【実施例】
【0022】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0023】
図中の1はアスファルトプラントに設置されるアスファルトタンク内で発生して排気される臭気性の気化ガスを脱臭処理するアスファルトタンクの脱臭装置であって、アスファルト混合物を製造する際に添加する溶融アスファルトを貯蔵するアスファルトタンク2の近傍に立設した骨材充填容器3を主体としている。
【0024】
前記アスファルトタンク2は、タンク内にアスファルトを投入する投入管4、プラント本体(図示せず)にタンク内の溶融アスファルトを供給する供給管5、貯蔵するアスファルトを加熱して、例えば略160〜180℃程度に保温するためのヒーター6を備えていると共に、アスファルトタンク2の上端部にはタンク内に貯蔵する溶融アスファルトより揮発するアスファルト成分を主成分とした臭気性の気化ガスを排気する排気口7を備えている。
【0025】
また、前記骨材充填容器3は架台8上に立設した縦長の略サイロ状の金属製容器であって、その上端部には開閉蓋を具備した骨材投入用の投入口9を、下端部には骨材排出用の排出ゲート10をそれぞれ開閉自在に備えている。また、骨材充填容器3の上部側には、前記アスファルトタンク2の排気口7に一端部を連結した気化ガス導入ダクト11の他端部を連結していると共に、その近傍には少なくとも前記気化ガス導入ダクト11よりも口径の大きい外気導入用の外気導入ダクト12を連結しており、該外気導入ダクト12の途中には開閉ダンパー13を開閉自在に備えている。
【0026】
一方、骨材充填容器3の下部側には途中に排風機14を具備した排気ダクト15を連結しており、該排気ダクト15と骨材充填容器3との連結部分には容器内の充填骨材Gが排気ダクト15内へ漏出するのを防止するための所定網目サイズ(例えば、充填骨材Gの粒径よりも細かい網目サイズ)の金網16を備えている。
【0027】
また、前記排気ダクト15の基端部付近には容器内より排気される排気温度検出用の温度センサ17を備えていると共に、該温度センサ17にて検出される排気温度に基づいて前記外気導入ダクト12に備えた開閉ダンパー13を手動または自動で開閉制御するダンパー開閉制御器18を備え、例えば、前記温度センサ17にて検出される排気温度が気化ガス中に含まれるアスファルト成分の凝縮温度である、例えば略60℃以下であれば(定常時)、開閉ダンパー13を閉鎖しておく一方、排気温度がアスファルト成分の凝縮温度を超えれば(非常時)、開閉ダンパー13を開放して容器内に外気を導入させて冷却するようにしている。
【0028】
また、骨材充填容器3上部の隅部には容器内の静圧を検出する静圧センサ19を備え、該静圧センサ19にて検出される静圧値が予め設定される所定の負圧値、例えば大気圧よりも僅かに低い程度の(例えば、大気圧比で−10〜−30Pa程度)負圧値を維持するように、インバータ20を介して排風機14の回転数を調整制御する静圧/排風量制御器21を備えており、アスファルトタンク2から気化ガスを必要以上の吸引力で吸引することによる排風機14の無駄な電力消費を極力抑えつつ、容器内の充填骨材表面へのアスファルト成分の付着によって目詰まりが生じるなどして圧力損失が変動(例えば増加)した場合でも、その都度排風量を適宜調整して脱臭処理能力に見合った適正量の気化ガスを容器内に導入し続けられるようにしている。なお、前記排気ダクト15の途中に風量調整ダンパーを備えて、静圧センサ19にて検出される静圧値に基づいてこの風量調整ダンパーの開度を調節することで容器内の静圧値を前記負圧値に調整するようにしても良い。
【0029】
また、図中のGは骨材充填容器3内に充填した骨材であって、前記気化ガス導入ダクト11から容器内に導入される気化ガスが下流の排気ダクト15へ排気されるまでの間に前記充填骨材Gとの接触を繰り返しながら熱交換されて冷却され、気化ガス中に含まれるアスファルト成分が骨材G表面にて凝縮して捕集されるようにしている。
【0030】
なお、前記骨材充填容器3内に充填させる骨材Gの粒径としては、各骨材G同士の間に容器内に導入される気化ガスや外気が通過可能な程度の隙間が形成されるようなサイズであれば特に限定しないが、骨材Gの粒径があまり小さいと容器内の圧力損失が高くなり過ぎて排風機14の負荷が高くなり、骨材Gの粒径があまり大きいと容器内の圧力損失が低くなり過ぎてアスファルト成分の捕集効果が不十分となるおそれがあるので、例えば、5号砕石(13〜20mm粒径相当の骨材)や6号砕石(5〜13mm粒径相当の骨材)を充填するようにすれば、適当な圧力損失が得られて好ましい。
【0031】
そして、上記構成のアスファルトタンクの脱臭装置1にて気化ガスを脱臭処理するときには、プラント内の骨材置き場に貯蔵しているアスファルト混合物の素材である、例えば5号または6号砕石等の骨材Gを骨材充填容器3上端部の投入口9より適当量を容器内に投入して充填させる。骨材Gの充填作業が完了すると、排気ダクト15下流の排風機14を駆動させ、近傍のアスファルトタンク2より気化ガス導入ダクト11を介して臭気性の気化ガスを骨材充填容器3内に導入させていく。
【0032】
このとき、骨材充填容器3内に充填した骨材Gの粒度分布や充填量の違いなどによって、所望の圧力損失が得られず、静圧センサ19にて検出される容器内の静圧値が予め設定した所定の負圧値よりも低過ぎたり、或いは高過ぎたりした場合には、例えば、前記静圧センサ19の静圧値を参照しながら、投入口9より充填骨材Gを追加投入させたり、或いは排出ゲート10より排出させたりして所定の負圧値程度になるように骨材量を調整するようにしても良い。
【0033】
前記骨材充填容器3内に導入された比較的高温の気化ガスは、容器上部側から下部側へ通過する間に容器内の充填骨材Gとの接触を繰り返しながら熱交換されて冷却されていき、それに伴って気化ガス中に含まれるアスファルト成分は充填骨材Gの表面にて凝縮を生じて捕集される一方、アスファルト成分が除去されて脱臭処理された気化ガス(浄化ガス)は排気ダクト15より大気中へと放出されていく。
【0034】
また、高温の気化ガスを骨材充填容器3内に導入し続けることに伴って、排気ダクト15に備えた温度センサ17にて検出される排気温度がアスファルト成分の凝縮温度である、例えば略60℃を超えると、容器内の充填骨材Gの温度が上昇して気化ガスを凝縮温度以下に冷却できないと判断し、前記ダンパー開閉制御器18にて外気導入ダクト12の開閉ダンパー13を手動または自動にて開放して負圧に維持された容器内に外気を導入させる。このとき、前記のように、外気導入ダクト12の口径を気化ガス導入ダクト11の口径よりも大きいものを採用していることにより、骨材充填容器3内には気化ガスよりも外気の方が優先して導入されることになる。
【0035】
骨材充填容器3内に常温の外気が導入されると、容器内の上部側から下部側へ外気が通過する間に充填骨材Gを冷却して脱臭処理可能となる温度まで降下させる。そして、充填骨材Gを十分冷却すれば、前記ダンパー開閉制御器18にて開閉ダンパー13を閉鎖して外気導入を停止し、気化ガス導入ダクト11からの気化ガス導入を優先した定常運転に復帰させる。
【0036】
なお、気化ガス導入ダクト11の途中に開閉バルブを備えると共に、ダンパー開閉制御器18にて、外気導入ダクト12の開閉ダンパー13の開放時には、前記気化ガス導入ダクト11の開閉バルブを閉鎖するようにすれば、外気導入中(骨材G冷却中)に臭気性の気化ガスが漏出するのをより確実に防止することができて好ましい。また、前記外気導入ダクト12に適宜の冷風機を介在させるようにすれば、常温の外気と比較して充填骨材Gをより効果的に冷却することが可能となる。
【0037】
また、充填骨材G表面へのアスファルト成分の付着等により目詰まりが生じて骨材充填容器3内の圧力損失が多少上昇した場合でも、静圧/排風量制御器21では前記静圧センサ19にて検出される容器内の静圧値に基づいてインバータ20を介して排風機14の排風量を調整するようにしているので、処理能力に見合った適正量の気化ガスを容器内に安定して導入し続けることができる。
【0038】
なお、充填骨材Gの目詰まりが進行したときには、容器下端部の排出ゲート10を開放して排出し、ショベルローダM等にて回収してアスファルト混合物の材料として有効利用するようにする一方、容器上端部の投入口9より新規の骨材を投入して交換するようにすると良い。