(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであって、イオン源を確実に安定な状態にして搬送できるようにすることをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明に係るイオン源は、イオン照射装置の装置本体に所定の取付姿勢で取り付けられるイオン源であって、イオンの引出し口が設けられた筐体と、前記引出し口からイオンを引き出す複数の電極と、前記筐体に連結されるとともに前記複数の電極を保持する電極保持部材と、前記取付姿勢にある筐体又は電極保持部材に抜脱可能に取り付けられる下側ローラ及び上側ローラとを具備し、前記装置本体から取り外された状態の起立姿勢において、前記筐体又は前記電極保持部材に取り付けられた前記下側ローラのみが、所定の支持面に転動可能に載置される一方、前記起立姿勢から倒伏して高さ寸法の小さくなった倒伏姿勢において、前記筐体又は前記電極保持部材に取り付けられた前記下側ローラ及び前記上側ローラの双方が、前記支持面に載置されるものであることを特徴とするものである。
【0008】
このようなイオン源であれば、取付姿勢よりも高さ寸法の小さい倒伏姿勢で支持面に支持されているので、この倒伏姿勢を保ったまま支持台を移動させることで、重心の位置が低く安定な状態でイオン源を搬送することができる。
ここで、装置本体から取り外されたイオン源を搬送する場合を考える。この場合、イオン源を起立姿勢で支持面に降ろすことにより、下側ローラが支持面上を転動するので、この動きに伴い、イオン源は起立姿勢から徐々に倒伏して倒伏姿勢になる。
一方、イオン源を装置本体に取り付ける場合、倒伏姿勢で支持面に支持されているイオン源を持ち上げることにより、下側ローラが支持面上を転動しながら、上側ローラが支持面から離間し、イオン源は徐々に起立して起立姿勢になる。
このように、上述したイオン源であれば、安定な状態でイオン源を搬送することができるうえ、必要に応じて確実に起立姿勢又は倒伏姿勢にすることができる。
【0009】
より具体的な実施態様としては、前記支持面が、平行に設けられた一対の水平レール上に形成されたものであり、前記下側ローラ及び前記上側ローラが、前記水平レールに対応するように各一対設けられているものが挙げられる。
【0010】
また、本発明に係る支持台は、上述したイオン源が載置される水平レールを具備したことを特徴とするものである。
この支持台を用いることで、上述したイオン源を安定な状態で搬送することができるうえ、必要に応じてイオン源を確実に起立姿勢又は倒伏姿勢にすることができる。
【0011】
イオン源を所望の位置に搬送するための支持台としては、車輪を具備し、床面を移動可能に構成してあるものが良い。
【0012】
前記支持台は、前記筐体又は前記電極保持部材から取り外された前記下側ローラ又は前記上側ローラを保持するローラ保持部を有しているものが好ましい。
これならば、筐体や電極保持部材から取り外したローラをローラ保持部に保持させておくことで、ローラの紛失を防ぐことができる。
【0013】
また、本発明に係る吊下機構は、前記イオン源を吊り下げて、前記支持台と前記装置本体との間で搬送するものであり、前記装置本体から取り外された前記イオン源を前記起立姿勢で吊り下げ、前記起立姿勢を保ちながら前記イオン源を前記支持面の上方に移動させ、前記イオン源を下降させて、前記下側ローラを前記支持面に載置し、前記イオン源をさらに下降させて、前記上側ローラが前記支持面に載置されるまで前記下側ローラを前記支持面上で転動させることを特徴とするものである。
この吊下機構を用いることで、イオン源を確実に倒伏姿勢にすることができ、安定な状態で搬送することができる。
【0014】
前記支持台と前記吊下機構とを具備することを特徴とするイオン源搬送システムであれば、上述した作用効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0015】
このように構成した本発明によれば、重心の位置を低くして安定な状態でイオン源を搬送することができるとともに、必要に応じて確実に起立姿勢又は倒伏姿勢にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係るイオン源の一実施形態について説明する。
【0018】
本実施形態のイオン源101は、イオン照射装置100を構成するとともに、イオン源搬送システム200によって搬送させるものである。
以下に、前記イオン照射装置100を説明したあと、前記イオン源搬送システム200について説明する。
【0019】
イオン照射装置100は、例えば半導体デバイスに用いられるものであり、ここでは、
図1に示すように、イオン源101から引き出されたイオンビームを、質量分離器103と分離スリット104を通過させて所望のイオン種を選別した後、ホルダ105に保持されているウエハWに注入するものである。
【0020】
具体的にこのイオン照射装置100は、装置本体102と、装置本体102に取り付けられたイオン源101とを具備してなり、ここでは、前記装置本体102は、上述した質量分離器103や分離スリット104の他に、いずれも図示しないが、イオンビームを整形するためのレンズやイオンビームの進行方向を補正するステアリングコイルなどから構成されている。
【0021】
前記イオン源101は、所定の取付姿勢で装置本体102(ここでは、質量分離器103側に配置されるとともに、イオンビームの輸送経路を構成する図示しない真空容器の端面)に取り付けられるとともに、リン、ヒ素、ボロン等の所定のイオンを含むリボン状のイオンビームを発生させて装置本体102へ射出するものである。
なお、本実施形態の取付姿勢は、イオン源101を鉛直方向に沿って起立させた姿勢である。
【0022】
具体的にこのイオン源101は、
図2に示すように、内部で発生したイオンビームが引き出される引出し口Oを有する筐体10と、前記引出し口Oの近傍に設けられた複数の電極からなる図示しない引出電極系と、前記筐体10に連結されるとともに前記引出電極系を保持する電極保持部材たる筒体50と、筐体10に抜脱可能に取り付けられる下側ローラ21と、筐体10に抜脱可能に取り付けられるとともに、前記取付姿勢において前記下側ローラ21の上方に位置する上側ローラ22とを具備している。
【0023】
前記筐体10は、熱電子を放出する熱陰極(図示しない)を収容するとともに、内部でプラズマが生成されるプラズマ生成容器としての機能を備えたものである。
これにより、本実施形態では、筐体10内にホスフィン(PH
3)、アルシン(AsH
3)、三フッ化ホウ素(BF
3)等のプロセスガスを導入しながらプラズマを生成することで、上述した所定のイオンを含むイオンビームを発生させ、該イオンビームを前記引出し口Oから射出させる。
【0024】
具体的にこの筐体10は、
図2に示すように、内部空間を有するとともに、取付姿勢において例えば直方体形状等の縦長形状をなすものであり、取付姿勢における側周面11に前記引出し口Oが形成されている。
本実施形態では、前記側周面11のうち、前記筒体50を介して装置本体102に取り付けられる取付面11aに前記引出し口Oが形成されている。この取付面11aには、複数のボルト孔13を有したフランジ部12が形成されている。
【0025】
前記引出電極系は、例えば加速電極、引出電極、抑制電極、接地電極などから構成されており、これらの電極により、イオンビームを加速して所望のエネルギーを有するイオンビームを引き出すことができる。
【0026】
前記筒体50は、上述した複数の電極が内部に設けられるとともに、装置本体102と筐体10との間に配置されたものであり、一端側が装置本体102に連結されるとともに、他端側が筐体10に連結されるように構成されている。
より具体的には、筒体50の一端側フランジ部511に形成されたボルト孔521を介して、筒体50と装置本体102とが図示しないボルトで連結される。また、筒体50の他端側フランジ部512に形成されたボルト孔522と、上述した取付面11aのフランジ部12に形成されたボルト孔13とを連通させて、図示しないボルトによって筒体50と筐体10とが連結される。
【0027】
前記下側ローラ21及び前記上側ローラ22は、各ローラ21、22を転動可能に支持するローラ支持部材Hに固定されており、このローラ支持部材Hを介して前記筐体10に取り付けられるものである。
なお、前記ローラ支持部材Hは、螺子などで取付姿勢における筐体10の側周面11に取り付けられるように構成されている。
【0028】
前記下側ローラ21は、抜脱可能に前記側周面11に取り付けられており、ここでは、一対の下側ローラ21が前記引出し口Oを左右両側から挟むように配置されている。
より具体的に各下側ローラ21は、前記側周面11のうち、前記取付面11aとは異なる面であり、互いに対向する対向面11bそれぞれに取り付けられている。また、各下側ローラ21の取付位置は、いずれも取付姿勢における筐体10の底面11cから等しい高さであり、かつ、前記取付面11aから等しい距離となるように設定されている。
なお、前記各対向面11bは、本実施形態では、前記取付面11aと直交するとともに、互いに平行な面として形成されている。
【0029】
前記上側ローラ22は、抜脱可能に前記側周面11に取り付けられており、ここでは、一対の上側ローラ22が前記引出し口Oを左右両側から挟むように配置されている。
より具体的に各上側ローラ22は、前記対向面11bそれぞれに取り付けられており、その取付位置は、各下側ローラ21から上方に所定距離離間した位置に設定されている。
【0030】
より詳細に本実施形態では、各対向面11bにおける下側ローラ21と上側ローラ22との離間距離が等しく、かつ、各下側ローラ21の離間距離と各上側ローラ22の離間距離とが等しくなるように構成されている。
【0031】
次に、上述したイオン源101を搬送するイオン源搬送システム200について、
図3及び
図4を参照しながら説明する。
【0032】
前記イオン源搬送システム200は、
装置本体102から取り外された状態の起立姿勢でイオン源101を吊り下げる吊下機構40と、前記起立姿勢よりも高さが低い倒伏姿勢でイオン源101を支持する支持台30とを具備してなる。
【0033】
吊下機構40は、装置本体102から取り外されたイオン源101を起立姿勢で吊り下げるとともに、該イオン源101を鉛直方向及び水平方向に動かして、予め準備した支持台30の上方に移動させるものであり、ここでは、例えば天井クレーンを利用したものである。
本実施形態の天井クレーンは、イオン照射装置100の天井に取り付けられるとともにイオン照射装置100の内部に位置しており、イオン源101が配置される場所の上方に設けられている。もちろん、このような構成に代えて装置外部に設けられた天井クレーンを使用してもよい。
【0034】
支持台30は、起立姿勢よりも重心の位置が低い前記倒伏姿勢でイオン源101を支持するとともに、このイオン源101を所定の位置へ搬送するためのものであり、ここでは、
図3に示すように、台車31と、台車31に設けられた一対の水平レール32とを具備している。
【0035】
前記台車31は、枠体311と、枠体311に取り付けられた複数の車輪312とを具備してなる。各車輪312は、枠体311の下面に取り付けられるとともに、例えば装置本体102が配置される床面やイオン源101を搬送するための専用の床面を転動するものである。
本実施形態の台車31には、筐体10から取り外したローラ21、22が取り付けられるとともに、これらのローラ21、22を保持する複数のローラ保持部313が設けられている。
なお、本実施形態では、筐体10に設けられたローラ21、22と同数のローラ保持部313が設けられており、各ローラ保持部313は、ローラ支持部材Hが螺子止めされるように構成されている。
【0036】
前記一対の水平レール32は、枠体311の上面に設けられており、水平方向に沿って互いに平行に延びるものである。
より具体的には、各水平レール32の離間距離は、一対の下側ローラ21の離間距離及び一対の上側ローラ22の離間距離と等しく、各水平レール32の長さは、下側ローラ21と上側ローラ22との離間距離よりも長くなるように設定されている。
【0037】
本実施形態では、前記水平レール32の一端部32a及び他端部32bそれぞれに下側ローラ21及び上側ローラ22が水平レール32から転落することを防ぐストッパ321が設けられている。
【0038】
前記ストッパ321は、水平レール32の各端部32a、32bにおいて外側に向かって斜め上向きに傾斜するストッパ面322を有しており、ここでは、前記ストッパ面322が、下方に湾曲した湾曲面として形成されている。
【0039】
続いて、
図4を参照しながら、上述したイオン源搬送システム200の動作を説明する。
【0040】
始めに、装置本体102から取り外されたイオン源101を所望の位置に搬送する動作を説明する。
なお、イオン源101の取り外しは、例えばユーザが、装置本体102と筒体50とを連結しているボルトを抜くことにより行われ、ここでは、筐体10と筒体50とが一体的に装置本体102から取り外される。
【0041】
まず、吊下機構40は、装置本体102から取り外されたイオン源101を起立姿勢で吊り下げる。
このとき、イオン源101を重心又はその近傍の上方から吊り下げることで、イオン源101は鉛直方向に起立した姿勢又はその姿勢からやや傾いた姿勢となる。
より具体的に本実施形態の吊下機構40は、筐体10の上面におけるイオン源101の重心よりも後ろ側にワイヤ等を取り付けて、該イオン源101を吊り下げるようにしており、これにより、イオン源101は鉛直方向に起立した姿勢よりもやや前傾姿勢となる。
【0042】
次に、前記吊下機構40は、イオン源101を起立姿勢で吊り下げたまま、所定角度旋回させるとともに、必要に応じて鉛直方向及び水平方向に動かして、予め準備した支持台30の上方に移動させる。
より詳細には、前記吊下機構40は、支持台30に設けられた水平レール32の例えば一端部32a側の上方に、各下側ローラ21が位置するように、イオン源101を移動させる(
図4(a))。
【0043】
続いて、前記吊下機構40は、起立姿勢を保ったままイオン源101を下降させ、各下側ローラ21を水平レール32に載置する(
図4(b))。
この状態において、各下側ローラ21は、水平方向においてイオン源101の重心よりも後方(引出し口Oと反対側)に位置しており、各上側ローラ22は、水平方向においてイオン源101の重心よりも前方(引出し口O側)に位置している。
【0044】
各下側ローラ21が水平レール32に載置されたあと、前記吊下機構40は、イオン源101をさらに下降させる。これにより、各下側ローラ21は水平レール32上を一端部32aから他端部32bに向かって転動し、これに伴って、各上側ローラ22は水平レール32に近づき、イオン源101は起立姿勢から徐々に傾き始める(
図4(c))。
このとき、筐体10に形成された引出し口Oが、徐々に下方を向くように、例えば、イオン源101の下部に水平レール32の一端部32aから他端部32bに向かう力を与えても良い。
なお、各ローラ21、22と水平レール32との接触面は平坦であっても良いし、湾曲していても良い。
【0045】
そして、各上側ローラ22が水平レール32に載置されると、下側ローラ21及び上側ローラ22の双方が水平レール32に載置された状態となり、これにより、イオン源101は倒伏姿勢となる(
図4(d))。
本実施形態では、前記倒伏姿勢において、下側ローラ21及び上側ローラ22が、引出し口Oよりも上方に位置するとともに、引出し口Oが下方を向いた状態となる。
【0046】
この倒伏姿勢のまま、例えば、ユーザが台車31を移動させることで、イオン源101を安定な状態で所望の位置に搬送させることができる。
【0047】
続いて、イオン源101を所定位置から例えば装置本体102の近傍に搬送して、装置本体102に取り付ける場合を説明する。
【0048】
まず、吊下機構40は、倒伏姿勢で支持台30に支持されているイオン源101を持ち上げる。
これにより、各上側ローラ22が、水平レール32から離間するとともに、各下側ローラ21が、水平レール32上を他端部32bから一端部32aに向かって転動する。
【0049】
この状態から、前記吊下機構40は、イオン源101をさらに持ち上げる。これにより、各下側ローラ21が水平レール32から離間して、イオン源101は起立姿勢になる。
【0050】
この起立姿勢のまま、前記吊下機構40は、イオン源101を鉛直方向及び水平方向に動かして、装置本体102の近傍に移動させ、必要に応じて所定角度旋回させて、装置本体102に近接させる。
【0051】
そして、例えば、ユーザが、装置本体102と筒体50とをボルトにより連結することにより、イオン源101は所定の取付姿勢で装置本体102に取り付けられる。
【0052】
このように構成された本実施形態に係るイオン源101であれば、取付姿勢よりも高さが低い倒伏姿勢で支持台30に支持されているので、この倒伏姿勢を保ったまま支持台30を移動させることで、重心の位置が低く安定な状態でイオン源を搬送することができる。
【0053】
また、イオン源101は、起立姿勢のまま水平レール32に下ろすことで倒伏姿勢になり、倒伏姿勢で支持台に支持されている状態から持ち上げることで起立姿勢になるので、必要に応じてイオン源101を簡単かつ確実に倒伏姿勢又は起立姿勢にすることができる。
【0054】
さらに、倒伏姿勢において、引出し口Oが下方を向くので、倒伏姿勢にすることで、粉塵等が引出し口Oから筐体10内に入りにくくなり、筐体10内を汚れにくくすることができる。また、倒伏姿勢において、下側ローラ21及び上側ローラ22が引出し口Oよりも上方に位置するので、支持台30に支持されているイオン源101の重心を確実に低くすることができる。
【0055】
ここで、ローラ21、22を支持するローラ支持部材Hが導電性を有する場合、このローラ支持部材Hに放電が発生してイオン源101の故障を招く恐れがある。このことから、イオン源101を稼働する際には、ローラ支持部材Hは各ローラ21、22とともに筐体10から取り外される。
また、イオン源101を装置本体102に取り付けた状態において、イオン源101の周囲には永久磁石や永久磁石を冷却するための冷媒流路などの多くの部材が配置されている。このことからも、イオン源101を装置本体102に取り付けたあとは、各ローラ21、22は邪魔にならないように筐体10から取り外されることが好ましい。
このように、イオン源101の稼働時には、各ローラ21、22が筐体10から取り外されることがあるところ、本実施形態では、支持台30がローラ保持部313を有しているので、筐体10から取り外したローラ21、22をローラ保持部313に保持させておくことができ、ローラ21、22の紛失を防止することができる。
【0056】
さらに加えて、水平レール32の両端部32a、bにストッパ321が設けられているので、搬送時にイオン源101が水平レール32から脱落することを防ぐことができる。
また、ストッパ321のストッパ面322が、湾曲した形状をなしているので、仮に下側ローラ21を水平レール32の一端部32a又は他端部32bに下ろしたとしても、下側ローラ21は水平レール32から脱落することなく、スムーズに水平レール32上に導かれる。
さらに、仮にイオン源101を鉛直方向に起立した姿勢で吊り下げた場合であっても、ストッパ321のストッパ面322が湾曲面であることを利用して、この湾曲面に下側ローラ21を載置させることにより、引出し口Oが下方を向くようにイオン源101を倒伏させることができる。
【0057】
そのうえ、引出電極系を構成する複数の電極を保持する筒体50が筐体10に連結されているので、イオン源101を装置本体102から取り外す際は、筐体10と引出電極系とを一挙に取り外すことができ、イオン源101を装置本体102に取り付ける際は、筐体10と引出電極系とを一挙に取り付けることができる。これにより、イオン源101の着脱時の作業性を向上させることができる。
【0058】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0059】
例えば、前記実施形態では、下側ローラ及び上側ローラが、対向面に設けられていたが、取付面や、取付面と反対側の背面に設けられていても良い。
さらには、下側ローラは、起立姿勢における筐体の底面に設けられていても良いし、上側ローラは、起立姿勢における筐体の上面に設けられていても良い。
加えて、下側ローラ及び上側ローラは、引出電極系を保持する筒体に設けられていても良い。例えば、ローラ支持部材を筒体に直接取り付ける、或いは、筒体に取り付けられた部材にローラ支持部材を取り付けるようにして、筒体に下側ローラ及び上側ローラを設けるようにしても良い。この場合、各ローラは、降伏姿勢において、引出し口とほぼ同じ高さに位置する。
【0060】
また、前記実施形態では、倒伏姿勢において、引出し口が下方を向くようにしていたが、引出し口が上方を向くようにしても良い。
さらに、倒伏姿勢において、引出し口が左右方向又は前後方向を向くようにしても良い。この場合の具体的実施態様としては、一対の下側ローラ及び一対の上側ローラが取付面と背面とに設けられている構成が挙げられる。
【0061】
イオン源を取り外す際は、前記実施形態では、装置本体から筐体と筒体とを一体的に取り外していたが、筐体と筒体とを別々に取り外すようにしても良い。この場合、筐体と筒体との各々に下側ローラ及び上側ローラが取り付けられるように構成されていることが好ましい。
【0062】
また、吊下機構は、例えば、2台以上の天井クレーンを利用してイオン源を吊り下げるようにしても良い。さらに、ワイヤをセパレータ等で複数に分けて、これらのワイヤをイオン源に取り付けるようにしても良い。
このようにすることで、吊り下げられたイオン源をより安定して動かすことができる。
【0063】
加えて、前記実施形態では、筐体にワイヤを取り付けていたが、上側ローラを支持する各ローラ支持部材にワイヤを取り付けるようにしても良い。
例えば、2台の天井クレーンを利用して、上側ローラを支持する各ローラ支持部材に各クレーンのワイヤを取り付けるようにしておく。このようにすることで、筐体の上面にワイヤを取り付ける場合と比較して、吊上げ代を十分に確保することが可能となる。
【0064】
なお、前記実施形態では、請求項でいう支持面が、水平レール上に形成されていたが、支持面を装置本体が配置される床面としても良い。例えば、筐体10と筒体50とを一挙に取り外す場合、各ローラ21、22が固定されるローラ支持部材Hの端部が、筒体50のフランジ部511よりも装置本体側に突出した構成となる。具体例を挙げると、ローラ支持部材Hはクランク状に屈曲した部材で構成されていて、一端部が筐体10に取り付けられているとともに、各ローラ21、22が固定される他端部が筒体50のフランジ部511よりも装置本体側に突出している。
また、台車31に一対の水平レール32を設ける代わりに、支持面をなす別の部材(例えば、平板等)を設けるようにしても良い。
さらに、請求項でいう支持面は、必ずしも水平である必要はなく、やや傾いた面であっても構わない。これにより、イオン源を鉛直方向に起立した姿勢で吊り下げた場合であっても、引出し口が下方を向くようにイオン源を倒伏させることができる。
【0065】
また、前記実施形態では一対の下側ローラと一対の上側ローラが設けられていたが、ローラの個数はこれに限られない。例えば、上下のローラの中間位置に一対の中間ローラを設けるようにしても良い。
【0066】
さらに、前記実施形態では筒体が引出電極系を構成する全ての電極を保持する構成としたが、筐体が引出電極系を構成する電極の一部を保持する構成としても良い。また、筐体と筒体とを一体の部材で構成しても良い。
なお、電極を保持する電極保持部材の形状は筒体に限られず、種々変更可能である。
【0067】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。