(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1Aはプラグコネクタに取り付けられた状態にある第一実施形態のコネクタ固定具を左上前方から見た状態を示す斜視図である。
図1Bはケース部が開かれた状態にある第一実施形態のコネクタ固定具を左上前方から見た状態を示す斜視図である。
図1Cはケース部が開かれた状態にある第一実施形態のコネクタ固定具を左下前方から見た状態を示す斜視図である。
【
図2】
図2Aは第一実施形態のコネクタ固定具の平面図である。
図2Bは第一実施形態のコネクタ固定具の左側面図である。
図2Cは第一実施形態のコネクタ固定具の正面図である。
図2Dは第一実施形態のコネクタ固定具の右側面図である。
図2Eは第一実施形態のコネクタ固定具の背面図である。
図2Fは第一実施形態のコネクタ固定具の底面図である。
【
図3】
図3Aは
図2D中にIIIA−IIIA線で示した切断箇所を拡大して示す断面図である。
図3Bはプラグコネクタに取り付けられたコネクタ固定具を示す断面図である。
【
図4】
図4Aは第一実施形態のコネクタ固定具がプラグコネクタに取り付けられ、そのプラグコネクタがパネルの内側にあるレセプタクルコネクタに挿し込まれた状態を示す平面図である。
図4Bは第一実施形態のコネクタ固定具がプラグコネクタに取り付けられ、そのプラグコネクタがパネルの内側にあるレセプタクルコネクタに挿し込まれた状態を示す左側面図である。
図4Cはパネルから爪に作用する力を示す説明図である。
【
図5】
図5Aは第一実施形態のコネクタ固定具がプラグコネクタに取り付けられ、そのプラグコネクタがパネルの開口部に挿し込まれていない状態を示す斜視図である。
図5Bは第一実施形態のコネクタ固定具がプラグコネクタに取り付けられ、そのプラグコネクタがパネルの開口部に挿し込まれた状態を示す斜視図である。
【
図6】
図6Aは第二実施形態のコネクタ固定具を左上前方から見た状態を示す斜視図である。
図6Bは第二実施形態のコネクタ固定具を左下前方から見た状態を示す斜視図である。
【
図7】
図7Aは第二実施形態のコネクタ固定具がプラグコネクタに取り付けられ、そのプラグコネクタがパネルの内側にあるレセプタクルコネクタに挿し込まれた状態を示す平面図である。
図7Bは第二実施形態のコネクタ固定具がプラグコネクタに取り付けられ、そのプラグコネクタがパネルの内側にあるレセプタクルコネクタに挿し込まれた状態を示す左側面図である。
【
図8】
図8Aは第三実施形態のコネクタ固定具を左上前方から見た状態を示す斜視図である。
図8Bは第三実施形態のコネクタ固定具を左下前方から見た状態を示す斜視図である。
【
図9】
図9Aは第三実施形態のコネクタ固定具がプラグコネクタに取り付けられ、そのプラグコネクタがパネルの内側にあるレセプタクルコネクタに挿し込まれた状態を示す平面図である。
図9Bは第三実施形態のコネクタ固定具がプラグコネクタに取り付けられ、そのプラグコネクタがパネルの内側にあるレセプタクルコネクタに挿し込まれた状態を示す左側面図である。
【
図10】
図10Aは第四実施形態のコネクタ固定具及びプラグコネクタを左上前方から見た状態を示す斜視図である。
図10Bは第四実施形態のコネクタ固定具及びプラグコネクタを左下前方から見た状態を示す斜視図である。
【
図11】
図11Aは第五実施形態のコネクタ固定具を左上前方から見た状態を示す斜視図である。
図11Bは第五実施形態のコネクタ固定具を右上前方から見た状態を示す斜視図である。
図11Cは第五実施形態のコネクタ固定具を左下前方から見た状態を示す斜視図である。
図11Dは第五実施形態のコネクタ固定具を右下前方から見た状態を示す斜視図である。
【
図12】
図12Aは第一実施形態のコネクタ固定具の平面図である。
図12Bは第一実施形態のコネクタ固定具の左側面図である。
図12Cは第一実施形態のコネクタ固定具の正面図である。
図12Dは第一実施形態のコネクタ固定具の右側面図である。
図12Eは第一実施形態のコネクタ固定具の背面図である。
図12Fは第一実施形態のコネクタ固定具の底面図である。
【
図13】
図13Aは
図12C中にXIIIA−XIIIA線で示した切断箇所を拡大して示す断面図である。
図13Bはコネクタ固定具をプラグコネクタに取り付ける前の状態を示す斜視図である。
図13Cはコネクタ固定具をプラグコネクタに取り付けた後の状態を示す斜視図である。
【
図14】
図14Aはコネクタ固定具及びプラグコネクタの使用状態を示す斜視図である。
図14Bはコネクタ固定具及びプラグコネクタの使用状態を示す説明図である。
【
図15】
図15Aはコネクタ固定具及びプラグコネクタの別の使用状態を示す斜視図である。
図15Bはコネクタ固定具及びプラグコネクタの別の使用状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、上述のコネクタ固定具について、例示的な実施形態を挙げて説明する。
(1)第一実施形態
まず第一実施形態について説明する。なお、以下の説明においては、図中に併記した前後左右上下の各方向を利用して説明を行う。これらの各方向は、コネクタ固定具の六面図(
図2A〜
図2F参照。)において、正面図に表れる箇所が向けられる方向を前、背面図に表れる箇所が向けられる方向を後、左側面図に表れる箇所が向けられる方向を左、右側面図に表れる箇所が向けられる方向を右、平面図に表れる箇所が向けられる方向を上、底面図に表れる箇所が向けられる方向を下、と規定した相対的な方向である。ただし、これらの各方向は、コネクタ固定具を構成する各部の相対的な位置関係を簡潔に説明するために規定した方向に過ぎない。したがって、例えばコネクタ固定具の使用時等に、コネクタ固定具がどのような方向に向けられるかは不定である。
【0014】
図1A,
図1B,及び
図1Cに示すように、コネクタ固定具1は、取り付け部3と、抜け止め部5とを有する。取り付け部3は、プラグコネクタ91に対して取り付け可能に構成されている。本実施形態の場合、プラグコネクタ91は、USB(Universal Serial Bus)コネクタである。取り付け部3は、ケース部7と、突出部9とを有する。
【0015】
ケース部7は、
図2Aから
図2Fまでの各図に示すように、一対の外殻部11,11と、ヒンジ部13とを有する。ヒンジ部13は、一対の外殻部11,11を開閉可能に連結している。一対の外殻部11,11は、それぞれが凹部15を有し、これらの凹部15が対向することによってケース部7の内部に構成される空間内に、プラグコネクタ91の少なくとも一部を収容可能に構成されている。凹部15内には、両面粘着シート17(本開示でいうずれ抑制部の一例に相当。)が貼り付けられている。
【0016】
両面粘着シート17は、クッション性のある発泡樹脂製基材の両面に粘着層が設けられた構造になっている。外殻部11の凹部15内には、
図3Aに示すように、両面粘着シート17の厚さよりも浅い有底穴19が設けられている。その有底穴19内に両面粘着シート17が嵌め込まれて、有底穴19の底面に両面粘着シート17の一方の面が貼り付けられている。両面粘着シート17の他方の面は、
図3Bに示すように、プラグコネクタ91がケース部7の内部に収容された際に、プラグコネクタ91に貼り付けられる。プラグコネクタ91がケース部7の内部に収容された際、両面粘着シート17は、プラグコネクタ91とケース部7との間で圧縮されて、プラグコネクタ91及びケース部7の双方に密着する。
【0017】
また、ケース部7は、
図1A及び
図3Bに示すように、ロック部21を有する。ロック部21は、一方の外殻部11に設けられた雄側ロック片21Aと、他方の外殻部11に設けられた雌側ロック片21Bを有する。一対の外殻部11,11が閉じられた際、ロック部21では、
図3Bに示すように、雄側ロック片21Aと雌側ロック片21Bが互いに引っ掛かることにより、一対の外殻部11,11が開かれるのを抑制する。なお、雄側ロック片21Aと雌側ロック片21Bが互いに引っ掛かる状態を解除された際には、ロック部21は一対の外殻部11,11が開かれるのを許容する状態になる。
【0018】
ケース部7は、
図4A及び
図4Bに示すように、取り付け部3がプラグコネクタ91に対して取り付けられた状態でプラグコネクタ91がレセプタクルコネクタ93に対して挿し込まれた際、機器の内外を区画するパネル95の外側に配置される。なお、パネル95には、
図5A及び
図5Bに示すように、コネクタ固定具1に対応する形状とされた開口部97が設けられている。
【0019】
突出部9は、ケース部7から図中でいう前方に向かって突出している。取り付け部3がプラグコネクタ91に対して取り付けられた状態でプラグコネクタ91がレセプタクルコネクタ93に対して挿し込まれた際、突出部9は、
図4A及び
図4Bに示すように、突出方向先端部がパネル95に設けられた開口部97を通ってパネル95の内側へと入り込む。
【0020】
抜け止め部5は、一端が取り付け部3に対して固定された固定端5A、他端が抜け止め部5の弾性変形に伴って変位可能な可動端5Bとされている。抜け止め部5の固定端5Aは、突出部9におけるパネル95の内側へと入り込む部分にある。抜け止め部5は、固定端5Aから突出部9に対して折り返す方向へと延びている。抜け止め部5において、突出部9に対する折り返し方向へと延びる部分は、開口部97を通ってパネル95の外側に達している。そのパネル95の外側に達した先端が可動端5Bとなっている。
【0021】
抜け止め部5の可動端5Bに外力を加えて可動端5Bを図中でいう下方へ変位させると、抜け止め部5が弾性変形して第一位置(
図4B中に実線で示す位置。)から第二位置(
図4B中に破線で示す位置。)へ変位する。また、抜け止め部5を第二位置へ変位させた状態において、可動端5Bに外力が作用しなくなると、弾性変形に伴って生じていた弾性力により、抜け止め部5が第二位置から第一位置へ復帰する。
【0022】
抜け止め部5においてプラグコネクタ91側とは反対側に向けられた箇所には、爪23が設けられている。抜け止め部5が第一位置にある場合には、爪23がパネル95の内側に引っ掛かる。これにより、抜け止め部5は、プラグコネクタ91がレセプタクルコネクタ93から引き抜かれる方向へ変位するのを抑制する。また、抜け止め部5が第二位置にある場合には、爪23がパネル95の内側に引っ掛からなくなる。よって、プラグコネクタ91をレセプタクルコネクタ93から引き抜くことができる。
【0023】
プラグコネクタ91をレセプタクルコネクタ93から引き抜く方向へ力が作用した場合、
図4Cに示すように、パネル95から爪23に対して力Fが作用する。この力Fは、抜け止め部5を固定端5A側に向かって押圧する分力F1と、抜け止め部5をプラグコネクタ91側から引き離そうとする方向に作用する分力F2との合力となる。そのため、抜け止め部5をプラグコネクタ91側から引き離そうとする方向に作用する分力F2により、抜け止め部5はパネル95側に向かって押圧される。すなわち、プラグコネクタ91をレセプタクルコネクタ93から引き抜く方向へ外力が作用した際には、機器の一部に相当するパネル95から抜け止め部5に対し、抜け止め部5を第一位置側へ変位させる向きに力F2が作用するように構成されている。したがって、爪23がパネル95側から引き離されにくくなる。よって、爪23がパネル95に引っ掛かる第一位置にある状態を維持することができる。したがって、プラグコネクタ91がレセプタクルコネクタ93から引き抜かれてしまうのを抑制することができる。
【0024】
ケース部7は、一対の外殻部11,11が閉じられた状態において、
図3Bに示すように、プラグコネクタ91の上側を覆う第一部分7Aと、プラグコネクタ91の下側を覆う第二部分7Bと、プラグコネクタ91の左側を覆う第三部分7Cと、プラグコネクタ91の右側を覆う第四部分7Dを有する形状になる。これにより、ケース部7は、第一部分7A、第二部分7B、第三部分7C、及び第四部分7Dによって囲まれる空間内に、プラグコネクタ91を収容可能となる。
【0025】
第一部分7A及び第二部分7Bは、プラグコネクタ91のレセプタクルコネクタ93に対する挿し込み方向(図中でいう前後方向。)に直交する第一方向(図中でいう上下方向。)に第一の間隔を空けて配置されている。第三部分7C及び第四部分7Dは、上記挿し込み方向(図中でいう前後方向。)及び第一方向(図中でいう上下方向。)の双方に直交する第二方向(図中でいう左右方向。)に第一の間隔よりも大となる第二の間隔を空けて配置されている。
【0026】
突出部9は、上述の第一部分7Aから突出している。そのため、突出部9の幅(第二方向の寸法。)を、突出部9が第三部分7C又は第四部分7Dから突出している場合における突出部9の幅(第一方向の寸法。)よりも大とすることができる。よって、突出部9の幅を大きめに設定できる分だけ、抜け止め部5の幅も大とすることができ、抜け止め部5の機械的強度を向上させることができる。
【0027】
以上説明したように、上記コネクタ固定具1によれば、プラグコネクタ91がレセプタクルコネクタ93から引き抜かれるのを抑制することができる。しかも、プラグコネクタ91をレセプタクルコネクタ93から引き抜く方向へ外力が作用した際、抜け止め部5には、抜け止め部5を第一位置側へ変位させる向きに力が作用する。したがって、爪23がパネル95から外れにくくなる。よって、プラグコネクタ91の引き抜きを抑制する効果が向上する。
【0028】
(2)第二実施形態
次に、第二実施形態について説明する。なお、第二実施形態以降の実施形態は、第一実施形態で例示した構成の一部を変更した実施形態である。よって、第二実施形態以降は、第一実施形態との相違点を中心に詳述し、第一実施形態と重複する説明については省略する。なお、第一実施形態と同様な部分に関しては、図中に第一実施形態と同じ符号を付す。
【0029】
図6A及び
図6Bに示すように、第二実施形態のコネクタ固定具31は、第一実施形態のコネクタ固定具1に対し、一対の突起33,33が付加された構造になっている。その他の点は、第一実施形態のコネクタ固定具1と同様に構成されている。
【0030】
一対の突起33,33は、
図7A及び
図7Bに示すように、コネクタ固定具31がパネル95の開口部97に挿し込まれた際に開口部97へと入り込み、開口部97内においてコネクタ固定具31が上下方向へ変位するのを規制する。すなわち、突起33の上下方向寸法は、開口部97の上下方向の開口幅と一致する寸法とされ、突起33は、上下方向について開口部97の内側にぴったりと嵌まり込むように構成されている。
【0031】
このような突起33を設ければ、コネクタ固定具31を単体で開口部97に挿し込むだけで、コネクタ固定具31をパネル95に対して取り付けることができる。また、その際、ケース部7が開かれたままでも閉じられていても、コネクタ固定具31をパネル95に対して取り付けることができる。
【0032】
したがって、このようなコネクタ固定具31を利用すれば、例えば、以下のような手順でコネクタ固定具31とプラグコネクタ91との位置決めを行うことができる。すなわち、まずはケース部7を開いたままコネクタ固定具31を単体で開口部97に挿し込むことにより、コネクタ固定具31をパネル95に対して位置決めする。次に、開口部97内にあるレセプタクルコネクタ93にプラグコネクタ91を挿し込むことにより、プラグコネクタ91をパネル95に対して位置決めする。そして、ケース部7を閉じることにより、コネクタ固定具31をプラグコネクタ91に対して取り付ける。
【0033】
このような手順でコネクタ固定具31とプラグコネクタ91との位置決めを行えば、レセプタクルコネクタ93とパネル95との相対位置にばらつきがある場合でも、現場でコネクタ固定具31とプラグコネクタ91との相対位置を最適化することができる。あるいは、プラグコネクタ91の寸法にばらつきがある場合でも、コネクタ固定具31とプラグコネクタ91との相対位置を最適化することができる。なお、上記以外の作用、効果は第一実施形態と同様である。
【0034】
(3)第三実施形態
次に、第三実施形態について説明する。
図8A及び
図8Bに示すように、第三実施形態のコネクタ固定具41は、第二実施形態のコネクタ固定具31に対し、更に一対のばね片43,43が付加された構造になっている。その他の点は、第二実施形態のコネクタ固定具31と同様に構成されている。
【0035】
一対のばね片43,43は、
図9A及び
図9Bに示すように、コネクタ固定具41がパネル95の開口部97に挿し込まれた際にパネル95の外側に接触する。そして、抜け止め部5の爪23がパネル95の内側に引っ掛かる位置までコネクタ固定具41が挿し込まれた際には、パネル95の厚さに応じて弾性変形する。そのため、パネル95の厚さにばらつきがある場合でも、一対のばね片43,43でパネル95の外側に接触することができる。よって、コネクタ固定具41がパネル95に対してがたつくのを抑制することができる。なお、上記以外の作用、効果は第二実施形態と同様である。
【0036】
(4)第四実施形態
次に、第四実施形態について説明する。
図10A及び
図10Bに示すように、第四実施形態のコネクタ固定具51は、第一実施形態のコネクタ固定具1から、両面粘着シート17を除去したコネクタ固定具に相当する。そのため、
図10Bに示すように、コネクタ固定具51において、外殻部11の凹部15内には有底穴19が露出する状態にある。
【0037】
ただし、このコネクタ固定具51が取り付けられるプラグコネクタ99には、有底穴19に嵌まり込む凸状の嵌め込み部99Aが設けられている。コネクタ固定具51がプラグコネクタ99に取り付けられた際には、嵌め込み部99Aが有底穴19に嵌まり込むため、有底穴19は、プラグコネクタ99がコネクタ固定具51に対して相対的に変位するのを規制することができる。すなわち、第四実施形態においては、有底穴19が本開示でいうずれ抑制部として機能する。なお、上記以外の作用、効果は第一実施形態と同様である。
【0038】
(5)第五実施形態
次に、第五実施形態について説明する。なお、第五実施形態においても、図中に併記した前後左右上下の各方向を利用して説明を行う。これらの各方向は、コネクタ固定具の六面図(
図12A〜
図12F参照。)において、正面図に表れる箇所が向けられる方向を前、背面図に表れる箇所が向けられる方向を後、左側面図に表れる箇所が向けられる方向を左、右側面図に表れる箇所が向けられる方向を右、平面図に表れる箇所が向けられる方向を上、底面図に表れる箇所が向けられる方向を下、と規定した相対的な方向である。第五実施形態の場合は、図中左方がプラグコネクタの挿し込み方向となる。この点は、図中前方が挿し込み方向となっていた第一実施形態とは相違する。ただし、これらの各方向は、第一実施形態と同様の主旨で、コネクタ固定具を構成する各部の相対的な位置関係を簡潔に説明するために規定した方向に過ぎない。したがって、例えばコネクタ固定具の使用時等に、コネクタ固定具がどのような方向に向けられるかは不定である。
【0040】
ケース部67は、平板部70、第一延出部71、及び第二延出部72を有する。平板部70は、平板状に構成されている。平板部70の板厚方向は、図中でいう前後方向(本開示でいう第一方向。)に向けられている。第一延出部71は、平板部70の図中上端から図中前方へと延び出ている。第二延出部72は、平板部70の図中下端から図中前方へと延び出ている。第一延出部71及び第二延出部72は、前後方向寸法が、第一延出部71と第二延出部72との間隔の寸法よりも小となる形状とされている。
【0041】
ケース部67の左端には、位置決め壁73が設けられている。位置決め壁73は、板厚方向が図中でいう左右方向に向けられた板状部分である。位置決め壁73は、平板部70の左端から僅かに前方へと延び出た部分と、第一延出部71の左端から僅かに下方へと延び出た部分と、第二延出部72の左端から僅かに上方へと延び出た部分とを有する形状とされている。平板部70の前側には、両面粘着シート75が設けられている。なお、
図11A等の図中においては、網掛け表示をしてある部分が両面粘着シート75に該当する。
【0042】
第一延出部71の図中下面には、四つの突条77が設けられている。第二延出部72の図中上面にも、四つの突条77が設けられている。これらの突条77は、ケース部67がプラグコネクタ101に装着された際に、プラグコネクタ101に接触することにより、プラグコネクタ101に対して圧接する役割、あるいはプラグコネクタ101側にある凹凸と噛み合う役割等を果たす。また、第一延出部71、及び第二延出部72の剛性を高める役割をも果たしている。
【0043】
突出部69は、基部81と、リブ83と、立設壁85とを有する。基部81は、第一延出部71の左端から更に左方へと延び出た部分である。基部81は、
図12Cに表れるように、左右方向中央付近において厚み(図中でいう上下方向寸法。)が増す形状となっている。これにより、基部81の厚みが増さない形状とされている場合よりも、突出部69の剛性が高くなるようにされている。リブ83及び立設壁85も、突出部69の剛性を高めるための構造である。
【0044】
リブ83は、
図12B,
図12C,
図12F,及び
図13Aに示すように、基部81の下面から下方へ向かって突出し、かつ、リブ83の左端が位置決め壁73と一体化されている。これにより、リブ83は、基部81が基部81の右端付近を中心に上下方向へ湾曲するのを抑制している。立設壁85は、基部81の上面から第一延出部71の上面にわたる範囲において、基部81及び第一延出部71の後端となる位置から上方へ突出している。これにより、立設壁85も、基部81が基部81の右端付近を中心に上下方向へ湾曲するのを抑制している。
【0045】
このように基部81の厚み、リブ83、及び立設壁85によって突出部69の剛性を高めることにより、抜け止め部65に外力が加わった際には、抜け止め部65の変位は許容しつつ突出部69の変位を抑制することができる。これにより、抜け止め部65の揺動中心となる位置が変位するのを抑制でき、抜け止め部65による抜け止め効果が低下するのを抑制できる。
【0046】
以上のように構成されたケース部67は、例えば、
図13Bに示すように、図中でいう後方からプラグコネクタ101に対して装着される。これにより、ケース部67は、
図13Cに示すように、プラグコネクタ101に対して装着される。なお、プラグコネクタ101は、USBコネクタである。ケース部67がプラグコネクタ101に装着されると、平板部70、第一延出部71、及び第二延出部72は、プラグコネクタ101の周囲を三方から取り囲む状態になる。ケース部67をプラグコネクタ101に装着する際には、プラグコネクタ101が位置決め壁73に接触するように配置される。これにより、ケース部67とプラグコネクタ101との位置決めを行うことができる。ケース部67とプラグコネクタ101は、両面粘着シート75によって相互に対して固着される。
【0047】
コネクタ固定具61が装着されたプラグコネクタ101は、例えば
図14Aに示すように、レセプタクルコネクタ103に挿し込まれる。このとき、コネクタ固定具61は、パネル105に設けられた開口部107に入り込んで、
図14Bに示すように、開口部107の奥側においてパネル105の端縁に引っ掛かる。これにより、コネクタ固定具61は、プラグコネクタ101がレセプタクルコネクタ103から引き抜かれる方向へ変位するのを抑制する。
【0048】
また、第五実施形態においては、ケース部67がプラグコネクタ101の周囲を三方から取り囲む状態にある。よって、
図14Aに示すように、複数のプラグコネクタ101が隣接配置された状態でレセプタクルコネクタ103に挿し込まれても、隣り合う位置にある二つのプラグコネクタ101の間には、一方のプラグコネクタ101に装着されたコネクタ固定具61のケース部67しか介在しない。そのため、隣り合う位置にある二つのプラグコネクタ双方のケース部が互いに干渉する位置にある場合に比べ、複数のプラグコネクタ101を狭いピッチで隣接配置する場合であっても容易に所期の位置に隣接配置することができる。
【0049】
また、本実施形態の場合、平板部70は、厚さ0.5mmの板状に構成され、両面粘着シート75は厚さ0.3mmの両面粘着シートを採用している。そのため、隣り合う位置にある二つのプラグコネクタ101の間に0.8mmの空隙があれば、何ら問題なくコネクタ固定具61を利用できる。また、両面粘着シート75は、外力を加えれば厚さ0.3mm未満にまで圧縮変形させることもできる。よって、隣り合う位置にある二つのプラグコネクタ101の間に0.8mm未満の空隙しかない場合であっても、僅かな外力を加えれば、複数のプラグコネクタ101を隣接配置することができる。平板部70及び両面粘着シート75の合計の厚みは、両者の材質や材質に起因する剛性によっても変わり得るが、USBコネクタを想定する場合なら、例えば0.1mm〜1mm程度に設定されていれば、複数のプラグコネクタ101を適正に隣接配置することが可能である。
【0050】
なお、上述の例では、三つのプラグコネクタ101を縦長となる向きにして横方向に並べて配置する例を示したが、
図15A及び
図15Bに示すように、プラグコネクタ101を横長となる向きにして利用する場合であっても、何ら問題なくコネクタ固定具61を利用できる。
【0051】
(6)補足
以上、コネクタ固定具について、例示的な実施形態を挙げて説明したが、上述の実施形態は本開示の一態様として例示されるものに過ぎない。すなわち、本開示は、上述の例示的な実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内において、様々な形態で実施することができる。
【0052】
例えば、本開示でいうずれ抑制部の一例として、上記第一実施形態では両面粘着シート17を例示し、上記第四実施形態では有底穴19を例示したが、これら以外のずれ抑制部を採用してもよい。例えば、上記第四実施形態とは逆に、プラグコネクタ側に設けられた凹部にコネクタ固定具側に設けられた凸部が嵌まり込むようにしてもよい。また、両面粘着シート以外に、摩擦係数の高いゴムシートなどを挟み込んでもよく、この場合、ゴムシートの表面には粘着性がなくてもよい。あるいは、ゲル状樹脂のパッドを挟み込んでもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、プラグコネクタを挟んで上下両側にずれ抑制部(両面粘着シート17、有底穴19)を設ける例を示したが、これらのずれ抑制部はプラグコネクタを挟む上下両側のうち、いずれか一方に設けられていてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、プラグコネクタを挟んで上下両側にあるずれ抑制部が、双方とも両面粘着シート17となっている例、及び双方とも有底穴19となっている例を示したが、これらは異種のずれ抑制部を組み合わせて採用してもよい。例えば、プラグコネクタの上下両側のうち、いずれか一方には両面粘着シート17を設け、他方には有底穴19を設けてもよい。あるいは、いずれか一方には、上述した摩擦係数の高いゴムシートなどを挟み込み、他方には両面粘着シート17又は有底穴19のいずれかを設けてもよい。
【0055】
また、上記第二実施形態では、コネクタ固定具31をパネル95に対して取り付け、プラグコネクタ91をレセプタクルコネクタ93に接続し、その後でプラグコネクタ91とコネクタ固定具31とを固定するという取り付け手順を示したが、これに限らない。具体的には、コネクタ固定具31をパネル95に対して取り付ける手順と、プラグコネクタ1をレセプタクルコネクタ93に接続する手順はどちらが先でもよい。また、適当な方法でプラグコネクタ91とコネクタ固定具31とを位置決めできるのであれば、パネル95やレセプタクルコネクタ93を利用することなく、先にコネクタ固定具31をプラグコネクタ91に取り付けてもよい。例を挙げれば、第四実施形態において示したコネクタ固定具51であれば、有底穴19と嵌め込み部99Aによって位置決めができる。よって、パネル95やレセプタクルコネクタ93を利用しなくてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、プラグコネクタの例としてUSBコネクタを例示したが、類似の構造となっているプラグコネクタであれば、USBコネクタ以外のプラグコネクタであっても、本開示の技術思想の適用対象となる。
【0057】
なお、以上説明した例示的な実施形態から明らかなように、本開示のコネクタ固定具は、更に以下に挙げるような構成を備えていてもよい。
まず、本開示のコネクタ固定具において、取り付け部は、ケース部と、突出部とを有していてもよい。このコネクタ固定具において、ケース部は、プラグコネクタの外面の少なくとも一部を覆う位置に装着可能に構成される。ケース部は、取り付け部がプラグコネクタに対して取り付けられた状態でプラグコネクタがレセプタクルコネクタに対して挿し込まれた際には、機器の内外を区画するパネルの外側に配置される部分である。突出部は、ケース部から突出している。突出部は、取り付け部がプラグコネクタに対して取り付けられた状態でプラグコネクタがレセプタクルコネクタに対して挿し込まれた際には、突出方向先端部がパネルに設けられた開口部を通ってパネルの内側へと入り込む部分である。抜け止め部は、突出部におけるパネルの内側へと入り込む部分に固定端がある。抜け止め部は、当該固定端から突出部に対して折り返す方向へと延びる。その折り返し方向へ延びる部分が開口部を通ってパネルの外側に達し、当該パネルの外側に達した先端が可動端となっている。当該抜け止め部においてプラグコネクタ側とは反対側に向けられた箇所には、パネルの内側に引っ掛かる爪が設けられる。当該爪がパネルの内側に引っ掛かることにより、プラグコネクタがレセプタクルコネクタから引き抜かれる方向へ変位するのを抜け止め部が抑制可能に構成される。可動端がプラグコネクタに接近する方向へ抜け止め部を弾性変形させることにより、爪がパネルに引っ掛かる第一位置から爪がパネルに引っ掛からない第二位置へ変位可能に構成される。
【0058】
このように構成されたコネクタ固定具によれば、抜け止め部は、上述のような突出部におけるパネルの内側へと入り込む部分に固定端がある。また、抜け止め部は、その固定端から突出部に対して折り返す方向へと延び、その折り返し方向へ延びる部分が開口部を通ってパネルの外側に達し、パネルの外側に達した先端が抜け止め部の可動端となっている。さらに、抜け止め部においてプラグコネクタ側とは反対側に向けられた箇所には、パネルの内側に引っ掛かる爪が設けられ、その爪がパネルの内側に引っ掛かることにより、プラグコネクタがレセプタクルコネクタから引き抜かれる方向へ変位するのを抑制する。
【0059】
ここで、プラグコネクタをレセプタクルコネクタから引き抜く方向へ力が作用した場合、パネルから爪に作用する力は、抜け止め部を固定端側に向かって押圧する分力と、抜け止め部をプラグコネクタ側から引き離そうとする方向に作用する分力との合力となる。そのため、抜け止め部をプラグコネクタ側から引き離そうとする方向に作用する分力により、抜け止め部がパネル側に向かって押圧される。よって、爪がパネル側から引き離されにくくなり、爪がパネルに引っ掛かる第一位置にある状態を維持することができる。したがって、プラグコネクタがレセプタクルコネクタから引き抜かれてしまうのを抑制することができる。
【0060】
また、本開示のコネクタ固定具において、ケース部は、第一部分、第二部分、第三部分、及び第四部分を有していてもよい。このコネクタ固定具において、第一部分及び第二部分は、プラグコネクタのレセプタクルコネクタに対する挿し込み方向に直交する第一方向に第一の間隔を空けて配置される。第三部分及び第四部分は、挿し込み方向及び第一方向の双方に直交する第二方向に第一の間隔よりも大となる第二の間隔を空けて配置される。第一部分、第二部分、第三部分、及び第四部分によって囲まれる空間内に、プラグコネクタを収容可能に構成される。突出部は、第一部分及び第二部分のうち、少なくとも一方から突出している。
【0061】
このように構成されたコネクタ固定具によれば、第一部分及び第二部分における第二方向の寸法は概ね第二の間隔と同等又はそれ以上となり、第三部分及び第四部分における第一方向の寸法は概ね第一の間隔と同等又はそれ以上となる。そのため、第一部分及び第二部分に突出部を設けた場合における突出部の幅(この場合は、突出部の第二方向寸法。)は、第三部分及び第四部分に突出部を設けた場合における突出部の幅(この場合は、突出部の第一方向寸法。)よりも大きくすることができる。したがって、その分だけより幅の広い抜け止め部を設けることができ、爪の幅も広くできる。よって、抜け止め部の機械的強度を向上させ、抜け止め効果を向上させることができる。
【0062】
また、本開示のコネクタ固定具において、ケース部は、一対の外殻部と、ヒンジ部と、ロック部とを有していてもよい。このコネクタ固定具において、一対の外殻部は、それぞれが凹部を有する。ヒンジ部は、一対の外殻部を開閉可能に連結する。ロック部は、一対の外殻部が閉じられた際に互いに引っ掛かることによって一対の外殻部が開かれるのを抑制可能、かつ、互いに引っ掛かる状態が解除された際には一対の外殻部が開かれるのを許容するように構成される。一対の外殻部が閉じられた際に一対の外殻部それぞれが有する凹部が対向することによってケース部の内部に構成される空間内に、プラグコネクタの少なくとも一部を収容可能に構成される。
【0063】
このように構成されたコネクタ固定具によれば、一対の外殻部を開いて一方の外殻部が有する凹部内にプラグコネクタの一部を配置し、一対の外殻部を閉じるとケース部の内部に構成される空間内にプラグコネクタの少なくとも一部が収容される。一対の外殻部が閉じられた際には、ロック部が互いに引っ掛かることによって一対の外殻部が開かれるのを抑制する。したがって、このようなケース部を備えていれば、コネクタ固定具を容易にプラグコネクタに取り付けることができる。
【0064】
また、本開示のコネクタ固定具において、ケース部は、平板部、第一延出部、及び第二延出部を有していてもよい。このコネクタ固定具において、平板部は、平板状に構成されて、その板厚方向がプラグコネクタのレセプタクルコネクタに対する挿し込み方向に直交する第一方向に向けられる。第一延出部、及び第二延出部は、挿し込み方向及び第一方向の双方に直交する第二方向に間隔を空けた位置において、それぞれが平板部から第一方向へと延び出ている。平板部、第一延出部、及び第二延出部によって、プラグコネクタの周囲を三方から取り囲む状態で、プラグコネクタに対して装着可能に構成される。第一延出部及び第二延出部は、第一方向の寸法が、第一延出部と第二延出部との間隔の寸法よりも小となる形状とされる。突出部は、第一延出部及び第二延出部のうち、少なくとも一方から突出している。
【0065】
このように構成されたコネクタ固定具によれば、ケース部は、平板部、第一延出部、及び第二延出部によって、プラグコネクタの周囲を三方から取り囲む状態で、プラグコネクタに対して装着可能に構成されている。そのため、複数のプラグコネクタが隣接する状態で複数のレセプタクルコネクタに挿し込まれる場合に、隣り合う位置に配置される二つのプラグコネクタの間には、一方のケース部が有する平板部しか配置されない。したがって、プラグコネクタの周囲を四方から取り囲む構造のケース部とは異なり、隣り合う位置に配置される二つのプラグコネクタの間に、双方のケース部の一部が挟み込まれることはない。よって、複数のレセプタクルコネクタが極めて近接する位置に設けられている場合でも、コネクタ固定具が邪魔になる可能性を低減することができる。
【0066】
また、本開示のコネクタ固定具において、平板部は、板厚方向の寸法が0.1mm〜1mmとされていてもよい。
このように構成されたコネクタ固定具によれば、隣り合う位置に配置される二つのプラグコネクタの間に0.1mm〜1mm程度の空隙が形成される状態にあれば、そのようなプラグコネクタに対してコネクタ固定具を装着することができる。
【0067】
また、本開示のコネクタ固定具において、取り付け部には、ずれ抑制部が設けられてもよい。このコネクタ固定具において、ずれ抑制部は、プラグコネクタとの間で互いの凹凸が嵌まり合うか、プラグコネクタに対して粘着するか、プラグコネクタに対して加圧する状態で接触する。これにより、ずれ抑制部は、取り付け部とプラグコネクタとの相対位置が、プラグコネクタのレセプタクルコネクタに対する挿し込み方向へずれるのを抑制するように構成される。
【0068】
このように構成されたコネクタ固定具によれば、上述のようなずれ抑制部により、取り付け部とプラグコネクタとの相対位置が、プラグコネクタのレセプタクルコネクタに対する挿し込み方向へずれるのを抑制することができる。