(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記収納袋の底面部の上面に更に補強用のシート部材を配設し、このシート部材の一側縁が前記底面部の一側縁に接続していることを特徴とする請求項1に記載の折畳自転車用収納袋。
前記一対の硬質の板状体が金属製であり、これらを連結する柔軟シート状部材が合成樹脂製であり、この合成樹脂製の柔軟シート状部材の2枚を接合して、その両端部で前記金属製板状体を挟み込み、連結固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の折畳自転車用収納袋。
前記柔軟シート状部材の折曲部位に設けたベルト部材が、その両端部で相互に係止される係止具が設けられたベルトからなり、このベルトが前記柔軟シート状部材の折曲部位の下面を挿通させたもの、又は、前記底面部の折曲部位に連結されたものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の折畳自転車用収納袋。
前記小さく畳まれた収納袋が別体のバンド部材により巻回されて固縛され、別体の保管用収納袋に収納され、且つ前記柔軟シート状部材と反対側をシートポストの側に向けて前記保管用収納袋に収納し、当該保管用収納袋に設けられたベルトによって自転車のシートポストに取り付けることができることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の折畳自転車用収納袋。
【背景技術】
【0003】
上記輪行袋の従来例としては、下記の特許文献に記載のものを挙げることができる。
下記特許文献1に記載の輪行袋は、従来からあるソフトケースタイプで、スライドファスナーによる開閉口を有するものであるが、袋内に収納された自転車の破損等や、袋が他人に衝突した際にその人に怪我を負わすことがないように工夫されたものである。
即ち、この輪行袋に空気やガス等を封入できる空間部を設け、その空間部内に空気等を出し入れできる構成を採用し、緩衝性能を付加したものである。
そして、この輪行袋は、いわばバック或いはカバン形式のものである。
【0004】
下記特許文献2に記載の輪行袋は、輪行袋の底面に折り畳み可能なキャスター付きの板を設けて、搬送する際に便利なものとしたものである。
この輪行袋においても、その分解状態自転車を収納する袋部は、いわばカバン形態のもので、その上方部にスライドファスナー付きの開閉口が設けられたものである。
【0005】
下記特許文献3に記載の輪行袋においても、その袋部はやはりカバン形態のもので、その上方部にはスライドファスナー付きの開口部が形成されたものであるが、その袋の縦方向対称位置にやはりスライドファスナーを設けて、袋の横方向の長さを長短自在に変更できるものである。
輪行袋内に収納する自転車は、車輪を分離して小さくして収納するのであるが、その際両輪を分離する場合も、また前輪のみを分離する場合もあり、分解した状態の自転車の大きさや形状は種々異なるものとなる。
この異なる大きさの自転車を収納することができるように、この特許文献3に記載のものが考案されたのである。
【0006】
尚、この種の収納袋にあっては、例えば、鉄道車両等に乗車する際には、その内部の自転車が外部から見えたり、その一部が外部に露出したりすると危険物として取り扱われてしまうために、折り畳まれた自転車の全体を完全に被覆する必要があるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願発明においても、上記従来の輪行袋のようなバッグ形態を有するものであって、特に上記従来の特許文献2に記載されたキャスター付きのものの改良に係るものである。
そして、本願発明では、まず当該収納袋を小さく畳めることをその第一の課題としており、それによって不使用の際は、組み立てられた折畳自転車のシートポストに取り付けて保管することができるものとなるのである。
【0009】
また、内部に折畳自転車を収納する関係上、その底面部は丈夫な構造を有している必要があり、且つ、キャスターを底面部の下面に設ける関係上、同様にその底面部は丈夫な構造とする必要がある。
このように、丈夫な構造であって、尚且つ折り畳める構造とすることも本願発明の課題となる。
【0010】
上記のように底面部を折畳構造とすることにより、その折曲部の構造が問題となり、つまり、折曲可能ということは、何れの方向にも、つまり、上方にも或いは下方にも折曲可能となり、内部に折畳自転車を収納した際には、この底面部の下方向への折曲を防止する手段も考慮せねばならない。この点も本願発明の課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第1のものは、折畳自転車を内部に収納でき、底面部にキャスターが設けられ、不使用時には前記底面部を二つ折りにして折り畳むことができる収納袋において、前記二つ折りされた底面部の間に収納袋のほぼ全体が折り込まれることにより収納袋が小さく畳み込まれ、自転車使用時には当該自転車のシートポストに前記小さく畳み込まれた収納袋を取り付けた状態で乗車することができ、
前記底面部に一対の硬質の板状体を配設し、これら一対の板状体の間に折曲自在の柔軟シート状部材を配設してこれら板状体を連結し、これにより前記一対の板状体が前記柔軟シート状部材の部位で折曲自在に設けられ、これにより、二つ折りされた前記底面部の間に収納袋が小さく畳み込まれ、前記柔軟シート状部材の折曲部位には、この部位を上方に引き上げることができるベルト部材を設け、これにより、収納袋内に折畳自転車を収納し、前記ベルト部材を前記自転車フレームに巻回して収束し固定することにより前記柔軟シート状部材が上方に引き上げられて収納袋の底面部が略平面状となることを特徴とする折畳自転車用収納袋である。
【0014】
本発明の第
2のものは、上記
第1の発明において、前記収納袋の底面部の上面に更に補強用のシート部材を配設し、このシート部材の一側縁が前記底面部の一側縁に接続していることを特徴とする折畳自転車用収納袋である。
【0015】
本発明の第
3のものは、上記第
1又は第2の発明において、前記一対の硬質の板状体が金属製であり、これらを連結する柔軟シート状部材が合成樹脂製であり、この合成樹脂製の柔軟シート状部材の2枚を接合して、その両端部で前記金属製板状体を挟み込み、連結固定されていることを特徴とする折畳自転車用収納袋である。
【0016】
本発明の第
4のものは、上記第
1乃至第
3の発明において、前記柔軟シート状部材の折曲部位に設けたベルト部材が、その両端部で相互に係止される係止具が設けられたベルトからなり、このベルトが前記柔軟シート状部材の折曲部位の下面を挿通させたもの、又は、前記底面部の折曲部位に連結されたものであることを特徴とする折畳自転車用収納袋である。
【0017】
本発明の第
5のものは、上記何れかの発明において、前記小さく畳まれた収納袋が別体のバンド部材により巻回されて固縛され、別体の保管用収納袋に収納され、且つ前記柔軟シート状部材と反対側をシートポストの側に向けて前記保管用収納袋に収納し、当該保管用収納袋に設けられたベルトによって自転車のシートポストに取り付けることができることを特徴とする折畳自転車用収納袋である。
【0018】
本発明の第
6のものは、上記何れかの発明において、底面部に設けたキャスターが着脱自在であることを特徴とする折畳自転車用収納袋である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の第1のものにおいては、折畳自転車を内部に収納でき、底面部にキャスターが設けられ、不使用時には前記底面部を二つ折りにして折り畳むことができる収納袋において、前記二つ折りされた底面部の間に収納袋のほぼ全体を折り込み、収納袋を小さく折り畳むことができ、これにより自転車の使用時には、この自転車のシートポストに前記小さく折り畳まれた収納袋を取り付けた状態のままに乗車することができることとなり、収納袋を自転車に一体化させて使用することができ、極めて便利なものとなる。
【0020】
本発明においては、収納袋の底面部の構成をより具体化したものである。
即ち、当該底面部に一対の硬質板状体を配設し、これらを柔軟シート状部材で連結しているために、この柔軟シート状部材の部位で折曲自在となり、この部位で底面部が折り畳まれることとなるのである。
これにより、本発明に係る収納袋は、底面部以外の収納袋のほぼ全体を底面部の間に折り畳んで二つ折りすることが可能となり、収納袋の不使用時には極めてコンパクトにすることができ、且つ、自転車のシートポストに取り付けた状態で乗車することができることとなる。
【0021】
本発明においては、前記柔軟シート状部材の折曲部位に、この部位を上方に引き上げることができるベルト部材を設けたものである。
即ち、収納袋の使用時には、底面部の上に折畳自転車を載置するのであるが、自転車の重みを前記一対の硬質板状体が保持することができるが、中間で連結する柔軟シート状部材の部位が自転車の重みで下方に折曲してしまう。
【0022】
これを防止するために、本発明においては、この柔軟シート状部材の折曲部位を上方に引き上げるためのベルト部材を設けているのである。
これにより、収納袋内に折畳自転車を収納した後、前記ベルト部材を自転車に巻回して収束し固定することにより柔軟シート状部材が上方に引き上げられて収納袋の底面部は略平面状に維持されることとなるのである。
【0023】
本発明の第
2のものにおいては、上記発明において、収納袋の底面部の上面に更に補強用のシート部材を配設し、このシート部材の一側縁が前記底面部の一側縁に接続していることを特徴とするものである。
これにより、収納袋の底面部の補強が図られ、且つ、その補強用シート部材の一側縁が底面部の一側縁に接続しているために、補強用シート部材が底面部から分離してしまうことなく、収納袋の底面部上に載置された状態を維持することができることとなるのである。
【0024】
本発明の第
3のものにおいては、一対の前記硬質板状体及び柔軟シート状部材の材質を特定し、後者の構成をより限定したものである。
即ち、柔軟シート状部材は、その2枚を重ね合わせ、その両端部で前記板状体を挟み込んで連結固定されているものである。
これにより、底面部を良好に折曲でき、且つ、金属製板状体の側縁部の保護をも図っている。
尚、上記何れの発明においても、実施に際しては、この一対の硬質板状体は底面部の内部に配設されるため、金属製のものを採用しても、その周縁部は外部に露出することなく、保護された状態を維持することができる。
【0025】
本発明の第
4のものにおいては、前記柔軟シート状部材の折曲部位に設けたベルト部材の構成をより特定したものである。
即ち、その両端部が相互に係止される係止具が設けられたベルトからなり、このベルトが前記柔軟シート状部材の折曲部位の下面を挿通させたもの、又は、前記底面部の折曲部位に連結されたものであることを特定したものである。
【0026】
本発明の第
5のものにおいては、上記本発明に係る収納袋が二つに折り畳まれた底面部の間に底面部以外の部分が全て折り畳まれて挟まれた状態とすることができ、この状態の収納袋を別体のバンド部材によって巻回固定され、別体の保管用収納袋に収納できることを限定したものである。
【0027】
この際に、小さく折り畳まれた収納袋は、その柔軟シート状部材と反対側をシートポストの側に向けて収納することにより、この部位がシートポストに接合する際にシートポストに食い込むような状態となり、シートポストにより密着した状態となり、保管用収納袋に収納され、シートポストにより堅固に固定された状態となるのである。
【0028】
本発明の第
6のものにおいては、底面部に設けたキャスターを底面部から取り外し自在に及び取り付け自在に形成したものである。
これにより、自転車のシートポストに本発明に係る収納袋又は保管用収納袋を介して取り付けた際に、予めキャスターを取り外しておくことにより、キャスターの横方向への出っ張り(突出)を無くすることができ、自転車使用者のペダルの回転操作時に足の踵部分が前記キャスターに接触するという問題も解消することとなる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下添付の図面と共に、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の折畳自転車用収納袋に係る一実施形態の正面側から見た説明図であって、内部に折畳自転車を収納した状態を図示している。
【0031】
本発明に係る収納袋は、正面視略矩形形状のバッグ形態を有する本体部10から成り、その底面部11には複数のキャスター12(本実施形態では4個)が設けられ、その正面側と背面側の上部には取手部13、13がそれぞれ設けられ、その上面部とその両側襠部の適宜位置まで開口部15が設けられ、スライドファスナーによって開閉自在に形成されたものである。
【0032】
この外観形態については、従来の収納袋と同様のものである。
また、その本体部10の素材は、合成樹脂製生地、例えばポリエステル生地等から形成され、その取手部13に関してもナイロン生地の堅牢な帯状部材から構成されており、取手部13の握り部には合成皮革製のカバーを設けている。
【0033】
本発明においては、その内部構造、とりわけ底面部11の構造等に特徴がある。
この収納袋の本体部10は折り畳むことができる。
図2は、この実施形態に係る本体部を折り畳み、バンド部材で固定した状態を図示した説明図である。
【0034】
この
図2の如く、本発明に係る収納袋の本体部10は、底面部11の略中央部位11cで二つ折りすることができる。
また底面部11の下面にはキャスター12が設けられており、図中左側に2個、図中右側の向こう側にも2個設けられ、合計4個設けられている。
【0035】
これらのキャスターは、底面部11から着脱自在とすることができる。
これらのキャスターを取り外し自在及び取り付け自在とすることにより、幅方向においてキャスターの部分の出っ張り、即ち突出を無くすることができ、幅方向長さを短いものとすることができる。
これにより、小さく畳み込まれた本発明に係る収納袋を自転車のシートポストに取り付けた際に邪魔にならないというメリットがある。
【0036】
着脱自在の構造としては、このキャスターの支軸に雄ネジを刻設して螺着できるようにしたり、横方向(水平方向)にスライドできる構成を採用して、それぞれのキャスターを着脱自在に形成することもできる。
このようなキャスターの取り外し構造は、自由に設計変更することができる。
【0037】
以上のように、本発明に係る収納袋の本体部10は、底面部11の略中央部位11cで二つ折りされ、その二つ折りされた底面部11、11の間に、他の部分である本体部10の全てが挟み込まれ、最後に別に用意した別体のバンド部材30によって巻回され、固定されるのである。
この二つ折りされた本体部10は、やはり別体の保管用収納袋の中に収納され、例えば、後に説明するように自転車のシートポストに固定しておくことができることとなるのである。
【0038】
図3は、上記実施形態に係る収納袋の本体部の開口部を全開し、その底面側から見た説明図である。
この図から良く解る通り、本発明に係る収納袋の本体部10は、その底面部11が適宜厚地に形成され、この略長方形形状の底面部11に4個のキャスター12が設けられ、正面部14、背面部16、そしてこれら正面部14と背面部16の上部に設けられた取手部13、13とからなり、その上面部18とその両側の襠部17、17に設けた開口部15はスライドファスナー15fによって開閉できるのである。
【0039】
図4は、上記実施形態に係る収納袋の本体部の開口部を開放した状態を示す説明図である。
本体部10の上面部18及び襠部17、17に設けたスライドファスナー15fを開放して開口部15が開口する。
【0040】
この状態で本体部10の底面部11が現れる。
図4に見えている底面部11は、補強用シート部材21がその上面に敷設されている。
勿論、この補強用シート部材は合成樹脂製で、その略中央部で折曲できる構成である。つまり、底面部11の折曲動作に追従できる構成としている。
【0041】
図5は、前
図4の要部(底面部)拡大図である。
図6は、前
図5に示した底面部の上に設けた補強用シート部材を捲り上げた状態を図示した説明図である。
これらの図から良く解る通り、底面部11の上面には補強用シート部材21が設けられ、この補強用シート部材21の一側縁部21sが底面部11と接続している。
【0042】
従って、この補強用シート部材21は、底面部11と分離することなく、常に底面部11の上に配置されることとなる。
また補強用シート部材21の裏面には、適宜複数の面ファスナーも設けられており、この面ファスナーによって底面部11の上面に設けた面ファスナーと相互に係着し、固定される。
【0043】
尚、これらの図では、後に再度説明するが、ベルト部材24f、24hを見て取ることができる。
これらのベルト部材24f、24hは、これらの端部で相互に係止され、底面部11上に折畳自転車を載置した後に、これらのベルト部材24f、24hを前記自転車のフレームに巻回し、それらの端部で係止することによって底面部11が上方に引き上げられ、底面部11が略水平状態に維持されることとなるのである。
【0044】
図7は、上記実施形態に係る底面部の内部構造を示す説明図である。
図8は、この底面部の内部に設備される折曲部材の説明図であり、その(A)が斜視説明図、その(B)が前図の正面図である。
図7では、手Hの指によって、底面部11の表地11uを上方に捲り上げ、内部の硬質板状体22と柔軟シート状部材23が見える状態に描いている。
これらの図に示した通り、本実施形態に係る収納袋の底面部11の内部には、折り畳み自在の
図8に示した折曲部材が配設されるのである。
【0045】
この底面部11内に配設される折曲部材は、一対の略矩形形状の硬質の板状体22、22と、これらの板状体22、22を連結する柔軟な柔軟シート状部材23とから成る。
上記板状体22は、アルミニウム製の板状体を使用し、柔軟シート状部材23としては合成ゴム製シートを使用している。
【0046】
より具体的には、板状体22を所定間隔に維持して2枚の柔軟シート状部材23、23を接合し、これら2枚の柔軟シート状部材23、23の両端部で前記板状体22を挟持し、リベットにより連結固定したものである。
従って、この底面部11内に配設する折曲部材は、中央の柔軟シート状部材23の部位で折曲可能に形成されているのである。
【0047】
そして、板状体22、22の下面には、キャスター12がそれぞれ固定されることとなるのである。
上記の折曲部材(一対の板状体22と柔軟シート状部材23)は、底面部11の表地11uと裏地11sの間に配設されている(
図7参照)。
【0048】
図9は、上記実施形態に係る収納袋内部に折畳自転車を収納する状態を示す説明図である。
この図にある通り、本体部10の開口部15を全開して、その底面部11の上に折畳自転車を載置する。
【0049】
その後、底面部11の正面側及び背面側の側縁部の略中央部位に設けたベルト部材24f、24hの端部に設けたバックル部25を相互に係止して、底面部11の折曲部位である略中央部位を上方に引き上げるのである。
上記ベルト部材24f、24hによる上方への引き上げがないと、底面部11の下面にはキャスターが設けられており、そのキャスター12、12の間に底面部11の折曲部が位置し、この折曲部位が下方に折れ曲がってしまい、地面に接触する状態となるからである。
【0050】
即ち、この折曲部位は、丁度柔軟シート状部材の位置にあり、上記したとおりアルミ製板状体の間に位置しており、その柔軟な材質から下方に折れ曲がる状態となってしまうのである。
この下方に折れ曲がって折曲部位を上方に引き上げるために、上記ベルト部材24f、24hの端部を上方に引き上げ、自転車のフレームを介してその端部のバックル部を係止することにより底面部11の略中央部の折曲部位が上方に引き上げられ、
図1に図示した通り、その底面部11が略平面状態に、即ち略水平状態に維持されることとなるのである。
【0051】
このように、本発明においては、底面部をその略中央部位で折曲可能とし、しかもその折曲部位が内部に自転車を収納した状態で下方に折れ曲がらないように、その底面部が略平面状態を維持できるような構成としているのである。
【0052】
図10は、上記実施形態に係る収納袋を折り畳んだ
図2の状態のものを保管用収納袋に収納し、この保管用収納袋を自転車のシートポストに固定した状態を示す説明図である。
本発明に係る収納袋は、上述した通り、底面部を二つ折りしてその底面部の間に底面部以外の部分を全て挟み込んだ状態でバンド部材により固定して
図2の状態とすることができ、これを保管用収納袋35内に収納し、この保管用収納袋35を折畳自転車BのシートポストPに取り付けた状態を
図10が図示している。
【0053】
この保管用収納袋35には取り付け用のベルト37、37が設けられており、これらのベルト37、37をシートポストPに巻き付けて固定し、取り付けることができるのである。
【0054】
以上のようにして保管用収納袋35をシートポストPに取り付けることにより、当該保管用収納袋35は、その幅方向長さを極めて短くして、シートポストPに取り付けることができ、これにより自転車の使用者のペダル回転操作に際して、使用者の踵等が保管用収納袋35に接触する恐れが少なくなるのである。
更に、収納袋の底面部からキャスターを取り外した状態にしておけば、更にその幅方向長さは短くなり、上記問題は殆ど解消されるのである。
【0055】
尚、ここで、前記保管用収納袋内に収納する本発明に係る収納袋の向きを、その収納袋の底面部の折曲部である柔軟シート部材と反対側を自転車のシートポストの側に配置して収納することにより、この保管用収納袋がシートポストに接合する部分は収納袋の底面部と反対側の柔軟素材の部分となり、シートポストがこの保管用収納袋の側に食い込むような状態に接合することとなり、本発明に係る収納袋が収納された保管用収納袋が堅固にシートポストに固定されて、取り付けられることとなるのである。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明においては以下の通りその形態を種々変更して実施することができる。
本発明に係る収納袋の材質は、自由に選択することができるが、防水性を有するものであることが望ましく、その内側に緩衝性を有するものを内装したものであってもよい。
その大きさも適宜自由に設計することができ、形状も必ずしも上記実施形態のようなボックス形状でなく、折畳自転車を収納できる形状であればよい。
【0057】
上記一対の硬質の板状体は、上記実施形態ではアルミニウム製のものを使用したが、その他の金属製のものであってもよく、これらを連結する柔軟シート状部材も合成ゴム製でなく、その他の柔軟な合成樹脂製のものであってもよい。
上記板状体の下面に固定するキャスターは、その取付軸に対して回転できるものが望ましい。
【0058】
その個数もそれぞれの板状体の下面に1個ずつであってもよいが、それぞれ2個ずつ、全部で4個設けることが望ましい。
これらのキャスターは底面部と取り外し自在とし、着脱できるものとすることができる。
【0059】
底面部の上に設けた補強用シート部材の材質も自由に選択することができ、上記した通り、この補強用シート部材の一側縁を底面部の対応する一側縁部に連結しておくことが望ましい。この補強用シート部材が底面部から分離してしまうことを防止したものである。
【0060】
この補強用シート部材の裏面と底面部の上面とに相互に係着できる面ファスナー等の係着部材をそれぞれ設けておくことも望ましい。補強用シート部材の底面部上での移動やズレを防止することができるからである。
【0061】
底面部の略中央部、前記柔軟シート状部材の折曲部位に設けたベルト部材も、その端部で相互に係止できるものであれば、自由に設計変更することができる。
このベルト部材は、底面部の当該折曲部位にそれぞれ縫着した2本のベルト部材を使用し、その端部でバックル等の係止具を利用して相互に係止できるものでよい。
或いは、1本のベルト部材を使用して、その両端部に係止具を設け、この1本のベルト部材を前記柔軟シート状部材の下面に挿通させて設けることもできる。
【0062】
このようにして、ベルト部材は、収納袋内に折畳自転車を収納してこの自転車のフレームに巻回するように巻き付けて締め付け、その後端部の係止具を相互に係止して、底面部の折曲部位が上方に引き上げられ、その底面部を略平面状に、つまり略直線状にすることができることとなるのである。
【0063】
以上、本発明は、収納袋の底面部構造を改良し、この底面部の内部に折曲部材を内装し、その略中央の折曲部位にベルト部材を設けて、当該折曲部位を上方に引き上げることができ、それにより底面部を略水平状態に維持することができるように構成した折畳自転車用収納袋を提供することができたものである。