【実施例】
【0101】
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0102】
得られた目的物は、IR、NMRスペクトル分析等で構造確認を行った。更に高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、反応収率(内部標準化法)および化学純度の測定を行った。
【0103】
[実施例1]
【化10】
2−{[6−({N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミド}メチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピルの合成
【0104】
攪拌装置、温度計および上部冷却装置を備えた内容積約50mlのガラス製容器に、N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミド3.21g(10.2mmol)、実施例6で得られた2−{[6−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピル2.43g(10.0mmol)、炭酸セシウム6.65g(20.4mmol)およびアセトニトリル17.6gを加え、80℃にて加熱撹拌した。反応は、高速液体クロマトグラフィー分析において、原料の2−{[6−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピルの面積百分率が0.03%以下となるまで2時間行い、更に2時間行った。なお、加熱撹拌開始1時間および2時間後の2−{[6−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピルの反応転化率はそれぞれ99.88%および99.97%であった。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、セライト(商品名)を用いて濾過し、濾物をアセトニトリルで洗浄した。得られた濾液を高速液体クロマトグラフィーにて定量分析したところ、目的物が5.08g含まれていた(反応収率97.5%)。次に、反応液を液重量が7.85gとなるまで減圧濃縮し、トルエン42.8gを加えた後、水で3回洗浄した。得られた有機層に、1mol/L塩酸31.5ml(31.5mmol)を加えて、室温にて20分間攪拌後、分液した。なお、分液後の有機層には0.17g(収率3.2%相当)の目的物が含まれていた。得られた水層に、トルエン42.8gおよび1mol/L水酸化ナトリウム水溶液34.6ml(34.6mmol)を加え、40℃まで加温し、20分間攪拌した。40℃にて熱時濾過した後、分液した。得られた有機層を水で2回洗浄した。有機層を液重量が8.97gとなるまで減圧濃縮し、2−プロパノール7.40gを加えた。60℃まで加温した後、徐冷し、33℃で30分間攪拌した後、5℃以下までゆっくりと冷却し、同温度で更に1時間攪拌した。析出した固体を濾過し、冷却した2−プロパノールで洗浄した後、50℃にて真空乾燥させて、2−{[6−({N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミド}メチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピル3.90gを微褐色固体として得た(原料の2−{[6−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピル基準の単離収率75.1%)。なお、HPLC高速クロマトグラフィー法による定量純度は99.5%であり、原料のN−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミドが0.04%含まれていた。また、HPLC高速液体クロマトグラフィー法による測定(波長260nm)において、面積%が0.1%以上を示す不純物は無かった。
【0105】
得られた2−{[6−({N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミド}メチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピルの物性値は、以下の通りであった。
EI−MS(m/z): 520 [M].
CI−MS(m/z): 521 [M+1].
1H−NMR(CDCl
3, δ(ppm)): 1.24 (6H, d, J=6.3Hz), 3.82 (2H, d, J=5.5Hz), 4.31 (2H, s), 4.64 (2H,s), 4.94 (1H, t, J=5.5Hz), 5.07 (1H, sep, J=6.3Hz), 6.26 (1H, d, J=8.3Hz), 6.41 (1H, dd, J=7.2, 0.5Hz), 6.46 (1H, dd, J=2.5, 1.8Hz), 7.25 (1H, dd, J=8.3, 7.2Hz), 7.32 (1H, ddd, J=8.0, 4.9, 0.8Hz), 7.37-7.42(2H, m), 7.62-7.66 (2H, m), 7.71 (1H, dd, J=1.8, 0.6Hz), 7.93 (1H, dd, J=2.6, 0.6Hz), 7.94 (1H, ddd, J=8.0, 2.4, 1.7Hz), 8.69 (1H, dd, J=4.8, 1.6Hz), 8.98 (1H, dd, J=2.4, 0.8Hz).
13C−NMR(CDCl
3, δ(ppm)): 21.8, 43.7, 51.0, 51.1, 68.9, 107.4, 107.7, 112.6, 119.2, 123.3, 126.7, 129.9, 133.8, 134.6, 137.3, 137.6, 139.8, 141.1, 148.0, 152.6, 153.2, 157.3, 170.5.
IR(KBr cm
-1): 764(C-H), 1161(S=O), 1525(C=N), 1737(C=O), (2981, 2933)(C-H), 3437(N-H).
元素分析;Calcd:C, 59.80%; H, 5.31%; N, 16.07%
Found:C, 59.98%; H, 5.42%; N, 16.14%.
【0106】
[実施例2]
【化11】
2−({6−[(N−ベンジルピリジン−3−スルホンアミド)メチル]ピリジン−2−イル}アミノ)酢酸イソプロピルの合成
【0107】
攪拌装置、温度計および上部冷却装置を備えた内容積約50mlのガラス製容器に、N−ベンジルピリジン−3−スルホンアミド0.253g(1.02mmol)、実施例6で得られた2−{[6−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピル0.243g(1.00mmol)、炭酸セシウム0.665g(2.04mmol)およびアセトニトリル1.76gを加え、80℃にて加熱撹拌した。反応は、高速液体クロマトグラフィー分析において、原料の2−{[6−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピルの面積百分率が0.03%以下となるまで2時間行い、更に2時間行った。なお、加熱撹拌開始1時間および2時間後の2−{[6−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピルの反応転化率はそれぞれ99.81%および99.99%以上であった。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、セライト(商品名)を用いて濾過し、濾物をアセトニトリルで洗浄した。得られた濾液を高速液体クロマトグラフィーにて定量分析したところ、目的物が0.430g含まれていた(反応収率94.5%)。次に、反応液を液重量が0.785gとなるまで減圧濃縮し、トルエン4.3gを加えた後、水で3回洗浄した。この時、目的物を含むエマルジョンが生成したが、水層とともに廃棄した。得られた有機層に、1mol/L塩酸3.15ml(3.15mmol)を加えて、室温にて20分間攪拌後分液した。得られた水層に、トルエン4.27gおよび1mol/L水酸化ナトリウム水溶液3.46ml(3.46mmol)を加え、40℃まで加温し、20分間攪拌した。分液後、得られた有機層を水で2回洗浄した。有機層を液重量が0.239gとなるまで減圧濃縮し、2−({6−[(N−ベンジルピリジン−3−スルホンアミド)メチル]ピリジン−2−イル}アミノ)酢酸イソプロピルを淡褐色固体として得た(原料の2−{[6−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピル基準の単離収率53.8%)。なお、HPLC高速液体クロマトグラフィー法による定量純度は98.0%であった。また、HPLC高速液体クロマトグラフィー法による測定(波長260nm)において、面積%が0.1%以上を示す不純物は無かった。
【0108】
得られた2−({6−[(N−ベンジルピリジン−3−スルホンアミド)メチル]ピリジン−2−イル}アミノ)酢酸イソプロピルの物性値は、以下の通りであった。
EI−MS(m/z): 454 [M].
CI−MS(m/z): 455 [M+1].
1H−NMR(CDCl
3, δ(ppm)): 1.27 (6H, d, J=6.3Hz), 3.82 (2H, d, J=5.4Hz), 4.31 (2H, s), 4.62 (2H, s), 4.73 (1H, t, J=5.2Hz), 5.09 (1H, sep, J=6.3Hz), 6.26 (1H, d, J=8.1Hz), 6.43 (1H, d, J=6.9Hz), 7.26-7.33 (7H, m), 7.90-7.93 (1H, m), 8.69 (1H, dd, J=4.8, 1.6Hz), 8.95 (1H, dd, J=2.3, 0.7Hz).
13C−NMR(CDCl
3, δ(ppm)): 21.8, 43.8, 51.1, 51.6, 69.0, 107.2, 112.6, 123.2, 127.9, 128.6, 128.8, 134.7, 135.6, 137.6, 137.7, 148.2, 152.5, 153.6, 157.3, 170.5.
IR(KBr cm
-1): 1169(S=O), 1724(C=O), (2936, 2984)(C-H), 3428(N-H).
元素分析;Calcd: C, 60.77%; H, 5.77%; N, 12.33%
Found: C, 61.03%; H, 5.85%;N, 12.15%.
【0109】
[実施例3]
【化12】
2−{[6−({N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミド}メチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピルの合成
【0110】
攪拌装置、温度計および上部冷却装置を備えた内容積約30mlのガラス製容器に、N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミド641mg(2.04mmol)、実施例6で得られた2−{[6−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピル485mg(2.00mmol)、炭酸セシウム1.33g(4.08mmol)およびアセトニトリル3.53gを加え、30℃にて撹拌した。反応は、高速液体クロマトグラフィー分析において、原料の2−{[6−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピルの面積百分率が0.3%以下となるまで26時間行い、更に2時間行った。反応終了後、反応液を濾過し、濾物をアセトニトリルで洗浄した。得られた濾液を高速液体クロマトグラフィーにて定量分析したところ、目的物が991mg含まれていた(反応収率95.2%)。
【0111】
[実施例4]
2−{[6−({N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミド}メチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピルの合成
【0112】
攪拌装置、温度計および上部冷却装置を備えた内容積約50mlのガラス製容器に、N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミド3.21g(10.2mmol)、実施例6で得られた2−{[6−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピル2.43g(10.0mmol)、炭酸カリウム2.82g(20.4mmol)およびアセトニトリル17.6gを加え、80℃にて加熱撹拌した。反応は、高速液体クロマトグラフィー分析において、原料の2−{[6−(クロロメチル)ピリジン−2−イルアミノ]酢酸イソプロピルの面積百分率が0.03%以下となるまで10時間行った。なお、加熱撹拌開始1時間後の2−{[6−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピルの反応転化率は43.9%であった。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、セライト(商品名)を用いて濾過し、濾物をアセトニトリルで洗浄した。得られた濾液を高速液体クロマトグラフィーにて定量分析したところ、目的物が5.00g含まれていた(反応収率96.0%)。次に、反応液を液重量が7.85gとなるまで減圧濃縮し、トルエン42.77gを加えた後、水で3回洗浄した。得られた有機層に、1mol/L塩酸31.5ml(31.5mmol)を加えて、室温にて20分間攪拌後、分液した。なお、分液後の有機層には0.62g(収率11.8%相当)の目的物が含まれていた。得られた水層に、トルエン42.77gおよび1mol/L水酸化ナトリウム水溶液34.6ml(34.6mmol)を加え、40℃まで加温し、20分間攪拌した。40℃にて熱時濾過した後、分液した。得られた有機層を水で2回洗浄した。有機層を液重量が8.97gとなるまで減圧濃縮し、2−プロパノール7.40gを加えた。60℃まで加温した後、徐冷し、結晶が析出し始めた温度で30分間攪拌させた後、5℃以下までゆっくりと冷却し、同温度で更に1時間攪拌した。得られたスラリーを濾過し、得られた濾物を冷却した2−プロパノールで洗浄した後、50℃にて真空乾燥させて、2−{[6−({N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミド}メチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピル3.90gを微褐色固体として得た(原料の2−{[6−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピル基準の単離収率74.9%)。なお、HPLC高速クロマトグラフィー法による定量純度は99.0%であり、原料のN−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミドが0.11%含まれていた。
【0113】
得られた2−{[6−({N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミド}メチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピルの物性値は、以下の通りであった。
EI−MS(m/z): 520 [M].
CI−MS(m/z): 521 [M+1].
1H−NMR(CDCl
3, δ(ppm)): 1.24 (6H, d, J=6.3Hz), 3.82 (2H, d, J=5.5Hz), 4.31 (2H, s), 4.64 (2H, s), 4.94 (1H, t, J=5.5Hz), 5.07 (1H, sep, J=6.3Hz), 6.26 (1H, d, J=8.3Hz), 6.41 (1H, dd, J=7.2, 0.5Hz), 6.46 (1H, dd, J=2.5, 1.8Hz), 7.25 (1H, dd, J=8.3, 7.2Hz), 7.32 (1H, ddd, J=8.0, 4.9, 0.8Hz), 7.37-7.42 (2H, m), 7.62-7.66 (2H, m), 7.71 (1H, dd, J=1.8, 0.6Hz), 7.93 (1H, dd, J=2.6, 0.6Hz), 7.94 (1H, ddd, J=8.0, 2.4, 1.7Hz), 8.69 (1H, dd, J=4.8, 1.6Hz), 8.98 (1H, dd, J=2.4, 0.8Hz).
13C−NMR(CDCl
3, δ(ppm)): 21.8, 43.7, 51.0, 51.1, 68.9, 107.4, 107.7, 112.6, 119.2, 123.3, 126.7, 129.9, 133.8, 134.6, 137.3, 137.6, 139.8, 141.1, 148.0, 152.6, 153.2, 157.3, 170.5.
IR(KBr cm
-1): 764(C-H), 1161(S=O), 1525(C=N), 1737(C=O), (2981, 2933)(C-H), 3437(N-H).
元素分析;Calcd:C, 59.80%; H, 5.31%; N, 16.07%
Found:C, 59.98%; H, 5.42%; N, 16.14%.
【0114】
[比較例1]
2−{[6−({N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミド}メチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピルの合成
【0115】
攪拌装置、温度計および上部冷却装置を備えた内容積約50mlのガラス製容器に、N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミド3.21g(10.2mmol)、実施例6で得られた2−{[6−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピル2.43g(10.0mmol)、炭酸ナトリウム2.16g(20.4mmol)およびアセトニトリル17.6gを加え、80℃にて加熱撹拌した。反応は、高速液体クロマトグラフィー分析において、原料の2−{[6−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピルの面積百分率が0.05%以下となるまで110時間行った。なお、加熱撹拌開始1時間後の2−{[6−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピルの反応転化率は0.92%であった。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、セライト(商品名)を用いて濾過し、濾物をアセトニトリルで洗浄した。得られた濾液を高速液体クロマトグラフィーにて定量分析したところ、目的物が0.72g含まれていた(反応収率13.8%)。次に、液重量が7.85gとなるまで減圧濃縮し、トルエン42.6gを加えた後、水で3回洗浄した。なお、水洗時にタール分が分離したため、水層とともに廃棄した。得られた有機層に、1mol/L塩酸31.5ml(31.5mmol)を加えて、室温にて20分間攪拌後、分液した。得られた水層に、トルエン42.6gおよび1mol/L水酸化ナトリウム水溶液34.6ml(34.6mmol)を加え、40℃まで加温し20分間攪拌した。40℃にて熱時濾過した後、分液し、得られた有機層を水で2回洗浄した。有機層を減圧濃縮し、2−{[6−({N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミド}メチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピルを含む暗茶色粘稠液体0.764を得た。なお、HPLC高速クロマトグラフィー法による定量純度は60.2%であり、純分は0.460gであった(原料の2−{[6−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピル基準の単離収率8.8%)。
【0116】
得られた2−{[6−({N−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]ピリジン−3−スルホンアミド}メチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピルの物性値は、以下の通りであった。
EI−MS(m/z): 520 [M].
CI−MS(m/z): 521 [M+1].
1H−NMR(CDCl
3, δ(ppm)): 1.24 (6H, d, J=6.3Hz), 3.82 (2H, d, J=5.5Hz), 4.31 (2H, s), 4.64 (2H, s), 4.94 (1H, t, J=5.5Hz), 5.07 (1H, sep, J=6.3Hz), 6.26 (1H, d, J=8.3Hz), 6.41 (1H, dd, J=7.2, 0.5Hz), 6.46 (1H, dd, J=2.5, 1.8Hz), 7.25 (1H, dd, J=8.3, 7.2Hz), 7.32 (1H, ddd, J=8.0, 4.9, 0.8Hz), 7.37-7.42 (2H, m), 7.62-7.66 (2H, m), 7.71 (1H, dd, J=1.8, 0.6Hz), 7.93 (1H, dd, J=2.6, 0.6Hz), 7.94 (1H, ddd, J=8.0, 2.4, 1.7Hz), 8.69 (1H, dd, J=4.8, 1.6Hz), 8.98 (1H, dd, J=2.4, 0.8Hz).
13C−NMR(CDCl
3, δ(ppm)): 21.8, 43.7, 51.0, 51.1, 68.9, 107.4, 107.7, 112.6, 119.2, 123.3, 126.7, 129.9, 133.8, 134.6, 137.3, 137.6, 139.8, 141.1, 148.0, 152.6, 153.2, 157.3, 170.5.
IR(KBr cm
-1): 764(C-H), 1161(S=O), 1525(C=N), 1737(C=O), (2981, 2933)(C-H), 3437(N-H).
【0117】
[実施例5]
2−{[6−(ヒドロキシメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピルの合成
【0118】
攪拌装置、温度計及び上部冷却装置を備えた内容積約2Lのガラス製容器に、2−プロパノール948gおよび濃硫酸76.7gを加え、75℃まで加温した。これに特開2011−57633号公報の参考例3−(b)記載の方法で合成した2−{[(t−ブトキシカルボニル)(6−ヒドロキシメチルピリジンー2−イル)]アミノ}酢酸t−ブチル135g、トルエン45gおよび2―プロパノール311gの混合溶液を40分間掛けて滴下した後、78℃で6時間加熱撹拌した。冷却後、内圧20hPa、外温40℃にて液量が309gとなるまで減圧濃縮し、トルエン677gおよび水406gを加えて室温にて撹拌後に分液した。得られた水層を、別に用意した炭酸水素ナトリウム129g、水812g、トルエン677gの混合溶液に、20分間掛けて滴下し、室温にて1時間撹拌した後、分液し、水層をトルエン338gで抽出した。得られた有機層を混合し、5重量%塩化ナトリウム水溶液426gで洗浄して、有機層1370gを得た。このうち1356gほど分取し、液量が113gとなるまで濃縮した後、液量が300gとなるまでトルエンを添加した。この溶液にn−ヘプタン190gを加え、45℃に加温して結晶を溶解させた後、35℃まで冷却した。同様な方法で別途合成した少量の種晶を添加し、35℃で1時間撹拌したところ、結晶が徐々に増加した。n−ヘプタン365gを30分間掛けて滴下し、内温が5℃となるまで40分間掛けて冷却した後、同温度にて30分間撹拌した。析出した結晶を濾別し、n−ヘプタンで洗浄した後、50℃にて減圧乾燥し、2−{[6−(ヒドロキシメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピル70.4gを白色粉末として得た。なお、HPLC高速クロマトグラフィー法による定量純度は94.3%であり、純分は66.4gであった(原料の2−{[(t−ブトキシカルボニル)(6−ヒドロキシメチルピリジンー2−イル)]アミノ}酢酸t−ブチル基準の単離収率74.7%)。
【0119】
得られた2−{[6−(ヒドロキシメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピルの物性値は、以下の通りであった。
EI−MS(m/z): 224 [M].
CI−MS(m/z): 225 [M+1].
1H−NMR(CDCl
3, δ(ppm)): 1.27 (6H, d, J=6.3Hz), 3.76 (1H, s), 4.10 (2H, d, J=5.5Hz), 4.59 (2H, s), 5.00 (1H, s), 5.10 (1H, m), 6.36 (1H, dd, J=8.2, 0.6Hz), 6.51 (1H, dd, J=7.3, 0.7Hz), 7.41 (1H, ddd, J=5.74, 3.88Hz).
13C−NMR(CDCl
3, δ(ppm)): 21.8, 44.1, 63.5, 69.0, 106.6, 109.5, 138.0, 156.8, 156.9, 170.7.
IR(KBr cm
-1):416, 469, 531, 559, 731, 785, 826, 862, 903, 916, 941, 980, 1014, 1052, 1082, 1106, 1131, 1147, 1182, 1217, 1256, 1276, 1347, 1378, 1402, 1471, 1526(C=N), 1582, 1607, 1687, 1724(C=O), 2878, 2935(C-H), 2983(C-H), 3381(N-H).
元素分析;Calcd:C, 58.91%; H, 7.19%; N, 12.49%
Found:C, 58.99%; H, 7.17%; N, 12.48%.
【0120】
[実施例6]
2−{[6−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピルの合成
【0121】
実施例5で得られた2−{[6−(ヒドロキシメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピル35.7gを塩化メチレン396gに溶解させた溶液に、塩化チオニル19.6gを室温にて20分間掛けて滴下し、室温で1時間撹拌した。得られた反応液を、炭酸水素ナトリウム37.8gおよび水149gの混合液スラリーに滴下し、室温で20分間撹拌した。分液後、有機層に硫酸マグネシウム6.73gを加えて脱水し、濾液を50℃にて濃縮乾固し、2−{[6−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピル37.8gを淡褐色固体として得た。
【0122】
得られた2−{[6−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}酢酸イソプロピルの物性値は、以下の通りであった。
EI−MS(m/z): 242 [M].
CI−MS(m/z): 243 [M+1].
1H−NMR(CDCl
3, δ(ppm)): 1.24 (6H, m), 4.10 (2H, d, J=5.4Hz), 4.48 (2H, s), 5.03 (1H, s), 5.10 (1H, m), 6.39 (1H, d, J=8.3Hz), 6.76 (1H, d, J=7.3Hz), 7.43 (1H, dd, J=7.8, 7.8Hz).
13C−NMR(CDCl
3, δ(ppm)):21.8, 44.0, 44.7, 68.9, 107.7, 112.2, 138.1, 154.6, 157.3, 170.7.
IR(KBr cm
-1):415, 446, 530, 560, 627, 735, 804, 827, 874, 903, 939, 952, 982, 1042, 1088, 1108, 1128, 1144, 1167, 1180, 1219, 1269, 1281, 1350, 1378, 1400, 1420, 1434, 1470, 1525(C=N), 1580, 1613, 1690, 1728(C=O), 2878, 2934(C-H), 2981(C-H), 3379(N-H).
元素分析;Calcd:C, 54.44%; H, 6.23%; N, 11.54%
Found:C, 54.46%; H, 6.23%; N, 11.56%.