(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0020】
[実施形態1]
図1に例示の本実施形態の車両固定装置1は、
図3の車両試験装置2のピットカバー20のローラ開口部21から露出したローラ(図示省略)に車輪(図示省略)が載せられた試験車両3を牽引することによりピットカバー20において試験車両3を固定する。
【0021】
特に、車両固定装置1は、
図3に例示されたピットカバー20上またはピットカバー20の外側に設置されたスライドレール22の任意の位置に取り付けが可能であると共に、前記牽引の支点高さ及び方向が所定の範囲で調整可能となっている。
【0022】
(車両固定装置1の態様例)
車両固定装置1は、
図1,2に示したように、台座部10、支柱部11、移動回転部12、固定金具13及び上下操作部14を備える。
【0023】
(台座部10の態様例)
台座部10は、
図3に示された車両試験装置2のスライドレール22に沿う任意の位置に取り付け可能となっている。
【0024】
台座部10は、
図1,3に示されたスライドレール22上の任意の位置に取り付け可能である一方で支柱部11が立設される長板状の台座本体部101から成る。そして、台座本体部101の短手方向の両端部には、移動引き手102が固着されている。
【0025】
台座本体部101は固定ボルト103によりスライドレール22上の任意の位置に取り付けられる。
図1(a)に示された台座本体部101は、スライドレール22に収容されて前記任意の位置に配置される二つのナットプレート104に対して、台座本体部101に挿通された固定ボルト103が螺着されることにより、スライドレール22に取り付けられる。尚、本態様の単一のナットプレート104は二つの固定ボルト103が螺着される仕様となっている。
【0026】
(支柱部11の態様例)
支柱部11は、
図1,2に示されたように台座部10にて立設される。
【0027】
支柱部11は、台座本体部101に立設される円筒状の支柱本体部111から成る。支柱本体部111には、
図2のように移動回転部12の上下動を制限する長孔112が支柱本体部111の高さ方向に沿って形成され、さらに、
図1(a),2(b)のように移動回転部12の設置高さを示す指示スケール113が設けられる。
【0028】
(移動回転部12の態様例)
移動回転部12は、
図1(a)(d)に示したように、試験車両3を牽引するチェーン9aが連結金具15を介して連結されると共に支柱部11と同軸に備えられて上下方向に移動及び水平方向に回転が可能となっている。
【0029】
移動回転部12は、
図2に示したように、移動ブッシュ121、移動金具122及び押さえ蓋123を備える。
【0030】
移動ブッシュ121は、支柱本体部111の外周面と面接触する。移動ブッシュ121としては、周知のオイレスベアリング(自己潤滑性軸受)が適用される。
【0031】
移動金具122は、移動ブッシュ121を介して支柱本体部111に周設される。移動金具122の外周面には、試験車両3に繋がれたチェーン9aの連結金具15が連結される金具連結部125が突設されている。
【0032】
押さえ蓋123は、移動金具122の上下端部において固定ボルト124により移動ブッシュ121を封止する。
【0033】
(固定金具13の態様例)
固定金具13は、
図2に示したように、移動回転部12を水平に保持させた状態で、上下操作部14のスリーブ142に固定される。
【0034】
固定金具13は、受け金具131及び押さえ金具132を備える。
【0035】
受け金具131は、上下操作部14のスリーブ142に固定ボルト133により取り付けられた状態で、移動回転部12を水平に受ける。
【0036】
押さえ金具132は、固定ボルト134により受け金具131に固定された状態で、移動回転部12の上下方向のずれを防止する。さらに、押さえ金具132には移動回転部12を押さえつける固定ボルト135が螺着されることにより、
図1(d)に示した300°の回転範囲における任意の位置において移動回転部12の固定が可能である。
【0037】
(上下操作部14の態様例)
上下操作部14は、
図1に示したように試験作業員(図示省略)の操作により移動回転部12を上下動させる。
【0038】
上下操作部14は、
図2に示したように、送りねじ141、スリーブ142、蓋部143、操作ハンドル144及びグリップ145を備える。
【0039】
送りねじ141は、支柱本体部111と同軸に支柱本体部111に収容されて回転可能に支持される。
【0040】
スリーブ142は、周知のボールねじ機構を介して送りねじ141に装着される。このスリーブ142には、上述のように固定金具13の受け金具131が取り付けられる。
【0041】
蓋部143は、支柱本体部111の上端開口部を密閉する。蓋部143には、
図1(c)に示された連結金具15の吊り輪153が
図8に例示のシャックル16を介して連結されるアイボルト146が適宜に複数備えられる。
【0042】
操作ハンドル144は、蓋部143に送りねじ141と同軸に配置されて送りねじ141を回転させる。グリップ145は、この操作ハンドル144の操作時に把持される。
【0043】
(連結金具15の態様例)
連結金具15は、試験車両3に繋がれたチェーン9aを移動回転部12に連結させる。
【0044】
連結金具15は、
図1に示されたように、連結本体部151、連結部152及び吊り輪153を備える。
【0045】
連結本体部151は、移動回転部12の牽引力を検出する検出器としてロードセル150を備える。
【0046】
連結部152は、連結本体部151の一端側に接続された状態で移動回転部12の金具連結部125において回転軸154を介して上下に搖動可能に連結される。
【0047】
吊り輪153は、連結本体部151の他端側に接続された状態でチェーン9aに連結される。
【0048】
(車両固定装置1の使用例とその効果)
図1,3を参照して本実施形態の車両固定装置1の使用例について説明する。
【0049】
車両固定装置1は
図3に示したように車両試験装置2において横振れ防止装置8と併用されて試験車両3を固定する。
【0050】
例えば、同図に示したように横振れ防止装置8は試験車両3の前方のスライドレール22上の任意の位置に取り付けられる。一方、車両固定装置1はピットカバー20上のスライドレール22から前方に延長して増設されたスライドレール22上の任意の位置において
図1の固定ボルト103とナットプレート104とにより取り付けられる。
【0051】
また、試験車両3の後方に配置される横振れ防止装置8は当該後方のスライドレール22上の任意の位置に固定される。一方、前記後方に配置される車両固定装置1は横振れ防止装置8よりもさらに後方のスライドレール22上の任意の位置において同図の固定ボルト103とナットプレート104とにより取り付けられる。
【0052】
次いで、試験車両3に繋がれたチェーン9a,9bが連結金具15を介して車両固定装置1,横振れ防止装置8に各々連結される。そして、車両固定装置1においては、チェーン9aの張りが予め若干緩められた状態で上下操作部14により支柱部11における移動回転部12の高さが調整される。また、移動回転部12の回転操作により車両固定装置1とチェーン9aの連結部位が水平方向に調整される。以上のように試験車両3に対する牽引の支点高さ及び方向が調整される。
【0053】
以上のように、車両固定装置1によれば、スライドレール22に取り付け可能な台座部10を有することにより、ピットカバー20の既存のスライドレール22に対して前方または垂直に増設されたスライドレール22上の任意の位置に取り付けが自在となる。
【0054】
また、車両固定装置1は、移動回転部12を有することにより、試験車両3に対する牽引方向及び牽引力を任意に調整できる。特に、移動回転部12は約300°の回転角度の調整が可能となる。さらに、
図2に示されたように移動回転部12の内側にはオイレスの移動ブッシュ121が備えられたことにより、移動回転部12の上下動や回転時に支柱部11との接触抵抗が低減する。そして、支柱部11と移動回転部12との面接触により試験車両3の牽引に安定性が確保される。
【0055】
したがって、車両固定装置1によれば、試験車両の固定に際し、試験車両の牽引の自由度が向上する。よって、各種の試験車両に対応した牽引方向の自由度(拡張性)が高まり、車両試験装置2における車両固定装置1の所望の配置が可能となる。そして、このことにより、ピットカバーまたはその周辺に設置させる際に使用する場面や試験環境に柔軟に対応できる。特に、従来の車両固定装置のような台座部の回転操作を要することなく、ピットカバー20の内側及び外側の任意の位置からの試験車両3の拘束が任意に可能となるので、試験車両3の固定作業の効率化も図られる。
【0056】
尚、以上説明した車両固定装置1は、支柱部11が台座部10を介して車両試験装置2のスライドレール22上に配置される態様となっているが、必ずしもスライドレール22に設置させなくてもよい。例えば、台座部10を介して車両試験装置2のスライドレール22以外の部位や車両試験装置2が配備される試験室の床面において所定の箇所に支柱部11を移動可能に立設させてもよい。または、台座部10を介することなく支柱部11を上記のスライドレール22以外の部位や前記床面に直接立設固定させてもよい。
【0057】
[実施形態2]
また、
図1の移動回転部12の金具連結部125に対しては、ロードセル150を備えていない連結金具15を介してチェーン9aを連結させてもよい。本実施形態の連結金具15としてはフック、シャックル等が例示される。
【0058】
したがって、本実施形態の連結金具15を備えた車両固定装置1によれば、実施形態1の効果に加えて、車両固定装置1の牽引力の検出を計測する必要がない場合の試験に対応が可能となる。尚、実施形態1の連結金具15において、ロードセル150の取り外しを可能としても、同様の効果が得られること明らかである。
【0059】
[実施形態3]
図4に示された実施形態3の車両固定装置1は、実施形態1の車両固定装置1において、キャスタ4とキャスタ移動ハンドル5とさらに備える。
【0060】
キャスタ4は、台座部10の長手縁部に一対に取り付けられて車両固定装置1を移動させる。本態様のキャスタ4は、台座部10の長手縁部に固定ボルト42により取り付け可能なブラケット41と、このブラケット41において回転可能に支持される車輪40とを備える。
【0061】
キャスタ移動ハンドル5は、支柱部11に取り付けられて車両固定装置1の移動の際に把持される。本態様のキャスタ移動ハンドル5は、上下操作部14の蓋部143に固定ボルト53により取り付けられる長板状のハンドル本体部51と、このハンドル本体部51の短手方向に沿う一対の把持部52とを備える。
【0062】
図4,5を参照して本実施形態の車両固定装置1の使用例について説明する。
【0063】
ここで、
図5に示された試験車両3の左右前方のスライドレール22上の車両固定装置1をピットカバー20上の試験車両3の左右前方の位置において既存のスライドレール22と並列に増設されたスライドレール22上に移動させる事例について説明する。
【0064】
先ず、
図4の車両固定装置1の台座部10にキャスタ4が取り付けられる。次いで、この車両固定装置1の支柱部11の蓋部143にキャスタ移動ハンドル5が取り付けられる。次いで、車両固定装置1の台座部10から固定ボルト103が取り外される。そして、キャスタ移動ハンドル5を把持して車両固定装置1を傾ければ、車両固定装置1の移動が可能となる。尚、連結金具15にロードセル150が具備されている場合、キャスタ移動ハンドル5上のアイボルト146に連結金具15の吊り輪153がシャックル16を介して連結させると、車両固定装置1を安定的に移動できる。
【0065】
前記既存のスライドレール22に車両固定装置1が取り付けられる場合、例えば、試験車両3の横振れ防止装置8と物理的に干渉して、車両固定装置1の取付けが困難となる場合がある。そこで、上述の
図5の既存のスライドレール22に配置された車両固定装置1をキャスタ4により前記増設のスライドレール22上の任意の位置に移動させることにより、車両固定装置1と横振れ防止装置8との干渉を回避できる。
【0066】
また、車両試験の際、通常、試験車両3の前方に車両冷却ファンが配置されることがある。特に、WLTP(Worldwide harmonized Light vehicles Test Procedure)のレギュレーションによると、車両冷却ファンの吐出口と試験車両の先端との距離を約30cmに近づける必要がある。このレギュレーションの下では、従来の車両固定装置は、車両を拘束するチェーンが車両冷却ファンと干渉することがあり、車両の固定が難しくなる。特に、他の車両固定装置を使用する際に、車両固定装置を移動及び適宜に移動させる必要がある。従来の車両固定装置は、装置本体の重量が重いため、ホイストが無い環境条件では、単独の作業員による移動や移動の作業が困難となる。
【0067】
これに対して、本実施形態の車両固定装置1は、キャスタ4及びキャスタ移動ハンドル5を備えているので、車両固定装置1を作業的に効率よく任意の所定の位置に移動が可能となる。特に、一つのスライドレール22から他のスライドレール22または他の場所(例えば保管場所)へ移動する際、ホイストが無い設備環境であっても、作業員により車両固定装置1の移動が可能となる。また、各種の試験車両3に対応した角度に自由度(拡張性)も確保されて、車両固定装置1の配置や牽引の自由度が向上する。
【0068】
[実施形態4]
図6に示された実施形態4の車両固定装置6は、
図7に例示された車両試験装置2に供される試験車両3の固定に際して車両固定装置6による試験車両3の牽引を補助する。
【0069】
車両固定装置6も、実施形態1と同様に、ピットカバー20のスライドレール22の任意の位置に取り付けが可能であると共に
図7に例示の試験車両3に対する牽引の支点高さ及び方向が所定の範囲で調整可能となっている。
【0070】
すなわち、車両固定装置6は、台座部10、支柱部61、滑車62、上下操作部63、キャスタ4及びキャスタ移動ハンドル5を備える。
【0071】
(支柱部61の態様例)
支柱部61は、
図6に示されたように台座部10にて立設される。
【0072】
支柱部61は、台座部10に立設される円筒状の支柱本体部611から成る。支柱本体部611の外周部には、滑車62の軸受け622が螺着される雄ねじ部(図示省略)が形成されている。
【0073】
(滑車62の態様例)
滑車62は、
図7に示された試験車両3と車両固定装置1とを連結したチェーン9aが架けられると共に支柱部61と同軸に備えられて上下方向に移動及び水平方向に回転が可能となっている。
【0074】
滑車62は、チェーン9aを案内する案内溝623が形成された滑車本体部621と、この滑車本体部621に内蔵されて支柱本体部611に螺着される軸受け622とを備える。滑車本体部621の一端側には、案内溝623からのチェーン9aの抜けを防止する抜け止め624が付属される。
【0075】
(上下操作部63の態様例)
上下操作部63は、
図6に示したように試験作業員(図示省略)の操作により滑車62を上下動させる。
【0076】
上下操作部63は、軸受け622の上端部において軸受け622と同心に取り付けられる円盤部631と、この円盤部631の縁部において鉛直及び水平に配置可能に等間隔に取り付けられる複数の操作グリップ632とを備える。
【0077】
さらに、円盤部631には、キャスタ移動ハンドル5を水平支持する円筒状の支持部633が円盤部631と同心に立設されている。そして、キャスタ移動ハンドル5には、吊り上げ用のアイボルト634が適宜複数備えられる。
【0078】
(車両固定装置6の使用例)
車両固定装置6は
図7に示したように車両試験装置2において実施形態1の車両固定装置1及び横振れ防止装置8と併用されて試験車両3を固定する。さらには、既存の車両固定装置(図示省略)と適宜に併用されることもある。
【0079】
車両固定装置1は、試験車両3の左右前方のスライドレール22上の車両固定装置1をピットカバー20上の試験車両3の左右前方の位置において既存のスライドレール22と並列に増設されたスライドレール22上の任意の位置に設置されている。
【0080】
車両固定装置6は、試験車両3の左右前方にて既存のスライドレール22に対して垂直に増設されたスライドレール22の上に設置されている。
【0081】
若しくは、
図3の車両固定装置1の配置と同様に、試験車両3の左右前方にてピットカバー20上のスライドレール22から前方に延長して増設されたスライドレール22上の任意の位置に、車両固定装置6が設置される。
【0082】
そして、試験車両3に繋がれたチェーン9bは連結金具15を介して横振れ防止装置8に連結される。一方、試験車両3に繋がれたチェーン9aは車両固定装置6の滑車62を経由して連結金具15を介して車両固定装置1に連結される。
【0083】
また、車両固定装置6は、キャスタ4とキャスタ移動ハンドル5が具備されているので、車両固定装置6を傾けることにより、実施形態3の車両固定装置1と同様に、車両固定装置6の移動が可能となる。特に、操作グリップ632は水平方向(0°)に転倒可能であり、支柱部61を中心に滑車62を回転させることにより、滑車62の上下移動が可能となる。そして、車両固定装置6を別の場所(例えば、増設されたスライドレール22または保管場所)に移動させる際に、操作グリップ632を垂直方向(90°)に配置させることにより、滑車62からの突起が少なくなり、移動作業時の物理的な支障が回避される。
【0084】
以上のように、車両固定装置6によれば、台座部10、支柱部61及び滑車62を備えたことにより、各種の試験車両3に対する牽引の支点高さや方向の自由度(拡張性)が確保されて車両固定装置の配置の自由度が向上した実施形態1と同様の効果が得られる。
【0085】
また、車両固定装置6も、キャスタ4とキャスタ移動ハンドル5とを備えたことにより、単独の作業員による車両固定装置6の移動が可能となる。特に、一つのスライドレール22から他のスライドレール22または他の場所(例えば保管場所)へ移動する際、ホイストが無い設備環境であっても、作業員により車両固定装置6の移動が可能となる。さらに、各種の試験車両3に対応した角度に自由度(拡張性)も確保されて、車両固定装置1の配置や牽引の自由度が向上する。
【0086】
[実施形態5]
実施形態3,4の車両固定装置1,6においては、車両固定装置1,6の移動を補助する
図8に例示の補助キャスタ7をさらに備えるとよい。
【0087】
補助キャスタ7は、ブラケット71と取り付け部材72を備える。
【0088】
ブラケット71は、車輪40よりも大径の補助車輪70を一方の面で回転可能に支持すると共に当該一方の面とは反対の他方の面で実施形態3,4の支柱部11,61を支持する。また、前記他方の面には、支柱部11,61を受け止める支柱部受け712が具備されている。さらに、この支柱部受け712の表面には、ゴムシートに例示される滑り止め部材713が固着されている。
【0089】
取り付け部材72は、ブラケット71を台座部10の長手方向縁部に取り付けられる。
【0090】
取り付け部材72は、支持部材721と固定部材722と一対の係止部材723並びにカムレバー724を備える。支持部材721は、台座部10の長手方向縁部の近傍上方にてブラケット71を台座部10に対して鉛直に支持する。固定部材722は、支持部材721を台座部10に対して鉛直に支持する。係止部材723は、固定部材722に回転可能に支持された状態で台座部10に係止が可能となっている。カムレバー724は、キャッチクリップ方式により前記係止とその解除を行う。
【0091】
実施形態3,4の車両固定装置1,6の移動時には、カムレバー724の操作により補助キャスタ7の取り付け部材72が車両固定装置1,6の台座部10に取り付けられる。これにより、車両固定装置1,6の台座部10のキャスタ4の一対の車輪40と補助キャスタ7の補助車輪70とにより、三輪車の態様となる。
【0092】
したがって、本実施形態の態様によれば、実施形態3,4の効果に加えて、移動時の転倒を防止するため安定性及び安全性の向上が図られる。また、補助キャスタ7は車両固定装置1,6から取り外しが可能となるので、車両固定装置の小型及び軽量化が図られ、試験車両3の固定作業の効率も向上する。
【解決手段】車両固定装置1は、車両試験装置2に供される試験車両3を牽引して固定する。車両固定装置1は、支柱部11及び移動回転部12を備える。支柱部11は、例えば、車両試験装置2のスライドレール22若しくはこのスライドレール22以外の部位や車両試験装置2が配備される試験室の床面に立設固定または移動可能に立設される。移動回転部12は、試験車両3を牽引するチェーン9aが連結されると共に支柱部11と同軸に備えられて上下方向に移動及び水平方向に回転が可能である。