特許第6572421号(P6572421)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6572421
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】アキシャル型磁気ギヤード電機
(51)【国際特許分類】
   F16H 49/00 20060101AFI20190902BHJP
   H02K 7/10 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
   F16H49/00 A
   H02K7/10 A
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-112167(P2015-112167)
(22)【出願日】2015年6月2日
(65)【公開番号】特開2016-223581(P2016-223581A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2018年3月6日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年12月4日サンポートホール高松において開催されたMAGDA2014で発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第23回MAGDAコンファレンス−電磁現象および電磁力に関するコンファレンス−講演論文集第361〜364頁に発表
(73)【特許権者】
【識別番号】304028726
【氏名又は名称】国立大学法人 大分大学
(73)【特許権者】
【識別番号】591224788
【氏名又は名称】大分県
(73)【特許権者】
【識別番号】515149214
【氏名又は名称】株式会社二豊鉄工所
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】下地 広泰
(72)【発明者】
【氏名】戸高 孝
(72)【発明者】
【氏名】蛯原 健一
【審査官】 前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−241763(JP,A)
【文献】 特開2010−154689(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 49/00
H02K 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一磁気歯車を第一回転軸に連結し、前記第一磁気歯車の両側面の各々に所定の対向間隔でポールチェンジステータを固定すると共に当該ポールチェンジステータの外側面に所定の対向間隔で第二磁気歯車を配置し、前記各第二磁気歯車は、前記第一回転軸と同心で且つ第一回転軸に回転自在に取付けた第二回転軸に装着したアキシャル型磁気歯車機構を備え、前記アキシャル型磁気歯車機構の第二磁気歯車に発電ステータ又は電動ステータを対向配置し、前記発電ステータ又は前記電動ステータの外側面に永久磁石ロータを配置したことを特徴とするアキシャル型磁気ギヤード電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アキシャル型磁気歯車機構及びアキシャル型磁気ギヤード電機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、自然エネルギーを利用する風力発電機等の発電機においては、自然エネルギー等によって駆動する駆動機構を発電機構に接続し、発電機構で発電を行う。この発電機のように駆動機構と発電機構(従動機構)とを接続した機器においては、所要回転数の異なる機構間を増速機や減速機で接続する。この増・減速機では、機械式のラジアル型磁気回転機構及び特許文献1により紹介されたラジアル型磁気式歯車機構が用いられてきているが構造的に大出力を求める場合は軸方向に長くするか、筐体を大きくする必要があり、薄型で高出力用発電機のような機器には適していない。
【0003】
因みに特許文献1に記載のラジアル型磁気式歯車機構は、トルク性能を高くすることができ、組み立てが容易であるとして紹介されている。このラジアル型磁気式歯車機構は、特許文献1の図1図2に記載のように低速回転駆動軸2と一体的に回転駆動し磁性体のピース1aと非磁性体1bを所定の間隔で周方向(回転軸の軸方向)に配置したドラム型の磁束変調部1(ポールチェンジステータ)と、磁束変調部1の内空部に配置され外周の周方向(回転軸の軸方向)に永久磁石13を配置した鉄心12と、鉄心12に連結した高速回転軸11と、磁束変調部1の外周面に沿って所定の間隔で永久磁石22を配列した円筒型の鉄心22とから構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−11298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記機械式のラジアル型磁気回転機構及びラジアル型磁気式歯車機構の前記課題を解決して発電機又は電動モータなどの電機に有利に適用できるアキシャル型磁気歯車機構及びアキシャル型磁気ギヤード電機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特徴とする主な技術条件は次の1〜2の通りである。
1.第一磁気歯車を第一回転軸に連結し、前記第一磁気歯車の両側面の各々に所定の対向間隔でポールチェンジステータを固定するとともに、当該ポールチェンジステータの外側面に所定の対向間隔で第二磁気歯車を配置し、前記各第二磁気歯車は、前記第一回転軸と同心で且つ第一回転軸に回転自在に取付けた第二回転軸に装着したことを特徴とするアキシャル型磁気歯車機構。
【0007】
2.前記アキシャル型磁気歯車機構の第二磁気歯車の外側面に発電ステータ又は電動ステータを配置したことを特徴とするアキシャル型磁気ギヤード電機。
【0008】
3.前記アキシャル型磁気ギヤード電機において、前記発電ステータ又は前記電動ステータの外側面に永久磁石ロータを配置したことを特徴とする前記2に記載のアキシャル型磁気ギヤード電機。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、前述の事項を特徴とする技術条件により以下に記載する優れた作用効果を奏する。
【0010】
すなわち、本発明のアキシャル型磁気歯車機構は、第一磁気歯車を第一回転軸に連結し、前記第一磁気歯車の両側面の各々に所定の対向間隔でポールチェンジステータを固定すると共に当該ポールチェンジステータの外側面に所定の対向間隔で第二磁気歯車を配置し、前記各第二磁気歯車は前記第一回転軸と同心の第二回転軸に回転自在に装着しているために、第一磁気歯車の外側両面において各ポールチェンジステータと第一磁気歯車との間で永久磁石の吸引力が互いに反対方向に向けて作用し、第一磁気歯車に作用する吸引力が相殺される。本発明はこの吸引力の相殺効果に加えて更に第一回転軸と第二回転軸は同心上に配置し且つ第一回転軸に第二回転軸を回転自在に取付けることにより、第一磁気歯車とポールチェンジステータと第二磁気歯車のアキシャル配置間隔を僅少にすることが可能となる。
【0011】
本発明のアキシャル型磁気歯車機構及びそれを用いた前記特徴の2及び3に記載のアキシャル型磁気ギヤード発電機又はアキシャル型磁気ギヤード電動モータなどのアキシャル型磁気ギヤード電機は、前記構成により、大型のケーシングやベアリング等を用いる必要がなくなり、次に記述のように機能増強及び軽量小型化や低廉化等を有利に図ることができる。
【0012】
本発明は、アキシャル型磁気ギヤード発電機の場合は、第一回転軸の回転駆動による第一磁気歯車の回転励磁力で各第二磁気歯車を脈動無く効率よく回転させることができるため、第二磁気歯車のそれぞれの外側面に対向させた発電機構の発電ステータからの発電電力を大幅に増すことができる。
また、アキシャル型磁気ギヤード電動モータの場合は、各第二磁気歯車の内面側に対向配置の電動ステータによる回転励磁力で第一磁気歯車を脈動無く効率よく回転させることができるため、各第二磁気歯車の回転励磁力が第一磁気歯車に集中して加えて強力に回転させ、第一回転軸の駆動出力を大幅に増すことができる。
このように本発明は、アキシャル型磁気歯車機構及びそれを用いたアキシャル型磁気ギヤード電機やこれらの周辺電気機器の高効率化並びに動作の円滑化や安定化を図ることができるとともに、当該電気機器は勿論その周辺機器の軽量小型化や低廉化を図り実用化を可能にして、電気機器の多様化を図ることができる等の優れた作用効果を呈する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係るアキシャル型磁気ギヤード電機を示す側面断面説明図である。
図2図1に示すアキシャル型磁気ギヤード電機の一部を省略して示す縦断面展開鳥瞰図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係るアキシャル型磁気歯車機構及びそれを用いたアキシャル型磁気ギヤード電機の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
尚、アキシャル型磁気ギヤード電機は、アキシャル型磁気ギヤード発電機を中心に以下を説明するが、アキシャル型磁気ギヤード電動モータの場合は「発電機」を全て「電動モータ」に置き換え、また「発電ステータ」を「電動ステータ」に置き換えることで説明は足りる。
更に、本例の「アキシャル型磁気ギヤード発電機」の場合、第一磁気歯車は駆動側の磁気歯車、第二磁気歯車は従動側の磁気歯車、第一回転軸は駆動側の回転軸、第二回転軸は従動側の回転軸である。
また、「アキシャル型磁気ギヤード電動モータ」に置き換える場合は、第二磁気歯車は駆動側の磁気歯車、第一磁気歯車は従動側の磁気歯車、第二回転軸は駆動回転軸、第一回転軸は従動回転軸となる。
【0015】
図1に示すように、アキシャル型磁気ギヤード発電機1は、駆動機構2にアキシャル型磁気歯車機構3を介して発電機構4を接続した構成となっている。このアキシャル型磁気ギヤード発電機1は、駆動機構2の駆動エネルギーを発電機構4で電気エネルギーに変換して発電する。
【0016】
駆動機構2としては、風力や水力などの自然エネルギーを回転エネルギーに変換する機構でもよく、また、エンジンやボイラーなどの天然・化石エネルギーを回転エネルギーに変換する機構でもよい。この駆動機構2は、アキシャル型磁気歯車機構3の第一回転軸5に接続されており、駆動機構2から出力される回転エネルギーによって第一回転軸5を回転させる。
【0017】
アキシャル型磁気歯車機構3は、基台6の上部に図1において左右方向に向けて伸延する中空円筒状のケーシング7を取付け、ケーシング7の中心部に左右方向に向けて伸延する第一回転軸5をベアリング8,9を介して回動自在に取付け、第一回転軸5に円板状の第一磁気歯車10を取付けている。第一磁気歯車10の外側両面(図1において左右両面)には、永久磁石が所定の配列で円周方向に並べて取付けられている。
【0018】
また、アキシャル型磁気歯車機構3は、第一磁気歯車10の外側方(図1において左右両側方)に一対の円環板状のポールチェンジステータ11,12を配置し、一対のポールチェンジステータ11,12の外周部にケーシングの外周部7bを兼ね備え形成している。これにより、アキシャル型磁気歯車機構3は、第一磁気歯車10を挟んで一対の極数変換用のポールチェンジステータ11,12を第一磁気歯車10の外側両面(図1において左右両側面)に対向させて配置している。
【0019】
一対の円盤状のポールチェンジステータ11,12は、側面に、渦電流損を小さくするために電磁鋼板製又は圧粉磁心製のポールピースPPを円周方向に所定の回転角度間隔で並べて埋設し、各ポールピースPP間にはエアーギャップAG或いは非導電性部材を介在させている。このポールピースPPは、第一磁気歯車10に設けられた永久磁石(図2のM)からの磁束を変調して第二磁気歯車13,14の永久磁石に作用して第二磁気歯車13,14を回転させる。第一磁気歯車10と一対のポールチェンジステータ11,12との間には、軸方向に向けて永久磁石による吸引力が作用することになる。しかし、第一磁気歯車10を挟んで一対のポールチェンジステータ11,12と第二磁気歯車13,14を配置しているために、第一磁気歯車10の外側両面においては、ポールチェンジステータ11,12と第一磁気歯車10との間で対面する永久磁石の吸引力は互いに反対方向に向けて作用し、第一磁気歯車10に作用する吸引力が相殺され均衡を保つ。このため第一磁気歯車10を装着している第一回転軸に作用するスラスト力は皆無となり、これらの配置間隔を僅少にしてより軽量コンパクト化を実現させる。このことは後述のポールチェンジステータ11,12、第二磁気歯車13,14の配置についても同様の作用効果を呈し、軽量コンパクト化を更に有利にする。
【0020】
さらに、アキシャル型磁気歯車機構3は、一対のポールチェンジステータ11,12のさらに外側方(図1において左右側方)に一対の円環板状(ドーナツ板状)の第二磁気歯車13,14を配置し、一対の第二磁気歯車13,14の内周部に一対の中空円筒状の第二回転軸15,16を取付けている。これにより、アキシャル型磁気歯車機構3は、一対の第二磁気歯車13,14を一対の発電ステータ11,12の外側面(図1において左右側面)に対向させて配置している。一対の第二回転軸15,16は、第一回転軸5の外周部にベアリング17〜20を介して回動自在に取付けられている。一対の第二回転軸15,16とポールチェンジステータ11,12との間にもベアリング21,22が介設されている。一対の第二磁気歯車13,14の外側両面(図1において左右両面)には、永久磁石Mが第一磁気歯車10の永久磁石Mの回転角度間隔より広い回転角度間隔で円周方向及び半径方向に少ない個数で並べて取付けられている。尚、電動ステータの場合の第一磁気歯車10と第二磁気歯車13,14との永久磁石Mの配置関係は逆になり、第一磁気歯車10は、永久磁石Mの回転角度間隔を第二磁気歯車13,14の永久磁石Mのそれより大きく且つ個数を少なくして減速作用を持たせる。
【0021】
このアキシャル型磁気歯車機構3では、第一回転軸5の回転により第一磁気歯車10が回転すると、第一磁気歯車10に設けられた永久磁石Mの回転に伴って永久磁石Mからの磁束は、ポールチェンジステータ11,12に設けられたポールピースPPにより変調して第二磁気歯車13,14の永久磁石Mに磁力を作用して第二磁気歯車13,14を第二回転軸15,16と共に回転させる。なお、永久磁石MやポールピースPPの個数比(ギヤ比)によって第一磁気歯車10の回転で第二磁気歯車13,14の回転を増速又は減速して或いは正回転又は逆回転することができる。
【0022】
発電機構4は、アキシャル型磁気歯車機構3の一対の第二磁気歯車13,14のさらに外側方(図1において左右両側方)のケーシングの外周部7bに円環板状の発電ステータ23,24を配置している。発電ステータ23,24は所定の回転角度間隔で円盤状に配列した電磁鋼板製コアの各々に発電コイルを巻き回して発電機電機子を構成してある。この発電機電機子の各々は、回転する第二磁気歯車13,14に設けた永久磁石Mによって励磁発電される。一対の発電ステータ23,24と第二回転軸15,16との間には、ベアリング25,26が介設されている。
【0023】
また、発電機構4は、前記各発電ステータ23,24のさらに外側方向(図1において左右側方)に一対の円環板状の永久磁石ロータ27,28を配置し、この各永久磁石ロータ27,28の内周部は第二回転軸15,16に取付けている。永久磁石ロータ27,28の内側面には、対面する第二磁気歯車13,14と同一の回転角度位置と間隔で永久磁石が配列されている。第二磁気歯車13と第二磁気歯車14の永久磁石の配置関係は同一の回転角度位置と間隔でよく又は異なる回転角度位置と間隔でもよい。従って該異なる回転角度位置と間隔の場合は当該対面の永久磁石ロータの永久磁石と同一の回転角度位置と間隔にすればよい。
【0024】
この発電機構4では、アキシャル型磁気歯車機構3の第一回転軸5の回転によって第一磁気歯車10を回転させると第二磁気歯車13,14と発電機構4の永久磁石ロータ27,28とが共に回転して、発電ステータ23,24に設けられた発電機電機子が励磁され、その巻き回コイルに起電力が発生し発電される。発電機構4による発電は、永久磁石ロータ27,28を設置しなくても第二磁気歯車13,14の回転のみで発電機電機子が励磁され、その巻き回コイルに起電力が発生するので電力を得ることができる。
【0025】
アキシャル型磁気ギヤード発電機1及びそれに用いられるアキシャル型磁気歯車機構3は、以上に説明したように構成している。本発明に係るアキシャル型磁気歯車機構3は、上記したようにアキシャル型磁気ギヤード発電機1に一体的に内蔵される場合に限られず、独立して変速機として用いることもできる。
【0026】
以上に説明したように、上記アキシャル型磁気歯車機構3は、第一磁気歯車10を挟んで一対のポールチェンジステータ11,12を第一磁気歯車10の外側両面に対向させて配置した構成となっているため、上記構成のアキシャル型磁気歯車機構3では、第一磁気歯車10の外側両面においてポールチェンジステータ11,12との間で磁石の吸引力が互いに反対方向に向けて作用し、第一磁気歯車10に作用する吸引力が相殺されることになる。これにより、上記構成のアキシャル型磁気歯車機構3では、大型のベアリング等を用いる必要がなくなり、アキシャル型磁気歯車機構3やそれを用いた機器(たとえば、上記アキシャル型磁気ギヤード発電機1)の軽量小型化や低廉化を図ることができる。
【0027】
そのため、上記構成のアキシャル型磁気歯車機構3では、一対の第二磁気歯車13,14に均等に動力を伝達させることができ、アキシャル型磁気歯車機構3やそれを用いた機器(たとえば、上記アキシャル型磁気ギヤード発電機1)の動作の円滑化や安定化を図ることができると共にその多様化を図ることができる。
【0028】
さらに、上記構成のアキシャル型磁気ギヤード発電機1は、駆動機構2で駆動される第一回転軸5に第一磁気歯車10を設け、第一磁気歯車10を挟んで一対のポールチェンジステータ11,12を第一磁気歯車10の外側両面に対向させて配置し、この各ポールチェンジステータ11,12の外側面に対向させて第二磁気歯車13,14を配置し、当該第二磁気歯車13,14の外側面に対向させて発電ステータ23,24を配置した構成となっているため、上記構成のアキシャル型磁気ギヤード発電機1では、機器の小型化や低廉化を図ることができて実用化が可能となる。
【0029】
特に、前記一対の発電ステータ23,24の各外側面に対向させて第二磁気歯車13,14と同等の永久磁石配置の永久磁石ロータ27,28を配置することで、第二磁気歯車13,14及び永久磁石ロータ27,28の回転によって当該発電ステータ23,24に設けた発電機電機子(電動モータの場合は電動ステータの電動機電機子と言う)への励磁を増強して起電力を増大させ発電効率の向上を図ることができる。
【0030】
また、発電ステータ23,24の発電機電機子は、それぞれ第二磁気歯車13と永久磁石ロータ27及び第二磁気歯車14と永久磁石ロータ28を外側両面に対向させて配置した構成となっており、発電ステータ23,24に働く軸方向の磁気吸引力が相殺され均衡を保ち発電機電機子に作用するスラスト力は皆無な構造となっている。
【0031】
図2は、図1に示す前例のアキシャル型磁気ギヤード発電機1の永久磁石ロータ27,28、発電ステータ23,24を省略して第一磁気歯車10と、ポールチェンジステータ11,12と、第二磁気歯車13,14と、ケーシングの両側面部7aと7bを解り易くそれぞれ離間して示す展開鳥瞰・縦断面である。
【0032】
図2において、第一磁気歯車10は、永久磁石Mを径方向に放射状に配置し、第一磁気歯車10の左右に配置のポールチェンジステータ11,12は、ポールピースPPとエアーギャップAGを交互に放射配置し且つ円周部にケーシングの外周部7bを兼ね備え形成してある。第二磁気歯車13,14は、永久磁石Mを径方向に位置させて所定の等回転角度間隔で放射状に配置し、永久磁石Mの磁極を周方向に交互にしたものである。その他の構成は、前例と同様なため詳細な説明は省略する。
【0033】
ここで磁気歯車の原理を参考に述べておく。磁気歯車が成り立つ為の条件は数1で与えられる。
【0034】
【数1】
ただし、第二磁気歯車13,14の永久磁石Mの極対数をNh、第一磁気歯車10の極対数をNl、ポールピースPPの磁極数をNsとした。このときギヤ比Grは数2で表される。
【0035】
ラジアル型磁気回転機構及
【数2】
数1で符号がプラスのときには、ギヤ比Grはマイナスになり第二磁気歯車13,14は、第一磁気歯車10の回転方向に対して逆方向に回転する。また数1で符号がマイナスのときには、ギヤ比Grはプラスになり第二磁気歯車13,14は第一磁気歯車10の回転方向に対して同一方向に回転する。
【産業上の利用可能性】
【0036】
而して、震災後の電気エネルギーは石油や石炭等の化石燃料による火力発電で賄われており、これらの化石燃料は9割近くを中東からの輸入に頼っているため、為替の変動や値上げ等によって日本の経済に悪影響を及ぼす事が容易に想定される。そこで自然エネルギーの有効活用や危機管理の観点から近年IT技術を導入したスマートグリッドが注目されている。スマートグリッドは自然エネルギーを利用した分散型小規模発電システムを統合するもので、中でも用水路等の豊富な水資源を利用した発電システムが有力と考えられる。しかしながら、住宅に近接した多数の小規模発電システムの安定利用においては、メンテナンスや騒音等の対策が必要になる。そこで、メンテナンスフリーで動作可能な機械的歯車を用いない高伝達駆動力のアキシャルギャップ型磁気歯車を開発し発電機と一体化させた磁気ギヤード発電機の開発を目指している。アキシャルギャップ型は、ラジアル型と比較すると動作点のギャップを広く取ることができて、薄い構造でコンパクトにすることができる利点がある。デメリットは永久磁石の磁気吸引力に耐えうる強度が必要であるため軸受への負担が大きくなることである。
【0037】
そこで本発明は、新しく第一磁気歯車10を低速ロータとしこれを中心にして両側面に対向して第二磁気歯車13,14を高速ロータとして単段或るいは発電ステータ23,24とのコンビで複数段を配置するものである。前記低速ロータに働く磁気吸引力を低速ロータ両側部各々のポールチェンジステータ11,12及び第二磁気歯車13,14(高速ロータ)により相殺することができるため構造がシンプルになり、一対以上の第二磁気歯車13,14(高速ロータ)を持つことで出力を大幅に増すことができる。このことにより本発明は発電産業に寄与すること多大なものがある。
【符号の説明】
【0038】
1 アキシャル型磁気ギヤード発電機 2 駆動機構
3 アキシャル型磁気歯車機構 4 発電機構
5 第一回転軸 6 基台
7a ケーシングの両側面部 7b ケーシング外周部
8,9 ベアリング 10 第一磁気歯車
11,12 ポールチェンジステータ 13,14 第二磁気歯車
15,16 第二回転軸 17〜22 ベアリング
23,24 発電ステータ(電動ステータ) 25,26 ベアリング
27,28 永久磁石ロータ
図1
図2