(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573513
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】紫外線照射装置および放電ランプ
(51)【国際特許分類】
H01J 65/00 20060101AFI20190902BHJP
C02F 1/32 20060101ALI20190902BHJP
C02F 1/50 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
H01J65/00 C
C02F1/32
C02F1/50 531R
C02F1/50 540B
C02F1/50 550D
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-181067(P2015-181067)
(22)【出願日】2015年9月14日
(65)【公開番号】特開2017-59324(P2017-59324A)
(43)【公開日】2017年3月23日
【審査請求日】2018年7月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000128496
【氏名又は名称】株式会社オーク製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】芹澤 和泉
(72)【発明者】
【氏名】小林 剛
(72)【発明者】
【氏名】五味 工
【審査官】
藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−235607(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/078249(WO,A1)
【文献】
特開2014−195770(JP,A)
【文献】
特開2001−015078(JP,A)
【文献】
特開平07−096278(JP,A)
【文献】
特開平07−288112(JP,A)
【文献】
特開平08−241698(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0030115(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 65/00−65/08
C01B 13/00−13/36
C02F 1/32
C02F 1/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線を放射する放電ランプと、前記放電ランプにより紫外線が照射される酸素を含む流体が流れる流路管とを有する紫外線照射装置において、
前記放電ランプが、
両端が前記流路管と接続する内側管と、
前記内側管と同軸配置される外側管と、
前記外側管と前記内側管との間に形成された放電空間と、
前記外側管の管壁内部に埋設された内側電極と、
前記外側管の管壁の外表面上に配設され、少なくとも一部が前記放電空間を挟んで前記内側電極と対向する外側電極とを有し、
前記内側管の管内全体が、前記流体の流れる流路になっていることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項2】
前記流体が前記内側管と前記流路管との間を循環することを特徴とする請求項1に記載の紫外線照射装置。
【請求項3】
前記放電ランプが172nmの波長を含む紫外線を放射することを特徴とする請求項1または2に記載の紫外線照射装置。
【請求項4】
前記放電ランプが前記流体に紫外線を放射することで、オゾンが発生することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の紫外線照射装置。
【請求項5】
前記放電ランプが185nm、207nm、222nm、253nmまたは254nmの少なくとも一つの波長を含む紫外線を放射することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の紫外線照射装置。
【請求項6】
前記外側電極はアース電極であり、
前記内側電極は高電圧が印加された電極であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の紫外線照射装置。
【請求項7】
前記外側電極が一体の導電製部材により構成されていて、
前記外側電極の外側管周方向長さが、前記内側電極の外側管周方向長さ以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の紫外線照射装置。
【請求項8】
前記外側電極が、
前記内側電極と前記放電空間を挟んで径方向に対向する主電極と、
前記主電極と同電位であって、前記主電極と周方向に離れて配置される補助電極と
を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の紫外線照射装置。
【請求項9】
前記流体を前記流路管を通じて前記内側管に送る流体供給部が、前記放電ランプよりも上流側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の紫外線照射装置。
【請求項10】
酸素を含む流体が流れる流路管と両端が接続する内側管と、前記内側管と同軸配置される外側管と、前記外側管と前記内側管の間に形成された放電空間における放電によって紫外線を放射する放電ランプであって、
前記外側管の管壁に埋設される内側電極と、前記外側管の外表面に設置されるとともに、少なくとも一部が前記放電空間を挟んで前記内側電極と対向する外側電極とを有し、
前記内側管の管内全体が、前記流体の流れる流路になっていることを特徴とする放電ランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾン水生成装置などに適用される紫外線照射装置に関し、特に、エキシマランプなどの二重管構造の放電ランプを備えたオゾン水生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線照射装置は、紫外線によって生じるオゾンが殺菌、脱臭、洗浄手段に利用されることから、様々な分野で取り扱われている。オゾン発生方法としては、酸素を含むガスに紫外線を照射してオゾンを発生させる方法が一般的であるが、酸素を溶存させた水に紫外線を照射する方法も知られている(特許文献1参照)。
【0003】
そこでは、水槽内の水に高濃度の酸素を溶解させ、泡状にする。そして、水槽内に配置された光源によって、酸素混合のバブル水に200nm以下の紫外線を照射する。酸素が紫外線を吸収することによりオゾンが発生し、オゾン水を殺菌処理システムなどに輸送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−200778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような液体に紫外線を照射する紫外線照射装置において、流路内部に紫外線照射する放電ランプをそのまま設置しただけでは、流路内の液体全体に対して紫外線を均一に照射することが難しい。また、流路の内側に放電ランプを設置することにより装置の小型化が困難となる一方で、流路内の配線に対する防水対策を講じることが必要となって、装置が複雑化する。
【0006】
したがって、簡易な構成で小型化が容易であって、酸素を含む液体に対して紫外線を効果的に照射し、オゾンを生成する紫外線照射装置を提供することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の紫外線照射装置は、紫外線を放射する放電ランプと、放電ランプにより紫外線が照射される酸素を含む流体(液体)が流れる流路を有する紫外線照射装置である。放電ランプは、外側管と、内側管と、外側管と内側管との間に形成された放電空間と、外側管の管壁内部に埋設された内側電極と、外側管の管壁の外表面上に配設され、少なくとも一部が放電空間を挟んで内側電極と対向する外側電極とを有する。内側管の内側は流路に連通し、液体の流体が内側管の内側および流路を流れる。さらに液体の流体が内側管の内側と流路との間を循環する構造であっても良い。
【0008】
ここでの「酸素を含む流体(液体)」には、水などのように酸素が自然に溶存している液体や、バブリングなどによって酸素を混合、溶解させた液体などが含まれる。酸素を含む液体に紫外線を照射し、オゾンを発生される放電ランプは、例えば172nmの波長を含む紫外線を放射するランプであり、誘電体バリア放電、あるいは容量結合型高周波放電によって放電するエキシマランプが適用可能である。流体に紫外線を照射し、流体を殺菌する放電ランプは、185nm、207nm、222nm、253nm、または254nmの少なくとも一つの波長を含む紫外線を放射する放電ランプで構成することが可能である。
【0009】
本発明では、放電ランプが、外側管の管壁に埋設される内側電極と、外側管の外表面に設置されるとともに、少なくとも一部が放電空間を挟んで内側電極と対向する外側電極とを有する。これによって、誘電体バリア放電による紫外線照射が内側管内側を通る液体に対して偏りなく全体的に一様照射することが可能となる。
【0010】
電極の取り扱いを容易にすることを考慮すれば、放電ランプの内側電極は高電圧が印加された電極であり、外側電極はアース電極である。外側電極の外側管周方向長さは、内側電極の外側管周方向長さより大きい。外側電極は様々な構成で適用可能である。例えば、外側電極を単体で構成可能である。内側電極との間で絶縁崩壊が困難にならないようにするために、外側電極の外側管周方向長さを外側管表面周方向長さ全体に渡った長さとするのがよい。
【0011】
一方、外側電極を、内側電極と対向する主電極と、主電極と離れて配置される主電極と同電位の補助電極とで構成することも可能である。放電しやすくするため、補助電極と内側電極との外側管周方向に沿った距離間隔は、補助電極と主電極との外側管周方向に沿った距離間隔と略等しくなるようにすればよい。ポンプなどの流体を放電ランプの内側管内側に流路を通じて送る流体供給部は、放電ランプよりも上流側に配置すればよい。また、流路の上流側には、バブリングなどによって流路を流れる液体に酸素を溶解させる酸素混合流体生成部を設けてもよい。
【0012】
本発明の他の態様における放電ランプは、外側管と内側管とを有し、外側管と内側管との間に形成された放電空間における放電によって紫外線を放射する放電ランプであって、外側管の管壁に埋設される内側電極と、外側管の外表面に設置されるとともに、少なくとも一部が放電空間を挟んで内側電極と対向する外側電極とを有し、内側管内側の酸素を含む流体に紫外線を照射する放電ランプである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、例えばオゾン水生成装置などの紫外線照射装置において、簡易で小型化可能な構成により、紫外線を効果的に流体に照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1の実施形態であるオゾン水生成装置の内部構成を示した図である。
【
図3】
図2のラインIII―IIIに沿った断面図である。
【
図4】外側電極の構成が第1の実施形態と異なる放電ランプの断面図である。
【
図5】補助電極を備えた放電ランプの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0016】
図1は、第1の実施形態であるオゾン水を生成する紫外線照射装置(以下、オゾン水生成装置)の内部構成を示した図である。
【0017】
オゾン水生成装置10は、流体である水に紫外線を照射してオゾン水を生成する装置であり、流入口10Aは図示しない給水ラインなどに接続されるとともに、流出口10Bは図示しない殺菌処理システムなどに接続されている。オゾン水生成装置10内には、ポンプ40、電源50、放電ランプ60が設けられている。
【0018】
また、オゾン水生成装置10内には、水の流路を形成する流路管15A、15Bがそれぞれ流入口側、流出口側に設けられており、後述する放電ランプ60の内側管61と接続する。ポンプ40は、流入口10Aから入り込む水を、互いに連通する流路管15A、内側管61、流路管15Bを経由して流出口10Bから流出する。なお、ポンプ40を流路管15Aや15B、または流入口10Aや流出口10Bに接続される外部装置に設けることで、水をオゾン水生成装置10に流入させることができるが、発生するオゾンのポンプ40に対する影響を考慮すると、ポンプ40は放電ランプ60より上流側に配置されるのが好ましい。
【0019】
放電ランプ60より流入口10A側である流路管15Aには、必要に応じて酸素溶解装置30を設ける。酸素溶解装置30は、ここではバブリング処理によって水に気泡(バブル)化した酸素を含有させる、または水に酸素を溶解(溶存)させることができる。ただし、たとえば水道水のような一般的な水には酸素が溶存しており、このようにあらかじめ十分に酸素を含む液体を流入口10Aに供給する場合は、酸素溶解装置30を設けずに、その液体をそのまま紫外線を照射するように構成してもよい。また、流入口10Aと接続する外部装置(図示せず)に酸素溶解装置30を設けて、水に酸素を溶解させても良い。バブル状の酸素を含有する、または酸素が溶存する水が内側管61を通るとき、放電ランプ60から照射される紫外線によってオゾン水を生成する。オゾン水は、流路管15Bを通って外部へ流出する。
【0020】
電源回路50は、放電ランプ60を点灯させるとともに、ポンプ40を駆動する。放電ランプ60は、対になる内側電極64および外側電極66を備え、配線67A、67Bを通じて電圧が内側電極64、外側電極66に印加される。
【0021】
図2は、放電ランプの軸線に沿った断面図である。
図3は、
図2のラインIII―IIIに沿った断面図で
ある。
【0022】
放電ランプ60は、それぞれ石英ガラスなどの誘電材料から成る内側管61および外側管62を一体的に同軸配置させた二重管構造のエキシマランプであり、外側管62の外表面に外側電極を配設する一方、外側管62の管壁62Wには内側電極が埋設されている。
【0023】
放電ランプ60の外側管62は、筒状石英管62W2とその内側に配置される筒状石英管62W1とを溶着して一体成形されたものであり、外側管62の両端部における縮径によって外側管62と内側管61とが溶着する。内側管61の両端部は、軸方向に沿って外側管62から突出している。
【0024】
外側管62と内側管61との間には、中空筒状(断面環状)の放電空間DSが形成されている。放電空間DSには、希ガスや、希ガスとハロゲンガスとの混合ガスなどが放電ガスとして封入されている。例えば、希ガスとしては、Xeガス、Arガス、Krガスであり、希ガスとハロゲンガスとの混合ガスとしては、ArBrガス、ArFガス、KrClガス、XeIガス、XeClガス、XeBrガス、KrBrガスなどが封入される。内側電極64の内表面は紫外線反射特性を有する。外側電極66の内表面は紫外線反射特性を有する。
【0025】
図3に示すように、外側電極66は、外側管62の外表面の周方向全体を覆う膜あるいは箔状の電極で構成されている。外側電極66の端部には、給電線67Bが接続されている。外側電極66の軸方向長さは、外側管62の軸方向長さよりも両端部においてEだけ短くなるように定められている。
【0026】
内側電極64は、扇状の膜あるいは箔状の電極で構成されており、外側管62の径方向に沿った中央付近に埋設され、放電空間DSに露出していない。内側電極64の軸方向長さは、外側電極66の軸方向長さよりも短く、その端部は給電線67Aと接続されている。
【0027】
外側管62の管壁62Wに埋設された内側電極64の周方向長さは、外側管62の周方向長さに対して十分短い。ここでは、中心軸Xに対する扇角が30度以内に定められている。これによって、内側電極64は、流路Fを形成する内側管61周りに形成された放電空間DSを間に挟んで、外側電極66の一部と対向する。
【0028】
例えば、内側管61の内径は0.5mm以上3mm以下であり、放電空間DSの軸方向長さが20mm以上200mm以下であり、放電空間DSの径方向長さ(厚さ)が5mm以上17mm以下に定められる。
【0029】
電源部50は、高周波交流方式の電源装置であり、外側電極66はアース電極であり、内側電極64は高電圧が印加された電極である。電圧が印加されると、
図3の破線AD1で示す放電距離間で誘電体バリア放電がまず発生し、その後、破線AD2、AD3の順で順次放電が発生する。その結果、エキシマ光、すなわち紫外線(紫外光)が放射される。この紫外線の波長は放電空間DSに封入されている放電ガスの種類によって異なる。例えば、放電ガスがXeガスでは172nm、Arガスでは126nm、Krガスでは146nm、ArBrガスでは165nm、ArFガスでは193nm、KrClガスでは222nm、XeIガスでは253nm、XeClガスでは308nm、XeBrガスでは283nm、KrBrガスでは207nmの波長を含む紫外線が放射される。
【0030】
ここで、外側管62を構成するガラス管62W1の端部が軸方向距離Eだけ突出することにより、外側電極66と給電線67Aが十分絶縁することになり、給電線67Aと外側電極66との間での沿面放電が防止される。同様に、外側管62を構成するガラス管62W2の端部が、ガラス管62W1の縮径開始部分62Jよりも軸方向に沿って突出していることにより、給電線67Aの引き出し部分を介して外側電極66と内側電極64が沿面放電することが防止される。
【0031】
放電空間DSを挟んで内側電極64と外側電極66の一部が対向することにより、流路Fが形成される内側管61を覆うように誘電体バリア放電が発生する(破線AD3参照)。その結果、内側管61全体に紫外線が照射され、内部の流路Fを流れる水に対して紫外線が均一に照射される。また、外側管62の内面および内側管61の内面が紫外線反射特性を有するため、紫外線は放電ランプ60の外部(特にランプ径方向外部)へ漏れない。
【0032】
上述したように、バブル状の酸素を含有する水、または酸素が溶存する水に対して172nmの波長を含む紫外線が照射されると、酸化作用によってオゾン(O
3)が発生し、オゾン水が生成される。これは以下の(1)および(2)式のように、172nmの波長を含む紫外線が酸素を分解して活性酸素を作り、活性酸素(酸素原子)が酸素(酸素分子)と結合してオゾンが生成されるためである。
O
2+ 紫外線→ 2O ・・・(1)
O+O
2→O
3 ・・・(2)
このように生成されたオゾン水は、下流側の流出口10Bから外部の殺菌処理システムへ送られる。さらに、185nm、207nm、222nm、253nmまたは254nmの少なくとも一つの波長を含む紫外線が水に対して照射されることで、水を好適に殺菌することもできる。これは、185nm、207nm、222nm、253nm、または254nmなどの波長を含む紫外線は、生物のDNAを構成する分子結合を切断する能力があり、DNAを破壊することで菌を死滅させるためである。
【0033】
このように本実施形態によれば、オゾン水生成装置10は、二重管構造のエキシマランプである放電ランプ60を備え、放電ランプ60は、流路管15A、15Bと接続する内側管61と外側管62とを備える。内側管61には電極が設けられておらず、外側管62の管壁62Wに内側電極64が埋設され、外側管62の外表面62S上に外側電極66が配置される。そして、外側電極66が外側管62の周方向全体に渡って覆う周方向長さをもつ一方、内側電極64は、内側管61を囲む放電空間DSを挟んで外側電極66の一部と対向するような周方向長さを有する。
【0034】
なお、ポンプ40の動作を所定時間間隔で停止させることにより、オゾン濃度を制御してもよい。例えば、酸素が溶存する水の流量を、内側管の内径を0.5mm〜3mmとした場合に、10L/min〜200L/minの範囲に設定することができる。
【0035】
放電ランプの内側管と水が流れる流路管とを繋ぐことにより、オゾン水生成装置10を小型化することが可能となる。また、放電ランプの電極、配線部分に対して防水処理を施す必要がなく、より簡易な構成を採用することができる。
【0036】
放電ランプの構成が内側管に電極を設けない構成であるため、流路を流れる水に対して全周方向から紫外線を照射することができる。特に、外側電極が外側管周方向全体に渡る断面環状の電極であることから、始動電圧が低い状態で放電が開始され、誘電体バリア放電において安定した始動性を得ることができる。そして、放電空間DSの径方向ほぼ全域において放電が発生し(破線AD1〜AD3参照)、放電に斑が生じるのを抑制する。
【0037】
また、外側電極66をアース電極とし、内側電極64を高電圧が印加される電極としているため、水が流れる内側管の内表面も含めて、放電ランプ周りの絶縁処理をする必要がなくなる。
【0038】
ところで、放電ランプについては、上述した電極構成以外でも可能である。以下、放電ランプの他の構造について説明する。
【0039】
図4は、外側電極の構成が第1の実施形態と異なる放電ランプ60’の断面図である。
図5は、補助電極を備えた放電ランプ60’’の断面図である。
【0040】
図4では、外側電極66’が内側電極64と同等のサイズで構成されている。外側電極66’の周方向長さは、内側電極64の周方向長さにほぼ等しい。また、外側電極66’は、内側管61を間に挟んで内側電極64と対向するように配置されている。このような電極構造によっても、内側管61を包含する範囲で誘電体バリア放電が発生する。
【0041】
図5では、
図4の外側電極66’に加えて、補助用外側電極67が外側管62の外表面62Sに設けられている。補助用外側電極67のサイズ、外側管周方向長さは、外側電極66’と略同等である。また、外側電極66’と補助用外側電極67との間の外側管周方向に沿った距離間隔は、補助用外側電極67と内側電極64との間の外側管周方向に沿った距離間隔と略等しい。このような電極構造によっても、始動電圧を低くすることができる。
【0042】
このように、外側電極については、単体でその周方向長さを調整し、あるいは、複数の外側電極を配置しながら補助用外側電極の位置を調整することで、紫外線を内側管内の流路へ均一に照射するとともに、安定して放電させることが可能である。1つの外側電極で構成する場合、その周方向長さは、電極断面形状が半円、すなわち180度以上の弧を描くような扇型の電極形状となるようにするのが良い。
【0043】
本実施形態では、誘電体バリア放電によってエキシマ光(紫外線)を照射するエキシマランプを放電ランプとして適用しているが、高周波放電や静電容量型放電によって紫外光を照射する放電ランプも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0044】
10 オゾン水生成装置(オゾン発生装置)
30 酸素溶解装置
40 ポンプ(液体供給部)
60 放電ランプ
61 内側管
62 外側管
64 内側電極
66 外側電極