(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573439
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】外科手術デバイスの識別
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20190902BHJP
【FI】
A61B17/072
【請求項の数】23
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-188081(P2013-188081)
(22)【出願日】2013年9月11日
(65)【公開番号】特開2014-83438(P2014-83438A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2016年8月23日
(31)【優先権主張番号】61/715,480
(32)【優先日】2012年10月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/961,983
(32)【優先日】2013年8月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ テイラー
【審査官】
宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−090113(JP,A)
【文献】
特開2011−036656(JP,A)
【文献】
特開平07−051273(JP,A)
【文献】
特開2006−334417(JP,A)
【文献】
特開2010−269142(JP,A)
【文献】
特開2011−019904(JP,A)
【文献】
特開2008−212639(JP,A)
【文献】
特開2008−259815(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0108048(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術デバイスであって、該外科手術デバイスは、
カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとステープル留め駆動部材とを有する充填ユニットであって、該ステープル留め駆動部材は、該カートリッジアセンブリおよび該アンビルアセンブリのうちの少なくとも1つを係合するフランジを有し、該充填ユニットは、本体部分を有する、充填ユニットと、
該ステープル留め駆動部材を移動させるように結合および構成されたモーターアセンブリと、
該カートリッジアセンブリおよび該アンビルアセンブリのうちの少なくとも1つの上の該充填ユニットの構造であって、該フランジが該構造を横切るときに、該構造は、該モーターアセンブリにおける力またはトルクを変化させ、該力または該トルクの変化は、該充填ユニットの特性を示す、構造と、
該モーターアセンブリに結合されたコントローラーであって、該フランジが前進することにより、該フランジが該構造と係合して該構造を横切り、該フランジが該アンビルアセンブリを該カートリッジアセンブリに近づけ、該コントローラーは、該フランジと該構造との接触に起因する該モーターアセンブリの該力または該トルクの変化に基づいて該充填ユニットの特性を決定するように構成されている、コントローラーと
を含む、外科手術デバイス。
【請求項2】
ハンドル部分と細長い部分とをさらに含む、請求項1に記載の外科手術デバイス。
【請求項3】
前記細長い部分は、アダプターアセンブリであり、該アダプターアセンブリは、該前記充填ユニットに取り外し可能に接続するための遠位端と、前記ハンドル部分に取り外し可能に接続するための近位端とを有する、請求項2に記載の外科手術デバイス。
【請求項4】
前記細長い部分は、前記ステープル留め駆動部材に接続している少なくとも1つの駆動部材を有し、該少なくとも1つの駆動部材は、該ステープル留め駆動部材を駆動する、請求項3に記載の外科手術デバイス。
【請求項5】
前記コントローラーは、前記ハンドル部分に配置されている、請求項2に記載の外科手術デバイス。
【請求項6】
前記充填ユニットは、前記アンビルアセンブリと前記カートリッジアセンブリとの間のギャップを決定するためのセンサーを有する、請求項1に記載の外科手術デバイス。
【請求項7】
前記ハンドル部分は、前記モーターアセンブリを含み、該モーターアセンブリは、出力シャフトを有する、請求項2に記載の外科手術デバイス。
【請求項8】
前記ハンドル部分は、前記モーターアセンブリの前記出力シャフトにおけるトルクを決定するためのセンサーを含む、請求項7に記載の外科手術デバイス。
【請求項9】
前記コントローラーは、前記モーターアセンブリの電流をモニタリングする、請求項1に記載の外科手術デバイス。
【請求項10】
前記コントローラーは、メモリーユニットを含む、請求項5に記載の外科手術デバイス。
【請求項11】
前記充填ユニットは、締め付け圧を決定するためのセンサーを有する、請求項10に記載の外科手術デバイス。
【請求項12】
前記締め付け圧は、前記メモリーユニットの中に保存される、請求項11に記載の外科手術デバイス。
【請求項13】
前記構造は、コーティング、テクスチャ、くぼみ、突出部からなる群から選択される、請求項1に記載の外科手術デバイス。
【請求項14】
前記構造は、くぼみ、くぼみと突出部、突出部からなる群から選択される、請求項1に記載の外科手術デバイス。
【請求項15】
前記アンビルアセンブリは、傾斜表面を有するアンビルを含む、請求項1に記載の外科手術デバイス。
【請求項16】
前記構造は、前記傾斜表面上に規定される、請求項15に記載の外科手術デバイス。
【請求項17】
前記構造は、前記傾斜表面に対して近位である、請求項15に記載の外科手術デバイス。
【請求項18】
前記カートリッジアセンブリは、チャネルを有する、請求項1に記載の外科手術デバイス。
【請求項19】
前記構造は、前記チャネル上に規定される、請求項18に記載の外科手術デバイス。
【請求項20】
前記コントローラーは、前記外科手術デバイスの使用に関するデータを保存する、請求項1に記載の外科手術デバイス。
【請求項21】
前記カートリッジアセンブリは、線状の列のステープルを有する、請求項1に記載の外科手術デバイス。
【請求項22】
前記構造は、前記線状の列の長さを示す、請求項21に記載の外科手術デバイス。
【請求項23】
前記構造は、前記ステープルのサイズを示す、請求項21に記載の外科手術デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2012年10月18日に出願された、米国仮特許出願第61/715,480号に対する利益および優先権を主張し、その開示全体は、本明細書中で参考として援用される。
【0002】
技術分野
本開示は、ハンドル部分と、取り外し可能で交換可能なエンドエフェクターとを有する外科手術デバイス(例えば、外科手術ステープル留め機器)に関する。特に、本開示は、外科手術デバイスおよびエンドエフェクターのタイプを識別するためのセンサーを有するエンドエフェクターに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
ハンドル部分と、交換可能なユニットとを有する外科手術デバイスは公知である。種々のタイプおよびサイズの充填ユニットを発射するために使用され得る外科手術デバイスが、Mastriら(「Mastri」)に対する特許文献1に開示され、その開示は、これにより、その全体が参考として援用される。Mastriにおいて、充填ユニットは、種々の大きさの外科手術ステープル、およびさらに、種々のステープルの線の長さを有し得る。Millimanらに対する特許文献2は、ハンドル部分と一緒に使用され得る関節運動する充填ユニットおよび関節運動しない充填ユニットを開示し、その開示は、これにより、その全体が参考として援用される。
【0004】
アダプターアセンブリおよびそこに取り付けられ得る複数の外科手術エンドエフェクターを有する外科手術デバイスは、特許文献3に開示され、それは、これにより、その全体が参考として援用される。アダプターは、電力式の動力化された手で持つドライバーが、多様なエンドエフェクター、例えば、端端吻合エンドエフェクター、または環状ステープラー、内視鏡胃腸管吻合エンドエフェクター、例えば、線状内視鏡ステープラー、または横吻合エンドエフェクターに接続することを可能にするように使用される。遠隔電力操作卓を有する電力式外科手術デバイスはまた、Whitmanら(「Whitman」)に対する特許文献4によって開示されるように提案されており、それは、これにより、その全体が参考として援用される。Whitmanは、外科手術デバイスを制御するための操作卓におけるコントローラーを開示している。コントローラーは、メモリーユニット(RAMおよびROMが挙げられる)を有し得、コントローラーに取り付けられた特定のエンドエフェクターからデータを読み取る。コントローラーは、コントローラーに取り付けられたエンドエフェクター上のメモリーユニットからの識別データを読み取り得、次に、外科手術デバイスのモーターへのコントローラーの接続によって、外科手術デバイスの作動を制御する。
【0005】
電力式外科手術機器は、Zemlokらに対する特許文献5によって開示され、その開示全体は、これにより、本明細書中で参考として援用され、電力式外科手術機器は、機器の複数の機能を駆動させるためにシフトモーターを利用する。多様なセンサーが開示されている。
【0006】
多様な取り外し可能で交換可能なエンドエフェクターまたは充填ユニットと一緒に使用されるように設計された外科手術デバイスの状況において、取り付けられているエンドエフェクターまたは充填ユニットのタイプを識別することが望ましい。この情報は、どのように外科手術デバイスを作動させるかを決定するために使用され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7,044,353号明細書
【特許文献2】米国特許第7,565,993号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2011/0174099号明細書
【特許文献4】米国特許第6,846,307号明細書
【特許文献5】米国特許第7,887,530号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
本開示の局面において、外科手術デバイスは、カートリッジアセンブリと、アンビルアセンブリと、ステープル留め駆動部材とを有する充填ユニットを含む。ステープル留め駆動部材は、カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちの少なくとも1つを係合するフランジを有し、充填ユニットは、本体部分を含む。カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちの少なくとも1つにおいて、機械的特徴が存在し、機械的特徴は、フランジによって係合されるように配列されている。機械的特徴は、充填ユニットの局面を示す。
【0009】
外科手術デバイスは、ハンドル部分と細長い部分とをさらに含み得る。細長い部分は、充填ユニットに取り外し可能に接続するための遠位端と、ハンドル部分に取り外し可能に接続するための近位端とを有するアダプターアセンブリであり得る。細長い部分は、ステープル留め駆動部材に接続している少なくとも1つの駆動部材を有し得、少なくとも1つの駆動部材は、ステープル留め駆動部材を駆動し得る。ハンドル部分は、コントローラーを有し得る。
【0010】
特定の実施形態において、充填ユニットは、アンビルアセンブリとカートリッジアセンブリとの間のギャップを決定するためのセンサーを有する。
【0011】
ハンドル部分は、出力シャフトを有するモーターを含み得る。ハンドル部分は、モーターの出力シャフトにおけるトルクを決定するためのセンサーを含み得る。コントローラーは、メモリーユニットを含み得る。
【0012】
充填ユニットは、締め付け圧(clamping pressure)を決定するためのセンサーを有し得る。特定の実施形態において、締め付け圧は、コントローラーのメモリーユニットの中に保存される。
【0013】
機械的特徴は、コーティング、テクスチャ(texture)、くぼみ(depression)、または突出部であり得る。機械的特徴は、くぼみ、くぼみと突出部、または突出部であり得る。
【0014】
特定の実施形態において、アンビルアセンブリは、傾斜表面を有するアンビルを含む。機械的特徴は、傾斜表面上に規定され得る。
【0015】
機械的特徴は、傾斜表面に対して近位であり得る。
【0016】
特定の実施形態において、カートリッジアセンブリは、チャネルを有する。機械的特徴は、チャネル上に規定され得る。
【0017】
コントローラーは、外科手術デバイスの使用に関するデータを保存し得る。
【0018】
カートリッジアセンブリは、線状の列のステープルを有し得る。特定の実施形態において、機械的特徴は、線状の列の長さを示す。機械的特徴は、ステープルのサイズを示し得る。
【0019】
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
外科手術デバイスであって、該外科手術デバイスは、
カートリッジアセンブリと、アンビルアセンブリと、ステープル留め駆動部材とを有する充填ユニットであって、該ステープル留め駆動部材は、該カートリッジアセンブリおよび該アンビルアセンブリのうちの少なくとも1つを係合するフランジを有し、該充填ユニットは、本体部分を有する、充填ユニットと、
該カートリッジアセンブリおよび該アンビルアセンブリのうちの少なくとも1つにおける機械的特徴とを含み、該機械的特徴は、該フランジによって係合されるように配列され、該機械的特徴は、該充填ユニットの局面を示す、
外科手術デバイス。
(項目2)
ハンドル部分と細長い部分とをさらに含む、上記項目に記載の外科手術デバイス。
(項目3)
上記細長い部分は、上記充填ユニットに取り外し可能に接続するための遠位端と、上記ハンドル部分に取り外し可能に接続するための近位端とを有するアダプターアセンブリである、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目4)
上記細長い部分は、上記ステープル留め駆動部材に接続している少なくとも1つの駆動部材を有し、該少なくとも1つの駆動部材は、該ステープル留め駆動部材を駆動する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目5)
上記ハンドル部分は、コントローラーを有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目6)
上記充填ユニットは、上記アンビルアセンブリと上記カートリッジアセンブリとの間のギャップを決定するためのセンサーを有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目7)
上記ハンドル部分は、出力シャフトを有するモーターを含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目8)
上記ハンドル部分は、上記モーターの上記出力シャフトにおけるトルクを決定するためのセンサーを含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目9)
上記ハンドル部分は、モーターを含み、上記コントローラーは、該モーターの電流をモニタリングする、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目10)
上記コントローラーは、メモリーユニットを含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目11)
上記充填ユニットは、締め付け圧を決定するためのセンサーを有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目12)
上記締め付け圧は、上記メモリーユニットの中に保存される、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目13)
上記機械的特徴は、コーティング、テクスチャ、くぼみ、および突出部からなる群から選択される、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目14)
上記機械的特徴は、くぼみ、くぼみと突出部、および突出部からなる群から選択される、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目15)
上記アンビルアセンブリは、傾斜表面を有するアンビルを含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目16)
上記機械的特徴は、上記傾斜表面上に規定される、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目17)
上記機械的特徴は、上記傾斜表面に対して近位である、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目18)
上記カートリッジアセンブリは、チャネルを有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目19)
上記機械的特徴は、チャネル上に規定される、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目20)
上記コントローラーは、上記外科手術デバイスの使用に関するデータを保存する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目21)
上記カートリッジアセンブリは、線状の列のステープルを有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目22)
上記機械的特徴は、上記線状の列の長さを示す、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目23)
上記機械的特徴は、上記ステープルのサイズを示す、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
【0020】
(摘要)
カートリッジアセンブリと、アンビルアセンブリと、ステープル留め駆動部材とを有する充填ユニットであって、ステープル留め駆動部材は、カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちの少なくとも1つを係合するフランジを有し、充填ユニットは、本体部分を有する、充填ユニットと、カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちの少なくとも1つにおける機械的特徴とを有し、機械的特徴は、フランジによって係合されるように配列され、機械的特徴は、充填ユニットの局面を示す、外科手術デバイスが開示される。機械的特徴は、外科手術ステープル留めデバイスについて、ステープルの線の長さ、ステープルサイズ、充填ユニットのタイプ、および/または充填ユニットが発射されたかどうかを示し得る。
【0021】
本開示の外科手術デバイスの実施形態は、以下の図面を参照しながら本明細書中に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本開示の特定の実施形態に従う、ハンドル部分の斜視図である。
【
図1A】
図1Aは、本開示の特定の実施形態に従う、ハンドル部分および充填ユニットの斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示の特定の実施形態に従う、いくつかの部品が取り外された状態の、ハンドル部分に取り付けられたアダプターの斜視図である。
【
図3】
図3は、本開示の特定の実施形態に従う、アダプターの分解斜視図である。
【
図4】
図4は、本開示の特定の実施形態に従う、アダプターの一部の断面図である。
【
図5】
図5は、本開示の特定の実施形態に従う、充填ユニットの一部の分解斜視図である。
【
図6】
図6は、本開示の特定の実施形態に従う、充填ユニットの一部の分解斜視図である。
【
図7】
図7は、本開示の特定の実施形態に従う、充填ユニットの一部の斜視図である。
【
図8】
図8は、本開示の特定の実施形態に従う、充填ユニットの一部の斜視図である。
【
図9】
図9は、本開示の特定の実施形態に従う、充填ユニットの側面立面図である。
【
図10】
図10は、本開示の特定の実施形態に従う、充填ユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
詳細な説明
当業者は、添付の図面を伴って以下の説明を読むことにより本発明を理解する。参照文字は、図面にわたって、同じまたは同様の要素を示す。慣例であるように、用語「遠位」は、機器の使用者からより遠い場所を指し、用語「近位」は、機器の使用者からより近い場所を指す。
【0024】
ハンドル部分10と、複数の取り外し可能で交換可能な充填ユニットとを有する外科手術デバイスが
図1〜
図6に示される。外科手術デバイスは、細長い部分を含む。例えば、ハンドル部分10は、ハンドル部分10の一部を形成する内視鏡シャフトを有し得るか、またはハンドル部分10は、アダプターアセンブリ100に接続され、アダプターアセンブリ100は、外側チューブ106と、アダプターアセンブリをハンドル部分10に取り外し可能に接続するためのラッチを有する解放ボタン104とを含み得る。代替的に、接続は、ねじ切りされた接続、差込み接続、または任意の他の接続であり得る。内視鏡シャフトの遠位端、またはアダプターアセンブリ100の遠位端は、充填ユニットへの接続を形成するための接続部分12を有する。充填ユニット20、30、および40が示される。線状内視鏡ステープル留め充填ユニット20は、詳細に記載されるが、環状ステープル留め30または横向きステープル留め40充填ユニットも外科手術デバイスに取り付けられ得る。電気エネルギー、超音波エネルギー、または他のエネルギーを組み込む充填ユニットも提供され得る。様々な充填ユニットを収容するための適切なアダプターアセンブリが提供される。例えば、環状ステープル留め充填ユニット30を作動させるための3つの駆動シャフトを提供することが望ましい場合がある。中に3つの駆動シャフトを有するアダプターアセンブリは、組織を把持するためにアンビルを開口および閉鎖させること、組織を通ってアンビルに対してステープルを駆動させること、ならびに組織を切断することを別個に駆動するために使用され得る。
【0025】
充填ユニット20と一緒に使用されるアダプターアセンブリ100は、本体130と2つのドライバー(関節運動駆動ケーブル136およびステープル留め駆動ケーブル134)とを有する。
図3に最も良好に見られるように、アダプターアセンブリ100は、モーターアセンブリ5からの出力の回転運動をアダプターアセンブリの駆動部材の線形の並進に変換するために、駆動シャフトの各々のための駆動コンバーターアセンブリを有する。例えば、第1の駆動コンバーターアセンブリ150は、モーターアセンブリ5からの第1の出力に駆動ケーブル136を介して接続する第1のシャフト152を有する。第1のシャフト152は、ねじ切りされた遠位端152bを含む。関節運動駆動バー154は、第1のシャフト152のねじ切りされた遠位端と係合される、内部がねじ切りされたカラー154aを有する。ねじ切りされたカラー154aは、関節運動駆動バー154を所望の距離を並進させるために十分に長い。
【0026】
第2の駆動コンバーターアセンブリ140は、ステープル留め駆動ケーブル134を介して、モーターアセンブリ5からの第2の出力に接続する第2のシャフト148を有する。第2のシャフト148は、ねじ切りされた近位端148aを含む。内部がねじ切りされたカラー146は、第2のシャフトのねじ切りされた近位端148aと係合させられる。カラー146は、管状スリーブ144に接続される。近位継手142は、駆動ケーブル134を管状スリーブ144に接続する。駆動ケーブル134が回転する場合、管状スリーブ144およびカラー146が回転させられ、第2のシャフト148が、遠位方向に前進させられる。ねじ切りされた近位端148aは、組織の締め付けおよびステープルの発射のために、第2またはステープル留め駆動シャフト148を所望される距離を並進させるために十分に長い。本明細書中に開示される実施形態の任意のものにおいて、駆動コンバーターアセンブリは、内部がねじ切りされたシャフトを有し得、関節運動駆動シャフトならびに/またはステープル留め駆動シャフトは、内部がねじ切りされた部材と係合および相互作用するために、ねじ切りされたロッドを形成する端部を有し得る。
【0027】
モーターアセンブリ5は、外科手術デバイスから分離され得るが、望ましくは、ハンドル部分10の一部である。1つ以上のモーターが使用される。例えば、2つの双方向性モーターは、ハンドル部分10に取り付けられ得、ハンドル部分10に対して内部または外部の電池であり得る電源に接続され得る。各モーターは、ハンドル部分におけるスイッチに接続され得、モーターの方向を逆にするためのさらなるスイッチもハンドル部分に提供され得る。電源は、望ましくは、取り外し可能で再充電可能な直流電池であるが、別の源(例えば、交流電力供給のリモートアクセスアウトレット)が使用され得る。変圧器または歯車セットは、モーター用に電源を適合させるために使用され得る。
【0028】
アダプターアセンブリ100の遠位端は、充填ユニット20に取り外し可能に接続するための接続部分12を有する。接続部分12は、Mastriらに対する米国特許第7,044,353号に記載されたもののような、差込み接続を本質的に形成し得、その開示は、これにより、その全体が本明細書中で参考として援用される。充填ユニット20をアダプターアセンブリ100に固定するための係止部材164は、ボタン162に接続される。ボタン162は、充填ユニットが外れることを防止するために、ボタンが係止解除位置に移動させられるまで係止位置にばね付勢される。
【0029】
内視鏡線状ステープル留め充填ユニットは、MastriまたはMillmanらの米国特許第7,565,993号に記載されたもののようなものであり得、それらの開示は、これにより、本明細書中で参考として援用される。充填ユニット20は、アダプターアセンブリ100のシャフトまたはハンドル部分との接続を形成するための2つの突起254を規定する近位端258を有する細長い本体部分200を有する。充填ユニットを接続するための他の手段が使用され得る。充填ユニットは、電力式の動力化された外科手術ドライバー、または手動で始動させられるハンドルのいずれかに取り付けられるように設計され得る。アダプターアセンブリ100の接続部分の係止部材164の端部164a(
図3を参照のこと)は、充填ユニットの突起254を係合して、充填ユニットを適所に固定する。チューブ251は、本体200の周りに配置される。
【0030】
充填ユニット20は、関節運動駆動バー154のフック状の遠位端154cを係合するためのフック状の近位端258を有する関節運動リンク256を有する。軸駆動アセンブリは、ステープル留め駆動シャフト148を係合するための近位プッシャー201を有する。ステープル留め駆動シャフト148および関節運動駆動バー154の各々は、モーターアセンブリからのそれらのそれぞれの出力によって駆動され、駆動コンバーターアセンブリによって、軸方向に遠位方向に並進させられる。
【0031】
軸駆動アセンブリは、駆動梁212と、駆動梁212の遠位端において締め付け部材213とを含むステープル留め駆動部材211を有する。(
図6を参照のこと)。駆動梁212は、その遠位端において締め付け部材を形成する、細長い薄板の材料または一連の積み重ねられた薄板の材料であり得る。締め付け部材213は、ナイフ刃を有する垂直部分215に取り付けられた上部フランジまたはローラー部材214、および下部フランジ216(
図5を参照のこと)を有する部材である。駆動梁212の近位部分は、ステープル留め駆動シャフト148が軸駆動アセンブリの移動を遠位方向に駆動するために、プッシャー201を保持するための開口部を有する。締め付け部材213は、締め付けおよびステープル留めの間に起こる摩擦を低減するためのプラスチックの成形片、または別のプラスチックのコーティングを有し得る。EP 1,908,414および米国公開第2008/0083812号を参照のこと。その開示は、これにより、本明細書中で参考として援用される。
【0032】
1対の顎は、取り付け部分236を介して細長い本体200に取り付けられる。ステープラーアンビルアセンブリ207は、アンビル204とカバー208とを含む。アンビル204は、スロット214と傾斜表面209とを規定する。カートリッジアセンブリ230は、ステープルカートリッジ220と、チャネル218と、駆動梁212および締め付け部材213と相互作用するための発射アセンブリとを含む。チャネル218はまた、スロット(示されない)を規定し、スロットは、垂直部分215がスロットを通って延び、下部フランジ216をチャネル218の下に配置することを可能にする。ステープルカートリッジ220は、複数のステープルスロット225と、チャネル218およびアンビル204におけるスロットに対応するスロット282とを規定する。
【0033】
アンビルアセンブリ、カートリッジアセンブリ、または両方は、旋回可能に移動可能である。例えば、アンビル204は、アンビル204がカートリッジアセンブリ230に対して旋回し得るように、チャネル218の中の凹部302において受け取られる突出部301を有する。この手法において、組織は、アンビルアセンブリ207とカートリッジアセンブリ230との間に締め付けられ得る。
【0034】
図5および
図6を参照すると、取り付けアセンブリ202は、本体200の遠位端に旋回可能に固定され、取り付けアセンブリ202は、ハウジング部分200の長手方向軸に対して垂直な軸を周る取り付けアセンブリ202の旋回移動が1対の顎の関節運動をもたらすように、充填ユニット20の顎の近位端に取り付けられるように構成される。
【0035】
図6を参照すると、取り付けアセンブリ202は、上部取り付け部分236と下部取り付け部分238とを含む。各取り付け部分は、そこにチャネル218の近位端を固定するためのねじ切りされたボルト242を受け取るような寸法にされたねじ切りされたボア240を、各取り付け部分の各側面に含む。1対の中央に位置する旋回部材244は、ハウジング部分200の遠位端を係合する1対の継手部材246を介して、上部取り付け部分と下部取り付け部分との間を延びる。継手部材246は各々、相互係止する近位部分248を含み、近位部分248は、ハウジング部分200の近位端に形成された溝250の中に受け取られるように構成され、継手部材246に対して長手方向に固定された位置に取り付けアセンブリ202と本体200とを保持する。
【0036】
1対のブローアウトプレート255が、1対の顎の関節運動中に駆動アセンブリの外方へのはみ出しを防止するために、軸駆動アセンブリの遠位端に隣接する、本体200の遠位端に隣接して位置決めされる。各ブローアウトプレート255は、平らな表面を含み、平らな表面は、駆動部材211の外方へのはみ出しを防止するために、1対の顎の軸と実質的に平行であり、駆動アセンブリの側面に位置決めされる。各ブローアウトプレートは、取り付けアセンブリ202の中に形成されたそれぞれの第1の溝202aに位置決めされる第1の遠位ベンド255aと、ハウジング部分200の遠位端の中に形成されたそれぞれの第2の溝200aに位置決めされている第2の近位ベンド255bとを含む。
【0037】
ステープル226は、ステープルスロット225の中に配置され、プッシャー228によってそのステープルスロットの外に駆動される。垂直部分215はまた、スロット214を通って延び、上部フランジまたはローラー214をアンビル204の上部表面上に位置させる。そり234は、最初は近位部分においてステープルカートリッジの中に位置決めされ、プッシャー228を係合するウェッジ232を有する。プッシャーは、そり234が駆動梁212および締め付け部材213によって前進させられる場合、そりがプッシャーを持ち上げ、ステープルがスロット225の外に出て、組織を通って、アンビル204の中のステープル形成凹部に対して駆動されるように、カム作用表面(示されない)を有する。駆動梁212および締め付け部材213が最初に前進させられる場合、上部フランジまたはローラーは、アンビルアセンブリ207をカートリッジアセンブリ230と近づけるために傾斜表面209に沿って乗っていく。ステープルが発射される場合、ステープルの発射中、アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリの位置を維持するために、駆動梁212および締め付け部材213は、アンビルアセンブリおよびートリッジアセンブリを係合し続ける。
【0038】
本明細書中に開示される実施形態の任意のものにおいて、締め付け部材は、一体的に形成された上部および下部フランジを有するI形梁であり得、締め付け部材は、溶接または同様の方法によって、駆動梁の遠位端において駆動梁に取り付けられる。
【0039】
充填ユニット20は、ハンドル部分10の中のコントローラー9にデータをフィードバックするために、アダプターアセンブリ100における第2のデータコネクターとの接続のための第1のデータコネクターを含み得る。第1のデータコネクターは、充填ユニットの本体200において接触子を含み得るのに対して、第2のデータコネクターは、第1のデータコネクターの接触子と接続するために、アダプターアセンブリ100において配列された接触子であり得る。メモリーユニットが、充填ユニットの中に配置され、第1のデータコネクターに接続される。メモリーユニットは、本体200の中に含まれるEEPROM、EPROMなどを含み得、情報(例えば、充填ユニットのタイプ、充填ユニットの中のステープルのサイズ、ステープルが発射された場合に充填ユニットによって形成されたステープルの線の長さ、充填ユニットがすでに発射されたかどうかについての情報)を保持し得る。第2のデータコネクターは、アダプターアセンブリを通って延びるワイヤーによって、または無線接続を介してハンドルアセンブリの中のコントローラー9に接続される。代替的に、充填ユニットのメモリーユニットは、ハンドル部分の中のコントローラーと無線電通し得る。
【0040】
コントローラーは、集積回路、アナログ回路もしくは論理回路、および/またはマイクロプロセッサーであり得る。コントローラーは、充填ユニットのメモリーユニット、アダプターアセンブリおよび/または充填ユニットの中の他のセンサーから情報を受け取り、外科手術デバイスの作動を制御し得る。例えば、センサーは、カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリにおける締め付け力を検出するために使用され得る。コントローラーは、推奨される力を超える事象において、視覚による警報もしくは可聴警報を開始し得、またはコントローラーは、ハンドルアセンブリのモーターを停止させることによって、外科手術デバイスの作動を中止し得る。取り外し可能なメモリーチップまたはカードも含まれ得る。
【0041】
外科手術デバイスと一緒に使用するために種々のステープルの線の長さを有する充填ユニット20が利用可能である場合、外科手術デバイスの作動を制御するために、ステープルの線の長さを識別し、その情報を使用することは有用であり得る。例えば、コントローラー9は、メモリーユニットから、および充填ユニットにおける第1のデータコネクターを通って、ステープルの線の長さを受け取る。その情報は、ハンドル部分10の中のメモリーユニット11からのデータと比較されて、どのくらい遠くにステープル駆動シャフト148を駆動するべきかを決定し、そのシャフト148を遠くに駆動し過ぎること、および充填ユニットを損傷させる可能性を避ける。充填ユニットのタイプ、およびステープルの線の長さ、ステープルサイズなどは、従って、外科手術デバイスの作動を制御するために使用され得る。コントローラー9は、ステープルの線の長さに達した後、ステープル留め駆動ケーブル134が駆動される方向を逆にするようにプログラムされ得、それにより、ステープル留め駆動シャフト148の方向を逆にし、充填ユニットの顎が開くことを可能にする。代替的に、または加えて、そり234、締め付け部材213、および/または駆動梁212の位置を決定するために、ならびにステープルの線の端に達した場合にモーターの方向を逆にするために、センサーが充填ユニットの中に提供され得る。
【0042】
ハンドル部分10は、ケーブル134、136の回転を駆動するために、電池、発電機、または電気的ソケットを通してモーターアセンブリ5に電力を供給する。組織の上に充填ユニットの顎を締め付けるために必要とされるトルクの量は、モーターの電流をモニタリングすることによって検知され得る。アンビル204の傾斜表面209の上を締め付け部材213が最初に移動する間の組織の締め付け中に、締め付け部材213は、アンビル204、およびカートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとの間に締め付けられている組織に力を及ぼす。これらの力は、コントローラー9によって検出され得、特徴付けられ得る。例えば、カートリッジ220に向かって組織を締め付けることにおけるアンビルの力が検出され得、コントローラーのメモリーユニット11の中のデータと比較され得、外科医に情報を提供するために使用され得る。また、この情報は、後の使用のために保存され得、報告され得る。ハンドル部分10は、望ましくは、情報を表示するため、または外科手術デバイスの使用者に警告するためのディスプレーユニットおよび/またはインジケーターを有する。加えて、または代替的に、デバイスは、可聴警報または録音されたメッセージを発する音声の構成要素を含み得る。ディスプレーは、発光ダイオード、液晶ディスプレー、または任意の他のディスプレーであり得る。
【0043】
1つまたは複数のエンコーダーは、外科手術デバイスのセンサーのうちの1つとして使用され得る。エンコーダーは、シャフト上に取り付けられた1つまたは複数の磁石を検出するために、モーターからの駆動シャフトに隣接して取り付けられたホール効果デバイスを含む。この手法において、駆動シャフトの角度位置、およびそれらの方向、ならびに駆動シャフト、駆動ケーブル134、136、関節運動駆動バー154、および/またはステープル留め駆動シャフト148の位置が決定され得る。本明細書中に開示される実施形態の任意のものにおいて、駆動ケーブル134、136、関節運動駆動バー154、および/またはステープル留め駆動シャフト148について提供されるエンコーダーまたは他のセンサーが存在することが企図される。
【0044】
センサー211はまた、ステープルカートリッジ220とアンビル204との間のギャップを決定するために、充填ユニット20の中に提供され得る。コントローラーは、特定の充填ユニットのための所望のギャップを示す情報の表を含み得、所望のギャップが達成されることができない事象において、ステープルの発射を防止するために使用され得る。例えば、米国公開第2012/0211542号(その開示は、これにより、本明細書中で参考として援用される)は、外科手術デバイスを制御するための組織管理モードを開示し、記憶された相関表を利用する。本明細書中に開示される実施形態の任意のものにおいて、外科手術デバイスは、締め付け力、カートリッジ220とアンビル204との間のギャップ、充填ユニットが使用されたかどうか、充填ユニットのタイプ、および/またはステープルの線の長さもしくはサイズを決定する、アダプターアセンブリ100、充填ユニット20、および/またはハンドル部分10の中のコントローラーおよびセンサーを含み得る。情報は、外科手術デバイスの作動を制御するために使用され、いくつかの指示を使用者に提供し、および/または後の使用のために単に記憶される。
【0045】
本明細書中に開示される実施形態の任意のものにおいて、充填ユニットは、カートリッジ220のタイプ、ステープルの線の長さ、ステープルのサイズなどを決定するための機械的特徴を有する。機械的特徴は、充填ユニットのそのタイプに特有の、特に成型されたこぶ(bump)、くぼみ、または一連のこぶもしくはくぼみである。機械的特徴は、種々の形状および/またはテクスチャを有し得、ステープルサイズ、ステープルの線の長さ、または両方を決定し得る。それは、充填ユニットの他の局面(例えば、それが関節運動しているか、または関節運動していないか)を決定するためにも使用され得る。機械的特徴は、テクスチャ、種々の摩擦抵抗、または充填ユニットのタイプを区別し得るいくつかの他の局面を提供する、充填ユニット上のコーティングであり得る。
【0046】
機械的特徴1020は、締め付け部材1213がカートリッジアセンブリ1230、アンビルアセンブリ1207、または両方を係合する場所において、充填ユニット上に位置する。
図9に示されるように、アンビルアセンブリ1207とカートリッジアセンブリ1230とを有する充填ユニットはまた、切開する先端1010を有する。締め付け部材1213の最初の前進において、締め付け部材の上部フランジまたはローラー1214は、傾斜表面1209を横切る。傾斜表面1209上に提供される1つまたは複数の機械的特徴1020は、モーターにおける力またはトルクを変化させる。機械的特徴の実施例の拡大版は、
図9に示される。力またはトルクの変化は、ハンドル部分のコントローラーによって検出され、コントローラーのメモリーユニット11の中のデータと比較される。この情報を用いて、コントローラー9は、充填ユニットが、例えば、45mmのステープルの線の長さを有することを決定し、ステープル留め駆動ケーブル134に所定の数の回転をさせることにより、全てのステープルを駆動するために必要であるがカートリッジアセンブリ1230の長さを超えない距離をステープル留め駆動シャフト148を駆動する。さらに、充填ユニットが関節運動する充填ユニットであることが決定され得、関節運動駆動ケーブル136が駆動されることを可能にする。充填ユニットが関節運動する充填ユニットではないことが決定される場合、関節運動駆動ケーブル136は、モーターアセンブリ5の中の対応するモーターをオンしないことによって、駆動されることが防止される。例えば、1つまたは複数の機械的特徴1020は、チャネル1218上に提供され得、充填ユニットのタイプ、ステープルの線の長さ、ステープルサイズを識別するか、または充填ユニットを関節運動するものと識別する。同様に、1つまたは複数の機械的特徴1020は、チャネル1218および/またはアンビル表面上に提供され得、充填ユニットを充填ユニット上に予め充填されたバットレスを有するものと識別するか、または充填ユニットを切開する先端を有するものと識別する。
【0047】
本明細書中に開示される実施形態の任意のものにおいて、機械的特徴1020は、傾斜表面1209に対して近位である領域において、アンビルアセンブリ1207、カートリッジアセンブリ1230、または両方の上に提供され得る。この手法において、外科手術デバイスの使用者は、締め付けが起きる前に充填ユニットのタイプを決定し得る。本明細書中に開示される実施形態の任意のものにおいて、機械的特徴1020の他に、電子センサー、光学センサー、磁気センサー、および/または任意の他の種類のセンサーが、特定の充填ユニットおよびその使用についての情報を提供するために使用され得る。本明細書中に開示される実施形態の任意のものにおいて、電子センサー、磁気センサー、光学センサー、または他のセンサーが、充填ユニットのタイプ、ステープルサイズ、ステープルの線の長さ、充填ユニットの他の局面、および/または充填ユニットが発射されたかどうか、もしくは以前に使用されたかどうかを示すために、上部フランジもしくはローラー214、アンビル204、チャネル218、またはそれらの任意の組み合わせにおいて提供される。
【0048】
図10は、湾曲させられたアンビルアセンブリとカートリッジアセンブリとを有する別の充填ユニット2020を示す。湾曲させられた充填ユニット2020は、上に記載されたような締め付け部材と駆動梁とを有する。機械的特徴は、上に記載されたように、充填ユニットのタイプ、ステープルのサイズ、ステープルの線の長さまたは直径などを決定するために使用される。
【符号の説明】
【0049】
20、30、40、2020 充填ユニット
207、1207 アンビルアセンブリ
211 ステープル留め駆動部材
216 (下部)フランジ
230、1230 カートリッジアセンブリ
1020 機械的特徴