特許第6573515号(P6573515)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573515
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】セラミック基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20190902BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20190902BHJP
   H01L 23/04 20060101ALI20190902BHJP
   H01L 23/08 20060101ALI20190902BHJP
   H01L 23/02 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
   H05K3/46 H
   H05K3/46 Z
   H01L23/12 N
   H01L23/12 Q
   H01L23/04 E
   H01L23/08 C
   H01L23/02 C
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-187739(P2015-187739)
(22)【出願日】2015年9月25日
(65)【公開番号】特開2017-63121(P2017-63121A)
(43)【公開日】2017年3月30日
【審査請求日】2018年7月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】海江田 裕介
【審査官】 鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−041345(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/120826(WO,A1)
【文献】 特開2006−019643(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/46
H05K 1/02
H05K 1/03
H01L 23/02
H01L 23/04
H01L 23/08
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセラミック層が積層された多層構造を有するセラミック基板であって、
前記複数のセラミック層のうちの積層方向に隣り合う2つのセラミック層同士の間に形成されている配線層と、
前記配線層に電気的に接続されており、前記セラミック基板が実装される回路基板に接続可能な複数の電極パッドと、
前記セラミック基板の内部に設けられている支持パッド部と、
を備え、
前記支持パッド部は、前記積層方向に見たときに前記電極パッドと重なる領域である電極パッド領域内において、前記積層方向に略垂直な方向に沿って形成されており、
前記複数の電極パッドは、前記セラミック基板の外周に沿って配列されており、
前記支持パッド部は、前記複数の電極パッドのそれぞれに対して設けられている、セラミック基板。
【請求項2】
請求項1記載のセラミック基板であって、
前記支持パッド部は、前記配線層と同じ層に形成されている、セラミック基板。
【請求項3】
請求項2記載のセラミック基板であって、
前記支持パッド部は、前記配線層から離間して形成され、前記配線層と電気的に導通していない非導通支持パッド部を含み、
前記積層方向に見たときに、前記非導通支持パッド部の外周端部は、前記電極パッド領域内に収まっている、セラミック基板。
【請求項4】
請求項2または請求項3記載のセラミック基板であって、
前記支持パッド部は、前記電極パッド領域内において、前記配線層が構成している配線パターンから、前記セラミック層の表面に沿って、広がるように形成されている部位である導通支持パッド部を含む、セラミック基板。
【請求項5】
請求項1から請求項のうちのいずれか一項に記載のセラミック基板であって、
前記電極パッドが形成されている面とは反対側の面には、電子部品が搭載される領域を囲む枠状のシール部材が接合されており、
前記積層方向に見たときに、前記複数の電極パッドのそれぞれは、前記シール部材と重なり合う位置に形成されている、セラミック基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック基板に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミック基板としては、多層セラミック基板が知られている(例えば、下記特許文献1)。多層セラミック基板は、積層された複数のセラミック層の間に配線層が設けられた多層構造を有している。多層セラミック基板は、通常、ICチップなどの微小な素子がその表面に搭載された状態で、マザーボード等の回路基板上に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−267467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来から、多層セラミック基板に対しては、多層セラミック基板における電子素子の配置安定性や、回路基板に対する多層セラミック基板自体の配置安定性を高めることが望まれている。上記特許文献1の技術では、内部導体の分布密度が低い部分に厚み補正用ダミー電極を配置することによって、多層セラミック基板におけるチップ部品の搭載性を良好にして、その配置安定性を高めている。しかしながら、特許文献1の多層セラミック基板では、補正用ダミー電極を配置した部位において、チップ部品が搭載される面とは反対側の面が凸状に膨らんでしまい、基板に対する多層セラミック基板の配置安定性が損なわれてしまう可能性があった。このように、回路基板に対する多層セラミック基板の配置安定性を高めることについては、依然として改良の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、少なくとも上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
[1]本発明の一形態によれば、セラミック基板が提供される。このセラミック基板は、複数のセラミック層が積層された多層構造を有してよい。前記セラミック基板は、配線層と、複数の電極パッドと、支持パッド部と、を備えてよい。前記配線層は、前記複数のセラミック層のうちの積層方向に隣り合う2つのセラミック層同士の間に形成されてよい。前記複数の電極パッドは、前記配線層に電気的に接続されており、前記セラミック基板が実装される回路基板に接続可能であってよい。前記支持パッド部は、前記セラミック基板の内部に設けられてよい。前記支持パッド部は、前記積層方向に見たときに前記電極パッドと重なる領域である電極パッド領域内において、前記積層方向に略垂直な方向に沿って、支持パッド部が形成されていてよい。この形態のセラミック基板によれば、支持パッド部に電極パッドを支持させることができる。そのため、回路基板に実装されたときの配置安定性を高めることができる。
【0007】
[2]上記形態のセラミック基板において、前記支持パッド部は、前記配線層と同じ層に形成されてよい。この形態のセラミック基板によれば、配線層と支持パッド部とを同じ層に形成できるため、効率的である。
【0008】
[3]上記形態のセラミック基板において、前記支持パッド部は、前記配線層から離間して形成され、前記配線層と電気的に導通していない非導通支持パッド部を含み、前記積層方向に見たときに、前記非導通支持パッド部の外周端部は、前記電極パッド領域内に収まってよい。この形態のセラミック基板によれば、電極パッド領域内に配線層が含まれない部位における電極パッドの支持性を高めることができる。
【0009】
[4]上記形態のセラミック基板において、前記支持パッド部は、前記電極パッド領域内において、前記配線層が構成している配線パターンから、前記セラミック層の表面に沿って、広がるように形成されている部位である導通支持パッド部を含んでよい。このセラミック基板によれば、電極パッド領域内に配線層が形成されている部位における電極パッドの支持性を、より高めることができる。
【0010】
[5]上記形態のセラミック基板において、前記複数の電極パッドは、前記セラミック基板の外周に沿って配列されており、前記支持パッド部は、前記複数の電極パッドのそれぞれに対して設けられてよい。この形態のセラミック基板によれば、回路基板に実装されたときの配置安定性が、さらに高められる。
【0011】
[6]上記形態のセラミック基板において、前記電極パッドが形成されている面とは反対側の面には、電子部品が搭載される領域を囲む枠状のシール部材が接合されており、前記積層方向に見たときに、前記複数の電極パッドのそれぞれは、前記シール部材と重なり合う位置に形成されてよい。この形態のセラミック基板によれば、シール部材の接合部位が支持パッド部によって支持されるため、シール部材の接合性が高められる。また、シール部材の支持性が高められるため、シール部材に対して接合される部品の接合性が高められる。
【0012】
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
【0013】
本発明は、セラミック基板以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、セラミック基板を備える電子部品や電子機器、セラミック基板の製造方法等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態におけるセラミック基板の構成を示す概略断面図。
図2】第1実施形態におけるセラミック基板の各セラミック層の表面構成を示す概略図。
図3】第1実施形態におけるセラミック基板の製造工程を示す説明図。
図4】第1実施形態における支持パッドの機能を説明するための概略図。
図5】第2実施形態におけるセラミック基板の構成を説明するための概略図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
A.第1実施形態:
図1は、本発明の第1実施形態における多層セラミック基板10(以下、単に「セラミック基板10」と呼ぶ。)の構成を示す概略断面図である。図1では、セラミック基板10の厚み方向に沿った任意の切断面における断面が図示されている。図1には、互いに直交する三方向を示す矢印X,Y,Zが、セラミック基板10を基準として図示されている。矢印Xは、セラミック基板10の短辺に沿った方向を示し、矢印Yは長辺に沿った方向を示し、矢印Zは、厚み方向に沿った方向を示している。矢印X,Y,Zは、本明細書において参照される各図においても、適宜、図示されている。図1には、便宜上、セラミック基板10のシール部25に接合されるメタルリッド35が図示されている。
【0016】
本実施形態のセラミック基板10は、略長方形の板形状を有しており、第1面11と、その反対側の第2面12と、を有している。セラミック基板10は、セラミックパッケージであり、第1面11に、水晶振動子や、半導体素子、圧電素子などの電子部品が搭載された状態で、第1面11側を上側とし、第2面12側を下側として、マザーボードなどの回路基板上に搭載される。セラミック基板10は、第1セラミック層13aと、第2セラミック層13bと、導体層21と、複数のビア電極22と、複数の素子電極パッド23と、複数の基板電極パッド24と、シール部25と、を備える。
【0017】
第1セラミック層13aおよび第2セラミック層13bはそれぞれほぼ同一のサイズを有する略長方形形状のセラミック板によって構成される。各セラミック層13a,13bは、例えば、アルミナ(Al)を主成分とする高温焼成セラミックや、ガラスを含む低温焼成セラミックによって構成される。なお、本明細書において、「主成分」とは、全成分中において質量割合が最も大きい成分を意味する。
【0018】
第1セラミック層13aは、第2セラミック層13bの第1面11側の面に積層されている。以下の説明において、「積層方向」と呼ぶときは、第1セラミック層13aと第2セラミック層13bの積層方向を意味する。積層方向は、セラミック基板10の厚み方向に一致し、矢印Zの方向に沿った方向である。なお、本実施形態のセラミック基板10では、積層された状態の第1セラミック層13aと第2セラミック層13bの厚みの合計は、0.13mm以下である。
【0019】
導体層21は、第1セラミック層13aと第2セラミック層13bとの間に形成されている。導体層21は、例えば、タングステン(W)やモリブデン(Mo)を主成分とする導体材料によって構成されている。導体層21は、配線部21pを有している。配線部21pは、素子電極パッド23と基板電極パッド24とを電気的に接続する配線パターンを構成する部位である。配線部21pは、本発明における配線層の下位概念に相当する。本実施形態では、導体層21には、配線部21pに加えて、支持パッド部29が形成されている。支持パッド部29については後述する。
【0020】
ビア電極22は第1セラミック層13aおよび第2セラミック層13bのそれぞれを厚み方向に貫通する貫通孔(ビア)に導体材料が配置されることによって形成される導電経路である。第1セラミック層13aのビア電極22は、導体層21における配線部21pと、素子電極パッド23と、を電気的に接続する。第2セラミック層13bのビア電極22は、導体層21における配線部21pと、基板電極パッド24と、を電気的に接続する。各ビア電極22は、導体層21と同様な導体材料によって構成されている。
【0021】
素子電極パッド23は、セラミック基板10の第1面11に形成されている。素子電極パッド23は、セラミック基板10に搭載される電子部品との電気的接続部として機能する。本実施形態では、素子電極パッド23は、導体層21と同様な導体材料によって構成されている。本実施形態における素子電極パッド23の形状の詳細については後述する。
【0022】
基板電極パッド24は、セラミック基板10の第2面12に形成されている。基板電極パッド24は、セラミック基板10が搭載される回路基板との電気的接続部として機能するとともに、当該回路基板上におけるセラミック基板10の支持部として機能する。本実施形態では、基板電極パッド24は、導体層21と同様な導体材料によって構成されている。基板電極パッド24は、本発明における電極パッドの下位概念に相当する。本実施形態における基板電極パッド24の形状の詳細については後述する。
【0023】
シール部25は、メタルリッド35が接合される部位である。セラミック基板10の第1面11上において、素子電極パッド23を囲むように、セラミック基板10の外周端に沿って形成されている。セラミック基板10を積層方向に見たときに、シール部25は、略四角枠形状を有している。シール部25は、メタライズ層26と、ろう材層27と、シールリング28と、を有する。
【0024】
メタライズ層26は、第1セラミック層13aの表面におけるシール部25の形成領域に形成される。本実施形態では、メタライズ層26は、素子電極パッド23と同様な導体材料によって構成されている。メタライズ層26の中央には、線状に延びる凸部であるリブ26tが形成されている。メタライズ層26の表面は、めっき層によって被覆されているが、その図示および詳細な説明は省略する。
【0025】
ろう材層27は、シールリング28をメタライズ層26にろう付け接合するためのろう材によって構成されている層であり、メタライズ層26の表面に形成されている。ろう材層27は、例えば、銀ろうによって構成される。
【0026】
シールリング28は、金属製の枠状のシール部材である。本実施形態では、シールリング28は、セラミック基板10の外周形状に対応する略四角枠形状を有している。シールリング28は、例えば、42アロイ(42Alloy)や、コバール(Kovar)などの合金によって構成され、プレス加工や鋳造によって作製される。シールリング28は、本発明におけるシール部材の下位概念に相当する。
【0027】
セラミック基板10では、シール部25の内周側に、矢印Zの方向に開口する有底の凹部空間であるキャビティ18が形成されている。キャビティ18は、セラミック基板10に搭載される電子部品の収容空間を構成する。セラミック基板10が回路基板に実装されるときには、キャビティ18内の素子電極パッド23の上に電子部品が搭載される。そして、キャビティ18は、金属製の蓋部材であるメタルリッド35が、シール部25のシールリング28に対してシーム溶接されることによって気密に封止される。メタルリッド35は、例えば、コバールやステンレス鋼(SUS304)によって構成される。
【0028】
図2を参照して、導体層21における支持パッド部29の形成領域を説明する。図2の(a)欄には、第1セラミック層13aを第1面11側から第2面12側に向かう方向、つまり、矢印Zの逆方向に見たときの概略平面図が図示されている。第1セラミック層13aの第1面11側の表面には、複数の平板状の素子電極パッド23が形成されている。本実施形態では、ほぼ同一のサイズを有する略長方形形状の2つの素子電極パッド23が、セラミック基板10の一方の短辺に寄った位置において、矢印Xの方向に配列されている。また、シール部25に含まれているメタライズ層26が、第1セラミック層13aの外周端に沿って略四角枠形状に形成されている。
【0029】
図2の(b)欄には、第2セラミック層13bを、第2面12側から第1面11側に向かう方向、つまり、矢印Zの方向に見たときの概略平面図が図示されている。上述したように、第2セラミック層13bの第2面12側の表面には、複数の基板電極パッド24が形成されている。各基板電極パッド24は、セラミック基板10を、矢印Zの方向、つまり、積層方向に見たときに、シール部25のメタライズ層26の形成領域と重なる位置に形成されている。本実施形態では、ほぼ同一の面積を有する平板状の基板電極パッド24が、第2セラミック層13bの4つの角部にそれぞれ一つずつ形成されている。
【0030】
図2の(c)欄には、第2セラミック層13bを、矢印Zの逆方向に見たときの概略平面図が図示されている。図2の(c)欄には、セラミック基板10を積層方向に見たときに、各基板電極パッド24と重なる領域(以下、「電極パッド領域」とも呼ぶ。)が破線で図示されている。
【0031】
上述したように、セラミック基板10では、第1セラミック層13aと第2セラミック層13bとの間には導体層21が形成されている。図2の(c)欄には、導体層21において、配線部21pが構成している配線パターンの一例が図示されている。導体層21には、支持パッド部29が含まれる。
【0032】
支持パッド部29は、電極パッド領域において、導体材料が、各セラミック層13a,13bの積層方向に略垂直な方向に沿って平板状に成形された金属薄膜である。本明細書において、「略垂直」とは、垂直(90°)に対して、例えば±5%程度の公差を含む角度を意味する。本実施形態では、積層方向に略垂直な方向は、各セラミック層13a,13bの表面に沿った方向でもある。
【0033】
支持パッド部29は、非導通支持パッド部29aと導通支持パッド部29bとを含む。非導通支持パッド部29aは、配線部21pから離間した位置に形成されており、配線部21pとは電気的に接続されていない。導通支持パッド部29bは、配線部21pから、第2セラミック層13bの表面に沿って広がるように形成されており、配線部21pと電気的に接続されている。導通支持パッド部29bは、配線部21pの一部を構成しているとの解釈も可能である。また、電極パッド領域において、導体材料が、他の層に接続されているビア電極22に接続する目的でなく、配線部21pから第2セラミック層13bの表面に沿って広がっている、あるいは、延びている部位は、導通支持パッド部29bであると解釈できる。
【0034】
本実施形態のセラミック基板10では、非導通支持パッド部29aと導通支持パッド部29bのうちのいずれか一方が、4つの基板電極パッド領域のそれぞれに形成されている。また、本実施形態のセラミック基板10では、各支持パッド部29は、セラミック基板10を積層方向に見たときに、シール部25の形成領域と重なる位置に配列されている。支持パッド部29の機能については後述する。
【0035】
図3は、本発明のセラミック基板10の製造工程を示す工程フロー図である。工程1では、焼成後に各セラミック層13a,13bを構成するグリーンシートが準備される。各グリーンシートは、アルミナ粉末など、セラミック層13a,13bの主成分となる粉末材料と、バインダ樹脂と、溶剤と、を配合したセラミックスラリーを、ドクターブレード法によってシート状に成形することによって作製される。各グリーンシートには、パンチ加工などによって、ビア電極22を構成するための貫通孔が形成される。
【0036】
工程2では、焼成後に、配線部21pや、ビア電極22、電極パッド23,24、シール部25のメタライズ層26、支持パッド部29となる部位に、未焼成の導体ペーストが配置される。具体的には、ビア電極22のための貫通孔に導体ペーストが充填され、スクリーン印刷などによって、各グリーンシートの表面に導体ペーストが塗布される。このように、本実施形態のセラミック基板10では、支持パッド部29が他の導体材料が配置される部位と同じ工程で形成されるため、効率的である。
【0037】
工程3では、導体ペーストが配置されたグリーンシートを積層して圧着することによって未焼成積層体が構成される。工程4では、グリーンシートが焼結する所定の温度(1000〜1800℃程度)で、当該未焼成積層体が焼成される。工程5では、メタライズ層26の上にろう材層27が形成され、シールリング28がろう付け接合される。工程5では、必要に応じて、導体材料の表面をめっきするめっき処理がおこなわれてもよい。以上の工程によって、本実施形態のセラミック基板10が得られる。
【0038】
図4を参照して、支持パッド部29の機能を説明する。図4の(a)欄の左側には、本実施形態のセラミック基板10の第2面12が図示され、図4の(b)欄の左側には、比較例のセラミック基板10の第2面12が図示されている。図4の(a)欄および(b)欄では、導体層21の形成領域が破線で図示されている。比較例のセラミック基板10cは、導体層21に支持パッド部29が設けられていない点以外は、本実施形態のセラミック基板10とほぼ同じ構成を有している。
【0039】
また、図4の(a)欄の右側の吹き出しには、本実施形態のセラミック基板10の第2面12を矢印Yの方向に沿って走査することによって得られる表面形状の解析結果を示すグラフの一例が図示されている。このグラフは、走査位置に対する任意の基準面からのセラミック基板10の厚み方向における第2面12の表面の高さ位置を示している。図4の(b)欄の右側の吹き出しには、比較例のセラミック基板10についての図4の(a)欄と同様な解析結果を示すグラフの一例が図示されている。なお、図4の(a)欄および(b)欄では、第2面12の走査位置が矢印SLによって図示されている。
【0040】
比較例のセラミック基板10cでは、基板電極パッド24が形成されている電極パッド領域内において、外周端部に近い部位ほど、第2面12の表面の高さ位置が低くなっており、表面の凹凸による高低差DHが著しく大きくなっている。これに対して、本実施形態のセラミック基板10では、比較例のセラミック基板10cよりも、電極パッド領域内における表面の高低差DHが増大してしまうことが抑制されている。これは、本実施形態のセラミック基板10では、電極パッド領域内において、配線部21pが形成されていない部位が支持パッド部29によって支持されているためである。
【0041】
比較例のセラミック基板10cでは、2つの電極パッド領域に挟まれた部位において、電極パッド領域とほぼ同程度の高さを有する部位が生じてしまっている。これに対して、本実施形態のセラミック基板10では、電極パッド領域の外の領域に、電極パッド領域よりも突出して高くなってしまう部位が生じてしまうことが抑制されている。これは、支持パッド部29によって基板電極パッド24が支持されていることによって、グリーンシートを積層する際の押圧力や、焼成工程における積層方向への収縮などによって、基板電極パッド24の高さが低くなってしまうことが抑制されているためである。また、本実施形態のセラミック基板10では、電極パッド領域の外の領域に、配線部21p以外の余分な導体材料が配置されていないためもである。
【0042】
ここで、上述したように、本実施形態のセラミック基板10では、厚み方向においてシール部25と重なる位置に基板電極パッド24が形成されており、支持パッド部29に支持されている基板電極パッド24によって、シール部25の支持性が高められている。特に、本実施形態のセラミック基板10では、支持パッド部29が、厚み方向においてシール部25と重なる位置に形成されており、シール部25の支持性が、支持パッド部29によって直接的に高められている。このように、本実施形態のセラミック基板10では、支持パッド部29によって、シール部25の変形が抑制されており、シール部25に対するメタルリッド35の接合性が高められるとともに、シール部25とメタルリッド35との間の気密性が高められている。
【0043】
以上のように、本実施形態のセラミック基板10によれば、基板電極パッド24が、支持パッド部29によって支持されていることによって、回路基板に対するセラミック基板10の配置安定性が高められている。その他に、上記実施形態中で説明した種々の効果を奏することができる。
【0044】
B.第2実施形態:
図5は、本発明の第2実施形態におけるセラミック基板10Aを説明するための概略図である。図5の(a)欄には、第2実施形態のセラミック基板10Aにおける第2セラミック層13bを、矢印Zの方向に見たときの概略平面図が図示されている。図5の(a)欄では、基板電極パッド24が形成されている電極パッド領域が破線で図示されている。図5の(b)欄の左側には、第2実施形態のセラミック基板10Aの第2面12が図示されている。また、図5の(b)欄の右側の吹き出しには、第2実施形態のセラミック基板10Aにおける第2面12の表面形状の解析結果を示すグラフの一例が図示されている。図5の(b)欄に示されているグラフは、図4において示されているグラフと同様なものである。
【0045】
第2実施形態のセラミック基板10Aは、支持パッド部29の面積が第1実施形態よりも大きく構成されている点以外は、第1実施形態のセラミック基板10とほぼ同じ構成を有している。電極パッド領域において占める支持パッド部29の面積が大きいほど、支持パッド部29による基板電極パッド24の支持性が高められる。第2実施形態のセラミック基板10Aでは、配線部21pにおいて導体材料が配置されないように構成されている部位を除く電極パッド領域のほぼ全体を覆うように、支持パッド部29が形成されている。第2実施形態のセラミック基板10Aであれば、第1実施形態のセラミック基板10よりも基板電極パッド24の支持性が高められており、回路基板に対するセラミック基板10Aの配置安定性が高められている。その他に、第2実施形態のセラミック基板10Aであれば、上記の第1実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。
【0046】
C.変形例:
C1.変形例1:
上記各実施形態では、支持パッド部29は、基板電極パッド24が形成されている電極パッド領域内に収まるように形成されている。これに対して、支持パッド部29は、電極パッド領域から延出して形成されていてもよい。ただし、支持パッド部29が電極パッド領域内に収められている方が、電極パッド領域外の領域におけるセラミック基板10,10Aの厚みが、支持パッド部29によって増大してしまうことが抑制される。
【0047】
C2.変形例2:
上記各実施形態では、支持パッド部29は、複数の基板電極パッド24のそれぞれに対応して1つずつ設けられている。これに対して、支持パッド部29は、複数の基板電極パッド24のうちの一部のみに設けられていてもよいし、1つの基板電極パッド24に対して複数個が設けられていてもよい。
【0048】
C3.変形例3:
上記各実施形態では、基板電極パッド24は、セラミック基板10,10Aを積層方向に見たときに、シール部25と重なる位置に形成されている。これに対して、基板電極パッド24は、セラミック基板10,10Aを積層方向に見たときに、シール部25と重なる位置に形成されていなくてもよい。基板電極パッド24は、例えば、セラミック基板10の中央領域に形成されていてもよい。また、上記各実施形態では、支持パッド部29は、セラミック基板10,10Aを積層方向に見たときに、シール部25と重なる位置に形成されている。これに対して、支持パッド部29は、セラミック基板10,10Aを積層方向に見たときに、シール部25と重なる位置に形成されていなくてもよい。支持パッド部29は、電極パッド領域内に設けられていればよい。
【0049】
C4.変形例4:
上記第1実施形態のセラミック基板10では、支持パッド部29は、非導通支持パッド部29aと、導通支持パッド部29bと、を含んでいる。これに対して、支持パッド部29は、非導通支持パッド部29aのみによって構成されていてもよいし、導通支持パッド部29bのみによって構成されていてもよい。
【0050】
C5.変形例5:
上記各実施形態では、支持パッド部29は、配線部21pや、電極パッド23,24などと同じ導体材料によって構成されている。これに対して、支持パッド部29は、配線部21pや、電極パッド23,24などと異なる導体材料によって構成されてもよい。また、支持パッド部29は、導体材料によって構成されていなくてもよく、絶縁体によって構成されていてもよい。ただし、支持パッド部29は、配線部21pに近い強度、あるいは、それ以上の強度を有するように構成されていることが望ましい。
【0051】
C6.変形例6:
上記各実施形態では、セラミック基板10,10Aは2つのセラミック層13a,13bを有している。これに対して、セラミック基板10,10Aは、さらに複数のセラミック層を有していてもよい。また、セラミック基板10,10Aは、平板状のセラミック層に加えて、シール部25が上面に形成される枠状のセラミック層を有していてもよい。2つ以上のセラミック層が積層されている場合には、支持パッド部29は、導体層21とは異なる層に形成されていてもよい。
【0052】
C7.変形例7:
上記各実施形態において、セラミック基板10,10Aは、メタルリッド35を接合するためのシール部25を有している。これに対して、セラミック基板10,10Aは、シール部25を有していなくてもよい。上記各実施形態において、セラミック基板10,10Aは、2つの素子電極パッド23を有している。これに対して、セラミック基板10,10Aは、さらに複数の素子電極パッド23を有していてもよい。
【0053】
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0054】
10,10A,10c…セラミック基板
11…第1面
12…第2面
13a…第1セラミック層
13b…第2セラミック層
18…キャビティ
21…導体層
21p…配線部
22…ビア電極
23…素子電極パッド
24…基板電極パッド
25…シール部
26…メタライズ層
27…ろう材層
28…シールリング
29…支持パッド部
29a…非導通支持パッド部
29b…導通支持パッド部
35…メタルリッド
図1
図2
図3
図4
図5