;(iii)NMDA受容体アゴニストもしくはアンタゴニスト;(iv)COX−2選択的阻害剤;(v)NSAID(非ステロイド性抗炎症薬);または(vi)パラセタモール(APAP、アセトアミノフェン)である有効量の少なくとも1つの他の薬学的活性成分、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0101】
当業者は、少なくとも1つの本発明の化合物を利用する処置プロトコールは患者のニーズに応じて変えることができることを理解する。それゆえに、本発明の方法において用いられる本発明の化合物は、上記のプロトコールのバリエーションの中で投与することができる。例えば、本発明の化合物は、処置サイクルの間、連続的よりもむしろ非連続的に投与することができる。
【0102】
上で言及されるように、1つの態様において、本発明は、式A
【化26】
【0103】
の構造を持つ、Nav1.7ナトリウムイオンチャネル阻害剤としての活性を持つ化合物またはその塩であって、ここでR
1、R
2およびEは本明細書中に定義される、前記化合物またはその塩を提供する。
【0104】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物中、「R
1」はハロゲンであり、ハロゲンであるように選択されるとき、好ましくは−Brまたは−Clである。
【0105】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物中、R
1は、好ましくは−CH
3である。
【0106】
式Aのいくつかの実施形態において、R
2は、好ましくは式:
【化27】
【0107】
の部分であり、ここで「R
14」および「R
15」のうちの1つは−Hであり、他は:(i)−H;(ii)−CH
3;または(iii)ハロゲン、好ましくは−Fである。
【0108】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物中、Eは、好ましくは式Q−CH
2−NH−(CH
2)
4−の部分であり、ここでQは:
【化28】
【0110】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物中、Eは、好ましくは式:
【化29】
【0112】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物中、好ましくは、Eは、式E
1a:
【化30】
【0113】
の構造を持ち、
ここでBは、構造:
【化31】
【0114】
を持ち、ここで:
(a)R
7Cgは−CH
2−CH(OH)−CH
2−であり、およびR
7Cfは−Hもしくは低級アルキルもしくは低級環状アルキルであり;または
(b)R
7Cgは少なくとも2個の炭素原子から4個までの炭素原子の直鎖アルキル、3から6個までの炭素原子分岐鎖アルキルもしくは6個までの炭素原子の環状アルキルであり、およびR
7Cfは窒素からベータもしくはさらに遠くにあるその1つの炭素上で−OHで置換されている6個までの炭素原子の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキルである。
【0115】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物中、好ましくは、EおよびR
2は、式:
【化32】
【0116】
の化合物または薬学的に許容されるその塩を与えるように選択され、ここで:
Xは−N=または−C(R
C14e)=であり、ここでR
C14eは−H、−Fまたは−CH
3であり;
R
a14Fは、−Cl、−Brまたは−CH
3であり;および
R
8Fは、独立して−Hまたは6個までの炭素原子の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキルである。
【0117】
以下の例において、例示される化合物またはその塩のうちのある種のものは、純粋なエナンチオマーとして調製され、またはエナンチオピュアな前駆体から調製され、または合成後にキラル分離方法、例えばキラルクロマトグラフィーを用いて単離される。キラル化合物の単離後、単離された化合物の絶対立体化学は、例ごとに決定されなかった。したがって、純粋な異性体が調製されたがその絶対配置が確認されていない場合、純粋形態で単離されたエナンチオマーは、以下の慣習により指定される。
【0118】
特に指示がないかぎり、存在する場合、例の化合物の異性体は分離されなかった。特に指示がないかぎり、特定の異性体を過剰に含有する画分、例えば光学異性体を過剰に含有する画分に異性体が分離された場合、この分離は例えば超臨界流体クロマトグラフィーにより達成され得て、分離された異性体の絶対立体化学は決定されなかった。いくつかの化合物について、本明細書中に説明されるように、エナンチオマーをエナンチオピュアな形態で作成したか、または純粋な各エナンチオマー画分を得るように分離し、各エナンチオマーの絶対配置を決定した。それらの化合物の各々は、キラル中心において慣用的な実線および破線の楔形結合を用いた各々の特定のエナンチオマーの指示を伴って本明細書中で構造的に報告され、具体的な異性体命名慣習に従って命名される。
【0119】
例中に出現する反応スキームが1または複数の立体中心を持つ化合物を使用する場合、立体中心は、下で化合物Def−1のイラスト中に示されるようにアスタリスクで指し示される。
【化33】
【0120】
したがって、Def−1は、以下の異性体の対からなる:(i)Trans異性体((2R,7aS)−2−メチルヘキサヒドロ−1H−ピロリジン−7a−イル)メタンアミン(化合物ABC−1)および((2S,7aR)−2−メチルヘキサヒドロ−1H−ピロリジン−7a−イル)メタンアミン(化合物ABC−2);ならびに(ii)Cis異性体((2R,7aR)−2−メチルヘキサヒドロ−1H−ピロリジン−7a−イル)メタンアミン(化合物ABC−3)および((2S,7aS)−2−メチルヘキサヒドロ−1H−ピロリジン−7a−イル)メタンアミン(化合物ABC−4)。
【化34】
【0121】
化合物が調製されて純粋なエナンチオマーに分離されるとき、化合物の各エナンチオマーの絶対配置を決定しなくても、生成物は、両方のエナンチオマー名称を用いた標題中で同定され、例としてABC−1およびABC−2が調製されて純粋なエナンチオマーに分離される場合、標題は「((2R,7aSまたは2S,7aR)−2−メチルヘキサヒドロ−1H−ピロリジン−7a−イル)メタンアミンおよび((2S,7aRまたは2R,7aS)−2−メチルヘキサヒドロ−1H−ピロリジン−7a−イル)メタンアミンの調製」と示される。エナンチオマーの化合物が調製されるいくつかの例において、(Cis)または(Trans)の指定は、2つの立体異性体中に存在する立体中心の関係(realationship)を明らかにするために名称に付けられ得る。理解されるように、実験的調製中の各生成物の「RまたはSエナンチオマー EX−666」および「SまたはRエナンチオマー EX−667」としての同定は、EX−666およびEX−667がエナンチオマー関係およびアスタリスクにより指し示されるキラル炭素を有する同一の構造である場合に、各々の純粋なエナンチオマーが調製されてその報告に伴ったデータにより指し示される性質を持つこと、およびいずれかの化合物の絶対配置を決定することなく両方の前記エナンチオマーが調製され、向上したエナンチオ純度で単離され、このようにして調製されたことを指し示す。かかる例において、各々の純粋なエナンチオマーが特許請求の範囲に記載される。
【0122】
エナンチオマー化合物がラセミ混合物中に調製される場合、立体中心を指し示すためにアスタリスク(astrisk)が構造表記内に挿入されるが、標題は両エナンチオマーの調製を参照するものであり、例として、ABC−3およびABC−4がラセミ体として調製される場合、標題は「((2R,7aRおよび2S7aS)−2−メチルヘキサヒドロ−1H−ピロリジン−7a−イル)メタンアミンの調製」と示される。
【0123】
当業者は、少なくとも1つの本発明の化合物を利用する処置プロトコールは、本明細書中に記載されるように、患者のニーズに応じて変わり得ることを理解する。それゆえに、本発明の方法において用いられる本発明の化合物は、上記のプロトコールのバリエーションの中で投与され得る。例えば、本発明の化合物は、処置サイクルの間、連続的よりもむしろ非連続的に投与され得る。
【0124】
以下の例は本発明の化合物をさらに説明するために表されるが、上で表される一般式を参照して、本発明をこれらの具体的に例示される化合物に限定するものとしてそれらを表すものではない。
【実施例】
【0125】
本発明の化合物の調製の例は次に示される。各々の実施例において、調製された化合物の同定は、種々の技術により確認された。全ての場合、化合物はLC/MSまたはHPLCにより分析した。
【0126】
利用する場合は、Prep HPLCを、Phenomenexd Synergi C18、100mm×21.2mm×5ミクロンのカラムを備えたGilson 281上で行った。条件は流速25mL/分を包含し、0.1% v/v TFAを含む0〜40%のアセトニトリル/水 溶出液で溶出した。
【0127】
LC/MS測定は、A:水中0.1% TFAおよびB:アセトニトリルを含有する移動相を95:5(A:B)から0:100(A:B)まで3.6分かけて、および0:100(A:B)で0.4分間のグラジエントで流速1.4mL/分で用いたAgilent YMC J’Sphere H−80(3×50mm) 5μmカラム、254および220nmにおけるUV検出ならびにAgilent 1100四重極質量分析計、またはA:水中0.0375% TFAおよびB:アセトニトリル中0.01875% TFAを含有する移動相を90:10(A:B)で0.4分間、90:10から0:100(A:B)まで3分かけて、および10:90(A:B)で0.6分間のグラジエントで流速0.8mL/分で用いたAgilent TC−C18(2.1×50mm) 5μmカラム、254および220nmにおけるUV検出ならびにAgilent 6110四重極質量分析計のいずれかを用いた。
【0128】
いくつかの化合物について、化合物の同定をプロトンNMRおよび高分解能MSにより確認した。プロトンNMRは、特に指定がないかぎり、Varian 400 ATB PFG 5mm、Nalorac DBG 400−5またはNalorac IDG 400−5のいずれかのプローブを備えたVarian Unity−Inova 400MHz NMR分光計を用いて標準的な分析技術に従って取得し、スペクトル分析の結果が報告される。
【0129】
高分解能精密質量測定値は、Bruker Daltonics 7T フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(FTICR)質量分析計の使用により取得した。試料をアセトニトリル:水:酢酸(50:50:0.1%v/v)中に溶解し、エレクトロスプレーイオン化(ESI)の使用によりイオン化し、[M+H]+および/または[M+Na]+を生じさせた。外部較正は、ポリプロピレングリコールのオリゴマー(PPG、平均分子量1000Da)を使って達成された。
【0130】
実施例のセクションの全体を通じて、以下の略語を様々な試薬、置換基および溶媒を指し示すために用いた:AcCN=アセトニトリル;AcOH=酢酸;Boc=tert−ブトキシカルボニル;Boc
2OまたはBoc無水物=ジ−tert−ブチルカーボネート;Bn=ベンジル;DABCO=1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン;DAST=ジエチルアミノサルファトリフルオリド;DCE=ジクロロエタン;DCM=ジクロロメタン;DEAD=ジエチルアゾジカルボキシレート;DIPEA=ジイソプロピルアミン;DMAP=4−ジメチルアミノピリジン;DMB(2,4−ジメトキシベンジル−);DMF=ジメチルホルムアミド;DMP=デス・マーチン・ペルヨージナン;DMS=ジメチルスルフィド;DMSO=ジメチルスルホキシド;DPPA=ジフェニルホスホリルアジド;dppf=1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン;EtOAc=酢酸エチル;EtOH=エタノール;Fmoc=フルオレニルオキシカルボニル;HATU=1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム−3−オキシド−ヘキサフルオロリン酸;Hex=ヘキサン類;HMPA=ヘキサメチルホスホルアミド;HPLC=高速液体クロマトグラフィー;IPA=イソプロピルアルコール;LC/MSまたはLCMS=液体クロマトグラフィー/質量分析;LDA=リチウムジイソプロピルアミド;LG=脱離基;LiHMDS=リチウムビス(トリメチルシリル)アミド;MeOH=メタノール;LRMS=低分解能質量分析;MOM=メトキシメチル;MOMCl=メチルクロロメチルエーテル;MsCl=メタンスルホニルクロリド;NMP=N−メチルピロリドン;Pd/C=パラジウム炭素;Pd
2(dba)
3=トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0);PE=石油エーテル;PG=保護基;PMP=パラ−メトキシベンジル;PMBCl=パラ−メトキシベンジルクロリド;Prep−TLC=分取薄層クロマトグラフィー;Py=ピリジン;SCX=強カチオン交換;Selectfluor=1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンジテトラフルオロボレート;SFC=超臨界流体クロマトグラフィー;TBAF=テトラ−n−ブチルアンモニウムフロリド;TBS=tert−ブチルジメチルシリル;TBS−Cl=tert−ブチルジメチルシリルクロリド;THF=テトラヒドロフラン;TFA=トリフルオロ酢酸;TFAA=トリフルオロ酢酸無水物;TsOH=パラ−トルエンスルホン酸;UV=紫外線;Xantphos=4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン。
【0131】
一般的に、本発明の化合物は、スキームA〜D中に概説される方法により調製することができる。スキームA中で、保護されたアリールスルホンアミド中間体A−1(PG、例えば、限定されるものではないがBoc、DMB、PMB、MOMなど)からの脱離基(LG、例えば、限定されるものではないがFなど)のアミンR
1NH
2による置き換えは、化合物A−2を提供する。その後に続くPGの除去は、化合物A−3を産出する。あるいは、アミンR
1NH
2は、保護されていない前駆体A−1(PG=H)と反応することで、直接的にA−3を提供することができる。
【0132】
スキームA
【化35】
【0133】
R
1上にアルデヒド部分を保有する中間体A−2、例えばB−1など(PG、例えば、限定されるものではないがBoc、DMB、PMB、MOMなど)に、一箇所が保護されているジアミンB−2(PG、例えば、限定されるものではないがBoc、Fmocなど)との還元性アミノ化反応を受けさせ、その後のPGの除去により、最終化合物B−3を生み出すことができる。あるいは、B−2を、保護されていない前駆体B−1(PG=H)と反応させ、その後のアミン脱保護により化合物B−3を提供することができる。
【0134】
スキームB
【化36】
【0135】
加えて、R
1上にアミン基を有する化合物A−2、例えばC−1など(PG、例えば、限定されるものではないがBoc、DMB、PMB、MOMなど)に、N−保護されているアミノ酸C−2(PG、例えば、限定されるものではないがBoc、Fmocなど)とのカップリング反応を受けさせることでアミド、例えばC−3などを産出することができ、これを次いで当業者に公知の方法により対応するアミンに還元することができる。両方のPGの除去は、生成物C−4を提供する。加えて、C−2(PG、例えば、限定されるものではないがBoc、Fmocなど)を保護されていない前駆体C−1(PG=H)と反応させ、還元すると結果物のC−3になり、その後のアミン脱保護により対応する生成物C−4を産出することができる。
【0136】
スキームC
【化37】
【0137】
別のアプローチにおいて、化合物C−1(PG、例えば、限定されるものではないがBoc、DMB、PMB、MOMなど)を、還元性アミノ化反応を介してN−保護されているアルデヒドD−1(PG、例えば、限定されるものではないがBoc、Fmocなど)とカップリングさせ、その後の全てのPGの除去により、最終化合物D−2を生み出すことができる。いくつかの場合において、D−1(PG、例えば、限定されるものではないがBoc、Fmocなど)に保護されていないアミン前駆体C−1(PG=H)との還元性アミノ化反応を受けさせ、その後にアミンを脱保護することで、生成物D−2を提供することができる。
【0138】
スキームD
【化38】
【0139】
以下の例は本発明をより十分に説明するために提供されるが、何ら本発明の範囲を限定するものと解釈されるものではない。
【0140】
実施例1−1:
4−[(4−{[(2S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}ブチル)アミノ]−5−クロロ−2−フルオロ−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド(Ex 1−01)
【化39】
【0141】
ステップA:tert−ブチル (3−((4−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)ブチル)アミノ)−2−ヒドロキシプロピル)カルバメート(1−1a)
DCE(40ml)中tert−ブチル (3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)カルバメート(4.99g、26.2mmol)の溶液に、4−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)ブタナール(3.8g、17.5mmol)を加えた。混合物を蓋をしたフラスコ内で室温で30分間撹拌した。次いでナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(9.27g、43.7mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。結果として得られた反応混合物をDCMで希釈し、次いで飽和NaHCO
3で洗浄した。有機層を分離し、MgSO
4で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。残渣を何らさらに精製することなく次のBOC−保護ステップに持ち込んだ。LRMS m/z(M+H) 測定値392.3、計算値392.2。
【0142】
ステップB:tert−ブチル (SおよびR)−(3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−ヒドロキシプロピル)(4−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)ブチル)カルバメートおよびtert−ブチル (R)−(3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−ヒドロキシプロピル)(4−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)ブチル)カルバメート(1−1bおよび1−1c)
DCM(50mL)中の粗精製
1−1a(6.85g、17.5mmol)の溶液に、Boc
2O無水物(6.09mL、26.2mmol)およびDIPEA(7.64mL、43.7mmol)を加えた。反応混合物を室温でN
2雰囲気下、一晩撹拌した。結果として得られた反応混合物をDCMおよびH
2Oで希釈した。有機層を分離し、MgSO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。残渣を0〜50% EtOAc/Hexを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製することで、所望のラセミ体を生じた。LRMS m/z(M+H) 測定値492.6、計算値492.3。エナンチオマーを、20% IPA/CO
2で溶出するICカラムに対するキラルクロマトグラフィーにより精製することで、中間体
1−1b(S−エナンチオマー)をより早く溶出するエナンチオマーとして、中間体
1−1c(R−エナンチオマー)をより遅く溶出するエナンチオマーとして産出した。このようにして単離された1−1bエナンチオマーの絶対配置は、公知の手法(Chem.Rev. 2004,(104),pp 17−117)に従ってキラルなメトキシペーニル酢酸(methoxypehnylacetic acid)を用いて第二級アルコールをエステルに誘導体化した後、プロトンNMRにより決定した。
【0143】
ステップC:tert−ブチル (S)−(4−アミノブチル)(3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−ヒドロキシプロピル)カルバメート(1−1d)
EtOH(5mL)中
1−1b(110mg、0.224mmol)の溶液に、ヒドラジン一水和物(0.152mL、3.13mmol)を加えた。反応混合物をN
2雰囲気下、50℃で2時間撹拌した。結果として得られた反応混合物をDCMで洗浄してろ過した。ろ液を真空中で濃縮した。残渣をDCMおよびH
2Oで希釈した。有機層を分離し、MgSO
4で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。残渣を何らさらに精製することなく次のステップに持ち込んだ。LRMS(MS ES+) m/z(M+H) 測定値362.3、計算値362.3。
【0144】
ステップD:tert−ブチル (S)−(3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−ヒドロキシプロピル)(4−((2−クロロ−4−(N−(2,4−ジメトキシベンジル)−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)スルファモイル)−5−フルオロフェニル)アミノ)ブチル)カルバメート(1−1f)
DMF(5mL)中5−クロロ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−2,4−ジフルオロ−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド(330mg、0.714mmol)の溶液に、
1−1d(258mg、0.714mmol)およびDIPEA(374μL、2.143mmol)を加えた。反応混合物に蓋をし、室温で一晩撹拌した。結果として得られた反応混合物をEtOAcおよびH
2Oで希釈した。有機層を分離し、H
2Oでもう3回洗浄した。結果として得られた有機層を分離し、MgSO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルに対するフラッシュクロマトグラフィー(0〜10% MeOH/DCM)により精製することで、所望の生成物を生じた。LRMS m/z(M+H) 測定値803.4、計算値803.3。
【0145】
ステップE:4−((4−(((2S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)アミノ)ブチル)アミノ)−5−クロロ−2−フルオロ−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド(実施例1−01)
DCM(2mL)中
1−1f(370mg、0.461mmol)の溶液に、TFA(2mL、26.0mmol)を加えた。反応混合物を大気開放された室温で1時間撹拌した。結果として得られた反応混合物を真空中で濃縮した。残渣を1:1 DMSO:H
2O混合物中に溶解し、AcCN+0.05%TFAおよびH
2O+0.05%TFAを用いた逆相HPLC(ISCO 125g HP−C18カラム)により精製した。所望の生成物を有する合わせた画分を真空中で濃縮し、次いで残渣を10:1 1N HCl:AcCN中に溶解し、凍結させ、凍結乾燥機上で乾燥させることで、標題の化合物をHCl塩として生じた。LRMS m/z(M+H) 測定値453.2、計算値453.1。1H NMR(500MHz,CD
3OD):δ8.21(s,1H);7.69(d,J=7.1Hz,1H);6.60(d,J=12.8Hz,1H);4.19(t,J=8.8Hz,1H);3.31(d,2H);3.22−2.96(m,6H);1.82−1.71(m,4H)。
【0146】
Ex 1−06の化合物(表1)を上の手法Bを用いて調製した:
【化40】
【0147】
は、中間体1−1bの代わりに中間体1−1cを用いるだけで上の手法のステップCからEに従うことにより調製される。
【0148】
以下の化合物を、本明細書中の方法論を用いて、しかし適切に置換された試薬を利用して、反応スキームおよび実施例中に記載されるように調製した。必要な出発物質は市販されているもの、文献中に記載されているもの、または過度の実験を伴わずに有機合成の当業者により容易に合成されるものであった。
【0149】
表I
【表1】
【0150】
実施例2−1:
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−3−イル)メチル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド(Ex 2−01)
【化41】
【0151】
ステップA:
5−クロロ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−フルオロ−4−((4−ヒドロキシブチル)アミノ)−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド(2−1a)
DMF(50mL)中5−クロロ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−2,4−ジフルオロ−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド(8.0g、17mmol)の溶液に、4−アミノ−1−ブタノール(1.76mL、19.0mmol)およびDIPEA(4.54mL、26.0mmol)を加えた。反応混合物をN
2雰囲気下、室温で一晩撹拌した。結果として得られた反応混合物をEtOAcおよびH
2Oで希釈した。有機層を分離し、次いでH
2Oで3回洗浄した。結果として得られた有機層をMgSO
4で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルに対するフラッシュクロマトグラフィー(0〜65% EtOAc/Hex)により精製することで、所望の生成物を生じた。LRMS m/z(M+H) 測定値531.2、計算値531.1。
【0152】
ステップB:
4−((4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ブチル)アミノ)−5−クロロ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−フルオロ−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド(2−1b)
DMF(50mL)中
2−1a(6.56g、12.3mmol)の溶液に、イミダゾール(1.85g、27.2mmol)を、次いでTBS−Cl(2.05g、13.6mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩、N
2雰囲気下で撹拌した。結果として得られた反応物をEtOAcおよびH
2Oで希釈した。有機層を分離し、次いでH
2Oで3回洗浄した。結果として得られた有機層を分離し、MgSO
4で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルに対するフラッシュクロマトグラフィー(0〜25% EtOAc/Hex)により精製することで、所望の生成物を生じた。LCMS m/z(M+H) 測定値645.3、計算値645.2。
【0153】
ステップC:
tert−ブチル (4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ブチル)(2−クロロ−4−(N−(2,4−ジメトキシベンジル)−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)スルファモイル)−5−フルオロフェニル)カルバメート(2−1c)
NMP(50mL)中
2−1b(7.6g、11.8mmol)の溶液に、Boc無水物(8.20mL、35.3mmol)を、次いでDMAP(1.44g、11.8mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩、N
2雰囲気下で撹拌した。結果として得られた反応混合物をEtOAcおよびH
2Oで希釈した。有機層を分離し、次いでH
2Oで3回洗浄した。結果として得られた有機層を分離し、MgSO
4で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルに対するフラッシュクロマトグラフィー(0〜20% EtOAc/Hex)により精製することで、所望の生成物を生じた。LRMS m/z(M+H) 測定値745.4、計算値745.2。
【0154】
ステップD:
tert−ブチル (2−クロロ−4−(N−(2,4−ジメトキシベンジル)−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)スルファモイル)−5−フルオロフェニル)(4−ヒドロキシブチル)カルバメート(2−1d)
THF(60mL)中
2−1c(6.12g、8.21mmol)の溶液に、TBAF(10.7mL、10.7mmol)を0℃で緩徐に加えた。反応混合物を室温まで、N
2雰囲気下で一晩撹拌した。結果として得られた反応混合物をEtOAcおよびH
2Oで希釈した。有機層を分離し、MgSO
4で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカに対するフラッシュクロマトグラフィー(0〜50% EtOAc/Hex)により精製することで、所望の生成物を生じた。LRMS m/z(M+H) 測定値631.3、計算値631.1。
【0155】
ステップE:
tert−ブチル (2−クロロ−4−(N−(2,4−ジメトキシベンジル)−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)スルファモイル)−5−フルオロフェニル)(4−オキソブチル)カルバメート(2−1e)
DCM(50mL)中
2−1d(4.15g、6.58mmol)の溶液に、ピリジン(1.60mL、19.7mmol)を、次いでデス・マーチン・ペルヨージナン(4.18g、9.86mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で一晩、N
2雰囲気下で撹拌した。結果として得られた反応混合物を飽和チオ硫酸ナトリウムでクエンチし、DCMおよびH
2Oで希釈した。有機層を水層からDCMで3回抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルに対するフラッシュクロマトグラフィー(0〜60% EtOAc/Hex)により精製することで、所望の生成物を生じた。LCMS m/z(M+H) 測定値629.3、計算値629.1。
【0156】
ステップF:
tert−ブチル 3−(((4−((tert−ブトキシカルボニル)(2−クロロ−4−(N−(2,4−ジメトキシベンジル)−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)スルファモイル)−5−フルオロフェニル)アミノ)ブチル)アミノ)メチル)−3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボキシレート(2−1f)
2−1e(100mg、0.159mmol)およびtert−ブチル 3−(アミノメチル)−3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボキシレート(51.4mg、0.254mmol)の溶液に、DCM(1mL)を加えた。透明な溶液を30分間撹拌し、その後にナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(101mg、0.477mmol)を加えた。反応物は濁りを生じ、これを室温で1時間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO
3(水溶液)でクエンチした。層を分離し、水層をDCMで3回抽出した。有機層を合わせ、MgSO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。LRMS m/z(M+H) 測定値815.3、計算値815.3。
【0157】
ステップG:
5−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−3−イル)メチル]アミノ}ブチル)アミノ]−N−1,2,4−チアジアゾール−5−イルベンゼンスルホンアミド(実施例2−1)
粗精製の生成物
2−1fをDCM(2mL)およびTFA(2mL)中に溶解し、室温で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1:1 DMSO:水中に溶かし、ろ過し、ろ液を逆相クロマトグラフィー(100g C18カラム、0.05% TFAを含む水中0〜100%の0.05% TFAを含むAcCN)により精製することで、凍結乾燥後に生成物を生じた。凍結乾燥物に1N HCl(1mL)およびAcCN(1mL)を加えた。溶液を凍結させ、再度凍結乾燥することにより、生成物を生じた。LRMS m/z(M+H) 測定値465.0、計算値465.1。1H NMR(400MHz,CD
3OD):δ8.22(s,1H);7.65(d,J=7.1Hz,1H);6.58(d,J=12.8Hz,1H);4.28(d,J=11.8Hz,2H);4.13(d,J=11.7Hz,2H);3.51(s,2H);3.32(t,J=6.4Hz,2H),3.12(t,J=7.7Hz,2H);1.80−1.86(m,2H);1.69−1.74(m,2H)。
【0158】
実施例2−01 遊離塩基の調製
実施例2−01の化合物を反応混合物から塩酸塩として単離した。この化合物の遊離塩基形態を以下の手法に従って調製した:
【化42】
【0159】
3つの分量の10mLのメタノール(MeOH)中に、500mg分量の実施例2−01の化合物を溶解した。各分量のメタノール溶液を別々に、Discovery DSC−SCX(シリカ支持体上に重合体的に結合したベンゼンスルホン酸基)の10gプラグの上にロードした。プラグを最初にMeOHで溶出し、回収した画分を捨てた。プラグを次いでMeOH中2N NH
3で溶出し、画分を濃縮することで、白色の固形物を生じた。
【0160】
白色の固形物を次いで少量の水/DMSO中に溶解し、275g C18カラム上にロードし、水中0〜100%アセトニトリル(AcCN)で溶出した。3つの反復から回収された生成物画分を合わせ、凍結させ、凍結乾燥することで、遊離塩基形態のEx 2−01の化合物を提供した。
【0161】
LCMS m/z(M+H) 測定値465.2、計算値465.1。1H NMR(DMSO−d
6,500MHz):δH 7.84(s,1H),7.50(d,J=7.3Hz,1H),6.53(d,J=12.7Hz,1H),6.09(m,1H),6.00(brs,1H),4.09(brs,1H),3.82(d,J=10.4Hz,2H),3.69(d,J=10.4Hz,2H),3.17(m,2H),2.70(s,2H),2.60(t,J=6.9Hz,2H),1.55(m,2H),1.44−1.47(m,2H)。
【0162】
以下の化合物を、本明細書中の方法論を用いて、しかし適切に置換された試薬を代わりに用いて、反応スキームおよび実施例中に記載されるように調製した。必要な出発物質は市販されているもの、文献中に記載されているもの、または過度の実験を伴わずに有機合成の当業者により容易に合成されるものであった。
【0163】
表2
【表2】
【0164】
実施例2−17および2−18は、実質的に純粋な形態で単離された以下のエナンチオマー:
【化43】
【0165】
の各々の調製を表すこと、ならびに実施例2−29および2−30は、実質的に純粋な形態で単離された以下のエナンチオマー:
【化44】
【0166】
の各々の調製を表すことが理解される。
【0167】
実施例3:(S)−5−クロロ−4−((4−(((4,4−ジフルオロピロリジン−2−イル)メチル)アミノ)ブチル)アミノ)−2−フルオロ−N−(チアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(Ex3−01)
【化45】
【0168】
ステップA. tert−ブチル (4−((2−クロロ−4−(N−(2,4−ジメトキシベンジル)−N−(チアゾール−2−イル)スルファモイル)−5−フルオロフェニル)アミノ)ブチル)カルバメート(3−1a)
NMP(21mL)中5−クロロ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−2,4−ジフルオロ−N−(チアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(2g、4.34mmol)およびtert−ブチル (4−アミノブチル)カルバメート(900mg、4.77mmol)の溶液に、ヒューニッヒ塩基(2.3mL、13.02mmol)を25℃で加えた。混合物を70℃で、密封チューブ内で12時間撹拌した。混合物を次いでprep−HPLCにより精製することで、所望の生成物を黄色の油状物として与えた。
【0169】
LRMS m/z(M+H) 測定値629.6、計算値629.2。
【0170】
ステップB. 4−((4−アミノブチル)アミノ)−5−クロロ−2−フルオロ−N−(チアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(3−1b)
DCM(32mL)中
3−1a(2g、3.18mmol)の溶液に、TFA(0.7mL、9.54mmol)を25℃で加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物を次いで濃縮し、MeOH中に懸濁し、SCX(50g、MeOH中2N NH
3で溶出)により精製することで、所望の生成物を白色の固形物として与えた。
【0171】
1H NMR(500MHz,DMSO):δ7.55(d,J=7.2Hz,1H);6.95(d,J=3.9Hz,1H);6.52(s,1H);6.50(s,1H);6.46(d,J=3.9Hz,1H);6.01(s,1H);3.18(m,2H);2.79(m,2H);1.54(m,4H)。
【0172】
LRMS m/z(M+H) 測定値379.5、計算値379.0。
【0173】
ステップC. tert−ブチル (2S)−2−((4−((2−クロロ−5−フルオロ−4−(N−(チアゾール−2−イル)スルファモイル)フェニル)アミノ)−ブチル)カルバモイル)−4−ヒドロキシ−4−メチルピロリジン−1−カルボキシレート(3−1c)
DMF(3mL)中
3−1b(300mg、0.792mmol(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシ−4−メチルピロリジン−2−カルボン酸(194mg、0.792mmol)およびEt
3N(330ul、2.38mmol)の溶液に、HATU(300mg、0.792mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌し、500ulの水でクエンチし、5mlのEtOAcで抽出した。合わせた有機相を濃縮し、次のステップに進めた。
【0174】
ステップD. 5−クロロ−2−フルオロ−4−((4−((((2S)−4−ヒドロキシ−4−メチルピロリジン−2−イル)メチル)アミノ)ブチル)アミノ)−N−(チアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(3−1)
クロロビス(シクロオクテン)イリジウム(I)ダイマー(6.73mg、7.52μmol)を、ジエチルシラン(779μl、6.01mmol)を含有するuwバイアルに室温で加えた。混合物を5分間撹拌し、この時にDCM(375uL)中
3−1c(227mg、0.376mmol)の溶液を加えた。バイアルに封をし、80℃まで2時間加熱した。反応物を濃縮し、次いで1:1 DCM:TFA(2mL)溶液中に溶かし、追加で30分間、室温で撹拌した。反応物を次いで濃縮し、prep−HPLCにより精製することで、所望の生成物を黄色の油状物として与えた。
【0175】
1H NMR(500MHz,DMSO):δ7.63(m;2H);7.27(d;J=4.6Hz;1H);6.83(d;J=4.6Hz;1H);6.69(d,J=12.89Hz,1H);6.44(m;1H);3.95(m;1H);2.75−3.33(m;9H);1.92(m;1H);1.82(m;1H);1.47−1.72(m;6H);1.34(s;3H)。
【0176】
LRMS m/z(M+H) 測定値492.3、計算値492.1。
【0177】
選択された中間体化合物の合成
中間体1−1e:
5−クロロ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−2,4−ジフルオロ−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド
【化46】
【0178】
ステップ1:N−(2,4−ジメトキシベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(C−1)
パージして不活性窒素雰囲気を維持した20000mL 四ツ口丸底フラスコ内に、1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(300g、2.97mol)、2,4−ジメトキシベンズアルデヒド(472g、2.84mol、1.05当量)、p−TsOH(4.1g、23.8mmol、0.01当量)、トルエン(9L)を入れた。結果として得られた溶液を還流まで一晩、水分離器を使って加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、真空下で濃縮した。残渣をメタノールで洗浄した。結果として得られた黄色の固形物を次の反応において粗精製で用いた。パージして不活性窒素雰囲気を維持した10L 四ツ口丸底フラスコ内に、THF(5.5L)中の粗精製固形物(550g、2.21mol)の溶液を入れた。この後、NaBH
4(83g、2.25mol)をいくつかのバッチに分けて、0℃で加えた。結果として得られた溶液を室温で3時間撹拌し、次いで3×1Lの酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、1×1000mLのブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラム上にアプライし、ジクロロメタン/メタノール(100:1)で溶出することで、標題の化合物を固形物として与えた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3) δ8.22(s,1H),7.73(t,J=7.6Hz,1H),7.19(d,J=8.4Hz,1H),6.87(t,J=8.4Hz,1H),6.35(dd,J=2.4,6.0Hz,1H),6.15(d,J=2.0Hz,1H),5.36(s,2H),3.74(s,3H),3.66(s,3H)。MS m/z(M+H):462.0。
【0179】
ステップ2:5−クロロ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−2,4−ジフルオロ−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド
THF(20mL)中
C−1(1.0g、4.0mmol)の混合物に、LiHMDS(5mL、5mmol、1M)を−78℃、N
2下で加えた。混合物を室温まで温め、1時間撹拌した後、−78℃まで冷却した。次いでTHF(4mL)中5−クロロ−2,4−ジフルオロベンゼン−1−スルホニルクロリド(1.2g、4.8mmol)の溶液を滴下して加えた。混合物を室温で追加で1時間撹拌し、次いで飽和NH
4Clでクエンチした。混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣をシリカゲルに対するカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc=6:1)により精製することで、標題の化合物を産出した。
1H NMR(400MHz,CDCl
3) δ8.22(s,1H),7.73(t,J=7.6Hz,1H),7.19(d,J=8.4Hz,1H),6.87(t,J=8.4Hz,1H),6.35(dd,J=2.4,6.0Hz,1H),6.15(d,J=2.0Hz,1H),5.36(s,2H),3.74(s,3H),3.66(s,3H)。MS m/z(M+H):462.0。
【0180】
中間体2:
5−ブロモ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−2,4−ジフルオロ−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド
【化47】
【0181】
中間体1−1e、ステップ2と類似した手法を用いて、5−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン−1−スルホニルクロリドを用いて、中間体2を合成した。
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ8.24(s,1H),7.89(t,J=7.2Hz,1H),7.21(d,J=8.4Hz,1H),6.85(t,J=8.4Hz,1H),6.35(d,J=8.4Hz,1H),6.16(d,J=1.6Hz,1H),5.37(s,2H),2.99(s,3H),3.03(s,3H)。
【0182】
中間体3:
N−(2,4−ジメトキシベンジル)−2,4−ジフルオロ−N−(5−フルオロチアゾール−2−イル)−5−メチルベンゼンスルホンアミド
【化48】
【0183】
中間体1−1eと類似した手法を用いて、5−フルオロチアゾール−2−アミンおよび2,4−ジフルオロ−5−メチルベンゼンスルホニルクロリドを用いて、中間体3を合成した。
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ7.68(t,J=7.6Hz,1H),7.18(d,J=8.4Hz,1H),6.99(d,J=2.4Hz,1H),6.89(t,J=9.2Hz,1H),6.40−6.33(m,2H),5.06(s,2H),3.78(s,3H),3.73(s,3H),2.26(s,3H)。
【0184】
中間体4:
tert−ブチル (2−ブロモ−4−(N−(3,4−ジメチルベンジル)−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)スルファモイル)−5−フルオロフェニル)(4−オキソブチル)カルバメート
【化49】
【0185】
例2−1中の中間体2−1eと類似して、中間体2(tert−ブチル (2−ブロモ−4−(N−(3,4−ジメチルベンジル)−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)スルファモイル)−5−フルオロフェニル)(4−オキソブチル)カルバメート)から開始して、中間体4を調製した。
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ9.80(s;1H);8.22(s;1H);7.84(d;J=6.8Hz;1H);7.21(d;J=8.4Hz;1H);6.97(d;J=9.2Hz;1H);6.36−6.34(m;1H);6.15(s,1H);5.65(br,s,1H);5.11(br,s,1H);3.74(s,3H);3.67(s,3H);3.60(br,s,1H);3.39(br,s,1H);2.62−2.57(m;2H);1.86−1.84(m;2H);1.47−1.23(br,s;9H)。
【0186】
中間体5:
tert−ブチル (2−クロロ−4−(N−(3,4−ジメチルベンジル)−N−(チアゾール−2−イル)スルファモイル)−5−フルオロフェニル)(4−オキソブチル)カルバメート(L−005578859−000F)
【化50】
【0187】
例2−1中の中間体2−1eと類似して、5−クロロ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−2,4−ジフルオロ−N−(チアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミドから開始して、
中間体5を調製した。LC−MS(ES,m/z):650[M+Na]
+;
1HNMR(400MHz,DMSO):δ9.66(1H,s),7.79〜7.88(2H,m),7.47(2H,m),7.06(1H,m),6.44〜6.48(2H,m),5.07(2H,s),3.70(6H,d),3.55(2H,m),1.68(2H,m),1.31(9H,s)。
【0188】
中間体6:
tert−ブチル (2−クロロ−4−(N−(3,4−ジメチルベンジル)−N−(5−フルオロチアゾール−2−イル)スルファモイル)−5−フルオロフェニル)(4−オキソブチル)カルバメート(L−005539256−000J)
【化51】
【0189】
例2−1中の中間体2−1eと類似して、5−クロロ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−2,4−ジフルオロ−N−(5−フルオロチアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミドから開始して、中間体6を調製した。LC−MS(ES,m/z):646[M+H]
+;
1HNMR(400MHz,CDCl
3):δ1.25−1.57(9H,m),1.85(2H,s),2.54−2.55(2H,d),3.59(2H,s),3.73−3.86(6H,m),5.06(2H,s),6.33−6.39(2H,m),7.00−7.19(3H,m),7.83−7.85(1H,d),9.79(1H,s)。
【0190】
中間体7:
tert−ブチル (2−ブロモ−4−(N−(3,4−ジメチルベンジル)−N−(5−フルオロチアゾール−2−イル)スルファモイル)−5−フルオロフェニル)(4−オキソブチル)カルバメート
【化52】
【0191】
例2−1中の中間体2−1eと類似して、5−クロロ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−2,4−ジフルオロ−N−(チアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミドから開始して、
中間体7を調製した。
【0192】
LCMS m/z(M+H) 計算値:690.1;測定値(M+H):690.2
中間体8:
tert−ブチル (S)−(3−アミノ−4−ヒドロキシブチル)カルバメート
【化53】
【0193】
THF(10ml)中(S)−メチル 2−アミノ−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ブタノエート、HCl(300mg、1.116mmol)の撹拌溶液に、DIBAL−H(5.58ml、5.58mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。反応物を1N NaOHで緩徐にクエンチし、EtOAcで希釈した。有機相を分離し、乾燥させ、濃縮することで、(S)−tert−ブチル (3−アミノ−4−ヒドロキシブチル)カルバメートを与えた。LCMS m/z(M+H) 計算値:205.15;測定値(M+H):205.06。
【0194】
中間体9:
tert−ブチル (R)−(2−アミノ−3−ヒドロキシプロピル)カルバメート
【化54】
【0195】
ステップA:
ベンジル tert−ブチル (3−ヒドロキシプロパン−1,2−ジイル)(R)−ジカルバメート
DCM(10ml)中(R)−メチル 2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノエート、HCl(500mg、1.286mmol)の溶液に、DIBAL−H(6.43ml、6.43mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。反応物を1N NaOHで緩徐にクエンチし、DCMで希釈し、1N NaOHで洗浄した。有機相を分離し、乾燥させ、濃縮することで、(R)−ベンジル tert−ブチル (3−ヒドロキシプロパン−1,2−ジイル)ジカルバメートを与えた。LCMS m/z(M+H) 計算値:325.17;測定値(M+H):325.28。
【0196】
ステップB:
tert−ブチル (R)−(2−アミノ−3−ヒドロキシプロピル)カルバメート
MeOH(20ml)中(R)−ベンジル tert−ブチル (3−ヒドロキシプロパン−1,2−ジイル)ジカルバメート(160mg、0.493mmol)の溶液中のPd−C(52.5mg、0.493mmol)にH2バルーンを備え付けた。混合物を徹底的に脱気し、次いで25℃、H
2(バルーン)下で一晩撹拌した。混合物をセライトのパッドを通してろ過し、次いで真空中で濃縮することで、(R)−tert−ブチル (2−アミノ−3−ヒドロキシプロピル)カルバメートを与えた。LCMS m/z(M+H) 計算値:191.13;測定値(M+H):191.19。
【0197】
中間体10:
tert−ブチル (S)−(2−アミノ−3−ヒドロキシプロピル)カルバメート
【化55】
【0198】
中間体9と類似して、(S)−メチル 2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノエート、HClから開始して、中間体10を合成した。LCMS m/z(M+H) 計算値:191.13;測定値(M+H):191.19。
【0199】
IonWorks(登録商標)実験手法
化合物を、HEK293細胞において安定的に発現したヒトNav1.7およびNav1.5チャネルに対して試験した。IonWorks Quattro上でのナトリウム電流測定:IonWorks Quattroプラットフォーム(Molecular Devices)上の自動化パッチクランプアッセイを用いて、ヒトNav1.7および1.5チャネルの状態依存的阻害を測定した。細胞を、Population Patch Plate(PPC)技術を用いて平面基板上に密封した。電気的アクセスを、ナイスタチンおよびアンホテリシンの両方を用いて得た。二重パルスプロトコールを、不活性状態の遮断についてのIC
50値の決定のために用いた。Nav1.7およびNav1.5発現細胞を、それぞれ−100mVおよび−110mVにて電圧クランプした。−10mV(Nav1.7)または−30mV(Nav1.5)への1000ms間の脱分極性プレパルスを、その後に−100mV(Nav1.7)または−110mV(Nav1.5)への10msの再分極を与えて約50%の部分チャネル不活性化を生成させ、その後に−10mV(Nav1.7)または−30mV(Nav1.5)への10msの試験パルスを与えて、対照条件および化合物添加後のピーク電流を測定した。以下の記録溶液を用いた(mM)。外部:150 NaCl、2 CaCl
2、5 KCl、1 MgCl
2、10 HEPES、12 ブドウ糖;内部:120 CsF、30 CsCl、10 EGTA、5 HEPES、5 NaF、2 MgCl
2。
【0200】
全ての電気生理学実験について、オフライン分析を用いてパーセント阻害を薬物濃度の関数として決定した。IC
50値をヒルの式に当てはめることにより決定した。
【0201】
上で例示される実施例1から4および表1から3中の様々な化合物を、活性および選択性について前述のIonWorks(登録商標)技術を用いてアッセイした。結果は以下の段落中に、参照の実施例および化合物での化合物の同定(例としてEx 1−1は実施例1、化合物1)、その後にここで記載されるnMで表した観測された効力およびNa
v1.7効力:Na
v1.5効力の比を表現する形式で報告される。それゆえに、Ex1−1:1.7=50/比≧660は、化合物実施例1、化合物1を、Nav1.7ナトリウムイオンチャネルに対する効力 50nM(IonWorks(登録商標)により測定されたもの)を、およびIonWorks(登録商標)測定により決定されたNa
v1.7:Na
v1.5効力の比 660を持つものとして同定している。以下の結果が報告される:
IonWorks(登録商標)データ
EX 1−1:1.7=50/比≧660;;EX 1−2:1.7=20/比≧1650;EX 1−4:1.7=39/比≧846;EX 1−5:1.7=19/比≧1737;EX 1−6:1.7=15/比≧2200;EX 1−7:1.7=7.0/比≧4714;EX 1−8:1.7=17/比≧1941;EX 1−9:1.7=55/比≧600;EX 1−11:1.7=6.6/比≧5000;EX 2−1:1.7=16/比≧2063;EX 2−2:1.7=23/比≧1435;EX 2−4:1.7=35/比≧943;EX 2−6:1.7=14/比≧2357;EX 2−9:1.7=29/比≧1138;EX 2−16:1.7=32/比≧1031;EX 2−17:1.7=15/比≧2200;EX 2−18:1.7=16/比≧1000;EX 2−20:1.7=40/比≧825;EX 2−21:1.7=32/比≧344;EX 2−22:1.7=35/比≧942;EX 2−23:1.7=23/比≧1435;EX 2−24:1.7=30/比≧1100;;EX 2−25:1.7=15/比≧2200;EX 2−28:1.7=18/比≧1833;EX 2−29:1.7=18/比≧1833;EX 2−30:1.7= 17/比≧1941;EX 2−31:1.7=30/比≧1100;EX 2−32:1.7=19/比≧1737;EX 2−33:1.7=20/比≧1650;EX 2−34:1.7=18/比≧1833;EX 2−35:1.7=15/比≧2200;EX 2−36:1.7=24/比≧1375;EX 2−37:1.7=27/比≧1222;EX 2−38:1.7=40/比≧825;EX 2−39:1.7=60/比≧550;EX 2−40:1.7=50/比≧660;EX 2−41:1.7=29/比≧655;EX 2−42:1.7=160/比≧200;EX 2−43:1.7=15/比≧2200;EX 2−44:1.7=25/比≧1300;EX 3−1:1.7=100/比≧330。