【文献】
青山 幹也 Mikiya Aoyama 井谷 恵 Megumi Itani 宮地 学 Manabu Miyaji,FA用イーサネット−シリアル信号変換ユニット Ethernet-Serial Signal Conversion Unit for Factory Automation,松下電工技報 Vol.56 No.3,松下電工株式会社 Matsushita Electric Works,Ltd.,2008年 9月,Vol.56,No.3,p.32-36
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0023】
以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。なお、同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0024】
(実施の形態)
本実施の形態において、制御装置が配置されないネットワークにおいても被制御機器を制御することができる変換装置等について説明する。本実施の形態における被制御機器は、シリアル通信により制御されるシリアルデバイスである。
【0025】
図1は、本実施の形態に係る変換装置10を含む通信システム1のネットワーク構成図である。また、
図1には、変換装置10及びシリアルデバイス20の機能ブロック(機能構成要素)も示されている。
【0026】
図1に示されるように、通信システム1は、変換装置10と、シリアルデバイス20と、センサ30と、制御装置40とを備える。なお、センサ30は必須の構成要素ではなく、通信システム1に備えられていなくてもよい。
【0027】
変換装置10と制御装置40とは、LAN(Local Area Network)50に接続されており、相互に通信可能である。LAN50は、例えば、IEEE802.3規格等に適合する有線LAN、又は、IEEE802.11a、b、g、n規格等に適合する無線LAN、若しくは、これらが接続されたネットワークにより実現され得る。
【0028】
変換装置10とシリアルデバイス20とは、シリアルケーブル51により接続され、シリアル通信が可能である。シリアル通信は、例えば、RS−485、RS−232C、RS−422A等のシリアル通信規格に準拠した通信である。
【0029】
変換装置10は、制御装置40とシリアルデバイス20との通信を、プロトコル変換(以降、単に変換ともいう)を施しながら中継するプロトコル変換装置である。変換装置10は、制御装置40から受信した信号を、シリアルデバイス20が対応している通信プロトコルの信号に変換してシリアルデバイス20に送信する。また、変換装置10は、シリアルデバイス20から受信した信号を、制御装置40が対応している通信プロトコルの信号に変換して制御装置40に送信する。
【0030】
制御装置40は、シリアルデバイス20との間で通信を行う装置である。制御装置40は、シリアルデバイス20の動作を制御したり、シリアルデバイス20が取得するセンサ値を取得したりするために、シリアルデバイス20に対するコマンドを送信する。コマンドは、例えば、シリアルデバイス20の動作としての所定の機能のON又はOFFを制御したり、シリアルデバイス20がセンサ30を用いて取得したセンサ値を制御装置40へ送信するよう要求したりするコマンドである。
【0031】
シリアルデバイス20は、制御装置40による制御を受けて動作するデバイスである。シリアルデバイス20は、制御装置40が送信し変換装置10によりプロトコル変換されたコマンドを受信し、受信したコマンドに従って処理を行い応答情報を生成する。そして、シリアルデバイス20は、生成した応答情報を、受信したコマンドに対する応答として変換装置10に送信する。シリアルデバイス20は、具体的には、製品若しくは部品の製造の一工程に係る機器(例えば繊維製造機器)、又は、電力メータから検針値を取得する自動検針装置などである。
【0032】
以下、
図1及び
図2を用いて変換装置10の構成について説明する。
【0033】
図2は、本実施の形態に係る変換装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0034】
図2に示されるように、変換装置10は、シリアル通信インタフェース11と、LAN通信インタフェース12と、CPU(Central Processing Unit)18と、メモリ19とを備えるプロトコル変換装置である。以降において、シリアル通信インタフェースを「シリアルIF」ともいい、LAN通信インタフェースを「LANIF」ともいう。
【0035】
CPU18は、メモリ19等に記憶された制御プログラムを実行するプロセッサである。
【0036】
メモリ19は、制御プログラム及び各種データ等を保持する記憶装置であり、具体的には、ROM、RAM又はストレージ(HDD(Hard Disk Drive)等)である。
【0037】
シリアルIF11は、シリアルコントローラと、シリアルケーブルのコネクタ(例えばD−SUB25ピン、D−SUB9ピン等)を接続する端子等とを含む通信回路である。
【0038】
LANIF12は、ネットワークコントローラと、LAN通信ケーブルのコネクタ(RJ−45等)とを含む通信回路である。
【0039】
変換装置10は、機能面においては、
図1に示されるように、シリアルIF11と、LANIF12と、通信制御部13とを備える。また、通信制御部13は、変換部14と、記憶部15と、機器制御部16と、送信部17とを備える。
【0040】
シリアルIF11は、シリアルケーブル51に接続されたシリアルデバイス20との間で、通信データの送受信を行う機能を有する。通信データの送受信は、シリアル通信用の第一プロトコル(例えば、RS−485、RS−232C又はRS−422A等)に準拠した通信により行われる。第一プロトコルの具体例は、マスタスレーブ方式のModbus(登録商標)プロトコルにおけるシリアル伝送モードとしてのRTU(Remote Terminal Unit)モードである。シリアルIF11は、第一インタフェースに相当する。
【0041】
LANIF12は、LAN50に接続された制御装置40との間で通信データの送受信を行う機能を有する。通信データの送受信は、LAN通信用の第二プロトコル(IEEE802.3規格、TCP/IPなどを含むプロトコルの集合)に準拠した通信により行われる。第二プロトコルの具体例は、TCP/IPを用いた通信のためのプロトコルであるModbus(登録商標)/TCPを用いた通信である。Modbus(登録商標)/TCPでの通信を担うアプリケーションは、一例としてポート番号502等のポートでデータの授受を行う。LANIF12は、第二インタフェースに相当する。
【0042】
通信制御部13は、シリアルIF11を介してシリアルデバイス20との間で第一プロトコルに従って通信データの送受信を行い、また、LANIF12を介してLAN50に接続された制御装置40との間で第二プロトコルに従って通信データの送受信を行う機能を有する。通信制御部13は、メモリ19に格納された通信制御処理のための制御プログラムを実行するCPU18等により実現される。
【0043】
具体的には、通信制御部13は、変換部14による変換処理と、機器制御部16及び送信部17によるマスタ処理との2つの処理を行う。なお、これらの処理は独立な処理であり、2つの処理を同時並行的に行うこともできるし、一時的に一方の処理を停止及び開始することもできる。
【0044】
変換処理は、変換部14により行われる処理である。変換処理は、第一プロトコルと第二プロトコルとを相互に変換するプロトコル変換処理である。すなわち、通信制御部13(変換部14)は、制御装置40から第二プロトコルに準拠した形式のコマンドを受信すると、受信したコマンドを第一プロトコルに準拠した形式に変換してシリアルデバイス20に送信する。また、シリアルデバイス20から第一プロトコルに準拠した形式の応答を受信すると、受信した応答を第二プロトコルに準拠した形式に変換して制御装置40に送信する。なお、第一プロトコルに準拠したコマンド及び応答情報を、それぞれ、シリアル通信の形式のコマンド及び応答情報ともいい、第二プロトコルに準拠したコマンド及び応答情報を、それぞれ、LAN通信の形式のコマンド及び応答情報ともいう。
【0045】
マスタ処理は、記憶部15、機器制御部16及び送信部17により行われる処理である。マスタ処理は、制御装置40からコマンドを受信したか否かに依存せずに、シリアルデバイス20からの応答情報を受信する処理である。具体的には、機器制御部16は、制御装置40からコマンドを受信したか否かに依存せずに、シリアル通信の形式のコマンドをシリアルデバイス20に繰り返し送信する。そして、機器制御部16は、送信したコマンドに対する応答として、シリアル通信の形式の応答情報を受信して記憶部15に格納する。また、送信部17は、記憶部15に格納された応答情報をLANIF12を通じて制御装置40に送信する。送信部17による応答情報の送信の際に、記憶部15に応答情報が複数格納されているときには、送信部17は複数の応答情報をまとめて制御装置40に送信する。なお、記憶部15は、メモリ19等により実現され得る。
【0046】
なお、マスタ処理において、機器制御部16がシリアルデバイス20から受信した応答情報の中に、緊急の対応を要する情報が含まれている場合には、機器制御部16は、電子メール等を用いて緊急の対応を要する旨をシステム管理者などに通知するようにしてもよい。緊急の対応を要する情報は、例えば、応答情報に含まれる所定のフラグ(以降、緊急フラグともいう)により示されてもよい。なお、電子メール(SMTP(Simple Mail Transfer Protocol))は、緊急通信プロトコルの一例である。
【0047】
以下、
図1及び
図3を用いてシリアルデバイス20の構成について説明する。
【0048】
図3は、本実施の形態に係るシリアルデバイス20のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0049】
図3に示されるように、シリアルデバイス20は、シリアルIF21と、入出力IF22と、CPU28と、メモリ29とを備える。
【0050】
CPU28は、メモリ29等に記憶された制御プログラムを実行するプロセッサである。
【0051】
メモリ29は、制御プログラム及び各種データ等を保持する記憶装置であり、具体的には、ROM、RAM又はストレージ等である。
【0052】
シリアルIF21は、シリアルコントローラと、シリアルケーブルのコネクタ(例えばD−SUB25ピン、D−SUB9ピン等)を接続する端子等とを含む通信回路である。
【0053】
入出力IF22は、製品又は部品の製造状態等の検出を行うセンサ30等との間でデータを授受するためのインタフェースである。
【0054】
シリアルデバイス20は、機能面においては
図1に示されるように、シリアルIF21と、入出力IF22と、制御部23とを備える。
【0055】
シリアルIF21は、シリアルケーブル51に接続された変換装置10との間で、通信データの送受信を行う機能を有する。通信データの送受信は、シリアル通信用の第一プロトコル(例えば、RS−485、RS−232C、RS−422A等)に基づく通信により行われる。
【0056】
入出力IF22は、製品又は部品の製造状態等の検出を行うセンサ30等との間でデータを授受する機能を有する。
【0057】
制御部23は、シリアルIF21を介して変換装置10との間で第一プロトコルに従って通信データの送受信を行う機能を有する。制御部23が受信するデータは、制御装置40からシリアルデバイス20へのコマンドを含み、制御部23が送信する通信データは、シリアルデバイス20から制御情報への応答情報を含む。制御部23は、メモリ29に格納された制御処理のための制御プログラムを実行するCPU28等により実現される。
【0058】
具体的には、制御部23は、変換装置10から受信したシリアル通信の形式のコマンドに応答するための処理を実行し応答情報を生成する。例えば、受信したコマンドがシリアルデバイス20の所定の機能のON又はOFFを制御するコマンドである場合には、制御部23は、受信したコマンドに従って所定の機能をONする制御、又は、OFFする制御を試み、その制御が成功したか失敗したかを示す応答情報を生成する。また、受信したコマンドが、センサ30を用いて取得したセンサ値を制御装置40へ送信するよう要求するコマンドである場合には、制御部23は、入出力IF22を介してセンサ30からセンサ値を取得し、取得したセンサ値を含む応答情報を生成する。そして、上記のように生成した応答情報を、変換装置10から受信したコマンドへの応答として、変換装置10に送信する。
【0059】
なお、受信したコマンドに基づいて制御部23が行う制御は上記に限られず、例えば、制御部23が備えるレジスタの値を読み出す若しくは書き込む制御、又は、シリアルデバイス20の診断処理を実行する制御なども含み得る。
【0060】
図4は、本実施の形態に係る変換装置10の通信制御部13が行うマスタ処理に用いられる制御パラメータを示す説明図である。
【0061】
図4に示されるように、制御パラメータは、シリアル通信の制御パラメータと、LAN通信の制御パラメータとを含む。シリアル通信の制御パラメータは、コマンド送信間隔と、対象デバイスIDと、エラー時リトライ回数と、エラー時リトライ時間との各情報を含む。
【0062】
コマンド送信間隔は、機器制御部16がシリアルIF11を介してシリアルデバイス20にコマンドを送信する時間間隔を示す情報である。コマンド送信間隔は、例えば、数秒、数分又は数時間程度の時間間隔に定められる。なお、コマンド送信時間は、第一間隔に相当する。
【0063】
対象デバイスIDは、機器制御部16がシリアルIF11を介してコマンドを送信する宛先であるシリアルデバイス20を示す固有の識別子である。機器制御部16は、シリアルデバイス20にコマンドを送信する際に、対象デバイスIDに列挙されているIDにより特定されるシリアルデバイス20にコマンドを送信する。なお、第一プロトコルがRS−232Cの場合には、変換装置10とシリアルデバイス20とが1対1接続されるので、対象デバイスIDの指定は不要である。
【0064】
エラー時リトライ回数は、機器制御部16がシリアルデバイス20にコマンドを送信した後に正常な応答が得られない場合、つまり、エラーが発生した場合のリトライ回数(例えば3回など)を示す情報である。
【0065】
エラー時リトライ時間は、機器制御部16がシリアルデバイス20にコマンドを送信した後に設けられる、応答を得るための待ち時間(例えば2秒など)を示す。機器制御部16は、エラー時リトライ時間のうちに応答が得られない場合、エラーが発生したと判定してコマンド送信のリトライを行う。
【0066】
LAN通信パラメータは、送信周期と、送信日時と、宛先アドレスと、宛先ポート番号と、緊急時通知先との各情報を含む。
【0067】
送信周期は、送信部17が応答情報を制御装置40に送信する時間間隔を示す情報である。送信周期は、日、時間、分若しくは秒、又は、これらを組み合わせて表現される時間により指定される。送信部17は、送信周期に示される時間ごとに、記憶部15に記憶されている応答情報を制御装置40に送信する。なお、送信周期は、上記コマンド送信間隔より長い時間長を有するものであり、第二間隔に相当する。
【0068】
送信日時は、送信部17が応答情報を制御装置40に送信する日時を示す情報である。送信日時は、日、時間、分若しくは秒、又は、これらを組み合わせて表現される日にち又は時刻により指定される。日にちだけが指定された場合には、送信部17は、毎月の指定された日にちに記憶部15に記憶されている応答情報を制御装置40に送信する。また、時間、分若しくは秒、又は、これらを組み合わせが指定された場合には、送信部17は、毎日の指定された時間、分若しくは秒等に、記憶部15に記憶されている応答情報を制御装置40に送信する。なお、日にちの指定の代わりに、曜日の指定をすることもでき、この場合、送信部17は、毎週の指定された曜日に、記憶部15に記憶されている応答情報を制御装置40に送信する。
【0069】
宛先アドレス及び宛先ポート番号は、応答情報の宛先(つまり制御装置40)のIPアドレス及びTCPポート番号を示す情報である。
【0070】
緊急時通知先は、機器制御部16がシリアルデバイス20から取得した応答情報に緊急の対応を要する情報が含まれている場合の通知先を示す情報である。緊急時通知先は、例えば、電子メールアドレス、電話番号、又は、その他の通信方法における利用者識別情報が用いられる。
【0071】
なお、送信周期と送信日時とは、いずれか一方だけ設定されていれば充分であるが、両方の設定があってもよい。
【0072】
以降において、変換装置10が実行する変換処理及びマスタ処理について詳細に説明する。
【0073】
(1)変換処理について
図5は、本実施の形態に係る変換装置10による変換処理の流れを、通信システム1の動作とともに示すシーケンス図である。
【0074】
図5に示されるように、ステップS101において、制御装置40がシリアルデバイス20に対するコマンドをLAN通信で送信する。このコマンドは、LAN通信の形式のコマンドである。変換装置10は、制御装置40が送信したコマンドを受信する。
【0075】
ステップS111において、変換装置10は、ステップS101で制御装置40から受信したコマンドをシリアル通信の形式に変換し、シリアルデバイス20に送信する。シリアルデバイス20は、変換装置10により送信されたシリアル通信の形式のコマンドを受信する。
【0076】
ステップS121において、シリアルデバイス20は、ステップS111で受信したコマンドに基づいて処理を実行し、応答情報を生成する。
【0077】
ステップS122において、シリアルデバイス20は、ステップS121で生成した応答情報を変換装置10に送信する。変換装置10に送信される応答情報は、シリアル通信の形式である。変換装置10は、シリアルデバイス20が送信した応答情報を受信する。
【0078】
ステップS112において、変換装置10は、ステップS122で受信したシリアル通信の形式の応答情報を、LAN通信の形式に変換し、制御装置40に送信する。
【0079】
以上の一連の流れにより、制御装置40は、変換装置10によるプロトコル変換を介してシリアルデバイス20との間でコマンドと応答情報をやりとりすることができる。
【0080】
(2)マスタ処理について
図6は、本実施の形態に係る変換装置10によるマスタ処理の流れを示す第一のフロー図である。
図7は、本実施の形態に係る変換装置10によるマスタ処理の流れを示す第二のフロー図である。
図8は、本実施の形態に係る変換装置10によるマスタ処理の流れを、通信システム1の動作とともに示すシーケンス図である。なお、
図6と
図7との処理は同時並行的になされる処理である。また、
図8のシーケンス図は、
図6及び
図7の処理を含んでおり、同一の処理には同一の符号が付されている。
【0081】
図6に示される処理は、変換装置10が繰り返しシリアルデバイス20から応答情報を受信して記憶部15に格納し蓄積する処理である。
【0082】
ステップS201において、機器制御部16は、所定時刻が到来したか否かを判定する。所定時刻が到来した場合(ステップS201でYes)、ステップS202に進み、そうでない場合(ステップS201でNo)、ステップS201を再び実行する。つまり、機器制御部16は、所定時刻が到来するまでステップS201で待ち状態を取る。ここで、所定時刻とは、変換装置10がシリアルデバイス20にコマンドを送信すべき時刻として定められた時刻であり、前回にコマンドを送信した時刻からコマンド送信間隔(
図4参照)に示される時間が経過した時刻として算出され得る。
【0083】
ステップS202において、機器制御部16は、シリアルデバイス20にシリアル通信によりコマンドを送信する。送信されるコマンドは、シリアル通信の形式のコマンドである。シリアルデバイス20は、機器制御部16が送信したコマンドを受信したら、
図5における場合と同様に、受信したコマンドに基づく処理を実行し(ステップS121)、応答情報を生成して送信する(ステップS122)(
図8参照)。
【0084】
ステップS203において、機器制御部16は、ステップS202で送信したコマンドに対する応答として、シリアルデバイス20から応答情報を受信し、記憶部15に格納する。
【0085】
ステップS204において、機器制御部16は、ステップS203で取得した応答情報に緊急フラグが設定されているか否かを判定する。緊急フラグが設定されている場合(ステップS204でYes)にはステップS205に進み、そうでない場合(ステップS204でNo)には、再びステップS201を実行する。
【0086】
ステップS205において、機器制御部16は、電子メールで応答情報を送信する。電子メールの宛先は、緊急時通知先(
図4参照)とする。なお、送信する情報は、応答情報の代わりに、緊急を要する応答情報が取得された旨のメッセージとしてもよい。ステップS205の処理を終えたら、再びステップS201を実行する。
【0087】
なお、ステップS204及びS205の処理は必須の処理ではない。これらの処理を行わない場合には、ステップS203の処理を終えたら、再びステップS201を実行する。
【0088】
上記一連の処理により、変換装置10は、制御装置40からコマンドを受信したか否かに依存せずにシリアルデバイス20からの応答情報を繰り返し受信して記憶部15に格納し蓄積する。
【0089】
図7に示される処理は、本実施の形態に係る変換装置10の記憶部15に蓄積された応答情報を変換装置10が制御装置40に送信する処理である。
【0090】
ステップS211において、送信部17は、所定時刻が到来したか否かを判定する。所定時刻が到来した場合(ステップS211でYes)、ステップS212に進み、そうでない場合(ステップS211でNo)、ステップS211を再び実行する。つまり、送信部17は、所定時刻が到来するまでステップS211で待ち状態を取る。ここで、所定時刻とは、変換装置10が制御装置40にコマンドを送信すべき時刻として定められた時刻であり、前回にコマンドを送信した時刻から送信周期(
図4参照)に示される時間が経過した時刻、又は、送信日時(
図4参照)により定められる。なお、本ステップの所定時刻は、ステップS201の所定時刻とは独立に定められるものであり、一致することもあれば、異なることもある。
【0091】
ステップS212において、送信部17は、記憶部15に格納された応答情報をLAN通信により制御装置40に送信する。この送信には、制御装置40のIPアドレス及びTCPポート番号(
図4の宛先アドレス及び宛先ポート番号)が用いられる。このとき、記憶部15に複数の応答情報が格納されている場合には、送信部17は、格納されている複数の応答情報をまとめて送信する。ステップS212の処理を終えたら、再びステップS211を実行する。
【0092】
上記一連の処理により、変換装置10は、制御装置40からのコマンドの受信に依らずに繰り返しシリアルデバイス20から受信して蓄積した応答情報を制御装置40に送信する(
図8参照)。
【0093】
次に、変換装置10の動作設定に関する機能について説明する。
【0094】
変換装置10の動作に関する制御パラメータ(
図4参照)は、予め定められ変更不可能に構成されてもよいし、ユーザなどにより変更可能に構成されていてもよい。ユーザにより制御パラメータが変更可能に構成される場合の、制御パラメータの設定画面に関する技術を以下で説明する。
【0095】
図9は、本実施の形態に係る変換装置10の制御パラメータの設定のための画像70の説明図である。画像70は、例えば、HTML(HyperText Markup Language)により記述されたコードに基づいてWebブラウザ上でグラフィカルに表示される画像である。変換装置10は、LAN50に接続された制御装置40等からHTTP(Hypertext Transfer Protocol)により、制御パラメータの設定のための画像70のコードの要求を受信し、受信した要求に応じてコードを送信する。
【0096】
画像70は、複数のシリアルデバイス20(「デバイス1」、「デバイス2」等)それぞれについて、デバイスID及び機能設定のためのボタン71と、コマンド送信のためのボタン72とを含む。
【0097】
ボタン71は、デバイス1として割り当てるシリアルデバイス20を示すID情報、及び、そのシリアルデバイス20の機能を示す機能情報を設定するためのボタンである。ボタン71が操作されると、上記デバイスID及び機能情報を決定するための設定画面(不図示)に遷移する。
【0098】
ボタン72は、変換装置10によりシリアルデバイス20に対してコマンドを送信させるためのボタンである。変換装置10は、原則として、コマンド送信間隔(
図4参照)に従って繰り返しコマンドを送信する。そして、変換装置10は、ボタン72が操作されたときには、コマンド送信間隔に従った時刻でなくても、例外的に、シリアルデバイス20に対してコマンド送信を行う。これにより、シリアルデバイス20に対する制御、又は、シリアルデバイス20からのデータ取得をユーザの意図したタイミングで行うことができる利点がある。ボタン72の押下により取得されるデータは、ただちに制御装置40に送信されるか、または、変換装置10の記憶部15に定期的に取得されるデータとともに格納され、あらかじめ定められたタイミングで制御装置40にまとめて送信される。ボタン72は、受付部(不図示)に相当する。
【0099】
なお、変換装置10は、LAN50を通じて制御装置40に接続されているとしたが、変換装置10と制御装置40との接続は、LAN50に限らず、より広域のネットワーク、例えばインターネットを介した接続であってもよい。また、制御装置40は、複数の変換装置10から応答情報を受信するように構成されてもよい。すなわち、制御装置40は、インターネットに接続されたサーバ(いわゆるクラウドサーバ)上に実現され、物理的に離れた位置に設置された複数の変換装置10から応答情報を受信するようにしてもよい。このようにすることで、制御装置40の保守運用に係るコストを削減したり、応答情報の蓄積及び処理の集中管理をすることができる利点がある。
【0100】
(実施の形態の変形例)
本変形例では、被制御機器がLAN通信により制御されるLANデバイスである場合にも、制御装置が配置されないネットワークにおいても被制御機器を制御することができる変換装置等について説明する。なお、上記実施の形態における構成要素と同じものについては、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0101】
図10は、本変形例に係る変換装置10Aを含む通信システム1Aのネットワーク構成図である。また、
図10には、変換装置10A、シリアルデバイス20及びLANデバイス60の機能ブロック(機能構成要素)も示されている。
【0102】
図10に示されるように、通信システム1Aは、変換装置10Aと、シリアルデバイス20と、センサ30と、制御装置40と、LANデバイス60とを備える。ここで、シリアルデバイス20と制御装置40とについては、上記実施の形態におけるものと同じであるので説明を省略する。
【0103】
変換装置10Aは、実施の形態の変換装置10の構成要素に加えて、LANIF12Aを備える。変換装置10Aは、LANIF12Aを介してLAN55に接続される。LANIF12Aは、ハードウェア的にはLANIF12と同じものである。LANIF12Aは、第二プロトコル(例えばModbus(登録商標)/TCP)を用いた通信を行う。LANIF12Aは、第三インタフェースに相当する。なお、LANIF12が、上記LANIF12Aの機能を兼ね備えることも可能である。その場合、LANIF12が第二インタフェースに相当すると同時に第三インタフェースにも相当する。
【0104】
変換装置10Aは、LAN55によりLANデバイス60に接続されている。変換装置10Aは、制御装置40とLANデバイス60との通信を、プロトコル変換を施しながら中継するプロトコル変換装置として機能する。変換装置10Aは、制御装置40から受信した信号を、LANデバイス60が対応している通信プロトコルの信号に変換してLANデバイス60に送信する。また、変換装置10Aは、LANデバイス60から受信した信号を、制御装置40が対応している通信プロトコルの信号に変換して制御装置40に送信する。なお、上記において、制御装置40とLANデバイス60とが同じプロトコルに対応しているときには、プロトコル変換をしなくてよい。
【0105】
LANデバイス60は、制御装置40による制御を受けて動作するデバイスである。LANデバイス60は、LANIF61と、入出力IF62と、制御部63とを備える。入出力IF62はセンサ31との間でデータを授受する機能を有する。
【0106】
LANデバイス60は、シリアルデバイス20と類似の構成を有するが、通信インタフェースが異なる。具体的には、LANデバイス60は、シリアルデバイス20が備えるシリアルIF21の代わりにLANIF61を備える。LANIF61は、ハードウェア的にはLANIF12と同じものである。
【0107】
変換装置10Aは、機能面においては、シリアルIF11と、LANIF12及び12Aと、通信制御部13とを備える。また、通信制御部13は、変換部14と、記憶部15と、機器制御部16Aと、送信部17とを備える。変換装置10Aは、変換装置10が行う、制御装置40とシリアルデバイス20との間の通信における変換処理とマスタ処理とに加えて、制御装置40とLANデバイス60との間の通信における変換処理とマスタ処理を行う。
【0108】
制御装置40とLANデバイス60との間の通信における変換処理は、上記実施の形態における変換処理の説明において、シリアルデバイス20をLANデバイス60に読み替えることでなされるので省略する。
【0109】
また、制御装置40とLANデバイス60との間の通信におけるマスタ処理は、上記実施の形態におけるマスタ処理の説明において、シリアルデバイス20をLANデバイス60に読み替えることでなされる。具体的には、機器制御部16Aは、さらに、LANIF12Aを通じて、LAN通信の形式のコマンドをLANデバイス60に繰り返し送信する。そして、機器制御部16は、送信したコマンドに対する応答として、LAN通信の形式の応答情報を受信して記憶部15に格納する。また、送信部17は、記憶部15に格納された応答情報をLANIF12を通じて制御装置40に送信する。
【0110】
これにより、変換装置10Aは、被制御機器がLAN通信により制御されるLANデバイスである場合にも、制御装置が配置されないネットワークにおいても被制御機器を制御することができる。
【0111】
以上のように本実施の形態に係る変換装置は、制御装置からのコマンドの受信を契機とすることなく、自律的にシリアルデバイスに対してコマンドを送信し、応答情報を取得する。そして、取得した情報をまとめて第二インタフェースを通じて制御装置に送信する。このように、変換装置は、制御の結果として生成される応答情報を適切に制御装置に送信することができる。よって、変換装置は、制御装置が配置されないネットワークにおいて、被制御機器としてのシリアルデバイスを制御することができる。
【0112】
また、変換装置は、制御装置からのコマンドの受信を契機とすることなく、自律的にLANデバイスに対してコマンドを送信し、取得した情報をまとめて第二インタフェースを通じて制御装置に送信する。このように、変換装置は、制御装置が配置されないネットワークにおいて、被制御機器としてのLANデバイスも制御することができる。
【0113】
また、変換装置は、順次蓄積する応答情報の中に緊急の対応を要する情報が含まれている時に、より即時性の高い通信プロトコルを用いて運用管理者などに通知を行うことができる。これにより、変換装置は、運用管理者などによるより適切な対応を促すことができる。
【0114】
また、変換装置は、シリアルデバイスから複数回受信した応答情報をまとめて制御装置に送信することを周期的に行う。これにより、比較的長期間の運用の際にも制御装置との通信の回数を低減しながら、適切な応答情報を制御装置に送信することができる。
【0115】
また、変換装置は、制御装置との通信を予め定められた日にち又は時刻に行うことができる。これにより、例えば、毎月の適切な日にちに、又は、毎日の適切な時刻に、制御装置に応答情報を送信することができる。
【0116】
また、変換装置は、シリアルデバイスから定期的に複数回受信する応答情報に加えて、シリアルデバイスからの情報を取得するとのユーザの意図を反映したタイミングで応答情報を取得することができる。
【0117】
以上、本発明の変換装置等について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。