【実施例1】
【0026】
本発明の換気口カバーの実施例について図面を参照して説明すると、
図1乃至
図3は本実施例の換気口カバーの構造を説明するための断面図である。そして、図において1が本実施例の換気口カバーであり、本実施例の換気口カバー1は、 建物の壁Wに形成された給気孔内W2に挿入される本体部2と、この本体部2の室内側の開口201を開閉自在に閉鎖する風量調整板5を具備し、本体部2に対して風量調整板5を移動することで、本体部2の室内側開口201を開閉自在としている。即ち、風量調整板5で本体部2の室内側開口201を閉鎖した状態が
図1、3の状態であり、風量調整板5を移動させて本体部2の室内側開口201を解放した状態が
図2の状態である。なお便宜上、図における上側、即ち室内側を先端側とし、下側、即ち室外側を基端側と言い、
図1乃至
図3は縦断正面構造を示していることとする。
【0027】
まず、前記本体部2について図面を参照して説明すると、
図5は本体部2の平面図、
図6は
図5におけるA−A線断面図、即ち本体部2の縦断正面構造を示した図であり、本実施例における本体部2は、建物の壁Wに形成された給気孔W2内に挿入される挿入部3を有しており、この挿入部3は、前記給気孔W2の形状に合わせて、本実施例においては円筒状としている。
【0028】
そして、この挿入部3の先端部の外周には化粧縁部4が外周側に向けて連設されており、この化粧縁部4は、前記給気孔W2の孔縁を覆うために用いられ、角枠状としている。なお、挿入部3は必ずしも円筒状である必要はなく、給気孔W2の形状が角孔であれば角筒状にする。
【0029】
次に、図において6は挿入枠である。即ち、本実施例において前記本体部2内には、支持板8によって、中央部分に角筒状の挿入枠6が支持されており、この挿入枠6は、後述するスライダーケースを支持するために用いる。そして、この挿入枠6は、先端側及び基端側は開口としており、挿入部3における基端側の端部から半分程度までの長さとされ、先端側の端部には長板状のベース7が、挿入枠6の長手方向に直交する横方向に向けて連設されている。
【0030】
次に、
図1乃至3において9は、スライダーケースである。即ち、本実施例において前記挿入枠6の内周側には、スライダーケース9が挿入及び支持されている。ここで、前記スライダーケース9について詳細に説明すると、
図12はスライダーケース9を説明するための図であり、(a)はスライダーケース9を平面側から示した図、(b)はスライダーケース9の左側面図、(c)はスライダーケース9の縦断正面構造を示した図で(a)におけるC−C線断面図である。そして、本実施例において前記スライダーケース9は、前記挿入枠5内に挿入可能な外径の長尺の角筒状としており、先端側は前記ベース7に形成した貫通孔701を貫通して風量調整板5側に突出しており、基端側は挿入枠6を貫通して本体部2の下方側に突出している。
【0031】
また、前記スライダーケース9は、互いに対向する面に長溝が形成されており、一方の長溝は係止爪用長溝10であり、他方側の長溝は解除爪用長溝11としている。そして、スライダーケース9は、固定用ベース12を有しており、ビス等によって固定用ベース12を前記支持板8に固定することで、挿入枠6内に固定されている。なお、本実施例では、本体部2内に挿入枠6を支持し、挿入枠6にスライダーケース9を挿入及び支持しているが、挿入枠6を用いず、スライダーケース9を支持板8によって本体部2内に直接支持してもよい。
【0032】
次に
図1乃至3において13はスライダーである。即ち、本実施例では角棒状のスライダー13を有しており、このスライダー13は、前記スライダーケース9内に挿抜自在に挿入されている。また、スライダー13は、弾性手段としての押しバネ14によって、スライダーケース9から抜ける出る方向(「突出方向」)に付勢されており、更に、先端側は前記風量調整板5に係脱自在に連結されている。なお、本実施例において前記押バネ14はコイル状のバネとしているが、スライダー13を突出方向へ付勢する弾性手段14は必ずしもコイル状のバネにする必要はなく、いずれの弾性手段を用いても良い。
【0033】
ここで、
図13は前記スライダー13を示す図であり、(b)は正面側から見た図、(a)は平面側から見た図であり、図において前記スライダー13には、長手方向に沿って間隔を置いて複数の係止凹部15が形成されており、この係止凹部15内に係脱自在に係止される係止爪を有したストッパーによって、突出方向への移動が規制されている。
【0034】
即ち、
図1乃至3において16がストッパーであり、本実施例において前記ストッパー16は四角枠状としており、前記ベース7上に載置され、ベース7の長手方向へ移動自在とされている。また前記スライダーケース9は、ストッパー16を挿通しており、従ってベース7上においてストッパー16は、スライダーケース9に周設された状態で、ベース7の長手方向へ移動自在とされている。
【0035】
ここで前記ストッパー16について説明すると、
図7乃至
図9において16はストッパーの平面図であり、
図10は
図7におけるB−B線断面図である。そして、前記ストッパー16は、内周側に、前記スライダー13に形成した係止凹部15に係止される係止爪17を有しており、弾性手段としての引きバネ18によって、
図1乃至3における左方向、即ち、係止爪17が係止凹部15に係止する方向(「係止方向」)に付勢されており、通常の状態においては、引きバネ18の付勢力によって、係止爪17は、係止爪側長溝10を貫通してスライダー13の係止凹部15内に係止し、スライダー13をロックした状態となっている。
【0036】
一方、引きバネ18の付勢力に対抗してストッパー16を、
図1乃至3における右方向、即ち係止凹部15と係止爪17の係止が解除する方向(「解除方向」)に移動させることで、係止爪17と係止凹部15との係止を解除し、スライダー13をフリーにすることができ、それによりスライダー13は、弾性手段としての押しバネ14の付勢力により、突出方向へ移動してスライダーケース9から抜けていく。
【0037】
そして、前記スライダー13に形成した係止凹部15は、スライダー13の側面からスライダー13の長手方向に直交する方向へ形成された水平面1501と、この水平面1501の最奥部から、斜め先端側方向に向けて形成されたテーパー面1502により形成されており、本実施例においては、スライダー13の長手方向に沿って間隔を置いて、4個の係止凹部15が形成されている。
【0038】
一方、前記係止爪17は、
図10に示すように、前記係止凹部15における水平面1501に当接する水平面と、前記係止凹部15におけるテーパー面1502に当接するテーパー面1702を有している。
【0039】
従って、係止凹部15に係止爪17が係止されている状態においては、スライダー13にスライダーケース9内に挿入する方向への圧力が加えられると、係止凹部15のテーパー面1502によって係止爪17のテーパー面1702にスライダーケース9側の圧力が加えられるが、ストッパー16はベース7上に載置されており、ベース7の長手方向にのみ移動可能であるために、いわゆるくさびの原理によって、係止爪17のテーパー面1702には反スライダー13方向に向けて圧力が加えられる。そうすると、ストッパー16は、解除方向に移動し、係止爪17と係止凹部15との係止が解除され、スライダー13をスライダーケース9内に挿入していくことが可能となる。従って、スライダー13を段階的に縮めることができるとともに、スライダー13を一気に押し込むことで、スライダーを最奥部まで一気に縮めることもできる。
【0040】
その一方、係止凹部15に係止爪17が係止されている状態においては、係止凹部15の水平面1501と係止爪17の水平面1701が当接しているために、押しバネ14の付勢力によってスライダー13に突出方向への圧力が加わった場合でも、スライダー13が突出方向へ移動することは無い。従って、ストッパー16は、前記スライダー3がスライダーケース9から抜ける方向へ移動することは阻止し、スライダー13がスライダーケース9へ挿入される方向へ移動することは許容している。
【0041】
また、前述したように、スライダー13は、弾性手段としての押しバネ14によって、突出方向に付勢されているため、係止凹部15と係止爪17の係止が解除されると、スライダー13は押バネ14による付勢力が無くなる距離だけ、突出方向へ移動する。
【0042】
なお、前記係止爪用長溝10は必ずしも長溝にする必要はなく、係止爪17が貫通可能な空間を具備しておればよく、窓部にしてもよい。また本実施例において前記引きバネ18は、基端側が前記ベース7に連結され、先端側は前記ストッパー16に連結されており、常にストッパー16を係止方向へ付勢する状態としている。なお、本実施例においては、ストッパー16に係止方向への付勢力を与える弾性手段として、コイル状の引きバネ18を用いているが、必ずしもコイル状の引きバネを用いる必要は無く、ストッパー16に係止方向への付勢力を与えるものであればずれを用いても良い。従って、例えば板バネを用いても良い。
【0043】
次に、
図1乃至3において19はスイッチである。即ち、本実施例では、前記ストッパー16を解除方向へ移動してスライダー13のロックを解除するためのスイッチを有している。ここで、
図14は、前記スイッチ19を示した図であり、(a)は平面図を示しており、(b)は正面図を示している。そして、本実施例において前記スイッチ19は、押圧部20と、この押圧部20に連設されたアーム21を有しており、アーム21の先端部が、ストッパー16を移動させるために作用することとしている。
【0044】
即ち、ストッパー16には、前記スイッチ19におけるアーム21の先端が挿通する貫通孔23が形成され、この貫通孔23内における反係止爪側の内壁には、テーパー状の受圧壁24が形成されている。一方、前記スイッチ19におけるアーム21の先端部には、前記受圧壁24に当接するテーパー状の押圧面22が形成されている。そして、押圧部20が押下されていない初期状態においては、アーム21の先端がわずかに貫通孔23内に挿入して、押圧面22が受圧壁24に当接している。そして、押圧部20を押下すると、押圧面22が受圧壁24を押圧することで、くさびの原理によってストッパー16に解除方向への圧力が加わり、これによりストッパー16が解除方向に移動し、係止凹部15と係止爪17との係止が解除されて、スライダー13がフリーな状態になる。なお、押圧部20が押下されていない初期状態においては、必ずしもアーム21の先端を貫通孔23内に挿入する必要はなく、押圧部20を押圧することで、押圧面22が受圧壁24を押圧可能であれば良い。
【0045】
次に、
図1乃至3において25は、前記スイッチ19における押圧部20の押圧によって係止凹部15と係止爪17との係止が解除されたときに、ストッパー16の位置を固定して、係止凹部15と係止爪17との係止が解除された状態を維持するための保持部材である。ここで、前記保持部材25について説明すると、
図7乃至
図9において25が保持部材であり、本実施例において前記保持部材25は、先端側で前記ベース7に固定されているとともに、一対の保持用アーム26を有しており、この保持用アーム26の先端部には互いに対向する内側に係止突起27を有している。また、前記保持用アーム26は、樹脂等の変形可能な部材で構成されており、前記保持用アーム26に対して、前記係止突起27が互いに離反する方向に圧力を加えることで広がり、この圧力を解除すると元の形状に復元する。
【0046】
一方、前記ストッパー16における解除方向側の先端部にはヘッド部28が形成されている。そしてこのヘッド部28は、解除方向側に向けて台形状としており、従って左右側にテーパー面29を有するとともに、テーパー面29における係止方向側には、鍔部30が形成されている。そして、テーパー面29の左右側端部間の距離は、前記係止突起27間の距離よりもわずかに狭い距離としている。そのために、ヘッド部28を前記保持用アーム26間に挿入した場合には、ヘッド部28の左右側端部が係止突起27間に保持され、これによりストッパー16の位置を固定することができる。
【0047】
この関係を詳細に説明すると、本実施例においては、係止凹部15に係止爪17が係止されている状態においては、ストッパー16のヘッド部28の先端部のテーパー面が係止突起27の外側に当接する配置としている。この状態が
図8の状態である。
【0048】
そして、この状態において、スイッチ19を押下してストッパー16を解除方向に移動させて、係止凹部15と係止爪17との係止を解除すると、ヘッド部28が保持用アーム26を左右側に押し広げて保持用アーム26の内側に入り込む。そして、ヘッド部28が完全に保持用アーム26の内側に入り込むと、保持用アーム26は元の状態に復元し、鍔部30が係止突起27によって保持され、これにより、ストッパー16は、係止凹部15と係止爪17との係止が解除された位置で固定され、その位置が維持される。この状態が
図9であり、保持部材25によってストッパー16が保持された状態を示しており、この状態でストッパー16に係止方向への圧力が加わると、ヘッド部28は保持用アーム26を左右側に押し広げながら、保持用アーム26の内側から出てきて、それにより、ストッパー16は、保持部材25による保持から解放される。
【0049】
次に、
図1乃至3において31は解除爪である。即ち、本実施例においては、前記ストッパー16の内周側における係止爪17に対向する側に解除爪31を突出している。そして、この解除爪31は、ストッパー16が解除方向に移動して、係止凹部15と係止爪17との係止が解除され、更に保持部材25によってストッパー16が、係止凹部15と係止爪17との係止が解除された位置で固定されたときに、ストッパー16の移動とともに、スライダーケース9に形成した解除爪用長溝11内に挿入され、係止凹部15と係止爪17とが係止されているときは、解除爪用長溝11内から退避することとしている。そして、係止凹部15と係止爪17とが係止され、解除爪31が解除爪用長溝11内から退避しているときを初期位置としており、解除爪用長溝11内に挿入されているときを所定位置としている。
【0050】
一方、前記スライダー13において前記係止凹部15の反対側の面、即ち、前記解除爪31に対向する面における下方側には、解除突起32が形成されており、この解除突起32は、スライダー13の移動に伴って、前記解除爪用長溝11内をスライダー13の移動方向と同方向に移動することとしている。そして、押しバネ14の付勢力によってスライダー13が完全に伸びたときに、解除突起32が、解除爪用長溝11内の解除爪31を押圧して、解除爪31を解除爪用長溝11内から退避させて初期位置に復元させることとしている。またそのときに、ストッパー16が保持部材25による保持から解除され、更に、最奥部の係止凹部15内に係止爪17が係止する位置にくることとしている。
【0051】
従って、ストッパー16が解除方向に移動して、係止凹部15と係止爪17との係止が解除されると、解除爪31が解除爪用長溝11内に挿入される一方、スライダー13はフリーな状態になるために押しバネ14の付勢力によってスライダーケース9から抜けて先端側へ伸びていく。そして、スライダー13が完全に伸びたときに、解除突起32が、解除爪用長溝11内の解除爪31を押圧して解除爪用長溝11内から退避させる。
【0052】
そうすると、前記ストッパー16は、保持部材25による保持から解除されるとともに、引きバネ18の付勢力によって係止方向へ引っ張られ、それにより、最奥部の係止凹部15内に係止爪17が係止し、スライダー13がストッパー16によってロックされることになる。なお本実施例において前記解除爪31は、解除突起32によって押圧される部分をテーパー状としており、解除突起32に押圧された際に、係止方向へ移動することとしている。
【0053】
次に、前記本体部2の室内側の開口201を開閉自在に閉鎖する風量調整板5について説明すると、
図1乃至3において5が風量調整板であり、本実施例において風量調整板5は、前記化粧縁部4の内周側を十分に覆うことが可能な面積を有する角型の板状としており、前記化粧縁部4の内周側に配置されることとしている。
【0054】
そして、風量調整板5における前記本体部2に対向する面、即ち風量調整板5の下面には、前記スライダー13が係脱自在に連結されているとともに、前記スイッチ19が可動自在に連結されている。
【0055】
この関係を説明すると、本実施例において前記風量調整板5の下面には取付部材が備えられており、この取付部材に前記スイッチ19とスライダー13が連結されている。即ち、
図15および
図16が取付部材を説明するための図であり、
図15は取付部材の縦断正面構造を示す図、
図16は取付部材の下面側を示した斜視図で、図において33が取付部材である。
【0056】
そして、前記取付部材33は、下面側に凸状とした中空のボス部34を有しており、このボス部34内に前記スイッチ19の押圧部20が収容されているとともに、スイッチ19のアーム21は、上下動自在にして取付部材33を貫通して下方に延び、先端は前述したようにストッパー16の貫通孔23内にわずかに挿入されている。また、押圧部20は、押しバネ35によって上方に付勢された状態でボス部34内に収容され、一方、前記風量調整板5における押圧部20に対向する箇所36は切りかかれている。従って、切欠き36を介して押圧部20を押下することで、スイッチ19のアーム21の押圧面22が受圧壁24を押圧して、ストッパー16を解除方向に移動し、係止凹部15と係止爪17との係止を解除することができる。
【0057】
次に、前記ボス部34の下面の中央部には円筒状の連結部37が突出されており、この連結部37には、上下方向にわたって一つの挿入用ガイド溝38が形成されており、更に、連結部37の基端部分には、対向する箇所に2か所の係止溝39が形成されている。
【0058】
一方、前記スライダー13の先端部には、前記連結部37内に挿入される挿入部40が連設されており、この挿入部40の先端部には、スライダー13の長手方向に直交する方向へ向けて、一対のピン状の係止突起41が連設されている。それにより、係止突起41を挿入ガイド38の下端まで挿入し、その後にスライダー13又は風量調整板5を回動することで、係止突起41を係止溝39内に挿入することで、取付部材33を介してスライダー13を、風量調整板5に係脱自在に連結することができる。そして、スライダー13を取付部材33に連結した際にスイッチ19のスイッチ用アーム21の先端がストッパー16の貫通孔23内に挿入されるようにしておく。なお、取付部材33、スイッチ19及びスライダー13の関係を示した図が
図17である。
【0059】
次に、
図1乃至3において42は、風向き調整具である。即ち、本実施例では、前記風量調整板5の下面に風向き調整具42を具備して、本体部2の挿入部3を介して室内に入り込んでくる風の風向きを調整可能としている。
【0060】
ここで、風向き調整具42について説明すると、
図18が風向き調整具を示す図であり、風向き調整具42を平面から示した図である。そして、図において43は調整具本体であり、この調整具本体43は、円柱状であり、底面側には吸気用開口44が形成され、側面部には複数の給気窓45が形成されている(
図1乃至3参照)。
【0061】
そして、この給気窓45を閉鎖する配置で、風カバー46が取り付けられており、この風カバー46は、固定爪47を前記給気窓45間の柱部材48に係止することで、調整具本体43に取り付けられている。従って、風カバー46の取付位置を変えることで、室内に入り込んでくる風の向きを調整することができる一方、風カバー46を取り付けないことで、調整具本体43の全周側から風を取り込むことも可能である。
【0062】
次に、
図19はフィルター50を示す図であり。即ち、本実施例においては、前記風向き調整具42内にフィルター50を載置し、これにより、外気とともに本体部2に流入してくる塵埃などの異物をフィルター50で捕捉することとしている。
【0063】
但し、フィルター50は必ずしも必要ではなく、これを用いなくてもよい。また、
図19に示すフィルターは、円筒状の本体部の周囲にフィルターを配置した
図19に示すエアークリーナータイプとしているが、特に大きさは限定されず、また、不織布等の通気性を有する生地を前記調整具本体43の内周側に配置してもよい。
【0064】
なお、
図1乃至3において51はカバーであり、
図11はカバー51を平面から示した図、また、
図4は、カバー51を外したベース7上を平面から示した図である。即ち、本実施例では、前記ベース7の上方にカバー51を配置しており、ベース7とカバー51間に、ストッパー16、保持部材35を配置し、前記スライダー13、スライダーケース9、及びスイッチ用アーム21等は、カバー51に形成した貫通孔52を貫通させている。
【0065】
次に、このように構成される本実施例の換気口カバー1の作用について説明すると、
図1の状態は風量調整板5を全閉した状態を示している。そしてこの状態では、スライダー13がスライダーケース9の最奥部まで挿入され、ストッパー16の係止爪17がスライダー13の最先端側の係止凹部15に係止され、スライダー13がロックされている。
【0066】
次に、
図1の状態において、スイッチ19の押圧部20を押下すると、スイッチ19におけるアーム21の押圧面22がストッパー16の受圧壁24を押圧し、ストッパー16が解除方向に移動し、係止凹部15と係止爪17との係止が解除されて、スライダー13がフリーな状態になる。
【0067】
また、それとともに、ストッパー16は保持部材25によって位置が固定されて、係止凹部15と係止爪17との係止が解除された状態が維持される。
【0068】
更に、ストッパー16が解除方向に移動して、係止凹部15と係止爪17との係止が解除されると、解除爪31が解除爪用長溝11内に挿入される。
【0069】
この状態を示した図が
図3であり、
図3に示す状態ではスイッチ19の押圧部20が押下された状態であり、スイッチ19によって取付部材33が本体部2側に押されているとともに、スライダー13は取付部材33によって基端側に押されているため、風量調整板5は全閉のままである。またストッパー16は、保持部材25により位置が固定されているとともに、アーム21の押圧面22による受圧壁24への押圧によっても、位置が固定された状態が維持されている。
【0070】
次に、
図3の状態で押圧部20の押下を解除すると、スライダー13が押しバネ14の付勢力によって完全に伸びるまで突出方向へ移動し、それにより、風量調整板5は全開まで開いていくとともに、スライダー13の解除突起32は解除爪用長溝11内を突出方向へ移動していく。
【0071】
また、スライダー13が突出方向へ移動して風量調整板5が開いていくと、それとともにスイッチ19も上昇してアーム21が上方へ移動する。そうすると、アーム21の先端がストッパー16の貫通孔23内から出るので、アーム21の押圧面22による受圧壁24への押圧が無くなり、ストッパー16に対する解除方向への圧力が無くなり、ストッパー16は保持部材25による保持のみで位置が固定されることになる。
【0072】
そして、スライダー13が完全に伸びて風量調整板5が全開になると、スライダー13の解除突起32が、解除爪用長溝11内の解除爪31を押圧して解除爪用長溝11内から退避させる。そうすると、ストッパー16は、解除爪用長溝11内からの解除爪31の退避とともに係止方向へ移動し、保持部材25による保持から解除されるとともに、引きバネ18の付勢力によって係止方向へ引っ張られ、それにより、最奥部の係止凹部15内に係止爪17が係止し、スライダー13がストッパー16によってロックされることになる。この状態を示した図が
図2である。
【0073】
そして、この
図2の状態において、風量調整板5を本体部2側へ押していくと、スライダー13の係止凹部15のテーパー面1502によって係止爪17に解除方向への圧力が加えられ、これにより、ストッパー16は解除方向に移動し、係止爪17と係止凹部15との係止が解除され、スライダー13をスライダーケース9内に挿入していくことが可能となる。従って、これにより、風量調整板5を段階的に閉めていくことができるとともに、風量調整板5を一気に押し込むことで、風量調整板5を一気に全閉することも可能であり、更に、風量調整板5を段階的に占めている過程においても、スイッチ19の押圧部20を押下することで、風量調整板5を一気に全開することが可能である。
【0074】
また、風量調整板5を開いた状態においては、本体部2に入ってきた外気は、風向き調整具42における風カバー46で閉鎖されていない給気窓45を介して室内に入り込むとともに、その際に、フィルター50によって外気とともに本体部に流入してくる塵埃などの異物を捕捉することができる。
【0075】
このように、本実施例の換気口カバー1では、風量調整板5を本体側に押し込むことで、段階的に、あるいは一気に風量調整板5を閉めることができるとともに、スイッチを押下することで、一気に風量調整板5を全開にすることができ、更に、スイッチを押下しない限りは風量調整板を開くことができないために、風量調整板を押し込み過ぎることで風量調整板が開いてしまうことを確実に防止することが可能である。
【0076】
また、風向き調整具を具備しているために、室内に入り込んでくる風の向きを調整することが可能であるとともに、フィルターによって、外気とともに本体部に流入してくる塵埃などの異物をフィルターで捕捉することも可能である。