特許第6573315号(P6573315)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573315
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】撮像レンズ
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20190902BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
   G02B13/00
   G02B13/18
【請求項の数】22
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2015-170645(P2015-170645)
(22)【出願日】2015年8月31日
(65)【公開番号】特開2017-49329(P2017-49329A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2018年7月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】391014055
【氏名又は名称】カンタツ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】関根 幸男
(72)【発明者】
【氏名】橋本 雅也
【審査官】 下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−026254(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2015−0002557(KR,A)
【文献】 特開2014−044373(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0070346(US,A1)
【文献】 国際公開第2014/175058(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/114812(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00−17/08
G02B21/02−21/04
G02B25/00−25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体撮像素子上に被写体の像を結像させる撮像レンズであって、物体側から像側に向かって順に、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有する第1レンズと、像側に凹面を向けたメニスカス形状で負の屈折力を有する第2レンズと、像側に凹面を向けた正の屈折力を有する第3レンズと、第4レンズと、像側に凸面を向けた正の屈折力を有する第5レンズと、物体側および像側に凹面を向けた負の屈折力を有する第6レンズとから構成され、前記第4レンズと前記第5レンズと前記第6レンズから構成されるレンズ群は負の合成屈折力を有し、前記第1レンズの像側の面は物体側の面の曲率半径よりも大きい曲率半径を有し、以下の条件式(6’)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
(6’)1.9<(r3+r4)/(r3−r4)<4.5
ただし、
r3:第2レンズの物体側の面の曲率半径
r4:第2レンズの像側の面の曲率半径
【請求項2】
前記第1レンズの物体側に開口絞りを配置したことを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ。
【請求項3】
請求項1に記載の撮像レンズにおいて、撮像レンズを、第1レンズと第2レンズと第3レンズとから構成される合成屈折力が正のレンズ群と、第4レンズと第5レンズと第6レンズとから構成される合成屈折力が負のレンズ群となるようにしたことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項4】
請求項1に記載の撮像レンズにおいて、以下の条件式(1)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
(1)0.18<AG16/Σd<0.3ただし、
AG16:第1レンズから第6レンズまでの光軸上における空気間隔の和
Σd:第1レンズの物体側の面から第6レンズの像側の面までの光軸上の距離
【請求項5】
請求項1に記載の撮像レンズにおいて、以下の条件式(2)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
(2)20<νd3−νd4<40
ただし、
νd3:第3レンズのd線に対するアッベ数
νd4:第4レンズのd線に対するアッベ数
【請求項6】
前記第5レンズは、物体側の面に光軸上以外の位置に変極点を有する非球面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
【請求項7】
前記第5レンズにおいて、以下の条件式(3)を満足することを特徴とする請求項に記載の撮像レンズ。
(3)0.2<Ph51/ih<0.9
ただし、
Ph51:第5レンズの物体側の面の変極点位置の光軸から垂直な高さ
ih:最大像高
【請求項8】
請求項1に記載の撮像レンズにおいて、以下の条件式(4)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
(4)(f5+|f6|)/f<1.3
ただし、
f:撮像レンズ全系の焦点距離
f5:第5レンズの焦点距離
f6:第6レンズの焦点距離
【請求項9】
請求項1に記載の撮像レンズにおいて、以下の条件式(5)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
(5)0.5<f1/f<1.5
ただし、
f:撮像レンズ全系の焦点距離
f1:第1レンズの焦点距離
【請求項10】
前記第3レンズは正の屈折力を有し、前記第4レンズは物体側に凹面を向けた負の屈折力を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
【請求項11】
前記第2レンズ、前記第4レンズ、前記第6レンズは負の屈折力を有しており、以下の条件式(7)を満足することを特徴とする請求項10に記載の撮像レンズ。
(7)P4<P2<P6
ただし、
P2:第2レンズの屈折力
P4:第4レンズの屈折力
P6:第6レンズの屈折力
【請求項12】
前記第1レンズ、前記第3レンズ、前記第5レンズは正の屈折力を有しており、以下の条件式(8)を満足することを特徴とする請求項10又は11に記載の撮像レンズ。
(8)P3<P1<P5
ただし、
P1:第1レンズの屈折力
P3:第3レンズの屈折力
P5:第5レンズの屈折力
【請求項13】
前記第6レンズは、像側の面に光軸上以外の位置に変極点を有する非球面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
【請求項14】
請求項1に記載の撮像レンズにおいて、以下の条件式(9)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
(9)20<νd1−νd2<40
ただし、
νd1:第1レンズのd線に対するアッベ数
νd2:第2レンズのd線に対するアッベ数
【請求項15】
請求項14に記載の撮像レンズにおいて、以下の条件式(10)および条件式(11)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
(10)50<νd5<70
(11)50<νd6<70
ただし、
νd5:第5レンズのd線に対するアッベ数
νd6:第6レンズのd線に対するアッベ数
【請求項16】
請求項1に記載の撮像レンズにおいて、以下の条件式(12)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
(12)0.75<D5/D6<1.50
ただし、
D5:第5レンズの光軸上の厚み
D6:第6レンズの光軸上の厚み
【請求項17】
請求項に記載の撮像レンズにおいて、以下の条件式(13)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
(13)0.35<(T5/f)×100<3.00
ただし、
T5:第5レンズの像側の面から第6レンズの物体側の面までの光軸上の距離
f:撮像レンズ全系の焦点距離
【請求項18】
請求項1に記載の撮像レンズにおいて、以下の条件式(14)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
(14)0.6<|r7|/f<17.0
ただし、
f:撮像レンズ全系の焦点距離
r7:第4レンズの物体側の面の曲率半径
【請求項19】
前記第5レンズにおいて、以下の条件式(15)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
(15)0.45<E5/D5<1.20
ただし、
E5:第5レンズの最大有効径におけるエッジ厚み
D5:第5レンズの光軸上の厚み
【請求項20】
請求項1に記載の撮像レンズにおいて、以下の条件式(16)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
(16)0.6<f12/f<2.0
ただし、
f:撮像レンズ全系の焦点距離
f12:第1レンズと第2レンズの合成焦点距離
【請求項21】
請求項1に記載の撮像レンズにおいて、以下の条件式(17)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
(17)0.80<ih/f<1.0
ただし、
f:撮像レンズ全系の焦点距離
ih:最大像高
【請求項22】
請求項1に記載の撮像レンズにおいて、以下の条件式(18)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
(18)TTL/2ih<1.0
ただし、
TTL:光学全長
ih:最大像高
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型の撮像装置に使用されるCCDセンサやC-MOSセンサの固体撮像素子上に被写体の像を結像させる撮像レンズに係り、特に、小型化、低背化が進むスマートフォンや携帯電話機およびPDA(Personal Digital Assistant)やゲーム機、PC、ロボットなどの情報機器等、さらにはカメラ機能が付加された家電製品や自動車等に搭載される撮像装置に内蔵する撮像レンズに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの情報機器にカメラ機能が搭載されることが一般的となった。また、カメラ付きの家電製品など、利便性に優れた製品が次々と登場しており、このような家電製品や情報端末機器にカメラ機能を融合させた商品の需要は今後もますます高まり、それに伴う製品開発が急速に進むと予想される。
【0003】
また、これらの製品に搭載する撮像レンズは、高画素化に対応した高い解像力を備えることはもちろんのこと、機器の小型化、薄型化に十分対応可能な小型、低背であること、明るいレンズ系であることに加えて、広い画角に対応することが強く求められている。
【0004】
このような要求に対して、例えば高い解像力を得るために、5枚構成よりもさらに設計自由度が高く、諸収差の補正に有利な6枚構成とすることが考えられる。
【0005】
しかしながら、6枚構成とする場合、レンズの枚数が多いことから光学全長が長くなりやすい傾向がある。また、低背、広画角、低F値の要求を全て満足する撮像レンズを実現するには、特に、周辺部における収差補正が困難であり、画面全体にわたって良好な光学性能を確保することに課題があった。
【0006】
従来の6枚構成の撮像レンズとしては、例えば、以下の特許文献1や特許文献2の撮像レンズが知られている。
【0007】
特許文献1には、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、負の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群と、負の屈折力を有する第6レンズ群とを備える撮像レンズが開示されている。
【0008】
特許文献2には、物体側より順に、物体側に凸面を向けた正の屈折力の第1レンズと、第2レンズと、第3レンズと、少なくとも1つの非球面を有する第4レンズと、物体側が凸面で像側が凹面の第5レンズと、物体側および像側に凹面を向けた少なくとも1つの非球面を有する第6レンズとからなる撮像レンズが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2012−155223号公報
【特許文献2】US2012/0243108公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許文献1に記載の撮像レンズは、F2.0〜2.4程度で明るく、良好な光学性能を確保している。しかし、光学全長は約8mm、撮影画角は約66°〜70°で低背化および広角化の要求を十分に満足することはできない。また、特許文献1に記載のレンズ構成で低背化と広角化を図ろうとした場合、周辺部における収差補正が非常に困難であり、良好な光学性能を得ることが困難である。
【0011】
上記特許文献2に記載の撮像レンズは、光学全長は5〜6mm程度であり、光学全長と撮像素子の有効撮像面の対角線の長さとの比(以下、全長対角比という)は約1.0で、比較的低背でありながら諸収差が良好に補正されている。しかし、撮影画角は約70°付近にしか対応できておらず、またF値は2.6〜3.0程度であり、小型で高画素の撮像素子に十分対応できるだけの明るさを有しているとはいえない。実施例5にはF2.4で明るい撮像レンズが開示されているが、画角が67°であり広角化への対応が不十分である。特許文献2に記載のレンズ構成もまた、低背化を図りながら、広角化および明るいレンズ系を実現しようとした場合、周辺部における諸収差の補正が課題となる。
【0012】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、構成枚数を増やしても低背化の要求に十分応え、低F値、撮影画角の広角化の要求をバランスよく満足するとともに、諸収差が良好に補正された高解像力を備える小型の撮像レンズを提供することを目的とする。
【0013】
なお、ここでいう低背とは、光学全長が5mm未満、全長対角比が0.7程度の小さいレベルを、低F値とはF2.3以下の明るさを、広角とは全画角で約80°以上の範囲を撮影可能なレベルをそれぞれ指している。なお、全長対角比を表す際の、撮像素子の有効撮像面の対角線の長さは、撮像レンズに最大画角から入射した光線が撮像面に結像する際の光軸から垂直な高さ、すなわち最大像高の2倍の長さであり、有効撮像円の直径と同じものとして扱う。
【0014】
また、本発明において使用する用語に関し、レンズの面の凸面、凹面とは近軸(光軸近傍)における形状を指すものと定義し、変極点とは接平面が光軸と垂直に交わる光軸上以外における非球面上の点として定義する。さらに、光学全長は、IRカットフィルタやカバーガラス等の光の収束・発散作用に寄与しない光学素子の厚みを空気換算したときの最も物体側に位置する光学素子の物体側の面から像面までの光軸上の距離として定義する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明による撮像レンズは、固体撮像素子上に被写体の像を結像させる撮像レンズであって、物体側から像側に向かって順に、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有する第1レンズと、像側に凹面を向けたメニスカス形状で負の屈折力を有する第2レンズと、像側に凹面を向けた第3レンズと、第4レンズと、像側に凸面を向けた正の屈折力を有する第5レンズと、物体側および像側に凹面を向けた負の屈折力を有する第6レンズとから構成される。
【0016】
本発明の撮像レンズは、物体側から順に、第1レンズと第2レンズと第3レンズとから構成される合成屈折力が正のレンズ群と、第4レンズと第5レンズと第6レンズとから構成される合成屈折力が負のレンズ群とを配置した、いわゆるテレフォトタイプになっている。
【0017】
上記構成において、第1レンズと第2レンズと第3レンズとから構成される正レンズ群は、撮像レンズの低背化、広角化、及び諸収差の良好な補正を担う。第1レンズは物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するレンズとし、強い正の屈折力によって撮像レンズの低背化と広角化を図る。第2レンズは像側に凹面を向けたメニスカス形状の負の屈折力を有するレンズとし、第1レンズで発生する球面収差および色収差を良好に補正する。第3レンズは像側に凹面を向けたレンズとし、軸上色収差及び高次の球面収差やコマ収差、像面湾曲を補正する。
【0018】
第4レンズと第5レンズと第6レンズとから構成される負レンズ群は、撮像レンズの低背化、広角化、および諸収差の良好な補正を担う。第4レンズは軸上色収差及び高次の球面収差やコマ収差、像面湾曲を補正し、第5レンズは像側に凸面を向けた強い正の屈折力を有するレンズとし、強い正の屈折力を第1レンズと適切にバランスさせることで撮像レンズの低背化と広角化を図りながら、非点収差および像面湾曲を良好に補正する。第6レンズは物体側及び像側に凹面を向けた負の屈折力を有するレンズとし、第5レンズで発生する球面収差の補正と、像面湾曲の補正を行う。
【0019】
また、本発明の撮像レンズにおいて、開口絞りは第1レンズの物体側に配置することが望ましい。
【0020】
開口絞りは、第1レンズの物体側に配置することによって、入射瞳位置を像面から遠ざけ、テレセントリック性の制御を容易にする。
【0021】
また、本発明の撮像レンズにおいて、以下の条件式(1)を満足することが望ましい。
(1)0.18<AG16/Σd<0.3
ただし、AG16は第1レンズから第6レンズまでの光軸上における空気間隔の和、Σdは第1レンズの物体側の面から第6レンズの像側の面までの光軸上の距離である。
【0022】
条件式(1)は、第1レンズの物体側の面から第6レンズの像側の面までの光軸上の距離に対する第1レンズから第6レンズまでの光軸上における空気間隔の和を規定するものであり、光学全長の短縮化を図るための条件である。条件式(1)の上限値を上回る場合、撮像レンズ系において空気間隔の占める割合が大きくなり、光学全長の短縮が困難となる。一方、条件式(1)の下限値を下回る場合、撮像レンズの低背化には有利となるが、レンズ間の空気間隔が狭くなり過ぎ、組み立ての際にレンズ同士が接触する危険性が高まるため好ましくない。
【0023】
また、本発明の撮像レンズにおいて、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
(2)20<νd3−νd4<40
ただし、νd3は第3レンズのd線に対するアッベ数、νd4は第4レンズのd線に対するアッベ数である。
【0024】
条件式(2)は、第3レンズおよび第4レンズのd線に対するアッベ数の範囲を規定するものであり、色収差を良好に補正するための条件である。条件式(2)の範囲を満足する材料を採用することで、色収差を良好に補正できる。
【0025】
また、本発明の撮像レンズにおいて、第5レンズの物体側の面は、光軸上以外の位置に変極点を有する非球面が形成されていることが望ましい。
【0026】
第5レンズの物体側の面に、光軸上以外の位置に変極点を形成することにより、像面湾曲および歪曲収差の補正をより効果的に行うことができる。
【0027】
また、本発明の撮像レンズにおいて、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3)0.2<Ph51/ih<0.9
ただし、Ph51は第5レンズの物体側の面の変極点位置の光軸から垂直な高さ、ihは最大像高である。
【0028】
条件式(3)は、イメージサイズに対する第5レンズの物体側の面の変極点位置の光軸から垂直な高さを規定するものである。条件式(3)の範囲を満足することで、撮像レンズの低背化と広角化に伴って増大する軸外の非点収差および像面湾曲を好適に補正する。
【0029】
また、本発明の撮像レンズにおいて、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4)(f5+|f6|)/f<1.3
ただし、fは撮像レンズ全系の焦点距離、f5は第5レンズの焦点距離、f6は第6レンズの焦点距離である。
【0030】
条件式(4)は、撮像レンズ全系の焦点距離に対する第5レンズの焦点距離と第6レンズの焦点距離の和を適切な範囲に規定するものである。条件式(4)の範囲を満足することで、より好適に光学全長の短縮を図ることができる。
【0031】
また、本発明の撮像レンズにおいて、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
(5)0.5<f1/f<1.5
ただし、fは撮像レンズ全系の焦点距離、f1は第1レンズの焦点距離である。
【0032】
条件式(5)は、撮像レンズ全系の焦点距離に対する第1レンズの焦点距離を適切な範囲に規定するものであり、球面収差の発生を抑制しながら低背化と広角化を図るための条件である。条件式(5)の上限値を上回る場合、第1レンズの正の屈折力が弱くなりすぎ、球面収差の発生量を抑えるには有効だが、撮像レンズの低背化および広角化が困難になる。一方、条件式(5)の下限値を下回る場合、第1レンズの正の屈折力が強くなりすぎ、撮像レンズの低背化および広角化には有利だが、球面収差が増大する。
【0033】
また、本発明の撮像レンズにおいて、以下の条件式(6)を満足することが望ましい。
(6)1.5<(r3+r4)/(r3−r4)<4.5
ただし、r3は第2レンズの物体側の面の曲率半径、r4は第2レンズの像側の面の曲率半径である。
【0034】
条件式(6)は、近軸における第2レンズの形状を適切に規定するものであり、諸収差を良好に補正するための条件である。条件式(6)の範囲内で第2レンズの像側の面の屈折力を強くすることで、第1レンズで発生する色収差を補正しながら、コマ収差、像面湾曲、非点収差を良好に補正する。
【0035】
また、本発明の撮像レンズにおいて、第3レンズは正の屈折力を有し、第4レンズは物体側に凹面を向けた負の屈折力を有することが望ましい。
【0036】
第3レンズは正の屈折力を持つことにより撮像レンズの低背化に寄与しつつ、軸上色収差及び高次の球面収差やコマ収差、像面湾曲を補正する。また、第4レンズは物体側の面を凹面に形成した負の屈折力を有するレンズにすることによって、当該面への光線の入射角を抑制し、第3レンズで発生するコマ収差や高次の球面収差を良好に抑制する。
【0037】
また、本発明の撮像レンズにおいて、第2レンズ、第4レンズ、第6レンズは、以下の条件式(7)を満足することが望ましい。
(7)P4<P2<P6
ただし、P2は第2レンズの屈折力、P4は第4レンズの屈折力、P6は第6レンズの屈折力であり、それぞれのレンズの焦点距離の逆数で定義されるものである。
【0038】
条件式(7)は、負の屈折力を有する第2レンズ、第4レンズ、第6レンズのそれぞれの屈折力の大小関係を規定するものである。撮像レンズの中央付近に配される第4レンズは、最も弱い屈折力を有し、主に色収差及び、高次の球面収差やコマ収差、および像面湾曲の補正を担う。次に、撮像レンズの物体側付近に配置される第2レンズは、第4レンズよりも強い屈折力を有し、第1レンズで発生する球面収差および色収差の補正を担う。最も像側に配置される第6レンズは、最も強い屈折力を有し、球面収差および像面湾曲の補正を担う。条件式(7)を満足することで、光学全長を短く抑えながら、収差補正を好適に行う事が出来る。
【0039】
また、本発明の撮像レンズにおいて、第1レンズ、第3レンズ、第5レンズは正の屈折力を有し、以下の条件式(8)を満足することが望ましい。
(8)P3<P1<P5
ただし、P1は第1レンズの屈折力、P3は第3レンズの屈折力、P5は第5レンズの屈折力であり、それぞれのレンズの焦点距離の逆数で定義されるものである。
【0040】
条件式(8)は、正の屈折力を有する第1レンズ、第3レンズ、第5レンズのそれぞれの屈折力の大小関係を規定するものである。撮像レンズの中央付近に配される第3レンズは最も弱い屈折力を有し、主に色収差及び、高次の球面収差やコマ収差、像面湾曲の補正を担う。次に、撮像レンズの物体側に配置される第1レンズは、第3レンズよりも強い屈折力を有し、球面収差の発生を抑制しつつ撮像レンズの低背化と広角化を図る。そして、撮像レンズの像側付近に配置される第5レンズは、最も強い屈折力を有し、正の屈折力を第1レンズと適切にバランスさせることで撮像レンズの低背化と広角化を図りながら、非点収差および像面湾曲の補正を担う。条件式(8)を満足することで、撮像レンズの低背化と広角化、及び良好な諸収差の補正を可能とする。
【0041】
なお、条件式(7)および条件式(8)を同時に満足することにより、収差補正と全長の短縮化を好適に行う事が出来る。
【0042】
また、本発明の撮像レンズにおいて、第6レンズは像側の面は、光軸上以外の位置に変極点を有する非球面が形成されていることが望ましい。
【0043】
第6レンズの像側の面に、光軸上以外の位置に変極点を形成することにより、像面湾曲および歪曲収差の補正と、撮像素子への主光線入射角度の制御をより効果的に行うことができる。
【0044】
また、本発明の撮像レンズにおいて、以下の条件式(9)を満足することが望ましい。
(9)20<νd1−νd2<40
ただし、νd1は第1レンズのd線に対するアッベ数、νd2は第2レンズのd線に対するアッベ数である。
【0045】
条件式(9)は、第1レンズおよび第2レンズのd線に対するアッベ数の範囲を規定するものであり、色収差を良好に補正するための条件である。条件式(9)の範囲を満足する材料を採用することで、色収差を良好に補正できる。
【0046】
また、本発明の撮像レンズにおいて、以下の条件式(10)および条件式(11)を満足することが望ましい。
(10)50<νd5<70
(11)50<νd6<70
ただし、νd5は第5レンズのd線に対するアッベ数、νd6は第6レンズのd線に対するアッベ数である。
【0047】
条件式(10)は、第5レンズのd線に対するアッベ数の範囲を規定するものである。第5レンズは正の屈折力を有し、条件式(10)の範囲を満足する低分散材料を使用することにより色収差を良好に補正することができる。また、条件式(11)は第6レンズのd線に対するアッベ数の範囲を規定するものである。条件式(11)の上限値を上回る場合、軸上の色収差の補正が困難になり、条件式(11)の下限値を下回る場合、軸上の色収差の補正は容易となるが、軸外の色収差の補正が困難になる。第6レンズは条件式(11)の範囲を満足する材料を使用することにより、軸上及び軸外の色収差をバランス良く補正することができる。
【0048】
また、本発明の撮像レンズにおいて、以下の条件式(12)を満足することが望ましい。
(12)0.75<D5/D6<1.50
ただし、D5は第5レンズの光軸上の厚み、D6は第6レンズの光軸上の厚みである。
【0049】
条件式(12)は、第5レンズと第6レンズの光軸上の厚みを適切に規定するものである。像側に近い第5レンズと第6レンズは、有効径が比較的大きいレンズになるが、条件式(12)の範囲内で適度な厚みにバランスさせることで安定した成形性が確保できる。
【0050】
また、本発明の撮像レンズにおいて、以下の条件式(13)を満足することが望ましい。
(13)0.35<(T5/f)×100<3.00
ただし、T5は第5レンズの像側の面から第6レンズの物体側の面までの光軸上の距離、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
【0051】
条件式(13)は、第5レンズの像側の面から第6レンズの物体側の面までの光軸上の距離を適切に規定するものである。条件式(13)の上限値を上回る場合、第5レンズと第6レンズの空気間隔が広くなり過ぎ、撮像レンズの低背化が困難になるとともに、歪曲収差や像面湾曲が増大し、良好な光学性能を得ることができない。一方、条件式(13)の下限値を下回る場合、第5レンズと第6レンズの空気間隔が狭くなり過ぎ、組み立ての際にレンズが接触する危険性が高まるため好ましくない。
【0052】
また、本発明の撮像レンズにおいて、以下の条件式(14)を満足することが望ましい。
(14)0.6<|r7|/f<17.0
ただし、fは撮像レンズ全系の焦点距離、r7は第4レンズの物体側の面の曲率半径である。
【0053】
条件式(14)は、撮像レンズ全系の焦点距離に対する第4レンズの物体側の面の曲率半径を適切に規定するものである。条件式(14)の上限値を上回る場合、第4レンズの物体側の面の屈折力が弱くなりすぎ、当該面へ入射する軸外光線の入射角が大きくなり、軸外の球面収差やコマ収差、像面湾曲の補正が困難となる。一方、条件式(14)の下限値を下回る場合、第4レンズの物体側の面の屈折力が強くなりすぎ、レンズ面の周辺部の収差補正が過剰になるため、高次の球面収差やコマ収差、及び像面湾曲の補正が困難となる。
【0054】
また、本発明の撮像レンズにおいて、以下の条件式(15)を満足することが望ましい。
(15)0.45<E5/D5<1.20
ただし、E5は第5レンズの最大有効径におけるエッジ厚み、D5は第5レンズの光軸上の厚みである。
【0055】
条件式(15)は、第5レンズの光軸上の厚みと最大有効径におけるエッジ厚みを適切に規定するための条件である。レンズの射出成形において薄く小さなレンズを実現するためには、成形時流動性の観点からレンズの中心からエッジに至るまでの厚みの差を少なくすることが望ましい。条件式(15)を満足することによって、流動性の悪化による面精度への影響、ヒケの発生等を防止することができるため、成形不良率を低減させ、量産性が高まる。
【0056】
また、本発明の撮像レンズにおいて、以下の条件式(16)を満足することが望ましい。
(16)0.6<f12/f<2.0
ただし、fは撮像レンズ全系の焦点距離、f12は第1レンズと第2レンズの合成焦点距離である。
【0057】
条件式(16)は、撮像レンズ全系の焦点距離に対する第1レンズと第2レンズの合成焦点距離を適切な範囲に規定するものである。条件式(16)の上限値を上回る場合、第1レンズと第2レンズの合成焦点距離が長くなりすぎるため、光学全長の短縮化が困難となる。一方、条件式(16)の下限値を下回る場合、第1レンズと第2レンズの合成焦点距離が短くなりすぎるため、色収差が増大してしまい、良好な光学性能の確保が困難となる。
【0058】
また、本発明の撮像レンズにおいて、以下の条件式(17)を満足することが望ましい。
(17)0.80<ih/f<1.0
ただし、fは撮像レンズ全系の焦点距離、ihは最大像高である。
【0059】
条件式(17)は、撮影画角の範囲を規定するものである。条件式(17)の上限値を上回る場合、画角が広くなりすぎて収差を良好に補正できる範囲を超えることにより特に画面周辺部における諸収差の補正が困難になり、光学性能の劣化に繋がる。一方、条件式(17)の下限値を下回る場合、収差補正が容易となるため光学性能の向上には有利だが、広角化への対応が不十分となる。
【0060】
また、本発明の撮像レンズにおいて、以下の条件式(18)を満足することが望ましい。
(18)TTL/2ih<1.0
ただし、TTLは光学全長、ihは最大像高である。
【0061】
条件式(18)は全長対角比を規定するものである。条件式(18)の上限値を上回る場合、光学全長が長くなりすぎるため、低背化の要求への対応が困難となる。
【発明の効果】
【0062】
本発明により、低背化の要求に十分応え、低F値、撮影画角の広角化の要求をバランスよく満足し、且つ、諸収差が良好に補正された高解像力を備える小型の撮像レンズを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】本発明の実施例1の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図2】本発明の実施例1の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図3】本発明の実施例2の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図4】本発明の実施例2の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図5】本発明の実施例3の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図6】本発明の実施例3の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図7】本発明の実施例4の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図8】本発明の実施例4の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図9】本発明の実施例5の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図10】本発明の実施例5の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図11】本発明の実施例6の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図12】本発明の実施例6の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図13】本発明の実施例7の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図14】本発明の実施例7の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図15】本発明の実施例8の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図16】本発明の実施例8の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図17】本発明の実施例9の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図18】本発明の実施例9の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図19】本発明の実施例10の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図20】本発明の実施例10の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図21】本発明の実施例11の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図22】本発明の実施例11の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図23】本発明の実施例12の撮像レンズの概略構成を示す図である。
図24】本発明の実施例12の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図25】本発明の実施例に係る撮像レンズの第5レンズについて、物体側の面の変極点位置の光軸から垂直な高さPh51、光軸上の厚みD5、最大有効径におけるエッジ厚みE5を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0065】
図1図3図5図7図9図11図13図15図17図19図21、および図23はそれぞれ、本発明の実施形態の実施例1から12に係る撮像レンズの概略構成図を示している。いずれも基本的なレンズ構成は同様であるため、ここでは主に実施例1の概略構成図を参照しながら、本実施形態の撮像レンズ構成について説明する。
【0066】
図1に示すように、本実施形態の撮像レンズは、物体側から像側に向かって順に、正の屈折力を有する第1レンズL1と、負の屈折力を有する第2レンズL2と、正の屈折力を有する第3レンズL3と、負の屈折力を有する第4レンズL4と、正の屈折力を有する第5レンズL5と、負の屈折力を有する第6レンズL6とで構成される。なお、本実施形態において、開口絞りSTは、正の屈折力を有する第1レンズL1の前に配置されている。
【0067】
また、第6レンズL6と像面IMとの間には赤外線カットフィルタやカバーガラス等のフィルタIRが配置されている。なお、このフィルタIRは省略することが可能である。フィルタIRの厚みによって光学系の結像位置は変化するため、本発明における光軸方向の距離は、IRカットフィルタやカバーガラス等の光の収束・発散作用に寄与しない光学素子の厚みを空気換算したときの距離として定義している。
【0068】
上記6枚構成の撮像レンズは、第1レンズL1と第2レンズL2と第3レンズL3とから構成される合成屈折力が正のレンズ群と、第4レンズL4と第5レンズL5と第6レンズL6とから構成される合成屈折力が負のレンズ群を配置したテレフォトタイプであり、光学全長を短縮する上で有利な構成になっている。
【0069】
上記6枚構成の撮像レンズにおいて、開口絞りSTは、第1レンズL1の物体側の面の面頂と当該面の終端部の間に配置している。従って、入射瞳位置が像面IMから遠ざかり、テレセントリック性の制御が容易になっている。
【0070】
第1レンズL1は物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するレンズである。第1レンズL1の像側の面は、屈折力が低下し過ぎず球面収差量が増大しない範囲で、物体側の面の曲率半径よりも大きい曲率半径を持つ凹形状とし、撮像レンズの低背化および広角化を図っている。なお、第1レンズL1は両凸形状としてもよく、その場合には物体側の面と像側の面に正の屈折力を適切に配分することで、球面収差の発生を抑えながら強い正の屈折力を設定することができ、撮像レンズのさらなる低背化および広角化を図ることができる。
【0071】
第2レンズL2は、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するレンズであり、第1レンズL1で発生する球面収差および色収差を良好に補正している。
【0072】
第3レンズL3は、像側に凹面を向けたメニスカス形状に形成されており、正の屈折力を有している。また、撮像レンズを構成するレンズにおいて弱い屈折力を有するレンズであり、撮像レンズの低背化を図りながら軸上色収差を補正している。また、両面に形成した非球面によって、高次の球面収差、コマ収差、像面湾曲を補正している。
【0073】
第4レンズL4は、像側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカス形状のレンズであり、軸上色収差及び高次の球面収差やコマ収差、像面湾曲を補正している。なお、第4レンズL4は実施例4、実施例10から実施例12のように両凹形状であってもよく、その場合には球面収差と軸上の色収差をより好適に補正することができる。さらに、第4レンズL4は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状であってもよく、その場合には、像面湾曲をより好適に補正することができる。実施例5から実施例8は、第4レンズL4を物体側に凸面を向けたメニスカス形状とした例である。
【0074】
第5レンズL5は、物体側及び像側に凸面を向けた両凸形状の強い正の屈折力を有する両面が非球面のレンズであり、撮像レンズの小型化を図っている。また、物体側の非球面上には、光軸X上以外の位置に変極点が形成されており、非点収差及び像面湾曲を良好に補正している。なお、第5レンズL5の形状は、実施例7のように、像側に凸面を向けたメニスカス形状のレンズであってもよい。
【0075】
第6レンズL6は、物体側および像側に凹面を向けた両凹形状の負の屈折力を有するレンズであり、両面に非球面が形成され、像側の非球面上には光軸X上以外の位置に変極点が形成されている。これらの非球面形状によって、第5レンズL5で発生する球面収差の補正と、像面湾曲の補正を行いながら、撮像素子への主光線入射角度を適切な範囲内となるよう制御している。
【0076】
本実施の形態に係る撮像レンズは、全てのレンズにプラスチック材料を採用することで製造を容易にし、低コストでの大量生産を可能にしている。また、全てのレンズの両面に適切な非球面を形成しており、諸収差をより好適に補正している。
【0077】
なお、採用するレンズ材料はプラスチック材料に限定されるものではない。ガラス材料を採用することで、更なる高性能化を目指すことも可能である。また、すべてのレンズ面を非球面で形成することが望ましいが、要求される性能によっては、製造が容易な球面を採用しても良い。
【0078】
本実施形態における撮像レンズは、以下の条件式(1)から(18)を満足することにより、好ましい効果を奏するものである。
(1)0.18<AG16/Σd<0.3
(2)20<νd3−νd4<40
(3)0.2<Ph51/ih<0.9
(4)(f5+|f6|)/f<1.3
(5)0.5<f1/f<1.5
(6)1.5<(r3+r4)/(r3−r4)<4.5
(7)P4<P2<P6
(8)P3<P1<P5
(9)20<νd1−νd2<40
(10)50<νd5<70
(11)50<νd6<70
(12)0.75<D5/D6<1.50
(13)0.35<(T5/f)×100<3.00
(14)0.6<|r7|/f<17.0
(15)0.45<E5/D5<1.20
(16)0.6<f12/f<2.0
(17)0.80<ih/f<1.0
(18)TTL/2ih<1.0
ただし、
AG16:第1レンズL1から第6レンズL6までの光軸X上における空気間隔の和
Σd:第1レンズL1の物体側の面から第6レンズL6の像側の面までの光軸X上の距離
Ph51:第5レンズL5の物体側の面の変極点位置の光軸から垂直な高さ
ih:最大像高
f :撮像レンズ全系の焦点距離
f1:第1レンズL1の焦点距離
f5:第5レンズL5の焦点距離
f6:第6レンズL6の焦点距離
f12:第1レンズL1と第2レンズL2の合成焦点距離
r3:第2レンズL2の物体側の面の曲率半径
r4:第2レンズL2の像側の面の曲率半径
P1:第1レンズL1の屈折力
P2:第2レンズL2の屈折力
P3:第3レンズL3の屈折力
P4:第4レンズL4の屈折力
P5:第5レンズL5の屈折力
P6:第6レンズL6の屈折力
νd1:第1レンズL1のd線に対するアッベ数
νd2:第2レンズL2のd線に対するアッベ数
νd3:第3レンズL3のd線に対するアッベ数
νd4:第4レンズL4のd線に対するアッベ数
νd5:第5レンズL5のd線に対するアッベ数
νd6:第6レンズL6のd線に対するアッベ数
D5:第5レンズL5の光軸X上の厚み
D6:第6レンズL6の光軸X上の厚み
T5:第5レンズL5の像側の面から第6レンズL6の物体側の面までの光軸X上の距離
r7:第4レンズL4の物体側の面の曲率半径
E5:第5レンズL5の最大有効径におけるエッジ厚み
TTL:光学全長
【0079】
また、本実施形態における撮像レンズは、以下の条件式(1a)から(6a)、(9a)から(18a)を満足することにより、より好ましい効果を奏するものである。
(1a)0.21<AG16/Σd<0.3
(2a)25<νd3−νd4<40
(3a)0.2<Ph51/ih<0.7
(4a)(f5+|f6|)/f<1.22
(5a)0.6<f1/f<1.2
(6a)1.9<(r3+r4)/(r3−r4)<3.7
(9a)25<νd1−νd2<40
(10a)50<νd5<65
(11a)50<νd6<65
(12a)0.75<D5/D6<1.30
(13a)0.42<(T5/f)×100<3.00
(14a)1.0<|r7|/f<16.0
(15a)0.45<E5/D5<1.20
(16a)0.8<f12/f<1.6
(17a)0.80<ih/f<0.9
(18a)TTL/2ih<0.8
ただし、各条件式の符号は前の段落での説明と同様である。
【0080】
さらに、本実施形態における撮像レンズは、以下の条件式(1b)から(6b)、(9b)から(18b)を満足することにより、特に好ましい効果を奏するものである。
(1b)0.24≦AG16/Σd≦0.27
(2b)25≦νd3−νd4≦38
(3b)0.23≦Ph51/ih≦0.31
(4b)(f5+|f6|)/f≦1.19
(5b)0.70<f1/f≦1.2
(6b)2.13≦(r3+r4)/(r3−r4)≦3.29
(9b)25≦νd1−νd2≦38
(10b)50≦νd5≦60
(11b)50≦νd6≦60
(12b)0.86≦D5/D6≦1.12
(13b)0.47≦(T5/f)×100≦2.66
(14b)1.18≦|r7|/f≦14.34
(15b)0.50≦E5/D5≦0.6
(16b)1.15≦f12/f≦1.38
(17b)0.80≦ih/f≦0.85
(18b)TTL/2ih≦0.75
ただし、各条件式の符号は前々段落での説明と同様である。
【0081】
本実施形態において、レンズ面の非球面に採用する非球面形状は、光軸方向の軸をZ、光軸に直交する方向の高さをH、円錐係数をk、非球面係数をA4、A6、A8、A10、A12、A14、A16としたとき数式1により表わされる。
【0082】
【数1】
【0083】
次に、本実施形態に係る撮像レンズの実施例を示す。各実施例において、fは撮像レンズ全系の焦点距離を、FnoはFナンバーを、ωは半画角を、ihは最大像高をそれぞれ示す。また、iは物体側から数えた面番号、rは曲率半径、dは光軸上のレンズ面間の距離(面間隔)、Ndはd線(基準波長)の屈折率、νdはd線に対するアッベ数をそれぞれ示す。なお、非球面に関しては、面番号iの後に*(アスタリスク)の符号を付加して示す。
【実施例1】
【0084】
基本的なレンズデータを以下の表1に示す。
【0085】
【表1】
【0086】
実施例1の撮像レンズは、表13に示すように条件式(1)から(18)を満たしている。
【0087】
図2は実施例1の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。球面収差図は、F線(486nm)、d線(588nm)、C線(656nm)の各波長に対する収差量を示している。また、非点収差図にはサジタル像面S、タンジェンシャル像面Tにおけるd線の収差量をそれぞれ示している(図4図6図8図10図12図14図16図18図20図22および図24においても同じ)。図2に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【実施例2】
【0088】
基本的なレンズデータを以下の表2に示す。
【0089】
【表2】
【0090】
実施例2の撮像レンズは、表13に示すように条件式(1)から(18)を満たしている。
【0091】
図4は実施例2の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図4に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【実施例3】
【0092】
基本的なレンズデータを以下の表3に示す。
【0093】
【表3】
【0094】
実施例3の撮像レンズは、表13に示すように条件式(1)から(18)を満たしている。
【0095】
図6は実施例3の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図6に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【実施例4】
【0096】
基本的なレンズデータを以下の表4に示す。
【0097】
【表4】
【0098】
実施例4の撮像レンズは、表13に示すように条件式(1)から(18)を満たしている。
【0099】
図8は実施例4の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図8に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【実施例5】
【0100】
基本的なレンズデータを以下の表5に示す。
【0101】
【表5】
【0102】
実施例5の撮像レンズは、表13に示すように条件式(1)から(18)を満たしている。
【0103】
図10は実施例5の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図10に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【実施例6】
【0104】
基本的なレンズデータを以下の表6に示す。
【0105】
【表6】
【0106】
実施例6の撮像レンズは、表13に示すように条件式(1)から(18)を満たしている。
【0107】
図12は実施例6の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図12に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【実施例7】
【0108】
基本的なレンズデータを以下の表7に示す。
【0109】
【表7】
【0110】
実施例7の撮像レンズは、表13に示すように条件式(1)から(18)を満たしている。
【0111】
図14は実施例7の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図14に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【実施例8】
【0112】
基本的なレンズデータを以下の表8に示す。
【0113】
【表8】
【0114】
実施例8の撮像レンズは、表13に示すように条件式(1)から(18)を満たしている。
【0115】
図16は実施例8の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図16に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【実施例9】
【0116】
基本的なレンズデータを以下の表9に示す。
【0117】
【表9】
【0118】
実施例9の撮像レンズは、表13に示すように条件式(1)から(18)を満たしている。
【0119】
図18は実施例9の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図18に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【実施例10】
【0120】
基本的なレンズデータを以下の表10に示す。
【0121】
【表10】
【0122】
実施例10の撮像レンズは、表13に示すように条件式(1)から(18)を満たしている。
【0123】
図20は実施例10の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図20に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【実施例11】
【0124】
基本的なレンズデータを以下の表11に示す。
【0125】
【表11】
【0126】
実施例11の撮像レンズは、表13に示すように条件式(1)から(18)を満たしている。
【0127】
図22は実施例11の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図22に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【実施例12】
【0128】
基本的なレンズデータを以下の表12に示す。
【0129】
【表12】
【0130】
実施例12の撮像レンズは、表13に示すように条件式(1)から(18)を満たしている。
【0131】
図24は実施例12の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図24に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
【0132】
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る撮像レンズは、光学全長TTLが5mm未満、光学全長TTLと最大像高ihとの比(TTL/2ih)が0.7程度まで低背化された撮像レンズを実現するとともに、F2.3以下の明るさと全画角で約80°の広い範囲の撮影を可能にする。したがって、6枚構成でありながら、低背化の要求に十分応え、低F値、撮影画角の広角化の要求をバランスよく満足するとともに、諸収差が良好に補正され、高解像力を備えた小型の撮像レンズを実現する。
【0133】
表13に実施例1から12に係る条件式(1)から(18)の値を示す。
【0134】
【表13】
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明に係る6枚構成の撮像レンズを、小型化、低背化が進むスマートフォンや携帯端末機器等、ゲーム機やPC、ロボットなどの情報機器等、さらにはカメラ機能が付加された家電製品や自動車等に搭載される撮像装置へ適用した場合、当該カメラの低背化および広角化への寄与とともにカメラの高性能化を図ることができる。
【符号の説明】
【0136】
ST 開口絞り
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
ih 最大像高
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25