(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記通知部は、前記複数の発注候補のそれぞれに設定される、前記商品を注文する可能性を表す発注可能性指数に基づいて、前記商品を注文する可能性が高い順に、前記通知を行う請求項1記載の注文管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る注文管理システムの概略構成を示すブロック図である。
【0010】
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る注文管理システム1は、注文サーバ11と、管理グループ端末12と、グループ端末13a、13b、13cとから構成される。注文サーバ11、管理グループ端末12、グループ端末13a、13b、13cは、インターネット等のネットワーク14を介して、互いに接続可能とされている。ここでは、グループ端末は、グループ端末13a、13b、13cの3つである場合について説明するが、4以上であってもよい。
【0011】
注文サーバ11は、例えば、商品販売会社が運営するサーバであり、ネットワーク14を介して商品の注文を受け付け、商品の注文の受付け、販売管理を行う。注文サーバ11で扱う販売対象の商品は、例えば、帳票やカタログ等の印刷物である。なお、商品は印刷物以外の物品であってもよい。例えば、商品は、文房具、プリンタの消耗品、日用品等であってもよい。
【0012】
管理グループ端末12は、商品購入を行う顧客となる会社の管理部門に置かれる端末である。例えば、会社の経理部や総務部が備品の管理や、商品の購入の管理を行っている場合、経理部や総務部が管理グループとなり、管理グループ端末12は、経理部や総務部の端末となる。グループ端末13a、13b、13cは、商品の発注を行う1つの単位となるグループの端末である。例えば、支店単位でサービスを展開している会社では、支店単位で商品の購入を行っている。このような場合には、支店が1つのグループとなり、グループ端末13a、13b、13cは、支店に置かれる端末である。
【0013】
グループ群10は、例えば、1つの会社のさまざまな部署や拠点に設けられるグループ端末が含まれる。ここでは、グループ群10を構成するグループ端末は、管理グループ端末12と、グループ端末13a、13b、13cである。グループ群10は、複数のグループから構成される。グループは、その会社に所属する複数の事業所、支店、部門等であってもよい。また、発注するグループは、経理部門や総務部門等、特定の部門によって行われてもよいし、いずれかの任意のグループによって行われてもよい。ここでいう、グループは、発注候補であればよく、例えば、複数人から構成される団体や、個人単位の発注者であってもよい。
また、グループ群10には、異なる会社(グループ)がグループとして含まれるように構成されてもよい。例えば、互いに提携関係がある複数の企業がそれぞれグループとして含まれており、それぞれにグループ端末が設けられていてもよい。
【0014】
図2は、注文サーバ11の機能を表す概略ブロック図である。
図2に示すように、注文サーバ11は、通信部101と、制御部102と、記憶部103とから構成される。
【0015】
通信部101は、ネットワーク14を介して、管理グループ端末12、グループ端末13a、13b、13cとの通信を行う。制御部102は、CPU(Central Processing Unit)等からなり、プログラムを実行して、注文サーバ11が提供する各種のサービスを記憶部103に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現する。
【0016】
制御部102は、受信部111と、比較部112と、発注可能性指数比較部113と、候補者選定部114と、通知部115と、を有している。
【0017】
受信部111は、管理グループ端末12やグループ端末13a、13b、13cからの注文情報を受信する。比較部112は、期限日までの注文数量が目標部数(基準値)に達しているかどうかを判定する。発注可能性指数比較部113は、過去の注文回数、最終発注日から現在日までの差日数、過去の注文部数、想定使用量と在庫数等から、発注可能性指数を算出する。候補者選定部114は、発注可能性指数比較部113で求められた発注可能性指数に基づいて、商品の発注の可能性の高い候補グループを選定する。通知部115は、比較部112での比較結果や、候補者選定部114での選定結果に基づいて、管理グループ端末12やグループ端末13a、13b、13cに、電子メールやウェブページで各種の通知を行う。
【0018】
記憶部103には、カートテーブル121、注文履歴テーブル122、回数・ポイントテーブル123、差日数・ポイントテーブル124、部数・ポイントテーブル125、残日数・ポイントテーブル126、想定消費量テーブル127、在庫テーブル128が格納されている。
【0019】
図3(A)に示すように、カートテーブル121は、カートIDと、製品IDと、目標部数と、納期と、通知期限日数の項目からなる。カートテーブル121は、管理グループ端末12からの商品の取り纏め発注のイベントが発生したことにも基づいて、制御部102が各商品毎に生成してカートテーブル121に記憶する。
【0020】
図3(B)に示すように、注文履歴テーブル122は、カートIDと、ユーザIDと、製品IDと、注文部数と、在庫数と、注文日の項目からなる。注文履歴テーブル122は、管理グループ端末12や、グループ端末13a、13b、13c等のグループ端末から商品の注文情報を受信した制御部102によって生成される。
【0021】
回数・ポイントテーブル123、差日数・ポイントテーブル124、部数・ポイントテーブル125、残日数・ポイントテーブル126は、発注可能性指数比較部113で発注可能性指数を計算する際に用いられる。回数・ポイントテーブル123、差日数・ポイントテーブル124、部数・ポイントテーブル125、残日数・ポイントテーブル126は、それぞれ、記憶部103に予め記憶される。
【0022】
回数・ポイントテーブル123には、
図4(A)に示すように、製品ID毎に、注文回数に対応するポイント数が格納される。差日数・ポイントテーブル124には、
図4(B)に示すように、製品ID毎に、最終注文日と現在の日付との差日数に対応するポイント数が格納される。部数・ポイントテーブル125には、
図4(C)に示すように、製品ID毎に、過去の注文部数の平均に対応するポイント数が格納される。残日数・ポイントテーブル126には、
図4(D)に示すように、製品ID毎に、在庫の残日数に対応するポイント数が格納される。
【0023】
想定消費量テーブル127及び在庫テーブル128は、各ユーザID毎に、製品の在庫が尽きる(在庫が0になる)までの残日数を算出するのに用いられる。想定消費量テーブル127には、
図5(A)に示すように、ユーザID、製品ID毎に想定される一日当たりの消費量が格納される。在庫テーブル128には、
図5(B)に示すように、ユーザID、製品ID毎に、在庫数が格納される。
【0024】
本発明の第1の実施形態に係る注文管理システム1では、1つの会社のようなグループ群で注文数が目標部数以上となるように、経理部や総務部のような管理グループで商品の取り纏めを行い、各グループに商品の購入を促すことができる。これにより、遠隔地にあるグループや、お互いの交流が少ないグループがグループ群に所属していたとしても、纏まった注文数量にて1度に発注を行い、商品購入価格を安く抑えることが可能となる。
【0025】
図1及び
図2において、商品を纏めて発注するイベントを行う際、管理グループの担当者は、管理グループ端末12により注文サーバ11にログインし、纏め発注のカートの作成を行う。このような纏め発注のカートを作成すると、
図3(A)に示したカートテーブル121にレコードが追加される。なお、この例では、1カートIDについて、1つの製品のレコードが生成される。
【0026】
カートの作成が行われると、注文サーバ11は、全てのグループ端末13a、13b、13cに、案内メールD1を送付する。この案内メールD1には、
図6(A)に示すように、イベントの内容、対象製品、目標部数等が記載されている。また、この案内メールD1には、商品を発注する際のアドレス(URL;Uniform Resource Locator)が含まれている。
【0027】
各グループの担当者は、送られてきた案内メールD1をグループ端末にて受信し、表示画面上に表示させて確認する。そして、各グループの担当者は、対象となる商品の購入を希望する場合には、グループ端末13a、13b、13cのいずれかから、案内メールD1に記載されているアドレスをアクセスし、商品の注文の入力を行う。
【0028】
図2における注文サーバ11の受信部111は、グループ端末13a、13b、13cから、注文情報を受信する。商品の注文が行われ、グループ端末から注文内容を表す情報(注文元のグループを表すユーザID、製品ID、注文数量(注文部数)等)が送信され、注文サーバ11が受信すると、
図3(B)に示した注文履歴テーブル122に、注文情報が生成される。すなわち、注文が確定すると、注文を行ったグループがユーザIDとして入力され、注文した製品の製品IDと、注文部数と、在庫数と、注文日が注文履歴テーブル122に入力され書き込まれる。
【0029】
比較部112は、注文サーバ11の受信部111で受け付けた注文数と、カートテーブル121の目標部数とを比較している。そして、注文数量が目標部数未満である場合には、通知部115は、管理グループ端末12に通知メールD2を送信する。ここでは、製品ID毎に目標部数が対応付けて記憶部103に記憶されている。
【0030】
つまり、
図3(B)に示した注文履歴テーブル122には、グループ端末13a、13b、13cから注文がある毎に、注文情報が生成される。比較部112は、この注文履歴テーブル122の注文部数の項目から、カートID毎に注文部数を合算し、カートID毎の注文部数の総数を算出する。そして、比較部112は、対応するカートIDについて、
図3に示したカートテーブル121の目標部数と、算出した注文部数の総数とを比較する。また、比較部112は、
図3(A)に示したカートテーブル121の納期から通知期限日数を減じた日付を求め、現在の日付と比較し、現在の日付が納期から通知期限日数を減じた日付を越えているかを判定する。そして、通知部115は、(現在日付>納期−通知期限日数)という条件と、(目標部数>注文部数の合算値)という条件が共に満足する場合に、管理グループ端末12に、
図6(B)に示すような、注文対象の製品の注文数量が基準値に到達していないことを表す通知メールD2を送信する。管理グループの担当者は、この通知メールD2により、注文数が目標部数に達していないことを確認する。そして、管理グループの担当者は、通知メールD2に含まれているアドレスをアクセスし、注文状況の確認を行う。
【0031】
注文サーバ11の発注可能性指数比較部113は、注文状況の確認を受けると、過去の注文回数、最終発注日から現在日までの差日数、過去の注文部数、想定使用量と在庫数等から、発注可能性指数を算出する。発注可能性指数の算出については、後に詳述する。そして、注文サーバ11の候補者選定部114は、この発注可能性指数の大きいグループの順に、商品を発注する可能性の高いグループとして、候補者(ユーザID)を抽出する。そして、通知部115は、抽出された候補者(ユーザID)及び発注可能性指数の情報を管理グループ端末12に送信する。
【0032】
管理グループ端末12には、
図7に示すように、候補者確認画面W1が表示される。候補者の欄には、ユーザIDに対応するグループの名称が表示される。ポイントは、発注可能性指数を表す。管理グループ端末12の担当者は、この候補者確認画面W1で候補者を確認し、承認する対象の候補者について、チェックボックスにチェックマークを入力し、確定ボタンをクリックすることで、グループ端末から注文サーバ11に承認通知を送信する。
【0033】
注文サーバ11は、候補者の承認通知を受信すると、選定された候補者のグループ端末13a、13b、13cに、案内メールD3を送信する。この案内メールD3には、
図6(C)に示すように、イベントの内容、対象製品、不足数、促進メッセージ等が記載されている。また、この案内メールD3には、商品を発注する際のアドレス(URL)が含まれている。
【0034】
各グループの担当者は、候補者として送られてきた案内メールD3を確認し、不足数や促進メッセージを読む。対象となる商品の購入を希望する場合には、候補者となる各グループの担当者は、グループ端末13a、13b、13cのいずれかの自身に利用可能に割当てられているグループ端末によって、案内メールD3に含まれているアドレスをアクセスし、商品の注文を行う。このときの注文画面には、デフォルトでは、目標部数に足りない注文数量を表示される。不足部数は、カートテーブル121の目標部数から、注文履歴テーブルの対象商品の注文部数の合算値を減算することで注文サーバ11において求められる数である。
【0035】
なお、
図6(C)に示したように、候補となるグループ端末13a、13b、13cに送付される案内メールD3には、不足部数が記載されている。また、上述のように、候補者となるグループ端末13a、13b、13cにより、案内メールD3に含まれているアドレスをアクセスしたときには、そのアクセスした時点において不足している数量が注文ンサーバ11において計算され、グループ端末に表示される。このように、候補者となるグループ端末13a、13b、13cの担当者は、案内メールD3が送られてきた時点での不足部数と、注文サーバ11にアクセスした時点での不足部数とを把握し、URLにアクセスすることで、その時点におけるリアルタイムでの不足部数を把握することができる。
【0036】
本実施形態では、注文サーバ11にアクセスした時点で、不足部数が表示されるため、現時点での不足部数を考慮して、注文を行うことができる。例えば、案内メールD3が来た時点では目標部数に達していなかったが、現時点では、他のグループが商品を注文しており、目標部数に達している場合がある。このような場合には、候補者となるグループ端末13a、13b、13cの担当者は、商品を購入しようとして注文サーバ11にアクセスしたとしても、注文サーバ11にアクセスした時点で目標部数に達していることを知ることができる。これにより、目標部数に達しているため、価格が抑えられていることが確定しているので、一緒に注文することもできるし、現在のイベントでは目標部数に達しているため、次回のイベントの際に一緒に注文することで他のグループへの協力をすることもできる。
【0037】
注文数量が目標部数以上である場合には、注文サーバ11の通知部115は、管理グループ端末12に目標到達メールD4を送信する。
図6(D)に示すように、この目標到達メールD4には、纏め購入が確定したメッセージが含まれる。また、注文数量が目標部数以上である場合には、注文サーバ11の通知部115は、グループ端末13a、13b、13cに、目標到達メールD5を送信する。
図6(E)に示すように、この目標到達メールD5には、纏め購入が確定したメッセージが含まれる。
【0038】
なお、発注可能性指数の大きさに基づいて、候補者として選定するグループ数は、任意に定めることができる。また、通知を送信したグループから発注を受けたとしても、基準値に到達しなかった場合には、発注可能性指数が低いグループに順に、候補者として通知を行うようにしてもよい。
【0039】
次に、本発明の第1の実施形態に係る注文管理システム1における発注可能性指数の算出処理について説明する。上述のように、本発明の第1の実施形態に係る注文管理システム1では、発注可能性指数比較部113で発注可能性指数を算出し、候補者選定部114で、求められた発注可能性指数に基づいて、商品の発注の可能性の高い候補者を選定している。発注可能性指数は、過去の注文回数、前回の注文からの日数、過去の発注数量、想定される在庫日数等により算出され、発注の可能性の高さを示す指標となるものである。
【0040】
図8は、発注可能性指数の算出処理を示すフローチャートである。
図8において、発注可能性指数比較部113は、過去の注文回数から、付与するポイント数を算出する(ステップS101)。つまり、過去の注文回数が多ければ、次に商品を注文する可能性が高い。このことから、発注可能性指数比較部113は、過去注文回数が多いほど、高いポイントを付与している。
【0041】
過去の注文回数は、
図3(B)に示した注文履歴テーブル122の情報から求めることができる。すなわち、注文履歴テーブル122から、ユーザIDによりグループを抽出し、製品IDにより対象製品を特定して、注文回数を合算することで、ユーザIDにより示される各グループ毎の対象製品の注文回数が求められる。また、
図4(A)に示したように、回数・ポイントテーブル123には、製品ID毎に、注文回数の範囲と、ポイント数とが対応付けられて格納されている。各グループ毎の対象製品の注文回数が求められたら、発注可能性指数比較部113は、回数・ポイントテーブル123を参照して、付与するポイントを求める。
図4(A)に示すように、この例では、例えば、製品IDがA01についての過去の注文回数が「1」回から「5」回である場合には、10ポイント付与される。過去の注文回数が「6」回から「10」回である場合には、20ポイント付与される。このように、過去の注文回数が多いほど、大きいポイント数が付与される。この過去の注文回数に関し、「過去」は、定められた期間を指定することもできる。
【0042】
次に、発注可能性指数比較部113は、最終発注日から現在日までの差日数から、付与するポイント数を算出する(ステップS102)。商品の発注間隔は、おおよそ決まっている傾向がある。したがって、最終発注日から現在日時までの日数が長いほど、次に商品を注文する可能性は高い。このことから、発注可能性指数比較部113は、最終発注日から現在日時までの日数が長いほど、高いポイントを付与している。
【0043】
最終発注日から現在日までの差日数は、
図3(B)に示した注文履歴テーブル122の情報から求めることができる。すなわち、注文履歴テーブル122から、ユーザIDによりグループを抽出し、製品IDにより対象製品を特定して、注文日の項目から最終注文日を取得する。そして、発注可能性指数比較部113は、現在の日時から最終発注日を減算して、最終発注日から現在日時までの差日数を求める。また、
図4(B)に示すように、差日数・ポイントテーブル124には、製品ID毎に、最終発注日から現在日までの差日数の範囲と、ポイント数とが対応付けられて格納されている。最終発注日から現在日までの差日数が求められたら、発注可能性指数比較部113は、差日数・ポイントテーブル124を参照して、付与するポイントを求める。
図4(B)に示すように、この例では、前回注文した日数からの差日数が、61日から90日である場合には、30ポイントが付与される。前回注文した日数からの差日数が、31日から60日である場合には、20ポイントが付与される。このように、前回注文した日数からの差日数が長いほど、大きいポイント数が付与される。
【0044】
次に、発注可能性指数比較部113は、過去の注文部数から、付与するポイント数を算出する(ステップS103)。つまり、過去の注文部数が多ければ、次に注文する可能性が高い。このことから、発注可能性指数比較部113は、過去注文部数の平均値が多いほど、高いポイントを付与している。
【0045】
過去の注文部数は、
図3(B)に示した注文履歴テーブル122の情報から求めることができる。すなわち、発注可能性指数比較部113は、注文履歴テーブル122から、ユーザIDによりグループを抽出し、製品IDにより対象製品を特定して、注文部数を抽出する。そして、発注可能性指数比較部113は、ユーザIDにより識別されるグループ毎に、注文部数の平均を算出する。また、
図4(C)に示したように、部数・ポイントテーブル125には、製品ID毎に、注文部数の範囲と、ポイント数とが対応付けられて格納されている。各グループ毎の対象製品の注文部数の平均が求められたら、発注可能性指数比較部113は、部数・ポイントテーブル125を参照して、付与するポイントを求める。
図4(C)に示すように、この例では、商品IDがA01の商品について、過去の発注の注文数量(部数)が「1」から「10000」部である場合には、10ポイントが付与される。「10001」から「20000」部である場合には、20ポイントが付与される。このように、過去の注文部数の平均が多いほど、大きいポイント数が付与される。この過去の注文部数に関し、「過去」は、定められた期間を指定することもできる。
【0046】
次に、発注可能性指数比較部113は、想定使用量と在庫数とから、付与するポイント数を算出する(ステップS104)。つまり、グループ内にその商品の在庫が多くあれば、次に注文する可能性は低い。その商品の在庫が無くなりそうなら、次に注文する可能性は高い。このことから、発注可能性指数比較部113は、想定使用量と在庫数とから、そのグループの在庫があと何日でなくなるかを残日数として算出する。そして、発注可能性指数比較部113は、残日数が短いほど、高いポイントを付与している。
【0047】
残日数は、以下のようにして求められる。
図5(A)に示す想定消費量テーブル127には、ユーザID及び製品ID毎に、想定される一日当たりの消費量(部数)が格納されている。この想定消費量テーブル127から、ユーザIDで識別される各グループ毎に、各製品についての一日当たりの消費量が分かる。
【0048】
また、
図5(B)に示す在庫テーブル128には、ユーザID及び製品ID毎に、在庫数が格納されている。この在庫テーブル128は、在庫を消費する際に、在庫数から減算され、現在の在庫数が分かるようになっている。この在庫テーブル128から、ユーザIDで識別される各グループ毎に、各製品についての在庫数が分かる。在庫数を一日当たりの消費量で割り算すれば、在庫が尽きるまでの残日数が求められる。発注可能性指数比較部113は、このようにして、想定消費量テーブル127と在庫テーブル128とを用いて、各グループ毎の対象製品についての残日数を算出する。
【0049】
図4(D)に示したように、残日数・ポイントテーブル126には、製品ID毎に、残日数とポイント数とが対応付けられて格納されている。各グループ毎の対象製品についての残日数が求められたら、発注可能性指数比較部113は、残日数・ポイントテーブル126を参照して、付与するポイントを求める。
図4(D)に示すように、この例では、商品IDがA01の商品について、残日数が「1」日である場合には、80ポイントが付与される。残日数が「2」日である場合には、60ポイントが付与される。このように、残日数が短いほど、大きいポイント数が付与される。
【0050】
ステップS101〜ステップS104により、過去注文回数、最終発注日から現在日までの差日数、過去の注文部数の平均、及び想定使用量と在庫数とから、付与するポイント数が算出されたら、発注可能性指数比較部113は、これらのポイント数をユーザIDにより識別されるグループ毎に合算し、発注可能性指数とする(ステップS105)。
【0051】
図9は、本発明の第1の実施形態の動作を示すシーケンス図である。
図2において、商品を纏めて発注するイベントを行う際、管理グループ端末12により、纏め発注する商品のカートが生成される(ステップS1)。注文サーバ11は、全てのグループ端末13a、13b、13cに、案内メールD1を送付する(ステップS2a、S2b、S2c)。グループ端末13a、13b、13cでは、案内メールD1を参照して、商品の注文が行われる(ステップS3)。この例では、グループ端末13aで商品が注文されている。
【0052】
注文サーバ11は、その商品の注文数が目標部数に達しているかどうかを判定する(ステップS4)。注文部数が目標部数に達していない場合(ステップS4:No)、注文サーバ11から管理グループ端末12に、通知メールD2が送信される(ステップS5)。通知メールD2の送付により、管理グループ端末12で注文状況の確認が行われ(ステップS6)。
【0053】
注文サーバ11は、管理グループ端末12から注文状況の確認を受信すると、各グループについて、商品を注文する可能性を表す発注可能性指数を算出する(ステップS7)。そして、注文サーバ11は、この発注可能性指数の大きい順に、商品を発注する可能性の高いグループを候補者として選定し、選定された候補者及び発注可能性指数の情報を管理グループ端末12に送信する(ステップS8)。これにより、管理グループ端末12には候補者確認画面W1が表示される。
【0054】
管理グループ端末12では、選定された候補者の確認が行われる。そして、管理グループ端末12から注文サーバ11に、候補者の承認通知が送信される(ステップS9)。
【0055】
注文サーバ11は、候補者の承認通知を受信すると、選定された候補者のグループ端末13a、13b、13cに、案内メールD3を送信する(ステップS10)。ここでは、グループ端末13cのグループが候補者として選定され、注文サーバ11からグループ端末13cに案内メールD3が送信されている。
【0056】
候補者となる各グループの担当者は、対象となる商品の購入を希望する場合には、グループ端末13a、13b、13cにより、商品の注文を行う(ステップS11)。この例では、候補者はグループ端末13cのグループであり、グループ端末13cの担当者が案内メールD3を読んで、注文サーバ11にアクセスし、商品を注文している。
【0057】
ステップS4において、対象製品の注文部数が目標部数に達していると判定された場合(ステップS4:Yes)、注文サーバ11は管理グループ端末12に、目標到達メールD4を送信する(ステップS12)。また、注文サーバ11はグループ端末13a、13b、13cに、目標到達メールD5を送信する(ステップS13a、13b、13c)。
【0058】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態に係る注文管理システム1では、発注可能性指数に基づいて、発注可能性指数が高い順に所定数のグループに対して通知を行うようにしたので、発注してもらえる可能性が高いグループに対して注文を促すことができ、発注してもらえる可能性が低いグループについては、早い段階では通知されないため、不要な通知がされてしまうことを低減することができる。
【0059】
なお、注文管理システム1の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0060】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。