【実施例】
【0092】
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0093】
得られた目的物は、IR、NMRスペクトル分析等で構造確認を行った。更に高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、反応収率(内部標準化法)、および化学純度の測定を行った。
【0094】
[実施例1]
N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミドの合成
【0095】
【化11】
【0096】
攪拌装置および温度計を備えた内容積約2Lのガラス製容器に、ピリジン900mL、ピリジン−3−スルホン酸60.0g(0.377mol、和光純薬工業株式会社製)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン5.99g(0.049mol)を混合し、攪拌しながら純度98%以上のトリフルオロメタンスルホン酸無水物104g(0.369mol、東京化成工業株式会社製)を、室温で滴下し、30℃で1時間攪拌した。続いて、反応混合物に同温度で、参考例2記載と同様の方法で合成した4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジルアミン塩酸塩76.7g(0.366mmol)を少量ずつ分割して添加し、30℃で1時間攪拌した。反応終了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣に酢酸エチル1500mL、および、水1260mLを加え、分液した。得られた有機層を2分割し、それぞれを飽和塩化アンモニウム水溶液、および、水600mLで順次洗浄し、有機層を合わせて減圧濃縮した。得られた残渣にジイソプロピルエーテル630mLを加え、0℃で1時間攪拌した。析出した固体を濾過し、ジイソプロピルエーテル75mLで洗浄し、白色固体92.7gを得た。高速液体クロマトグラフィーにより定量分析を行ったところ、白色固体中には標記の目的化合物が84.9g(純度91.6%)含まれていた(4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジルアミン基準の収率74%)。
【0097】
得られた標記化合物の物性値は、以下の通りであった。
【0098】
CI−MS(m/z); 315 [M+1]
1H−NMR(DMSO, δ(ppm)); 4.11 (2H, s), 6.53 (1H, dd, J=1.7Hz), 7.33 (2H, d, J=8.8Hz), 7.56-7.61 (4H, m), 7.70-7.74 (1H, m), 8.12-8.45 (2H, m), 8.47 (1H, s), 8.92-8.93 (1H, m).
IR(KBr cm
-1); 459, 487, 546, 561, 592, 615, 629, 650, 698, 719, 743, 766, 810, 900, 937, 1029, 1060, 1116, 1163 (S=O), 1194, 1209, 1250, 1321, 1333, 1393, 1419, 1466, 1526 (C=N), 1582, 1612, 2666, 2779, 2843, 3047, 3126, 3142, 3436 (N-H).
元素分析;Calcd: C, 57.31%; H, 4.49%; N, 17.82%
Found: C, 57.04%; H, 4.24%; N, 17.71%.
【0099】
[実施例2]
N−ベンジルピリジン−3−スルホンアミドの合成
【0100】
【化12】
【0101】
攪拌装置および温度計を備えた内容積約25mLのガラス製容器に、ピリジン23.9mL、ピリジン−3−スルホン酸1.59g(9.99mmol、和光純薬工業株式会社製)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン0.159g(1.30mmol)を混合し、攪拌しながら純度98%以上トリフルオロメタンスルホン酸無水物2.76g(9.8mmol、東京化成工業株式会社製)を30℃で滴下し、同温度で2時間攪拌した。続いて、反応混合物に同温度で、ベンジルアミン1.04g(0.97mmol、東京化成工業株式会社製)を30分間掛けて添加し、同温度で1時間攪拌した。得られた反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣に酢酸エチル40mLおよび水33mLを加えて分液した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液33mLおよび水33mLで順次洗浄後、有機層を減圧濃縮した。得られた残渣にジイソプロピルエーテル4.8mLを加えて減圧濃縮する操作を2回繰り返し、更に、ジイソプロピルエーテル17mlを加えて室温で攪拌した。析出した固体をろ過し、ジイソプロピルエーテル75mLで洗浄し、室温で真空乾燥させて、橙褐色の固体1.88gを得た。高速液体クロマトグラフィーにより定量分析したところ、得られた固体中には、標記の目的化合物が1.52g(純度81.1%)含まれていた(ベンジルアミン基準の定量収率63%)。
【0102】
次に、得られた純度81.1%のN−ベンジルピリジン−3−スルホンアミド1.00g(純分0.81g、3.3mmol)に、4Nの水酸化ナトリウム水溶液3.0ml、水3.0mlおよびトルエン3.2gを加え、室温にて1時間撹拌した。不溶物をろ過した後に分液し、得られた水層をトルエン1mlで洗浄した。水層に5Nの塩酸をpHが3〜4の範囲となるまで添加し、室温で30分間撹拌した。析出した固体をろ過し、水で洗浄した後50℃にて真空乾燥させ、淡褐色の粉末0.78gを得た。高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、得られた粉末中には目的物のN−ベンジルピリジン−3−スルホンアミドが99.7%ほど含まれていた(ベンジルアミン基準の収率59%)。
【0103】
得られたN−ベンジルピリジン−3−スルホンアミドの物性値は、以下の通りであった。
【0104】
CI−MS(m/z); 249 [M+1].
1H−NMR(DMSO, δ(ppm)); 4.07 (2H, s), 7.20-7.29 (5H, m), 7.55-7.59 (1H, m), 8.10-8.13 (1H, m), 8.43 (1H, s), 8.77 (1H, dd, J=1.6Hz, 4.8Hz), 8.90 (1H, dd, J=0.7Hz, 2.4Hz).
IR(KBr cm
-1); 463, 529, 544, 587, 611, 629, 696, 747, 806, 817, 857, 903, 928, 992, 1028, 1036, 1072, 1111, 1123, 1168 (S=O), 1196, 1231, 1320, 1339, 1421, 1456, 1484, 1496, 1584, 1954, 2698, 2785, 2859, 3036, 3063, 3440 (N-H).
元素分析;Calcd: C, 58.05%; H, 4.87%; N, 11.28%
Found: C, 58.08%; H, 4.87%; N, 11.27%.
【0105】
[実施例3]
N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−2−スルホンアミドの合成
【0106】
【化13】
【0107】
攪拌装置および温度計を備えた内容積約50mLのガラス製容器に、ピリジン23.9mL、ピリジン−2−スルホン酸1.59g(10.0mmol、東京化成工業製)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン159mg(1.30mmol)を室温で混合し、攪拌しながらトリフルオロメタンスルホン酸無水物2.76g(9.80mmol、東京化成工業製)を30℃で滴下し、同温度で2時間攪拌した。次いで、反応混合物に30℃で、参考例2記載と同様の方法で合成した4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジルアミン塩酸塩2.03g(9.70mmol)を滴下し、1時間攪拌した。一晩室温で放置した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣に酢酸エチル39.8mLおよび水33.4mLを加え、分液した。得られた有機層を20%塩化アンモニウム水溶液および水で洗浄し、減圧濃縮した。得られた残渣にジイソプロピルエーテル4.78mLを加えて減圧濃縮する操作を2回繰り返した。得られた残渣に、更にジイソプロピルエーテル16.7mLを加えて固形物を粉砕し、分散させた後、減圧濾過し、ジイソプロピルエーテルで洗浄して、真空乾燥して、淡褐色固体2.66gを得た。高速液体クロマトグラフィーにより定量分析を行ったところ、白色固体中には標記化合物が2.46g(92.5%)含まれていた(4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジルアミン基準の収率80.7%)。
【0108】
得られた標記化合物の物性値は、以下の通りであった(同様にして合成した標記化合物のデータを示す)。
【0109】
CI−MS(m/z); 315 [M+1].
1H−NMR(DMSO, δ(ppm)); 4.20 (2H, s), 6.53 (1H, dd, J=2.4Hz, 1.8Hz), 7.35 (2H, d, J=8.7Hz), 7.62-7.65 (1H, m), 7.72-7.74 (3H, m), 7.90-7.92 (1H, m), 8.02-8.04 (1H, m), 8.44-8.45 (2H, m), 8.71-8.73 (1H, m).
IR(KBr cm
-1); 417, 462, 495, 552, 593, 619, 648, 658, 720, 741, 760, 777, 809, 850, 892, 916, 936, 992, 1017, 1031, 1047, 1090, 1122, 1156, 1176 (S=O), 1203, 1232, 1253, 1296, 1316, 1331, 1361, 1398, 1410, 1429, 1443, 1452, 1526 (C=N), 1564, 1578, 1612, 1683, 1734, 1780, 1898, 2934, 3070, 3113, 3133, 3281, 3441 (N-H).
元素分析;Calcd: C, 57.31%; H, 4.49%; N, 17.82%
Found: C, 57.33%; H, 4.61%; N, 17.73%.
【0110】
[実施例4]
N−ブチルピリジン−3−スルホンアミドの合成
【0111】
【化14】
【0112】
攪拌装置および温度計を備えた内容積約50mLのガラス製容器に、ピリジン23.9mL、ピリジン−3−スルホン酸1.59g(10.0mmol、和光純薬工業製)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン159mg(1.30mmol)を室温で混合し、攪拌しながらトリフルオロメタンスルホン酸無水物2.76g(9.80mmol、東京化成工業製)を30℃で滴下し、同温度で2時間攪拌した。次いで、反応混合物に30℃でn−ブチルアミン709mg(9.70mmol、和光純薬工業製)を30分間かけて滴下し、同温度で1時間攪拌した。一晩室温で放置した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣に酢酸エチル39.8mL、および、水33.4mLを加え、分液した。得られた有機層を20%塩化アンモニウム水溶液および水で洗浄し、減圧濃縮した。得られた残渣に、ジイソプロピルエーテル4.78mLを加えて減圧濃縮する操作を2回繰り返し、暗褐色油状物1.63gを得た。高速液体クロマトグラフィーにより定量分析を行ったところ、濃縮液中には標記化合物が1.34g(82.4%)含まれていた(n−ブチルアミン基準の収率64.5%)。
【0113】
得られた標記化合物の物性値は、以下の通りであった(同様にして合成した標記化合物のデータを示す)。
【0114】
CI−MS(m/z); 215 [M+1].
1H−NMR(DMSO,δ(ppm));0.79 (3H, dd, J=7.3Hz), 1.18-1.27 (2H, m), 1.31-1.38 (2H, m), 2.79 (2H, ddd, J=5.7Hz), 7.63-7.67 (1H, m), 7.82 (1H, dd, J=5.2Hz), 8.15-8.18 (1H, m), 8.82 (1H, dd, J=4.8Hz, 1.6Hz), 8.94 (1H, dd, J=2.4Hz, 0.7Hz).
IR(KBr cm
-1); 456, 572, 592, 622, 704, 742, 807, 866, 906, 981, 1026, 1085, 1109, 1122, 1166(S=O), 1196, 1225, 1323, 1381, 1417, 1467, 1575 (C=N), 2874, 2935, 2961, 3095, 3287, 3580.
元素分析;Calcd: C, 50.45%; H, 6.59%; N, 13.07%
Found: C, 50.16%; H, 6.58%; N, 12.95%.
【0115】
[実施例5]
N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミドの合成
【0116】
攪拌装置および温度計を備えた内容積約10mLのガラス製容器に、ピリジン4.77mL、ピリジン−3−スルホン酸318mg(2.00mmol、和光純薬工業株式会社製)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン31.8mg(0.260mmol)を混合し、攪拌しながら純度98%以上のトリフルオロメタンスルホン酸クロリド330mg(1.96mmol、東京化成工業株式会社製)を、室温で滴下し、30℃で1時間攪拌した。次いで、反応混合物に30℃で、参考例2記載と同様の方法で合成した4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジルアミン塩酸塩407mg(1.94mmol)を少量ずつ分割して添加し、同温度で1時間攪拌した。反応終了後、反応混合物にアセトニトリル/水の混合溶液(7/3(V/V))を加えて均一溶液とし、高速液体クロマトグラフィーにより定量分析を行ったところ、目的物が246mg含まれていた(反応収率40.4%)。
【0117】
[実施例6]
N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミドの合成
【0118】
攪拌装置および温度計を備えた内容積約10mLのガラス製容器に、ピリジン4.77mL、ピリジン−3−スルホン酸318mg(2.00mmol、和光純薬工業株式会社製)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン31.8mg(0.260mmol)を混合し、攪拌しながら純度97%のノナフルオロブタンスルホン酸無水物1.18g(1.96mmol、シグマアルドリッチ製)を、30℃で滴下し、同温度で1時間攪拌した。次いで、反応混合物に30℃で、参考例2記載と同様の方法で合成した4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジルアミン塩酸塩407mg(1.94mmol)を少量ずつ分割して添加し、同温度で2時間攪拌した。反応終了後、反応混合物にアセトニトリル/水の混合溶液(7/3(V/V))を加えて均一溶液とし、高速液体クロマトグラフィーにより定量分析を行ったところ、目的物が296mg含まれていた(反応収率48.6%)。
【0119】
[実施例7]
N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミドの合成
【0120】
攪拌装置および温度計を備えた内容積約10mLのガラス製容器に、ピリジン4.77mL、ピリジン−3−スルホン酸318mg(2.00mmol、和光純薬工業株式会社製)を混合し、攪拌しながら純度98%以上のトリフルオロメタンスルホン酸無水物553mg(1.96mmol、東京化成工業株式会社製)を、室温で滴下し、30℃で1時間攪拌した。次いで、反応混合物に30℃で、参考例2記載と同様の方法で合成した4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジルアミン塩酸塩407mg(1.94mmol)を少量ずつ分割して添加し、同温度で1時間攪拌した。反応終了後、反応混合物を高速液体クロマトグラフィーにより定量分析を行ったところ、目的物が570mg含まれていた(反応収率93.5%)。
【0121】
[実施例8]
N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミドの合成
【0122】
攪拌装置および温度計を備えた内容積約10mLのガラス製容器に、ピリジン4.77mL、ピリジン−3−スルホン酸318mg(2.00mmol、和光純薬工業株式会社製)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン31.8mg(0.260mmol)を混合し、攪拌しながら純度98%以上のトリフルオロメタンスルホン酸無水物553mg(1.96mmol、東京化成工業株式会社製)を、室温で滴下し、60℃で1時間攪拌した。続いて、反応混合物に60℃で、参考例2記載と同様の方法で合成した4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジルアミン塩酸塩407mg(1.94mmol)を少量ずつ分割して添加し、同温度で1時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、高速液体クロマトグラフィーにより定量分析を行ったところ、目的物が577mg含まれていた(反応収率94.5%)。
【0123】
[実施例9]
N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミドの合成
【0124】
攪拌装置および温度計を備えた内容積約10mLのガラス製容器に、塩化メチレン4.77mL、ピリジン633mg(8.00mmol、和光純薬工業株式会社製)、ピリジン−3−スルホン酸318mg(2.00mmol、和光純薬工業株式会社製)を混合し、攪拌しながら純度98%以上のトリフルオロメタンスルホン酸無水物553mg(1.96mmol、東京化成工業株式会社製)を、室温で滴下し、30℃で1時間攪拌した。次いで、反応混合物に30℃で、参考例2記載と同様の方法で合成した4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジルアミン塩酸塩407mg(1.94mmol)を少量ずつ分割して添加し、同温度で1時間攪拌した。反応終了後、反応混合物にアセトニトリル/水の混合溶液(7/3(V/V))を加えて均一溶液とし、高速液体クロマトグラフィーにより定量分析を行ったところ、目的物が494mg含まれていた(反応収率81.0%)。
【0125】
[実施例10]
N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミドの合成
【0126】
攪拌装置および温度計を備えた内容積約10mLのガラス製容器に、アセトニトリル4.77mL、ピリジン316mg(4.00mmol、和光純薬工業株式会社製)、ピリジン−3−スルホン酸318mg(2.00mmol、和光純薬工業株式会社製)を混合し、攪拌しながら純度98%以上のトリフルオロメタンスルホン酸無水物553mg(1.96mmol、東京化成工業株式会社製)を、10℃で滴下し、同温度で1時間攪拌した。次いで、反応混合物に10℃で、参考例2記載と同様の方法で合成した4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジルアミン塩酸塩407mg(1.94mmol)を少量ずつ分割して添加し、同温度で2時間攪拌した。次に、反応混合物に、ピリジン158mg(2.00mmol、和光純薬工業株式会社製)を10℃で滴下し、同温度で1時間攪拌し、更に、ピリジン158mg(2.00mmol、和光純薬工業株式会社製)を10℃で滴下し、同温度で1時間攪拌した。20℃まで加温し、同温度で1時間攪拌した後、反応混合物にアセトニトリル/水の混合溶液(7/3(V/V))を加えて均一溶液とし、高速液体クロマトグラフィーにより定量分析を行ったところ、目的物が470mg含まれていた(反応収率77.1%)。
【0127】
[実施例11]
N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミドの合成
【0128】
攪拌装置および温度計を備えた内容積約10mLのガラス製容器に、アセトニトリル4.77mL、ピリジン633mg(8.00mmol、和光純薬工業株式会社製)、ピリジン−3−スルホン酸318mg(2.00mmol、和光純薬工業株式会社製)を混合し、攪拌しながら純度98%以上のトリフルオロメタンスルホン酸無水物553mg(1.96mmol、東京化成工業株式会社製)を、室温で滴下し、60℃で1時間攪拌した。続いて、反応混合物に60℃で、参考例2記載と同様の方法で合成した4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジルアミン塩酸塩407mg(1.94mmol)を少量ずつ分割して添加し、同温度で1時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、高速液体クロマトグラフィーにより定量分析を行ったところ、目的物が598mg含まれていた(反応収率98.1%)。
【0129】
[参考例1]
4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾニトリルの合成
撹拌装置、温度計および上部冷却管を備えた内容積約1Lのガラス製容器に、4−フルオロベンゾニトリル121g(1.00mol)、ピラゾール81.9g(1.20mol)、炭酸カリウム165g(1.19mol)、ジメチルスルホキシド320mLを室温で混合し、115℃から120℃の間で7時間反応させた後、室温で一晩放置した。水500mLおよびトルエン500mLを加えて撹拌した後、ろ過し、ろ液を分液後、水層をトルエン300mLで再抽出し、得られた混合有機層を合わせて内容量が223gとなるまで減圧濃縮した。ジイソプロピルエーテル300mLを加え、氷浴中で30分間撹拌した後、ろ過し、ろ物を50℃で乾燥させて、標記化合物148gを淡黄色固体として得た。(4−フルオロベンゾニトリル基準の収率87.7%)。
【0130】
得られた標記化合物の物性値は、以下の通りであった(同様にして合成した標記化合物のデータを示す)。
【0131】
CI−MS(m/z); 170 [M+1].
1H−NMR(CDCl
3,δ(ppm)); 6.53-6.55 (1H, m), 7.74-7.78 (3H, m), 7.84 (1H, dd, J=2.1Hz), 7.86 (1H, dd, J=2.1Hz), 8.00 (1H, d, J=2.6Hz)。
IR(KBr cm
-1); 446, 546, 573, 607, 652, 714, 750, 771, 814, 836, 884, 913, 936, 962, 1032, 1044, 1053, 1128, 1177, 1186, 1200, 1253, 1316, 1344, 1393, 1407, 1438, 1514, 1529, 1611, 1657, 2228 (CN), 3067, 3138, 3154, 3421.
元素分析 ; Calcd: C, 70.99%; H, 4.17%; N, 24.84%
Found: C, 71.17%; H, 4.28%; N, 24.88%.
【0132】
[参考例2]
4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジルアミン塩酸塩の合成
撹拌装置および温度計を備えた内容積約2Lのガラス製容器に、4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾニトリル70.0g(0.414mol)、エタノール826mLを加え、容器内をアルゴンで置換した。次に、濃塩酸40.2mL(0.482mol)、5%パラジウム炭素7g(約50%含水品、NEケムキャット製、STDタイプ)を加え、反応器内を水素で置換した。微加圧の水素雰囲気下、26℃〜38℃で7.5時間ほど反応させ、容器内を窒素で置換した後、2.5日ほど室温放置した。水500mLを加えた後、セライトろ過し、ろ液を液量が497gとなるまで濃縮した後、エタノール165mLを加え、液量が371gとなるまで濃縮した。再びエタノール165mLを加え、液量が198gとなるまで濃縮した後、アセトニトリル180mLを添加し、約5℃にて一晩放置した後、ろ過し、不溶物をアセトニトリル90mLで洗浄した。得られたろ物を1時間ほど風乾させた後、50℃で減圧乾燥し、標記化合物61.0gを白色固体として得た。(4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾニトリル基準の収率70.3%)。
【0133】
得られた標記化合物の物性値は、以下の通りであった(同様にして合成した標記化合物のデータを示す)。
【0134】
CI−MS(m/z); 174 [M+1].
1H−NMR(DMSO, δ(ppm)); 4.05 (2H, s), 6.56 (1H, dd, J=2.4Hz, 1.8Hz), 7.63 (2H, d, J=8.6Hz), 7.76 (1H, d, J=1.6Hz), 7.88-7.91 (2H, m), 8.53-8.55 (4H, m).
IR(KCl cm
-1); 448, 461, 538, 613, 635, 654, 725, 750, 766, 795, 835, 882, 915, 939, 971, 1034, 1055, 1079, 1120, 1208, 1219, 1254, 1318, 1338, 1382, 1397, 1414, 1444, 1470, 1485, 1532, 1597, 1615, 1673, 1728, 1919, 2047, 2224, 2359, 2554, 2584, 2696, 2758, 2897, 2971, 3000, 3113, 3134, 3412.
元素分析 ; Calcd: C, 57.28%; H, 5.77%; N, 20.04%
Found: C, 57.30%; H, 5.77%; N, 20.08%.