(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記下側掛止部は、ワイヤと、当該ワイヤの少なくとも一部を被覆するように設けられた被覆部とを有し、前記第1当接部および前記第2当接部は、前記被覆部に設けられたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の乗物用シート。
【発明の概要】
【0004】
ところで、近年の乗物用シートは、乗員を快適にするための装備や安全性向上などのための装備が多数搭載される傾向にある。そのため、多数の部品を取り付けるための作業性が良いことが望まれる。また、シート内におけるスペース効率もよいことが望まれる。
【0005】
本発明は、このような背景に鑑み、受圧部材の取付作業性が良好な乗物用シートを提供するための研究の過程で創案された。
【0006】
本発明の一態様において、シートバックフレームと、シートバックフレームに支持され、乗員の背中からの荷重を受ける受圧板を有する受圧部材とを備える乗物用シートを提供する。シートバックフレームは、上部に配置された上下方向に貫通する支持孔と、下部に配置された支持部とを有し、受圧部材は、受圧板を有する受圧部材本体と、受圧部材本体の上部に配置された上側規制部と、受圧部材本体の下部に配置された下側掛止部とを有する。上側規制部は、支持孔に挿通されることで受圧部材の上部の前後および左右方向の位置が規制されるよう構成され、下側掛止部は、受圧部材本体の下部から支持部の上方を通って後方へ延出する第1部分と、第1部分の後端から支持部の後側を通って延びる第2部分とを有し、第1部分および第2部分によって、受圧部材本体の下部をシートバックフレームに組み付け可能である。
【0007】
このような構成によると、上側規制部をシートバックフレームの支持孔に通した後、下側掛止部を支持部に上から支持部の後側に回り込ませることで、上側規制部においては、前後および左右方向の位置が規制され、下側掛止部においては受圧部材本体が下および前に外れにくくなる。このため、受圧部材をシートバックフレームに簡単に組み付けて支持させることができ、取付作業性が向上する。
【0008】
前記したシートにおいて、シートバックフレームは、左右に離間して配置されたサイドフレームを有し、支持部は、サイドフレームの下部同士を連結する連結部材であってもよい。また、シートバックフレームは、サイドフレームの上部同士を連結する架橋部材を有することができ、この場合には、支持孔は、架橋部材に配置されていることが望ましい。
【0009】
このような構成によれば、受圧部材を、左右のサイドフレームを繋ぐ部材に支持させることができるので、サイドフレームに他の部品を取り付けることができ、スペース効率を向上することができる。
【0010】
前記した乗物用シートにおいては、下側掛止部と受圧部材本体の下部との間に支持部が配置されていることが望ましい。
【0011】
このような構成によると、下側掛止部と受圧部材本体で支持部を挟むことで受圧部材を安定させることができる。
【0012】
前記した乗物用シートにおいて、下側掛止部は、支持部の後側で第1方向に延び、支持部に当接する第1当接部と、支持部の後側で第1方向と異なる第2方向に延び、支持部に当接する第2当接部とを有することが望ましい。
【0013】
このように、第1方向に延びる第1当接部と、第2方向に延びる第2当接部とで下側掛止部が支持部に当接することで、支持部に対する下側掛止部の姿勢が安定し、受圧部材を安定させることができる。
【0014】
前記した乗物用シートは、下側掛止部を支持部に固定する固定部材をさらに備える(すなわち、下側掛止部は、固定部材により固定される取付部を有する)ものとすることができる。そして、第1当接部および第2当接部は、それぞれ固定部材の左右両側に配置されていることが望ましい。
【0015】
このような構成によれば、固定部材により受圧部材本体の下部をシートバックフレームの下部に固定することで、受圧部材をしっかりとシートバックフレームに固定することができる。また、固定部材の左右両側に、それぞれ、第1当接部と第2当接部があることで、支持部に対する下側掛止部の姿勢が安定し、受圧部材を安定させることができる。
【0016】
前記した乗物用シートにおいて、下側掛止部は、ワイヤと、当該ワイヤの少なくとも一部を被覆するように設けられた被覆部とを有し、第1当接部および第2当接部は、被覆部に設けることができる。
【0017】
これによれば、第1当接部および第2当接部において、ワイヤが支持部に直接当接しないので、ノイズを抑制することができる。
【0018】
前記した乗物用シートにおいて、下側掛止部は、受圧部材本体に対して回動可能に設けられていることが望ましい。
【0019】
この構成によれば、下側掛止部を回動させて、支持部の後ろに回り込ませやすく、取付作業性が良好となる。
【0020】
前記した乗物用シートにおいて、下側掛止部は、受圧部材本体をシートバックフレームへ向けて付勢するばね性を有することが望ましい。
【0021】
下側掛止部がこのようなばね性を有することで、受圧部材本体がシートバックフレームに付勢されて安定するので取付作業性がさらに良好となる。
【0022】
受圧部材本体は、支持部に係合して受圧部材本体の上下方向の位置を規制する規制部を有することができる。
【0023】
このような構成によれば、規制部により、受圧部材の上下方向の位置が規制されるので、受圧部材をシートバックフレームに仮組み後に固定部材で固定する場合などの作業性が良好である。
【0024】
前記した乗物用シートは、下側掛止部を支持部に固定する固定部材をさらに備え、下側掛止部は、固定部材により固定される取付部を有することができる。
【0025】
前記した乗物用シートにおいて、下側掛止部の少なくとも一部は、前後方向から見て受圧板と重なる位置に配置することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、乗物用シートの一例としての車両用シートSは、車両に搭載されるシートであり、公知のように、図示したシートフレームFの上に、図示しないクッション部材が被せられることで構成される。シートフレームFは、シートクッションフレームF1と、シートバックフレームF2を含み、シートクッションフレームF1の後端部に、シートバックフレームF2がリクライニング機構を介して接続されている。なお、以下の説明において、前後、左右および上下は、車両用シートSに座る乗員を基準とする。
【0028】
シートバックフレームF2は、受圧部材の一例としてのランバーサポート装置LSを支持している。
図2に示すように、シートバックフレームF2は、左右に離間して配置された一対の板金フレーム12と、一対の板金フレーム12のそれぞれの上端に接続された、パイプ材をU字状に屈曲させてなるパイプフレーム13とを備えている。
パイプフレーム13は、板金フレーム12から真っ直ぐ上に延びるとともに、左右内側に少し傾斜する左右一対のアッパーサイドフレーム13Aを有している。左右の板金フレーム12およびアッパーサイドフレーム13Aは、左右に離間して配置された一対のサイドフレーム11である。また、パイプフレーム13は、一対のアッパーサイドフレーム13Aの上端部同士、つまり、サイドフレーム11の上端部同士を連結するアッパーフレーム13Bを有している。
また、シートバックフレームF2は、サイドフレーム11の下部同士、具体的には板金フレーム12の下部同士を連結する連結部材および支持部の一例としてのロアフレーム14と、アッパーフレーム13Bより下の位置で、サイドフレーム11の上部同士、具体的には左右のアッパーサイドフレーム13A同士を連結する架橋部材の一例としての架橋フレーム15とを有している。
【0029】
ロアフレーム14は、上縁および下縁が少し前方に延出した断面形状を有する板金からなる部材である。ロアフレーム14は、左右方向に長く延び、左右の端部が板金フレーム12の左右内側に延出した部分に溶接により固着されている。ロアフレーム14(シートバックフレームF2の下部)の中央部には、左右に少し離間して配置された2つの取付孔14Aが形成されている。ロアフレーム14は、シートバックフレームF2をリクライニングさせていない通常姿勢において、前後方向を向いており、取付孔14Aは、ロアフレーム14を前後方向に貫通している。取付孔14Aは、後述する下側掛止部60をロアフレーム14に固定するための固定部材の一例としてのネジ91(
図8参照)が挿通される部分である。
【0030】
架橋フレーム15は、下縁に前方に延出する下フランジ15Aを有している(
図7参照)。そして、この下フランジ15Aに上下方向に貫通する支持孔15Bが形成されている。
【0031】
ランバーサポート装置LSは、乗員がシートバックにもたれかかる力を受け止めてシートバックフレームF2に伝えるとともに、乗員の腰部に当たる部分の形状を変化させて、乗員の好みに応じて腰部のサポート状態を変えるための装置である。
ランバーサポート装置LSは、乗員の背中からの荷重を、図示しないクッション部材を介して受ける受圧板40と、受圧板40を支持し、受圧板40の形状を変化させる支持部材50と、支持部材50(ランバーサポート装置LS)の下部をロアフレーム14に固定するための下側掛止部60とを備えてなる。
【0032】
受圧板40は、樹脂などからなる板状の部材であり、乗員の背中の真後ろに位置する中央部41と、中央部41の左右両側に配置され、中央部41よりも前方に張り出した一対の側部42とを有している。側部42は、乗員の背中の左右両側を支持するように配置されている。また、側部42は、細幅の板形状のものが複数、斜め前方に延出し、適度に撓みやすく形成されて乗員の背中の側部を柔軟に受け止めることができるようになっている。なお、側部42の細幅の板形状部材は、下側に配置された4つの先端が互いに連結されて、上側の5つのものよりも少し剛性が高くなっている。
【0033】
受圧板40の後側の面には、上部に2つの取付フック43が左右に並んで配置されている。取付フック43は、側方から見てC字形状を有し、その開口が後方を向いている。
【0034】
支持部材50は、ガイドワイヤ51と、上部接続部52と、下部接続部53と、下側昇降板54と、上側昇降板55と、サポート部昇降機構56(
図3参照)と、アーチ変形機構57(
図3参照)と、アーチ部材58と、上側規制部の一例としての支持ワイヤ59とを備えてなる。
【0035】
ガイドワイヤ51は、上下に長く延びるワイヤであり、左右に離間して平行に2本配置されている。なお、図示は省略するが、2本のガイドワイヤ51は、下部接続部53内で繋がっており、全体としてはU字形状のワイヤである。
【0036】
上部接続部52は、2本のガイドワイヤ51の上部同士を接続する部分である。上部接続部52は、樹脂からなり、ガイドワイヤ51をインサート成形することで、ガイドワイヤ51と一体にされている。上部接続部52の前面には、左右方向に軸線が延びる2つの円柱状の支持突起52Aが左右に並んで配置されている。支持突起52Aは、2つの取付フック43に対応して配置され、取付フック43が外側に係合することで、受圧板40を回動可能に支持している。
【0037】
下部接続部53は、2本のガイドワイヤ51を下部で接続し、ガイドワイヤ51の下部の剛性を保持するとともに、ランバーサポート装置LSをシートバックフレームF2に固定するための部分である。下部接続部53は樹脂からなり、ガイドワイヤ51をインサート成形することでガイドワイヤ51と一体になっており、上述したように、U字形状となっているガイドワイヤ51の左右に延びる下部を内部に保持している。
【0038】
図3に示すように、下部接続部53の後側の面には、下部に、左右に離間して配置された2つの突起53Aが設けられている。突起53Aは、ランバーサポート装置LSをシートバックフレームF2に組み付けたときにロアフレーム14の前面14Cに当接する部分である(
図10、
図11参照)。
【0039】
また、
図8に示すように、下部接続部53の後側の面には、左右に並んで配置された固定穴53Bが形成されている。固定穴53Bは、ネジ91がねじ込まれる穴であり、ネジ溝は形成されていてもいなくてもよい。
【0040】
さらに、
図3に示すように下部接続部53の後側の面における左右方向の中央部には、後方へ突出する規制部53Cが設けられている。規制部53Cは、ロアフレーム14の上に係合してランバーサポート装置LSの上下方向の位置を規制する部分である。規制部53Cの後端部には、下方に少し延出した掛止部53Dが形成されており、掛止部53Dがロアフレーム14の後面14B(
図10参照)に引っ掛かることで、ランバーサポート装置LSが前に外れにくくなっている。
【0041】
下側昇降板54は、ガイドワイヤ51にガイドされながら上下に移動可能な部材である。下側昇降板54は、左右両端部に、2つのガイドワイヤ51のそれぞれと係合する溝を構成するガイド部54Aを有し、ガイド部54Aがガイドワイヤ51に係合している。下側昇降板54の後面には、サポート部昇降機構56のモータ56Bと、アーチ変形機構57のモータ57Bが固定されている。
【0042】
上側昇降板55は、ガイドワイヤ51にガイドされながら上下に移動可能な部材であり、下側昇降板54よりも上に配置されている。上側昇降板55は、左右両端部に、2つのガイドワイヤ51のそれぞれと係合する溝を構成するガイド部55Aを有し、ガイド部55Aがガイドワイヤ51に係合している。
【0043】
サポート部昇降機構56は、下側昇降板54および上側昇降板55の全体を上下に昇降させるための機構であり、ネジ軸56Aと、モータ56Bと、ナット56Cと上端固定部56Dと、下端固定部56Eとを有する。
ネジ軸56Aは、外周面に雄ねじが形成された棒であり、上下に長く延びている。
モータ56Bは、図示しない制御装置により出力軸が回転させられる、正逆回転可能な電動モータである。
ナット56Cは、モータ56Bと図示しないギア機構により連結されており、モータ56Bの回転方向に応じて正逆回転可能となっている。ナット56Cは、ネジ軸56Aに係合しており、回転することで、ネジ軸56Aに対して相対的に上下に移動可能となっている。
上端固定部56Dは、ネジ軸56Aの上端に設けられ、ネジ軸56Aの上端を上部接続部52の後面に固定している。
下端固定部56Eは、ネジ軸56Aの下端に設けられ、ネジ軸56Aの下端を下部接続部53の後面に固定している。
【0044】
アーチ変形機構57は、下側昇降板54に対して上側昇降板55を上下に昇降させるための機構であり、ネジ軸57Aと、モータ57Bと、ナット57Cと上端固定部57Dと、キャップ57Eとを有する。
ネジ軸57Aは、外周面に雄ねじが形成された棒であり、上下に長く延びている。
モータ57Bは、図示しない制御装置により出力軸が回転させられる、正逆回転可能な電動モータである。
ナット57Cは、モータ57Bと図示しないギア機構により連結されており、モータ57Bの回転方向に応じて正逆回転可能となっている。ナット57Cは、ネジ軸57Aに係合しており、回転することで、ネジ軸57Aに対して相対的に上下に移動可能となっている。
上端固定部57Dは、ネジ軸57Aの上端に設けられ、ネジ軸57Aの上端を上側昇降板55の後面に固定している。
キャップ57Eは、ネジ軸57Aの下端に設けられ、ネジ軸57Aの下端が周囲の物に引っ掛かるのを抑制している。
【0045】
図2に戻り、アーチ部材58は、上下に長く延びる帯状の部材であり、弾性のある金属板などから形成されている。アーチ部材58は、リベットやネジなどにより、上端が上側昇降板55の前面に固定され、下端が下側昇降板54の前面に固定されている。アーチ部材58は、左右に並んで2つ設けられ、下側昇降板54と上側昇降板55の左右両端部付近に配置されているとともに、受圧板40の中央部41の後面に対面するように配置されている。
【0046】
図3に示すように、支持ワイヤ59は、上部接続部52の左右両端部から上方に延出するように配置された円形断面のワイヤである。2つの支持ワイヤ59は、上部接続部52にインサート成形されることで上部接続部52と一体になっている。なお、図示は省略するが、2つの支持ワイヤ59は、下端部で互いに繋がっており、U字形状の1本のワイヤからなる。支持ワイヤ59の上端部、具体的には、支持孔15Bに当接可能な範囲には、ナイロンなどの摺動性の良い樹脂により被覆された被覆部59Aが設けられている。被覆部59Aにより、乗員がシートバックに対して荷重を掛けたり荷重を抜いたりしたときに支持ワイヤ59が支持孔15Bに対して上下に摺動しても、ノイズが発生するのを抑制することができる。
【0047】
上述のランバーサポート装置LSの構成のうち、支持ワイヤ59および下側掛止部60を除く部分が受圧部材本体に相当する。
【0048】
ここで、ランバーサポート装置LSの動作について簡単に説明する。
図4(a)に示すように、モータ56Bの出力軸を回転させることで、ナット56Cが回転すると、ナット56Cがネジ軸56Aに対して相対的に移動する。例えば、
図4(a)のように、ナット56Cがネジ軸56Aに対して上に移動すると、上側昇降板55と下側昇降板54が一体となって上に移動する。このとき、上側昇降板55と下側昇降板54は、ガイドワイヤ51に案内されて、ガイドワイヤ51に対し滑りながら移動する。
【0049】
図4(b)に示すように、モータ57Bの出力軸を回転させることで、ナット57Cが回転すると、ナット57Cがネジ軸57Aに対して相対的に移動する。ここで、ナット57Cは、下側昇降板54に対して上下に移動できないので、ナット57Cが回転するとネジ軸57Aが上下に移動する。例えば、
図4(b)のように、ナット57Cを回転させると、ネジ軸57Aが下に下がり、ネジ軸57Aの移動に連れられて上側昇降板55が下側昇降板54に対して下に移動する。このとき、上側昇降板55は、ガイドワイヤ51に案内されて、ガイドワイヤ51に対し滑りながら移動する。
【0050】
図4(b)のように、上側昇降板55が下側昇降板54に近づくと、
図5に示すように、アーチ部材58の長さが上側昇降板55と下側昇降板54の間で余ることで、アーチ部材58が前側に弓なりに撓む。これにより、アーチ部材58の前面が受圧板40の中央部41の後面を押すことで、中央部41は前側に弓なりに突出するように変形する。このようにして、モータ56Bとモータ57Bを正逆回転させることで、受圧板40の前方への突出量と、この突出した部分の上下方向の位置を調整することができ、乗員の腰部を好適に支持することができる。
【0051】
次に、ランバーサポート装置LSの下部をロアフレーム14に固定するための下側掛止部60について詳細に説明する。下側掛止部60は、
図9に示すように、ロアフレーム14の上からロアフレーム14の後側に回り込むことでランバーサポート装置LSの下部をシートバックフレームF2に対して組付可能にする部材である。
【0052】
図6(a)、(b)に示すように、下側掛止部60は、ワイヤの一例としてのワイヤフレーム61と、被覆部62と、取付部65とを備えて構成されている。
ワイヤフレーム61は、一本の金属ワイヤを屈曲させてなり、略左右対称に構成されている。ワイヤフレーム61は、左右方向に延びる、左右2箇所に離れて配置された軸部61Aと、各軸部61Aの左右外側の両端部から後方に延びる後延出部61Bと、各後延出部61Bの後端部から下方に延びる下延出部61Cと、各下延出部61Cの下端部同士を繋ぐ連結部61Dとを備えている。ここで、後方に延びる後延出部61Bは、「第1部分」の一例であり、後延出部61Bの後端からロアフレーム14の後側を通って延びる下延出部61Cおよび連結部61Dは、「第2部分」の一例である。連結部61Dは、中央部が少し上方にずれるように屈曲しており、この中央部に取付部65が設けられている。ワイヤフレーム61は、軸部61Aから後延出部61Bが後方に延びていることで、下延出部61Cおよび連結部61Dは、ロアフレーム14の後側に回り込んでいる。
【0053】
被覆部62は、ワイヤフレーム61をインサート成形することでワイヤフレーム61の外側を被覆するように設けられた樹脂部材である。被覆部62は、ワイヤフレーム61の下延出部61Cの下側部分を被覆した第1被覆部62Aと、連結部61Dの左右両外側部分を被覆した第2被覆部62Bとを含んでいる。第1被覆部62Aと第2被覆部62Bは、下側掛止部60をロアフレーム14に係合させた後は、ロアフレーム14の後側に位置する。
【0054】
各第1被覆部62Aは、その下半分程度が前方に突出しており、取付部65をネジ91でロアフレーム14に固定したときにロアフレーム14の後面14B(
図8参照)に当接する第1当接部63Aを有している。また、各第2被覆部62Bは、左右外側の端部が前方に突出しており、取付部65をネジ91でロアフレーム14に固定したときにロアフレーム14の後面14Bに当接する第2当接部63Bを有している。第1当接部63Aの下端と第2当接部63Bの左右外側の端とは繋がっており、第1当接部63Aと第2当接部63Bは全体としてL字形状を有している。また、第1当接部63Aおよび第2当接部63Bは、取付部65の左右両側に配置されている。
【0055】
第1当接部63Aは、ロアフレーム14の後側で第1方向の一例としての上下方向に延び、第2当接部63Bは、ロアフレーム14の後側で第2方向の一例としての左右方向に延び、それぞれ、後側からロアフレーム14に当接するようになっている。このように、異なる2方向に延びる部分がロアフレーム14の後面14Bに当接することで、ロアフレーム14に対して下側掛止部60の姿勢が安定し、ランバーサポート装置LSを安定して支持することができる。
【0056】
取付部65は、ワイヤフレーム61をインサート成形することで、ワイヤフレーム61と一体になった樹脂部材からなる。取付部65は、ロアフレーム14の取付孔14Aに対応する位置に、ネジ91が挿通される固定孔65Aを有している。取付部65は、ロアフレーム14にネジ91によって固定され、固定された後は、
図10に示すように、ロアフレーム14の後面14Bに当接する。そして、
図10および
図11に示すように、下側掛止部60の一部としての取付部65および被覆部62と、受圧部材本体の一部としての下部接続部53との間にロアフレーム14が配置され、取付部65および被覆部62と下部接続部53とによってロアフレーム14が挟持されている。
【0057】
軸部61Aは、下部接続部53に形成された溝または穴に係合しており、下部接続部53に対して回動可能である。すなわち、下側掛止部60は、軸部61Aを中心にして下部接続部53(受圧部材本体)に対して回動可能となっている。
【0058】
次に、ランバーサポート装置LSをシートバックフレームF2に取り付ける方法を説明する。
図7に示すように、架橋フレーム15の下にランバーサポート装置LSを配置し、支持ワイヤ59の先端を支持孔15Bに合わせながら、ランバーサポート装置LSを上に上げていく。そして、支持ワイヤ59を支持孔15Bに挿通する。これにより、ランバーサポート装置LS(受圧部材本体)の上部の前後および左右方向の位置が規制される。
【0059】
次に、
図8に示すように、下部接続部53に対して下側掛止部60を上に回動させ、下側掛止部60をロアフレーム14の上を通して下部接続部53を後に移動させロアフレーム14に近づける。
そして、
図9に示すように、規制部53Cをロアフレーム14の上に載せ、規制部53Cの掛止部53Dをロアフレーム14の後面14B側に掛ける。これにより、ランバーサポート装置LSの上下方向の位置が規制される。これに加えて、掛止部53Dがロアフレーム14の後面14Bに係合しているので、この後にネジ91でランバーサポート装置LSを固定する際の作業性が良好である。
【0060】
次に、下側掛止部60を下に回動させて被覆部62および取付部65をロアフレーム14の後面14Bに当接させる。さらに、ネジ91を取付部65の固定孔65A(
図8参照)に通して、ロアフレーム14の取付孔14A(
図8参照)にねじ込む。これにより、
図10に示すように、下側掛止部60と下部接続部53によりロアフレーム14を挟持するようにしてランバーサポート装置LSの下部をロアフレーム14に固定することができる。
このとき、下側掛止部60を回動させることで下側掛止部60をロアフレーム14の後側に回り込ませることができるので、作業性が良好である。また、下側掛止部60をロアフレーム14に上からロアフレーム14の後側に回り込ませることでランバーサポート装置LSの下部が下および前に外れにくくなる。さらに、下部接続部53と下側掛止部60の間にロアフレーム14が位置することによってもランバーサポート装置LSの下部がロアフレーム14から外れにくい。このように、ランバーサポート装置LSが外れにくい状態でネジ91での締結作業をすることができるので、取付作業性が良好である。
【0061】
また、ネジ91により取付部65をロアフレーム14に固定しているので、ランバーサポート装置LS(受圧部材本体)の下部をしっかりとシートバックフレームF2に固定することができる。そして、この固定の際に、ネジ91を、後側からシートバックフレームF2およびランバーサポート装置LSに係合させるので、規制部53Cが正しくロアフレーム14に係合していることを目視で確認しながら締結作業を行うことができる。
【0062】
さらに、このネジ91による固定後に、ロアフレーム14の前面14Cには、樹脂からなる下部接続部53の突起53Aが当接し、ロアフレーム14の上側の面には、樹脂からなる規制部53Cが当接し、ロアフレーム14の後面14Bには、樹脂からなる取付部65と第1当接部63Aおよび第2当接部63B(
図11参照)が当接するので、仮に、ランバーサポート装置LSに荷重が掛かっても、金属のロアフレーム14とワイヤフレーム61は直接接触せず、ロアフレーム14と接触する相手の部材が樹脂であるので、ノイズが発生しにくい。
【0063】
また、ネジ91による固定後に、ネジ91の左右両側に第1当接部63Aと第2当接部63Bがあることで、ロアフレーム14に対する下側掛止部60の姿勢が安定し、ランバーサポート装置LSを安定させることができる。
【0064】
このようにして、ランバーサポート装置LSをシートバックフレームF2に固定すると、
図3に示すように、下側掛止部60の一部は前後方向から見て受圧板40と重なる位置に配置される。
【0065】
そして、本実施形態の車両用シートSによれば、ランバーサポート装置LSを、サイドフレーム11に吊り下げて固定するのではなく、左右のサイドフレーム11を繋ぐロアフレーム14および架橋フレーム15に支持させるので、サイドフレーム11に他の部品を取り付けることも可能であり、狭いシートバック内のスペース効率を向上することができる。
【0066】
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0067】
例えば、
図12に示す変形例のように、下側掛止部160は、ワイヤフレーム161にコイル部162を設けて、図の時計回りに回転力を発生するようなばね性を有していてもよい。この形態においては、軸部161Aは、下部接続部53に対して回動可能に係合しているのではなく、回動不能に固着されている。このような構成によれば、下側掛止部160のばね性により、下側掛止部60を後ろに変形させながらロアフレーム14の後側に回り込ませ、さらに、ランバーサポート装置LS(受圧部材本体)をシートバックフレームF2のロアフレーム14に付勢することができるので、ネジ91で固定する前の仮組み状態において、ランバーサポート装置LSをさらに安定させることができ、取付作業性をさらに向上させることができる。
【0068】
なお、
図12の形態においては、ばね性を分かりやすくするために、コイル部162を設けたが、軸部161Aが弾性的に捩れ変形するような寸法および材質から構成されていれば、ワイヤフレーム161は、コイル部162を有さず、前記実施形態の下側掛止部60と同様の形状であってもよい。また、前記実施形態の下側掛止部60に対して、別の部品からなるトーションバネを組み付けてばね性を持たせてもよい。
【0069】
また、前記実施形態においては、受圧部材の一例としてランバーサポート装置LSを示したが、受圧部材は、乗員の腰部付近の形状が変わる機能を有さない、単なる受圧板であってもよい。
【0070】
前記実施形態においては、支持孔15Bは、架橋フレーム15に設けられていたが、サイドフレーム11の上部に設けられていてもよい。
【0071】
前記実施形態において、被覆部62は、ワイヤフレーム61の一部を被覆していたが、全体を被覆していても構わない。また、下側掛止部60は、前後方向から見て、受圧板40の全体と重なるように配置されていてもよい。
【0072】
前記実施形態においては、乗物用シートとして、自動車の車両用シートを例示したが、乗物用シートは、鉄道車両や、航空機、船舶などのシートであってもよい。