(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ラッチ機構を保持するケーシングと前記ラッチ機構のボディとの隙間である第一の隙間、および前記ケーシングと前記ケーシングを覆うカバー部材との隙間である第二の隙間に単一のシール部材を貼り付けて前記第一の隙間および前記第二の隙間を覆う貼り付け工程を備え、
前記貼り付け工程における前記シール部材の貼り付けの始点は、前記ラッチ機構のカバープレートに設けられたストライカの進入溝の下端に対応する位置である
ことを特徴とするドアロック装置の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ハウジング内への浸水を抑制することについて、なお改良の余地がある。例えば、ハウジングとカバー部材との隙間を介してハウジング内に水が浸入してしまう可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、ハウジング内への浸水を抑制する防水性能に優れるドアロック装置およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のドアロック装置は、施解錠機構を収納する収納部と、前記収納部に対して車両後側に設けられ、かつ外部に向けて開口しており、ラッチ機構を保持する保持部と、を有するケーシングと、シール部材と、カバー部材と、を備え、前記ラッチ機構は、前記ケーシングに対して固定されて前記保持部を閉塞するボディを有し、前記ケーシングは、ユーザーの操作を伝達する伝達部材と前記施解錠機構との連結部に対応する開口部を有し、前記カバー部材は、前記開口部を覆い、単一の前記シール部材が、前記ケーシングと前記ボディとの隙間である第一の隙間および前記ケーシングと前記カバー部材との隙間である第二の隙間を覆っていることを特徴とする。
【0007】
上記ドアロック装置において、前記ケーシングは、前記収納部を有する第一ケーシングと、前記第一ケーシングと組み合わされて前記収納部を覆う第二ケーシングと、を有し、前記カバー部材は、前記第一ケーシングと前記第二ケーシングとを車両上側から一体に覆う第一カバー部材と、前記開口部を覆う第二カバー部材と、を有し、単一の前記シール部材が、前記第一カバー部材と前記ケーシングとの隙間および前記第二カバー部材と前記ケーシングとの隙間を覆っていることが好ましい。
【0008】
上記ドアロック装置において、前記第一カバー部材は、前記第二の隙間に隣接する面であって前記シール部材が貼り付けられる貼り付け面を有し、前記貼り付け面の輪郭線と前記第一の隙間との間隔は、前記シール部材の幅よりも狭く、前記シール部材は、前記第一の隙間および前記第一カバー部材と前記ケーシングとの隙間を一体に覆うことが好ましい。
【0009】
上記ドアロック装置において、前記貼り付け面の輪郭線は、前記第一の隙間と略平行であることが好ましい。
【0010】
上記ドアロック装置において、前記ケーシングは、前記第二の隙間に沿って延在するリブを有し、前記シール部材は、前記リブに沿って貼り付けられていることが好ましい。
【0011】
上記ドアロック装置において、前記ケーシングは、車両上側から前記カバー部材の側方に張り出して前記カバー部材を覆う庇部を有することが好ましい。
【0012】
上記ドアロック装置において、前記カバー部材は、前記第一ケーシングと前記第二ケーシングとを車両上側から一体に覆う第一カバー部材と、前記開口部を覆う第二カバー部材と、を有し、前記第一カバー部材は、車両上側から前記第二カバー部材の側方に張り出して前記第二カバー部材を覆う庇部を有することが好ましい。
【0013】
本発明に係るドアロック装置の製造方法は、ラッチ機構を保持するケーシングと前記ラッチ機構のボディとの隙間である第一の隙間、および前記ケーシングと前記ケーシングを覆うカバー部材との隙間である第二の隙間に単一のシール部材を貼り付けて前記第一の隙間および前記第二の隙間を覆う貼り付け工程を備え、前記貼り付け工程における前記シール部材の貼り付けの始点は、前記ラッチ機構のカバープレートに設けられたストライカの進入溝の下端に対応する位置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るドアロック装置は、施解錠機構を収納する収納部と、収納部に対して車両後側に設けられ、かつ外部に向けて開口しており、ラッチ機構を保持する保持部と、を有するケーシングと、シール部材と、カバー部材と、を備える。ラッチ機構は、ケーシングに対して固定されて保持部を閉塞するボディを有する。ケーシングは、ユーザーの操作を伝達する伝達部材と施解錠機構との連結部に対応する開口部を有する。カバー部材は、開口部を覆う。
【0015】
このドアロック装置では、単一のシール部材が、ケーシングとボディとの隙間である第一の隙間およびケーシングとカバー部材との隙間である第二の隙間を覆っている。本発明に係るドアロック装置によれば、第一の隙間および第二の隙間をシール部材が覆うことで、ハウジング内への浸水を抑制する防水性能に優れるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施形態に係るドアロック装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0018】
[実施形態]
図1から
図20を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、ドアロック装置に関する。
図1は、実施形態に係るドアロック装置の車内側面図、
図2は、実施形態に係るドアロック装置の車両後面図である。
図2には、
図1のII方向から見た側面が示されている。
【0019】
図1等に示す本実施形態のドアロック装置1は、車両のサイドドアに用いられるものであり、例えば、右側のフロントドアに設置される。ドアロック装置1は、ケーシング10、シール部材5およびカバー部材7を有する。
図2に示すように、ケーシング10は、第一ケーシング2および第二ケーシング3を有する。
【0020】
第一ケーシング2は、
図3に示すように、収納部11および保持部12を有する。収納部11は、後述する施解錠機構6を収納する。保持部12は、収納部11に対して車両後側に設けられ、かつ外部に向けて開口している。保持部12は、ラッチ機構4を保持する。なお、本明細書において、車両前後方向とは、ドアロック装置1が車両のドアに取り付けられた状態における当該車両の前後方向を示す。同様にして、車両上下方向は、ドアロック装置1が車両のドアに取り付けられた状態における当該車両の上下方向を示す。また、車両内外方向は、ドアロック装置1が車両のドアに取り付けられた状態における当該車両の内外方向であり、車両前後方向および車両上下方向のそれぞれと直交する方向である。
【0021】
第一ケーシング2は、収納部11を形成する第一外壁部2aおよび第一側壁部2bを有する。第一外壁部2aは、車両内外方向と交差する壁部であり、例えば、車両内外方向と略直交する。第一側壁部2bは、第一外壁部2aを囲む壁部であり、第一外壁部2aから車両内側に向けて突出している。第一側壁部2bは、第一外壁部2aの上端の縁部、前端の縁部、および下端の縁部に沿って連続的に設けられている。
【0022】
第一ケーシング2は、保持部12を形成する第二外壁部2cおよび第二側壁部2dを有する。第二外壁部2cは、車両前後方向と交差する壁部である。第二外壁部2cは、第一外壁部2aの後端から車両外側に向けて突出している。第二側壁部2dは、第二外壁部2cを囲む壁部であり、第二外壁部2cから車両後側に向けて突出している。第二側壁部2dは、第二外壁部2cの上端の縁部および外側端部の縁部に沿って連続的に設けられている。保持部12は、車両前後方向におけるケーシング10の後端部に位置しており、外部に向けて開口している。
【0023】
第二ケーシング3は、第一ケーシング2における車両内側の開口部を閉塞する。第二ケーシング3は、第一ケーシング2と組み合わされて、施解錠機構6を収納する収納部11を車両内側から覆う。
図2に示すように、ラッチ機構4は、ボディ41およびカバープレート42を有する。ボディ41は、
図1および
図4に示すように、ケーシング10に対して固定されて保持部12を閉塞する。
図1に示すように、本実施形態のボディ41は、係合孔41aを有する。係合孔41aには、第二ケーシング3の係合爪31が係合し、ボディ41をケーシング10に対して固定している。
図2に示すように、カバープレート42は、車体に設けられたストライカが進入する進入溝42aを有する。
図4に示すように、ラッチ機構4は、ラッチ43およびラチェット44を有する。ラッチ43およびラチェット44は、それぞれ軸43aおよび軸44aによって回転自在に支持されている。ラッチ43は、スプリングによって
図4の時計回り方向(開放方向)に付勢されている。ラチェット44は、スプリングによって
図4の反時計回り方向に付勢されている。
【0024】
図4には、ラッチ機構4のアンラッチ状態が示されている。ドアが閉じられる際に、ストライカSが矢印Y1で示すように進入すると、ストライカSがラッチ43の当接部43bに当接してラッチ43を反時計回り方向(係合方向)に回転させる。これにより、ラッチ43の係合溝43cがストライカSと係合してストライカSを保持する。ラチェット44は、ストライカSと係合した状態のラッチ43に当接してラッチ43の開放方向への回転を規制する。ラチェット44は、ラッチ43の当接部43bに当接することでラッチ43をハーフラッチ位置で停止させ、突起部43dに当接することでラッチ43をフルラッチ位置で停止させる。
【0025】
図5に示すように、施解錠機構6は、インサイドレバー61、オープンリンク62、レバーロック63、内部キーレバー64、ウォームホイール67、モータ68、およびアウトサイドレバー69を有する。インサイドレバー61は、第一ケーシング2の第一軸21によって回転自在に支持されている。インサイドレバー61は、アーム61aを有する。アーム61aは、第一軸21から車両下側に向けて延在している。アーム61aの先端部には、第一伝達部材8が連結されている。第一伝達部材8は、インサイドレバー61をドアの車両内側に設けられたインナーハンドルに連結する。
【0026】
アウトサイドレバー69は、
図4に示すように、回転軸線X1を中心として回転自在となるように第一ケーシング2によって支持されている。アウトサイドレバー69は、連結部69bを有する。連結部69bは、ドアの車両外側に設けられたアウターハンドルに連結される。アウターハンドルに対する開扉操作がなされると、連結部69bが押し下げられてアウトサイドレバー69が
図4の時計回り方向に回転する。
【0027】
図5に戻り、アウトサイドレバー69は、連結突起69aおよび当接部69cを有する。連結突起69aおよび当接部69cは、アウトサイドレバー69における車両内側の端部に設けられている。インサイドレバー61は、当接部69cに対応する押圧部61bを有する。押圧部61bは、アーム61aの長手方向の中間部から車両上側に向けて突出している。押圧部61bは、当接部69cと車両上下方向において対向している。
【0028】
オープンリンク62は、第一連結孔62a、第二連結孔62b、および押圧部62cを有する。第一連結孔62aは、オープンリンク62の下端に形成されている。第一連結孔62aには、アウトサイドレバー69の連結突起69aが挿入されている。第一連結孔62aは、オープンリンク62が連結突起69aを回転中心として所定の角度範囲で回転することを許容する。押圧部62cは、第一連結孔62aに対して車両上側に位置している。
図5に示すようにオープンリンク62がアンロック位置にある場合、押圧部62cは車両上下方向において解除レバー44bと対向する。解除レバー44bは、軸44aによって回転自在に支持されており、かつラチェット44と一体回転する。
【0029】
ユーザーによってインナーハンドルに対する開扉操作がなされると、第一伝達部材8がアーム61aを車両前側に向けて引っ張り、インサイドレバー61を
図5の時計回り方向に回転させる。押圧部61bは、アウトサイドレバー69の当接部69cに当接して当接部69cを押し上げる。アウトサイドレバー69の連結突起69aは、オープンリンク62を車両上側に向けて押し上げる。アウターハンドルに対する開扉操作がなされた場合には、当該開扉操作によってアウトサイドレバー69が回転して連結突起69aがオープンリンク62を車両上側に向けて押し上げる。オープンリンク62がアンロック位置にある場合、押圧部62cが解除レバー44bを押し上げる。これにより、ラチェット44が
図4の時計回り方向に回転してラッチ機構4がアンラッチ状態に切り替わる。
【0030】
レバーロック63は、オープンリンク62をアンロック位置およびロック位置に回転させる。オープンリンク62のロック位置は、
図5に示す位置から連結突起69aを中心として
図5の反時計回り方向に回転した位置である。レバーロック63は、第一ケーシング2の第二軸22によって回転自在に支持されている。レバーロック63は、第一アーム63a、第二アーム63b、第三アーム63c、および一対の係合アーム63d,63eを有する。第一アーム63aは、第二軸22から車両下側に向けて延在している。第二アーム63bは、第二軸22から車両上側に向けて延在している。第三アーム63cは、第二軸22から車両後側に向けて延在している。係合アーム63dと係合アーム63eは、第二軸22から車両前側に向けて異なる位相で突出している。
【0031】
第一アーム63aは、第二伝達部材9を介してロックノブに連結されている。第二アーム63bは、オープンリンク62の第二連結孔62bに挿入される連結突起を有している。レバーロック63が
図5の反時計回り方向(施錠方向)に回転すると、その回転と連動してオープンリンク62が連結突起69aを回転中心として反時計回り方向に回転する。一方、レバーロック63が
図5の時計回り方向(解錠方向)に回転すると、その回転と連動してオープンリンク62が連結突起69aを回転中心として時計回り方向に回転する。つまり、レバーロック63は、施錠方向に回転することでオープンリンク62をロック位置まで回転させることができ、解錠方向に回転することでオープンリンク62をアンロック位置まで回転させることができる。
【0032】
ウォームホイール67は、モータ68の回転をレバーロック63に伝達して、レバーロック63を施錠方向および解錠方向に回転させる。ウォームホイール67は、第一ケーシング2の第三軸23によって回転自在に支持されている。ウォームホイール67は、レバーロック63の係合アーム63d,63eに対応する突起部67aを両面に有する。係合アーム63d,63eは、ウォームホイール67を間に挟んで、一方がウォームホイール67よりも車両内側に、他方がウォームホイール67よりも車両外側に配置されている。ウォームホイール67が回転すると、突起部67aがレバーロック63の係合アーム63dあるいは係合アーム63eに当接して、レバーロック63を回転させる。
【0033】
図6に示すように、内部キーレバー64は、軸部64aを有する。軸部64aは、第一ケーシング2によって回転自在に支持される。軸部64aの先端は第一ケーシング2から突出してキーレバー65と連結されている。キーレバー65は、
図6および
図7に示すように、軸部65aおよび連結部65bを有する。内部キーレバー64の軸部64aは、キーレバー65の軸部65aに連結されており、軸部65aと一体回転する。連結部65bは、軸部65aの外周面から軸部65aの半径方向外側に向けて突出している。
【0034】
図5に示すように、内部キーレバー64は、軸部64aから軸部64aの半径方向外側に向けて突出するプレート部64bを有する。プレート部64bは、スリット状の連結孔64cを有する。連結孔64cは、軸部64aの周方向に沿って所定の長さで形成されている。レバーロック63の第三アーム63cは、連結孔64cに挿入される連結突起を有している。キーによる施錠操作がなされると、内部キーレバー64が
図5の時計回り方向に回転する。内部キーレバー64のこの回転は、レバーロック63を施錠方向に回転させてオープンリンク62をロック位置まで回転させる。一方、キーによる解錠操作がなされると、内部キーレバー64が
図5の反時計回り方向に回転する。内部キーレバー64のこの回転は、レバーロック63を解錠方向に回転させてオープンリンク62をアンロック位置まで回転させる。
【0035】
ここで、本実施形態のドアロック装置1の防水構造について説明する。ドアロック装置1の防水構造は、
図1等に示すカバー部材7、およびシール部材5を含む。カバー部材7は、合成樹脂等で形成された被透水性の部材である。カバー部材7は、第一カバー部材71および第二カバー部材72を有する。
【0036】
第一カバー部材71は、
図8乃至
図10に示すように、第一ケーシング2および第二ケーシング3を車両上側から一体に覆う。第一カバー部材71は、第一ケーシング2と第二ケーシング3との合わせ面を車両前後方向の前端から後端まで連続的に覆っている。第一カバー部材71は、
図11に示すように、本体部711、外側カバー部712、および内側カバー部713を有する。本体部711は、第一ケーシング2と第二ケーシング3との合わせ面を含むケーシング10の縁部を車両上側および車両前側から覆う。本体部711は、ケーシング10の上側縁部を覆う第一本体部711Aと、ケーシング10の前側縁部を覆う第二本体部711Bと、庇部711Cとを有する。第一本体部711A、第二本体部711B、および庇部711Cは連続的にかつ一体に形成されている。
【0037】
外側カバー部712は、第一本体部711Aの後側端部から車両外側に向けて張り出している。外側カバー部712は、第一ケーシング2の第二側壁部2d(
図3参照)を覆う。内側カバー部713は、第二ケーシング3の車内側の壁面32の上部を覆う。車内側の壁面32は、第二ケーシング3における車両内側を向く壁面である。
図8および
図11に示すように、内側カバー部713は、導水面713aを有する。導水面713aは、車両内側に向けて突出するリブの車両上側を向く面であって、車両前側へ向かうに従って車両下側に向かうように傾斜している。
【0038】
図8に示すように、第二ケーシング3は、車内側の壁面32から車両内側に向けて突出している板状の突出部34を有する。突出部34は、車両前側へ向かうに従って車両下側に向かうように傾斜している。突出部34の車両上側の面は、水を導く導水面33としての機能を有している。第一カバー部材71の導水面713aと導水面33は、連続的に延在する傾斜面をなしている。導水面713aは、第一カバー部材71に付着した水を第二ケーシング3の導水面33に導く。導水面33は、第二カバー部材72の外面まで水を導く。
【0039】
第二カバー部材72は、
図12に示すケーシング10の開口部10aを覆う。開口部10aは、ケーシング10における車両上下方向の下部に設けられている。開口部10aは、ユーザーの操作を伝達する伝達部材8,9と施解錠機構6との連結部13,14に対応する開口である。
図12に示すように、開口部10aは、第一伝達部材8とインサイドレバー61との連結部13、および第二伝達部材9とレバーロック63との連結部14を外部に露出させる。第二カバー部材72は、ケーシング10の下部を車両内外方向の両側から挟み込み、開口部10aを覆う。
図13に示すように、第二カバー部材72は、第一構成部721、第二構成部722、およびヒンジ部723を有する。第一構成部721と第二構成部722とは、折り曲げ可能なヒンジ部723を介してつながっている。
【0040】
第一構成部721は、第一ケーシング2と係合して第一ケーシング2によって支持される。第二構成部722は、第一構成部721との間にケーシング10を挟み込み、かつ第一構成部721およびケーシング10と係合する。具体的には、第二構成部722は、第一爪部722a、および第二爪部722bを有する。第一爪部722aは、第一構成部721の爪部721aと係合する。第二爪部722bは、第二ケーシング3に係合する。
【0041】
図14には、
図8のXIV−XIV断面が示されている。
図8および
図14を参照して説明するように、第二ケーシング3は、庇部35を有する。庇部35は、第二カバー部材72と車内側の壁面32との隙間からの浸水を抑制する。
図14に示すように、庇部35は、車内側の壁面32から車両内側に向けて突出しており、その先端部35aは車両下側に向けて突出して第二カバー部材72を覆っている。言い換えると、庇部35は、車両上側から第二カバー部材72の側方に張り出して第二カバー部材72の車両上側の端部を覆っている。庇部35の先端部35aは、第二構成部722の車両内側の面722dと対向している。庇部35は、車内側の壁面32との間に、車両下側に向けて開口する収納部15を形成する。第二構成部722の上部縁部722cは、この収納部15に収納される。車内側の壁面32を車両上側から車両下側に向けて流れる水は、庇部35によって第二構成部722よりも車両内側に導かれる。従って、第二構成部722と車内側の壁面32との隙間からのケーシング10内への浸水が抑制される。
【0042】
図8および
図9に示すように、第一カバー部材71の本体部711は、ケーシング10と第二カバー部材72とを一体に覆っている。本体部711の庇部711Cは、第二本体部711Bの下端から車両下側に向けて張り出している。庇部711Cは、車両上側から第二カバー部材72の側方に張り出して第二カバー部材72を覆っている。庇部711Cは、車両下側へ向かうに従って車両前側に向かうように傾斜しており、かつ第二カバー部材72の車両前側の外面および車両外側の外面と対向している。第二本体部711Bおよび庇部711Cは、第二カバー部材72の上端部において第二カバー部材72とケーシング10との隙間を覆っている。第二本体部711Bに沿って流れ落ちる水は、庇部711Cによって第二カバー部材72の外面に導かれる。従って、第一カバー部材71は、第二カバー部材72とケーシング10との隙間からのケーシング10内への浸水を抑制する。
【0043】
図15および
図16を参照して説明するように、シール部材5は、ケーシング10とラッチ機構4のボディ41との隙間である第一の隙間16、およびケーシング10とカバー部材7との隙間である第二の隙間17をそれぞれ覆う。シール部材5は、樹脂等で形成されており、ケーシング10、ボディ41、およびカバー部材7に対して貼り付けられる。本実施形態のシール部材5は、断面形状が矩形の細長い板状あるいは棒状の部材であって、可撓性を有する。
図15に示すように、第一の隙間16は、第一ケーシング2とボディ41との隙間16A、および第二ケーシング3とボディ41との隙間16Bを含む。第二の隙間17は、上側の第二の隙間17A、および下側の第二の隙間17Bを有する。上側の第二の隙間17Aは、第一カバー部材71とケーシング10との隙間であり、下側の隙間17Bは、第二ケーシング3と第二カバー部材72との隙間である。上側の第二の隙間17Aは、第一カバー部材71と第一ケーシング2との隙間17C、および第一カバー部材71と第二ケーシング3との隙間17Dを含む。
【0044】
図16に示すように、シール部材5は、第一の隙間16から下側の第二の隙間17Bまで連続的に設けられている。言い換えると、単一のシール部材5によって第一の隙間16、上側の第一の隙間17A、および下側の第二の隙間17Bがケーシング10の外側から覆われている。これにより、防水性能の向上や部品点数の削減などが可能となる。
図16に示すように、第一の隙間16は、カバープレート42の進入溝42aの下端のラインL1まで存在している。シール部材5は、第一の隙間16に沿って下端のラインL1まで延在している。シール部材5の一端5aの高さ位置は、下端のラインL1の高さ位置と同様である。このように第一の隙間16の端部までシール部材5によって覆われていることで、第一の隙間16を介したケーシング10内への浸水が効果的に抑制される。また、本実施形態のシール部材5は、第一の隙間16と上側の第一の隙間17Aを一体に覆い、ケーシング10内への浸水を効果的に抑制している。
【0045】
本実施形態の第一カバー部材71は、以下に説明するように、シール部材5を貼り付ける作業の安定化や効率化を可能としている。第一カバー部材71の外側カバー部712は第一ケーシング2の上部外形に沿って車両外側に向けて張り出しており、かつ貼り付け面712aを有する。貼り付け面712aは、上側の第二の隙間17Aに隣接する面であって、シール部材5が貼り付けられる面である。貼り付け面712aは、ケーシング10の車両後側の端面10bと連続し、端面10bと同一平面上にある面である。これにより、シール部材5の浮き上がりが生じにくくなっている。
【0046】
貼り付け面712aの上端の輪郭線712bは、シール部材5の位置決めを容易とする。外側カバー部712は、上端の輪郭線712bと第一の隙間16との間隔W1がシール部材5の幅よりも狭くなるように形成されている。従って、貼り付け作業者は、上端の輪郭線712bにシール部材5の縁を合わせて貼り付けることで、シール部材5によって第一の隙間16を適切に覆うことができる。また、上端の輪郭線712bにシール部材5の縁を合わせることで、第一カバー部材71、ケーシング10、およびボディ41をシール部材5によって一体に覆うことが可能である。つまり、上端の輪郭線712bに縁が沿うように貼り付けられたシール部材5は、第一の隙間16および上側の第二の隙間17Aを一体に覆う。本実施形態では、貼り付け面712aの上端の輪郭線712bは、第一の隙間16と略平行となっている。
【0047】
図1に示すように、シール部材5は、第二ケーシング3のリブ36に沿って第二ケーシング3および第二カバー部材72に貼り付けられる。リブ36は、第二ケーシング3の車内側の壁面32から車両内側に向けて突出している。リブ36は、車両前側へ向かうに従って車両下側へ向かうように傾斜している。リブ36は、下側の第二の隙間17Bに対して車両下側に位置しており、かつ下側の第二の隙間17Bに沿って延在している。シール部材5は、一方の側面5bがリブ36に沿うようにして貼り付けられる。また、シール部材5は、他方の側面5cが第二ケーシング3の導水面33および第一カバー部材71の導水面713aに沿うようにして貼り付けられる。シール部材5の端部5dは、リブ36の下端よりも車両下側に突出している。従って、シール部材5の側面5cは、導水面713a,33と一体の導水面として機能して第二カバー部材72の外面まで水を導き、ケーシング10内への浸水を抑制することができる。
【0048】
本実施形態に係るドアロック装置の製造方法は、貼り付け工程を含む。貼り付け工程は、第一の隙間16および第二の隙間17に単一のシール部材5を貼り付けて第一の隙間16および第二の隙間17を覆う工程である。ドアロック装置1の組み付け作業では、シール部材5は、
図16に示す下端のラインL1を始点としてケーシング10、ボディ41、および第一カバー部材71に対する貼り付けが開始される。つまり、貼り付け工程におけるシール部材5の貼り付けの始点は、ラッチ機構4のカバープレート42に設けられた進入溝42aの下端に対応する位置である。
【0049】
シール部材5は、第一の隙間16(または第一の隙間16の延長線上)における下端のラインL1に対応する位置から、第一の隙間16を覆うように、第一の隙間16に沿って貼り付けられる。第一カバー部材71の外側カバー部712が存在する部分では、シール部材5は上端の輪郭線712b(
図15参照)に沿って貼り付けられる。シール部材5は、第一カバー部材71の上端に縁を沿わせるようにして、隙間16Aから隙間16Bに沿って順に貼り付けられる。更に、シール部材5は、第二ケーシング3のリブ36に側面5bを沿わせ、かつ導水面713a,33に側面5cを沿わせるようにして第一カバー部材71、第二ケーシング3、および第二カバー部材72に貼り付けられる。シール部材5の貼り付け作業が下端のラインL1側、言い換えると第一の隙間16の下端側の始点から開始されることで、第一の隙間16が全体的にシール部材5によって覆われる。
【0050】
本実施形態のドアロック装置1は、不正解錠を抑制して防盗性を向上させるプロテクタ19を備えている。
図17に示すように、プロテクタ19は、キーレバー65を覆い、針金等の不正手段からキーレバー65を保護する。キーレバー65の連結部65bは、ロッド20を介してキーシリンダーのロータに連結されている。キーによる施錠操作がなされると、ロッド20が連結部65bを車両上側に向けて引っ張り、キーレバー65を
図17に実線で示す中立位置から破線で示す施錠位置65Lまで回転させる。キーによる解錠操作がなされると、ロッド20が連結部65bを車両下側に向けて押圧し、キーレバー65を破線で示す解錠位置65Uまで回転させる。
【0051】
プロテクタ19は、第一覆い部191と、第二覆い部192を有する。第一覆い部191はキーレバー65の軸部65aを覆い、第二覆い部192はキーレバー65の連結部65bを覆う。第一覆い部191には、固定部193が設けられている。固定部193は、ねじによって第一ケーシング2に対して固定される。
図18には、
図17のXVIII−XVIII断面が示されている。プロテクタ19は、凹状ガイド部194を有する。凹状ガイド部194は、覆い部191,192よりも車両内側に設けられている。第一ケーシング2は、凹状ガイド部194に対応する凸状ガイド部24を有する。凸状ガイド部24は、凹状ガイド部194に対して車両上下方向に摺動可能に嵌合する。プロテクタ19は、第一ケーシング2に対して車両前後方向の相対移動が規制され、かつ車両上下方向の相対移動が許容される。第二覆い部192は、
図18に示すように、車両前側、車両後側、および車両内側から連結部65bを覆っている。更に、第二覆い部192は、
図17に示すように、車両上側から連結部65bを覆っている。
【0052】
図19に示すように、第二覆い部192の車両上側の面197は、車両内側へ向かうに従って車両下側へと向かう傾斜面となっている。従って、ドアの窓ガラスとアウターパネルとの隙間等から針金などの不正手段がキーレバー65に向けて差し込まれたとしても、不正手段が車両上側の面197に沿って車両内側に滑り落ちる。よって、プロテクタ19が損傷することや、不正手段の荷重がプロテクタ19を介してキーレバー65に伝達されて不正に解錠されることが抑制される。
【0053】
図20には、
図19のXX−XX断面が示されている。第二覆い部192における車両内側の壁部195は、円弧形状の当接部196を有する。当接部196は、キーレバー65の軸部65aに対して車両上側の近傍に設けられている。不正手段の荷重によってプロテクタ19が車両下側に移動したとしても、当接部196が軸部65aに当接して、プロテクタ19の移動を規制する。よって、不正手段による不正な解錠が抑制される。なお、運転席以外のドアにドアロック装置1が適用される場合など、キーによる施解錠が不要な場合には、キーレバー65やプロテクタ19を省略すればよい。
【0054】
上記の実施形態に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。