特許第6573390号(P6573390)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6573390-首の筋緊張異常症改善用装具 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573390
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】首の筋緊張異常症改善用装具
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/01 20060101AFI20190902BHJP
【FI】
   A61F5/01 G
【請求項の数】4
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2015-198307(P2015-198307)
(22)【出願日】2015年10月6日
(65)【公開番号】特開2017-70398(P2017-70398A)
(43)【公開日】2017年4月13日
【審査請求日】2018年9月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】502285457
【氏名又は名称】学校法人順天堂
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】林 明人
【審査官】 須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/143853(WO,A2)
【文献】 特開2011−147749(JP,A)
【文献】 実開昭49−87693(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/01 − 5/02
A61H 7/00 − 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲している弾性支持体の両端部に、押圧パッドを備えていることを特徴とする首の筋緊張異常症改善用装具。
【請求項2】
前記弾性支持体が、首部外周に対応した半円状またはU字状に湾曲していることを特徴とする請求項1記載の装具。
【請求項3】
前記押圧パッドが、少なくとも弾性支持体の各端部に1個ずつ、計2個備えられていることを特徴とする請求項1又は2記載の装具。
【請求項4】
前記弾性支持体の両端部における押圧パッドの間隔が8〜11cmであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の装具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、首の筋緊張異常症改善用装具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、首の筋緊張異常症の一種である痙性斜頸(頸部ジストニア)の改善用装具としては、ハンガー反射を利用した、頭部に捲いて装着使用する楕円形の弾性装具が既に知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、斯かる従来の楕円形の弾性装具は、楕円形状の頭部に適合する位置に捲いて装着した後、装着したまま回転させることで、頭部と装具との間にひずみを生じさせることにより、回転前より強く圧迫される圧迫部と、回転させる前より弱く圧迫されるゆとり部とを生じせしめ、これにより所定箇所のみを圧迫するものであったため、取り扱い操作性に難があると云う問題があり、より簡便で、しかも改善効率に優れた装具が望まれていたのが実状であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−147749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の如き従来の問題と実状に鑑みてなされたものであり、取り扱い操作が簡便で、しかも筋緊張異常症の改善効率に優れた装具を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、顔や首の適宜部位に触れると、痙性斜頸の症状が改善される現象(感覚トリック)が知られているが、これを応用し、頭部ではなく首部を軽く挾持圧迫すれば、簡便かつ効率良く筋緊張異常症を改善し得ることを見い出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、湾曲している弾性支持体の両端部に、押圧パッドを備えていることを特徴とする首の筋緊張異常症改善用装具により上記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明装具を用いれば、弾性支持体の弾性を利用してその両端部に付設された押圧パッドで首部を容易に挾持することができると共に、その挾持により首部に適度な圧迫作用が得られ、それにより筋緊張異常症を効率良く改善することができる。
その結果、筋緊張異常症に起因する肩こりや首こり、あるいは首の震え(振戦)を解消し、さらにはゴルフなどのスポーツにおける左右の首の筋肉緊張の不均衡を是正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明装具の概略正面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
【0011】
図1において、10は弾性支持体で、首部に装着し易いように、首部外周に対応した半円状またはU字状に湾曲している。この弾性支持体10は、その両端部を拡開した場合、適度の復元力、換言すれば痛みが生じない程度に軽く圧迫する程度の復元力を奏する弾性を有するものであれば、特にその材質は金属、合成樹脂等その如何を問わない。また、この弾性支持体10は、棒状タイプ、板状タイプ等その形態の如何も問わない。
【0012】
この弾性支持体10の両端部には、押圧パッド20が付設されている。この押圧パッド20の付設数は特に制限されないが、少なくとも弾性支持体10の各端部に1個ずつ、計2個付設するのが、首部を二方向から挾持圧迫する上で望ましい。この場合、弾性支持体10の両端部における押圧パッド20の間隔を8〜11cm程度とするのが、ほぼ老若男女の首の太さに対応し得ると共に、挾持時に適度な圧迫作用を得る上で望ましい。この押圧パッド20の形態は、半球タイプ、直方体タイプ等その如何を問わない。またその厚みは1〜3cm程度、その最長部は2〜5cm程度とするのが、適度な圧迫作用を得る上で望ましい。尚、押圧パッド20の材質も金属、合成樹脂等その如何を問わないが、首部に当接される面にはある程度クッション性を有する素材を用いるのが肌触りの点で望ましい。
【符号の説明】
【0013】
10:弾性支持体
20:押圧パッド
図1