特許第6573396号(P6573396)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6573396太陽電池モジュール用標識シート及びその取付方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573396
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】太陽電池モジュール用標識シート及びその取付方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/20 20060101AFI20190902BHJP
   H01L 31/042 20140101ALI20190902BHJP
   G09F 9/00 20060101ALN20190902BHJP
【FI】
   G09F13/20 D
   H01L31/04 500
   !G09F9/00 347A
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-86703(P2016-86703)
(22)【出願日】2016年4月25日
(65)【公開番号】特開2017-198719(P2017-198719A)
(43)【公開日】2017年11月2日
【審査請求日】2018年3月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】514307051
【氏名又は名称】株式会社メセナ
(74)【代理人】
【識別番号】100146020
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 善光
(74)【代理人】
【識別番号】100062328
【弁理士】
【氏名又は名称】古田 剛啓
(72)【発明者】
【氏名】藤原 忠治
(72)【発明者】
【氏名】北野 洋一郎
(72)【発明者】
【氏名】児山 光弘
(72)【発明者】
【氏名】國政 悠也
【審査官】 大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−076607(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3174529(JP,U)
【文献】 特開2013−011712(JP,A)
【文献】 特開2001−109386(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3121070(JP,U)
【文献】 特開2008−165203(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1222094(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 13/20−13/46
G09F 9/00
E01F 9/00−11/00
H01L 31/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の太陽電池セルと、前記複数の太陽電池セルの外縁に設けた枠体と、前記太陽電池セルの受光面側に設けた太陽光透過板とを備えた太陽電池モジュールに使用する太陽電池モジュール用標識シートであって、
前記太陽電池モジュール用標識シートの第一の形態が、前記太陽電池モジュールの受光面側と略同じ大きさ、又は、受光面側と略同じ大きさを任意の大きさに分割した透明又は半透明のシートに、前記太陽電池セルの輪郭相当部位に突条部を形成し、前記突条部で形成された溝に、少なくとも文字、数字及び図形の中から1つ以上を形成した、一面側には接着剤が塗布され他面側には接着剤が塗布されていない前記蓄光体を、前記他面側を前記シートに対向させて嵌設させたことを特徴とする太陽電池モジュール用標識シート。
【請求項2】
請求項1に記載の第一の形態の太陽電池モジュール用標識シートを、前記太陽電池モジュール用標識シートに形成した突条部と前記太陽電池モジュールの太陽電池セルの輪郭とを前後左右方向で一致させて、前記蓄光体を前記太陽光透過板に当接させて載せる載設工程と、
前記載設した透明又は半透明のシートを上方から押圧させて、前記蓄光体を前記太陽光透過板上に接着させる接着固定工程と、
前記シートを前記蓄光体から離脱させるシート離脱工程と、を備える蓄光体の取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールの受光面側に標識部材を配設して太陽電池モジュールの受光面側を視覚的にデザイン化する太陽電池モジュール用標識シート及びその取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数個の太陽電池素子を面状に並べ、これら各太陽電池素子の間に標識部材である発光体を各太陽電池素子の受光面上に配置し、これらの太陽電池素子を背景にして発光体を発光させるように成した太陽電池モジュールを備えた太陽光発電装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、枠体と、枠体内に設置された一枚又は複数枚の太陽電池セルと、標識部材である複数の発光体とを含む太陽電池モジュールであって、複数の発光体をコントロールして種々の発光パターンで発光させ得る制御手段を備え、屋外ディスプレイ装置として用い得る太陽電池モジュールが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−72281号公報
【特許文献2】特開2004−221406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の発明は、発光体が特許文献1の段落[0058]に記載されているようにLED(発光ダイオード)又はランプであるため、そのLEDやランプを太陽電池素子間の細長い部位に取り付け、その発光体と電源との間の配線工事をしなければならないため、太陽電池モジュール製造段階ではLED設置工事が可能であるが、太陽電池モジュールを現地に設置した後のLED設置工事が困難であり、既設の発電中の太陽電池モジュールには発光体の取付が普及しにくいという問題があった。また、発光体の配設工事費が高いという問題もあった。
【0006】
特許文献2の発明は、発光体である発光ダイオードを太陽光透過板の内側で、太陽電池セル間の細い隙間に配設して、その発光体間と電源との間を配線する工事をしなければならないため、太陽電池モジュール製造段階ではLED設置工事が可能であるが、既設の発電中の太陽電池モジュールには発光ダイオード関連設置工事が困難であり既設の太陽電池モジュールには発光体の取付が普及しないという問題があった。
【0007】
また、発光体の配設工事に加えて、発光体を種々の発光パターンで発光させる制御設備を工事するため発光体の設置に関する工事費がさらに高くなるという問題があった。
【0008】
本発明はこうした問題に鑑み創案されたもので、既設の発電中の太陽電池モジュールに標識部材を容易に施工ができ、工事費を低コストで抑えることができる太陽電池モジュール用標識シート及びその取付方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の太陽電池モジュール用標識シート1は、複数の太陽電池セル6と、前記複数の太陽電池セル6の外縁に設けた枠体7と、前記太陽電池セル6の受光面10側に設けた太陽光透過板8とを備えた太陽電池モジュール5に使用する太陽電池モジュール用標識シート1であって、前記太陽電池モジュール用標識シート1の第一の形態が、前記太陽電池モジュール5の受光面10側と略同じ大きさ、又は、受光面10側と略同じ大きさを任意の大きさに分割した透明又は半透明のシート2に、前記太陽電池セル6の輪郭相当部位に突条部12を形成し、前記突条部12で形成された溝13に、少なくとも文字、数字及び図形の中から1つ以上を形成した、一面側には接着剤9が塗布され他面側には接着剤9が塗布されていない前記蓄光体3を、前記他面側を前記シート2に対向させて嵌設させたことを特徴とする
【0010】
請求項に記載の蓄光体の取付方法20は、請求項1に記載の第一の形態の太陽電池モジュール用標識シート1を、前記太陽電池モジュール用標識シート1に形成した突条部12と前記太陽電池モジュール5の太陽電池セル6の輪郭とを前後左右方向で一致させて、前記蓄光体3を前記太陽光透過板8に当接させて載せる載設工程21と、前記載設した透明又は半透明のシート2を上方から押圧させて、前記蓄光体3を前記太陽光透過板8上に接着させる接着固定工程22と、前記シート2を前記蓄光体3から離脱させるシート離脱工程23と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の太陽電池モジュール用標識シート1は、細長シート状又は点状の蓄光体3を既設の発電中の太陽電池モジュール5に、その太陽光モジュール5が設置された場所で取り付けることができ、かつ安価に施工できるという効果を奏する。
【0012】
また、予め定めた文字や図形を視覚的に表現させるように細長シート状又は点状の蓄光体3を前記太陽電池セル間であって前記太陽光透過板8上に配設するので、太陽電池モジュール5の発電性能に影響を与えないで、太陽電池モジュール5の表面をデザイン化することができるという効果を奏する。デザイン化することによって、宣伝や広告に使用することができるという効果を奏する。
【0013】
蓄光体3を使用するので夜間も視認することができ広告宣伝効果を有し、周囲を照らすので防犯効果も期待できる。
【0014】
特許文献1又は2の場合は発光ダイオード設置工事及びその配線工事が必要であることから太陽電池モジュール5の表面のデザインを変えることは困難であるが、本発明の太陽電池モジュール用標識シート1であれば、イベントや季節や新商品販売などの機会に又は定期的に容易に安価に太陽電池モジュール5の受光面10側のデザインを変えることができるという効果を奏する。
【0015】
また、太陽電池モジュール用標識シート1は、現地に取り付ける前段階で、既設の太陽電池モジュール5の受光面10の大きさに合わせて予め太陽電池モジュール5の受光面10側である表面のデザインを作成できるので、かつ、蓄光体3とシート2とを接着させないで嵌設させて固定化させることができるので、前段階で図面のみの検討に限らず現地と同じように蓄光体3を取り付けた状態を再現させた仮置き状態でデザインの実際の見栄え確認や修正が容易にできるという効果を奏する。
【0016】
細長シート状又は点状の蓄光体3を太陽電池モジュール5の表面に確実に接着固定させることができるという効果を奏する。
【0017】
請求項に記載の蓄光体の取付方法20は、既設の使用中の太陽電池セル間の2〜10mmの極細の間隙15に蓄光体3が太陽電池セル6上に位置しないように確実に接着固定させることができる。これにより、発電効率に影響を与えないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第一の形態の太陽電池モジュール用標識シートの事例を示す図である。
図2】第二の形態の太陽電池モジュール用標識シートの事例を示す図である。
図3】既設の使用中の太陽電池モジュールの斜視図である。
図4】本発明の太陽電池モジュール用標識シートを配設した太陽電池モジュールの受光面の外観を示す図である。
図5】第一の形態の太陽電池モジュール用標識シートのシート断面図で、(a)が図1のA−A断面における蓄光体を嵌設前のシート断面図であり、(b)が図1のB−B断面における蓄光体を嵌設した後のシート断面図である。
図6】第一の形態の太陽電池モジュール用標識シートの取付状況を、図4のD範囲における断面を例に説明する図で、(a)が太陽電池モジュール用標識シートを太陽光透過板上に持ってきた状態を示す図で、(b)が太陽電池モジュール用標識シートを太陽光透過板上に接着させた状態を示す図で、(c)がシートを太陽光透過板から離脱させた状態を示す図である。
図7図2のC−C断面における、第二の形態の太陽電池モジュール用標識シートのシート断面図で、(a)が蓄光体からなる出来栄えを確認する場合に太陽光透過板上に仮置きした状態を示すシート断面図で、(b)が蓄光体をシートに接着させた状態を示すシート断面図である。
図8】第二の形態の太陽電池モジュール用標識シートの取付状況を、図4のD範囲における断面を例に説明する図で、(a)が太陽電池モジュール用標識シートを太陽光透過板上に持ってきた状態を示す図で、(b)が太陽電池モジュール用標識シートを太陽光透過板上に載設させた状態を示す図である。
図9】第一の形態の太陽電池モジュール用標識シートのシート部分を示す図である。
図10】第二の形態の太陽電池モジュール用標識シートのシート部分を示す図である。
図11】太陽電池モジュール用標識シートの大きさの一例を説明する図で、図9のF領域の単体の太陽電池モジュール用標識シートの大きさを示す図である。
図12】第一形態の太陽電池モジュール用標識シートの太陽モジュールへの取付方法を示すフロー図である。
図13】第二形態の太陽電池モジュール用標識シートの太陽モジュールへの取付方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の太陽電池モジュール用標識シート1は、図1又は図2に示すような形態をしており、図3に示すような既設の太陽電池モジュール5に設置して、図4に示すように太陽電池モジュール5の受光面10側であって、太陽電池セル6間の間隙15の真上に、蓄光体3を配設して、文字、数字及び図形の中から1つ以上を視覚的に表現させることができる。
【0020】
本発明の太陽電池モジュール用標識シート1は、複数の太陽電池セル6と、前記複数の太陽電池セル6の外縁に設けた枠体7と、前記太陽電池セル6の受光面10側に設けた太陽光透過板8とを備えた太陽電池モジュール5に使用する太陽電池モジュール用標識シート1であって、前記太陽電池モジュール5の受光面10側と略同じ大きさ、又は、受光面10側と略同じ大きさを任意の大きさに分割した透明又は半透明のシート2に、細長シート状又は点状の蓄光体3を予め定めた少なくとも文字、数字及び図形の中から1つ以上を視覚的に表現させるように配設している。
【0021】
本発明でいう太陽電池モジュール5は、複数の太陽電池セル6と、前記複数の太陽電池セル6の外縁に設けた枠体7と、前記太陽電池セル6の受光面10側に設けた一つの太陽光透過板8を備える太陽電池モジュール5が単体の場合、又は、前記単体の太陽電池モジュール5を複数配設した場合を含む。
【0022】
前記複数の太陽電池セル6は、前記枠体7内にマトリックス状に面状に配設されており、各太陽電池セル6間には約2〜15mmの隙間15がある。そして、太陽電池セル6の受光面10側には透明なガラス製の太陽光透過板8が配設されている。前記隙間15は太陽電池モジュールの型式によっては15mm以上になる場合もある。
【0023】
太陽電池モジュール用標識シート1を構成するシート2は、図9に示すような第一の形態、又は、図10に示すような第二の形態がある。
【0024】
太陽電池モジュール用標識シート1を構成するシート2は、透明又は半透明であり、材料はポリエチレンやプラスチックフィルムなどの可撓性を有する材料、硬質ポリウレタンやABS樹脂等の硬質プラスチック材料、又は、ガラス等の硬質材料等のシート状に製造できる材料であればよい。そして、蓄光体3を嵌設する突条部12を形成でき、輪郭線11を描写できる材料であればよく、板厚は使用状況や施工状況に適するように適宜設定する。
【0025】
前記シート2の大きさは、少なくとも一つの太陽光透過板8を備える単体の太陽電池モジュール5の枠体7以上の大きさを有する。例えば、図9又は図10は、図9におけるFの領域の単体の太陽電池モジュール5を左右上下に各2つずつ配設した4つの太陽電池モジュール5の組合せを示しているが、この場合に図11に示すように単体の太陽電池モジュール5の枠体7とほぼ同じ大きさの場合や、図9又は図10に示すように複数の太陽電池モジュール5を配列したときの外側の枠体7とほぼ同じ大きさの場合もある。前記シート2の大きさは、太陽電池モジュール用標識シート1を太陽光透過板8上に設置する工事の施工のやりやすさや工事費などを総合的に勘案して選択することができる。
【0026】
前記蓄光体3は、紫外線や可視光線等の光エネルギーを吸収して暗闇の夜間に長時間発光可能な部材であり、細長シート状又は点状の蓄光テープ又は蓄光塗料からなる。発光色は、蓄光顔料のよって選択することができ、白色系、黄色系、緑色系、青色系などがある。前記蓄光塗料の場合はシート2に又は太陽光透過板8に直接に塗布する。
【0027】
前記蓄光体3は、例えば、蓄光テープの場合は、硫化亜鉛ヤアルミン酸ストロンチウム等の蓄光物質の表裏面に、汚れのつきにくく傷つきにくいPETフィルム、塩ビ又はアクリルフィルムを積層させた形態のテープであり、太陽電池セル6間に嵌設可能なように幅であればよい。そして、蓄光体3の少なくとも一面側に接着剤9が塗布されている。
【0028】
前記蓄光体3を、前記太陽電池セル6の受光面10側の真上を避けて、各太陽電池セル6間の間隙15の真上の前記太陽光透過板8上や、前記枠体7上に配設することにより、既存の太太陽電池モジュール5の発電効率に影響を与えにくくしている。
【0029】
前記蓄光体3を、例えば図1図2に示すように、少なくとも文字、数字及び図形の中から1つ以上を視覚的に表現させるように配設することにより、広告効果、警告効果又は案内効果を発揮させることができる。
【0030】
太陽電池モジュール用標識シート1の第一の形態を説明する。第一の形態は、前記太陽電池モジュール5の受光面10側と略同じ大きさ、又は、受光面10側と略同じ大きさを任意の大きさに分割した透明又は半透明のシート2に、前記太陽電池セル6の輪郭相当部位に突条部12を形成し、前記突条部12で形成された溝13に、少なくとも文字、数字及び図形の中から1つ以上を形成した、一面側には接着剤9が塗布され他面側には接着剤9が塗布されていない前記蓄光体3を、前記他面側を当接させて嵌設させている形態である。
【0031】
第一の形態のシート2は、例えば図9に示すように太陽電池モジュール5の受光面10側と略同じ大きさを選択するか、又は、図11に示すように図9における領域Fに相当する範囲の大きさである単体の太陽電池モジュール5の大きさに分割した大きさを選択する。分割した場合は個々のシート2を合わせて太陽電池モジュール5の受光面10側全体を覆う大きさとする。
【0032】
前記シート2は透明又は半透明なものとする。これにより、太陽電池モジュール用標識シート1を太陽光透過板8上に位置決めするときに、既設の太陽電池モジュール5のガラス製の太陽光透過板8を透して個々の太陽電池セル6の輪郭や間隙15の位置を視覚で確認することができるので、太陽電池セル6の輪郭に沿って間隙15の真上に蓄光体3を配設することができる。前記蓄光体3の一面側には接着剤9が塗布され他面側には接着剤9が塗布されていない。
【0033】
前記シート2には、図5(a)に示すように太陽電池セル6の輪郭相当部位に突条部12を形成し、前記突条部12に挟まれた部位を、蓄光体3を嵌設できる溝13として利用する。図5(b)や図1に示すように、前記溝13に、接着剤9が塗布されていない面側をシート2に対向させて溝13に蓄光体3を嵌設する。
【0034】
太陽電池モジュール用標識シート1は、文字、数字及び図形の中から1つ以上選択して考えたデザインを、細長シート状又は点状の前記蓄光体3を前記シート2に嵌設させて具体化させた状態をいい、一例として、「1234」なる数字と「広島」という文字を形成した例を図1に示す。このときは、蓄光体3とシート2とは固定化されていない状態であるので、外観上で修正した場合には、蓄光体3をシート2の溝13から離隔させて別の溝13に再嵌設させることが容易にできる。
【0035】
次に、太陽電池モジュール用標識シート1の第二の形態の場合を説明する。第二の形態は、前記太陽電池モジュール5の受光面10側と略同じ大きさ、又は、受光面10側と略同じ大きさを任意の大きさに分割した透明で透光性を有するシート2上に、前記太陽電池セル5の輪郭相当部位に輪郭線11を描写し、前記輪郭線11間の狭い間隙14に、少なくとも文字、数字及び図形の中から1つ以上を形成した、一面側には接着剤9が塗布され他面側には接着剤9が塗布されていない前記蓄光体3を、前記一面側を前記シート2面に当接させて接着させている形態である。
【0036】
第二の形態のシート2は、例えば図10に示すように太陽電池モジュール5の受光面10側と略同じ大きさを選択するか、又は、図11に示すように図9における領域Fに相当する範囲の大きさである単体の太陽電池モジュール5の大きさに分割した大きさを選択する。分割した場合は個々のシート2を合わせて太陽電池モジュール5の受光面10側全体を覆う大きさとする。
【0037】
前記シート2は透明で透光性を有するものとする。これにより、太陽電池モジュール用標識シート1を太陽光透過板8上に位置決めするときに、既設の太陽電池モジュール5のガラス製の太陽光透過板8を透して個々の太陽電池セル6の輪郭を視覚で確認することができるので、太陽電池セル6の輪郭に沿ってかつ間隙15の真上に蓄光体3を配設することができる。そして、前記シート2を前記蓄光体3の一面側には接着剤9が塗布され他面側には接着剤9が塗布されていない。
【0038】
前記シート2には、図7(a)や図10に示すように、太陽電池セル6の輪郭相当部位や枠体7の縁に相当する部位に輪郭線11を描写している。そして、図7(b)や図2に示すように、前記輪郭線11にそって、接着剤9が塗布されている面側をシート2の間隙14に当接させて蓄光体3を接着固定する。
【0039】
太陽電池モジュール用標識シート1は、文字、数字及び図形の中から1つ以上選択して考えたデザインを、細長シート状又は点状の前記蓄光体3を前記シート2に嵌設させて具体化させた状態をいい、一例として、「1234」なる数字と「広島」という文字を形成した例を図2に示す。
【0040】
第二形態の場合で、蓄光体3をシート上に仮置きして出来栄えを確認し必要ならば修正したい場合は、図7(a)に示すように、蓄光体3の接着剤9が塗布されていない面側をシート2上に載置して検討をすることができる。
【0041】
次に、第一の形態の太陽電池モジュール用標識シート1を太陽電池モジュール5に取り付ける方法20を説明する。第一の形態の太陽電池モジュール用標識シート1の取付方法20は、図12に示すように、第一の形態の太陽電池モジュール用標識シート1を、前記太陽電池モジュール用標識シート2に形成した突条部12と前記太陽電池モジュール5の太陽電池セル6の輪郭とを前後左右方向で一致させて、前記蓄光体3が間隙15の真上に位置するようにして、前記蓄光体3を前記太陽光透過板8に当接させて載せる載設工程21と、前記載設した透明又は半透明のシート2を上方から押圧させて、前記蓄光体3を前記太陽光透過板8上に接着させる接着固定工程22と、前記シート2を前記蓄光体3から離脱させるシート離脱工程23と、を備える。
【0042】
前記載設工程21は、図6(a)に示すように、太陽光透過板8を透過して見える太陽電池セル6の輪郭に太陽電池モジュール用標識シート1の蓄光体3の外縁の左右前後方向で一致させるようにし、間隙15の真上に蓄光体3が位置するようにして太陽電池モジュール用標識シート1を位置決めする。
【0043】
次に、接着固定工程22は、図6(b)に示すように、前記載設した透明又は半透明のシート2を上方から押圧させて、前記蓄光体3を前記太陽光透過板8上に接着させる。
【0044】
次に、シート離脱工程23は、図6(c)に示すように、前記シート2を前記蓄光体3から離脱させる。これにより、図4に示すように太陽電池モジュール5の受光面10に数字や文字などからなるデザインを形成することができる。
【0045】
次に、第二の形態の太陽電池モジュール用標識シート1を太陽電池モジュール5に取り付ける方法30を説明する。第二の形態の太陽電池モジュール用標識シート1の取付方法30は、図13に示すように、第二の形態の太陽電池モジュール用標識シート1を、前記シート2に描写した輪郭線11と前記太陽電池モジュール5の太陽電池セル6の輪郭とを前後左右方向で一致させて前記蓄光体3を間隙15の真上に位置するようにして、前記蓄光体3を前記太陽光透過板8に当接させて載せる載設工程31と、前記載設した透明のシート2の外周部を前記太陽電池モジュール5の前記枠体7に固定させるシート固定工程32と、を備える。
【0046】
前記載設工程31は、図8(a)に示すように、太陽光透過板8を透過して見える太陽電池セル5の輪郭に太陽電池モジュール用標識シート1の蓄光体3の外縁を左右前後方向で一致させるようにし蓄光体3が間隙15の真上に位置するようにして太陽電池モジュール用標識シート1を位置決めする。
【0047】
次に、シート固定工程32は、図8(b)に示すように、前記載設した透明のシート2の外周部を前記太陽電池モジュール5の前記枠体7に固定させる。これにより、図4に示すように太陽電池モジュール5の受光面10に数字や文字などからなるデザインを形成することができる。このときの枠体7への太陽電池モジュール用標識シート1の固定化方法は、透明のシート2の外周部を前記枠体7の上面や側面に接着剤により接着固定させてもいいし、透明のシート2の外周部と前記枠体7とを接着テープにより相互関係が位置ずれしないように連結させて接着固定させてもいいし、透明のシート2の外周部と枠体7とが相互に位置ずれしないように掛止め可能な連結方法であればよい。
【符号の説明】
【0048】
1 太陽電池モジュール用標識シート
2 シート
3 蓄光体
5 太陽電池モジュール
6 太陽電池セル
7 枠体
8 太陽光透過板
9 接着剤
10 受光面
11 輪郭線
12 突条部
13 溝
14 間隙
15 間隙
20 取付方法
21 載設工程
22 接着固定工程
23 シート離脱工程
30 取付方法
31 載設工程
32 シート固定工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13