特許第6573318号(P6573318)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日工株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6573318-アスファルトタンクの脱臭装置 図000002
  • 特許6573318-アスファルトタンクの脱臭装置 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573318
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】アスファルトタンクの脱臭装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/38 20060101AFI20190902BHJP
   B01D 5/00 20060101ALI20190902BHJP
   B01D 53/81 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
   B01D53/38 140
   B01D5/00 ZZAB
   B01D53/81
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-239769(P2015-239769)
(22)【出願日】2015年12月8日
(65)【公開番号】特開2017-104798(P2017-104798A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2018年10月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226482
【氏名又は名称】日工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】今田 雄司
【審査官】 佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−290685(JP,A)
【文献】 特開昭62−242001(JP,A)
【文献】 特開平09−313850(JP,A)
【文献】 特開2015−113557(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−0779070(KR,B1)
【文献】 特開2002−29590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/34−53/85
B01D 5/00
C10C 1/00− 5/00
E01C 19/00−19/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスファルトタンクの近傍に骨材充填容器を立設し、該骨材充填容器の上端部に骨材投入用の投入口を、下端部に骨材排出用の排出ゲートをそれぞれ備え、前記骨材充填容器の上部側には前記アスファルトタンク内の気化ガスを導入させる気化ガス導入ダクトと、外気導入用の外気導入ダクトとを連結し、該外気導入ダクトには開閉ダンパーを備える一方、前記骨材充填容器の下部側には排気ダクトを連結し、該排気ダクトの途中には排風機を備えると共に、前記排気ダクトには排気温度検出用の温度センサを備え、該温度センサにて検出される排気温度に基づいて前記外気導入ダクトの開閉ダンパーを手動または自動で開閉制御するダンパー開閉制御器を備えたことを特徴とするアスファルトタンクの脱臭装置。
【請求項2】
前記骨材充填容器上部に容器内の静圧を検出する静圧センサを備え、該静圧センサにて検出される静圧値が所定の負圧値を維持するように前記排風機の排風量を調整制御する静圧/排風量制御器を備えたことを特徴とする請求項1記載のアスファルトタンクの脱臭装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスファルトプラントに設置されるアスファルトタンクより排気される臭気性を有した気化ガスを脱臭処理する脱臭装置に関する。
【背景技術】
【0002】
道路舗装材であるアスファルト混合物を製造するアスファルトプラントは、骨材加熱乾燥装置であるドライヤ、所定量の各粒径の加熱乾燥骨材を骨材計量槽にて累積計量し、適宜量の溶融アスファルト、石粉などと共にミキサに払いだして混合して所望のアスファルト混合物を製造するプラント本体、及びこれらドライヤとプラント本体とを連結する垂直搬送装置等にて主体を構成しており、前記プラント本体周辺には付帯設備である溶融アスファルトを貯蔵するアスファルトタンク、製造したアスファルト混合物を一時貯蔵する合材サイロ等を設置している。
【0003】
前記アスファルトタンクは、貯蔵する溶融アスファルトを略160〜180℃程度の高温状態で貯蔵しており、タンク上部には高温となったアスファルトから揮発する略80〜130℃程度の気化ガスをタンクより排気するための排気口が設けられている。前記気化ガスはアスファルト成分を主成分とする強い臭気性を有したガスであり、このガスが前記排気口より排気されて地上へと降下するとプラント周辺に臭気を漂わすこととなる。
【0004】
このような臭気性の気化ガスを排気するアスファルトタンクの脱臭装置として、特許文献1(特開2002−29590号公報)には、アスファルト貯蔵タンクの上端に設けられた気化ガス排出用の排気筒の主管から分岐した排気管の外周に放熱フィンを備えたり、前記排気管の表面に冷却用の空気を吹き付けるブロアを備えたアスファルト貯蔵タンクが記載されており、前記排気管内を通過する気化ガスを間接的に冷却して気化ガスの一部を凝縮させることにより、排気筒より排気される気化ガスの臭気濃度を低下させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−29590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来装置では、アスファルトタンク上部の排気筒を間接的に冷却しているので、気化ガスを凝縮する温度まで常に降下させて確実に脱臭できているのか、また凝縮したアスファルト成分が排気筒内に付着して残留するのではないかという、問題点を有する。
【0007】
本発明は上記の点に鑑み、アスファルトタンクより排気される臭気性の気化ガスを効果的に脱臭処理可能なアスファルトタンクの脱臭装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る請求項1記載のアスファルトタンクの脱臭装置では、アスファルトタンクの近傍に骨材充填容器を立設し、該骨材充填容器の上端部に骨材投入用の投入口を、下端部に骨材排出用の排出ゲートをそれぞれ備え、前記骨材充填容器の上部側には前記アスファルトタンク内の気化ガスを導入させる気化ガス導入ダクトと、外気導入用の外気導入ダクトとを連結し、該外気導入ダクトには開閉ダンパーを備える一方、前記骨材充填容器の下部側には排気ダクトを連結し、該排気ダクトの途中には排風機を備えると共に、前記排気ダクトには排気温度検出用の温度センサを備え、該温度センサにて検出される排気温度に基づいて前記外気導入ダクトの開閉ダンパーを手動または自動で開閉制御するダンパー開閉制御器を備えたことを特徴としている。
【0009】
また、請求項2記載のアスファルトタンクの脱臭装置では、前記骨材充填容器上部に容器内の静圧を検出する静圧センサを備え、該静圧センサにて検出される静圧値が所定の負圧値を維持するように前記排風機の排風量を調整制御する静圧/排風量制御器を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る請求項1記載のアスファルトタンクの脱臭装置によれば、アスファルトタンクの近傍に骨材充填容器を立設し、該骨材充填容器の上端部に骨材投入用の投入口を、下端部に骨材排出用の排出ゲートをそれぞれ備え、前記骨材充填容器の上部側には前記アスファルトタンク内の気化ガスを導入させる気化ガス導入ダクトと、外気導入用の外気導入ダクトとを連結し、該外気導入ダクトには開閉ダンパーを備える一方、前記骨材充填容器の下部側には排気ダクトを連結し、該排気ダクトの途中には排風機を備えると共に、前記排気ダクトには排気温度検出用の温度センサを備え、該温度センサにて検出される排気温度に基づいて前記外気導入ダクトの開閉ダンパーを手動または自動で開閉制御するダンパー開閉制御器を備えたので、骨材充填容器内に導入させた気化ガスは容器上部側から下部側へ通過する間に充填骨材との接触を繰り返しながら速やかに冷却され、それによって気化ガス中に含まれる臭気物質であるアスファルト成分を骨材表面にて凝縮させて捕集することができて効果的に脱臭処理できる。また、気化ガスの導入に伴って充填骨材の温度が上昇しても、外気導入ダクトからの外気導入によって冷却させることで脱臭処理能力を安定維持できる。
【0011】
また、請求項2記載のアスファルトタンクの脱臭装置によれば、骨材充填容器上部に容器内の静圧を検出する静圧センサを備え、該静圧センサにて検出される静圧値が所定の負圧値を維持するように排風機の排風量を調整制御する静圧/排風量制御器を備えたので、容器内の圧力損失が変動した場合でも、それに応じて排風量を調整して適正量の気化ガスを容器内に導入し続けることができ、脱臭処理能力を安定維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るアスファルトタンクの脱臭装置の一実施例を示す概略説明図である。
図2図1の要部の一部切り掻き拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るアスファルトタンクの脱臭装置にあっては、アスファルトタンクの近傍にアスファルト混合物の素材である所定粒径の骨材(砕石)を充填可能な縦長の骨材充填容器を立設し、該骨材充填容器の上端部には骨材投入用の投入口を、下端部には骨材排出用の排出ゲートをそれぞれ開閉自在に備えている。
【0014】
また、前記骨材充填容器の上部側には前記アスファルトタンクにて貯蔵する略160〜180℃程度の高温の溶融アスファルトから揮発する、アスファルト成分を主成分とした略80〜130℃程度の臭気性の気化ガスを容器内に導入させる気化ガス導入ダクトと、開閉ダンパーを具備した外気導入用の外気導入ダクトとを連結する一方、前記骨材充填容器の下部側には排気ダクトを連結し、該排気ダクトの途中には排風機を備える。
【0015】
また、前記排気ダクトには排気温度検出用の温度センサを備え、該温度センサにて検出される排気温度に基づいて前記外気導入ダクトの開閉ダンパーを手動または自動で開閉制御するダンパー開閉制御器を備えている。なお、前記ダンパー開閉制御器では、排気温度が少なくとも気化ガス中のアスファルト成分の凝縮温度(例えば、略60℃)以下に維持制御されるように、排気温度が前記凝縮温度以下のとき(定常時)は開閉ダンパーを閉鎖しておく一方、排気温度が前記凝縮温度を超えたとき(非常時)には開閉ダンパーを開放して外気を容器内に導入させて冷却さようにしておくと良い。
【0016】
また、好ましくは前記骨材充填容器上部の隅部に容器内の静圧を検出する静圧センサを備え、該静圧センサにて検出される静圧値が所定の負圧値を維持するように排風機の排風量を調整制御する静圧/排風量制御器を備えるようにすると良く、容器内を所定の負圧値、例えば大気圧よりも僅かに低い程度に維持するように排風量を調整することで、アスファルトタンクから気化ガスを必要以上の吸引力で吸引することによる排風機の無駄な電力消費を極力抑えつつ、容器内に充填する骨材の粒度分布や充填量の違い、また容器内に充填した骨材表面へのアスファルト成分の付着によって目詰まりが生じるなどして容器内の圧力損失が変動した場合でも、それに応じて排風量を適宜調整して脱臭処理能力に見合った適正量の気化ガスを容器内に導入し続けられるようになる。
【0017】
そして、上記構成の脱臭装置を使用してアスファルトタンクから排気される臭気性の気化ガスを脱臭処理するときには、先ず、所定粒径の骨材を骨材充填容器上端部の投入口より容器内に所定量投入して充填させる。骨材の充填作業が完了すると排気ダクト下流の排風機を駆動させ、アスファルトタンクにて発生する気化ガスを気化ガス導入ダクトを介して骨材充填容器内に導入していく。
【0018】
前記骨材充填容器内に導入された気化ガスは、容器上部側から下部側へ通過する間に容器内に充填した骨材との接触を繰り返しながら熱交換されて冷却されていき、それに伴って気化ガス中に含まれるアスファルト成分は充填骨材の表面にて凝縮して捕集される一方、アスファルト成分の取り除かれた気化ガス(浄化ガス)は排気ダクトより大気中へと放出される。
【0019】
このとき、排気ダクトに備えた温度センサにて検出される排気温度が気化ガス中に含まれるアスファルト成分の凝縮温度を超えると、前記ダンパー開閉制御器にて外気導入ダクトの開閉ダンパーを手動または自動にて開放して負圧に維持された容器内に外気を導入させ、充填骨材を冷却して脱臭処理能力を回復させる。そして、充填骨材を十分冷却すれば、前記ダンパー開閉制御器にて開閉ダンパーを閉鎖して外気導入を停止し、気化ガス導入ダクトからの気化ガス導入を優先した定常運転に戻す。
【0020】
このように、本発明のアスファルトタンクの脱臭装置では、アスファルトタンクに貯蔵する溶融アスファルトから揮発する高温の臭気性の気化ガスを、内部に骨材を充填した縦長の骨材充填容器内へ導入させることにより、導入した気化ガスは容器内をその上部側から下部側に向けて通過する間に充填骨材との接触を繰り返しながら冷却され、気化ガス中に含まれる臭気物質であるアスファルト成分を各骨材の表面にて凝縮させて捕集・除去でき、気化ガスを効果的に脱臭処理することができる。
【0021】
また、容器内に充填した骨材表面へのアスファルト成分の付着によって前記静圧/排風量制御器による排風量の調整だけでは対応できない程度にまで目詰まりが進んだときには、容器下端部の排出ゲートを開放して排出し、新規の骨材と適宜入れ替えるようにすると良い。このとき、骨材充填容器より排出された骨材の表面には、凝縮したアスファルト成分が多量に付着していることになるが、アスファルト混合物の材料としてであれば問題なくそのまま再利用することができ、無駄が生じず好適である。
【実施例】
【0022】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0023】
図中の1はアスファルトプラントに設置されるアスファルトタンク内で発生して排気される臭気性の気化ガスを脱臭処理するアスファルトタンクの脱臭装置であって、アスファルト混合物を製造する際に添加する溶融アスファルトを貯蔵するアスファルトタンク2の近傍に立設した骨材充填容器3を主体としている。
【0024】
前記アスファルトタンク2は、タンク内にアスファルトを投入する投入管4、プラント本体(図示せず)にタンク内の溶融アスファルトを供給する供給管5、貯蔵するアスファルトを加熱して、例えば略160〜180℃程度に保温するためのヒーター6を備えていると共に、アスファルトタンク2の上端部にはタンク内に貯蔵する溶融アスファルトより揮発するアスファルト成分を主成分とした臭気性の気化ガスを排気する排気口7を備えている。
【0025】
また、前記骨材充填容器3は架台8上に立設した縦長の略サイロ状の金属製容器であって、その上端部には開閉蓋を具備した骨材投入用の投入口9を、下端部には骨材排出用の排出ゲート10をそれぞれ開閉自在に備えている。また、骨材充填容器3の上部側には、前記アスファルトタンク2の排気口7に一端部を連結した気化ガス導入ダクト11の他端部を連結していると共に、その近傍には少なくとも前記気化ガス導入ダクト11よりも口径の大きい外気導入用の外気導入ダクト12を連結しており、該外気導入ダクト12の途中には開閉ダンパー13を開閉自在に備えている。
【0026】
一方、骨材充填容器3の下部側には途中に排風機14を具備した排気ダクト15を連結しており、該排気ダクト15と骨材充填容器3との連結部分には容器内の充填骨材Gが排気ダクト15内へ漏出するのを防止するための所定網目サイズ(例えば、充填骨材Gの粒径よりも細かい網目サイズ)の金網16を備えている。
【0027】
また、前記排気ダクト15の基端部付近には容器内より排気される排気温度検出用の温度センサ17を備えていると共に、該温度センサ17にて検出される排気温度に基づいて前記外気導入ダクト12に備えた開閉ダンパー13を手動または自動で開閉制御するダンパー開閉制御器18を備え、例えば、前記温度センサ17にて検出される排気温度が気化ガス中に含まれるアスファルト成分の凝縮温度である、例えば略60℃以下であれば(定常時)、開閉ダンパー13を閉鎖しておく一方、排気温度がアスファルト成分の凝縮温度を超えれば(非常時)、開閉ダンパー13を開放して容器内に外気を導入させて冷却するようにしている。
【0028】
また、骨材充填容器3上部の隅部には容器内の静圧を検出する静圧センサ19を備え、該静圧センサ19にて検出される静圧値が予め設定される所定の負圧値、例えば大気圧よりも僅かに低い程度の(例えば、大気圧比で−10〜−30Pa程度)負圧値を維持するように、インバータ20を介して排風機14の回転数を調整制御する静圧/排風量制御器21を備えており、アスファルトタンク2から気化ガスを必要以上の吸引力で吸引することによる排風機14の無駄な電力消費を極力抑えつつ、容器内の充填骨材表面へのアスファルト成分の付着によって目詰まりが生じるなどして圧力損失が変動(例えば増加)した場合でも、その都度排風量を適宜調整して脱臭処理能力に見合った適正量の気化ガスを容器内に導入し続けられるようにしている。なお、前記排気ダクト15の途中に風量調整ダンパーを備えて、静圧センサ19にて検出される静圧値に基づいてこの風量調整ダンパーの開度を調節することで容器内の静圧値を前記負圧値に調整するようにしても良い。
【0029】
また、図中のGは骨材充填容器3内に充填した骨材であって、前記気化ガス導入ダクト11から容器内に導入される気化ガスが下流の排気ダクト15へ排気されるまでの間に前記充填骨材Gとの接触を繰り返しながら熱交換されて冷却され、気化ガス中に含まれるアスファルト成分が骨材G表面にて凝縮して捕集されるようにしている。
【0030】
なお、前記骨材充填容器3内に充填させる骨材Gの粒径としては、各骨材G同士の間に容器内に導入される気化ガスや外気が通過可能な程度の隙間が形成されるようなサイズであれば特に限定しないが、骨材Gの粒径があまり小さいと容器内の圧力損失が高くなり過ぎて排風機14の負荷が高くなり、骨材Gの粒径があまり大きいと容器内の圧力損失が低くなり過ぎてアスファルト成分の捕集効果が不十分となるおそれがあるので、例えば、5号砕石(13〜20mm粒径相当の骨材)や6号砕石(5〜13mm粒径相当の骨材)を充填するようにすれば、適当な圧力損失が得られて好ましい。
【0031】
そして、上記構成のアスファルトタンクの脱臭装置1にて気化ガスを脱臭処理するときには、プラント内の骨材置き場に貯蔵しているアスファルト混合物の素材である、例えば5号または6号砕石等の骨材Gを骨材充填容器3上端部の投入口9より適当量を容器内に投入して充填させる。骨材Gの充填作業が完了すると、排気ダクト15下流の排風機14を駆動させ、近傍のアスファルトタンク2より気化ガス導入ダクト11を介して臭気性の気化ガスを骨材充填容器3内に導入させていく。
【0032】
このとき、骨材充填容器3内に充填した骨材Gの粒度分布や充填量の違いなどによって、所望の圧力損失が得られず、静圧センサ19にて検出される容器内の静圧値が予め設定した所定の負圧値よりも低過ぎたり、或いは高過ぎたりした場合には、例えば、前記静圧センサ19の静圧値を参照しながら、投入口9より充填骨材Gを追加投入させたり、或いは排出ゲート10より排出させたりして所定の負圧値程度になるように骨材量を調整するようにしても良い。
【0033】
前記骨材充填容器3内に導入された比較的高温の気化ガスは、容器上部側から下部側へ通過する間に容器内の充填骨材Gとの接触を繰り返しながら熱交換されて冷却されていき、それに伴って気化ガス中に含まれるアスファルト成分は充填骨材Gの表面にて凝縮を生じて捕集される一方、アスファルト成分が除去されて脱臭処理された気化ガス(浄化ガス)は排気ダクト15より大気中へと放出されていく。
【0034】
また、高温の気化ガスを骨材充填容器3内に導入し続けることに伴って、排気ダクト15に備えた温度センサ17にて検出される排気温度がアスファルト成分の凝縮温度である、例えば略60℃を超えると、容器内の充填骨材Gの温度が上昇して気化ガスを凝縮温度以下に冷却できないと判断し、前記ダンパー開閉制御器18にて外気導入ダクト12の開閉ダンパー13を手動または自動にて開放して負圧に維持された容器内に外気を導入させる。このとき、前記のように、外気導入ダクト12の口径を気化ガス導入ダクト11の口径よりも大きいものを採用していることにより、骨材充填容器3内には気化ガスよりも外気の方が優先して導入されることになる。
【0035】
骨材充填容器3内に常温の外気が導入されると、容器内の上部側から下部側へ外気が通過する間に充填骨材Gを冷却して脱臭処理可能となる温度まで降下させる。そして、充填骨材Gを十分冷却すれば、前記ダンパー開閉制御器18にて開閉ダンパー13を閉鎖して外気導入を停止し、気化ガス導入ダクト11からの気化ガス導入を優先した定常運転に復帰させる。
【0036】
なお、気化ガス導入ダクト11の途中に開閉バルブを備えると共に、ダンパー開閉制御器18にて、外気導入ダクト12の開閉ダンパー13の開放時には、前記気化ガス導入ダクト11の開閉バルブを閉鎖するようにすれば、外気導入中(骨材G冷却中)に臭気性の気化ガスが漏出するのをより確実に防止することができて好ましい。また、前記外気導入ダクト12に適宜の冷風機を介在させるようにすれば、常温の外気と比較して充填骨材Gをより効果的に冷却することが可能となる。
【0037】
また、充填骨材G表面へのアスファルト成分の付着等により目詰まりが生じて骨材充填容器3内の圧力損失が多少上昇した場合でも、静圧/排風量制御器21では前記静圧センサ19にて検出される容器内の静圧値に基づいてインバータ20を介して排風機14の排風量を調整するようにしているので、処理能力に見合った適正量の気化ガスを容器内に安定して導入し続けることができる。
【0038】
なお、充填骨材Gの目詰まりが進行したときには、容器下端部の排出ゲート10を開放して排出し、ショベルローダM等にて回収してアスファルト混合物の材料として有効利用するようにする一方、容器上端部の投入口9より新規の骨材を投入して交換するようにすると良い。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、アスファルトタンクより排気される臭気性を有した気化ガスを脱臭処理する脱臭装置に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0040】
1…脱臭装置 2…アスファルトタンク
3…骨材充填容器 9…投入口
10…排出ゲート 11…気化ガス導入ダクト
12…外気導入ダクト 13…開閉ダンパー
14…排風機 15…排気ダクト
17…温度センサ 18…ダンパー開閉制御器
19…静圧センサ 21…静圧/排風量制御器
G…充填骨材
図1
図2