(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記サービス内容は、前記入力手段により選択するための情報を示すサービス項目を含み、前記サービス項目に応じて、前記認証処理を実行するか否かが設定されていることを特徴とする、請求項15または請求項16に記載のサービス提供システム。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット、3G,4Gの携帯網通信やWi−Fi等無線通信などのネットワーク技術を利用する、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等の通信端末が広く普及している。この普及に伴いネットワークを介したサービスも充実してきている。インターネットショップ、ネットオークション、ディジタルコンテンツ販売、ポータルサイト、ネット投資、ポイントサイト、ネットバンキングなど多数のサービスがネットワークを介して提供されている。インターネットショップでは、本、衣類、食料、飲料、家電、CDやDVDなどのソフトウェア、家具、楽曲、薬をはじめ自動車やバイクに至るまで購入することができる。ここに示した物品の販売だけでなく、ネットバンキングやネット投資などの銀行、証券会社などの取り扱う内容もインターネット上でサービスを受けることができる状況になっている。
【0003】
これらのインターネット上で行われているサービスでは、閲覧するだけの場合は、登録等をする必要はないが、購入するなどの契約を行う際には、初回は会員登録をしてID、パスワードを取得した後にIDを使用してサービスに対してログインする、2回目以降はIDを使用してサービスに対してログインするなどをして、対象サイトに個人認証をする必要がある。その個人認証が完了した後にサービスの提供を受けることができる。たとえば、インターネットショップでは、ログイン完了(個人認証)後、買い物かごに購入したい商品を入れるか、買い物かごに購入したい商品を入れた後ログイン完了して、商品の値段や数量や支払の方法を確認後決済する。また、ネットバンキングなどでも、ログイン完了(個人認証)後、サービスの提供を受けられるようになっている。
【0004】
このように、インターネット上で提供されているサービスを利用する時には、ログインなどの個人認証、もしくは、個人識別が必要となる。つまり、インターネット上でサービスを提供するためには、本来の目的とするサービス内容の作成に加えて個人認証、個人識別などの方法が必要になる。この個人認証、個人識別については、銀行で認証を行うセキュリティレベルが高く求められるサービスや会員かどうかを識別する単なるログイン認証で人を区別するだけのものまで多様なものがある。
【0005】
たとえば、特許文献1には、サーバ装置101が、利用者が同じクライアント装置104と携帯電話108を対応付けて登録しており、クライアント装置104から振込処理の要求があった場合に、当該クライアント装置104と対応付けられている携帯電話108に暗号化鍵を送信し、携帯電話108は利用者から振込先口座番号を入力し、サーバ装置101から受信した暗号化鍵を用いて口座番号を暗号化し、暗号化後の口座番号をクライアント装置104を経由してサーバ装置101に送信し、サーバ装置101では復号処理により口座番号を取得し、取得した口座番号から口座名を抽出し、抽出した口座名をクライアント装置104に提示して、利用者が振込実行を要求した場合に、振込処理を行う通信システムが開示されている(特許文献1を参照)。
上記の方法は、ユーザの2台目の端末に秘匿化、つまり、暗号化するための情報を送り、暗号化した振込先口座番号を送付して振込を行う暗号化処理をする方法であった。
【0006】
また、特許文献2には、ネットバンキングの決済処理における顧客の利便性を確保しつつ、セキュリティの向上を図る目的として、ログイン後の画面からワンタイムパスワードの発行要求を行うとともに発行されたワンタイムパスワードの通知先を携帯メール、携帯電話(音声)、固定電話の3つのうちから選んで指定可能とする、ネットバンキングにおける認証システムが開示されている(特許文献2を参照)。
これにより、顧客がログインした後の決済処理画面から通知先を選択指定した上で決済用ワンタイムパスワードの発行を要求できるので、ワンタイムパスワードが確実に本人にのみ通知されるとともに、ワンタイムパスワードの入力/認証を条件として決済処理が行われることから、ネットバンキングにおけるセキュリティ性を向上させている。
【0007】
さらに、特許文献3では、サービス提供業者によって提供されるサービスに銀行のカード所持者を登録および認証するための方法に関するもので、第1のチャネルによってカード所持者識別データ(ID)を受信し、第2のチャネルによって前記カード所持者の身元をダブルチェックすることを含むことを特徴している、カード所持者を登録および認証するための方法が開示されている(特許文献3を参照)。
特許文献3に開示されている方法では、銀行のカード所有者に利用可能なサービスで、スマートフォン上のアプリケーションからのサービス利用をするための登録、認証する際に使用される方法である。銀行のカード所有者が銀行とは異なるサービス提供先、もしくは代理の認証機関は、銀行のカード所有者の所有者識別データと所有者の携帯電話番号を持っている。まず、銀行から所有者に対してカード所有者識別データID、バーコードが印刷されているカード、もしくは、カードキャリアが送付される。このバーコードには所有者識別データ、認証データ、登録データが含まれている。カード所有者がサービス提供のための登録、認証をする際、カード、もしくは、カードキャリア上のIDやバーコードを含む写真、スキャンしたものを認証元に送付する。認証元は、IDから登録、認証をする所有者の情報を抽出し、登録されている電話番号のSMSにアカウントをアクティベーションする方法を示し(電子メールの文中にアクティベーションのためのリンクを埋めることでアクティベーションサイトへアクセスする)、その方法に従いリンク部をクリックすることでアクティベーションが実行され、ユーザはアクティベーション完了メッセージを受信することができる。このように、電子メール等で送信される写真等でIDを特定し、そのIDに登録されている電話番号にSMSで通知することで承認されることで身元をダブルチェックしている。
【0008】
また、特許文献4では、移動通信端末機を利用して銀行の金融口座照会、振替および送金、貸出および利子納入との各種金融取引を処理する移動通信端末機を利用したモバイル金融取引システムであって、PIN情報、金融口座が貯蔵されるICカードとモバイルバンキングによって金融取引を処理するバンキングアプリケーションが貯蔵された記憶装置とが内蔵され、無線にてデータを送受信する移動通信端末機と、前記移動通信端末機との無線インターフェースを行うBTSおよび呼び処理を行い、該BTSと核心網インターフェースを提供するBSCと、TCP/IPプロトコルを利用したパケットデータ伝送サービスを提供するPDSNと、前記移動通信端末機のバンキングアプリケーションから、モバイル金融口座照会、モバイル振替および送金、モバイル貸出および利子納入のいずれかの金融取引処理が要請される場合、それに対する処理および応答情報を提供するバンキングサーバーとを含んでなり、前記移動通信端末機上で金融取引と関連されたキー信号が入力される場合、前記移動通信端末機に内蔵されたバンキングアプリケーションが実行され、前記ICカードにログインするためのPIN情報が入力され、前記移動通信端末機上で認証が実行され、前記ICカードに貯蔵された金融口座リストを抽出して前記移動通信端末機の表示窓に表示および選択し、前記選択された金融口座に関する各種情報を利用して金融口座照会、振替および送金、貸出および利子納入の金融取引要請メッセージを構成した後、前記バンキングサーバーへ伝送すると、前記バンキングサーバーでは前記金融取引要請メッセージに応じて金融口座照会、振替および送金、貸出および利子納入の金融取引を処理した後、その処理結果を前記移動通信端末機へ伝送して表示窓を通じて表示することを特徴とする移動通信端末機を利用したモバイル金融取引システムが開示されている(特許文献4を参照)。
【0009】
さらにまた、特許文献5では、認証機能を提供する認証システムサイトにおいて、認証システムサイトが指定する認証用URLにユーザ識別子を含むHTML形式の認証リンクを設け、認証を受けたい個人の携帯電話番号がCTI認証サーバに入力されて通知電話番号を発信し、該通知者番号が認証ウェブに入力され、登録されてある個人の携帯電話番号と比較することにより個人の認証を行う方法、およびその方法により個人を認証し、次に認証された携帯電話番号を変換アルゴリズムにより文字列に変換し、携帯電話番号からユーザ個人を管理する、個人認証方法および管理方法が開示されている(特許文献5を参照)。
これにより、とくに、ユーザ自身の情報を証明する書類の提出やユーザ自身に関する情報の提示などの繁雑な手続が不要であり、携帯電話機等を通常の使用法に基づいて簡単な方法で安価にユーザの認証を行うことができる。
【0010】
また、特許文献6では、顧客が電話回線を介して金融機関と各種の取引を行うテレホンバンキングシステムにおいて、顧客がプッシュホンにより金融機関のホストコンピュータに接続し、プッシュホンにより取引内容を選択してから契約者番号とキャッシュカード暗証番号を入力し、金融機関のオペレータを呼び出し、取引内容を口頭で伝達し、代行操作によりオペレータが入力した取引内容をコンピュータ音声の復唱によって確認し、又取引内容をコンピュータ音声の復唱によって顧客が確認すると同時に、該取引内容に関する金融機関のホストコンピュータのデータを更新する、テレホンバンキングシステムが開示されている(特許文献6を参照)。
これにより、高齢者やITを利用した機器の操作が苦手な人であっても、最小限のプッシュボタン操作で金融機関のオペレータに操作代行を依頼することにより、使い勝手を高めてオンライン金融取引の普及に寄与するとともに利用拡大をはかることができるとともに、代行操作によってオペレータが入力した取引内容をコンピュータ音声の復唱によって確認すること、及び該確認と連動して該取引内容に関する金融機関のホストコンピュータのデータを更新することができるテレホンバンキングシステムを提供することを目的とするものである。
【0011】
さらに、特許文献7では、公衆回線に接続可能な携帯電話機と、公衆回線に接続され、携帯電話機における着信及び通話開始のタイミングと、携帯電話機における着信音の鳴動のタイミングとに基づいて認証を行う認証装置とを設ける、認証システム及び認証装置が開示されている(特許文献7を参照)。
これにより、携帯電話機を用いて高い信頼性で認証を行うことを可能としている。
【0012】
また、特許文献8では、通信回線を介して電話通信販売装置に接続する電話機と、商品の販売単位ごとに対応付けられた販売者側電話番号を記憶するカタログ記憶手段、顧客ごとに顧客側電話番号、商品発送先情報、及び注文確定条件を記憶する顧客記憶手段、電話機との通信履歴情報として顧客側電話番号、商品販売単位ごとの販売側電話番号、及び通信日時を記憶する履歴記憶手段、電話機からの発呼にもとづき前記装置が電話機と接続すると、発信者側電話番号を顧客側電話番号、着信者側電話番号を商品販売単位ごとの販売側電話番号、着信した日時を通信日時として、履歴記憶手段に記憶させる受注手段、並びに履歴記憶手段における顧客側電話番号等にもとづき顧客記憶手段を検索して対応する注文確定条件を取得し、この条件が満たされているか否かを判定する手段を備えた前記装置を有するシステムが開示されている(特許文献8を参照)。
これにより、電話通信販売システムは、電話を用いた通信販売において、商品の色やサイズ、注文数ごとに電話番号を用意して、カタログに表記し、購入者が電話をかけて呼び出し音を一回鳴らした後に接続を解除するだけで、所定の条件下、注文を簡単に確定させることができる。
【0013】
さらにまた、特許文献9では、コミュニケーション対象者が使用する電話機、FAX装置、IP電話装置、パーソナルコンピュータ(PC)、宅内見守り装置(専用端末)などの通信端末と、上記通信端末からコミュニケーションセンタに送信される通信データを、該コミュニケーションセンタが運営するWebサイト上に接続可能にするとともに、Webサイト上のデータを上記通信端末で使用可能にする高齢者インターフェース機能と、Webサイト上で個人認証を行い、予め同一グループと定義された人々がコミュニケーションを行うコミュニケーションセンタとを備えて構成する、コミュニケーションサービスシステムが開示されている(特許文献9を参照)。
これにより、インターネットを利用できない、又はインターネットに不慣れな高齢者であってもコミュニケーションに参加できるコミュニケーションサービスシステムを提供するものである。
【0014】
また、特許文献10では、一つの態様において、ユーザの電話番号と、通話履歴に関する情報である通話情報とを受け付ける認証装置が開示されている。また、認証装置は、一つの態様において、通話履歴を記憶する通話履歴記憶装置に、受け付けた電話番号についての通話履歴として、通話情報に相当する通話履歴が記憶されているかを照合する。さらに、認証装置は、一つの態様において、照合結果に基づいてユーザを認証する(特許文献10を参照)。
さらに、特許文献11では、制御部が、情報処理端末から受信した端末側履歴情報の内容と、サーバ装置側で記憶しているサーバ側履歴情報の内容とを比較することにより第2の認証を実施する、情報処理システムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、特許文献1に開示される通信システムあるいは特許文献2に開示される認証システムでは、IDとパスワードの入力程度の個人認証よりも高いセキュリティレベルが要求された場合には、ユーザが2台以上の端末を用いてサービス対象にアクセスして個人認証をする必要がある。たとえば、第1の端末で、サーバにアクセスして、第2の端末にパスワードやワンタイムパスワードなどが送られ第1の端末でアクセスするという行為は、複雑な情報端末等を使えない、もしくは、使いこなせない者、またはインターネットを使えない、もしくは、使いこなせない者など(以下、情報弱者という)にとっては、第1の端末でサーバにアクセスしてインターネットのサービスを受けるログイン画面まで移動することも難しいことさえある。そのため、インターネットを用いたサービスでは、高い個人認証を持ったサービスは存在するものの、情報弱者にとっては高いセキュリティレベルに保護されたサービスの恩恵を受けることができない。
【0017】
また、特許文献3に開示されるカード所持者を登録および認証するための方法では、個人識別情報や個人識別情報を含んだバーコードが印刷されたカード、もしくは、カードキャリアの写真、もしくは、スキャンして取り込んだデータを送信してサーバ側で解読する方法では、電子メールを送信する、加えて、写真、もしくは、スキャンデータを添付して電子メールを送信しなければならない。情報弱者にとって電子メールすること自体が難しくサービスの利用をすることが困難であると考えられる。また、この方法は、カード所持者がPCや携帯電話を使用して専用アプリケーションを利用するためのもので、通常の使用状態ではこのような認証を行わないことから、サービスを通常利用している状態では高いセキュリティレベルで保護することはできない。
【0018】
加えて、特許文献4に開示されるモバイル金融取引システムでは、ICカードに保存されたPIN情報や金融口座番号情報を利用して個人認証を行うシステムは、携帯電話に銀行専用のアプリケーションをインストールし、携帯電話からICカード情報を読み取り、アプリケーション上でサーバとこれらの情報をやり取りして個人認証を行う。この方法では、ある程度高いセキュリティレベルの個人認証を行うことができるが、情報弱者にとっては、携帯電話に銀行専用のアプリケーションをインストールすることに加えて、携帯電話で銀行専用のアプリケーションの起動すること、および、使用することができず、つまり、使いこなすことができずにサービスを利用できない可能性がある。
【0019】
また、特許文献5に開示される個人認証方法および管理方法では、スマートフォン、タブレット端末などが使いこなせない情報弱者に対して、電話番号による個人認証や一般電話を用いたテレフォンバンキングなどのサービスが存在している。電話番号による個人識別では、ここで用いる電話番号だけで端末を特定できるものの個人を特定することはできない。たとえば、携帯電話を登録して盗難にあった場合、ID、パスワードを必要としないため電話をかけるだけでサービスの提供を受けることができることから、セキュリティ面での不安が残る。また、テレホンバンキングシステムでは、ユーザがサービス会社に電話をかけ、サービス会社のサーバシステムからガイドメッセージが流れ、このメッセージに対応して、ユーザがプッシュボタン押して返答する。このガイドメッセージに従いサービス内容の選択や詳細サービスの選定などを行う。この過程の中で個人認証が行われる。この個人認証の使用者IDやパスワードの入力では、プッシュフォンボタンの0から9が用いられ10個に限られる、認証のための桁数も4桁程度に限られるため個人認証のレベルが高いとは言えない。
【0020】
また、特許文献6に開示されるテレホンバンキングシステムでは、音声ガイダンスに従ってプッシュボタンを押して入力するが、1つの番号を選択して押すだけでは問題は生じないが、口座番号を入力する場合などではプッシュボタンを続けて複数回押す必要が出てくる。セキュリティのレベルを上げるためには、この暗証番号などの入力回数が多くなる。このような入力が続くと高齢者などでは、今何番を押したのか、長い場合はどこまで押したのかが分からなくなる状況が生じうる。そこで、サービス提供までのガイダンス、入力を何回か試行してもサービス提供段階までたどり着かず、最終的にはそのサービスの利用をあきらめてしまう可能性もある。その結果、このユーザは、このサービスの恩恵を得られない。
【0021】
また、特許文献7に開示される認証システム及び認証装置では、利用者の電話番号、着信音、利用者の声紋、キーワードが登録されている必要があり、システムには電話番号、着信音、声紋、キーワードのデータベースを持ち、それらが連動して動作する必要がある。
ユーザが難しい操作をしないで個人認証ができるサービスには、携帯電話の着信及び通話開始のタイミングと携帯電話の着信音の鳴動タイミングを区別して認証する方法がある。しかし、このシステムではユーザの登録ユーザ数が増加した場合、着信、通話開始のタイミング、着信音のタイミングなどを区別することは難しくなる、加えて1つの携帯電話を使用した場合でも通信状況などの環境要因によってここで識別に使用するタイミングの揺れが生じる。このように携帯電話の音声通話を利用した認証システムでは、安定した個人認証を行うことが難しいと考えられる。
【0022】
その通信販売サービスは、カタログやテレビで商品の情報を消費者に提示して電話でその注文を受けるものであり、この通信販売を利用するためにはユーザの電話番号、商品の発送先、注文確定条件をサービス提供会社に登録しておく必要がある。また、サーバ装置には、ユーザの登録情報と共に過去の注文履歴、電話番号などが関係づけて記録されている。販売会社は商品の販売単位ごとに電話番号を割り当てられており、ユーザから該当する電話番号あてに電話があると、サーバ装置で電話番号の有無、注文確定条件を検証、個人認証し注文を確定するサービスシステムが提案されている。
また、特許文献8に開示されるシステムでは、情報弱者のためにインターネットを利用しない電話を用いたサービスが提供されている。
この電話を使用した通信販売サービスは、カタログやテレビで商品の情報を消費者に提示して電話でその注文を受けるものであり、商品別に電話番号が割り当てられており、ユーザからの電話の着信で注文の受付をしている。このサービスでは、商品の数だけ電話番号を用意する必要があるため多くの商品を一度に扱うことが難しくなり、ユーザにとっても多くの電話番号から必要な商品の電話番号を見つけて記録することが必要になりサービス利用に煩わしさが付きまとう。加えて、このシステムでは、1回の電話で1個、もしくは、1単位の数量の商品の注文になるため注文の個数によっては数回同じ電話番号に電話する必要が生じるため、サービスが煩雑になり利用しづらいサービスになる。また、何者かがいたずらで電話番号に電話をして商品の注文を行ってもその不正を見抜くことができない。
【0023】
また、特許文献9に開示されるコミュニケーションサービスシステムでは、高齢者用インターフェース機能に対応したコミュニケーションサービスでは、高齢者が電話、FAX、IP電話、PC、専用端末、宅内見守り装置などから発信した音声やアナログのテキスト情報をデジタルのテキストに変換してインターネットサイトに投稿するシステムでは、専用のインターネットサイトだけのためにWEBサーバ機能、メールサーバ機能、データベースサーバ機能、コンテンツ用サーバ機能を持った高齢者コミュニケーションサイトを製作する必要があるためコストが高くなる。かつ、このサービスで、高齢者は電話、FAX、IP電話、PC、専用端末、宅内見守り装置などを用いて高齢者用インターフェースにアクセスするが、電話、FAX、IP電話、PC、専用端末、宅内見守り装置などでは使用している端末を特定することができるが、使用している人の識別をすることができないため、他者が使用する成りすましによる使用を見抜くことができない。また、高齢者がこのシステムを利用する際のインターフェースは、操作端末やFAXになるが、受話器からの音声の再生を使用した場合、伝達内容を聞き落としの状況、聞き直したい内容があっても聞き直すための方法を使いこなせない状況が生じるなどの問題が生じる可能性は否定できない。
【0024】
また、特許文献10に開示される認証装置では、認証クライアントが認証装置に接続をする度に通話履歴を記録する必要があるため、その通話履歴を記録するためのシステムおよび通話履歴データベースを構築する必要が生じるためシステム構築に費用と時間が必要になる。
また、特許文献11に開示される情報処理システムでは、情報処理を行うクライアント側と認証を行うサーバ側端末の両方で通信履歴を通信のたびに記録する必要があり、記録する条件として認証が成功した時だけ記録することになるため、認証を開始する側は、一度通信履歴を記録した後に通信履歴をもう一方に送信して認証を行うが、認証を失敗した場合は、一度記録した通信履歴を削除する必要が生じるなどシステム構築の手続きが複雑になり、クライアント側とサーバ側の両方で通信履歴を記憶しておく必要がある。
【0025】
それゆえに、この発明の主たる目的は、識別カードを用いて、利用者に負担を増やすことなく、音声通話およびデータ通信の双方により得られる情報に基づく認証処理を行うことで認証レベルを高めたサービス提供システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
この発明にかかるサービス提供システムは、カード情報を含む識別カードを利用したサービス提供システムであって、サービス提供システムは、電話回線網とデータ通信回線網とに個別に接続し、電話回線網を介して音声通話によるやりとりを行い、データ通信回線網を介してデータ通信を行うための操作端末と、操作端末と、電話回線網およびデータ通信回線網を介して個別に接続し、操作端末からの音声通話により取得される情報およびデータ通信により取得される情報に基づく認証処理と、操作端末へのサービス内容を提示するサービス提供処理とを行うためのサービス提供サーバと、を備え、操作端末は、識別カードからカード情報を読み取るためのカード情報読取手段と、マイクおよびスピーカにより電話回線網を介して音声通話によるやりとりをするための音声通話手段と、読み取られたカード情報を、データ通信回線網を介して送信するためのデータ通信手段と、を含み、サービス提供サーバは、操作端末からの音声通話に含まれる発信者情報を抽出する音声通話応答手段と、操作端末から送信されるカード情報を受信するデータ通信応答手段と、抽出された発信者情
報に基づいて個人を特定する情報を個人情報記憶手段から抽出するデータ抽出手段と、抽出された個人を特定する情報
と受信されたカード情
報とが一致するか否かの認証処理
の結果、認証された場合、さらに、抽出された個人を特定する情報と音声通話に含まれる利用者の音声情報とが一致するか否かの認証処理を行う認証処理手段と、認証処理の結果、認証された場合、操作端末へのサービス提供処理を行うサービス提供手段と、を含む、サービス提供システムである。
この発明にかかるサービス提供システムは、カード情報を含む識別カードを利用したサービス提供システムであって、サービス提供システムは、電話回線網とデータ通信回線網とに個別に接続し、電話回線網を介して音声通話によるやりとりを行い、データ通信回線網を介してデータ通信を行うための操作端末と、操作端末と、電話回線網およびデータ通信
回線網を介して個別に接続し、操作端末へのサービス内容を提示するサービス提供処理を行うためのサービス提供サーバと、操作端末とサービス提供サーバとの間においてデータ通信回線網を介して双方に接続され、操作端末からのデータ通信により取得される情報に基づく認証処理を行うための中間サーバと、を備え、操作端末は、識別カードからカード情報を読み取るためのカード情報読取手段と、マイクおよびスピーカにより電話回線網を介して音声通話によるやりとりをするための音声通話手段と、読み取られたカード情報を、データ通信回線網を介してデータ通信するためのデータ通信手段と、を含み、サービス提供サーバは、操作端末からの音声通話に含まれる発信者情報を抽出する音声通話応答手段と、抽出された発信者情報に基づいて個人を特定する情報を個人情報記憶手段から抽出するデータ抽出手段と、抽出された個人を特定する情報を中間サーバに送信するデータ通信手段と、中間サーバにおける認証処理の結果、認証された場合、操作端末へのサービス提供処理を行うサービス提供手段と、を含み、中間サーバは、操作端末から送信されるカード情報を受信するデータ通信応答手段と、サービス提供サーバから送信された個人を特定する情報と受信されたカード情報とが一致するか否かの認証処理を行う認証処理手段と、を含む、サービス提供システムである。
また、この発明にかかるサービス提供システムでは、中間サーバは、送信されたカード情報をサービス提供サーバに送信するデータ通信手段を含み、サービス提供サーバのデータ抽出手段は、送信されたカード情報に基づいて個人を特定する情報を個人情報記憶手段から抽出する機能を有し、サービス提供サーバは、抽出された発信者情報と抽出された個人を特定する情報とが一致するか否かの認証処理を行う認証処理手段を含むことが好ましい。
さらに、この発明にかかるサービス提供システムでは、サービス提供サーバまたは中間サーバの認証処理手段は、音声通話により認証処理を行う機能を有することが好ましい。
また、この発明にかかるサービス提供システムでは、サービス提供サーバまたは中間サーバの認証処理手段は、操作端末から入力されるパスワード情報と個人を特定する情報とが一致するか否かの認証処理を行う機能を有することが好ましい。
さらにまた、この発明にかかるサービス提供システムでは、操作端末は、操作端末に関連する少なくともカード情報および発信者情報を有する通話ログ情報を記憶する通話ログ記憶手段を含み、サービス提供サーバまたは中間サーバの認証処理手段は、操作端末から送信される通話ログ情報と個人を特定する情報とが一致するか否かの認証処理を行う機能を有することが好ましい。
また、この発明にかかるサービス提供システムでは、サービス提供サーバまたは中間サーバの認証処理手段は、操作端末から送信される通話ログ情報と個人を特定する情報とが一致するか否かの認証処理において、発信者情報が一致しなかった場合、操作端末に対して、新たな発信者情報の入力を要求する機能と、操作端末から送信された発信者情報を、個人情報記憶手段に追加して記憶する機能と、を有することが好ましい。
さらに、この発明にかかるサービス提供システムでは、発信者情報は、電話番号であることが好ましい。
さらにまた、この発明にかかるサービス提供システムでは、カード情報は、識別番号であることが好ましい。
また、この発明にかかるサービス提供システムでは、サービス提供手段は、カード情報を受信できなかった場合、制限付きのサービス内容に基づいてサービス提供処理を行うことが好ましい。
さらに、この発明にかかるサービス提供システムでは、操作端末は、カード情報読取手段において識別カードが載置しているか否かを示す識別カード載置情報を記憶する情報管理手段と含み、サービス提供サーバまたは中間サーバの認証処理手段は、識別カード載置情報に基づいて識別カードが載置されていると判断される場合のみ認証処理を行うことが好ましい。
さらにまた、この発明にかかるサービス提供システムでは、サービス提供サーバまたは中間サーバの認証処理手段は、音声通話に含まれる利用者の音声情報を利用した音声認識に基づく認証処理を行う機能を有することが好ましい。
また、この発明にかかるサービス提供システムでは、カード情報読取手段と操作端末とが一体に構成されることが好ましい。
さらに、この発明にかかるサービス提供システムでは、操作端末のマイクおよびスピーカが受話器のような形態をなすことが好ましい。
さらにまた、この発明にかかるサービス提供システムでは、操作端末は、サービス提供サーバより提供されるサービス内容を表示するための表示手段と、表示されたサービス内容に対して応答するための入力手段と、をさらに含むことが好ましい。
また、この発明にかかるサービス提供システムでは、操作端末の表示手段は、タッチパネルのディスプレイにより構成され、操作端末の入力手段は、タッチパネルのディスプレイに表示されることが好ましい。
さらに、この発明にかかるサービス提供システムでは、サービス内容は、入力手段により選択するための情報を示すサービス項目を含み、サービス項目に応じて、認証処理を実行するか否かが設定されていることが好ましい。
さらにまた、この発明にかかるサービス提供システムでは、サービス提供サーバには構内交換機を介して電話機が接続され、サービス提供処理の実行時において、サービス内容が操作端末の表示手段に表示されているときに、音声通話のために操作端末と電話機とが電話回線網を介して接続されることが好ましい。
【0027】
この発明にかかるサービス提供システムは、サービス提供サーバが、操作端末からの音声通話に含まれる発信者情報を抽出する音声通話応答手段と、操作端末から送信されるカード情報を受信するデータ通信応答手段と、抽出された発信者情報および受信されたカード情報のうち少なくともいずれか一方に基づいて個人を特定する情報を個人情報記憶手段から抽出するデータ抽出手段と、抽出された個人を特定する情報と、抽出された発信者情報および受信されたカード情報のうち少なくともいずれか一方とが一致するか否かの認証処理を行う認証処理手段とを含むので、端末操作側が意識することなく、音声通話とデータ通信の双方から得られる情報に基づいて認証処理が行われるので、容易に認証レベルの高い認証処理が行われる。すなわち、PC、スマートフォン、タブレット端末などを使えない、使いこなせない情報弱者に対して、音声通話とデータ通信の両方を使用することにより、従来の音声通話でのIDとパスワードのプッシュホンのボタン操作による個人認証よりも高いセキュリティレベルの個人認証を提供し、利用者が音声通話を中心にしたインターフェースを使用しているにもかかわらず高いセキュリティレベルの個人認証を行うことができるサービス提供システムを提供しうる。
この発明にかかるサービス提供システムは、操作端末とサービス提供サーバとの間においてデータ通信回線網を介して双方に接続され、操作端末からのデータ通信により取得される情報に基づく認証処理を行うための中間サーバを備え、該中間サーバが、操作端末から送信されるカード情報を受信するデータ通信応答手段と、サービス提供サーバから送信された個人を特定する情報と受信されたカード情報とが一致するか否かの認証処理を行う認証処理手段とを含むので、端末操作側が意識することなく、音声通話とデータ通信の双方から得られる情報に基づいて認証処理が行われ、容易に認証レベルの高い認証処理が行いうる。
また、この発明にかかるサービス提供システムは、操作端末とサービス提供サーバとの間に中間サーバが配置されており、中間サーバが、送信されたカード情報をサービス提供サーバに送信するデータ通信手段を含み、サービス提供サーバのデータ抽出手段は、送信されたカード情報に基づいて個人を特定する情報を個人情報記憶手段から抽出する機能を有し、サービス提供サーバは、抽出された発信者情報と抽出された個人を特定する情報とが一致するか否かの認証処理を行う認証処理手段を含むと、中間サーバにおけるカード情報に基づく認証処理だけでなく、サービス提供サーバにおける発信者情報に基づく認証処理が行われるので、さらに認証レベルを向上させることができる。
さらに、この発明にかかるサービス提供システムは、サービス提供サーバまたは中間サーバの認証処理手段が、音声通話により認証処理を行う機能を有すると、実際に、操作端末の利用者は、サービス提供サーバ側のオペレータと音声により対話型で確認することができるので、利用者、オペレータの双方が認証処理に関して安心感を得ることができる。
これらの結果として、利用者が音声通話によるコミュニケーションを行っているにもかかわらず、利用者が意識することなく、もしくは、利用者に重い負担がかかることのないデータ通信を使用することにより、従来の音声通話よりも高いセキュリティレベルの個人認証と利用者にストレスの少ないマルチモーダルな情報表示に対応したサービス提供システムを構成することができる。
さらにまた、この発明にかかるサービス提供システムでは、サービス提供サーバまたは中間サーバの認証処理手段が、操作端末から入力されるパスワード情報と個人を特定する情報とが一致するか否かの認証処理を行う機能を有すると、パスワードの入力による認証処理が付加されることで、さらに、認証レベルを向上させることができる。
また、この発明にかかるサービス提供システムは、操作端末が、操作端末に関連する少なくともカード情報および発信者情報を有する通話ログ情報を記憶する通話ログ記憶手段を含み、サービス提供サーバまたは中間サーバの認証処理手段が、操作端末から送信される通話ログ情報と個人を特定する情報とが一致するか否かの認証処理を行う機能を有すると、認証処理に操作端末に含まれる通話ログ情報を考慮することで、操作端末に記憶されている情報を付加した認証処理を行うことができることから、さらに、認証レベルを向上させることができる。
さらに、この発明にかかるサービス提供システムは、サービス提供サーバまたは中間サーバの認証処理手段が、操作端末から送信される通話ログ情報と個人を特定する情報とが一致するか否かの認証処理において、発信者情報が一致しなかった場合、操作端末に対して、新たな発信者情報の入力を要求する機能と、操作端末から送信された発信者情報を、個人情報記憶手段に追加して記憶する機能と、を有すると、新たな操作端末によりアクセスされた場合に、通話ログ情報を利用した認証処理において、発信者情報が一致しないが、このとき、新たに発信者情報を追加し得る機能を備えることで、初期設定とは異なる操作端末を用いた場合であっても、個人情報を更新したうえで、本発明にかかるサービス提供システムを利用することができる。
さらにまた、この発明にかかるサービス提供システムは、発信者情報が電話番号であると、操作端末とサービス提供サーバとの関連付けを容易に行うことができる。
また、この発明にかかるサービス提供システムは、カード情報が識別番号であると、番号により容易にマッチング処理による一致不一致の認証処理を行うことができる。
さらに、この発明にかかるサービス提供システムは、サービス提供手段が、カード情報を受信できなかった場合、制限付きのサービス内容に基づいてサービス提供処理を行うと、識別カードを所持している場合と所持していない場合とでサービスの提供内容を異ならせることで、識別カードを所持していない場合であっても、認証処理を必要としないようなサービスを提供するようにし、本発明にかかるサービス提供システムを利用可能とすることができる。
さらにまた、この発明にかかるサービス提供システムは、操作端末が、カード情報読取手段において識別カードが載置しているか否かを示す識別カード載置情報を記憶する情報管理手段と含み、サービス提供サーバまたは中間サーバの認証処理手段が、識別カード載置情報に基づいて識別カードが載置されていると判断される場合のみ認証処理を行うと、識別カードを載置している間のみ、本発明にかかるサービス提供システムを利用可能とすることで、利用者以外による本発明にかかるサービス提供システムの利用を制限することができる。
また、この発明にかかるサービス提供システムでは、利用者の音声情報を利用した音声認識に基づく認証処理を行う機能を有すると、利用者の負担を増加させることなく、個人を特定することができ、より認証レベルを向上させることができる。
さらに、この発明にかかるサービス提供システムでは、カード情報読取手段と操作端末とが一体に構成されると、操作端末の設置が容易となる。
さらにまた、この発明にかかるサービス提供システムでは、操作端末のマイクおよびスピーカが受話器のような形態をなすと、利用者は、抵抗なく操作端末を使用することができるので、本発明にかかるサービス提供システムを容易に利用することができる。
また、この発明にかかるサービス提供システムでは、操作端末に表示手段と入力手段とをさらに含むと、利用者は、音声のみの対話ではなく、視覚的にもサービスの内容を把握することができ、さらに、入力することができる。そして、個人認証後に提供されるサービスにおいても、電話における音声だけ、FAXにおけるテキストだけといった単一モーダルの情報提供ではなく、音声という聴覚情報に加え、データ通信によるテキスト、図、写真などの表示といった視覚情報によるマルチモーダルな情報を提供することができる。
さらに、この発明にかかるサービス提供システムでは、入力手段をタッチパネルのディスプレイに表示させると、表示手段とは別に入力手段を別途配置させる必要がないことから、操作端末を小型化することができる。
さらにまた、この発明にかかるサービス提供システムは、サービス内容が、利用者により選択される情報を示すサービス項目を含み、サービス項目に応じて、認証処理を実行するか否かが設定されていると、サービス項目に応じて、認証処理を実行するか否かが設定されていると、2回目の認証処理を行う場合、サービスの内容に応じて、利用者側の認証レベルを低減させたり向上させたりすることができる。
また、この発明にかかるサービス提供システムは、サービス提供サーバには構内交換機を介して電話機が接続され、サービス提供処理の実行時において、サービス内容が操作端末の表示手段に表示されているときに、音声通話のために操作端末と電話機とが電話回線網を介して接続されると、サービス内容を表示部に表示された情報を視覚的に確認しつつ同時に、サービス内容を音声通話によるやりとりにより聴覚的にも確認することができるので、利用者はより安心感をもって、サービスの提供を受けることができる。
【発明の効果】
【0028】
この発明によれば、識別カードを用いて、利用者に負担を増やすことなく、音声通話およびデータ通信の双方により得られる情報に基づく認証処理を行うことで認証レベルを高めたサービス提供システムを提供しうる。
【0029】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明にかかるサービス提供システムは、利用者がサービスの提供を受ける対象施設に対する認証処理と該認証処理後に実行されるサービス提供処理とを含む手段により構成されている。
【0032】
より具体的には、本発明にかかるサービス提供システムは、操作端末とサービス提供のためのサーバ装置との間の通信が音声通話およびデータ通信の2つの通信方法を使用するシステムであり、利用者の操作端末からのサーバ装置への接続に対する認証を音声通話とデータ通信でそれぞれ行い、認証処理後の利用者へのサービス提供時においても音声通話およびデータ通信の両方を用いることにより、音声通話単独で用いる時よりも、認証処理の認証レベルを高め、PCやスマートフォンなどを使うことの困難な利用者にとってもストレスが少ない使用状態でサービスのための情報提供をすることが可能なシステムである。
【0033】
図1は、この発明にかかるサービス提供システムにおける第1の実施の形態の構成例を示す図解図である。
図2(a)は、
図1に示す操作端末の内部構造の一例を機能展開して示したブロック図であり、
図2(b)は、通話ログ記憶部に記憶される通話ログ情報のファイルの構成を示す図である。また、
図3(a)は、
図1に示すサービス提供サーバの内部構造の一例を機能展開して示したブロック図であり、
図3(b)は、
図1に示す中間サーバの内部構造の一例を機能展開して示したブロック図である。このように、これらのブロック図では、本発明と関係するブロックのみを抽出して示している。
【0034】
(サービス提供システムの構成)
本発明にかかるサービス提供システム1は、本サービスを利用する利用者10と、認証処理の機能の一部を備え、サービスを提供するサービス提供会社20と、認証処理の機能のレベルを向上させるための認証処理の機能の一部を備える外部機関30を含む。利用者10は、サービスの提供を受けるために操作するための操作端末11と操作端末11に接続、あるいは一体に形成されるカードリーダ部12とを有する。
【0035】
なお、以下に示される各ブロックは、具体的には、CPUならびにメモリを含む周辺LSIで構成され、CPUがメモリに記録されたプログラムを読み出して、実行することにより、そのブロックが有する機能を実現するものとする。したがって、プログラム等の演算処理を行うためのCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)、各演算処理を実行するときに使用するプログラムである手段やデータを一時的に格納するためのRAM(Random Access Memory)、プログラムを記憶しているROM(Read Only Memory)は、図示していないが、操作端末11、サービス提供サーバ21あるいは中間サーバ31には、当然、含まれる。
【0036】
操作端末11は、電話回線網40を介してサービス提供会社20に接続しており、さらに、データ通信回線網50を介して外部機関30に接続している。また、外部機関30は、データ通信回線網50を介してサービス提供会社20と接続している。操作端末11は、電話回線網40を介してサービス提供会社20と音声通話を行い、データ通信回線網50を介して外部機関30とデータ通信を行う。
【0037】
操作端末11は、
図2(a)に示すように、外部入出力部110と、通信機能部112と、通話ログ記憶部114と、情報管理部116とを含む。
【0038】
外部入出力部110は、サービス提供会社20と音声通話を実現するためのマイク110aとスピーカ110bとを含む。マイク110aおよびスピーカ110bは、たとえば、それらが一体に形成された受話器のような形態をなすことが好ましい。操作端末11のマイク110aおよびスピーカ110bが受話器のような形態をなすと、利用者10は、抵抗なく操作端末11を使用することができるので、本サービス提供システムを容易に利用することができる。
【0039】
また、外部入出力部110は、サービス提供会社20からサービス情報等を表示したり外部機関30から入力を求められたりしたときに必要な表示画面を表示するための表示部110cと、利用者10が、サービス提供会社20や外部機関30に対して入力が必要となったときに使用される入力部110dとを含む。
【0040】
入力部110dは、利用者10とのインターフェースの機能を有している。入力部110dは、少なくとも数字が入力できる手段を有することが好ましい。また、入力部110dは、アルファベットが入力手段を有してもよい。このとき、たとえば、入力部110dは、複数のボタンにより構成される。
【0041】
表示部110cは、液晶画面等である。表示部110cは、タッチパネルにより構成されてもよい。
なお、表示部110cがタッチパネルにより構成される場合は、入力部110dを表示部110cの一部に表示させて、入力するようにしてもよい。このように、入力部110dをタッチパネルのディスプレイに表示させると、表示部110cとは別に入力部110dを別途配置させる必要がないことから、操作端末11を小型化することができる。
【0042】
操作端末11にマイク110aおよびスピーカ110bに加えて、表示部110cと入力部110dとを含むと、利用者10は、マイク110aおよびスピーカ110bを用いた音声のみの対話ではなく、表示部110cに表示されるサービスの内容を視覚的にも把握することができ、さらに、入力部110dを用いて入力することができる。そして、認証処理後に提供されるサービスにおいても、電話における音声通話だけ、FAXにおけるテキストだけといった単一モーダルの情報提供ではなく、操作端末11のマイク110aおよびスピーカ110bを用いた音声という聴覚情報に加え、データ通信により送信されたテキスト、図、写真などの表示部110cに表示されるサービスの内容の情報の表示といった視覚情報によるマルチモーダルな情報を提供することができ、さらに、その表示されたサービスの内容の情報に対応して、入力部110dを用いて入力し、応答することができる。
【0043】
通信機能部112は、サービス提供会社20と音声通話するための機能を有する音声通話部112aと、外部機関30とデータ通信するためのインターフェースの機能を有するデータ通信部112bとを含む。
【0044】
音声通話部112aは、電話回線網40を介して、後述するサービス提供会社20の構内交換機22と接続されることで、操作端末11のマイク110aおよびスピーカ110bにより音声通話を行うための機能を有する。
【0045】
データ通信部112bは、外部機関30の中間サーバ31からのデータ通信回線50を接続するためのインターフェースの機能をする。また、データ通信部112bは、カードリーダ部12により読み取られたカード情報(識別番号)を、外部機関30の中間サーバ31あるいはサービス提供会社20のデータ通信応答部210bに送信するために設けられる。
データ通信部112bは、別体で構成され、外部接続により構成されてもよい。また、データ通信部112bは、有線により接続されてもよいし、無線により接続されるようにしてもよい。
【0046】
通話ログ記憶部114は、操作端末11が、サービス提供会社20および外部機関30との音声通話による通話履歴およびデータ通信による通信履歴を通話ログ情報として記憶する機能を有する。
図2(b)は、通話ログ記憶部114に記憶される通話ログ情報のファイル構成を示す。
図2(b)に示すように、通話ログ情報には、たとえば、発信時刻、通話開始時刻、終話時刻、発信元電話番号、相手先電話番号、カード情報などが含まれる。
【0047】
情報管理部116は、サービス提供会社の電話番号とデータ通信用のアドレスを関連づけて保存する機能を有する。また、情報管理部116は、操作端末11が、カードリーダ部12において識別カードが載置しているか否かを示す識別カード載置情報を記憶する機能を有する。識別カード載置情報に基づいて識別カードが載置されていると判断される場合のみ認証処理を行い、識別カードを載置している間のみ、本発明にかかるサービス提供システムを利用可能とすることで、利用者10以外による本サービス提供システムの利用を制限することができる。
【0048】
カード情報取得手段であるカードリーダ部12は、利用者10が所持する個人を特定するためのカード情報を有するカードから、該カード情報を読み取るための機能を有する。カード情報は、たとえば、識別番号である。カードリーダ部12は、たとえば、磁気カードリーダ、非接触型カードリーダあるいは接触型カードリーダにより構成することができる。磁気カードリーダの場合は、磁気の一例としての磁気カードリーダにより構成され、磁気カードに印字された識別番号を含むカード情報としての磁気ストライプを読み取ることができる。非接触型カードリーダの場合は、ループアンテナと接続されており、非接触型ICカードに記録されたカード情報を読み取ることができる。また、接触型ICカードリーダの場合は、たとえば、挿入口の内部に配置され、挿入口に挿入された接触型ICカードの電極を介して、カード情報を読み取ることができる。
このようなカードリーダ部12は、
図1に示すように、別体に構成され、外部接続により構成されてもよいし、あるいは内蔵するように構成されて、一体に形成されてもよい。カードリーダ部12と操作端末11とが一体に構成されると、操作端末11の設置が容易となる。
したがって、カードリーダ部12において読み取られる識別カードは、マイナンバーカード、銀行のキャッシュカード、クレジットカード、ICカードなどカードリーダで読み取ることのできるカードであれば種類を問わない。
【0049】
サービス提供会社20は、主として認証処理をする機能やサービスを提供する機能を有するサービス提供サーバ21と、操作端末11からの発呼を受ける構内交換機(PBX)22と、サービス提供会社20のオペレータ20aが使用する電話機23および情報機器24と、サービス提供サーバ21が管理する個人を特定する情報(個人情報)を記憶するための個人情報データベース25とを含む。
【0050】
サービス提供サーバ21は、
図3(a)に示すように主として認証処理をする機能を有する認証処理部210を含み、認証処理部210は、主として音声通話に基づいて認証処理する機能を有する音声通話応答部210aを含む。また、サービス提供サーバ21は、サービスを提供するための機能を有するサービス提供部212と、個人情報データベースから必要な情報を抽出する機能を有するデータ抽出部214と、外部機関30とデータ通信するためのデータ通信部216とを含む。
【0051】
認証処理部210は、受信したカード情報や音声通話応答部210aにおいて抽出された発信者情報と、後述するデータ抽出部214により抽出された個人を特定するための情報(個人情報)とのマッチング処理を行う機能を有する。
認証処理部210における音声通話応答部210aは、構内交換機22に着信した電話コールの発信者情報(たとえば、電話番号等)を抽出する機能を有する。
また、音声通話応答部210aは、音声認証する機能を有してもよい。具体的には、音声通話応答部210aは、音声通話により得られた情報と予め記憶される音声情報に基づく生体情報とのマッチング処理を行う機能を有してもよい。
【0052】
サービス提供部212は、操作端末11にサービス内容を提示するためのサービス提供処理をする機能を有する。提示されるサービス内容は、サービス項目と該サービス項目に対応したサービス情報とを含む。サービス項目は、操作端末11の入力部110dにより選択するための情報を示す。サービス情報は、銀行の場合は銀行関係のバンキング(ネットバンキング、テレフォンバンキング等)であり、通販サイトの場合は、ネットショッピングにより提供される商品の内容であり、その他、コミュニケーションツール、チャットなど多様なものに対応することができる。
【0053】
また、サービス項目には、そのサービス内容に含まれるサービス情報に応じた認証処理を必要とするか、あるいは、どのような認証処理が必要とされるかについて、予め設定することができる。認証処理の必要性について設定される内容は、具体的には、たとえば、(1)サービス項目の選択時に、再度の認証処理を必要としないサービス項目、(2)サービス項目の選択時に、再度の認証処理を必要とするサービス項目、(3)サービス項目を選択し、利用者10による入力・選択された内容が所定の条件を満たしたときのみ、認証処理を必要とする場合、である。
【0054】
さらに、サービス提供部212は、カード情報を受信できなかった場合、制限付きのサービス内容に基づいてサービス提供処理を行った場合、識別カードを所持している場合と所持していない場合とでサービスの提供内容を異ならせる機能を有してもよい。
このように、識別カードを所持していない場合であっても、認証処理を必要としないようなサービスを提供するようにし、本サービス提供システムを利用可能とすることができる。
【0055】
データ抽出部214は、音声通話応答部210aにおいて抽出された発信者情報や受信したカード情報に基づいて、個人情報データベース25から個人を特定するための情報(個人情報)を抽出する機能を有する。そして、抽出した個人情報を、認証処理部210や音声通話応答部210aを送り、あるいは中間サーバ31へデータ通信部216を介して送信する機能を有する。
【0056】
データ通信部216は、外部機関30の中間サーバ31からのデータ通信回線50を接続するためのインターフェースの機能を有する。
たとえば、データ通信部216は、中間サーバ31がデータ通信に基づく認証処理を行うために必要な情報を中間サーバ31に送信したり、サービス提供サーバ21が認証処理を行うために必要な情報を中間サーバ31から受信したりする機能を有する。
【0057】
構内交換機22は、利用者10の操作端末11からの電話コールに基づいて電話機23と接続するための機能と、操作端末11からの該電話コールに基づく電話番号の情報をサービス提供サーバ21に通知する機能を有する。なお、構内交換機22は、操作端末11がIP電話機あるいはSIP対応電話機を利用している場合、IP電話機に対応可能なIP−PBX、あるいはSIP対応電話機に対応可能なSIPサーバを使用することができる。IP電話機、あるいはSIP対応電話機によりサービス提供会社20に接続する場合、電話回線網40として、ネットワーク回線が使用される。この場合、電話回線網40として、データ通信回線網を使用することができるが、当然、データ通信のためのデータ通信回線網50とは別経路である。
【0058】
サービス提供会社20は、複数の電話機23を含む。
電話機23は、オペレータ20aが、電話機23により構内交換機22を介して操作端末11と音声通話するために設けられる。
【0059】
また、サービス提供会社20は、複数の情報機器24を含む。情報機器24は、たとえば、パーソナルコンピュータ(PC)により構成される。情報機器24は、情報機器24が有する表示部(モニタ)に個人情報を表示させる。たとえば、オペレータ20aは、情報機器24に備えられる表示部に表示された個人情報を見ながら利用者10に対して対応することができる。
【0060】
個人情報データベース25は、サービス提供サーバ21が管理する個人を特定する情報(個人情報)を記憶するための機能を有する。本サービス提供システム1を利用する利用者10に対するここに記憶される個人を特定する情報は、本サービス提供システム1の実行前に、予め記憶されている。個人を特定する情報は、たとえば、氏名、生年月日、住所、電話番号、識別番号、口座番号、マイナンバー(登録商標)等を含む。また、個人を特定する情報は、必要に応じて、パスワードや、音声の自動認識のための音声情報を含んでもよい。
【0061】
外部機関30は、サービス提供会社20とは、別の独立した機関である。このように外部機関30をサービス提供会社20とは独立した機関とすることで、認証精度を向上させるために設けられる。外部機関30は、中間サーバ31を含む。
【0062】
中間サーバ31は、操作端末11とサービス提供会社20のサービス提供サーバ21との間において、データ通信回線網50を介して双方に接続される。また、中間サーバ31は、主としてデータ通信に基づいて認証処理をする機能を有する認証処理手段310と、データ通信部312とを含む。なお、本実施の形態において、中間サーバ31は、サービス提供会社20とは独立した別の機関である外部機関30に配置されているが、これに限るものではなく、たとえば、サービス提供会社20の内部において、サービス提供サーバ21とは独立に配置されていてもよいし、認証処理部210とは別システムを設ける方法で、認証処理部310を設けるようにしてもよい。
【0063】
認証処理部310は、データ通信応答部310aを含む。
データ通信応答部310aは、サービス提供サーバ21から得られた電話番号、識別番号、パスワード等の個人を特定する情報、データ通信を介して受信されたカード情報を受信するための機能を有する。
そして、認証処理部310は、データ通信応答部310aにより受信された情報、たとえば、カード情報、電話番号、識別番号およびパスワードと、操作端末11から得られたカード情報とをマッチング処理することにより、一致不一致の判断を行う機能を有する。
【0064】
データ通信部312は、操作端末11からのデータ通信回線50を接続するため、また、サービス提供サーバ21からのデータ通信回線50を接続するためのインターフェースの機能をする。
【0065】
(サービス提供システムの全体の処理フローの概要)
本発明にかかるサービス提供システム1を利用したときの全体の処理フローについて、説明する。
図4Aないし
図4Cは、この発明にかかるサービス提供システムにおけるシステム全体の処理フローの概要をフローチャートとして示した図である。
【0066】
図4Aは、この発明にかかるサービス提供システムにおけるシステム全体の処理フローの概要の一例を示すフローチャートである。
図4Aに示すフローは、基本的な処理フローで認証処理を行った後にサービスの提供を行うものであり、認証処理を単段階で行う場合である。
【0067】
まず、利用者10は、識別カードを操作端末11に接続されているカードリーダ部12に置く(ステップS10)。次に、利用者10は、サービス提供会社20に電話をする(ステップS11)。この電話により、操作端末11とサービス提供会社20とが電話回線網40を介して音声通話により接続されると共に、操作端末11とサービス提供会社20、もしくは、外部機関30の中間サーバ31とがデータ通信回線網50を介して接続され、認証処理が開始される(ステップS12)。この認証処理は、データ通信を用いた認証処理と音声通話とを用いた認証処理である。データ通信での認証処理は、識別カードに記録されたカード情報を用いる。一方、音声通話における認証処理は、主として、利用者10との音声通話による質問と回答により行われる。なお、この音声通話における認証処理は、音声通話に含まれる音声情報に基づく自動認識により行ってもよい。この認証処理が成功した場合は、操作端末11に対してサービス内容を提示するサービス提供処理が行われる(ステップS13)。一方、認証処理が失敗した場合は、回線の切断処理が行われる(ステップS14)。
【0068】
続いて、
図4Bの処理フローについて説明する。
図4Bは、この発明にかかるサービス提供システムにおけるシステム全体の処理フローの概要の他の例を示すフローチャートである。
図4Bに示すフローは、まず、第1の認証処理を行い、利用者10により選択されるサービス項目によって、第1の認証処理よりも認証レベルの高い第2の認証処理を行うものであり、認証処理を多段階で行う場合である。
【0069】
まず、利用者10は、識別カードを操作端末11に接続されているカードリーダ部12に置く(ステップS20)。次に、利用者10は、サービス提供会社20に電話をする(ステップS21)。この電話により、操作端末11とサービス提供会社20とが電話回線網40を介して音声通話により接続されると共に、操作端末11とサービス提供会社20、もしくは、外部機関30の中間サーバ31とがデータ通信回線網50を介して接続され、認証処理が開始される(ステップS22)。ただし、ステップS22で行われる認証処理1(第1の認証処理)は、
図4AにおけるステップS12において行われる認証処理よりも認証レベルが低い。この認証処理が成功した場合は、操作端末11に対してサービス内容を提示するサービス提供処理が行われる(ステップS23)。一方、認証処理が失敗した場合は、回線の切断処理が行われる(ステップS24)。
【0070】
続いて、利用者10は、提示されたサービス内容から希望のサービス項目を選択する(ステップS25)。ここで、利用者10が選択したサービス内容の認証レベルにより2回目の認証処理を行うか否かの判断を行う(ステップS25)。再度の認証処理が必要とされたサービス項目が選択された場合、ステップS22で行った認証処理よりも認証レベルの高い認証処理2(第2の認証処理)を行う(ステップS26)。一方、再度の認証処理が必要とされないサービス項目が選択された場合は、サービスの提供が行われる(ステップS27)。また、ステップS22における認証処理により認証が失敗した場合は、回線の切断処理が行われ(ステップS28)、サービス提供終了後にすべての処理を終了する。
【0071】
図4Cは、この発明にかかるサービス提供システムにおけるシステム全体の処理フローの概要のさらに他の例を示すフローチャートである。
図4Cに示すフローは、識別カードの有無により提供されるサービスの内容が異なることを考慮したフローである。
【0072】
まず、利用者10は、識別カードを持っているか否かの選択が行われ(ステップS30)、持っている場合は、識別カードを操作端末11に接続されているカードリーダ部12に置く(ステップS31)。次に、利用者10は、サービス提供会社20に電話する(ステップS32)。この電話により、操作端末11とサービス提供会社20とが電話回線網40を介して音声通話により接続されると共に、操作端末11とサービス提供会社20、もしくは、外部機関30の中間サーバ31とがデータ通信回線網50を介して接続され、認証処理が開始される(ステップS33)。一方、識別カードを持っていない場合は、その状態でサービス提供会社20に電話する(ステップS34)。次に、ステップS33において、認証が成功した場合は、サービスが提供される(ステップS35)。また、ステップS34において、サービス提供会社20に電話した後、あるいはステップS33で認証処理が失敗した場合、制限付きのサービスが提供される(ステップS36)。サービス提供終了後にすべての処理を終了する。
【0073】
なお、提供されるサービス内容は、サービス項目と該サービス項目に対応したサービス情報とを含む。サービス項目は、操作端末11の入力部110dにより選択するための情報を示す。サービス情報は、銀行関係のバンキング(ネットバンキング、テレフォンバンキング等)、ネットショッピング、コミュニケーションツール、チャットなど多様なものに対応することができる。認証処理では、提供されるサービス内容により認証レベルを調整することができる。これは、提供されるサービス内容に含まれるサービス項目に対して設定されており、認証処理を必要とするか、どのような認証処理が必要とされるかが設定されている。認証処理の必要性について設定される内容は、具体的には、たとえば、(1)サービス項目の選択時に、再度の認証処理を必要としないサービス項目、(2)サービス項目の選択時に、再度の認証処理を必要とするサービス項目、(3)サービス項目を選択し、利用者10による入力・選択された内容が所定の条件を満たしたときのみ、認証処理を必要とする場合、である。たとえば、銀行関係のバンキングでは高い認証レベルの認証処理を必要とするが、チャットなどでは高い認証レベルを必要としない等、提供されるサービス内容に応じて認証レベルが設定される。
【0074】
(認証処理)
続いて、第1の実施の形態にかかるサービス提供システム1における認証処理について、説明する。
図5ないし
図7は、第1の実施の形態にかかるサービス提供システム1に基づく認証処理フローを示す処理フローチャートを示す図である。
【0075】
(認証処理フロー1)
図5は、第1の実施の形態にかかるサービス提供システムに基づく認証処理フローの一例を示す処理フローチャートを示す図である。
図5に示すフローでは、認証処理における個人情報の抽出のため、電話回線経由で得られる電話番号が用いられる。
【0076】
まず、利用者10は、操作端末11のカードリーダ部12に識別カードを置くことで識別カード内の識別番号(カード情報)を操作端末11において取得したうえで、サービス提供会社20に対して発呼処理が開始される(ステップS40)。なお、データ通信部112bが、操作端末11の内部に組み込まれていない場合で、データ通信を制御する専用装置として構成されているときは、ステップS40の前に、この専用装置を立ち上げ、事前に通信可能状態とする。
【0077】
そして、発呼処理が開始されると同時に、データ通信が開始される。このとき、アクセス先の外部機関30の中間サーバ31のアドレスは、情報管理部116から呼び出されてアクセスされて、音声通話と同時に中間サーバ31に対してデータ通信を用いて操作端末11からアクセスし、接続後に中間サーバ31に操作端末11側から識別番号(カード情報)が送信される(ステップS41)。
【0078】
次に、サービス提供会社20のオペレータ20aは、電話機23により利用者10から電話回線網40を介した音声通話を確認し、そして、情報機器24によりデータ通信回線網50を介したデータ通信によるアクセスがあることを確認する。そして、サービス提供サーバ21における音声通話応答部210aは、電話番号(発信者情報)の抽出を行う(ステップS42)。そして、データ抽出部214は、抽出された電話番号(発信者情報)に基づいて、個人情報データベース25に対して個人情報の照会を行い(ステップS43)、個人情報データベース25から個人情報を抽出する(ステップS44)。そして、抽出された個人情報が認証処理部210に送られると同時に、抽出された個人情報に含まれる識別番号が、外部機関30の中間サーバ31へ送信される(ステップS45)。
【0079】
続いて、中間サーバ31は、サービス提供会社20から送られてきた識別番号と、利用者10の操作端末11から送られてきた識別番号が一致するか否かの確認を行い(ステップS46)、識別番号が一致する場合は、データ通信での認証処理を終了して音声通話での認証処理の終了を待つ。そして、識別番号が不一致で間違っている場合は、回線の切断処理を行う(ステップS47)。
【0080】
なお、サービス提供会社20と外部機関30の中間サーバ31との間で識別番号と関連付けされた別の番号をあらかじめ決めておき、サービス提供会社20と外部機関30の中間サーバ31との間のやりとりのデータ通信では、その関連付けされた番号を用いることで、番号を用いない場合と比べて認証レベルをより向上させることができる。
【0081】
続いて、利用者10は、操作端末11とサービス提供会社20の電話機23との間で、認証処理のための音声通話を行う。まず、サービス提供会社20におけるオペレータ20aは、利用者10に対してサービス提供会社20に保存されている個人情報を電話による会話で問い合わせることで、認証処理のための個人情報を確認する。なお、この個人情報は、情報機器24の表示部に表示されている。そして、情報機器24の表示部に表示される抽出された個人情報に基づいて、氏名の問い合わせを行い(ステップS48)、利用者10は、それに対して、応答する(ステップS49)。利用者10からの応答に基づいて、サービス提供会社20のオペレータ20aは、氏名が一致しているかの確認を行う(ステップS50)。不一致の場合は、回線の切断処理を行う(ステップS52)。
【0082】
一方、一致した場合は、さらに、他の登録されている通帳番号、住所、生年月日などで問い合わせを行い(ステップS51)、個人情報の認証を行う。利用者10は応答する(ステップS53)。サービス提供会社20では、個人情報の確認が行われる(ステップS54)。不一致の場合は、回線の切断処理を行う(ステップS55)。そして、認証処理が終了した後、サービスが提供される。
【0083】
なお、認証レベルは、抽出された個人情報の中の確認する個人情報数、種類の選択により調整することができる。
【0084】
(認証処理フロー2)
図6は、第1の実施の形態にかかるサービス提供システムに基づく認証処理フローの変形例を示す処理フローチャートを示す図である。
図6に示すフローでは、認証処理における個人情報の抽出のため、データ通信回線経由で得られるカード情報が用いられる。
【0085】
まず、利用者10は、操作端末11のカードリーダ部12に識別カードを置くことで識別カード内の識別番号(カード情報)を操作端末11において取得したうえで、サービス提供会社20に対して発呼処理が開始される(ステップS60)。
そして、発呼処理が開始されると同時に、外部機関30の中間サーバ31に対してデータ通信を用いて操作端末11からアクセスし、接続後に操作端末11側から識別番号が外部機関30の中間サーバ31に送信される(ステップS61)。
【0086】
次に、サービス提供会社20のオペレータ20aは、電話機23により利用者10から電話回線網40を介した音声通話を確認し、そして、情報機器24によりデータ通信回線網50を介したデータ通信によるアクセスがあることを確認する。そして、サービス提供サーバ21における音声通話応答部210aは、電話番号(発信者情報)の抽出を行う(ステップS62)。
【0087】
一方、外部機関30の中間サーバ31は、操作端末11から送信されてきた識別番号(カード情報)を、さらに、サービス提供会社20へ送信する(ステップS63)。そして、データ抽出部214は、受信された識別番号(カード情報)に基づいて、個人情報データベース25に対して個人を特定する情報(個人情報)の照会を行い(ステップS64)、個人情報データベース25から個人情報を抽出する(ステップS65)。そして、データ通信での認証作業に必要なパスワード、識別番号等を含む抽出された個人情報が認証処理部210に送られると同時に、抽出された個人情報を外部機関30の中間サーバ31に送信する(ステップS66)。
【0088】
続いて、外部機関30の中間サーバ31は、利用者10に対してパスワードを求めるために、操作端末11の表示部110cにパスワードを入力するように表示する(ステップS67)。合わせて、必要に応じて、サービス提供会社20側から利用者10に対してパスワードを入力する音声ガイダンスが流される(ステップS68)。そして、利用者10のパスワードの入力データとサービス提供会社20から送られてきたパスワードとの照合を行い(ステップS69)、パスワードが一致すれば次の工程に進み、中間サーバ31は、操作端末11に通話ログ情報を要求し(ステップS70)、パスワードが不一致の場合は、回線の切断処理を行う(ステップS71)。
【0089】
そして、ステップS70の後、操作端末11は、通話ログ情報を通話ログ記憶部114から読み出し、中間サーバ31に送信し(ステップS72)、中間サーバ31は、該通話ログ情報を取得する。なお、通話ログ情報は、発信時刻、通話開始時刻、終話時刻、発信元電話番号、相手先電話番号、カード情報などが含まれる。
続いて、中間サーバ31は、通話ログ情報の中から識別番号を抽出する(ステップS73)。そして、この識別番号とサービス提供会社20から送られてきた識別番号とが一致するかどうかの確認をして(ステップS74)、識別番号が一致するとデータ通信での認証処理を終了して音声通話での認証処理の終了を待つ。一方、それぞれの識別番号が不一致である場合は、回線の切断処理を行う(ステップS75)。
【0090】
一方、サービス提供サーバ21では、ステップS66後、個人情報データベース25から抽出された電話番号と音声通話から抽出された電話番号とのマッチング処理が行われる(ステップS76)。一致する場合は、次の工程に進み、不一致の場合では、回線の切断処理が行われる(ステップS77)。
【0091】
続いて、利用者10は、サービス提供会社20と認証処理のための通話を行う。サービス提供会社20のオペレータ20aは、利用者10に対して個人情報データベース25に保存されている個人情報を電話による会話で問い合わせることで、認証処理のための個人情報を確認する。たとえば、オペレータ20aは、抽出された個人情報を情報機器24で確認しながら氏名の問い合わせを行い(ステップS78)、利用者10は、操作端末11により応答する(ステップS79)。そして、利用者10による応答に基づいて、サービス提供会社20のオペレータ20aは、氏名が一致しているかの確認を行う(ステップS80)。不一致の場合は、回線の切断処理を行う(ステップS81)。
【0092】
一方、一致した場合は、さらに、他の登録されているその他の個人情報、住所、生年月日等により問い合わせを行い(ステップS82)、利用者10は、操作端末11により応答する(ステップS83)。そして、利用者10による応答に基づいて、サービス提供会社20のオペレータ20aは、個人情報が一致しているかの確認を行う(ステップS84)。不一致の場合は、回線の切断処理を行う(ステップS85)。
なお、認証レベルは、抽出された個人情報の中の確認する個人情報数、種類の選択により調整することができる。
【0093】
(認証処理フロー3)
図7は、第1の実施の形態にかかるサービス提供システムに基づく認証処理フローの他の変形例を示す処理フローチャートを示す図である。
図7では、認証処理における個人情報の抽出のため、データ通信回線経由で得られるカード情報が用いられる。
【0094】
まず、利用者10は、操作端末11のカードリーダ部12に識別カードを置くことで識別カード内の識別番号(カード情報)を操作端末11において取得したうえで、サービス提供会社20に対して発呼処理が開始される(ステップS90)。
そして、発呼処理が開始されると同時に、外部機関30の中間サーバ31に対してデータ通信を用いて操作端末11からアクセスし、接続後に操作端末11側から識別番号が外部機関30の中間サーバ31に送信される(ステップS91)。
【0095】
次に、サービス提供会社20のオペレータ20aは、電話機23により利用者10から電話回線網40を介した音声通話を確認し、そして、情報機器24によりデータ通信回線網50を介したデータ通信によるアクセスがあることを確認する。そして、サービス提供サーバ21における音声通話応答部210aは、電話番号(発信者情報)の抽出を行う(ステップS92)。
【0096】
一方、外部機関30の中間サーバ31は、操作端末11から送信されてきた識別番号を、さらに、サービス提供会社20へ送信する(ステップS93)。そして、データ抽出部214は、受信された識別番号(カード情報)に基づいて、個人情報データベース25に対して個人を特定する情報(個人情報)の照会を行い(ステップS94)、個人情報データベース25から個人情報が抽出する(ステップS95)。そして、データ通信での認証作業に必要なパスワード、識別番号等を含む抽出された個人情報が認証処理部210に送られると同時に、抽出された個人情報を外部機関30の中間サーバ31に送信する(ステップS96)。
【0097】
続いて、外部機関30の中間サーバ31は、利用者10に対してパスワードの入力を求めるために、操作端末11の表示部110cにパスワードを入力するように表示する(ステップS97)。必要に応じて、合わせてサービス提供会社20側から利用者10に対してパスワードを入力するように促すための音声ガイダンスが流され、利用者10は、操作端末11の入力部110dを用いてパスワードの入力を行う(ステップS98)。そして、利用者10のパスワードの入力データとサービス提供会社20から送られてきたパスワードとの照合を行い(ステップS99)、それぞれのパスワードが一致すれば次の工程に進み、中間サーバ31は、操作端末11に通話ログ情報を要求し(ステップS100)、パスワードが不一致の場合は、回線の切断処理を行う(ステップS101)。
【0098】
そして、ステップS100の後、操作端末11は、通話ログ情報を通話ログ記憶部114から読み出し、中間サーバ31に送信し(ステップS102)、中間サーバ31は、該通話ログ情報を取得する。なお、通話ログ情報は、発信時刻、通話開始時刻、終話時刻、発信元電話番号、相手先電話番号、カード情報などが含まれる。
続いて、中間サーバ31は、通話ログ情報の中から電話番号と識別番号とを抽出する(ステップS103)。そして、この電話番号および識別番号とサービス提供会社20から送られてきた電話番号および識別番号とが各々一致するかどうかの確認をして(ステップS104)、電話番号および識別番号のそれぞれが一致する場合、データ通信での認証処理を終了して音声通話での認証処理の終了を待つ。一方、電話番号が不一致であり、識別番号が一致する場合は、この識別番号の利用者に対して電話番号を追加登録する電話番号の更新のための入力要求を行う(ステップS105)。さらに、少なくとも識別番号が不一致の場合では、回線の切断処理が行われる(ステップS106)。
【0099】
一方、サービス提供サーバ21では、ステップS96後、個人情報データベース25から抽出された電話番号と音声通話から抽出された電話番号とのマッチング処理が行われる(ステップS107)。一致する場合は、次の工程に進み、不一致の場合では、回線の切断処理が行われる(ステップS108)。
【0100】
ステップS105において、更新のための新しい電話番号の入力要求がされた場合であって、利用者10が新しい電話番号の登録を希望する場合は(ステップS109)、操作端末11の入力部110dを使用して新しい電話番号を入力する(ステップS110)。一方、新しい電話番号を登録しない場合は、回線の切断処理を行う(ステップS111)。そして、個人情報データベース25に対して個人情報の更新を行い、新しい電話番号の追加の処理が行われる(ステップ112)。
【0101】
続いて、利用者10は、サービス提供会社20と認証処理のための通話を行う。サービス提供会社20のオペレータ20aは、利用者10に対して個人情報データベース25に保存されている個人情報を電話による会話で問い合わせることで、認証処理のための個人情報を確認する。たとえば、オペレータ20aは、抽出された個人情報を情報機器24で確認しながら氏名の問い合わせを行い(ステップS113)、利用者10は、操作端末11により応答する(ステップS114)。そして、利用者10による応答に基づいて、サービス提供会社20のオペレータ20aは、氏名が一致しているかの確認を行う(ステップS115)。不一致の場合は、回線の切断処理を行う(ステップS116)。
【0102】
一方、一致した場合は、さらに、他の登録されているその他の個人情報、住所、生年月日等により問い合わせを行い(ステップS117)、利用者10は、操作端末11により応答する(ステップS118)。そして、利用者10による応答に基づいて、サービス提供会社20のオペレータ20aは、個人情報が一致しているかの確認を行う(ステップS119)。不一致の場合は、回線の切断処理を行う(ステップS120)。
このように、使用する電話番号が変わる状況においても、認証処理における個人情報の抽出のため、データ通信回線経由で得られるカード情報を用いて認証処理を行うことができる。
【0103】
図1に示すサービス提供システム1は、操作端末11とサービス提供サーバ21との間においてデータ通信回線網50を介して双方に接続され、操作端末11からのデータ通信により取得される情報に基づく認証処理を行うための中間サーバ31を備え、該中間サーバ31が、操作端末11から送信されるカード情報を受信するデータ通信応答部310aと、サービス提供サーバ21から送信された個人を特定する情報と受信されたカード情報とが一致するか否かの認証処理を行う認証処理部310とを含むので、端末操作11側が意識することなく、音声通話とデータ通信との双方から得られる情報に基づいて認証処理が行われ、容易に認証レベルの高い認証処理が行われる。
【0104】
また、
図1に示すサービス提供システム1は、サービス提供サーバ21が、操作端末11からの音声通話に含まれる発信者情報を抽出する音声通話応答部210aと、操作端末11から送信されるカード情報を受信するデータ通信応答部310aと、抽出された発信者情報および受信されたカード情報のうち少なくともいずれか一方に基づいて個人を特定する情報を個人情報データベース25から抽出するデータ抽出部214と、抽出された個人を特定する情報と、抽出された発信者情報および受信されたカード情報のうち少なくともいずれか一方とが一致するか否かの認証処理を行う認証処理部210とを含むので、端末操作11側が意識することなく、音声通話とデータ通信の双方から得られる情報に基づいて認証処理が行われることから、容易に認証レベルの高い認証処理が行われる。すなわち、PC、スマートフォン、タブレット端末などを使えない、使いこなせない情報弱者に対して、音声通話とデータ通信の両方を使用することにより、従来の音声通話でのIDとパスワードのプッシュホンのボタン操作による個人認証よりも高いセキュリティレベルの個人認証を提供し、利用者10が音声通話を中心にしたインターフェースを使用しているにもかかわらず高いセキュリティレベルの個人認証を行うことができるサービス提供システムを提供しうる。
【0105】
さらに、
図1に示すサービス提供システム1は、データ通信を経由した情報では、操作端末11とサービス提供サーバ21との間に中間サーバ31が配置されており、中間サーバ31が、送信されたカード情報をサービス提供サーバ21に送信するデータ通信部312を含み、サービス提供サーバ21のデータ抽出部214は、送信されたカード情報に基づいて個人を特定する情報を個人情報データベース25から抽出する機能を有し、サービス提供サーバ21は、抽出された発信者情報と抽出された個人を特定する情報とが一致するか否かの認証処理を行う認証処理部210を含むので、中間サーバ31におけるカード情報に基づく認証処理だけでなく、サービス提供サーバにおける発信者情報に基づく認証処理が行われることから、さらに認証レベルを向上させることができる。
【0106】
さらにまた、
図1に示すサービス提供システム1は、サービス提供サーバ21または中間サーバ31の認証処理部310が、音声通話により認証処理を行う機能を有するので、実際に、操作端末11の利用者10は、サービス提供サーバ21側のオペレータ20aと音声により対話型で確認することができることから、利用者10、オペレータ20aの双方が認証処理に関して安心感を得ることができる。
これらの結果として、利用者10が音声通話によるコミュニケーションを行っているにもかかわらず、利用者10が意識することなく、もしくは、利用者10に重い負担がかかることのないデータ通信を使用することにより、従来の音声通話よりも高いセキュリティレベルの個人認証と利用者10にストレスの少ないマルチモーダルな情報表示に対応したサービス提供システムを構成することができる。
【0107】
また、
図1に示すサービス提供システム1では、中間サーバ31の認証処理部310が、操作端末11から入力されるパスワード情報と個人を特定する情報とが一致するか否かの認証処理を行う機能を有すると、パスワードの入力による認証処理が付加されることで、さらに、認証レベルを向上させることができる。
【0108】
さらに、
図1に示すサービス提供システム1は、操作端末11が、操作端末11に関連する少なくともカード情報および発信者情報を有する通話ログ情報を記憶する通話ログ記憶部114を含み、中間サーバ31の認証処理部310が、操作端末11から送信される通話ログ情報と個人を特定する情報とが一致するか否かの認証処理を行う機能を有するとので、認証処理に操作端末11に含まれる通話ログ情報を考慮することで、操作端末11に記憶されている情報を付加した認証処理を行うことができることから、さらに、認証レベルを向上させることができる。
【0109】
さらにまた、
図1に示すサービス提供システム1は、中間サーバ31の認証処理部310が、操作端末11から送信される通話ログ情報と個人を特定する情報とが一致するか否かの認証処理において、発信者情報が一致しなかった場合、操作端末11に対して、新たな発信者情報の入力を要求する機能と、操作端末11から送信された発信者情報を、個人情報データベース25に追加して記憶する機能と、を有すると、新たな操作端末11によりアクセスされた場合に、通話ログ情報を利用した認証処理において、発信者情報が一致しないが、このとき、新たに発信者情報を追加し得る機能を備えることで、初期設定とは異なる操作端末11を用いた場合であっても、個人情報を更新したうえで、本サービス提供システムを利用することができる。
【0110】
また、
図1に示すサービス提供システム1は、発信者情報が電話番号であると、操作端末11とサービス提供サーバ21との関連付けを容易に行うことができる。
【0111】
さらに、
図1に示すサービス提供システム1は、カード情報が識別番号であると、番号により容易にマッチング処理による一致不一致の認証処理を行うことができる。
【0112】
次に、第2の実施の形態にかかるサービス提供システム1’における認証処理ついて説明する。
図8は、この発明にかかるサービス提供システムにおける第2の実施の形態の構成例を示す図解図である。また、
図9は、
図8に示すサービス提供サーバの内部構造の一例を機能展開して示したブロック図である。第1の実施の形態にかかるサービス提供システム1と共通する同一の符号を付した構成については、その説明を省略する。
【0113】
第2の実施の形態にかかるサービス提供システム1’は、第1の実施の形態にかかるサービス提供システム1とは、認証処理に関して外部機関30(中間サーバ31)を含まない点で相違する。したがって、第2の実施の形態にかかるサービス提供システム1’は、データ通信応答部210bが、サービス提供サーバ21における認証処理部210に含まれる構成である。
そして、この利用者10の操作端末11とサービス提供会社20との間で音声通話とデータ通信とを用いた認証処理およびサービスを提供する機能を有する。
【0114】
なお、本サービス提供システム1’を利用したときも、
図4Aないし
図4Cに示すこの発明にかかるサービス提供システムにおけるシステム全体の処理フローのフローチャートが適用されうる。このとき、中間サーバ31の認証処理部310におけるデータ通信応答部310aは、サービス提供サーバ21の認証処理部210におけるデータ通信応答部210bに対応する。
【0115】
続いて、第2の実施の形態にかかるサービス提供システム1’における認証処理について、説明する。
図10ないし
図12は、第2の実施の形態にかかるサービス提供システム1’に基づく認証処理フローを示す処理フローチャートを示す図である。
【0116】
(認証処理フロー4)
図10は、第2の実施の形態にかかるサービス提供システムに基づく認証処理フローの一例を示す処理フローチャートを示す図である。
図10に示すフローでは、認証処理における個人情報の抽出のため、電話回線経由で得られる電話番号が用いられる。
【0117】
まず、利用者10は、操作端末11のカードリーダ部12に識別カードを置くことで識別カード内の識別番号(カード情報)を操作端末11において取得したうえで、サービス提供会社20に対して発呼処理が開始される(ステップS120)。なお、データ通信部112bが、操作端末11の内部に組み込まれていない場合で、データ通信を制御する専用装置として構成されているときは、ステップS120の前に、この専用装置を立ち上げ、事前に通信可能状態とする。
【0118】
そして、発呼処理が開始されると同時に、データ通信が開始される。このとき、アクセス先のサービス提供サーバ21のアドレスは、情報管理部116から呼び出されてアクセスされて、音声通話と同時にサービス提供サーバ21に対してデータ通信を用いて操作端末11からアクセスし、接続後にサービス提供サーバ21に操作端末11側から識別番号(カード情報)が送信される(ステップS121)。そして、データ通信では、データ通信応答部210bが、操作端末11から送られてきた識別番号(カード情報)を受信する。
【0119】
次に、サービス提供会社20のオペレータ20aは、電話機23により利用者10から電話回線網40を介した音声通話を確認し、そして、情報機器24によりデータ通信回線網50を介したデータ通信によるアクセスがあることを確認する。
そして、サービス提供サーバ21における音声通話応答部210aは、電話番号(発信者情報)の抽出を行う(ステップS122)。そして、データ抽出部214は、抽出された電話番号(発信者情報)に基づいて、個人情報データベース25に対して個人情報の照会が行われ(ステップS123)、個人情報データベース25から個人情報が抽出される。抽出された個人情報は、データ抽出部214により、音声通話応答部210aに送られ(ステップS124)、同時に、データ通信応答部210bに送られる(ステップS125)。
【0120】
続いて、データ通信応答部210bは、受信した識別番号と、個人情報データベース25から抽出された個人を特定するための情報に含まれる識別番号とが一致するか否かの確認を行い(ステップS126)、識別番号が一致した場合は、データ通信での認証処理を終了して音声通話での認証処理の終了を待つ。そして、識別番号が不一致の場合は、回線の切断処理を行う(ステップS127)。
【0121】
続いて、利用者10は、操作端末11とサービス提供会社20の電話機23との間で、認証処理のための音声通話を行う。まず、サービス提供会社20におけるオペレータ20aは、利用者10に対してサービス提供会社20に保存されている個人情報を電話による会話で問い合わせることで、認証処理のための個人情報を確認する。なお、この個人情報は、情報機器24の表示部に表示されている。そして、情報機器24の表示部に表示される抽出された個人情報に基づいて、氏名の問い合わせを行い(ステップS128)、利用者10は、それに対して、応答する(ステップS129)。利用者10からの応答に基づいて、サービス提供会社20のオペレータ20aは、氏名の確認を行う(ステップS130)。不一致の場合は、回線の切断処理を行う(ステップS131)。
【0122】
一方、一致した場合は、さらに、他の登録されている通帳番号、住所、生年月日などで問い合わせを行い(ステップS132)、個人情報の認証を行う。利用者10は応答する(ステップS133)。サービス提供会社20では、個人情報の確認が行われる(ステップS134)。不一致の場合は、回線の切断処理を行う(ステップS135)。そして、認証処理が終了した後、サービスが提供される。
【0123】
(認証処理フロー5)
図11Aは、第2の実施の形態にかかるサービス提供システムに基づく認証処理フローの変形例を示す処理フローチャートを示す図であり、
図11Bは、
図11Aから続く認証処理フローの変形例を示す処理フローチャートである。
図11Aおよび
図11Bに示すフローでは、認証処理における個人情報の抽出のため、データ通信回線経由で得られるカード情報が用いられる。
【0124】
まず、利用者10は、操作端末11のカードリーダ部12に識別カードを置くことで識別カード内の識別番号(カード情報)を操作端末11において取得したうえで、サービス提供会社20に対して発呼処理が開始される(ステップS140)。
そして、発呼処理が開始されると同時に、データ通信が開始される。このとき、アクセス先のサービス提供サーバ21のアドレスは、情報管理部116から呼び出されてアクセスされて、音声通話と同時にサービス提供サーバ21に対してデータ通信を用いて操作端末11からアクセスし、接続後にサービス提供サーバ21に操作端末11側から識別番号(カード情報)が送信される(ステップS141)。そして、データ通信では、データ通信応答部210bが、操作端末11から送られてきた識別番号(カード情報)を受信する。
【0125】
次に、サービス提供会社20のオペレータ20aは、電話機23により利用者10から電話回線網40を介した音声通話を確認し、そして、情報機器24によりデータ通信回線網50を介したデータ通信によるアクセスがあることを確認する。
そして、サービス提供サーバ21における音声通話応答部210aは、電話番号(発信者情報)の抽出を行う(ステップS142)。
【0126】
サービス提供サーバ21におけるデータ通信応答部210bは、受信した識別番号(カード情報)に基づいて、個人情報データベース25に対して個人情報の照会が行われ(ステップS145)、データ抽出部214により、個人情報データベース25から個人情報が抽出される。抽出された個人情報は、データ抽出部214により、音声通話応答部210aに送られ(ステップS144)、同時に、データ通信応答部210bに送られる(ステップS145)。
【0127】
続いて、データ通信応答部210bは、利用者10に対してパスワードの入力を求めるために、操作端末11の表示部110cにパスワードを入力するように表示する(ステップS146)。合わせて、必要に応じて、サービス提供会社20側から利用者10に対してパスワードを入力するように促すための音声ガイダンスが流され、利用者10は、操作端末11の入力部110dを用いてパスワードの入力を行う(ステップS147)。そして、利用者10のパスワードの入力データとサービス提供会社20から送られてきたパスワードとの照合を行い(ステップS148)、パスワードが一致すれば次の工程に進み、データ通信応答部210bは、操作端末11に通話ログ情報を要求し(ステップS149)、パスワードが不一致の場合は、回線の切断処理を行う(ステップS150)。
【0128】
そして、ステップS149の後、操作端末11は、通話ログ情報を通話ログ記憶部114から読み出し、サービス提供サーバ21におけるデータ通信応答部210bに送信し(ステップS151)、サービス提供サーバ21は、該通話ログ情報を取得する。なお、通話ログ情報は、発信時刻、通話開始時刻、終話時刻、発信元電話番号、相手先電話番号、カード情報などが含まれる。
続いて、データ通信応答部210bは、取得された通話ログ情報の中から電話番号と識別番号を抽出する(ステップS152)。通話ログ情報から抽出された電話番号および識別番号と抽出された個人情報における電話番号および識別番号が一致するかどうかの確認をして(ステップS153)、電話番号および識別番号のそれぞれが一致する場合、データ通信での認証処理を終了して音声通話での認証処理の終了を待つ。一方、電話番号が不一致であり、識別番号が一致する場合は、この識別番号の利用者10に対して電話番号を追加登録する電話番号の更新のための入力要求を行う(ステップS154)。さらに、少なくとも識別番号が不一致の場合では、回線の切断処理が行われる(ステップS155)。
【0129】
ステップS154において、更新のための新しい電話番号の入力要求がされた場合であって、利用者10が新しい電話番号の登録を希望する場合は(ステップS156)操作端末11の入力部110dを使用して新しい電話番号を入力する(ステップS157)。一方、新たしい電話番号を登録しない場合は、回線の切断処理を行う(ステップS158)。そして、個人情報データベース25に対して個人情報の更新を行い、新しい電話番号の追加の処理が行われる(ステップS159)。
【0130】
一方、音声通話応答部210aでは、個人情報データベース25から抽出された電話番号とステップS142で抽出した音声通話から抽出された電話番号とのマッチング処理が行われる(ステップS160)。一致する場合は、次の工程に進み、不一致の場合では、回線の切断処理が行われる(ステップS161)。
【0131】
その後、利用者10は、サービス提供会社20と認証処理のための通話を行う。サービス提供会社20は、利用者10に対してサービス提供会社20の個人情報データベース25に保存されている個人情報を電話による会話で問い合わせることで、認証処理のための個人情報を確認する。たとえば、抽出された個人情報から氏名の問い合わせを行い(ステップS162)、利用者10は、応答する(ステップS163)。サービス提供会社20では、氏名が一致しているかの確認が行われる(ステップS164)。不一致の場合は、回線の切断処理(ステップS165)。
【0132】
(認証処理フロー6)
図12は、第2の実施の形態にかかるサービス提供システムに基づく認証処理フローの他の変形例を示す処理フローチャートを示す図である。
図12に示すフローでは、認証処理における個人情報の抽出のため、電話回線経由で得られる電話番号が用いられ、認証処理を自動認証により行う処理フローチャートを示す。
【0133】
まず、利用者10は、操作端末11のカードリーダ部12に識別カードを置くことで識別カード内の識別番号(カード情報)を操作端末11において取得したうえで、サービス提供会社20に対して発呼処理が開始される(ステップS170)。
そして、発呼処理が開始されると同時に、データ通信が開始される。このとき、アクセス先のサービス提供サーバ21のアドレスは、情報管理部116から呼び出されてアクセスされて、音声通話と同時にサービス提供サーバ21に対してデータ通信を用いて操作端末11からアクセスし、接続後にサービス提供サーバ21に操作端末11側から識別番号(カード情報)が送信される(ステップS171)。そして、データ通信では、データ通信応答部210bが、操作端末11から送られてきた識別番号(カード情報)を受信する。
【0134】
次に、サービス提供会社20のオペレータ20aは、電話機23により利用者10から電話回線網40を介した音声通話を確認し、そして、情報機器24によりデータ通信回線網50を介したデータ通信によるアクセスがあることを確認する。
そして、サービス提供サーバ21における音声通話応答部210aは、電話番号(発信者情報)の抽出を行う(ステップS172)。そして、データ抽出部214は、抽出された電話番号(発信者情報)に基づいて、個人情報データベース25に対して個人情報の照会が行われ(ステップS173)、個人情報データベース25から個人情報が抽出される。抽出された個人情報は、データ抽出部214により、音声通話応答部210aに送られ(ステップS174)、同時に、データ通信応答部210bに送られる(ステップS175)。
【0135】
続いて、データ通信応答部210bは、受信した識別番号と、個人情報データベース25から抽出された個人を特定するための情報に含まれる識別番号とが一致するか否かの確認を行い(ステップS176)、識別番号が一致する場合は、データ通信での認証処理を終了して音声通話での認証処理の終了を待つ。そして、識別番号が不一致で間違っている場合は、回線の切断処理を行う(ステップS177)。
【0136】
一方、利用者10は、操作端末11とサービス提供会社20の電話機23との間で、認証処理のための音声通話を行う。サービス提供会社20は、利用者10に対してサービス提供会社20の個人情報データベース25に保存されている個人情報を電話による会話で問い合わせることで、認証処理のための個人情報を確認する。たとえば、抽出された個人情報から自動応答による氏名の問い合わせを行い(ステップS178)、利用者10は、応答する(ステップS179)。サービス提供会社20では、音声認識に基づくマッチング処理が行われる(ステップS180)。
音声情報が一致すれば、認証処理を終了し、個人情報の認証を行う。不一致であれば回線の切断処理を行う(ステップS181)。
【0137】
このサービス提供システム1’は、上述のサービス提供システム1と同様の効果を奏するとともに、次の効果も奏する。
図8に示すサービス提供システム1’は、サービス提供サーバ21が、操作端末11からの音声通話に含まれる発信者情報を抽出する音声通話応答部210aと、操作端末11から送信されるカード情報を受信するデータ通信応答部210bと、抽出された発信者情報および受信されたカード情報のうち少なくともいずれか一方に基づいて個人を特定する情報を個人情報データベース25から抽出するデータ抽出部214と、抽出された個人を特定する情報と、抽出された発信者情報および受信されたカード情報のうち少なくともいずれか一方とが一致するか否かの認証処理を行う認証処理部210とを含むので、端末操作11側が意識することなく、音声通話とデータ通信の双方から得られる情報に基づいて認証処理が行われることから、容易に認証レベルの高い認証処理が行われる。すなわち、PC、スマートフォン、タブレット端末などを使えない、使いこなせない情報弱者に対して、音声通話とデータ通信との両方を使用することにより、従来の音声通話でのIDとパスワードのプッシュホンのボタン操作による個人認証よりも高いセキュリティレベルの個人認証を提供し、利用者10が音声通話を中心にしたインターフェースを使用しているにもかかわらず高いセキュリティレベルの個人認証を行うことができるサービス提供システムを提供しうる。
【0138】
また、
図8に示すサービス提供システム1’は、サービス提供サーバ21の認証処理部210が、音声通話により認証処理を行う機能を有すると、実際に、操作端末11の利用者10は、サービス提供サーバ21側のオペレータ20aと音声により対話型で確認することができるので、利用者10、オペレータ20aの双方が認証処理に関して安心感を得ることができる。
これらの結果として、利用者10が音声通話によるコミュニケーションを行っているにもかかわらず、利用者10が意識することなく、もしくは、利用者10に重い負担がかかることのないデータ通信を使用することにより、従来の音声通話よりも高いセキュリティレベルの個人認証と利用者10にストレスの少ないマルチモーダルな情報表示に対応したサービス提供システムを構成することができる。
【0139】
また、
図8に示すサービス提供システム1’では、サービス提供サーバ21の認証処理部210が、操作端末11から入力されるパスワード情報と個人を特定する情報とが一致するか否かの認証処理を行う機能を有すると、パスワードの入力による認証処理が付加されることで、さらに、認証レベルを向上させることができる。
【0140】
さらに、
図8に示すサービス提供システム1’は、操作端末11が、操作端末11に関連する少なくともカード情報および発信者情報を有する通話ログ情報を記憶する通話ログ記憶部114を含み、サービス提供サーバ21の認証処理部210が、操作端末11から送信される通話ログ情報と個人を特定する情報とが一致するか否かの認証処理を行う機能を有すると、認証処理に操作端末11に含まれる通話ログ情報を考慮することで、操作端末11に記憶されている情報を付加した認証処理を行うことができることから、さらに、認証レベルを向上させることができる。
【0141】
さらにまた、
図8に示すサービス提供システム1’は、サービス提供サーバ21の認証処理部210が、操作端末11から送信される通話ログ情報と個人を特定する情報とが一致するか否かの認証処理において、発信者情報が一致しなかった場合、操作端末11に対して、新たな発信者情報の入力を要求する機能と、操作端末11から送信された発信者情報を、個人情報データベース25に追加して記憶する機能と、を有すると、新たな操作端末11によりアクセスされた場合に、通話ログ情報を利用した認証処理において、発信者情報が一致しないが、このとき、新たに発信者情報を追加し得る機能を備えることで、初期設定とは異なる操作端末11を用いた場合であっても、個人情報を更新したうえで、本サービス提供システムを利用することができる。
【0142】
また、
図8に示すサービス提供システム1’では、利用者10の音声情報を利用した音声認識に基づく認証処理を行う機能を有すると、利用者10の負担を増加させることなく、個人を特定することができ、より認証レベルを向上させることができる。
【0143】
以上、これまでの認証処理フローで提示された認証処理は、以下に示すように、1.発信者情報に基づくマッチング処理、2.カード情報に基づくマッチング処理、3.パスワードに基づくマッチング処理、4.音声認識に基づくマッチング処理、5.音声通話による応答に基づく認証処理、の、個別の認証処理による処理項目でまとめることができる。
【0144】
1.発信者情報に基づくマッチング処理
たとえば、
図6のステップS76や
図11BのステップS153で行われる処理で示されている、発信者情報に基づくマッチング処理による認証処理では、発信者情報として、たとえば、電話番号が用いられる。この認証処理は、具体的には、音声通話から抽出された電話番号と、データ抽出部214により個人情報データベース25から抽出された(個人を特定する情報に含まれる)電話番号とがマッチング処理される。
【0145】
2.カード情報に基づくマッチング処理
たとえば、
図6のステップS74で行われる処理で示されている、カード情報に基づくマッチング処理による認証処理では、カード情報として、たとえば、識別番号が用いられる。この認証処理は、具体的には、操作端末11から受信した識別番号と、データ抽出部214により個人情報データベース25から抽出された(個人を特定する情報に含まれる)識別番号とがマッチング処理される。
【0146】
3.パスワードに基づくマッチング処理
たとえば、
図7のステップS99で行われる処理で示されている、パスワードに基づくマッチング処理による認証処理では、操作端末11から入力され受信されたパスワードと、データ抽出部214により個人情報データベース25から抽出された(個人を特定する情報に含まれる)パスワードとがマッチング処理される。
この認証処理で用いられるパスワードに関しては、データ通信を用いた操作端末11からの入力でも、音声通話による会話での質問でも良い。認証レベルを上げたい通信方法を選んで認証するように適宜、選択することができる。
【0147】
4.音声認識に基づくマッチング処理
たとえば、
図12のステップS180で行われる処理で示されている、音声認識に基づくマッチング処理による認証処理では、音声通話応答部210aにおいて、音声通話により得られた音声情報と、予め個人情報データベース25に記憶される音声情報に基づく生体情報とがマッチング処理される。
【0148】
5.音声通話による応答に基づく認証処理
たとえば、
図5のステップS50や
図10のステップS130で行われる利用者10からの音声通話による応答に基づく認証処理では、氏名、その他の個人情報に基づいて、利用者10の操作端末11とオペレータ20aの電話機23との間における会話により、行われる。
【0149】
なお、
図5ないし
図7、ならびに
図10ないし
図12に示される各認証処理フローは、例示である。すなわち、本発明にかかるサービス提供システム1および1’において実行される認証処理は、上述した認証処理の処理項目の組み合わせで構成することができる。
各々認証処理を実行するための手段は、任意に選択可能である。
【0150】
たとえば、
図4BのステップS22において行われる認証処理1(第1の認証処理)は、これらの認証処理の処理項目のうちの1つ、あるいはこれらの組み合わせで行うことができ、
図4BのステップS26における認証処理2(第2の認証処理)で行われる認証処理は、これらの認証処理の処理項目のうちの1つ、あるいはこれらの組み合わせ、かつ、認証処理1(第1の認証処理)で行っていない認証処理を選択して行うことで、さらに、利用者10に選択されるサービス項目に対応して、必要に応じて認証レベルを向上させることができる。
【0151】
また、図示していないが、データ通信での認証処理を行う場合は、たとえば、サービス提供会社20からデータ通信で操作端末11の表示装置にパスワードを入力するように表示し、また、サービス提供会社20からは利用者10に対して、音声のガイダンスでパスワードを呼出電話から入力するように伝える。パスワードの確認では、音声通話での口頭による回答、データ通信での操作端末11の入力部110dによる入力、もしくは、専用装置からボタン操作による入力でも、両者を併用しても構わない。ここでは、パスワードを追加の認証処理として例示したが、サービス提供会社20の保持している利用者10の生年月日、口座番号、住所などを用いても構わない。
【0152】
たとえば、中間サーバ31は、利用者10の識別カードがカードリーダ部12に載置されている間のみ認証作業を行うという制限をつけても構わない。
【0153】
また、たとえば、
図4Bにおいて、認証処理1(第1の認証処理)で行われた認証処理の処理項目とは異なる認証処理が、認証処理2(第2の認証処理)において、行われることが好ましい。
【0154】
(回線切断処理)
次に、この発明にかかるサービス提供システムにおける認証処理において、認証できなかった場合の回線切断処理の処理フローについて説明する。
図13は、この発明にかかるサービス提供システムにおける認証処理で認証されなかったときの回線の切断処理の処理フローを示すフローチャートであり、(a)は、データ通信に基づく認証処理で認証されなかった場合であり、(b)は、音声通話に基づく認証処理で認証されなかった場合である。
【0155】
まず、データ通信において認証できなかった場合について説明する。
データ通信で認証失敗と判断された場合(ステップS190)、サービス提供サーバ21に認証失敗を通知する(ステップS191)と同時に、データ通信の回線の切断を実施する(ステップS192)。ステップS191の後、音声通話による認証処理の中断を行い(ステップS193)、音声通話で、利用者10に認証失敗、回線切断を実施する旨を連絡する(ステップS194)。そして、音声通話の回線切断を実施し(ステップS195)、回線の切断処理が終了する(ステップS196)。
【0156】
続いて、音声通話において認証できなかった場合について説明する。
音声通話で認証失敗と判断された場合(ステップS200)、中間サーバ31に認証失敗を通知し(ステップS201)、データ通信の回線切断を実施する(ステップS202)。それらの処理と同時に、音声通話による認証を中断する(ステップS203)。続いて、音声通話で利用者10に認証失敗、回線切断を実施する旨を連絡する(ステップS204)。そして、音声通話の回線切断を実施し(ステップS205)、回線の切断処理が終了する(ステップ206)。
【0157】
(サービス提供処理)
次に、この発明にかかるサービス提供システムに基づくサービス提供処理の処理フローの概要を説明する。
図14は、この発明にかかるサービス提供システムに基づくサービス提供処理の一般的な処理フローの一例を示す処理フローチャートである。なお、
図14に示されるサービス提供処理の一般的な処理フローは、第1の実施の形態にかかるサービス提供システム1と第2の実施の形態にかかるサービス提供システム1’と共通である。
【0158】
サービス提供処理は、操作端末11からサービス提供サーバ21への応答について、データ通信および音声通話のうち、少なくともいずれか一方を用いることができる。
サービス提供サーバ21からのデータ通信でのサービスの内容の提供は操作端末11の表示部110cに表示され、音声通話でのサービスの内容の提供はオペレータ20aにより電話機23を用いた音声通話により提供される。このように、サービス内容の提供を実行する際に、サービス内容を表示部に表示された情報を視覚的に確認しつつ同時に、サービス内容を音声通話によるやりとりにより聴覚的にも確認することができるので、利用者10は、より安心感をもって、サービスの提供を受けることができる。
【0159】
まず、利用者10により、操作端末11からサービス提供サーバ21に対して、データ通信回線50aを介してサービス項目の提示の要求が行われる(ステップS210)。このとき、利用者は、操作端末11のマイク110aを用いて、電話回線40aを介してサービス提供会社20のオペレータ20aに対して、音声通話によりサービス項目の提示を要求してもよい。続いて、それに応じて、サービス提供サーバ21のサービス提供部212は、操作端末11に対して、データ通信回線50aを介してサービス項目の送信・問合わせを行う(ステップS211)。このとき、オペレータ20aは、電話機23を用いて、電話回線40aを介して利用者10に対して、音声通話によりサービス項目を伝えてもよい。そうすると、利用者10により、操作端末11の入力部110dを用いてサービス項目の選択が行われる(ステップS212)。このとき、操作端末11のマイク110aを用いて、電話回線40aを介してサービス提供会社20のオペレータ20aに対して、音声通話によりサービス項目の選択した結果を伝えるようにしてもよい。
【0160】
続いて、利用者10により選択されたサービス項目に基づいて、サービス提供部212は、認証処理が必要か否か判断を行う(ステップS213)。再度の認証処理が必要なサービス項目が選択された場合は、認証処理2Aが行われ(ステップS214)、データ通信回線網50を介して選択されたサービス項目に関するサービス内容の送信・問い合わせが行われる(ステップS215)。一方、再度の認証処理が必要でないサービス項目が選択された場合は、データ通信回線網50を介して選択されたサービス項目に関するサービス内容の送信・問合わせが行われる(ステップS215)。このとき、電話機23を用いて、電話回線40aを介して利用者10に対して、音声通話によりサービス内容の提示が行われてもよい。
【0161】
次に、利用者10により操作端末11の入力部110dを用いて、必要事項の入力・選択が行われる(ステップS216)。このとき、操作端末11のマイク110aを用いて、電話回線40aを介してサービス提供会社20のオペレータ20aに対して、音声通話により必要事項を伝えてもよい。そして、利用者10による必要事項の入力・選択に基づいて、サービス提供部212は、さらに、さらなる再度の認証処理が必要か否かの判断を行う(ステップS217)。さらなる再度の認証処理が必要な入力・選択が行われた場合は、認証処理2Bが行われ(ステップS218)、データ通信回線網50を介して入力・選択に対するサービス内容の処理が行われる(ステップS219)。一方、さらなる再度の認証処理が必要でない場合は、データ通信回線網50を介して入力・選択に対するサービス内容の処理が行われる(ステップS219)。
【0162】
続いて、利用者10は、操作端末11の入力部110dを用いて、サービス提供処理を終了するか否かの選択を行う(ステップS220)。終了しない場合は、ステップS200に戻る。一方、終了する場合は、音声通話・データ通信の回線の切断処理が行われる(ステップS211)。
【0163】
なお、上述したサービス提供サーバ21から操作端末11に送信・問合せされるサービス項目には、サービス項目に関連するサービス内容に応じて認証レベルが設定されている。サービス項目に設定される認証レベルは、たとえば、(1)サービス項目の選択時に、再度の認証処理を必要としないサービス項目、(2)サービス項目の選択時に、再度の認証処理を必要とするサービス項目、(3)サービス項目を選択し、利用者10による入力・選択された内容が所定の条件を満たしたときのみ、認証処理を必要とする場合、である。このように、サービス項目に応じて、認証処理を実行するか否かが設定されていると、サービス項目に応じて、認証処理を実行するか否かが設定されているので、2回目の認証処理を行う場合、サービスの内容に応じて、利用者10側の認証レベルを低減させたり向上させたりすることができる。
【0164】
また、ここでは、
図5ないし
図7および
図10ないし
図12に示す認証処理、
図14のサービス提供処理により全体の流れを説明した。
図5ないし
図7および
図10ないし
図12に示す認証処理の方法は、データ通信から開始し、データ通信による認証処理が終了した後、音声通話による認証処理の順番で行ったが、実際にはデータ通信と音声通話を並行して行っても、交互に行っても構わない。ただし、他方から得られた情報を必要としているときは、その他方の情報を得るまで待機することになる。
【0165】
次に、サービス提供に関する処理の具体的な事例について、
図4Aないし
図4Cにおけるサービス提供システムの全体の処理フローを適宜使用して説明する。
【0166】
まず、
図15に示しているサービス提供に関する説明をする。サービスの提供においても、データ通信と音声通話との両方の通信方法を併用して提供される。
【0167】
(サービス提供処理1)
図15を用いてサービス提供会社20である銀行のサービス提供の処理フローを例に説明する。
図15は、この発明にかかるサービス提供システムに基づくサービス提供処理の処理フローの一例を示す処理フローチャートである。
データ通信での情報提供は操作端末11の表示部110cに表示され、音声通話での情報提供はマイク110aとスピーカ110bとを用いた音声通話により提供される。なお、利用者の回答方法は、音声通話であっても、データ通信であっても構わない。
【0168】
まず、データ通信によりサービスメニューが操作端末11の表示部に表示される(ステップS230)。たとえば、残高照会、入出金照会、振込、振替などのサービス項目が表示され、それらのサービス項目の中から選択する(ステップS231)。残高照会を選択した場合は(ステップS232)、残高が表示される(ステップS233)。
【0169】
振込を選択した場合は(ステップS234)、振込先銀行名の選択、次に、振込先口座番号、振込人氏名、振込金額などの入力ガイダンスの表示、もしくは、表示に加えて音声のガイダンスがなされ、ボタン操作、もしくは、音声により入力する(ステップS235)(なお、このとき、銀行側の対応は、オペレータが対応しても、音声合成、音声認識を用いた自動対応をしても構わない。)。口頭、もしくは、ボタン操作によるそれぞれの条件入力が終わった時、入力した振込の内容が操作端末11の表示部110cに表示される(ステップS236)。利用者10がこの取引内容を確認した場合に、操作端末11からの入力部110dに対するボタン操作、もしくは、音声通話での回答により依頼内容を実行する(ステップS237)。
【0170】
振替を選択した場合は(ステップS238)、振替先銀行名の選択、次に、振替先口座番号、振替金額などの入力ガイダンスの表示、もしくは、表示に加えて音声のガイダンスがなされる。ボタン操作、もしくは、音声により入力する(ステップS239)(なお、このとき、銀行側の対応は、オペレータが対応しても、音声合成、音声認識を用いた自動対応をしても構わない。)。口頭、もしくは、ボタン操作によるそれぞれの条件入力が終わった時、入力した振替の内容が操作端末11の表示部110cに表示される(ステップS240)。利用者10がこの取引内容を確認した場合に、操作端末11の入力部110dに対するボタン操作、もしくは、音声通話での回答により依頼内容を実行する(ステップS241)。
【0171】
その他の項目が選択された場合(ステップS242)、その他の項目に含まれる項目がメニュー表示され(ステップS243)、その他の項目のメニューから実施したい項目を選択し、その項目に対応した条件を入力する(ステップS244)。選択した項目に対して入力した内容、条件が表示され(ステップS245)、利用者10がその内容、条件を確認した後、依頼内容を実行する(ステップS246)。
【0172】
ここで取引完了し、初期メニューに戻るか、終了するために音声通話、データ通信の通信を切断するかの選択をする(ステップS231)。終了を選択すると、サービスの提供を終了する(ステップS247)。
【0173】
図15示すサービスの提供についても、データ通信と音声通話の両方の通信方法で提供される。データ通信でのサービス内容の提供は、操作端末11の表示部110cに表示され、音声通話でのサービス内容の提供は、操作端末11のマイク110aとスピーカ110bを用いた通話により提供される。なお、利用者10の回答方法は、音声通話であっても、データ通信であっても構わない。
【0174】
(サービス提供処理2)
次に、
図4Bの全体の流れに従いサービス提供で認証処理を含んだ
図16を用いて説明する。
図16は、この発明にかかるサービス提供システムに基づくサービス提供処理の処理フローの変形例を示す処理フローチャートである。
【0175】
図16では
図4Bに対応した処理フローを示す。
図4Bでは、まず、認証レベルの低い第1の認証処理を行い、サービス提供処理において、提供されるサービス内容に応じて第1の認証処理よりも高いレベルの第2の認証処理を行うものである。ここでは、第2の認証処理がサービスを選択した時点ではなく、そのサービス項目に応じて高い認証レベルが必要とされる場合に限定した時の処理フローを示している。たとえば、振込を選択した場合、その段階で認証処理を始めるのではなく、振込金額により所定の金額以上の場合だけ2回目の認証処理を行うものである。
ここでも、認証処理、サービスの提供の両方でデータ通信および音声通話の両方の通信方法が用いられる。データ通信でのサービス内容の提供は操作端末11の表示部110cに表示され、音声通話でのサービス内容の提供は、操作端末11のマイク110aとスピーカ110bを用いた音声通話により提供される。なお、利用者10の回答方法は、音声通話であっても、データ通信であっても構わない。
【0176】
銀行のサービスの提供は、データ通信によりサービス内容が操作端末11の表示部110cに表示されることによりサービスの提供が開始される(ステップS250)。たとえば、残高照会、振込、振替などのサービス項目が表示され、それらの項目の中から選択する(ステップS251)。残高照会を選択した場合(ステップS252)、残高が操作端末11の表示部110cに表示される、残高が読み上げられるなどが行われる(ステップS253)。
【0177】
振込を選択した場合(ステップS254)、振込先銀行名を選択する画面、次に、振込先口座番号、振込人氏名、振込金額などの入力ガイダンスの表示、もしくは、音声と表示のガイダンスがなされ、操作端末11の、口頭、もしくは、ボタン操作により入力する(ステップS255)(なお、このとき、銀行側の対応は、オペレータが対応しても、音声合成、音声認識を用いた自動対応をしても構わない。)。入力された振込条件の金額から2回目の認証処理を必要とするサービスか否かを判定する(ステップS256)。2回目の認証処理が必要な条件の場合は、2回目の認証処理が行われる(ステップS257)。認証に失敗した場合は回線の切断処理が行われる(ステップS258)。認証に成功した場合は、認証処理が必要とされていない場合と同じ処理になり、入力した振込の内容が操作端末11の表示部110cに表示される(ステップS259)。利用者10がこの取引内容を確認した場合に、操作端末11の入力部110dに対するボタン操作、もしくは、音声通話での回答により依頼内容を実行する(ステップS260)。
【0178】
振替を選択した場合(ステップS261)、振替先銀行名を選択する画面、次に、振替先口座番号、振替金額などの入力ガイダンスの表示、もしくは、音声と表示のガイダンスがなされ、操作端末11の、口頭、もしくは、ボタン操作により入力する(ステップS262)(なお、このとき、銀行側の対応は、オペレータが対応しても、音声合成、音声認識を用いた自動対応をしても構わない。)。入力された振込条件、振替条件の金額から2回目の認証処理を必要とするサービスか否かを判定する(ステップS263)。2回目の認証処理が必要な条件の場合は、2回目の認証処理が行われる(ステップS264)。認証に失敗した場合は回線の切断処理が行われる(ステップS258)。認証に成功した場合は、認証処理が必要とされていない場合と同じ処理になり、入力した振込の内容が操作端末11の表示部110cに表示される(ステップS265)。利用者10がこの取引内容を確認した場合に、操作端末11の入力部110dに対するボタン操作、もしくは、音声通話での回答により依頼内容を実行する(ステップS266)。
【0179】
その他が選択された場合は(ステップS267)、その他のメニューが表示される(ステップS268)。サービス項目の選択と条件の入力を行う(ステップS269)。選択したサービス項目、条件により2回目の認証処理が必要かどうかの判定を行う(ステップS260)。認証処理が必要な場合は、認証処理を行い(ステップS271)、認証処理が失敗した場合は、回線の切断処理を行う(ステップS272)。認証が成功した場合は、条件が表示される(ステップS273)。認証処理が不要な条件の場合は、認証処理が成功した場合の同じ処理を行う(ステップS273)。利用者10が入力した条件が正しいことを確認した後に選択項目が実行する(ステップS274)。
【0180】
ここで取引完了し、初期メニューに戻るか、終了するために音声通話、データ通信の通信を切断するかの選択をする(ステップS271)。このような流れでサービスの提供を終了する(ステップS275)。
【0181】
ここでの認証処理の処理方法は、データ通信から開始し、データ通信による認証処理が終了した後、音声通話による認証処理の順番で行ったが、実際にはデータ通信と音声通話とを並行して行っても、交互に行っても構わない。ただし、他方から得られた情報を必要としているときは、その他方の情報を得るまで待機する。
【0182】
(サービス提供処理3)
次に、サービス提供会社20として、銀行に対する処理を行うほどの認証レベルが求められない場合のネット通販会社や、ネット掲示板等を運営する会社等のサービスについて説明する。
図17(a)〜(h)は、この発明にかかるサービス提供システムのサービス提供処理において、操作端末の表示部に表示される表示内容の一例を示す図である。
なお、認証処理に関しては、
図5ないし
図7に示した認証の方法の中から必要でない認証項目を省くことで実現することができる。また、システム構成は、外部機関30の中間サーバ31を用いない
図8に示した構成を想定しているが、認証レベルを上げたい場合は
図1の中間サーバ31を用いた構成にしても構わない。以下、サービス内容について手順に基づいて説明する。たとえば、
図17に示されるサービスの提供にかかる認証処理およびサービス提供処理は、
図11A、
図11Bおよび
図14が参照される。
【0183】
まず、利用者10は、操作端末11の識別カードをカードリーダ部12に置いた状態で、サービス提供会社20であるネット通販会社の電話番号が割り当てられたボタンを押す、もしくは、サービス提供会社20であるネット通販会社の電話番号宛てに電話をかけると、音声通話の接続と同時にデータ通信でネット通販サイトに接続される。接続とともに利用者10の識別番号が読み取られ、識別番号による認証、電話番号による認証、パスワードによる認証などの認証方法により通販側で認証処理が行われる。
【0184】
続いて、サービスの提供について説明する。認証後に操作端末11の表示部110cに通販サイトの買い物のトップ画面(買い物履歴などの利用者固有の情報を含む)ここでは、
図17(a)が表示され、同時に買い物のための音声のガイダンスについて操作端末11のスピーカ110bにより利用者10は聞くことができる。
図17(a)のトップ画面の選択肢、「1.パソコン、2.家電、3.衣類、4.AV機器・カメラ」から、利用者10は、希望の番号を選択することにより、
図17(b)へ移る。以降同様に
図17(c)・・・のように順次詳細な表示内容に進む(操作端末11のマイク110aからの音声通話による応答でも、操作端末11の入力部110dであるボタンを押すデータ通信を用いた応答でも構わない)。
【0185】
たとえば、操作端末11の表示部110cには、
図17(a)の「2.家電」が選択され、表示された
図17(b)より「3.生活家電」が選択され、表示された
図17(c)より「2.掃除機」が選択され、表示された
図17(d)より「2.サイクロン型」が選択され、表示された
図17(e)より「メーカーで選ぶ」が選択され、表示された
図17(f)より「1.A社」が選択され、表示された
図17(g)より「A社 3.Gタイプ」が選択され、表示された
図17(h)の表示画面が、利用者10による各表示画面における選択に応じて表示される。
このように、操作端末11の表示部110cには、いくつかの選択肢が表示され、大分類から小分類、購入対象の製品まで、画面に表示される選択肢を番号で選択しながら進み購入したい対象がある程度絞られるまで繰り返される。ある程度絞られた段階で価格と場合によっては写真(操作端末の表示機能に依存)が表示される。購入する商品決定した時には、買い物を継続するか、購入を確定するかの選択画面が表示され、買い物を継続する場合にはトップ画面に戻り、購入を確定する場合は決済画面に移動する。
【0186】
続いて、決済を確定した時には購入品のリスト、合計金額等が操作端末11の表示部110cに表示されるか、操作端末11に接続されたプリンタ(図示せず)からリストが出力される。この表示による確認は電話を用いたサービスではできないことであり購入者の安心を伴うことになる。この提示により利用者は購入商品の確認することができ、これらの表示を確認後、最終決定する。最終決定がされた後には、識別番号と同時に登録されている個人情報にある住所宛てに注文した品物を送付され、識別カードの持ち主である利用者10に対してあらかじめ登録されているクレジットカード番号あてに商品代が請求される。
このように、この発明にかかるサービス提供システム1および1’を用いることで、スマートフォンやタブレット端末、PCなど端末を用いることなく、音声通話を中心とした構成でネット通販を提供することができる。
【0187】
(サービス提供処理4)
次に、
図18を用いてデータ通信と音声通話を用いた表示部への表示と利用者との音声によるやりとりにより実現するコミュニケーションサービス(グループ伝言システム)について説明する。
図18(a)〜(f)は、この発明にかかるサービス提供システムのサービス提供処理において、操作端末の表示部に表示される表示内容の他の例を示す図である。
【0188】
操作端末11の表示部110cに表示される画面は、
図17と同様に示され、
図18(a)の「3.アイテム別」が選択され、表示された
図18(b)より「3.お得情報」が選択され、表示された
図18(c)より「3.外食」が選択され、表示された
図18(d)より「1.AB家」が選択され、表示された
図18(e)より「1.牛丼が安かった」が選択され、表示された
図18(f)の表示画面が、利用者10による各表示画面における選択に応じて表示される。
このように大項目から詳細項目に移行する。
図18(f)で読みたい内容の選択ができ、内容の追加を行うことができる。ここでは選択肢が4項目程度としているが、表示装置の画面サイズが大きい場合は多くの情報を提示することができ、項目数は、任意に設定することができる。また、操作端末11の表示部110cがタッチパネルである場合は、画面をふれることにより項目の選択を行ってもよい。
【0189】
ここで、サービス提供とその方法について操作の順を追って説明する。まず、利用者10は、操作端末11のカードリーダ部12に識別カードを置いた状態で、サービスを提供する相手先の呼出ボタンを押す、もしくは、相手先の電話番号をダイヤルして接続する。相手側のシステムは、利用者10からの接続要求を受け、利用者側から読み取った識別番号で個人識別、認証処理を行う。認証した個人に対応した(登録した)サービスに関係を蓄積されたデータベースからデータを抽出し、その個人に対するサービス内容のトップ画面が、操作端末11の表示部110cに表示されるとともに、音声のガイダンスが操作端末11の受話器(スピーカ110b)から流れる。利用者は表示内容からサービスを選択し、選択した内容の詳細に進む。利用者のデータ入力の方法は、番号等の選択に関しては操作端末11の入力部110dにおけるボタン操作による入力、もしくは、音声から、記録する内容に関しては受話器の音声で入力という簡単な入力方法とする。
【0190】
表示される内容は、利用者10の友達などのグループ、趣味などのグループの登録したグループの範囲内の投稿内容が表示される。トップ画面には、「1.時刻別」、「2.発信者別」、「3.アイテム別」、「4.新着情報」などが表示される。「4.新着情報」については、そのテーマに参加している別の識別番号の持ち主が新しい録音を行った時、トップ画面に新着情報があることが表示され、新着情報の番号を選択することにより、新着情報の一覧が表示され、聞きたい項目番号を選択することにより、その新しく記録された内容を聞くことができる。ここで、アイテム別を選択した場合には、「1.趣味」、「2.行事・催し物」、「3.お得情報」、「4.次画面」、「5.新規登録」等が表示され、このような選択を繰り返すことにより、内容の詳細に移行する。内容詳細では項目番号を選択することにより、その内容を聞いたり、見たり、することができる。また新規録音を選択することにより新しい情報を追加することができる。
【0191】
(サービス提供処理5)
次に、通話を用いたディスプレイへの表示と利用者との音声通話によるやりとりにより実現する受付システムについて
図19を用いて説明する。
図19(a)および(b)は、この発明にかかるサービス提供システムのサービス提供処理において、操作端末の表示部に表示される表示内容のさらに他の例を示す図である。
【0192】
図19では、
図4Cに対応した処理フローを示す。
図4Cに示すフローは、識別カードの有無により提供されるサービスの内容が異なることを考慮したフローである。
操作端末11が、交番のような公共的な施設に設置され、利用される場合は、地域の住民に関しては識別カードを配布することができるが、外国人の旅行客に対しては識別カードを配布することができない。このような背景から、識別カードを所有していない場合にサービスが提供できないというのは不都合が生じるため、識別カードの所有の有無によってサービス内容を異ならせる必要がある。
また、会社などの人がいない無人の受付や無人の交番などに操作端末11を設置することで来客に対する対応を行うことができる。会社などの受付での来客対応については、頻度が多く来社される方については、識別カードを発行しているが、頻度が低い方に関しては、識別カードを発行していないなどの状況が生じる。
【0193】
たとえば、無人の交番に操作端末11を設置した場合の例を示す。
図19(a)は識別カードありの場合、
図19(b)は識別カードなしの場合の操作端末11の表示部110cに表示されるメニュー画面の一例を示す。
図19(a)に示す識別カードありの場合におけるメニュー画面では、「1.Aさんへの情報」という項目が含まれる。
図19(a)における2番目以下の項目は、「2.警察署に電話」、「3.道案内」、「4.伝言」、「5、行事・催し物案内」、「6.落し物」という内容の項目が含まれている。
【0194】
無人の交番に設置される操作端末11の表示部110cに表示される各項目について、以下、説明する。
「1.Aさんへの情報」では、その項目の下階層に個人向けのサービス内容が含まれる。「2.警察署に電話」では、呼出しボタンを押すことで通話ができる。ガイダンスに流れた項目から、希望する項目の番号を選択することにより次の操作に移る。続き、「3.道案内」では、警察署の道案内担当に電話がかけられる。また、「4.伝言」では、警察官への伝言を録音することができ、「5.行事・催し物案内」では、その地域で開催される行事が提供され、「6.落し物」では、警察署の対応窓口へ電話がかけられるなどのサービスが提供される。
【0195】
次に、交番に操作端末11を設置した条件でサービス内容を手順に従い説明する。
まず、識別カードを所持した利用者10が、無人の交番に入る。そして、交番内に、たとえば、「御用の方は受話器をお取りください。識別カードをお持ちの方はカードリーダ上に置いてください。」という内容が記載された看板が設置されており、その看板の提示に従い操作端末11のマイク110aおよびスピーカ110bにより構成された受話器を取る。識別カードをカードリーダ上に置いた時に、操作端末11の受話器から「1.Aさんへの情報」、「2.警察署に電話」、「3.道案内」、「4.伝言」、「5.行事・催し物案内」、「6.落し物」などのガイダンスが流れると同時に、操作端末11の表示部110cに前述の各項目に対応するサービス内容が表示される。
【0196】
一方、識別カードを所持していない場合でも同様にガイダンスと操作端末11の表示部110cへサービスの内容が表示される。表示メニューの中から1つの項目が選択して詳細項目でサービスの提供を行う。識別カードを所持しない場合の操作端末11の表示部110cに表示される項目は、
図19(a)に示される項目のうち、2項目から6項目までのメニュー項目と同一である。
【0197】
なお、たとえば、交番などの公共的な場所に設置される操作端末11は、操作端末11におけるマイク110aおよびスピーカ110が受話器のような形状であってもよいし、マイク110aおよびスピーカ110bを含む受話器が、端末本体から独立してケーブルによって繋がれているように設けられていてもよい。操作端末11が受話器のような形態であると、親しみをもてるので、利用者10は、抵抗無く操作端末11を使用することができるためである。
【0198】
また、会社の受付に操作端末11を設置した場合であって、たとえば、識別カードを所持している場合は、識別カードをカードリーダ部12上に載せるだけで、いつも付き合いのある担当者に直接内線電話をかけるように設定されており、識別カードを所持していない人の場合は、操作端末11の表示部110cに表示されるメニュー画面の表示に従い制限つきのサービスの提供を受ける。このように識別カードを所持している人と識別カードを所持していない人とでは異なるサービスを提供することができる。また、誰がどのサービスを利用したか、識別カードを所持していない人がどれだけ利用したか、どのような時間帯に利用したかなどの通信ログ情報を、サービス提供会社20に対応する警察署や一般的な会社の特定部署などから、すべての操作端末11について収集可能である。