特許第6573166号(P6573166)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573166
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/225 20060101AFI20190902BHJP
   G03B 15/00 20060101ALI20190902BHJP
   G03B 17/02 20060101ALI20190902BHJP
   G03B 17/56 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
   H04N5/225 430
   H04N5/225 100
   G03B15/00 U
   G03B17/02
   G03B17/56 A
   G03B17/56 H
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-211282(P2015-211282)
(22)【出願日】2015年10月27日
(65)【公開番号】特開2017-85325(P2017-85325A)
(43)【公開日】2017年5月18日
【審査請求日】2018年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和田 穣二
(72)【発明者】
【氏名】浦島 良仁
【審査官】 大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−203950(JP,A)
【文献】 特開2002−099040(JP,A)
【文献】 特開2003−274235(JP,A)
【文献】 特開2009−010906(JP,A)
【文献】 特開2009−244388(JP,A)
【文献】 特開2011−142575(JP,A)
【文献】 特開2015−111024(JP,A)
【文献】 特開2015−043555(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3129770(JP,U)
【文献】 国際公開第2014/168122(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0013729(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第2014−0131138(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222− 5/257
G03B 15/00 −15/035
G03B 15/06 −15/16
G03B 17/02
G03B 17/22
G03B 17/56 −17/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと、
前記カメラが固定され前記カメラの撮像方向に向かって開放する筐体と、
前記筐体の開放部を覆いカメラ収容室を密閉する透明カバーと、
前記筐体内に配置される第1の吸放熱部と前記筐体外に配置される第2の吸放熱部とを有する熱交換装置と、
を備え、
前記熱交換装置は、前記第1の吸放熱部により前記カメラ収容室内から吸熱して、前記透明カバーの外表面を露点以下に冷却する、撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置であって、更に、
ダクトを備え、
前記熱交換装置は、前記透明カバーの鉛直方向上端よりも上方に配置され、
前記ダクトは、
基端が前記熱交換装置の近傍に開口して、熱交換された冷気を取り込み、
先端が前記透明カバーの内表面に対向して開口し、
前記冷気を前記透明カバーの内表面に搬送する、撮像装置。
【請求項3】
請求項2に記載の撮像装置であって、更に、
コントローラの制御により、前記熱交換装置により熱交換された空気を前記ダクトの前記先端に搬送する送風機を備える、撮像装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像装置であって、更に、
外部の温湿度を検出する温湿度センサを備え、
前記熱交換装置は、コントローラの制御により、前記温湿度センサの検出値が所定値以上である場合に、前記第1の吸放熱部により前記カメラ収容室から吸熱する、撮像装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像装置であって、更に、
降水の有無を検出する降雨センサを備え、
前記熱交換装置は、コントローラの制御により、前記降雨センサが降雨を検出した場合に、前記第1の吸放熱部により前記カメラ収容室から吸熱する、撮像装置。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像装置であって、
前記熱交換装置は、コントローラの制御により、前記カメラにより画像が撮像されない非撮像期間に、前記第1の吸放熱部により前記カメラ収容室から吸熱する、撮像装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の撮像装置であって、
前記熱交換装置は、コントローラの制御により、前記第1の吸放熱部により前記筐体内で吸熱した後、前記第1の吸放熱部により前記筐体内で放熱する、撮像装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の撮像装置であって、更に、
前記カメラ収容室の内部の水蒸気を、前記カメラ収容室の外部に放出する除湿装置を備える撮像装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の撮像装置であって、
前記透明カバーが、半球外殻を有するドームカバーである、撮像装置。
【請求項10】
請求項2または3に記載の撮像装置であって、
前記カメラは、パン回転中心を中心にパン回転自在に、又は、チルト回転中心を中心にチルト回転自在に、前記筐体に支持され、
可撓性を有する前記ダクトの先端が、前記カメラの光軸に沿う方向に向けられて、前記カメラと一体回転可能に固定された、撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
屋外に設置される撮像装置は、雨天時にカメラの前方を覆うカメラカバーに水滴が付いて撮影画像が劣化することがある。従来、カメラカバーの表面に撥水コートや親水コート処理をすることにより水滴を除去する以下の光学ユニットが提案されている(特許文献1参照)。この光学ユニットは、レンズ部の表面に撥水性を持たせ、レンズ部の周囲に形成された押え冠である非レンズ部の表面に親水性を持たせる。これにより、光学ユニットは、レンズ部の表面にある水滴が非レンズ部に接した場合に、撥水性のあるレンズ部の表面から親水性のある非レンズ部の表面に水滴を誘導する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−148276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、撮像装置のカメラカバーの外表面には空気中の塵埃が付着することがある。特許文献1に記載された光学ユニットが取り付けられた撮像装置では、カメラカバーの外表面に塵や埃などの汚れが付着した場合には、撮像画像の画質の劣化を抑制することが困難である。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、カメラカバーの外表面に付着した汚れを低減し、画質の低下を抑制できる撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の撮像装置は、カメラと、カメラが固定されカメラの撮像方向に向かって開放する筐体と、筐体の開放部を覆いカメラ収容室を密閉する透明カバーと、筐体内に配置される第1の吸放熱部と筐体外に配置される第2の吸放熱部とを有する熱交換装置と、を備える。熱交換装置は、第1の吸放熱部によりカメラ収容室内から吸熱して、透明カバーの外表面を露点以下に冷却する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、カメラカバーの外表面に付着した汚れを低減し、画質の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態に係る監視カメラの縦断面図
図2図1に示した監視カメラの構成例を示すブロック図
図3】比較例に係る汚れ除去方法を表す監視カメラの側面図
図4】変形例に係る監視カメラの斜視図
図5図4に示した監視カメラの縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。尚、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0010】
以下の実施形態では、撮像装置として監視カメラを例示して説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
[構成等]
図1は、第1の実施形態に係る監視カメラ11の縦断面図である。
【0012】
監視カメラ11は、筐体13と、カメラ15と、透明カバーと、熱交換装置17と、を有する。
【0013】
筐体13は、下面が円形で開放し、鉛直方向上方に向かって徐々に小径となるカバー19を外殻として有する。カバー19の上端は、支柱等に固定される取付筒21となる。取付筒21には、支柱等から電源線や信号線が引き込まれる。カバー19の内部には、カメラ15が収容される。カバー19の下面の開放部23は、カメラ15の撮像方向に向かって開放する。カバー19は、開放部23よりも奥側(鉛直方向上側)に、水平方向のカメラ支持台25が固定される。
【0014】
監視カメラ11は、カメラ15が、パン回転中心Pcを中心にパン回転自在となる。また、カメラ15は、パン回転中心Pcに直角に交差するチルト回転中心Tcを中心にチルト回転自在に支持される。即ち、カメラ支持台25には、ころがり軸受27(例えばアンギュラ軸受)の外輪29が固定される。外輪29は、転動体を介して内輪31を回転自在に支持する。内輪31は、鉛直方向下方への抜けが規制されている。内輪31の下端には、カメラブラケット33が固定される。
【0015】
カメラブラケット33は、カメラ支持台25に対してパン回転中心Pcを中心に回転自在に支持される。カメラ支持台25には、チルト軸35が回転自在に支持される。このチルト軸35には、カメラ15が固定される。つまり、カメラ15は、チルト回転中心Tcを中心にチルト回転自在となって、カメラブラケット33(筐体側)に支持される。
【0016】
カメラブラケット33には、パンモータ37が固定される。パンモータ37の駆動軸にはパンウォーム39が固定される。パンウォーム39は、パンシャフト41の一端に固定されたパンウォームホイール(図示略)に噛合する。パンシャフト41の他端にはパン歯車(不図示)が固定される。このパン歯車は、外輪29の外周に固定されたリング歯車43に噛合する。
【0017】
これにより、パンモータ37が駆動されると、パンウォーム39に噛合するパンウォームホイールによってパンシャフト41が回転する。パンシャフト41のパン歯車は、パンシャフト41の回転によりカメラ支持台25に固定されるリング歯車43の外周を公転する。これにより、カメラブラケット33が、カメラ支持台25に対してパン回転する。
【0018】
また、カメラブラケット33には、チルトモータ45が固定される。チルトモータ45の駆動軸にはチルトウォーム47が固定される。チルトウォーム47は、チルトシャフト49の一端に固定されたチルトホイール51に噛合する。チルトシャフト49の他端にはチルト歯車53が固定される。
【0019】
チルト歯車53は、チルト軸外周歯車55に噛合する。これにより、チルトウォーム47が駆動されると、チルトウォーム47に噛合するチルトホイール51によってチルトシャフト49が回転する。チルトシャフト49のチルト歯車53は、チルトシャフト49の回転によりチルト軸外周歯車55を回転する。これにより、カメラ15が、カメラブラケット33に対してチルト回転する。
【0020】
カメラ15は、イメージセンサ(不図示)やレンズ57を含む撮像ユニットを有する。イメージセンサは、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を含む。イメージセンサには、レンズ57を介して撮像光が入射する。カメラ15は、レンズ57の光軸Ocが、例えば、開放部23の開放方向前方に向かって(図1の下方向に)向けられる。
【0021】
筐体13の開放部23には、透明カバーが設けられる。透明カバーは、例えばドームカバー59であり、カメラ15の前方(撮像方向)を覆うカメラカバーである。ドームカバー59は、例えば、半球外殻と、半球外殻の開口周縁に同一半径で接続する円筒と、を含む。円筒は、半球外殻と反対側に、カバー19に固定されるフランジ61を有する。ドームカバー59は、開放部23を覆いカメラ収容室63を密閉する。
【0022】
ドームカバー59は、成形性及び透明性に優れた樹脂材料を基板材料として用いる。上記樹脂材料には、有機系樹脂材料や無機系樹脂材料がある。例えば、半球外殻の基板材料に、ポリカーボネートなどの有機系樹脂材料が用いられる。ポリカーボネートは、硬く衝撃に強いため好適である。また、アクリルなど透明性の良好な樹脂も使用可能である。
【0023】
熱交換装置17は、吸熱と放熱とが逆転可能な一対の吸放熱部を有する。熱交換装置17では、一方の吸放熱部(第1の吸放熱部の一例)が筐体13内に配置され、他方の吸放熱部(第2の吸放熱部の一例)が筐体13外に配置される。
【0024】
例えば、ドームカバー59の外表面に結露を発生させる場合、一方の吸放熱部が吸熱し、つまりカメラ収容室63内から吸熱し、他方の吸放熱部が放熱する、つまりカメラ収容室63外へ放熱する。これにより、熱交換装置17は、ドームカバー59の外表面を露点以下に冷却する。
【0025】
熱交換装置17は、その要部に例えばペルチェ素子68が用いられる。ペルチェ素子68は、PN接合部に電流を流すと、NP接合部分では吸熱現象が、PN接合部分では放熱現象が発生する。ペルチェ素子68に電気が流れることで、熱を吸熱側から放熱側へ輸送する。
【0026】
一対の吸放熱部は、室内側吸放熱部65(第1の吸放熱部の一例)と、外側吸放熱部67(第2の吸放熱部の一例)と、を含む。室内側吸放熱部65は、カメラ収容室63の内側に露出する。外側吸放熱部67は、カメラ収容室63の外側に露出する。室内側吸放熱部65及び外側吸放熱部67には、それぞれフィン69が設けられている。フィン69により、空気との熱伝達効率が向上する。室内側吸放熱部65は、フィン69がチャンバ71によって覆われる。
【0027】
カメラ収容室63には、ダクト73が設けられる。ペルチェ素子68は、室内側吸放熱部65がドームカバー59の鉛直方向上端よりも上方に配置される。ダクト73は、基端が室内側吸放熱部65の近傍に開口し、熱交換された空気(例えば冷気)を取り込む。ダクト73は、先端がドームカバー59の内表面(例えば内表面の鉛直方向上端)に開口して、冷気等をドームカバー59の内表面に搬送する。
【0028】
ダクト73は、例えば、可撓性を有する素材(軟質ビニール、ゴム、シリコンゴム等)によって、チューブ状に形成される。ダクト73の基端は、チャンバ71に接続され、上記の内輪31と同軸に回転する筒状のパン軸75に挿通される。パン軸75を貫通したダクト73は、先端がレンズ57の近傍に配置される。ダクト73の先端は、レンズ57の近傍のカメラ筐体に固定された吹出口77に接続される。
【0029】
吹出口77は、例えば矩形状の吹出開口を有する。吹出口77は、吹出開口の長手方向の基端にダクト73の先端が接続される。吹出口77は、吹出開口からの冷気又は暖気が、長手方向均等な速度で吹き出されるように、ダクト73の基端側と反対の先端側に向かって流路断面が徐々に絞られている。従って、吹出口77は、吹出開口から奥壁までの光軸Ocに沿う距離が、ダクト73の接続される基端側から、反対側の先端に向かって徐々に短くなっている。
【0030】
吹出口77は、カメラ15の光軸Ocに沿う方向に向けられる。カメラ15は、パン回転中心Pc、チルト回転中心Tcによって回転する。吹出口77は、カメラ15と一体回転可能となってカメラ筐体に固定される。尚、吹出口77は、光軸Ocに対し、鉛直方向上側の吹き出し範囲が広く確保されていることが好ましい。
【0031】
本実施形態では、例えば矩形状に形成される吹出口77の基端(鉛直方向上端)にダクト73が接続されることで、吹出口77の基端で風速が若干早くなる。その結果、吹出口77は、基端での風量が増え、鉛直方向上側の吹き出し範囲が広く確保可能となる。
【0032】
これにより、監視画像の中央に汚れが存在する場合、汚れの上側に、流下する洗浄のための水を多く結露させることができる。そして、結露の水滴は、重力により流下し、監視範囲にある汚れを低減し易くなる。
【0033】
また、監視カメラ11は、熱交換装置17により熱交換された直後の空気を、ダクト73の先端に搬送する送風機79を備えてもよい。送風機79は、例えば、チャンバ71におけるダクト73の基端と反対側に設けられる。この場合、カメラ収容室63内から吸気した空気をフィン69に当てて、ダクト73に押し込むことができる。尚、送風機79は、フィン69とダクト73との間に設け、フィン69側の空気を吸引してダクト73に押し込むこととしてもよい。
【0034】
尚、監視カメラ11は、ダクト73を設け、送風機79を省略してもよい。この場合、冷気は、ダクト73によって内表面の所定位置に流下する。流下した冷気は、自然対流によって再び室内側吸放熱部65に戻される。
【0035】
図2は、図1に示した監視カメラ11の一部の構成例を示すブロック図である。
【0036】
監視カメラ11は、カメラコントローラ81と、コントローラ83と、パン・チルトコントローラ85と、ファンコントローラ87と、タイマ89と、温湿度センサ91と、降雨センサ93と、を有する。
【0037】
カメラコントローラ81は、カメラ15の動作を制御する。また、カメラコントローラ81は、コントローラ83からの検出信号の受け取り、コントローラ83へ制御信号を送る。
【0038】
コントローラ83は、例えばCPU(Central Processing Unit)を備える。また、コントローラ83は、各種データ、プログラム等を記憶するメモリを内蔵し、又は上記メモリに接続されてもよい。メモリには、例えば、露点を求める温度テーブル、湿度テーブルの数値、動作手順のプログラム等が格納される。コントローラ83は、CPUがメモリに保持されたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。このことは、他のコントローラについても同様である。
【0039】
パン・チルトコントローラ85は、コントローラ83からの例えば撮像方向の制御信号に基づき、パンモータ37及びチルトモータ45の駆動開始及び駆動停止を行う。パン・チルトコントローラ85は、パンモータ37及びチルトモータ45の回転量等の駆動情報をコントローラ83へ送信可能とする。
【0040】
ファンコントローラ87は、コントローラ83からの駆動制御信号に基づき、送風機79の駆動開始及び駆動停止を行う。
【0041】
タイマ89は、監視開始時刻や監視終了時刻の検出信号をコントローラ83へ送出する。コントローラ83は、タイマ89からの監視開始時刻や監視終了時刻の検出信号を参照し、例えば、カメラ15の作動時間以外に熱交換装置17を動作させる。カメラ15の作動時間とは、例えば、カメラ15が画像を撮像する撮像期間を指す。また、タイマ89は、熱交換装置17の運転経過時間をカウントしてもよい。
【0042】
温湿度センサ91は、外部(監視カメラ11の外)の温湿度(温度及び湿度)を検出する。コントローラ83は、温湿度センサ91の検出値に応じ、熱交換装置17の動作を制御する。例えば、コントローラ83は、温湿度センサ91の検出値が所定値以上(所定湿度以上)である場合、熱交換装置17を動作させてもよい。
【0043】
降雨センサ93は、降水の有無を検出する。コントローラ83は、降雨センサ93の検出値に応じ、熱交換装置17の動作を制御する。即ち、コントローラ83は、降雨センサ93からの降雨を検出した旨を含む降雨検出信号を受信した場合に、熱交換装置17が動作前であれば、動作の開始を中止する。また、この場合に、熱交換装置17が動作中であれば、コントローラ83は、熱交換装置17の動作を停止させる。
【0044】
コントローラ83は、室内側吸放熱部65による吸熱動作の終了直後に、外側吸放熱部67に放熱動作させてもよい。つまり、室内側吸放熱部65が吸熱し、外側吸放熱部67が放熱した後に、室内側吸放熱部65が放熱し、外側吸放熱部67が吸熱してもよい。
【0045】
また、監視カメラ11は、除湿装置95を備えてもよい。除湿装置95は、除湿素子を有する。除湿素子は、例えば、特殊固体高分子電解質膜に多孔質の電極を取付けた除湿素子の両端に、直流電圧を印加する。すると、陽極側(除湿側)の湿気は、除湿素子の表面で水素イオン(H+)と酸素とに解離される。水素イオンは、固体高分子電解質膜中を移動し、陰極側(放湿側)に達する。陰極側で水素イオンは、空気中の酸素と反応し、水分子(気体)となり放出される。
【0046】
よって、除湿装置95は、カメラ収容室63の内部の水蒸気を電気分解し、カメラ収容室63の外部に放出する。これにより、カメラ収容室63の内部の湿度を下げ、カメラ収容室63の内部で冷気による結露を発生し難くできる。
【0047】
[作用等]
次に、上記した構成の作用を説明する。
【0048】
図3は、比較例に係る汚れ除去方法を表す監視カメラの側面図である。
【0049】
本実施形態に係る監視カメラ11は、熱交換装置17が作動され、カメラ収容室63の空気が冷やされる。ドームカバー59の外表面が露点以下になると、この外表面に結露が生じる。結露による水が増えると、水滴となり、水滴が重力によってドームカバー59の外表面を流下する。これにより、外表面に付着していた汚れが洗い流される。汚れは、例えば、塵や埃を含む。
【0050】
ワイパを設けることが困難なドームカバー型の監視カメラでは、図3に示すように、放水器97などによるジェット水流99で、ドームカバー59の洗浄が行われることがある。しかし、放水器97の準備等、作業が煩雑であり、吸水口を確保できない場合もある。
【0051】
これに対し、監視カメラ11によれば、放水器97等の洗浄用の道具を不要とし、空気中の水蒸気を利用するので、吸水も不要となる。これにより、監視カメラ11は、簡便に、ドームカバー59の外表面に付着した汚れを低減し、監視画像の画質低下を抑制できる。
【0052】
また、監視カメラ11では、送風機79が設けられない場合、室内側吸放熱部65が吸熱部として駆動され、低温となると、室内側吸放熱部65の近傍の空気が熱交換によって冷やされる。冷やされた空気(冷気)は、ダクト73の基端に流入する。基端に流入した冷気は、ダクト73内を流下し、先端からドームカバー59の内表面に送出される。内表面に当たった冷気は、内表面から熱を奪ってドームカバー59の外表面を露点まで冷やす。一方、内表面から熱を奪った冷気は、温度が高くなり、上昇気流となる。即ち、カメラ収容室63には、自然対流が生じる。自然対流により、温度が高くなった冷気が、室内側吸放熱部65の近傍に戻る。
【0053】
また、監視カメラ11では、送風機79が設けられる場合、送風機79が駆動されると、室内側吸放熱部65の近傍で冷やされた空気(冷気)は、送風機79によってダクト73の基端から先端へ流れ、先端からドームカバー59へ吹き付けられる。内表面に吹き付けられた冷気は、内表面から熱を奪ってドームカバー59の外表面を露点まで冷やす。
【0054】
これにより、冷気が効率良くドームカバー59の内表面に達し、温度が高くなった多くの冷気が自然対流により室内側吸放熱部に戻る。従って、熱交換装置17を通過する空気量が増え、内表面の冷却能力が増大する。
【0055】
また、監視カメラ11は、ドームカバー59の全体を冷却することで、又はダクト73の吹出口77の向きをドームカバー59における任意の領域に変更することで、ドームカバー59の外表面の全域を水滴によって洗浄できる。例えば、ドームカバー59の内表面の上端に吹出口77が向いた状態として冷気を吹き付けることで、ドームカバー59の上端に発生させ、重力によりドームカバー59の全域を洗浄できる。また、ドームカバー59の全体を冷却する場合には、熱交換装置17の代わりに、冷風出力機能の高い冷風装置を設けてもよい。
【0056】
また、監視カメラ11は、ワイパの設置が困難なドームカバー59を設けていても、空気中の水蒸気を利用した洗浄の効果を得ることが可能となる。
【0057】
また、監視カメラ11は、カメラ15の監視方向変更用の駆動機構を利用し、冷気や暖気をドームカバー59の所望の部分(汚れの付着している部分や洗浄水の残っている部分)に当てて、洗浄、乾燥を効率的(短時間)に実施できる。
【0058】
また、監視カメラ11は、温湿度センサ91の検出値により、ドームカバー59の外表面に結露が発生しやすいタイミングを認識する。これにより、監視カメラ11は、熱交換装置17の効果的な運転(結露水生成運転)が可能となる。
【0059】
また、監視カメラ11は、降雨センサ93の検出値により、降水有りと判定されると(透明カバーの外表面への雨水の付着ありと判定すると)、熱交換装置17の結露水生成運転を行う。これにより、監視カメラ11は、結露が発生し易いタイミングで熱交換装置17を作動でき、運転効率を向上できる。
【0060】
また、監視カメラ11は、コントローラ83が、タイマ89を参照して、カメラ15の作動時間外、つまり画像を撮像しない非撮像期間であると判定すると、熱交換装置17を作動させる。これにより、監視カメラ11は、カメラ15による監視運転時に、ドームカバー59が冷やされることにより、ドームカバー59が曇り、監視画像の画質が低下することを抑制できる。
【0061】
このように、監視カメラ11は、各種センサやタイマを設けて、結露を用いてドームカバー59の外表面の洗浄に相応しい状態であるかを判定し、相応しい状態である場合に、ドームカバー59の内表面を冷却してもよい。
【0062】
また、監視カメラ11では、室内側吸放熱部65の吸熱により結露したドームカバー59の外表面が、室内側吸放熱部65が逆転運転された放熱動作により、例えばダクト73を介して加熱される。これにより、ドームカバー59の外表面に付着した水の蒸発が促進され、水の付着していない透明度の高いドームカバー59となる。
【0063】
また、カメラ収容室63内の過度な冷却によりドームカバー59の内表面に結露が発生することも考えられるが、上記の放熱動作により、ドームカバー59の内表面での結露が抑制される。これにより、監視カメラ11内の週用部品(レンズ57、カメラ15、制御基板、基板実装部品、電動モータ等)の故障を抑制できる。
【0064】
また、監視カメラ11では、カメラ収容室63内の水蒸気が除湿装置95によって外部へ排出されることで、ドームカバー59の内表面への結露や収容部品(レンズ57、カメラ15、制御基板、基板実装部品、電動モータ等)への結露が抑制される。
【0065】
[変形例]
次に、監視カメラ11の変形例について説明する。
【0066】
図4は、変形例に係る監視カメラ101の斜視図である。監視カメラ101は、筐体103が直方体で形成される。筐体103の長手方向の一端面には、開放部23を覆う透明カバー(前面ガラス105)が設けられている。筐体103には、ワイパ107が設けられる。ワイパ107は、駆動部109のワイパーモータ111によって往復回転されるブレード113により、前面ガラス105の外表面を拭く。
【0067】
図5は、図4に示した監視カメラ101の縦断面図である。
【0068】
筐体103には、上記同様の熱交換装置17が設けられる。熱交換装置17の室内側吸放熱部65は、チャンバ71によって覆われる。チャンバ71には、ダクト73の基端が接続される。ダクト73と反対側のチャンバ71には、送風機79が設けられる。この場合、ダクト73は、固定ダクトとしてもよく、可撓性を有しなくてもよい。
【0069】
監視カメラ101では、熱交換装置17及び送風機79が駆動されると、前面ガラス105の内表面が冷やされる。これにより、外部の水蒸気を利用して、前面ガラス105の外表面に結露が生じる。結露によって生じた水や水滴は、ワイパ107によって拭き取られる。
【0070】
監視カメラ101によれば、吸水を確保せずに、前面ガラス105に傷をつけないようにして、ワイパ107を使用できる。
【0071】
従って、監視カメラ11,101によれば、透明カバーの外表面に付着した汚れを除去又は軽減し、カメラ15により撮像された画像の画質の低下を解消又は抑制できる。
【0072】
(他の実施形態)
以上のように、本開示における技術の例示として、第1の実施形態を説明した。しかし、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用できる。
【0073】
第1の実施形態では、ダクト73が、熱交換装置17により冷却された空気を取り込み、ドームカバー59の内表面へ送出することを例示したが、ダクト73が省略されてもよい。この場合でも、ドームカバー59よりも鉛直方向上側に配置された熱交換装置17により冷却された空気は、自然対流によりドームカバー59の内表面に達し、ドームカバー60の外表面に結露を発生できる。これにより、監視カメラ11は、ドームカバー59の外表面に付着した汚れを容易に低減し、監視画像の画質低下を抑制できる。
【0074】
第1の実施形態では、プロセッサ(各種コントローラ)は、物理的にどのように構成してもよい。また、プログラム可能なプロセッサを用いれば、プログラムの変更により処理内容を変更できるので、プロセッサの設計の自由度を高めることができる。プロセッサは、1つの半導体チップで構成してもよいし、物理的に複数の半導体チップで構成してもよい。複数の半導体チップで構成する場合、第1の実施形態の各制御をそれぞれ別の半導体チップで実現してもよい。この場合、それらの複数の半導体チップで1つのプロセッサを構成すると考えることができる。また、プロセッサは、半導体チップと別の機能を有する部材(コンデンサ等)で構成してもよい。また、プロセッサが有する機能とそれ以外の機能とを実現するように、1つの半導体チップを構成してもよい。また、複数のプロセッサが1つのプロセッサで構成されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本開示は、カメラカバーの外表面に付着した汚れを低減し、画質の低下を抑制できる撮像装置等に有用である。
【符号の説明】
【0076】
11 監視カメラ
13 筐体
15 カメラ
17 熱交換装置
23 開放部
59 ドームカバー
63 カメラ収容室
65 室内側吸放熱部
67 外側吸放熱部
73 ダクト
79 送風機
83 コントローラ
91 温湿度センサ
93 降雨センサ
95 除湿装置
105 前面ガラス
Oc 光軸
Pc パン回転中心
Tc チルト回転中心
図1
図2
図3
図4
図5