(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記突起板部における前記溝部への圧入方向の寸法は、当該突起板部の先端側の寸法(24a)よりも前記端子金具本体部に近い側の寸法(24b)が大である請求項1に記載の発音器。
前記突起板部は、当該突起板部における前記端子金具本体部側の端部と当該突起板部における前記溝部に圧入された部位との間に、屈曲部(249)を有する請求項1に記載の発音器。
前記端子金具が備える前記突起板部は、前記端子金具本体部に接続している根元部(250)、前記接続端子の前記溝部に嵌合されている嵌合部(260)、および、前記根元部と前記嵌合部との間で湾曲するように形成される湾曲部(270)を有する請求項1または2に記載の発音器。
前記湾曲部は、前記突起板部が嵌合している前記溝部の内壁と内壁とが向き合う方向(282)に対し交差する仮想面に沿って湾曲している請求項4または5に記載の発音器。
前記湾曲部は、前記嵌合部から前記根元部側に向かって凸の円弧状に湾曲する第1湾曲部(271)と、前記第1湾曲部から反根元部側に向かって凸の円弧状に湾曲する第2湾曲部(272)とを有する請求項4ないし6のいずれか1つに記載の発音器。
前記第1湾曲部の外周の前記根元部側の部位(27a)は、前記第2湾曲部の外周の反根元部側の部位(27b)よりも、前記根元部に近い位置にある請求項7に記載の発音器。
前記端子金具本体部(241)は、前記端子板に当接するとともに前記導電部材(22)がはんだ付けされた端子金具本体固定部(244)と、スリット部(247)にて前記端子金具本体固定部から分離されているとともに前記端子板に当接しない端子金具本体可動部(245)と、前記端子金具本体固定部と前記端子金具本体可動部とを連結する連結部(246)とを備え、
前記突起板部は、前記端子金具本体可動部の自由端から前記接続端子側に向かって延びている請求項9に記載の発音器。
前記発音体は、振動して音を発生する振動板(201)と、前記振動板を振動させる振動板駆動部(202)と、前記振動板駆動部を収容するフレーム(203)とを備え、
前記フレームと前記端子板とが機械的に接合されている請求項9に記載の発音器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、実際の製品においては、リードピンが接続端子の溝部に嵌入される際、端子金具とリードピンとのはんだ付け部に応力が発生しないような構成および製造方法が採用されている。この構成および製造方法について、
図17にて説明する。まず、
図17(a)に示すように、リードピン90は単体状態でJ字状に曲げられている。端子金具91には、リードピン90が挿入される貫通孔91aが形成されている。発音体92の樹脂部には、リードピン90が挿入される貫通孔92aが形成されている。
【0005】
そして、
図17(b)に示すように、リードピン90を各貫通孔91a、92aに挿入し、続いて
図17(c)に示すように、リードピン90における発音体92の貫通孔92aから突出した部位を略90°折り曲げて、接続端子の溝部に嵌入される嵌入部90aを形成した後、
図17(d)に示すように、端子金具91とリードピン90をはんだ付けする。
【0006】
このようにすれば、リードピン90の嵌入部90aが接続端子の溝部に嵌入される際、リードピン90の嵌入部90aに曲げ荷重が掛かっても、その荷重は端子金具91とリードピン90とのはんだ付け部には伝わらず、はんだ付け部に応力は発生しない。
【0007】
しかしながら、従来の発音器は、接続端子と端子金具91とを電気的に接続するためにリードピン90が必要であり、部品点数が多くなるという問題があった。また、リードピン90を用いるため、端子金具91とリードピン90をはんだ付けする必要があり、さらに、はんだ付け部に応力が発生しないようにするために、リードピン90が各貫通孔91a、92aに挿入される前後において複数回リードピン90を折り曲げる必要がり、その結果加工工程が多くなるという問題があった。
【0008】
本発明は上記点に鑑みて、部品点数、および加工工程を少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、電気信号を受けて音を発生する発音体(20)と、発音体と導電部材(22)を介して電気的に接続された端子金具(24)と、発音体が取り付けられるベース(10)と、ベースを貫通した状態でベースに固定され、ベースの外部に突出する部位が外部の機器に電気的に接続される接続端子(28)とを備える発音器において、接続端子は、金属製板材からなり、ベースの内部に突出する部位に、一端側が開口した溝部(281)を備え、端子金具は、金属製板材からなり、発音体に機械的に接合されるとともに導電部材(22)がはんだ付けされた端子金具本体部(241)と、端子金具本体部から延びて溝部の開口端部から溝部に圧入された突起板部(242)とを備える。
【0010】
これによると、接続端子の溝部に圧入された突起板部を端子金具に一体に設けているため、従来の発音器におけるリードピンを廃止して部品点数を少なくすることができるとともに、端子金具とリードピンのはんだ付けやリードピンの折り曲げを廃止して加工工程を少なくすることができる。
【0011】
また、端子金具は金属製板材からなるため、端子金具の突起板部を接続端子の溝部に圧入する際に突起板部に掛かる荷重が、導電部材と端子金具本体部とのはんだ付け部に伝わりにくい形状を、容易に設定することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発音器において、突起板部における溝部への圧入方向の寸法は、当該突起板部の先端側の寸法(24a)よりも端子金具本体部に近い側の寸法(24b)が大である。
【0013】
これによると、端子金具の突起板部を接続端子の溝部に圧入する際に、突起板部の先端側の変形を吸収し、端子金具本体部へ荷重を伝えないようにすることができ、ひいては導電部材と端子金具本体部とのはんだ付け部に応力を発生させないようにすることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の発音器において、突起板部は、当該突起板部における端子金具本体部側の端部と当該突起板部における溝部に圧入された部位との間に、屈曲部(249)を有する。
【0015】
これによると、端子金具の突起板部に屈曲部を形成したことにより、突起板部の長さが長くなり、突起板部を接続端子の溝部に圧入する際に、突起板部の先端側の変形を容易に吸収することができ、はんだ付け部に加わる荷重をより確実に抑制することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明では、端子金具が備える突起板部は、端子金具本体部に接続している根元部(250)、接続端子の溝部に嵌合されている嵌合部(260)、および、根元部と嵌合部との間で湾曲するように形成される湾曲部(270)を有する。
【0017】
これによると、端子金具の突起板部に少なくとも1つの湾曲部を形成したことにより、その湾曲部を介して根元部と嵌合部との距離が長くなる。そのため、突起板部は、発音体が音を発生するときに生じる振動、発音器が取り付けられる車両から伝わる振動、または、環境温度の変化による発音器の各構成部材の伸縮による繰り返し応力などを湾曲部によって吸収することが可能である。したがって、発音器は、端子金具本体部と導電部材とを接続するはんだ付け部に作用する応力を低減し、はんだ付け部の破損を防ぐことができる。さらに、発音器は、接続端子の溝部と突起板部の嵌合部との接触不良を防ぎ、その接触箇所の電気抵抗値の変化を抑制することができる。なお、湾曲部は、端子金具の突起板部に少なくとも1つ以上形成されていればよい。
【0018】
請求項5に記載の発明では、湾曲部は、突起板部の板厚方向を法線とする面に沿って湾曲している。
【0019】
これによると、端子金具の製造時において、金属製板材をせん断加工することにより、突起板部が有する根元部、嵌合部および湾曲部を同時に形成することが可能である。せん断加工として、例えばプレス機による打ち抜き加工などが挙げられる。そのため、金属製板材を突起板部の板厚方向に曲げ加工などすることなく、湾曲部を形成することが可能である。したがって、製造工程を簡素なものとし、製造上のコストを低減することができる。
【0020】
請求項6に記載の発明では、湾曲部は、突起板部が嵌合している溝部の内壁と内壁とが向き合う方向(282)に対し交差する仮想面に沿って湾曲している。
【0021】
これによると、端子金具の突起板部は、溝部の内壁と内壁とが向き合う方向に体格を大型化させることなく、突起板部に必用な長さを設定することが可能である。したがって、発音器は、溝部の内壁と内壁とが向き合う方向において、突起板部の体格を小型化することができる。
【0022】
請求項7に記載の発明では、湾曲部は、嵌合部から根元部側に向かって凸の円弧状に湾曲する第1湾曲部(271)と、その第1湾曲部から反根元部側に向かって凸の円弧状に湾曲する第2湾曲部(272)とを有する。
【0023】
これによると、湾曲部は、第1湾曲部と第2湾曲部を有することにより、その長さをより長くすることができる。そのため、突起板部は、発音体が音を発生するときの振動、発音器が取り付けられる車両からの振動、または、環境温度の変化による発音器の各構成部材の伸縮などを第1、第2湾曲部によって確実に吸収することが可能である。したがって、発音器は、端子金具本体部と導電部材とを接続するはんだ付け部の破損を防ぐと共に、接続端子の溝部と突起板部の嵌合部との接触不良を防ぐことができる。
なお、湾曲部は、第1湾曲部と第2湾曲部に加えて、第3湾曲部などを有するものとしてもよい。
【0024】
請求項8に記載の発明では、第1湾曲部の外周の根元部側の部位(27a)は、第2湾曲部の外周の反根元部側の部位(27b)よりも、根元部に近い位置にある。
【0025】
これによると、端子金具本体部と接続端子との間の限られた空間の中で、第1湾曲部と第2湾曲部に必用な長さを設定することができる。そして、この構成により、3次元のいずれの方向にも弱い力で変位することが可能なものとなる。そのため、突起板部は、発音体が音を発生するときの振動、発音器が取り付けられる車両からの振動、または、環境温度の変化による発音器の各構成部材の伸縮などを湾曲部によって確実に吸収することが可能である。したがって、発音器は、端子金具本体部と導電部材とを接続するはんだ付け部の破損を防ぐと共に、接続端子の溝部と突起板部の嵌合部との接触不良を防ぐことができる。
【0026】
請求項9に記載の発明のように、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の発音器において、端子金具は、樹脂製板材からなる端子板(26)を介して発音体に一体化することができる。
【0027】
請求項10に記載の発明では、請求項9に記載の発音器において、端子金具本体部(241)は、端子板に当接するとともに導電部材(22)がはんだ付けされた端子金具本体固定部(244)と、スリット部(247)にて端子金具本体固定部から分離されているとともに端子板に当接しない端子金具本体可動部(245)と、端子金具本体固定部と端子金具本体可動部とを連結する連結部(246)とを備え、突起板部は、端子金具本体可動部の自由端から接続端子側に向かって延びている。
【0028】
これによると、端子金具の突起板部を接続端子の溝部に圧入する際に、突起板部のみならず、端子金具本体可動部も変形する。したがって、変形する部位の長さが端子金具本体可動部の分だけ長くなり、突起板部を溝部に圧入する際に、突起板部の先端側の変形を容易に吸収することができ、はんだ付け部に加わる荷重をより確実に抑制することができる。
【0029】
請求項11に記載の発明のように、請求項9に記載の発音器において、発音体は、振動して音を発生する振動板(201)と、振動板を振動させる振動板駆動部(202)と、振動板駆動部を収容するフレーム(203)とを備え、フレームと端子板とが機械的に接合されていてもよい。
【0030】
請求項12に記載の発明の発音器は、電気信号を受けて音を発生する発音体(20)と、
前記発音体が取り付けられるベース(10)と、
前記発音体と導電部材(22)を介して電気的に接続された端子金具であって、前記発音体に機械的に接合されるとともに前記導電部材(22)がはんだ付けされた端子金具本体部(241)と、前記端子金具本体部から延びる突起板部(242)と、を備えた金属製板を有する前記端子金具(24)と、
前記ベースを貫通した状態で前記ベースに固定された金属製板を有する接続端子であって、前記接続端子は前記ベースの外側において外部の機器に電気的に接続されるとともに、前記接続端子は前記ベースの内側において前記突起板部が圧入された溝(281)を有している、前記接続端子(28)と、を備える。
【0031】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、各実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。
【0034】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。なお、本実施形態の発音器は、例えば車両に搭載されて車室外に警報音を発する用途に用いることができる。
【0035】
図1〜4に示すように、樹脂製のベース10は、略四角筒状になっている。このベース10の一端側開口部に、ベース10の一端側を閉塞するようにして略有底四角筒状の樹脂製のカバー12が接合されている。ベース10の他端側開口部に、ベース10の他端側を閉塞するようにして略有底四角筒状のケース14が気密的に接合されている。
【0036】
ベース10およびケース14によって形成される空間に、電気信号を受けて音を発生する発音体20が収容されている。発音体20は、振動して音を発生する円錐状の振動板201と、この振動板201を振動させるためのコイルおよび磁石を含む振動板駆動部202と、振動板駆動部202を収容するとともに振動板201の外周縁部を固定する金属製のフレーム203とを備えている。
【0037】
発音体20は、フレーム203がベース10にねじ等にて機械的に固定されるとともに、振動板201の外周縁部がベース10に接着にて接合されている。
【0038】
振動板駆動部202のコイルは、導電部材としての錦糸線22を介して、導電性金属(例えば、黄銅)の板材からなる端子金具24に電気的に接続されている。なお、振動板駆動部202と錦糸線22、および錦糸線22と端子金具24は、いずれもはんだ付けにて接合されている。
【0039】
フレーム203には、樹脂よりなる板状の端子板26がかしめにて接合され、この端子板26に端子金具24がかしめにて接合されている。換言すると、端子金具24は、端子板26を介して発音体20のフレーム203に一体化されている。
【0040】
端子金具24は、導電性金属(例えば、黄銅)の板材からなる接続端子28を介して、外部の機器に電気的に接続される。そして、外部の機器からの電気信号(すなわち、音源信号)が、接続端子28、端子金具24、錦糸線22の経路で、振動板駆動部202のコイルに入力されるようになっている。発音体20は、振動板駆動部202が外部の機器からの電気信号を受けて振動板201を振動させることにより、音を発生する。
【0041】
発音体20が発生した音は、ベース10およびカバー12内に形成された音通路を介して伝播され、カバー12に形成された放音孔121から警報音として外部に放出されるようになっている。
【0042】
ベース10とケース14と発音体20によって形成される密封された空間の、温度変化による圧力変動を抑制するために、ベース10とケース14と発音体20によって形成される空間を外部に連通させる貫通孔(図示せず)がベース10に形成されている。その貫通孔は、通気はするが水は通さない特性を有する繊維よりなる圧力調整膜(図示せず)にて覆われている。
【0043】
接続端子28は、ベース10の外周壁を貫通した状態でベース10に固定されている。具体的には、接続端子28は、ベース10の成形後に圧入されるか、又は、ベース10の成形時にインサート材として成形されてベース10に設けられる。
【0044】
ベース10の外周面には、外部ハーネス用の筒状のコネクタハウジング101が突出して設けられており、接続端子28におけるベース10の外部に突出する部位はコネクタハウジング101の内部に位置している。
【0045】
接続端子28におけるベース10の内部に突出する部位(以下、接続端子28の内側部位という)は、先端部がケース14側に向くように、直角に曲げられている。
【0046】
そして、接続端子28の内側部位の先端側には、先端面(すなわち、ケース14に対向する面)が開口した溝部281が形成されている。また、溝部281は、先端面から折り曲げ部側に向かって延びている。
【0047】
次に、端子金具24および端子板26について、
図5、
図6に基づいて説明する。
【0048】
端子金具24は、金型を用いて
図5に示す形状に加工される。具体的には、端子金具24は、端子金具本体部241と突起板部242がL字状に配置されている。端子板26とのかしめ接合に利用されるかしめ突起部243が、端子金具本体部241の一端面から突出している。なお、端子金具24は、錫めっきが施される。具体的には、金型による加工後に錫めっきを施してもよいし、或いは、材料に錫めっきを施した後に金型で加工してもよい。
【0049】
そして、端子板26に設けられた端子板貫通孔(図示せず)にかしめ突起部243を挿入した後、かしめ突起部243の先端を塑性変形させることにより、
図6に示すように端子金具本体部241が端子板26に機械的に接合される。端子金具本体部241が端子板26に機械的に接合された状態では、突起板部242は、端子金具本体部241の一端側端部から、端子板26から遠ざかる向きに延びている。
【0050】
端子板26には、フレーム203とのかしめ接合に利用される端子板貫通孔261が形成されている。この端子板26は、打ち抜き加工にて形成される。
【0051】
そして、端子金具24と端子板26が一体化された状態で、フレーム203に設けられた突起部(図示せず)を端子板貫通孔261に挿入し、突起部の先端を塑性変形させることにより、端子板26がフレーム203に機械的に接合され、ひいては端子金具24と端子板26がフレーム203に一体化されている。
【0052】
ここで、発音体20、錦糸線22、端子金具24、および端子板26が一体化されたものを、発音体集合体2とする。
【0053】
図7に示すように、発音体集合体2をベース10に組み付ける際、発音体集合体2を、矢印Xで示す向きに移動させる。以下、矢印Xで示す向きを移動向きXという。移動向きXは、具体的には、ベース10におけるケース14が接合される側から、ベース10におけるカバー12が接合される側へ向かう向きであり、突起板部242が溝部281に圧入される向きである。
【0054】
発音体集合体2を移動向きXに沿って見たとき、突起板部242の大部分がフレーム203の外周縁部よりも外方に突出している(
図2参照)。
【0055】
突起板部242における移動向きXの寸法は、その先端側(すなわち、端子金具本体部241から遠い側)の寸法24aよりも端子金具本体部241に近い側の寸法24bが大きくなっている(
図5参照)。
【0056】
本実施形態では、突起板部242の先端側における移動向きXの寸法24aを、約1.5mmに設定している。また、端子金具24の板厚を約0.8mmに設定している。また、溝部281の幅は、端子金具24の板厚よりも僅かに狭くなっている。具体的には、溝部281の幅を約0.65mmに設定している。
【0057】
そして、発音体集合体2をベース10に組み付ける際、発音体集合体2の移動により、
図2〜
図4に示すように、端子金具24の突起板部242が接続端子28の溝部281に圧入される。これにより、端子金具24と接続端子28との間が電気的に接続される。
【0058】
このとき、移動向きXに沿って見たときの突起板部242と溝部281との位置がずれている場合は、突起板部242が溝部281の位置に合致するように変形して、溝部281に侵入する。
【0059】
本実施形態によると、接続端子28の溝部281に圧入される突起板部242を端子金具24に一体に設けているため、従来の発音器におけるリードピンを廃止して部品点数を少なくすることができるとともに、端子金具とリードピンのはんだ付けやリードピンの折り曲げを廃止して加工工程を少なくすることができる。
【0060】
また、端子金具24は金属製板材からなるため、突起板部242を溝部281に圧入する際に突起板部242に掛かる荷重が錦糸線22と端子金具本体部241とのはんだ付け部に伝わりにくい形状を、容易に設定することができる。
【0061】
また、突起板部242における移動向きXの寸法は、その先端側の寸法24aよりも端子金具本体部241に近い側の寸法24bが大きくなっているため、突起板部242を溝部281に圧入する際に、突起板部242の先端側の変形を吸収し、端子金具本体部241へ加わる荷重を抑制することができる。
【0062】
(第2実施形態)
第2実施形態について、
図8〜
図10を用いて説明する。本実施形態では、端子金具24が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
【0063】
図8、
図9に示すように、端子金具本体部241は、端子板26に当接する端子金具本体固定部244と、端子板26に当接しない端子金具本体可動部245と、端子金具本体固定部244と端子金具本体可動部245とを連結する連結部246とを備えている。端子金具本体固定部244と端子金具本体可動部245は、スリット部247にて分離されている。
【0064】
端子金具本体可動部245と突起板部242は連続している。また、端子金具本体可動部245における移動向きXの寸法、および突起板部242における移動向きXの寸法は、等しく且つ一定である。
【0065】
端子金具本体可動部245と突起板部242はL字状に配置され、突起板部242は端子金具本体可動部245の自由端から接続端子28側に向かって延びている。
【0066】
かしめ突起部243は、貫通孔を有する筒状に形成されている。そして、端子板26に設けられた端子板貫通孔(図示せず)にかしめ突起部243を挿入した後、かしめ突起部243の先端を塑性変形させることにより、端子金具本体部241が端子板26に機械的に接合される。
【0067】
また、
図10に示すように、端子金具本体部241と端子板26を接合した後、錦糸線22がかしめ突起部243の貫通孔に挿入され、錦糸線22が端子金具本体固定部244にはんだ付けされる。なお、符合248を付した部位が、錦糸線22と端子金具本体固定部244をはんだ付けしたはんだ付け部である。
【0068】
そして、発音体集合体2をベース10に組み付ける際、移動向きXに沿って見たときの突起板部242と溝部281との位置がずれている場合は、突起板部242が溝部281の位置に合致するように、突起板部242および端子金具本体可動部245が変形して、
突起板部242が溝部281に侵入する。
【0069】
本実施形態によると、従来の発音器におけるリードピンを廃止して部品点数を少なくすることができるとともに、端子金具とリードピンのはんだ付けやリードピンの折り曲げを廃止して加工工程を少なくすることができる。
【0070】
また、端子金具24は金属製板材からなるため、突起板部242を溝部281に圧入する際に突起板部242に掛かる荷重が錦糸線22と端子金具本体固定部244とのはんだ付け部248に伝わりにくい形状を、容易に設定することができる。
【0071】
また、突起板部242を溝部281に圧入する際に、突起板部242と溝部281との位置がずれている場合は、突起板部242のみならず、端子金具本体可動部245も変形する。したがって、変形する部位の長さが端子金具本体可動部245の分だけ長くなり、突起板部242を溝部281に圧入する際に、突起板部242の先端側の変形を容易に吸収することができ、はんだ付け部248に加わる荷重をより確実に抑制することができる。
【0072】
(第3実施形態)
第3実施形態について、
図11〜
図13を用いて説明する。本実施形態では、端子金具24が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
【0073】
図11、
図12に示すように、突起板部242には、突起板部242における端子金具本体部241側の端部と突起板部242における溝部281に圧入される部位との間に、屈曲部249が形成されている。具体的には、屈曲部249は、突起板部242を複数回折り曲げて形成されている。
【0074】
かしめ突起部243は、貫通孔を有する筒状に形成されている。そして、端子板26に設けられた端子板貫通孔(図示せず)にかしめ突起部243を挿入した後、かしめ突起部243の先端を塑性変形させることにより、端子金具本体部241が端子板26に機械的に接合される。
【0075】
また、
図13に示すように、端子金具本体部241と端子板26を接合した後、錦糸線22がかしめ突起部243の貫通孔に挿入され、錦糸線22が端子金具本体部241にはんだ付けされる。なお、符合248を付した部位が、錦糸線22とをはんだ付けしたはんだ付け部である。
【0076】
そして、発音体集合体2をベース10に組み付ける際、移動向きXに沿って見たときの突起板部242と溝部281との位置がずれている場合は、突起板部242が溝部281の位置に合致するように変形して、溝部281に侵入する。
【0077】
本実施形態によると、従来の発音器におけるリードピンを廃止して部品点数を少なくすることができるとともに、端子金具とリードピンのはんだ付けやリードピンの折り曲げを廃止して加工工程を少なくすることができる。
【0078】
また、端子金具24は金属製板材からなるため、突起板部242を溝部281に圧入する際に突起板部242に掛かる荷重が錦糸線22と端子金具本体部241とのはんだ付け部248に伝わりにくい形状を、容易に設定することができる。
【0079】
また、突起板部242に屈曲部249を形成したことにより、突起板部242の長さが長くなり、突起板部242を溝部281に圧入する際に、突起板部242の先端側の変形を容易に吸収することができ、はんだ付け部248に加わる荷重をより確実に抑制することができる。
【0080】
(第4実施形態)
第4実施形態について、
図14〜
図16を用いて説明する。第4実施形態では、端子金具24が第1〜第3実施形態と相違している。第4実施形態では、第1実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する
図14に示すように、第4実施形態の端子金具24も、端子金具本体部241、突起板部242、および、かしめ突起部243を備えている。ただし、第4実施形態の端子金具24が備える突起板部242は、根元部250、嵌合部260、および、湾曲部270を有している。根元部250は、突起板部242のうち、端子金具本体部241に接続している部位である。嵌合部260は、突起板部242のうち、接続端子28の溝部281に圧入され、その溝部281の内壁と内壁との間に嵌合される部位である。湾曲部270は、突起板部242のうち、根元部250と嵌合部260との間で湾曲するように形成された部位である。
【0081】
湾曲部270は、突起板部242を形成する金属製板材の板厚方向を法線とする面に沿って湾曲している。したがって、端子金具24の製造時において、金属製板材を打ち抜き加工することにより、根元部250、嵌合部260および湾曲部270を有する突起板部242と端子金具本体部241等を同時に形成することが可能である。なお、詳細には、母材となる金属製板材を打ち抜き加工することにより突起板部242と端子金具本体部241の外側形状を打ち抜いた後、突起板部242と端子金具本体部241との境界で折り曲げることにより、端子金具24が形成される。
【0082】
第4実施形態の湾曲部270は、第1湾曲部271と第2湾曲部272とを有している。第1湾曲部271は、嵌合部260から根元部250側に向かって凸の円弧状に湾曲した部位である。第2湾曲部272は、第1湾曲部271から根元部250とは反対側に向かって凸の円弧状に湾曲した部位である。なお、湾曲部270は、第1湾曲部271と第2湾曲部272を有するものに限らず、少なくとも1つの湾曲箇所を有するものであれば良く、その形状も円弧状に限らず例えば角型に湾曲したものであっても良い。
【0083】
第1湾曲部271は、90°より小さい角度で湾曲している。そのため、
図14(b)の矢印273に示したように、第1湾曲部271の外周の根元部250側の部位27aは、第2湾曲部272の外周の根元部250とは反対側の部位27bよりも、根元部250に近い位置にある。なお、矢印273に示したように、第1湾曲部271の外周の根元部250側の部位27aと、第2湾曲部272の外周の根元部250とは反対側の部位27bとの距離は、湾曲部270の幅よりも大きく離れていることが好ましい。なお、湾曲部270の幅は、矢印274で示している。これにより、突起板部242を板厚方向から見たとき、湾曲部270はS字状に形成されたものとなる。
【0084】
かしめ突起部243は、第1〜第3実施形態で説明したものと同様に、内側に貫通孔を有する筒状に形成されている。
図15に示すように、端子板26に設けられた端子板貫通孔(図示せず)にかしめ突起部243を挿入した後、かしめ突起部243の先端を塑性変形させることにより、端子金具本体部241が端子板26に機械的に接合される。端子金具24と端子板26と発音体20とが一体化され、発音体集合体2を構成する。その発音体集合体2は、ベース10に組み付けられる。
【0085】
図16は、発音体集合体2がベース10に組み付けた状態の一部を示したものである。この状態で、端子金具24の嵌合部260は、ベース10に固定された接続端子28の有する溝部281に圧入され、その溝部281の内壁と内壁との間で嵌合された状態となっている。
図16の矢印282は、溝部281の内壁と内壁とが向き合う方向を示している。上述した端子金具24の湾曲部270は、溝部281の内壁と内壁とが向き合う方向282に対し交差する仮想面に沿って湾曲しているといえる。湾曲部270は、第1湾曲部271と第2湾曲部272を有し、S字状に形成されることにより、端子金具本体部241と接続端子28との間の限られた空間の中で、突起板部242の長さをより長いものとしている。
【0086】
発音体20が備える振動板駆動部202のコイルに接続される導電部材としての錦糸線22は、端子金具24に設けられたフック221に係止された状態で、端子金具24にはんだ付けにより接合されている。
図16では、錦糸線22と端子金具24とがはんだ付けされたはんだ付け部248に対し、説明のために破線のハッチを付している。ここで、はんだ付け部248には、発音体20が音を発生するときに生じる振動、発音器が取り付けられる車両から伝わる振動、または、環境温度の変化による発音器の各構成部材の伸長及び収縮による繰り返し応力などが作用することが考えられる。発音器は、はんだ付け部248に対する振動および繰り返し応力を低減する構成を採用することが、金属疲労の抑制のために好ましい。それに鑑みて、第4実施形態の発音器は、上述した構成を備えることにより、次の作用効果を奏することが可能である。
【0087】
第4実施形態では、端子金具24の突起板部242に少なくとも1つ以上の湾曲部270が形成されている。これにより、その湾曲部270を介して根元部250と嵌合部260との距離が長くなる。そのため、突起板部242は、発音体20が音を発生するときに生じる振動、発音器が取り付けられる車両から伝わる振動、または、環境温度の変化による発音器の各構成部材の伸縮による繰り返し応力などを湾曲部270によって吸収することが可能である。したがって、発音器は、端子金具本体部241と錦糸線22とを接続するはんだ付け部248に作用する応力を低減し、はんだ付け部248の破損を防ぐことができる。さらに、発音器は、接続端子28の溝部281と突起板部242の嵌合部260との接触不良を防ぎ、その接触箇所の電気抵抗値の変化を抑制することができる。したがって、発音器は、その発音機能を長期間に亘り維持することが可能である。
【0088】
第4実施形態では、湾曲部270は、突起板部242を形成する金属製板材の板厚方向を法線とする面に沿って湾曲している。これによると、端子金具24の製造時において、金属製板材を打ち抜き加工することにより、突起板部242が有する根元部250、嵌合部260および湾曲部270を同時に形成することが可能である。すなわち、突起板部242の板厚方向に曲げ加工などをすることなく、湾曲部270を形成することが可能である。したがって、製造工程を簡素なものとし、製造上のコストを低減することができる。
【0089】
第4実施形態では、湾曲部270は、突起板部242が嵌合している溝部281の内壁と内壁とが向き合う方向に対し交差する仮想面に沿って湾曲している。これによると、端子金具24の突起板部242は、溝部281の内壁と内壁とが向き合う方向に湾曲部270を湾曲させることなく、突起板部242に必用な長さを設定することが可能である。したがって、発音器は、溝部281の内壁と内壁とが向き合う方向において、突起板部242の体格を小型化することができる。
【0090】
第4実施形態では、湾曲部270は、第1湾曲部271と第2湾曲部272を有することで、その長さをより長いものとしている。そのため、突起板部242は、発音体20が音を発生するときに生じる振動、発音器が取り付けられる車両から伝わる振動、または、環境温度の変化による発音器の各構成部材の伸縮による繰り返し応力などを第1、第2湾曲部271、272によって確実に吸収することが可能である。したがって、発音器は、端子金具本体部241と錦糸線22とを接続するはんだ付け部248の破損を防ぐと共に、接続端子28の溝部281と突起板部242の嵌合部260との接触不良を防ぐことができる。
【0091】
第4実施形態では、第1湾曲部271の外周の根元部250側の部位27aは、第2湾曲部272の外周の反根元部250側の部位27bよりも、根元部250に近い位置にある。これによると、端子金具本体部241と接続端子28との間の限られた空間の中で、第1湾曲部271と第2湾曲部272の長さをより長いものにすることができる。そして、この構成により、湾曲部270はS字状となり、3次元のいずれの方向にも弱い力で変位することが可能なものとなる。そのため、突起板部242は、発音体20が音を発生するときの振動、発音器が取り付けられる車両からの振動、または、環境温度の変化による発音器の各構成部材の伸縮による繰り返し応力などを湾曲部によって確実に吸収することが可能である。したがって、発音器は、端子金具本体部241と錦糸線22とを接続するはんだ付け部248の破損を防ぐと共に、接続端子28の溝部281と突起板部242の嵌合部260との接触不良を防ぐことができる。
【0092】
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
【0093】
また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。
【0094】
また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0095】
また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。
【0096】
また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
【0097】
上記第4実施形態では、湾曲部270は第1湾曲部271と第2湾曲部272を有するものとした。これに対し、他の実施形態では、湾曲部270は少なくとも1つ以上の湾曲箇所を有するものであれば良い。また、湾曲部270は、第1湾曲部271と第2湾曲部272に加えて、3つ以上の湾曲箇所を有するものであっても良い。
【0098】
上記第4実施形態では、湾曲部270は円弧状に湾曲したものとした。これに対し、他の実施形態では、湾曲部270は、例えば角型に湾曲したものであっても良い。
【0099】
また、上記第4実施形態では、突起板部242を板厚方向から見たとき、湾曲部270はS字状とした。これに対し、他の実施形態では、湾曲部270は、例えばU字状、W字状またはZ字状など、直線状を除いた種々の形状を採用することが可能である。