(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573423
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】カプセル投薬用コンテナー
(51)【国際特許分類】
B65D 75/58 20060101AFI20190902BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20190902BHJP
A61J 3/07 20060101ALI20190902BHJP
A45D 34/00 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
B65D75/58
B65D83/00 G
A61J3/07 E
A61J3/07 G
A45D34/00 510Z
【請求項の数】25
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-565049(P2016-565049)
(86)(22)【出願日】2015年5月11日
(65)【公表番号】特表2017-526581(P2017-526581A)
(43)【公表日】2017年9月14日
(86)【国際出願番号】US2015030126
(87)【国際公開番号】WO2015179159
(87)【国際公開日】20151126
【審査請求日】2018年4月16日
(31)【優先権主張番号】62/000,615
(32)【優先日】2014年5月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515135228
【氏名又は名称】アール.ピー.シェーラー テクノロジーズ、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】バルッツィ、ローラ
(72)【発明者】
【氏名】ウイリアムズ、デイビッド グリフィス、シニア
(72)【発明者】
【氏名】プロヴェンツァ、アリアンナ
(72)【発明者】
【氏名】パイテル、ロドリーゴ フッセリ
【審査官】
蓮井 雅之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−034416(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0019781(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0057115(US,A1)
【文献】
米国特許第06315480(US,B1)
【文献】
特開2006−299052(JP,A)
【文献】
特表平08−502663(JP,A)
【文献】
特表平08−502672(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0192908(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/58
A45D 34/00
A61J 3/07
B65D 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単回投与の製品を届けるためのソフトゲルカプセルパッケージ(100)であって、
タンパク質および多糖から選択される少なくとも1つのゲル化剤から作られるソフトゲルカプセルシェル(5)を有し、
前記ソフトゲルカプセルシェル(5)は、第1のシェルの厚さを有する少なくとも1つの領域と、2つの突起と、当該ソフトゲルカプセルシェル(5)上の圧縮力の行使によって破裂するように形成された、前記突起間に位置する前記第1のシェルの厚さと比べてシェルの厚さが減少した領域(3)であって、前記カプセルシェル(5)中の開口を提供し、そこを介してパッケージ(100)に含まれる前記製品が投薬され得る、前記シェルの厚さが減少した領域(3)とを含む、ソフトゲルカプセルパッケージ(100)。
【請求項2】
請求項1記載のパッケージ(100)において、前記ソフトゲルカプセルシェル(5)は前記パッケージ(100)に含まれる充填材料に不浸透性である、パッケージ(100)。
【請求項3】
請求項1記載のパッケージ(100)において、前記ソフトゲルカプセルシェル(5)は、約0.05〜約5ml、または約0.1〜約3ml、または約0.2〜約2ml、または約0.25〜約1mlの内部容積を有する、パッケージ(100)。
【請求項4】
請求項1記載のパッケージ(100)において、前記ソフトゲルカプセルシェル(5)は、球形、長方形、管状、円筒形、正方形、矩形、円盤状、猫耳形、または楕円形から選択される形状を有する、パッケージ(100)。
【請求項5】
請求項1記載のパッケージ(100)において、前記厚さが減少した領域(3)は円形状または線状である、パッケージ(100)。
【請求項6】
請求項1記載のパッケージ(100)において、前記厚さが減少した領域(3)は前記突起(2)の間のへこんだ領域部分に位置される、パッケージ(100)。
【請求項7】
請求項1記載のパッケージ(100)において、前記突起(2)は、本体(1)から約0.5mm未満、または約0.4mm未満、または約0.3mm未満、または約0.2mm未満延びるものである、パッケージ(100)。
【請求項8】
請求項1記載のパッケージ(100)において、前記ソフトゲルカプセルシェル(5)の表面は、さらに、質感領域を有する、パッケージ(100)。
【請求項9】
請求項8記載のパッケージ(100)において、前記質感領域は、畝、縞、棒、帯、筋、片、斑点、線紋、リブ、およびそれらの組み合わせから選択される1またはそれ以上の構造によって作られる、パッケージ(100)。
【請求項10】
請求項1記載のパッケージ(100)において、前記少なくとも1つのゲル化剤はタンパク質ベースのゲル化剤である、パッケージ(100)。
【請求項11】
請求項10記載のパッケージ(100)において、前記タンパク質ベースのゲル化剤は、コラーゲン、ゼラチン、卵白、またはミルクベースのタンパク質からなる群から選択されるものである、パッケージ(100)。
【請求項12】
請求項1記載のパッケージ(100)において、前記少なくとも1つのゲル化剤は多糖ベースのゲル化剤である、パッケージ(100)。
【請求項13】
請求項12記載のパッケージ(100)において、前記多糖ベースのゲル化剤は、セルロースベースの材料、デンプン、加工デンプン、ペクチン、ガム、デキストリン、アルギン酸塩、カラギナン、およびそれらの混合物からなる群から選択されるものである、パッケージ(100)。
【請求項14】
請求項1記載のパッケージ(100)において、前記ソフトゲルカプセル(5)は少なくとも2つのゲル化剤から作られるものである、パッケージ(100)。
【請求項15】
請求項14記載のパッケージ(100)において、前記ゲル化剤は加工デンプンおよびイオタカラギナンを有するものである、パッケージ(100)。
【請求項16】
請求項1記載のパッケージ(100)において、少なくとも1つのゲル化剤はゼラチンである、パッケージ(100)。
【請求項17】
請求項16記載のパッケージ(100)において、前記ゼラチンは前記ソフトゲルカプセルシェル(5)の約25〜約45重量%の量を有するものである、パッケージ(100)。
【請求項18】
請求項1記載のパッケージ(100)において、前記カプセル(5)は、さらに、可塑剤、防腐剤、香味剤、不透明化剤、緩衝剤、脆化防止剤、染料、崩壊剤、香水、香料、シェル質感化成分、真珠光沢顔料、光輝性顔料、および水からなる群から選択される1またはそれ以上の成分を有するものである、パッケージ(100)。
【請求項19】
請求項18記載のパッケージ(100)において、前記カプセル(5)は、さらに、可塑剤、防腐剤、香味剤、不透明化剤、緩衝剤、脆化防止剤、染料、崩壊剤、香水、香料、シェル質感化成分、真珠光沢顔料、光輝性顔料、および水からなる群から選択される成分を有するものである、パッケージ(100)。
【請求項20】
請求項1記載のパッケージ(100)において、前記カプセル(5)は、約0.024cm〜約0.1778cmの第1の厚さと、前記第1の厚さより約30%〜約70%、または約40%〜約50%薄い、厚さが減少した領域(3)における第2の厚さとを有するものである、パッケージ(100)。
【請求項21】
請求項1記載のパッケージ(100)において、前記突起(2)は、前記厚さが減少した領域(3)上に背圧を作り出すように構成される、パッケージ(100)。
【請求項22】
請求項1記載のパッケージ(100)において、前記突起(2)および前記厚さが減少した領域(3)は、スプレーとして前記製品を投薬するように構成される、パッケージ(100)。
【請求項23】
請求項22記載のパッケージ(100)において、前記スプレーは複数の流れを有する、パッケージ(100)。
【請求項24】
請求項1記載のパッケージ(100)において、前記厚さが減少した領域のそれぞれは、所望の投薬を提供するようにサイズ化される、パッケージ(100)。
【請求項25】
請求項1記載のパッケージ(100)において、前記パッケージは生分解性である、パッケージ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単回投与のカプセルに関する。特に、本発明は、絞ることによる単回投与として、および/またはスプレーとして、ソフトゲルカプセル内の中身を届けるために、厚さが減少した少なくとも1つの領域を有するソフトゲルカプセルを対象とする。
【背景技術】
【0002】
香水および化粧品の分野において、製品の単回投与を含む公共フリーサンプルを配布することは製品を試供するための一般的行為である。加えて、液体キャリアでの栄養補給剤や医薬品はまた、多くの場合、単回投与のコンテナーで配布される。これらの単回投与の形態は、バルクの液体調剤のような他の投薬形態に対して多くの利点を持つ。例えば、単回投与の形態の内容物は個々に十分に識別可能であり、投薬形態の完全性は実際の投与のときまで保護される。もし、その内容物、例えば、化粧品、栄養補給剤、医薬品等が使用されず、かつそのコンテナーに損傷がないなら、そのコンテナーは回収され、その完全性を維持した状態で使用され得る。
【0003】
さらに、単回投与のコンテナー内に医薬品を供給することによって、単位用量の正確な移送が可能である。これは、あるホルモンの場合のように比較的少量の医薬品が提供されなければならない場合に特に重要になるという利点がある。そのような均等性は、固形物質が均等に混合され、かつ圧縮されなければならない錠剤化の過程を介して、または、各投与前に各用量の正確な測定が要求されるバルクの液体キャリアの中に活性成分の総量を混入することを介して、達成するにはより困難である。
【0004】
単回投与の化粧品、栄養補給剤、または医薬品は、従来、これらの製品を提供するために取り外し可能なストッパー付き、スプレー装置付きの小さなボトル、または引裂き可能なタブ付きまたは脆弱線付きの小袋に梱包されている。米国特許番号6、315、480はその保存品上に適応されたへこみ圧力が包装材料を保存品の中に含まれた製品を放ちながら勢い良く開くような、柔軟で延性のある材料から作られる包装材料によって特徴づけられる密封された保存品の中に含まれる液体の製品容量を拡散するための装置を開示する。その包装材料は、開口前の段階で包装材料を勢い良く開け、それにより、開口段階で製品規定の方向に向くように、開口前に形成されている厚さが減少した領域を局所的に供給される。柔軟で延性のある材料はプラスチックでも良い。装置は医薬品、化粧品、食物、衛生品、香水、または家庭用洗剤の提供に適用可能である。厚さが減少した領域は製品を噴き出し可能にする垂直面のラインを有しても良い。
【0005】
国際公開第2007/145535号明細書は脆弱線でパッケージの開口を作るために圧縮力の適用によって開けられる小袋を開示する。公報は破断および調剤過程のコントロールを助けるために知られる様々なメカニズム、および典型的に一つのウェブが切れ目や切れ目パターンまたは他の弱い部分によって弱い領域を有する比較的固く、半硬性の材料で作られることを教授する。脆弱線は、パッケージの材料の隣接部分と比較して脆弱線で材料の薄い部分を作るために製品に切れ目を作ることによって作り出される。
【0006】
米国特許第6,007,264号明細書は、パッケージアプリケーターを作るためにコンテナーの出口端の反対側に位置したペアの外側に組み込みの中枢折り込み部を含む圧出可能な材料のための小さいサイズの浅いポーチのようなコンテナーを開示する。コンテナーの側面を指で強く押すと、出口を通ってアプリケーターの折り込み部上に保存された材料が出てくる。つまみとしてのコンテナー部分を使って、折り込み部は圧出された材料を放ちながら希望通りの表面に動かされる。望ましい実施形態において、コンテナーとアプリケーションの組み合わせは、コンテナーとアプリケーター両方の輪郭を示すためにもう一つに重ね合わせ、部分的に接続する実質的に同一構造の柔軟なホイルのペアシートによって形成される。コンテナーは、熱可塑性材料から作られ、香水および他の化粧品を保つために使用される。
【0007】
米国特許第5,270,054号明細書は、化粧品組成物を保存するためのカプセルを開示する。カプセルは、カプセルの主要部分を形作る空洞のチャンバーを有する回転楕円体形、空洞チャンバーから化粧品組成物を取り出すためにねじると破損し得るネック部に付く主要部分と接続されるタブを有する。開けられたカプセルは穴が空いた開口部から保存された化粧品組成物を押し出すように優しく絞り込まれる。カプセルはタイプA、タイプB、またはそれらの組み合わせから選択されるゼラチンから作られるソフトゲルであっても良い。カプセルに注入される化粧品組成物の量は、約0.05〜約5グラム、または約0.3〜約2グラムの範囲である。
【0008】
米国特許第5,380,534号明細書は、カプセルの保持性と操作を高めるためにシェル上にギザギザの表面を有するソフトゼラチンカプセルを開示する。ゼラチンの他に、ソフトゼラチンはまた(カラギナンのような)増粘剤ばかりでなく、デンプンまたはデンプン誘導体を含む。一つの実施形態において、ソフトゼラチンシェルはアシル化ゼラチン、高アミロースデンプン、およびグリセロールを含む。ソフトゼラチンカプセルは、カプセルを密封するためにカプセルの主要部と相互的に形成された取り外し可能なタブを含む。取り外し可能なタブとカプセルの主要部を接続するネック部はタブをねじり切ることによって容易に壊れる。カプセルの内容物はその後カプセルを絞り込むことによって調合され得る。
【0009】
米国特許第5,063,057号明細書は、化粧製品を梱包するためのカプセルを開示する。カプセルは空洞チャンバーを有する球状体とネック部によって空洞チャンバーと接続されるタブを有する。タブは化粧製品を放出させるためにネック部をねじって壊すことによって取り外される。カプセルはソフトゼラチンゲルから作られても良い。カプセルに注入される化粧品組成物の量は、約0.05〜約5グラム、または約0.3〜約2グラムの範囲である。
【0010】
米国特許第6,280,767号明細書は、ゼラチン、1またはそれ以上の可塑剤、および不水溶性セルロースから成るねじり開けタイプのソフトゼラチンカプセルを開示する。ソフトゼラチンカプセルは、狭い破裂部を含む細長い体を有する。ソフトゼラチンカプセルはねじる力を適用することによって破裂部分を指でねじり開けられる。
【0011】
国際公開第1994/014356号明細書は、厚い端を有する末梢部によって実質的に囲まれる中央の化粧含有部を含むサンプルコンテナーを開示する。厚い端は固形ゼラチンから作られる一方で、中央部は好ましくはソフトゼラチンから作られる。好ましい実施形態において、コンテナーはソフトゼラチンから作られる。狭まったネック部は、中央の化粧含有部とタブを接続し、中央の化粧含有部の中の化粧製品に到達するために取り外し可能である。中央の化粧含有部は好ましくは円筒形また楕円円筒形である。国際公開第1994/014356号明細書によると、コンテナー内の化粧品は香水、ローション、またはクリームであっても良い。
【0012】
これらの単回投与コンテナーはしばしば片手でちぎったり、ねじったりすることによって開ける必要がある。そのようなコンテナーは開口に両手を使う人にとって扱いにくいかもしれない。加えて、スプレー可能な提供を供給する多くのコンテナーは生物分解性ではないし、一方で生物分解性である多くのコンテナーはスプレー可能な提供を供給していないが、それは多くのアプリケーションに有益である。
【0013】
したがって、本発明の1つの目的は、現存する単回投与のコンテナーの前述の障害を取り除き、液体製品の単回投与を提供するコンテナーを供給することである。発明の様々な側面において、コンテナーは使用が簡単で、低価格な製造、完全に生物分解性であり、作用が効果的で、小型で軽量であるものが供給されるべきである。
【0014】
また、幾つかの実施形態では、本発明のコンテナーは、領域中にスプレーすることによる製品の適用を可能にするためにコンテナーからの製品をスプレーする能力を供給する。この特徴は、化粧品の調合、製品を洗浄、または使用のために領域中に拡散させる目的の他の製品に特に有利である。より特異的に、本発明の単回投与のコンテナーは、コンテナーが圧縮される際に破裂する厚さが減少した領域を含んでも良い。コンテナー内の内容物は目的の箇所へスプレーされるか絞り込まれても良い。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 米国特許第6,315,480号明細書
(特許文献2) 米国特許出願公開第2008/0057115号明細書
(特許文献3) 米国特許出願公開第2003/0019781号明細書
(特許文献4) 米国特許第5,380,534号明細書
(特許文献5) 米国特許第5,270,054号明細書
(特許文献6) 米国特許第2,134,389号明細書
(特許文献7) 米国特許第2,397,051号明細書
(特許文献8) 米国特許第2,552,870号明細書
(特許文献9) 米国特許第2,580,414号明細書
(特許文献10) 米国特許第2,630,238号明細書
(特許文献11) 米国特許第2,663,461号明細書
(特許文献12) 米国特許第3,216,562号明細書
(特許文献13) 米国特許第4,215,104号明細書
(特許文献14) 米国特許第5,063,057号明細書
(特許文献15) 米国特許第5,270,054号明細書
(特許文献16) 米国特許第5,380,534号明細書
(特許文献17) 米国特許第5,422,160号明細書
(特許文献18) 米国特許第5,535,885号明細書
(特許文献19) 米国特許第5,614,217号明細書
(特許文献20) 米国特許第5,827,535号明細書
(特許文献21) 米国特許第6,007,264号明細書
(特許文献22) 米国特許第6,280,767号明細書
(特許文献23) 米国特許第6,315,480号明細書
(特許文献24) 米国特許第6,823,649号明細書
(特許文献25) 米国特許第7,757,893号明細書
(特許文献26) 米国特許第1,970,396号明細書
(特許文献27) 米国特許第2,288,327号明細書
(特許文献28) 米国特許第4,780,316号明細書
(特許文献29) 米国特許出願公開第2009/0208568号明細書
(特許文献30) 米国特許出願公開第2011/0097397号明細書
(特許文献31) 米国特許出願公開第2010/0059402号明細書
(特許文献32) 米国特許出願公開第2012/0087978号明細書
(特許文献33) 米国特許出願公開第2014/0299625号明細書
(特許文献34) 米国特許出願公開第2003/0019781号明細書
(特許文献35) 米国特許出願公開第2008/0057115号明細書
(特許文献36) 欧州特許出願公開第0543406号明細書
(特許文献37) 欧州特許出願公開第0673213号明細書
(特許文献38) 欧州特許出願公開第0743057号明細書
(特許文献39) 欧州特許第1898889号明細書
(特許文献40) 欧州特許第2170727号明細書
(特許文献41) 国際公開第94/14356号
(特許文献42) 国際公開第2006/136196号
(特許文献43) 国際公開第2006/136198号
(特許文献44) 国際公開第2007/145535号
(特許文献45) 国際公開第2011/086331号
(特許文献46) 国際公開第98/42294号
(特許文献47) 米国特許第8,151,984号明細書
(特許文献48) 中国特許出願公開第101039852号明細書
(非特許文献)
(非特許文献1) "Vegicaps Capsules: An Innovative Solution for Encapsulation Challenges,"Retrieved on 2015−08−21 from: http://www.catalent.com/index.php/content/download/1246/15111/file/Catalent_Vegicaps_Info.pdf.
(非特許文献2) Agrawal,S.S.,et al."Dr.Bhawna Bhatt Delhi Institute of Pharmaceutical Science and Research Sector−3,PushpVihar New Delhi."(2007).
(非特許文献3) International Search Report; Mailed 2015−08−18 for PCT Application No.PCT/US2015/030126
(非特許文献4) American Heritage Dictionary(https://ahdictionary.com/word/search.html?q=thickness&submit.x=54&submit.y=29;accessed 2/5/2017).
(非特許文献5) Chinese Office Action; Mailed 2018−02−26 for CN Application No.201580026164.4
(非特許文献6) Supplementary European Search Report; Mailed 2017−11−14 for EP Application No.15796874.
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
一つの側面において、本発明は単回投与の製品を届けるためのソフトゲルカプセルパッケージを提供する。ソフトゲルカプセルパッケージは、タンパク質および多糖から選択される少なくとも一つのゲル化剤から形成されるソフトゲルカプセルシェル(5)を含む。ソフトゲルカプセルシェル(5)は第1のシェルの厚みを有する少なくとも1つの領域と、ソフトゲルカプセルシェル(5)上の圧縮力の行使によって優先的に破裂するように形成された、シェルの厚さが減少した1またはそれ以上の領域(3)であって、前記カプセルシェル(5)中の開口を提供し、そこを介してパッケージ(100)の中に含まれる充填物が投薬される領域とを有する。
【0016】
他の側面において、本発明はソフトゲルパッケージを製造するための方法を提供する。その方法は、2つのソフトゲル材料の間に充填組成物を提供する工程と、充填組成物をカプセル化するソフトゲルカプセルを形成するために、2つのソフトゲル材料を融合する工程と、前記融合する工程の前または間に、ソフトゲルカプセルのカプセルシェル(5)上に、シェルの厚さが減少した少なくとも1つの領域を作り出す工程とを含む。
【0017】
一つの側面において、本発明は、絞ることによって開けられ得るソフトゲルカプセルパッケージを提供し、またパッケージの中身は絞ることによって投薬される。
【0018】
さらなる側面において、本発明は、絞ることによって開けられ、そのパッケージの内容物がパッケージ上の圧縮力の行使によってスプレー形式で投薬されるソフトゲルパッケージを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の一つの実施例によるソフトゲルカプセルの略図である。
【
図2】
図2は、本発明の一つの実施例による突起付きのソフトゲルカプセルの略図である。
【
図3A】
図3Aは、
図1の右側面から見られるようにソフトゲルカプセル上の厚さが減少した領域の異なった実施例を示す。
【
図3B】
図3Bは、
図1の右側面から見られるようにソフトゲルカプセル上の厚さが減少した領域の異なった実施例を示す。
【
図3C】
図3Cは、ソフトゲルカプセルの一部に外接している厚さが減少した領域を有するソフトゲルカプセル上の厚さが減少した領域を示す。
【
図3D】
図3Dは、二つの突起を有し、厚さが減少した領域がその二つの突起(猫耳形)の間に位置されるソフトゲルカプセルの一つの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
説明目的のため、本発明の原理がさまざまな例示的な実施形態を参照して解説される。本発明の特定の実施形態がここで具体的に述べられているが、当業者であれば同じ原理が他の手段および方法に同様に応用可能であり、使用できることが容易に認識できるはずである。本発明について開示する実施形態を詳細に説明する前に、示されているどの特定の実施形態の詳細にも本発明の利用を限定しないことが理解されるべきである。さらに、ここで用いられる用語は説明のためのものであり限定のためのものではない。また、ここで示される特定の順序の工程に触れているいくつかの手法については、多くの場合、これらの工程が当業者によって認識されるようなどの順序によってでも実行可能なものであり、よって本新規手法はここに開示される特定の工程順序に限定されるものではない。
【0021】
ここおよび特許請求の範囲にて用いられる、単数形の「a」、「an」、および「the」は文脈から明らかにそうでない限り、複数の対象を含むものとする。さらに、「a」、(または「an」)、「one or more」および「at least one」の表現は互換可能に用いられる。「comprising」、「including」、「having」および「constructed from」などの表現もまた互換可能に用いられるものとする。
【0022】
一つの側面において、本発明は
図1に示されるように単回投与製品を提供するパッケージ100を供給する。パッケージ100はカプセルシェル5を含む。カプセルシェル5は厚さが減少した1またはそれ以上の領域3を含み、厚さが減少した1またはそれ以上の領域3においてカプセルシェル5の破裂を引き起こすため、パッケージ100を圧縮することによってパッケージ100の開口を可能にする。パッケージ100に含まれる充填物は、カプセルシェル5から目的の投薬部分にプスレーされるか、または絞られることによって、厚さが減少した1またはそれ以上の破裂した領域3を介してパッケージ100から確実に投薬される。
【0023】
パッケージ100のカプセルシェル5はその中の充填物に不浸透性であるが、水などの他の溶媒には浸透性であり得る。パッケージ100は単回投与製品であり、サイズは小さい。パッケージ100の容積は約0.05〜約5ml、または約0.1〜約3ml、または約0.2〜約2ml、または約0.25〜約1mlであっても良い。
【0024】
パッケージ100は球形、長方形、管状、円筒形、正方形、矩形、円盤状、楕円形、猫耳形、または他の幾何学的な形状のような一般的形状を含む様々な形状を有しても良い。パッケージ100はまた、スポーツマスコット、ロゴ、スポーツグッズ、動物や人間の類似物、またはそれらの一部のように、特定の製品またはベンダーのためにカスタマイズされる。
【0025】
厚さが減少した1またはそれ以上の領域3はカプセルシェル5上のどこに位置しても良い。いくつかの実施形態では、厚さが減少した領域はカプセルシェル5の中央から並置され、厚さが減少した領域3を破裂させるために圧縮し得るカプセルシェル5の大部分を供給する。いくつかの実施形態では、厚さが減少した領域3はパッケージ100が(
図1のように長方形または回転楕円面状のような)末端または角を有する箇所のパッケージ100の末端または角に位置される。いくつかの実施形態では、厚さが減少した2つの領域3、または厚さが減少した3つの領域3、または厚さが減少した4つの領域3は、カプセルシェル5上での集合体として供給される。厚さが減少した多数の領域3は、パッケージ100から圧出される場合に、領域中に充填の放出が望ましい場合に活用され、多数の充填の流出スプレーを供給するために使用されることが可能である。
【0026】
好ましい形状では、厚さが減少した多数の領域3は、
図3Dで示される猫耳形のような2つの突起2によって結合されたへこんだ地帯または表面領域である。突起2は厚さが減少した領域3が位置付けされた内の地帯または表面領域を輪郭づけるという意味でその地帯または表面領域はへこんでいるとされ、それにより突起2無しの類似のパッケージと比較して、厚さが減少した領域3上で圧力を用いることにより作られる潜在的開口サイズが減少する。これらの2つの突起2はカプセル内で充填材料を安定させ、厚さが減少した領域3上に直接的に背圧を作り出す。その圧力は充填材料を放出するために厚さが減少した領域を破裂させる。厚さが減少した領域3はまた、2つの突起2の間の充填材料をあおぐばかりでなく、放出のための特定のスタート地点を供給する。
【0027】
図3Dの猫耳形パッケージ100は、パッケージ100の中央部に位置される空気穴を含んでも良い。また、
図3Dに示されるように、パッケージの壁はパッケージ100の開口およびパッケージ100の内容物圧出の両方を促進するため、特にスプレー圧出のため、パッケージ100に適応される直接的圧縮力を厚さが減少した領域3に対して促進するために形状化される。
【0028】
厚さが減少した領域3は、
図3A〜
図3Dに示されるように点、線、平行または交差する重複線である。いくつかの実施例では、厚さが減少し領域3は、ファンタジー形状、動物、花、太陽、他の自然の模様または部分のような形状を有し、それらは好ましくは2つの突起2の間のへこんだ領域に位置され、その2つの突起2は例えば、耳、尻尾、手、鼻、およびその類似物の形状を有する。厚さが減少した領域は、パッケージ100から内容物圧出の割合または様式をカスタマイズするために異なった長さまたは幅のものであっても良い。
【0029】
厚さが減少した領域3は、カプセルシェル5の他の部分より脆く、十分な圧縮力がパッケージ100にかかると先に破裂するだろう。その圧力は、パッケージを絞り込むことにより手や指の圧力によって適用されても良い。その圧力はまた、パッケージ100上に圧縮力を放出することが可能な構造を提供する家庭用脱臭剤または類似の小さな器具のような本発明のパッケージと共に使用するために設計された装置によって適用されても良い。その器具は、パッケージ100から理想的な圧出を供給するために確立した周期/コースに沿ってパッケージ100を絞り込むことが可能である。
【0030】
厚さが減少した領域3の破裂した領域は充填を圧出するためにカプセルシェル5を通ってチャネルを供給するパッケージ100の充填の放出開口部となる。その充填はスプレーとして圧出されても良いし、および/またはあらかじめ決めていた方向へパッケージから充填を搾り取ることによって圧出されても良い。充填は使用の目的の箇所上にスプレーされるか搾り込まれる。
【0031】
一つの実施形態では、パッケージ100は長方形/雫型の形状であっても良い。この実施形態では、密封線が存在する端上への圧力の適用は素晴らしいスプレー効果を供給する。加えて、この実施形態は容易に使用でき、容易にスプレー効果を管理することができる。充填材料は折点の夫々の端上に延長された範囲で圧力の適用中中央部を見つけられる。厚さが減少した領域3は、破損を促進し、充填材料がその中心地点で放出することを可能にする。厚さが減少した領域3は、微細なスプレーのような理想的な圧出を供給するようにサイズ化されても良い。
【0032】
いくつかの実施形態において、パッケージ100は
図2に示されるように本体1および突起2を有しても良い。本体1は球形、回転楕円面形、楕円形、長方形、円筒形、または立法体形のようなどの形状を有しても良い。突起2は、好ましくは本体1から外側放射状に延びる。突起2は膨らみ、円筒の突起、指のような形状、または耳、尻尾、手、鼻、およびその類似物の形状であっても良い。いくつかの実施形態では、突起2は本体1から約0.5mm未満、または約0.4mm未満、または約0.3mm未満、または約0.2mm未満延びても良い。
【0033】
厚さが減少した領域3は突起2上に位置しても良い。使用者は突起2上の厚さが減少した領域3を破裂させるためにパッケージ100の本体1を圧縮する。突起2上に、先端に、または突起2のへこんだ領域に厚さが減少した領域3を置くことで耳、鼻または口の中のような特定の箇所に対する充填を圧出させる手軽さを提供できる。突起は、圧出を容易にすること、およびいくつかの実施形態ではパッケージ100の開口を容易にするように厚さが減少した領域3上に圧力の行使を集中させるために、厚さが減少した領域3の箇所に充填の流れを方向付ける。
【0034】
いくつかの実施形態では、多数の突起2は厚さが減少した領域3を有するパッケージ100夫々に存在しても良い。いくつかの実施形態において、パッケージ100は厚さが減少した領域3が2つの突起2の間のへこんだ領域に位置される2つの突起2を有する。多数の突起はパッケージ100上に集合体を形成しても良い。いくつかの実施形態では、厚さが減少した多数の領域3を有する多数の突起2はパッケージ100から出る充填を比較的大きい領域、例えば香水またはデオドランドなどのようにスプレーすることが望ましい時には多数の圧出の流れを供給しても良い。
【0035】
選択的に、少なくともカプセルシェル5の表面部分は
図2に示されるように質感のある領域4を提供することによって手触りが残っても良い。質感は例えばパッケージ100の表面上に畝、縞、棒、帯、筋、片、斑点、線紋、リブ、およびそれらの組み合わせのような起毛した模様によって供給されても良い。この質感はゼラチンを含むカプセルシェルに適応され得る。この質感はまた、圧力をかけると破裂してしまう弱い領域を作り出さないように注意をする必要があるけれども、適切なサイズまたは形状のパッケージ100の表面において1またはそれ以上のくぼみによっても提供され得る。使用者は圧出のためにパッケージ100を圧縮する間、パッケージ100上のグリップを扱いやすく、および/または改善しやすくするために質感のある領域4でパッケージ100を保持し圧縮しても良い。質感4は好ましくは製造工程中、例えば、カプセルシェル5を作るために使用されるフィルムへの質感を供給するダイの使用によりパッケージ100に与えられる。
【0036】
パッケージ100のソフトゲルカプセルシェル5は少なくとも一つのゲル化剤から作られる。いくつかの実施形態では、ソフトゲルカプセルシェル5は2つのゲル化剤の組み合わせから作られても良い。本発明のゲル化剤はタンパク質ベースのゲル化剤および多糖ベースのゲル化剤から選択され得る。
【0037】
タンパク質ベースのゲル化剤
タンパク質ベースのゲル化剤は、コラーゲン、卵白、ゼラチン、またはミルクベースのタンパク質から選択されても良い。「コラーゲン」は動物の結合組織のタンパク質を意味する。「ゼラチン」は部分加水分解によるコラーゲン由来の、半透明で、無色で、無臭の、脆くて、ほとんど味がない固体タンパク質物質を意味する。一般的にゼラチンはアルカリ性のゼラチン、酸性のゼラチン、または酵素のゼラチンに分類される。アルカリ性のゼラチンは、コラーゲンと水酸化カルシウムのようなベースとの処理から得られる。酸性のゼラチンは、コラーゲンと塩酸のような酸との処理から得られる。酵素のゼラチンは加水分解酵素を用いたコラーゲンの処理から生成される。ゼラチンは一般的に食物、薬剤、写真撮影、および化粧品製造においてゲル化剤として使用される。本発明の文脈において、「ゼラチン」はまた自然のゼラチンの合成類似体のような実施的に同等な物質を含む。
【0038】
多糖ベースのゲル化剤
本発明のゲル化剤はまた、多糖ベースであっても良い。多糖ベースのゲル化剤は一般的に、デンプンやセルロースなどの植物源に由来する。多糖ベースのゲル化剤は微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルローズ、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体、デンプン、およびデンプン誘導体、ペクチン、ガム、デキストリン、アルギン酸塩およびカラギナンから選択されても良い。典型的なデンプンは、アラカチャデンプン、クズウコンデンプン、バナナデンプン、大麦デンプン、パンノキデンプン、蕎麦デンプン、リードデンプン、キャッサバデンプン、里芋属デンプン、コーンデンプン、片栗デンプン、葛デンプン、マランガデンプン、キビデンプン、エン麦デンプン、オカデンプン、エンドウデンプン、ポリネシアン葛デンプン、ポテトデンプン、米デンプン、ライ麦デンプン、サゴデンプン、モロコシデンプン、スウィートポテトデンプン、タロデンプン、ヒシデンプン、小麦デンプン、山芋デンプン、およびその組み合わせを含む。
【0039】
本発明のデンプンは、加工デンプンであっても良い。「加工デンプン」という用語はデンプンの化学処理によって調整された誘導体、例えば酸処理デンプン、酵素処理デンプン、酸化デンプン、架橋結合デンプン、および他のデンプン誘導体を意味する。それらの側鎖が親水性または疎水性グループと加工され、それによって未加工デンプンと比較すると側鎖の間でより強い相互作用を有するより複雑な構造を作るように加工デンプンが誘導されることが望ましい。典型的な加工デンプンエーテルおよびエステルはカルボキシメチル化したデンプン、ヒドロキシプロピル化したデンプン、およびヒドロキシプロピル化したカルボキシメチル架橋結合デンプンを含む。
【0040】
「加工デンプンエステル」は1またはそれ以上のヒドロキシグループがエステルグループを作るために反応するデンプンを意味する。その反応はたいていデンプン上のOHグループの水素と−O−(C=O)−CH
3または−O−(C=O)−R(Rが脂肪グループである)グループに置換する反応を含む。
【0041】
「加工デンプンエステル」はデンプン上の1またはそれ以上の水素が有機体グループの炭素によって置換されるデンプンを意味する。例えば、デンプンのメチル化はOHグループをOCH
3グループに置換する。
【0042】
ガム
本発明の多糖ベースのゲル化剤はまたガムであっても良い。典型的なガムはアカシアガム、寒天、カラギナン、カシアガム、セルロースガム、ファーセレラン、ジェランガム、グアーガム、ガティガム、カラヤガム、カラマツガム、イナゴマメガム、ペクチン、シセゼンソウ、タラガム、トラガカント、キサンタンガム、またはその組み合わせを含む。
【0043】
「ガム」は小さい濃度でさえ溶液中で大きな粘度の増加を引き起こす天然起源の多糖を意味する。それらは増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、および安定剤として使用される。たいていの場合、これらのガムは木質要素または種のコーティング中に見つけられる。
【0044】
ペクチン
本発明の多糖ベースのゲル化剤はペクチンである。「ペクチン」は第一次細胞壁に存在し、特に陸生植物の非木質部分に特に豊富である複合的な多糖を意味する。ペクチンの構造の特徴はペクチンバックボーン、ホモガラクツロナンを形成するα−(1−4)−に結合したD−ガラクルトン酸の線状鎖である。このバックボーン中にガラクツロン酸が(1−2)−結合したL−ラムノースによって置換される領域がある。ラムノース残基から様々な中性糖分岐の側鎖を取る。
【0045】
本発明のペクチンは精製されたまたは分離されたペクチン塩酸ばかりでなく、必要に応じてアルカリまたは酵素によってエステル化または脱エステル化等を目的とされるりんご、シトラス、テンサイ残基などの天然の中性ペクチン源を含む。好ましくは、本発明のペクチンはライム、レモン、グレープフルーツ、およびオレンジなどのシトラスフルーツ由来である。
【0046】
デキストリン
多糖ベースのゲル化剤はデキストリンである。「デキストリン」はデンプンまたはグリコーゲンの加水分解によって生成された低原子量の炭水化物のグループである。デキストリンはα−(1→4)またはα−(1→6)グリコシド結合によって結合されたD−グルコースのポリマーの混合である。
【0047】
アルギン酸塩
本発明の多糖ベースのゲル化剤はアルギン酸塩であっても良い。「アルギン酸塩」は茶色の藻類が水と結合することによって粘性ガムを形成する場所である細胞壁に広く配分されるアニオン性の多糖を意味する。アルギン酸塩は(1−4)−結合したβ−D−マンヌロン(M)およびC−5エピマーα−L−グルロネート(G)残基のホモポリマーブロックと、夫々異なった配列またはブロックで共有結合する線状コポリマーである。その色は白から黄色系の茶色の範囲である。それは繊維状、粒状、またはパウダー状で販売される。
【0048】
カラギナン
本発明の多糖ベースのゲル化剤はカラギナンであっても良い。いくつかの実施形態では、カラギナンは特別な利点を提供し得る。「カラギナン」は赤い海藻から抽出された多糖ガムの一種を意味する。それらはガラクトスユニットおよび3、6アンヒドロガラクトース(3、6−AG)、硫酸化と非硫酸化の両方を繰り返すことから作られる線状硫酸化高原子量多糖から成る。そのユニットはアルファ1−3およびベータ1−4グリコシド結合によって加えられる。
【0049】
いくつかの典型的な実施形態では、パッケージ100のカプセルシェル5は加工デンプンおよびイオタカラギナンの両方含む。一つの実施形態では、加工デンプンとイオタカラギナンの量割合は少なくとも約1.5:1、好ましい範囲は約1.5:1〜約4:1、またはより好ましくは約2:1〜約3:1の範囲である。上記の量割合を有する組成物を形成するゲルは約207kpa〜2070kpa(約30から約300psi)の範囲圧力下で、および約25〜80℃までの範囲の温度で融合可能である。本発明による一つの実施形態では、カプセルシェル5は約2〜約25℃の融点、より好ましくは約3〜約15℃、最も好ましくは約4〜約9℃上記の融合温度を有する。
【0050】
イオタカラギナンは好ましくはUSAや欧州規制当局によって決められた仕様に従うことである。イオタカラギナンは分解されず、最低限の粘度基準に従わなければならず、それは約100Kダルトンの分子量に相当する。基準化されたイオタカラギナンが望ましい。特定の好ましい基準化されたイオタカラギナンは、15重量%のブドウ糖で基準化されたVISCARIN(商標)SD389として知られるニュージャージー州のプリンストンのFMCコーポレーションから市販で利用可能である。他の使用可能なイオタカラギナンは、XPU−HGIフランス、バウプトのSKW BioSystemsからの非基準化されたイオタカラギナン、およびFMCからの非基準化されたイオタカラギナンを含む。
【0051】
それらの典型的な実施例のイオタカラギナンは加工デンプンとの組み合わせで、必須のゼラチンのような機能的な特性を有するためにゲルを作る組成物を効果的に生じさせる量で使用される。当業者が認めるように、ゲルは湿性シェル組成物および乾燥シェル組成物として知られているものである。乾燥シェル組成物は、ソフトゲルカプセルを作るための製造工程中の湿性シェル組成物からの水の蒸発または除去から生じる。乾燥シェル組成物はまたいくらかの水を含んでいても良い。イオタカラギナンの好ましい量は湿性シェル組成物の約6〜12重量%の範囲である。より好ましいイオタカラギナンの量は湿性シェル組成物の約7〜12重量%の範囲である。特に好ましい組成物は湿性シェル組成物の重量に基づくイオタカラギナンの量は約9〜11重量%を含む。より好ましい組成物は湿性シェル組成物の約10重量%のイオタカラギナンを含む。
【0052】
いくつかの他の典型的な実施形態では、カプセルシェル5は1つのゲル化剤であるゼラチンのみから作られる。好ましくは、そのゼラチンは哺乳類のゼラチンである。カプセルシェル5は典型的にゼラチンの約24〜25重量%の間を含む。そのようなゼラチンベースのゲルは、カプセル化の機械の中での調整に耐えるのに十分強く、下記のフィルムの融点以下の温度で優れた密封特性を提供し、パッケージ100の構成を作るのに十分な弾性を有する。
【0053】
パッケージ100のカプセルシェル5は、可塑剤、防腐剤、香味剤、不透明化剤、緩衝剤、脆化防止剤、染料、崩壊剤、香水、香料、シェル質感化成分、および/または真珠光沢および/または光輝性顔料、および水から選択されるさらに少なくとも1つの選択的な要素を含む。
【0054】
可塑剤はグリセロール、ポリグリセロール、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、ソルビトールの非結晶化溶液、グルコース、フルクトース、およびグルコースシロップを含む。これらの可塑剤は単体か夫々の組み合わせで使用される。グリセロールを含む可塑剤の組み合わせにおいて、グリセロールは一般的にその組み合わせの少なくとも30重量%を含み、たいてい約30〜70重量%の範囲である。一つの代わりの組み合わせは、ANIDRISORB(Roquette Freresから利用可能であるソルビトール、ソルビタンズ、マルチトール、およびマニトールの独自の混合物)である。他の可塑剤は糖類および多糖類を含む。可塑剤として使用に適している糖類および多糖類は単体あるいは複合多糖の加水分解および/または水素化によって生成されても良い。
【0055】
可塑剤はカプセルを作るために使われる乾燥シェル組成物の60重量%まで、または湿性シェル組成物の約30重量%までの量で使用され得る。より好ましい組成物は、湿性シェル組成物の重量に基づいて約10重量%〜約25重量%、および乾燥シェル組成物の約30重量%〜約50重量%を含む。
【0056】
選択的に、カプセルシェル5は防腐剤を含んでも良い。防腐剤は微生物の成長を妨げる抗菌剤の防腐剤、またはパッケージ100内の充填の酸化を妨げる酸素吸収剤のような酸化防止剤であっても良い。一般的な抗菌剤の防腐剤はソルビン酸およびその塩、安息香酸およびその塩、プロピオン酸カルシウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸塩(二酸化硫黄、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等)およびエチレンジアミン四酢酸ニナトリウム(EDTA)を含む。酸化防止剤はブチル化ヒドロキシアンソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、第三プチルヒドロキノン(TBHQ)および没食子酸プロピルを含む。他の防腐剤はエタノールおよびメチルクロロイソチアゾリノンを含む。
【0057】
防腐剤無しでは、湿性カプセル組成物は1日か2日で微生物の成長によって害される可能性がある。しかしながら、商業規模で湿性リボンが素早くカプセル化機械そして乾燥機を通して加工されるので防腐剤は必要ないかもしれない。乾燥のカプセルシェル5は微生物成長を促進しない。
【0058】
いくつかの実施形態では、カプセルシェル5は保存または貯蔵の間に脆くなり、延性を失うかもしれない。ソルビトールおよび1またはそれ以上のソルビタンズの混合であっても良い脆化防止剤は加えられる。引用として組み込まれる米国特許番号4,780,316を参照。
【0059】
いくつかの実施形態では、緩衝システムはカプセルシェル5を作るための組成物において使用され得る。周知のどの緩衝液でも使用することが可能で、リン酸緩衝剤を有するものが好ましい。カラギナンが酸性状態で急速に壊れるように、組成物のpHを管理することはいくつかの実施形態においてとても重要であり得る。
【0060】
ソフトパッケージ100の充填材料は、オイル、親水性液体、乳液、シリコンベースのセラムを含むカプセル化するために適応できる幅広い種類の材料であっても良い。充填材料は、液体、半固体、またはサスペンションであっても良い。オイルや乳液内に含まれる活性成分は、疎水性および親水性活性である。当業者であれば適当な充填に熟知しており、すぐにそれを認識するだろう。
【0061】
パッケージはパッケージからの充填材料として多数の製品の提供のために使用され得る。そのような製品は、それらに制限されないが、香水およびセラムのような化粧品、食料、衛生製品、医療機器、栄養補助食品、洗浄製品のような家庭用製品、脱臭剤、研磨製品、香料、獣医剤、または他の動物健康製品、および薬剤を含む。規制の観点から、パッケージ100は特別なクラスの製品として規制される医療機器である。
【0062】
パッケージ100は、カプセルシェル5を作るために2つの異なったゲルの部分を融合することによって作られる。2つのゲルの部分の融合は、十分な圧力および/または上昇した温度にゲルを当てることによって生成される。2つの異なったフィルムの融合が生じる温度は、フィルムの融点以下、例えば、融合または密封温度がフィルム組成物の融点以下であるべきである。
【0063】
パッケージ100を製造するための伝統的な技術は連続的なソフトゲルカプセル製造工程でソフトカプセルを生成するための回転式ダイ工程である。ソフトゲルカプセルの回転式ダイ製造はEbert,W.R.,"Soft elastic gelatin capsules: a unique dosage form",Pharmaceutical Tech., October 1977;Stanley,J.P.,"Soft Gelatin Capsules",in The Theory and Practice of Industrial Pharmacy(Lachman,Lieberman and Kanig, Editors),3rd Edition,published by Lea & Febiger,米国特許第1,970,396号明細書;2,288,327号明細書、および 2,318,718号明細書で詳細に開示される。ゼラチンカプセル化技術に優れた記載はまた国際公開第98/42294号明細書で参照される。
【0064】
回転式ダイ工程によって作られたパッケージ100は典型的に約0.024cm〜約0.1778cm、好ましくは約0.0350cm〜約0.0508cm、およびより好ましくは約0.0406cm〜約0.0508cmまでの多様な厚さのカプセルシェルを有する。カプセルシェル5の厚さが減少した領域3は典型的に、カプセルシェル5の他の部分より約30%〜約70%薄く、およびより好ましくはカプセルシェル5の他の部分より約40%〜約50%薄い。
【0065】
本発明の方法において、厚さが減少した領域3を形成するために厚さが減少した領域3はカプセルシェル5を形成するために使われる1またはそれ以上のダイの適用によって形成されても良い。そのように、ダイに送られたゲル材料の柔軟なリボンは、製造工程の間、厚さが減少した1またはそれ以上の領域3を供給するためにダイによって修正され得る。この方法で、本発明のソフトゲルカプセルは、上記のように圧縮力の適用によってパッケージ100を開口させるためにカプセルシェル5に望ましい厚さが減少した1またはそれ以上の領域3を提供している間、連続的な方法で製造され得る。
【0066】
厚さが減少した領域3を形成するための他の適当な方法もまた使用され得る。例えば、ダイに送られたカプセルシェル材料の柔軟なリボンは、カプセルシェル5を形成するために使われる回転式ダイにリボンを送る前に厚さが減少した1またはそれ以上の領域を供給され得る。代わりに、カプセルシェル5はカプセルシェル5の製造後厚さが減少した領域3を供給するために切れ目をいれられる。好ましい実施形態では、厚さが減少した領域3は
図3Dの猫耳型を形成する2つの突起2の間のへこんだ領域部分に位置付けられる。
【0067】
本発明はまたパッケージ(100)を製造するための方法を含む。この方法では、充填組成物がソフトゲル材料の2つの部分の間に提供される。ソフトゲル材料の2つの部分はその後、充填組成物をカプセル化するソフトゲルカプセルを形成するための既知の技術を使って共に融合される。最後に、厚さが減少した少なくとも1つの領域(3)は、当該融合する工程の前または間に、ソフトゲルカプセルのカプセルシェル(5)上に作られる。厚さが減少した領域はカプセルの乾燥および硬化を通して維持される。
【0068】
カプセル100はキャビネット内の一定の空気流を作り出す扇風機付きの特別なキャビネットで保存され、乾燥される。乾燥工程は典型的に1時間〜8時間、好ましくは2時間〜6時間、より好ましくは3時間〜4時間の間行われる。この乾燥時間の間、パッケージ100は絞れるパッケージの硬さに達する。パッケージの硬さは、0.5N〜約3N、好ましくは1N〜約2.5N、より好ましくは1.5N〜約2Nの範囲である。
【0069】
本発明の多くの特徴および利点を、本発明の構造および機能の詳細と共に上述の説明で明らかにしてきたが、本開示は例示に留まり特に要素の形状、サイズおよび配置などの態様については、本発明の原理の枠内かつ添付の特許請求の範囲で用いられる言葉がとりうる意味を最大限に用いて変更が加えられることが可能である。