特許第6573593号(P6573593)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573593
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】入出力構造を有する着用可能な装置
(51)【国際特許分類】
   G02C 11/00 20060101AFI20190902BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
   G02C11/00
   H04N5/64 511A
【請求項の数】29
【外国語出願】
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-210035(P2016-210035)
(22)【出願日】2016年10月26日
(62)【分割の表示】特願2014-526123(P2014-526123)の分割
【原出願日】2012年8月14日
(65)【公開番号】特開2017-49601(P2017-49601A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2016年11月11日
(31)【優先権主張番号】13/212,686
(32)【優先日】2011年8月18日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】オルソン、マイ・イザベル
(72)【発明者】
【氏名】ハインリッヒ、ミチェル・ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ケリー、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ラペティーナ、ジョン
【審査官】 池田 博一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−104374(JP,A)
【文献】 特開2007−104036(JP,A)
【文献】 特開2002−258209(JP,A)
【文献】 特開2009−192905(JP,A)
【文献】 特開2008−176681(JP,A)
【文献】 特開2010−193492(JP,A)
【文献】 特表2001−522063(JP,A)
【文献】 米国特許第07843403(US,B2)
【文献】 特開2009−232133(JP,A)
【文献】 米国特許第3014994(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0078274(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 11/00
H04N 5/64
A61F 9/00
A61H 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置であって、
ユーザの頭に着用するように構成されたフレームであって、第1及び第2の端部を有するセンターフレームサポートと、前記センターフレームサポートの前記第1の端部から延びる第1のサイドアームと、前記センターフレームサポートの前記第2の端部から延びる第2のサイドアームとを含むフレームと、
前記フレームに取り付けられ、前記ユーザが捉える現実世界の画像を捕捉するように構成されたカメラと、
前記フレームに取り付けられ、前記カメラに関連付けられた入力を前記ユーザから受信するように構成された入力装置であって、前記ユーザに触覚的フィードバックをもたらすように構成された入力装置と、
前記フレーム内に配置されたレンズエレメントであって、前記カメラによって捕捉された画像と、前記カメラに関する情報とを表示するように構成された、少なくとも部分的に透明なレンズエレメントと、
前記入力装置と反対の前記第1のサイドアームの自由端に重み分布を調整可能なように回転可能に位置付けられた外部ハウジングであって、前記電子装置の電子コンポーネントを有し、かつ、前記入力装置の重さのカウンターバランスとなるように、前記ユーザの耳の後ろに位置付けられた前記フレームの後方部分に重さを追加するように構成された、外部ハウジングと、
を備える電子装置。
【請求項2】
前記フレーム上に配置され、前記捕捉された画像を前記レンズエレメントに投影するように構成された画像プロジェクタをさらに備える、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記画像プロジェクタは、前記第1及び第2のサイドアームのうちの一方に配置される、請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記入力装置は、前記第1のサイドアームに配置されたタッチパッドである、請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
前記タッチパッドは、ユーザに触覚的フィードバックをもたらすように構成された表面を含む、請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
前記表面は、隆起面、凹み面、又は粗面のうちの1つからなる端部表面である、請求項5に記載の電子装置。
【請求項7】
前記タッチパッドは、指の位置及び動きのうちの少なくとも一方を検知するように構成される、請求項4に記載の電子装置。
【請求項8】
前記タッチパッドは、前記タッチパッドに対して平行又は平面的な方向における指の動きを検知するように構成される、請求項7に記載の電子装置。
【請求項9】
前記タッチパッドは、少なくとも1つの絶縁層と、少なくとも1つの導電層とからなる、請求項5に記載の電子装置。
【請求項10】
電子装置であって、
ユーザの頭に着用するように構成されたフレームであって、第1及び第2の端部を有するセンターフレームサポートと、前記センターフレームサポートの前記第1の端部から延びる第1のサイドアームと、前記センターフレームサポートの前記第2の端部から延びる第2のサイドアームとを含むフレームと、
前記フレーム上に配置され、前記ユーザの外部の画像を捕捉するように構成されたカメラと、
前記フレームに取り付けられ、前記カメラに関連付けられた入力を前記ユーザから受信するように構成された入力装置であって、前記ユーザに触覚的フィードバックをもたらすように構成された入力装置と、
前記フレーム内に配置され、前記カメラによって捕捉された画像を表示することで、該捕捉された画像をユーザの現実世界の景色に重ね合わせるように構成されたレンズエレメントと、
前記入力装置と反対の前記第1のサイドアームの自由端に重み分布を調整可能なように回転可能に位置付けられた外部ハウジングであって、前記電子装置の電子コンポーネントを有し、かつ、前記入力装置の重さのカウンターバランスとなるように、前記ユーザの耳の後ろに位置付けられた前記フレームの後方部分に重さを追加するように構成された、外部ハウジングと、
を備える電子装置。
【請求項11】
前記入力装置は、タッチパッドである、請求項10に記載の電子装置。
【請求項12】
前記タッチパッドは、ユーザに触覚的フィードバックをもたらすように構成された表面を含む、請求項11に記載の電子装置。
【請求項13】
前記表面は、隆起面、凹み面、又は粗面のうちの1つである、請求項12に記載の電子装置。
【請求項14】
前記レンズエレメントは、前記レンズエレメント上に投影された光を反射するコーティングをさらに含む、請求項10に記載の電子装置。
【請求項15】
電子装置であって、
ユーザの頭に着用するように構成されたフレームであって、該フレームは、
ユーザの頭に着用され、かつユーザの鼻で支えるように構成された、第1の端部及び第2の端部を有するセンターフレームと、
前記センターフレームの前記第1の端部に結合された第1の端部を有する第1のアームであって、自由端が前記ユーザの第1の耳の近くに配置されるように、前記ユーザの第1のテンプルに重ねて位置付けられるように構成された第1のアームと、
前記センターフレームの前記第2の端部に結合された第2の端部を有する第2のアー
ムであって、自由端が前記ユーザの第2の耳の近くに配置されるように、前記ユーザの第2のテンプルに重ねて位置付けられるように構成された第2のアームと、を含む、フレームと、
前記フレームに取り付けられた、画像を捕捉するためのカメラと、
前記センターフレーム内に配置された一対のレンズであって、前記カメラによって捕捉された画像を表示するように構成された、少なくとも部分的に透明な一対のレンズと、
前記フレーム上に配置され、前記ユーザからの入力を受信するように構成された入力装置であって、前記カメラを制御するための電子回路を含み、前記ユーザに触覚的フィードバックをもたらすように構成された入力装置と、
前記入力装置と反対の前記第1のアームの自由端に重み分布を調整可能なように回転可能に位置付けられた外部ハウジングであって、前記電子装置の電子コンポーネントを有し、かつ、前記入力装置の重さのカウンターバランスとなるように、前記ユーザの耳の後ろに位置付けられた前記フレームの後方部分に重さを追加するように構成された、外部ハウジングと、
を備える電子装置。
【請求項16】
前記入力装置は、タッチパッドである、請求項15に記載の電子装置。
【請求項17】
前記タッチパッドは、端部表面をさらに含み、該端部表面は、隆起面、凹み面、又は粗面のうちの1つである、請求項16に記載の電子装置。
【請求項18】
前記タッチパッドは、指の位置及び動きのうちの少なくとも一方を検知するように構成される、請求項16に記載の電子装置。
【請求項19】
前記タッチパッドは、前記タッチパッドに対して平行又は平面的な方向における指の動きを検知するように構成される、請求項18に記載の電子装置。
【請求項20】
前記タッチパッドは、少なくとも1つの絶縁層と、少なくとも1つの導電層とからなる、請求項19に記載の電子装置。
【請求項21】
前記タッチパッドは、ユーザに触覚的フィードバックをもたらすように構成された表面をさらに含む、請求項18に記載の電子装置。
【請求項22】
前記フレーム上に配置された画像プロジェクタであって、前記捕捉された画像を一方の前記レンズに投影するように構成された画像プロジェクタをさらに備える、請求項15に記載の電子装置。
【請求項23】
前記画像プロジェクタは、前記第1及び第2のアームのうちの一方に配置される、請求項22に記載の電子装置。
【請求項24】
前記カメラは、前記第1及び第2のアームのうちの一方に隣接して位置付けられる、請求項15に記載の電子装置。
【請求項25】
前記電子装置に設けられたオンボード計算システムをさらに含み、該オンボード計算システムは、前記カメラからのデータを受信及び分析するように構成される、請求項15に記載の電子装置。
【請求項26】
電子装置の製造方法であって、
ユーザの頭に着用するように構成されたフレームにカメラを取り付けることであって、該フレームが、
ユーザの頭に着用され、かつユーザの鼻で支えるように構成された、第1の端部及び
第2の端部を有するセンターフレームと、
前記センターフレームの前記第1の端部に結合された第1の端部を有する第1のアームであって、自由端が前記ユーザの第1の耳の近くに配置されるように、前記ユーザの第1のテンプルに重ねて位置付けられるように構成された第1のアームと、
前記センターフレームの前記第2の端部に結合された第2の端部を有する第2のアームであって、自由端が前記ユーザの第2の耳の近くに配置されるように、前記ユーザの第2のテンプルに重ねて位置付けられるように構成された第2のアームと、を含む、取り付けることと、
前記カメラによって捕捉された画像を表示するように構成された、少なくとも部分的に透明な一対のレンズを前記センターフレーム内に位置付けることと、
前記ユーザからの入力を受信するように構成された、ハウジングを有するタッチパッドを前記フレーム上に位置付けることと、
前記カメラを制御するための電子回路を前記ハウジング内に配置することと、を含み、
前記タッチパッドは、前記ユーザに触覚的フィードバックをもたらすように構成され、
前記電子装置の製造方法は、さらに、
前記入力装置と反対の前記第1のアームの自由端に重み分布を調整可能なように回転可能に外部ハウジングを位置づけることを含み、
前記外部ハウジングは、前記電子装置の電子コンポーネントを有し、かつ、前記入力装置の重さのカウンターバランスとなるように、前記ユーザの耳の後ろに位置付けられた前記フレームの後方部分に重さを追加するように構成された、電子装置の製造方法。
【請求項27】
前記捕捉された画像を一方の前記レンズに投影するように構成された画像プロジェクタを、前記フレームに隣接して配置されるように位置付けることをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記タッチパッドのハウジング内に電源を設けることをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記カメラからのデータを受信及び分析するように構成されたオンボード計算システムを前記電子装置に接続することをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2011年8月18日に出願された米国出願番号13/212,686、を継続するものであり、この米国出願の開示内容を本出願にすべて組み込むものとする。
【背景技術】
【0002】
パーソナルビデオ又は画像ディスプレイは、一人のユーザが見るためにソースから受け取った画像を表示するために用いられる装置である。このような装置は、ユーザの頭に着用し、ユーザの目の前にある又は目を覆う1つ以上の画像ソースを含む、頭部着用ディスプレイの形とすることができる。頭部着用ディスプレイは、ユーザ或いは着用者の目に隣接し関連させて配置した画像ソースを含むことができ、単一の2次元画像として見えるような同一の画像を表示することができる。もう1つの方法として、同じこのような装置は、視聴者が1つの3次元画像と感じるような異なる立体画像を表示するよう構成することができる。ユーザに表示する画像の形式のいかんにかかわらず、このような装置は、通常暗転している。すなわち、ユーザが装置のディスプレイシステムにより表示される画像以外は何も見えないように、スクリーンの外側にあるもの又は外側にある他の画像ソースは、ほぼ完全に着用者の視覚からさえぎられる。
【0003】
他のパーソナル画像ディスプレイは、ヘッドアップディスプレイと称されるものとすることができ、周囲の環境の情景に表示画像が重ねあわされるような透明なディスプレイ上に、又はディスプレイ中に、又はディスプレイを通して画像が表示される。これにより、ユーザは、周囲を見ると同時にディスプレイに表示された画像を見ることができる。そのような装置は、しかしながら、機能が制限されているのみならず着用者に適合するかどうか着用者が快適かどうかも含めて多くの制約がある。
【0004】
頭部着用ディスプレイとヘッドアップディスプレイは両方とも、装置が読み込むことができユーザに表示する画像に変換することのできる、ビデオ信号を受け取るビデオソースに接続することができる。このビデオソースは、ビデオプレイヤー携帯用メディアプレイヤーやコンピュータのような携帯用装置から受け取ることができる。いくつかのそのようなディスプレイ装置は、サウンド信号も受け取るように構成されており、サウンド信号は、一般に、付属のヘッドフォンを介してユーザに送られる。このような形式のディスプレイの機能は、しかしながら、ディスプレイが外部のソースからの情報を単に受け取り限定された形で着用者に表示するだけの、受動的動作に限定される。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に開示した実施の形態は、ユーザの頭に着用するように構成されたフレームを含む電子装置に関する。このフレームは、ユーザの鼻で支えるように構成されたブリッジと、このブリッジと結合しこのブリッジから延びてブリッジから離れた第1の端部にまで延び、ユーザの眉の第1の側部に配置するように構成された眉部とを含む。フレームは、眉部の第1の端部と結合し自由端に延びている第1の端部を有する第1のアームを含む。第1のアームは、ユーザの第1の耳の近くに位置する自由端を有する、ユーザの第1のテンプルに重ねて配置するよう構成される。装置はまた、フレームに取り付けられ、フレームの眉部に隣接する概ね透明なディスプレイと、フレームに取り付けられ、ユーザから動作についての入力を受信するよう構成された入力装置とを含む。動作に関する情報はディスプレイに表示することができる。
【0006】
フレームの眉部は、ブリッジから離れて第1の端部の反対側の第2の端部に延びることができ、ユーザの眉の第2の側部に重ねて配置するよう構成することができる。フレームは、眉部の第2の端部と結合する第1の端部を有し、アームの自由端に延びている、第2のアームを含むことができる。第2のアームは、ユーザの第2の耳の近くに位置する自由端をもつ、ユーザの第2のテンプルに重ねて配置するよう構成することができる。
【0007】
フレームは、第1の方向と平行に突き出た軸の周りに回転することにより、ディスプレイがフレームに対し相対的に動くことができるよう構成された、フレームにディスプレイを保持するための手段を含むことができる。このような、ディスプレイをフレームに保持するための手段は、ディスプレイがフレームに対し相対的にこの軸にそって平行移動することができるよう構成することもできる。一例として、このような保持するための手段は、第1のアームの近くの第1の眉部に固定されたフレームの取り付け部を含むことができる。取り付け部は、支柱を含むことができ、ディスプレイは、ディスプレイをフレームに回転可能なように保持するための支柱を受け入れるよう構成することができる。ハウジングは、支柱に沿って横軸方向に移動可能なように構成することもできる。
【0008】
概ね透明なディスプレイは、プリズムの側部に対してゼロではない角度となっているプリズムの表面で見ることのできるように、プリズムの側部に投影した画像を作り出すよう構成された、透明な材料のプリズムとすることができる。投影した画像は、プリズムを通して見ることのできる外部画像と共に装置の着用者により見ることができる。プリズムは、第1のアームに隣接するハウジングに収納することができる。このようなハウジングは、プリズムの側部に画像を投影するよう構成された画像ソースを含むことができる。プリズムは、画像ソースへのアタッチメントを介してフレームに取り付けることができ、画像ソースは、ハウジング内で回転可能に保持することができる。フレームの眉部は、ハウジングをフレームに取り付けるための、ハウジングを受け入れるよう構成された受け入れ部を含むことができる。
【0009】
この装置の入力は、フレームのアームに取り付けることによりフレームに固定した接触感知入力装置とすることができる。接触感知入力は、ざらつきを有するタッチ面を含むことができる。さらに、接触感知入力は、多重タッチ面を含むことができる。加えて、又はもう1つの方法として、この入力装置は、入力に関して装置の動きを検出するよう構成されたモーションセンサーを含むことができる。この装置はさらに、フレームに取り付けられ、第1のアームの反対の方向に向けてあり、概ね眉部と垂直になっているカメラを含むことができる。
【0010】
この装置はさらに、フレームの一部に固定した電子装置の制御回路を有するエレクトロニクスハウジングを含むことができる。このエレクトロニクスハウジングは、第1のアームの自由端に取り付けることができ、このアームから離れる方向に突き出た部分を含むことができ、少なくともユーザの耳の一部の周囲に延びるよう構成される。加えて、又は、もう1つの方法として、このエレクトロニクスハウジングには、装置に電力を供給するためにバッテリーを封入するよう構成することができる。
【0011】
本明細書に開示した他の実施の形態は、ユーザの頭に着用するように構成されたフレームを有する電子装置に関する。このフレームには、ユーザの鼻で支えるように構成されたブリッジと、このブリッジと結合しこのブリッジから延びてブリッジから離れた第1の端部にまで延び、ユーザの眉の第1の側部に配置するように構成された眉部と、眉部の第1の端部と結合し自由端に延びている第1の端部を有する第1のアームを含む。第1のアームは、ユーザの第1の耳の近くに位置する自由端を有する、ユーザの第1のテンプルに重ねて配置するよう構成される。ブリッジは、ユーザの目に対して眉部の相対的位置を選択的に定めるために、調整可能となっている。装置はさらに、概ね透明なディスプレイと、ディスプレイが第1の眉部と平行に延びる第1の軸の周りに回転することでフレームに対して相対的に動かすことができるような状態で、ディスプレイをフレームに取り付ける手段とを含む。ディスプレイはまた、フレームに取り付けられ、ユーザから動作についての入力を受信するよう構成された入力装置とを含み、動作に関する情報がディスプレイに表示可能となっている。
【0012】
本明細書に開示した他の実施の形態は、ユーザの頭に着用するように構成されたフレームを含む電子装置と、ユーザの鼻で支えるように構成されたブリッジを含むフレームと、このブリッジと結合しこのブリッジから延びてブリッジから離れた第1の端部にまで延び、ユーザの眉の第1の側部に配置されるように構成された眉部と、眉部の第1の端部とつながり自由端に延びている第1の端部を有する第1のアームと、を含む。第1のアームは、ユーザの第1の耳の近くにおかれた自由端を有する、ユーザの第1のテンプルに重ねて配置するよう構成される。装置はまた、フレームに取り付けられフレームの眉部に隣接して配置された概ね透明なディスプレイを含む。入力装置がフレームに取り付けられ、ユーザから動作についての入力を受信するよう構成され、動作に関する情報がディスプレイに表示可能となっている。電子装置の制御回路を有するエレクトロニクスハウジングが第1のアームの自由端に取り付けられ、このエレクトロニクスハウジングはこのアームから離れる方向に突き出た部分を有し、少なくともユーザの耳の一部の周囲に延びるよう構成される。ディスプレイ及び入力装置は、ユーザの耳の第1の側部に第1のウェイトとして作用し、力を加えることができ、エレクトロニクスハウジングは、耳の第2の側部に力を集中させ、第1のウェイトに対するバランシングウェイトとして力が加わるよう配置することができる。
【0013】
本明細書に開示した他の実施の形態は、ユーザの頭に着用するように構成されたフレームを含む電子装置に関する。このフレームは、ユーザの鼻で支えるように構成されたブリッジと、このブリッジと結合しこのブリッジから延びてブリッジから離れた第1の端部にまで延びる胴体を有する眉部と、を有する。この眉部の胴体は、この胴体の少なくとも一部に沿うフランジと、このフランジと実質的に垂直な第1の壁とを含み、このフランジと第1の壁とが相まって受光部を画定する。この眉部は、ユーザの眉の第1の側部に配置されるように構成される。第1の端部を有する第1のアームは、眉部の第1の端部と結合し自由端へと延びている。この第1の端部は、ユーザの第1の耳の近くに位置する自由端を有する、ユーザの第1のテンプルに重ねて配置するよう構成される。この装置はさらに、ディスプレイハウジングと概ね透明なディスプレイエレメントを含むディスプレイユニットを含む。このディスプレイユニットは眉部の受光部内に取り付けられる。入力装置は、フレームに取り付けられユーザから動作についての入力を受信するよう構成され、動作に関する情報がディスプレイエレメントに表示可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】データを受信し、伝送し、表示するための例示的システムを図解したものである。
図2図1のシステムを別の角度から見たものを示す。
図3A】データを受信し、伝送し、表示するための例示的システムを図解したものである。
図3B】データを受信し、伝送し、表示するための例示的システムを図解したものである。
図4】データを受信し、伝送し、表示するための例示的システムを図解したものである。
図5】着用可能な計算装置を図解したものである。
図6図5の装置を別の角度から見たものを示す。
図7】装置の種々の部品を示す図5の装置の分解図である。
図8】装置の種々の部品を示す図5の装置の分解図である。
図9A図5の装置の特徴を図解する概略図である。
図9B図5の装置の特徴を図解する概略図である。
図10図5の装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本願に開示した実施の形態を、図を参照して説明する。図1は、データを受信し、伝送し、表示するための例示的システム100を図解したものである。このシステム100は、着用可能な計算装置の形で示されている。図1は、着用可能な計算装置の1つの実施例として頭部着用装置102を図解しているが、他の着用可能な計算装置を追加して、或いはもう1つの方法として用いることができる。図1に示すように、頭部着用装置102は、レンズフレーム104及び106と、センターフレームサポート108と、レンズエレメント110及び112と、突き出たサイドアーム114及び116とを具備する。センターフレームサポート108と突き出たサイドアーム114及び116とは、それぞれユーザの鼻及び耳を介して頭部着用装置102を保持するように構成される。
【0016】
フレームエレメント104、106、及び108と、突き出たサイドアーム114及び116とは、プラスチック及び/又は金属の中空でない構造で形成することができ、或いは、同様の材料で、頭部着用装置102を内部から通り抜けて配線及び部品を相互接続することが可能なように、中空構造にして形成することができる。なお他の材料を使うことも可能である。
【0017】
各レンズエレメント110及び112の1つ以上は、投影した画像又はグラフィックを適切に表示するどのような材料で形成してもよい。各レンズエレメント110及び112はまた、ユーザがこのレンズエレメントを通して見ることができるように十分透明にすることができる。レンズエレメントのこのような2つの特徴を組み合わせることにより増補した現実、すなわちユーザがレンズエレメン通して知覚する現実世界の景色に、投影された画像又はグラフィックを重ね合わせるヘッドアップディスプレイを容易に実現させることができる。
【0018】
突き出たサイドアーム114及び116は、それぞれレンズフレーム104及び106から延びる突起とすることができ、ユーザに頭部着用装置102を固定するためにユーザの耳の後ろに配置することができる。突き出たサイドアーム114及び116を、さらに、ユーザの頭の後部の周囲にまで拡張することにより、ユーザに頭部着用装置102を固定することができる。加えて又はもう1つの方法として、例えば、システム100を、頭部に着用するヘルメット機構内に結合又は固定することができる。なお、他の方法も存在する。
【0019】
システム100はまた、オンボード計算システム118と、ビデオカメラ120と、センサー122と、指操作可能なタッチパッド124とを含むことができる。オンボード計算システム118は、頭部着用装置102の突き出たサイドアーム114に配置しているよう描かれているが、オンボード計算システム118は、頭部着用装置102の他の部分に取り付けることもでき、頭部着用装置102から離れた位置に置くこともできる(例えば、オンボード計算システム118は頭部着用装置102に有線又は無線で接続することも可能である)。オンボード計算システム118は、例えば、プロセッサー及びメモリーを含むことができる。オンボード計算システム118は、ビデオカメラ120及び指操作可能なタッチパッド124(及び、場合によっては、他の装置、ユーザインターフェース、又はその両方)からのデータを受信し分析し、レンズエレメント110及び112により画像を生成し出力するよう構成することができる。
【0020】
ビデオカメラ120は、頭部着用装置102の突き出たサイドアーム114に配置しているよう描かれているが、ビデオカメラ120は、頭部着用装置102の他の部分に取り付けることもできる。ビデオカメラ120は、種々の分解能又は異なるフレームレートで画像を捕捉するよう構成することができる。例えば、携帯電話又はウェブカメラに用いられるような、小さな形状の多くのビデオカメラを、システム100の1つの実施例に組み込むことができる。
【0021】
さらに、図1では、1つのビデオカメラ120が描かれているが、それ以上のビデオカメラを用いることもでき、各々同じ情景を補足、又は別々の情景を補足するよう構成することができる。例えば、ビデオカメラ120は、ユーザが知覚する現実世界の情景の少なくとも一部を捕捉するために前方に向けることができる。ビデオカメラ120により捕捉された前方の画像は、ユーザが知覚する現実世界の情景とコンピュータにより作られた画像とが相互作用して見えるような、増補した現実を生成するために用いることができる。
【0022】
センサー122は、頭部着用装置102の突き出たサイドアーム116上にあるよう示されているが、センサー122は、頭部着用装置102の他の部分に配置することもできる。センサー122は、例えば、1つ以上のジャイロスコープ又は加速度計を含むことができる。他の検知装置を、センサー122内に又はセンサー122に加えて含めることができ、或いは、他の検知機能をセンサー122により実行することもできる。
【0023】
指操作可能なタッチパッド124が頭部着用装置102の突き出たサイドアーム114上に示されている。しかしながら、指操作可能なタッチパッド124は、頭部着用装置102の他の部分に配置することもできる。また、1以上の指操作可能なタッチパッドを頭部着用装置102に置くこともできる。指操作可能なタッチパッド124は、命令を入力するためにユーザが用いることができる。指操作可能なタッチパッド124は、他の可能性の中でもとりわけ、静電容量検知、抵抗検知、又は表面音波処理、により指の位置及び動きのうちの少なくとも1つを検知することができる。指操作可能なタッチパッド124は、パッド面に平行又は平面的な方向への、又はパッド面の法線方向への、又はその両方向への指の動きを検知することができ、また、パッド面に加わる圧力のレベルも検知するができる。指操作可能なタッチパッド124は、1以上の半透明な又は透明な絶縁層及び1以上の半透明な又は透明な導電層で形成することができる。指操作可能なタッチパッド124の端部は、表面を隆起させ、又は凹ませ、又は粗くして、ユーザの指が指操作可能なタッチパッド124の端部又は他の領域に届いたとき触覚による手ごたえを与えるよう形成することができる。1つ以上の指操作可能なタッチパッドがある場合、各指操作可能なタッチパッドを独立に操作し、別々の機能を持たせることができる。
【0024】
図2は、図1に示したシステム100を別の角度から見たものを図解する。図2に示すように、レンズエレメント110及び112はディスプレイエレメントとしての役割を果たすことができる。頭部着用装置102は、突き出たサイドアーム116の内側の面に結合し、レンズエレメント112の内側の面上のディスプレイ130に投影するよう構成された第1のプロジェクター128を含むことができる。加えて、又はもう1つの方法として、第2のプロジェクター132を突き出たサイドアーム114の内側の面に結合させ、レンズエレメント110の内側の面上のディスプレイ134に投影するよう構成することができる。
【0025】
レンズエレメント110及び112は、光投影システムのコンバイナとしての役割を果たすことができ、プロジェクター128及び132から投降した光を反射するコーティングを含むことができる。いくつかの実施の形態において、反射コーティングを使わないこともできる(例えば、プロジェクター128及び132がスキャニングレーザ装置であるとき)。
【0026】
別の実施の形態では、他の形式のディスプレイエレメントも用いられる。例えば、レンズエレメント110及び112そのものには、エレクトロルミネッセントディスプレイ又は液晶ディスプレイのような、透明又は半透明のマトリックスディスプレイや、ユーザの目に画像を送るための1以上の導波路や、焦点の合った眼近接型画像をユーザに送ることができる他の光学エレメントを含めることができる。対応するディスプレイドライバは、このようなマトリックスディスプレイを駆動するために、フレームエレメント104及び106内に置くことができる。もう1つの方法として又は付加的に、レーザ又はLEDソースとスキャニングシステムとを1以上のユーザの目の網膜に直接ラスターディスプレイで描画するために用いることもできる。また、他の可能性も考えられる。
【0027】
図3Aはデータを受信し、伝送し、表示するための例示的システム200を図解する。このシステム200は、着用可能な計算装置202の形で示されている。着用可能な計算装置202は、図1及び図2に関して説明したようなフレームエレメント及びサイドアームを含むことができる。着用可能な計算装置202は、付加的に、図1及び図2に関して説明したようなオンボード計算システム204及びビデオカメラ206を含むことができる。着用可能な計算装置202のフレームにビデオカメラ206が取り付けられているように描かれているが、ビデオカメラ206は他の位置に取り付けることもできる。
【0028】
図3Aに示すように、着用可能な計算装置202は、この装置と連結することができる1つのディスプレイ208を含むことができる。このディスプレイ208は、図1及び図2に関して説明したレンズエレメントのような、着用可能な計算装置202のレンズエレメントの1つに形成することができ、ユーザが見る現実世界にコンピュータで生成したグラフィックスを重ねるよう構成することができる。着用可能な計算装置202のレンズの中心にディスプレイ208を取り付けるよう示されているが、このディスプレイ208は、他の位置に取り付けることもできる。ディスプレイ208は、光導波路210を介してディスプレイ208と接続された計算システム204により制御可能である。
【0029】
図3Bはデータを受信し、伝送し、表示するための例示的システム220を図解する。このシステム220、着用可能な計算装置222の形で示されている。着用可能な計算装置222は、サイドアーム223と、センターフレームサポート224と、鼻あて225の付いたブリッジ部とを含むことができる。図3Bに示した実施例では、センターフレームサポート224はサイドアーム223とつながっている。着用可能な計算装置222は、レンズエレメントを有するレンズフレームを含んでいない。着用可能な計算装置222は、図1及び図2に関して説明したような、内蔵型計算システム226及びビデオカメラ228を付加的に含むことができる。
【0030】
着用可能な計算装置222は、サイドアーム223又はセンターフレームサポート224の1つと結合した1つのレンズエレメント230を含むことができる。レンズエレメント230は、図1及び図2に関して説明したディスプレイのようなディスプレイを含むことができ、ユーザが見る現実世界にコンピュータで生成したグラフィックスを重ねるよう構成することができる。1つの実施例として、1つのレンズエレメント230は、突き出たサイドアーム223の内側部(すなわち、ユーザが着用したときユーザの頭に触れる側の部分)に取り付けることができる。1つのレンズエレメント230は、着用可能な計算装置222をユーザが着用したとき、ユーザの目の前又はユーザの目に近付けて配置することができる。例えば、1つのレンズエレメント230は、図3Bに示すように、センターフレームサポート224の下に配置することができる。
【0031】
図4は、例示的コンピュータネットワーク基盤設備の概略図を示す。システム300において、装置310は、通信リンク320(例えば、有線又は無線接続)を用いて遠隔装置330と通信する。この装置310は、データを受け取り、そのデータに対応する情報又はそのデータに関連する情報を表示することができる。例えば、この装置310は、図1図3Bに関して説明したような頭部着用装置102、200、又は220のようなヘッドアップディスプレイシステムとすることができる。
【0032】
従って、装置310は、プロセッサー314及びディスプレイ316を具備するディスプレイシステム312を含むことができる。ディスプレイ310は、例えば、光学的に透き通ったディスプレイや、光学的に周囲の見えるディスプレイや、透き通ったビデオとすることができる。プロセッサー314は、遠隔装置330からデータを受け取り、ディスプレイ316上にデータを表示するように構成することができる。プロセッサー314は、例えば、マイクロプロセッサーやディジタル信号プロセッサーのような、どのような形式のプロセッサーでもよい。
【0033】
装置310は、プロセッサー314につながれたメモリー318のような、内蔵型データ記憶装置をさらに含むことができる。メモリー318は、例えば、プロセッサー314からアクセスできプロセッサー314により実行することができるソフトウェアを記憶することができる。
【0034】
遠隔装置330は、データを装置310に伝送するよう構成された、ラップトップコンピュータ、携帯電話、またはタブレット計算装置、等を含む、どのような形式の計算装置又は伝送器でもよい。遠隔装置330及び装置310は、プロセッサー、伝送器、受信器、アンテナ、等のような、通信リンク320を可能とするハードウェアを含むことができる。
【0035】
図4において、通信リンク320は、無線接続として示されているが、有線接続も用いることができる。例えば、通信リンク320は、ユニバーサルシリアルバスのような有線シリアルバス又はパラレルバスとすることができる。有線接続は独自の接続としてもよい。通信リンク320はまた、他の可能性の中でも、例えばブルートゥース(登録商標)、無線技術、IEEE802.11に記載された通信プロトコル(IEEE802.11改訂版を含む)、(GSM、CDMA、UMTS、EVDO、WiMAX、又はLTEのような)携帯電話技術、Zigbee(登録商標)技術を用いた無線接続とすることもできる。遠隔装置330は、インターネットを介してアクセスすることができ、特定のウェブサービス(例えば、ソーシャルネットワーキング、フォトシェアリング、アドレスブック、等)と関連させたコンピューティングクラスターを含むことができる。
【0036】
図5図10は、図1図4を参照して上述したシステム100に組み込むことのできる装置10を示す。図5及び図6は、ユーザが画像を見ることができるようにユーザの目に接近させて配置したディスプレイ50と共にユーザの頭に着用するように構成された装置10の実施の形態を示す。装置10はまた、ユーザが装置10の制御機能又は、装置10と結合又は通信接続した他の装置の機能を実行することができるように、ユーザからアクセス可能なタッチ入力70の形式の入力装置を含む。
【0037】
ディスプレイ50及びタッチ入力70は両方とも、装置10をユーザの頭に着用することができるようにする工夫が含まれているフレーム12に取り付けられている。一般に、フレーム12は、例えば度付き眼鏡又はサングラスのような、眼鏡のフレームと似たものとすることができる。装置10は、ここに示すように、眼鏡に一般的に含まれるレンズを欠き、さらに、レンズをフレームに固定するのを補助するために用いることのできる、眼鏡フレーム本体の下側の部分が含まれていない。しかしながら、ここに記載の装置10の他の実施の形態では、レンズ及びレンズをフレームに固定するのを補助することのできる、フレーム12の付加的な部品又は機構を含むことも可能である。
【0038】
フレーム12は、ユーザの鼻部分に置くように構成されたブリッジ部20を含む。図示の実施の形態において、ブリッジ部20は、ブリッジ20から延びる1対のブリッジアーム22を含む。図5に示した装置10の実施の形態では、ブリッジアーム22はブリッジ20から下向きの方向に延びている。図5に示した装置10の方位は、一般に、ユーザの頭が直立で中立位置にあるとき、ユーザが着用したときの装置10の方位に対応する。フレームを参照してなされる、ブリッジ20から下向きに延びるブリッジアーム22の説明は、説明を目的としてなされるものである。他の関連する説明は、同様の目的でなされるものであり、明示的に記載がない限り、本開示範囲を限定するものではない。
【0039】
ブリッジアーム22は、それぞれパッド24が取り付けられていることが好ましく、これを着用者の鼻の部分に置くことができる。パッド24は、心地よくするためにアームより柔らかい材料で作ることができる。加えて、パッド24を作る材料は、ユーザの鼻の表面に沿って滑り落ちることを防止するような柔軟性又はざらつきをもたせることができる。ブリッジアーム22は、ユーザの鼻に心地よく収まり取り付けられるよう可塑性をもたせることができる。さらに、ブリッジアーム22は、パッド24の位置をユーザに最も適合するような位置に変更することができるように、折り曲げ及び位置変更できるように変形させることができる。これには、お互いに近付け、又は引き離し、又はブリッジ20に対し前方及び後方に動かすことが含まれ、これにより、フレーム10の高さを調整し、ユーザの目の位置に対するディスプレイ50の相対的位置を調整することができる。ディスプレイ及びその他の機構の調整について、さらに以下に詳細説明する。他の実施の形態において、アーム及びパッドと同様の構造をブリッジ20の残りの構造に組み込むことができ、図示のブリッジの実施の形態と比べて、大きな領域又は小さな領域のブリッジがユーザの鼻に当たるよう、構成することができる。既存の眼鏡及びサングラスのデザイン中に組み込まれた構造に合致するような他の構成も可能である。
【0040】
フレーム12はまた、ブリッジ20から横方向に延びる1以上の眉部30を含む。図示の実施の形態は、2つの眉部30A及び30Bを含み、各々ブリッジ20から反対側に延びている。他の実施の形態において、眉部30Aにあるようなただ1つの眉部が含まれていて、ブリッジ部20から横方向に延びている。このような実施の形態では、ディスプレイ50の側部にただ1つの眉部が含まれている。さらに他の実施の形態では、1つまたは2つの眉部を、特別に作られたレンズの上に形成するか、それと置き換えることができる。眉部30A及び30Bは、着用者の視野を阻害しないように目の上(又はもう1つの方法として目の下)に配置する一方、ユーザ目を通り越して側方に延びる形状となっている。図示したものに加えて、眉部30A及び30Bについて、多くの異なる形や構造が可能である。具体的な眉部30A及び30Bの形はブリッジ部20の形や構造によって決めるようにすることができる。さらなる選択肢として、1つの眉部が、眉部又は眉部の中心近くに取り付けたブリッジ部を有し、その中心から反対側にある両方の目を通り越して横方向に延びるようにすることができる。
【0041】
眉部30A及び30Bは、ブリッジ部20と同じ材料とすることも違う材料とすることもできる。眉部30又はフレーム12の他の部品の適切な材料として、ポリカーネート、アクリル、ABS樹脂、及びポリエチレンのような種々のプラスチックを含むことができる。ブリッジ20及び眉部30を含むフレーム12の部品は、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、ニッケル、金、又は、1以上の列挙した材料又は同様の材料を含む種々の合金のような材料で作ることができる。眉部30は同じ材料でブリッジ部20と一体的に形成することができるし、或いは、眉部30とブリッジ部20とは異なる材料で作り、接着剤、ねじ、種々の形態の溶接、はんだ付け、ろう付け、等で接合することができる。
【0042】
フレーム12はまた、眉部30から延びて、ユーザのこめかみを通り、ユーザの耳に向かうアームの形で1以上のテンプル部を含む。図5に示すように、フレーム12は、眉部30A及び30Bのそれぞれから後方に延びるよう配置することのできる2つのアーム40A及び40Bを含むことができる。ブリッジ部の片側に1つの眉部をもつ実施の形態において、1つのアームのみ存在する。アーム40A及び40Bは、ユーザの頭に接触し装置をユーザの頭に保持することを手助けする付加的な場所又は領域を設けることができる。アーム40A及び40Bは、眼鏡の対応する所の構造又は機能と同じようにすることができる。
【0043】
アーム40A及び40Bは、図示のように、アーム40A及び40B及び眉部30A及び30Bの間にねじを用いて組み立てることのできる、堅固な接続部を用いてそれぞれ眉部30A及び30Bに接続することができる。もう1つの方法として、アーム40A及び40Bは、保管又は運搬を容易にするために眉部30に向かってアーム40A及び40Bを折り曲げることができるようなヒンジ部材を用いて、それぞれ眉部30A及び30Bに接続することができる。ヒンジを用いる場合、ユーザの頭に適度な圧力を加えるため、又は頭の大きさに違いがあっても快適なまま適応させるために、ヒンジをばね仕掛け又はその類のものとすることができる。もう1つの方法として、アーム40A及び40Bは、眉部30A及び30Bに一体的に形成することができる。いくつかの実施の形態において、アームは曲げることができるように、又は破損を防ぐために内部に金属を入れたプラスチック材料で作ることができる。
【0044】
アーム40A及び40Bには、それぞれアーム40A及び40Bと眉部30A及び30Bとの接続部42の反対側に自由端44が含まれる。自由端44は、装置10を着用したときユーザの耳の近くにくるよう配置することができる。耳部46は、アーム40A及び40Bの自由端44に取り付け、又は一体的に形成することができる。図5に示すように、耳部46は、ユーザの耳の後方部分に曲げるように、図に示すように、アーチ型又は曲線型の形状を含む。眼鏡の場合と同様に、耳部46の形は、曲げる量、耳のまわりまで延びていく長さ、及び、場合によっては、実際に耳の外側に保持されている接触部の長さを含めて、様々に変化する。アーム40は、ユーザに適切に適合させることができるように、又は別のユーザが選択できるように、眉部30に対する耳部46の相対的な位置が適切になるよう構成することができる。アーム40の形は、従って、眉部の大きさや形に応じて合わせることができる。例えば、アーム40は、実質的に眉部と垂直に眉部から後方に、実質的に直線的に延ばすことができる。他の実施の形態では、眉部30の外側端部に対して相対的にアームは、内側へ、外側へ、上向きに、下向きに角度をつけることができ、そして、求める適合性又は美的性質を得るためにどのような方向にも(また複数の方向に)曲げることができる。
【0045】
図示の通り、耳部46は、例えば、軸の周りに回転できるようにするヒンジ48を介したアタッチメントにより、アームの端部44と結合した別の構成要素とすることができる。この構成により、耳と接する長さを随意的に増大させるため、又は、頭の大きさ、耳の位置、等が異なる、別々のユーザ間で快適な当たり具合が得られるように、耳部46のさらなる調整が可能となる。別の実施の形態では、耳部46は、アーム40に固定又は一体的に形成することができる。さらなる実施の形態では、耳部46は、実質的にアーム40と一直線に延長することができ、又は、下方向ではなく内側に向け、耳のまわりをかぎ型に曲げないで、耳の最上部に耳部46を置くような位置へと延ばすことができる。このような実施の形態では、耳部46又はアーム40はユーザの頭の側部に圧力を加えるよう構成することができ、この圧力により生じた摩擦によりユーザの頭にフレーム12を少なくとも部分的に保持するようにできる。耳部46は、アーム40と同様の材料で作ることができ、又は、柔軟性のある又は摩擦の大きい特性を持つ、様々な熱可塑性のあるエラストマーのような、柔らかい感触の素材で作ることができる。
【0046】
先に説明したように、装置10はフレーム12に取り付けられた種々の入出力構造を含むことができる。出力構造として、ディスプレイに関連する電子部品を含むハウジング52に取り付けたプリズム54を含むディスプレイユニット50の形にすることができる。実施の形態に示すように、プリズム54はディスプレイの電子部品により生成された画像を表示するために用いられる。プリズム54は、(図7図9A、及び図9Bに示す)受光側58に投影された画像を受け取り、プリズム54の視覚側60を見ることにより画像がユーザに見えるようにするよう構成される。これは、プリズム54に特定の形を持たせ、及び・又は、材料に特定の特性を持たせることによりなされる。このような構造について以下に説明する。図5の実施の形態において、この分解図は図7に示されており、プリズム54の受光側50は、必要なビデオ画像をプリズム54の受光側58に投影するよう構成されたビデオプロジェクターがハウジング52の内側の電子部品に含まれるような、ハウジング52内又はハウジング52に隣接して置かれる。そのようなプロジェクターは、画像をプリズム54の適切な領域に集束させるために、必要に応じて、LCDディスプレイ、CRTディスプレイ、及びOLEDディスプレイとレンズを含むことができる。ディスプレイユニット50に関連する電子部品はまた、受け取ったビデオ信号に基づき必要な画像をプロジェクターに生じさせるために、制御回路を含むことができる。
【0047】
受光面58は、装置の着用者の周囲の情景と投影した画像とを合体させるために透明なプリズムを用いることができるよう、プリズム54の画面60に対して垂直にすることができる。これにより、ユーザは、周囲の環境とディスプレイユニット50の画像の両方を見ることができる。プリズム54及びディスプレイエレクトロニクスは、不透明な又は半透明の画像、或いはその組み合わせたものを画像の好ましい種々の組み合わせを実現するために構成することができる。
【0048】
ディスプレイユニット50は、プリズム54が眉部30Aの下に来るよう、或いは、ユーザが画面60を快適にみることができる位置にフレーム12に固定することができる。この基準に合致させるために、相異なる多くのプリズム54の位置が可能である。例えば、プリズムをユーザの目のすぐ前に置くことができ、或いは、ディスプレイ装置50の画像をユーザの直接的、又はまっすぐな直線からはそれるが、プリズム54内で快適性を損なわない範囲でユーザの目を上下させることにより画像を見ることができる程度に、ユーザの目の中心から上下に外れた位置にプリズムを置くこともできる。プリズム54は、同様の効果を得るためにユーザの目の中心から左右に外れた位置に置くこともできる。フレーム12又はディスプレイハウジング52とフレーム12との間のアタッチメントは、ユーザの目に対してプリズム56の相対的位置をユーザが調整できるようになっている。例えば、プリズム56の垂直位置は、ブリッジ部20のブリッジアーム22を調整することにより、ユーザの顔の上にある眉部30を上げ下げし、その結果として、フレーム12に固定したプリズム54を上下させることにより、変更することができる。
【0049】
図示の実施の形態において、ディスプレイハウジング52は、眉部30Aの一部として形成されたフレーム12の受光機構32中にあり、フレーム12に取り付けられている。受光機構32は、図示の通り、広がった上部34と、下にぶら下がった側部36と、内側に延びる底部38とを含む。受光機構32の3つの部分は、ハウジング52をフレーム12に固定するために、又は、ハウジング52を保護するために、又は好ましい美的外見を得るために、構成することができる。他の実施の形態では、受光機構32にはこのような側部が追加されていることも減らされている場合もある。例えば、ハウジングは、上部43に固定すること又は受光機構32だけにすること、及び機構32から側部又は底部をなくすことができる。図7の分解図に示すように、ハウジング52は、受光機構32の側部36でフレーム12に取り付けられている。支柱62は、側部32の内側から受光機構32の内側に突き出ている。ハウジング52中の対応する穴64は支柱62を確実に受け入れるが、支柱62上でハウジング52が回転、平行移動、又はこれらの組み合わせができるように、構成されている。支柱62はまた、平行移動の際にハウジング52が支柱62から抜けることを防止するために、及びフレーム12からハウジング52が偶発的に外れてしまうことを防止するために、フランジ、又は、つめ、ねじ、その他のような保持部品を含むことができる。支柱62及びフランジ66は、支柱62及び・又はフランジ66を変形させ、穴64とフランジ66との間でスナップ式に取り付けることができる、切り欠きその他のような、特徴を持たせるように、図示の実施の形態を修正することができる。さらに、支柱は、中空にし、さらに、側部36の中空部又は眉部30の中空部に開放し、電子表示に関する配線のルートとすることができる。受光機構32は、所定の範囲でハウジング52が回転するための間隔を設けることができるような大きさにすることができる。支柱62は、この所定の回転ができるように受光機構32内に置くことができる。
【0050】
フレーム12に対して相対的にハウジング52を回転させることにより、ユーザの目に対するプリズム54の画面60の相対的な角度の調整を可能にすることができる。この調整は、上述したように、異なるユーザの顔に装置10を異なる態様で着用したことにより、又は、ユーザの顔の上のプリズム54の垂直位置を恣意的に調整したことにより、ユーザの目に対するプリズム54の相対的な垂直位置が変化してもユーザが適切にプリズム54内の画像が見えるようにするために、有効となる。
【0051】
図9A図9Bに示すように、特定の構造のプリズム54において、画面60がプリズム54内の画像位置からユーザの目の焦点中心までの線に対して垂直になるようプリズム54を向けることが有利となることがある。ディスプレイハウジング52を回転可能にし、従って、プリズム54をフレーム12に対して相対的に回転させることにより、プリズム54を、顔の構造が異なるユーザが見ることに対して、及び、プリズム54の異なる垂直位置又は水平位置に対して、最適な角度に置くことができる。図9Aは、ユーザの目の水平中心92の上にプリズム54が位置することを示している。プリズム54は、面60が、面60とユーザの目90の中心との間を結ぶ直線94に垂直になるよう、ユーザの顔に対して横方向に延びる軸84(図9Aの紙面に出入りする軸)のまわりに旋回又は回転する。図9Aに示した図は単なる例示であり、異なるユーザは、異なる目の焦点中心を有することがある。図9Bは、プリズムが、ユーザの目の水平中心92に近い垂直位置にあり、プリズム54は、上述のようにユーザの最適な視界を得るために回転する。
【0052】
図10に示すように、支柱62に沿って及び/又は軸88に沿って、プリズム54の平行移動による調整も可能である。この平行移動によりプリズム54はユーザの目と横方向に位置合わせされ、ここで、フレーム12に対する相対的位置はユーザにより変更することができる。このような調整は、ユーザの好みにより、或いは、水平面に沿って最適な視界が得られるよう行うことができる。図10の例において、プリズムは、第1の位置P1と第2の位置P2との間を支柱62に沿ってスライドすることができ、そこにディスプレイ50が点線で示される。
【0053】
代替的実施の形態において、ディスプレイは、対応する電子回路に取り付けたプリズムと画像ソースとを含むことができる。そして画像ソースと電子回路とを、画像ソースと電子回路とがハウジング内で回転することにより、ハウジングに対してプリズムも回転することができるように、回転可能にハウジング内に取り付けることができる。他の1つの代替的実施の形態において、ハウジング52は、受光部32内の固定位置に取り付けられ、図9A図9B又は図10で説明したように、少なくとも、ユーザの頭にフレーム12をうまく適合させることに基づく位置の近くにプリズム54を配置するような構造とする。
【0054】
この実施例では、1つのディスプレイ50が眉部30Aの側部にあるよう示されている。ディスプレイ50は、そうしないで、同様に、眉部30Bに取り付けることが可能であることに注意すべきである。もう1つの方法として、各眉部に1つずつユーザの各々の目に対応させて固定した、2つのディスプレイユニットを含むことができる。さらなる選択肢として、1つのディスプレイを、両方の目で1つの画像を見ることが出来るようユーザの両方の目にまたがる構造のプリズム54又はその他の機構と共に用いることができる。
【0055】
上述のように、図6に示すようなタッチ入力70の形状の入力装置を装置10に含めフレーム12に取り付けることも好ましい。タッチ入力70は、他の可能性の中で、静電容量感知、抵抗感知、又は表面音波処理により、指の位置又は動きのうちの少なくとも1つを感知するように構成された、タッチパッドタイプの装置、又は、トラックパッドタイプの装置とすることができる。タッチ入力70はさらに、パッド面に平行に又は平面的方向の指の動き、又は、パッド面に垂直方向に、又はその両方向への指の動きを感知することができ、加えた力の大きさも感知できるようにすることもできる。タッチ入力70は、不透明な、又は、半透明な、又は、透明な、1以上の絶縁体の外層又は誘電体の外層、及び、不透明な、又は、半透明な、又は、透明な、1以上の導電層の内層を有するよう成形することができる。
【0056】
タッチ入力70の構成には、外側とタッチ入力70の内層を収納する内側空洞と、関連する制御回路のような電子的構造とを有するハウジング76を含むことができる。タッチ入力70の外層は、ハウジングの外壁とすることができ、タッチ入力70の内層に加えた大きさ、形、及び、位置により命令するものとして、1以上のタッチ面72の形態で、壁全体又は選択された動作領域を含むことができる。ハウジングの一部をタッチ入力70の外層としてとして用いる場合、ハウジング76はプラスチックな誘電体材料で作ることができる。代替的実施の形態において、タッチ面72は、ハウジング76の開口に取り付けた別の要素となる。
【0057】
図示の実施の形態において、タッチ入力70はアーム40Aに取り付けられ、ユーザの頭の側部に位置する垂直面を画定する。従って、着用したとき、タッチ入力70は装置10のユーザからは見えない。ユーザがタッチ入力70のタッチ面72を識別するのを手助けするために、ハウジング76は、ユーザの指がタッチ面72に触れたとき、触覚的フィードバックをユーザにもたらように、隆起させた、又は凹ませた、又は、粗くした表面により提供される手ざわりを持つようハウジング76を形成することができる。このような手ざわりは、タッチ面72の境界を画定することができ、タッチ面72全体にわたって一貫性があるように、或いは、タッチ面72に指が触れている場所をユーザにフィードバックするために、タッチ面72の水平長さ方向及び垂直長さ方向に沿って変化させることができる。
【0058】
図8に示すように、この実施の形態において、ハウジング76又はタッチ入力70は、受光部32の側部36から延びる接続部42Aでフレーム12に固定することができる。接続部42Aは、受光部32を含む眉部30Aに一体的に形成することができ、ねじその他の固定具のようなものによりハウジング76は接続部42Aに強く固定することができる。図6に示すように、タッチ入力70のハウジングは、外見上一様にするために、タッチ面72が接続部42Aの表面と同一平面となるよう構成することができる。もう1つの方法として、接続部42Aは、上述したように、アーム40Aを内側に折り曲げ、眉部30Bの近くに自由端44が来るようにすることができるようにヒンジを含むことができる。アーム40Aは、図示の通り、タッチ面72の反対側の側部でハウジング76に固定することができる。さらにアーム40Aは、はハウジング76の部品とすることによりタッチ入力70を部分的に含めるよう構成することができる。別の実施の形態において、アーム40Aは、アーム40B及びタッチ入力70と同様な構成とすることができる。
【0059】
タッチ入力70は、ハウジング76の上部面又は底部面のような付加的なタッチ面72を含むこともできる。これは、例えば、選択したハウジングの表面の下に静電容量センサー層を置くことにより実行することができる。他の実施の形態において、付加的なタッチ入力を、眉部30A又はディスプレイハウジング52のような、装置10の異なる位置に取り付けることができる。タッチ入力70の各々は、独立に動作し異なる機能を持つことができる。加えて、ハウジング76は、ロック又はスリープ機能を組み込むこと、又は、ユーザが装置10にオン状態とオフ状態とを切り替えることを含む、追加機能を装置10にもたらすことのできるボタンのような追加機構を含むことができる。
【0060】
タッチ入力70、又は、他の形式の入力は、内蔵型CPUのような、又は、スマートフォンやラップトップコンピュータのような遠隔装置のような装置10により実行される制御機能を提供するために、用いることができる。1つの実施の形態において、制御機能に関する情報はディスプレイ50上でユーザが見ることができる。1つの実施例として、この制御機能はメニューアイテムの選択事項となっている。そのような実施例では、選択の対象となるリストのメニューをディスプレイ50に表示することができる。ユーザは、タッチ入力70に沿って指の所定の動きにより、カーソルを動かすこと、或いは、ハイライトした選択肢をスクロールすることができ、異なる動きにより、ディスプレイにより表示された選択を受け入れることを確認することができる。メニューアイテムの選択例には、遠隔から関連付けられたスマートフォン呼びかけに応えるか拒否するか、ディスプレイに表示された地図をスクロールするか又はズームインするかを含めることができる。
【0061】
装置10に追加の入力機構を含めることができる。追加の入力機構には、図5に示すようなカメラ26、及びセンサー28を含めることができる。カメラは、ユーザの自由裁量で、写真を撮るため又はビデオを記録するために用いることができる。真実味を増大させる機能を組み込むのに用いるために、ユーザが見る環境の画像を得るための装置としてカメラを用いることもできる。センサー28は、例えばカメラ26に関連付けたファームウェア又はソフトウェアで用いることのできる光センサーとすることができる。図5図7に示すように、カメラ及びセンサーは、ハウジング78内に収納し、受光機構32内のディスプレイハウジング52の前に置くことができる。カメラ26及びセンサー28について他の場所に置くことも可能である。
【0062】
ディスプレイハウジング52及びタッチパッドハウジング72のうちの1つ又は両方とも、電子回路、及び/又は、装置10へのバッテリーのような電源を有することがある。この回路には、タッチパッド70、又は、ディスプレイ50、又は、カメラ26、又は、センサー28のための制御機器を含めることができる。加えて、両方又は一方のハウジングは、メモリー、又は、マイクロプロセッサー、又は、遠隔装置と接続するための携帯電話回路、又は、短距離無線回路(例えば、ブルートゥース)、又は、WiFi回路を含むことができる。加えて、上述の1以上の耳部46に一体化して形成したイヤフォンハウジング80中にこのような回路を含めることができる。図5及び図6に示すように、イヤフォンハウジング80は、ユーザが着用中にユーザの耳の後ろ又は耳を覆うように配置するよう構成することができる。イヤフォンハウジング80は、さらに、装置10の位置を固定するためにユーザの頭の一部に接触するよう構成することができる。イヤフォンハウジング80は、単4、単3、又は9ボルト形式のバッテリーのような、種々の形態の1つのバッテリー又は複数のバッテリーを含むよう構成することができる。バッテリーは、リチウムイオンバッテリー、又は、ニッケルカドミウムバッテリーのような充電可能なバッテリーとすることもでき、ユーザにより取り外し可能なもの、又は、恒久的なもの、又は、半恒久的なものとすることができる。イヤフォンハウジングは、装置10を電源につないでイヤフォンハウジングを取り外すことなくバッテリーに充電するために、又は、通信のために装置10を遠隔装置と接続するために、又は、上述のように装置10のメモリーに含まれるソフトウェアやファームウェアを更新またはインストールするために用いることのできるポート82を含むことができる。
【0063】
イヤフォンハウジング80は、タッチ入力70又はディスプレイハウジング50にバランシングウェイトを提供するために、構成し配置することができる。タッチ入力70及びディスプレイハウジング50は両方ともユーザの耳の前に配置することができ、ユーザの鼻に支えられるウェイト部分となる。イヤフォンハウジング80の形状中で、ユーザの耳の後ろにウェイトを追加することにより(又はユーザの耳の後ろにウェイトをずらすことにより)、耳が、ディスプレイ50の重みとタッチ入力70とがイヤフォンハウジング80の重みに対してバランスするための支点となる。これにより、ユーザの鼻に加わる重みがいくらか軽減されより快適に着用することができる。バッテリーや装置の種々の制御回路のような、イヤフォンハウジング80内の部品は、装置10重量を好ましく分布させるために構成することができる。例えば、バッテリーのような思い部品は、重量の分布を調整するためにアーム42Aの近く、又は、アーム42Aから離して配置することができる。実施の形態では、重量の大部分はユーザの耳で支えられるが、しっかりした感触を装置に与えるために、そして、ブリッジ20を鼻で保持しプリズム54の好ましい位置を確保するために、重量の一部を鼻で支えることができる。1つの実施の形態において、装置10の重量の55%から90%はユーザの耳で支えられる。加えて、イヤフォンハウジング80がアーム42Aに回転可能に取り付けられている実施の形態において、イヤフォンハウジング80の回転により、重み分布を自分の好みのものにすることができる。
【0064】
付加的な入力、制御回路ボード、アンテナ、等の追加の部品を装置に含めることができる。これらの追加の部品をフレーム12に取り付ける種々の位置は、所定の重量分布が可能となるよう選定することができる。
【0065】
本発明は特定の実施の形態を参照して記載したが、当然のことながらこれらの実施の形態は、本発明の原理及び応用例を単に示しただけのものである。従って、当然のことながら、添付特許請求の範囲で定義した本発明の精神及び技術的範囲から離れることなく、図示した実施の形態に対して多くの変更を加えることができ、他の構成を修正することもできる。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10