特許第6573599号(P6573599)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6573599ブロードバンド測定信号を測定する方法と装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573599
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】ブロードバンド測定信号を測定する方法と装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/40 20060101AFI20190902BHJP
   G01S 13/34 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
   G01S7/40 121
   G01S13/34
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-509424(P2016-509424)
(86)(22)【出願日】2014年4月22日
(65)【公表番号】特表2016-526150(P2016-526150A)
(43)【公表日】2016年9月1日
(86)【国際出願番号】EP2014058069
(87)【国際公開番号】WO2014173866
(87)【国際公開日】20141030
【審査請求日】2017年1月27日
(31)【優先権主張番号】102013207464.6
(32)【優先日】2013年4月24日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501172372
【氏名又は名称】ローデ ウント シュワルツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディット ゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Rohde & Schwarz GmbH & Co.KG
(74)【代理人】
【識別番号】100135828
【弁理士】
【氏名又は名称】飯島 康弘
(72)【発明者】
【氏名】シリロ ルーク
(72)【発明者】
【氏名】ラグレル アンドレアス
【審査官】 藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−275326(JP,A)
【文献】 特開平10−142322(JP,A)
【文献】 特開2007−212246(JP,A)
【文献】 特開2010−239265(JP,A)
【文献】 特表2008−501933(JP,A)
【文献】 特表2005−531184(JP,A)
【文献】 米国特許第7830456(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00− 7/42
G01S 13/00−13/95
G01R 23/16
H03D 7/00
H04J 1/04
H04L 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
参照信号(RFref )からのブロードバンド測定信号(RFin)の周波数の差(ε)を決定する方法であって、当該方法は下記のステップ、すなわち、
前記ブロードバンド測定信号(RFin)を少なくとも2つの測定信号周波数帯域(RFsub )に分割する、分割ステップ(1)と、
前記測定信号周波数帯域(RFsub )に対応する前記参照信号(RFref )の参照信号周波数帯域(RFref ,sub )に対応させるため、少なくとも2つの測定信号周波数帯域(RFsub )を遷移させる遷移ステップ(2)と、
前記少なくとも2つの測定信号周波数帯域(RFsub )を結合して再構成されたブロードバンド測定信号(RFrecon )を生成する、結合ステップ(3)と
を有する、
参照信号からのブロードバンド測定信号の周波数の差を決定する方法。
【請求項2】
前記ブロードバンド測定信号(RFin)は周期的に周波数変調された信号であり、当該周期的に周波数変調された信号の周期は、少なくとも部分的にリニア・周波数変調されている、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記結合ステップ(3)の後、前記再構成されたブロードバンド測定信号(RFrecon )から前記参照信号(RFref )を減じるステップ(4)が行われる、および/または、前記参照信号(RFref )と共に前記再構成されたブロードバンド測定信号(RFrecon )を表示するステップが行われる、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記遷移ステップ(2)は、少なくとも、前記参照信号(RFref )各測定信号周波数帯域(RFsub )を相関させるステップ(22)を具備する、
請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記遷移ステップ(2)は、トリガー信号(Text )を使用して実施される、
請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記結合ステップ(3)は、全ての遷移させた測定信号周波数帯域(RFsub,t )を加算するステップ(33)を具備する、
請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記遷移ステップ(2)は、前記測定信号周波数帯域(RFsub )の範囲(ドメイン)内において行われる、
請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記遷移ステップ(2)の処理の前に、復調処理ステップ(5)が実施される、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記遷移ステップ(2)は、前記測定周波数帯域(RFsub )のI/Q帯域において実施される、
請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記結合ステップ(3)は、下記の方法ステップ、すなわち、
前記参照信号(RFref )に対応する時間オフセット(t)により各測定信号周波数帯域(RFsub )を時間的に遷移させる時間遷移ステップ(31)と、
前記時間的に遷移させた測定信号帯域(RFsub ,t)の各々と、前記参照信号周波数帯域(RFref )に対応する周波数帯域キャリア(f)とをミキシング(混合)するミキシングステップ(6)と、
前記ミキシングした全ての測定信号周波数帯域を加算する加算ステップ(33)と、
前記ミキシングした測定信号周波数帯域を復調して、再構成されたブロードバンド測定信号(RFrecon )を生成する復調ステップと
を具備する、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
測定・エラー訂正ステップが前記結合ステップ(3)の後に実施される、
請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
ブロードバンド測定信号(RFin)を分析(解析)する測定装置であって、当該装置は、
前記ブロードバンド測定信号(RFin)を、各々がI/Qベースバンド信号である、少なくとも2つの測定信号周波数帯域(RFsub )に分割する分割ユニット(1)と、
参照信号(RFref )の対応する参照信号周波数帯域(RFref ,sub )に対して個々の測定信号周波数帯域(RFsub )を遷移させる遷移ユニット(2)と、
整列された測定信号周波数帯域(RFrecon )を結合して、再構成されたブロードバンド測定信号(RFrecon )を生成する結合ユニット(3)と、
前記参照信号(RFref )に対する前記再構成されたブロードバンド測定信号(RFrecon )の周波数の差(ε)が当該測定装置の開始値として提供されるように、前記参照信号(RFref )に対して前記再構成されたブロードバンド測定信号(RFrecon )を分析する分析ユニット(4)と
を具備する、
測定装置。
【請求項13】
当該測定装置には、受信した前記測定信号(RFin)の帯域幅(B)に依存する測定信号周波数帯域(RFsub )の数を決定するユニットが設けられ、当該ユニットは増加する帯域幅により前記測定信号周波数帯域(RFsub )の数を増加させる、
請求項12に記載の測定装置。
【請求項14】
当該測定装置には前記測定した周期の長さ(T)を選択するユニットが設けられている、
請求項12または13に記載の測定装置。
【請求項15】
当該測定装置には、当該測定装置の固有のノイズを減少させるため、フィルタ要素(7)、および/または、前記再構成されたブロードバンド測定信号の平均を求めるユニットが設けられている、
請求項12〜14のいずれかに記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、参照信号(基準信号)からのブロードバンド測定信号、特に、レーダー測定信号の差を決定する方法、および、当該方法に対応する測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
測定信号として下記の記述に参照される、連続する波形信号を再生すること(recurring)の利用は、レーダー(rader)技術において確立されている。連続する波形(英語、continuos waveform(CW)という信号の技術用語は、固定の振幅および周波数の電気・磁気的(electromagnetic)波形を含む。近年の自動車(車両)レーダー技術において、周波数変調した連続波形は、たとえば、車両の分野において、距離制御装置、距離警告装置を実現するため、または、自動車の駐車補助のために、使用されている。
【0003】
これらのレーダー装置によって、連続的な波形が送信され、レーダー装置の環境における対象物からの可能性のある反射信号が受信される。そのような信号は、リニア(直線)周波数変調されており、その周波数変調の直線性(リニアリティ)は、異なる傾き(different gradient)を提供する。受信した測定信号と送信した参照信号(基準信号)との間の比較から、推測が、送信機と対象物との間の距離および相対的な速度に関することが引き出される。特に、送信した参照信号と受信した測定信号との間の時間遅延およびオフセット(ドップラー)が本文脈において評価される。
【0004】
著者、Roling and Mollerにより、2008年5月、IEEE Rader Conferenceにおいて刊行された刊行物、”Rader Waveform for Rader System and Application”は、自動車レーダー装置を記述しており、当該自動車レーダー装置において、速度分解能(velocity-resolving )信号および距離分解能(distance-resolving )信号が調査される。この文脈において、リニア周波数変調された連続波形が使用されている。これらの信号は、少なくとも部分的にリニアである(直線性を持つ)。
【0005】
測定信号のバンド幅(帯域幅、bandwidth)が大きいと、レーダー装置の深さ分解能(depth resolution) も大きくなる。77GHz〜81GHzの周波数帯域で動作するレーダー装置に関して、そのような測定信号のバンド幅は、代表的には、2GHzである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】”RaderWaveform for Rader System and Application”、著者、Roling and Moller、2008年5月、IEEE Rader Conference
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
レーダー装置の精度を評価するためには、参照信号のリニアリティ(直線性)からの測定信号のリニアリティの差が決定される。それに代わる方法として、そのような信号に応答する位相が調査される。参照信号として下記に参照される、理想的な特性からの測定信号の差は、レーダー装置の精度に関して負の効果を持ち、その結果として、レーダー装置の性能を低下させる。リニアリティ・エラー(直線性エラー)によって引き起こされる参照信号からの測定信号の差は数GHzの範囲にある。そのようなブロードバンド測定信号は、現在使用可能な信号分析を用いるこの誤差の期待(error expectation )に関しては評価できない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、参照信号からのブロードバンド測定信号の差を決定する方法と装置を提供することにあり、ここで、測定装置の分析バンド(帯域)幅は、測定信号のバンド幅より、実質的に小さい。
当該目的は、共通に指向された、請求項1に記載の方法および請求項12に記載の装置の特徴によって実現されている。
利益的な実施の態様が、従属請求項に記載されている。
【0009】
当該目的は、特に、下記のステップ(段階)を有する方法によって実現され、当該方法は、ブロードバンド測定信号を少なくとも2つの測定信号の周波数帯域(frequency bands)に分割する(細分する、division)分割ステップ、少なくとも2つの測定信号の周波数帯域を測定周波数帯域に対応する参照信号の参照信号周波数帯域によって対応するように遷移させる(shift) 遷移ステップと、少なくと2つの測定信号の帯域を結合して(merging) 再構成されたブロードバンド測定信号を生成する結合ステップを有する。
【0010】
下記において、帯域幅(バンド幅)が、大きな振幅により測定信号の解析帯域より大きな信号が、ブロードバンド信号として、理解される。各周波数帯域のバンド幅は、好ましくは、測定装置の分析(解析)バンド幅より小さい。
【0011】
本発明に基づく方法は、利益的には、ブロードバンド測定信号が少なくとも2つの周波数帯域に細分され(分割され)、個々の(individual) 周波数帯域に対応する測定信号の分析が実施されること意味している。適切な信号処理アルゴリズムに基づいて、各周波数帯域は参照信号に対応して遷移させられ、それにより、ブロードバンドの再構成された測定信号を得ることができる。この再構成された信号は、評価のために、表示機器に表示され得る。
【0012】
好適な実施の形態において、ブロードバンド測定信号は、周波数変調された信号であり、ここで、その信号の周期は、少なくとも部分的に直線・周波数変調されている。周期性の結果として、測定信号は、たとえば、車両技術において、距離制御、距離警告または駐車補助を行うために、レーダー測定信号として、使用することが可能である。
【0013】
測定信号の区分(segmentation)として指定もされている、部分的にリニアな測定信号としての実施の形態が、たとえば、第1の時間周期にわたる周波数の第1のリニア勾配(傾斜)を通して、および、第2の時間周期にわたる周波数の第の2リニア勾配を通して、実現されている。これらのリニア勾配は異なる符号(signs )を提供することもできる。もし、第1の勾配からの第2の勾配の差が、測定信号の周期内に収容されている場合、レーダー装置の環境において検出された対象物に関する距離情報および速度情報は、参照信号に対する測定信号の時間遅延およびオフセットを通じて非常に正確に登録することができる。
【0014】
好適な実施の形態において、結合ステップの処理の後、再構成されたブロードバンド測定信号から参照信号を減じることが実施される。参照信号からの測定信号の差は、その結果として、直接、得ることができる。代表的には、その差は、数KHzであり、信号分析器を用いて、十分高い分解能の測定信号を得るため、測定信号を2つ以上の測定信号周波数帯域に細分(分割)することを遂行させなければならない。
【0015】
代替的には、結合ステップの処理の後、参照信号とともに再構成されたブロードバンド測定信号を表示するステップが遂行される。この方法により、差が視覚的に評価され得る。
【0016】
特に、前記遷移ステップはまた、参照信号測定・信号周波数帯域の各々を相関させるステップを具備する。このように、測定・信号の対応する周波数帯域は、それぞれの周波数帯域の時間遅延およびキャリア周波数に関連して結合されることができる。本発明に基づく相関の結果、個々の周波数帯域は、正しく結合される。したがって、遷移ステップは、時間領域(時間ドメイン)はもとより、周波数領域(周波数ドメイン)の両者において行われる。
【0017】
好適には、遷移ステップは、外部のトリガー信号を用いて行われる。その結果、測定信号の登録(registration)のための(解析)の周期が実質的により短くなるように、選択することができ、その選択は、測定信号の周期が始まるとき、キャリア信号の情報に基づいて決定することができる。測定信号の再構成のための各々の周波数帯域の時間への遷移は、したがって、比較的簡単な方法で実現される。
【0018】
好ましい実施の形態において、結合ステップは、遷移させた測定・信号周波数帯域の全てを加算する処理を含む。このようにして得られたブロードバンド測定信号は、参照信号と比較される。
【0019】
好ましい実施の形態において、遷移ステップは、周波数変調領域(frequency-modulation-domain 、略称として、FMドメイン、英文として、FM domain)内において行われる。このことは、参照信号からの測定信号のオフセット、および、測定信号の再構成のための周波数遷移が簡単な加算により行われることを可能にする。
【0020】
特に、変調ステップが、好ましくは、遷移ステップの処理の前に行われる。信号解析(信号分析)は、一般的に、同相ドメイン(I相、in−phase)および直交位相(Q相、Qudrature)ドメイン(略称として、I/Qドメイン、英文でI/Q domain)におけるベースバンドの周波数サブバンド(周波数副帯域、frequency sub−band)を提供するから、周波数サブバンドをFMドメインに変換することは、周波数変調を行うことにより実現でき、上述したように、測定信号の再構成が比較的簡単に行われるということを導く。
【0021】
好適な実施の形態において、遷移ステップはまた、I/Qドメイン内において行われる。好適な実施の形態において、結合ステップは、参照信号に対応する時間オフセットにより測定信号周波数帯域の各々を時間遷移を行い、周波数帯域キャリア周波数による測定信号周波数帯域の各々を乗算し、再構成されたブロードバンドの測定信号を生成するため、乗算した測定信号周波数帯域の全てを加算し、再構成された測定信号を変調するとによって行われる。
【0022】
特に、測定誤差の訂正ステップは、減算ステップの前に行われ、特に、ビデオのノイズの低減、および/または、再構成された測定信号の帯域制限により、減算ステップの前に行われる。このことは、実質的に固有のノイズを低減する。
【0023】
本発明の技術思想はまた、ブロードバンド測定信号を解析するための測定装置を含む。当該測定装置は、ブロードバンド測定信号を、各測定信号がI/Qベースバンド信号である少なくとも2つの測定信号周波数帯域に分割(細分)するユニットを備えている。当該測定装置は、参照信号(RFref )の対応する参照信号周波数帯域に対して個々の(individual)測定・信号周波数帯域に遷移させる遷移ユニットを具備する。さらに、当該測定装置は、再構成されたブロードバンド測定信号を生成するため、整列された(aligned
)測定信号周波数帯域に再構成する結合ユニットを備えている。当該測定装置はまた、参照信号に対する再構成されたブロードバンド測定信号を分析する分析ユニットを備えており、参照信号に対する再構成されたブロードバンド測定信号の差が当該測定装置の開始値として提供される。
【0024】
特に、当該測定装置には、固有のノイズを低減するユニットを備えている。このユニットは、ビデオフィルタ、および/または、再構成された測定信号の平均を演算するユニットのいずれかである。この平均値もまた、追跡平均(trace averaging)として指定されている(designated)。
【0025】
下記の記述において、本発明およびそれぞれの更なる実施の形態、および、本発明の利点が添付した図面に関連づけてより詳細に記述される。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、参照信号からのブロードバンド測定信号の差を決定する方法が提供される。
【0027】
また本発明によれば、参照信号からのブロードバンド測定信号の差を決定する装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】測定信号の差の平均化のための本発明に基づく方法の第1の例示的な実施の形態を示す図である。
図2図1に図示した本発明に基づく例示的な実施の形態のさらなる展開を示す図である。
図3図2に図示した本発明に基づく代替的な実施の形態を示す図である。
図4図4(a)は本発明に基づく分割(細分)ユニットのブロック回路図、および図4(b)は図4(a)に図解した細分ユニットの伝送特性を示す図である。
図5】本発明に基づく周波数変調器を示す図である。
図6】本発明に基づくI/Qドメインにおける整列ユニットを示す図である。
図7】本発明に基づくFMベースバンドにおける整列ユニットを示す図である。
図8】本発明に基づくI/Qドメインにおける結合ユニットを示す図である。
図9】本発明に基づくFMベースバンドにおける結合ユニットを示す図である。
図10】参照信号を用いた本発明に基づくブロードバンド測定信号を示す図である。
図11図11(a)は、変調の後の本発明に基づく周波数帯域、および、図11(b)は、フィルタ処理の後の本発明に基づく変調周波数帯域を示す図である。
図12図12(a)は本発明に基づく外部トリガー信号、図12(b)はベースバンド測定信号を3つの周波数帯域にする本発明に基づく細分(分割)信号、図12(c)は本発明に基づく再構成されたブロードバンド測定信号を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
下記の記述において、本発明およびそれぞれの更なる実施の形態、および、本発明の利点が添付した図面に関連づけてより詳細に記述される。
【0030】
添付した図面は、本発明の例示的な実施の形態のみを記述している。図面において、同じ構成要素は同じ符号(記号)が付されている。
【0031】
図1は本発明の第1の例示的な実施の形態を示す。この文脈において、ブロードバンド測定信号RFinが、分割(細分、division 、splliter)ユニット1の入力部に入力されている。ブロードバンド測定信号RFinの種々の周波数帯域RFsub が分割ユニット1の出力部から提供される。これらの測定信号周波数帯域RFsub は、整列(alignment 、アライメント) ユニット2に提供される。これらの測定信号周波数帯域RFsub,t は、結合(merging)ユニット3に提供される。ブロードバンド再構成測定信号RFrecon が、結合ユニット3の出力部から提供される。ブロードバンド結合(組み合わせ) 測定信号RFrecon が評価(evaluation )ユニット4に提供される。ブロードバンド測定信号RFinと参照信号RFref との差(偏差)信号εが、評価ユニット4の出力部において提供される。この目的のために要求される参照信号RFref は、評価ユニット4に利用可能に生成される、または、評価ユニット4で発生される。
【0032】
図1に図解した本発明に基づく例示的な実施の形態により、ブロードバンド測定信号が複数の周波数サブバンド(sub-band、副帯域)信号RFsub に分離される。分割により、測定装置、特に、信号分析装置は、ブロードバンド測定信号RFinのバンド幅(帯域幅)より比較的小さな分解能(resolution)で、ブロードバンド測定信号RFinと参照信号RFref との間の差(偏差)εを決定するために使用することができる。レーダー測定信号に関して、偏差(誤差)εがKHzの範囲で起こるが、ブロードバンド測定信号RFinの帯域幅は数GHzになる。
【0033】
図2図1に図解した本発明の例示的な実施の形態のさらなる発展を示す。図2に基づく図解は、I/Qドメインにおいて動作する本発明に基づく方法またはその特定装置を示す。そのような同相(I-phase )信号/直交相(Qudrature-phase )信号が、測定装置において、標準的な方法で使用されている。I/Qドメインから周波数ドメインに変換するため、図5においてより詳細に述べる復調器が、図2において、分割ユニット1と整列ユニット2との間に導入されている。以下、整列ユニット2および結合ユニット3は、簡単な数学的動作により、特に、加算により、ブロードバンド再構成測定信号RFrecon を決定し、アライメント(整列)誤差εを提供する。
【0034】
図2の代替として、図3は、図1に図解した本発明に基づく主題の更なる改善を記述している。図2からの差異により、復調器5は、結合ユニット3と評価ユニット4との間に導入されている。図3の例示的な実施の形態に図解のように、分割ユニット1は、I/Qドメインにおける測定信号周波数帯域RFsub における測定信号RFinを提供する。図3に基づけば、この方法によって提供されるI/Qデータは、整列ユニット2および結合ユニット3に直接利用可能である。
【0035】
したがって、図1図3の図解は、ブロードバンド測定信号RFinの分割のための例示的な実施の形態を示す。このため、参照信号RFref と比較されるブロードバンド組み合わせ(結合)測定信号RFrecon が、一方では、評価ユニット4に提供される。比較は、ブロードバンド組み合わせ測定信号RFrecon から参照信号RFref を減じることによって決定され、偏差εが直接、表示される。代替方法としては、評価ユニット4が、ブロードバンド再構成測定信号RFrecon および参照信号RFref を単に表示する測定装置の表示素子がある。そこで、偏差εは適切な評価アルゴリズムにより、推測することができる。
【0036】
図4(a)は、図1図3における本発明に基づく分割ユニット1を示す。分割ユニット1の入力部に接続されたブロードバンド測定信号RFinが、3つの周波数帯域I/Q1 、I/Q2 、I/Q3 に細分割(分割)される。この文脈において、各周波数副帯域(サブバンド)I/Q1 、I/Q2 、I/Q3 の帯域幅(バンド幅)は、測定装置の解析(分析)帯域より小さい。
【0037】
図4(a)の図解によれば、ブロードバンド測定信号RFinは、ミキシング(混合)ユニット6において、第1キャリア周波数ω1 と混合される(ミキシングされる)。続けて、周波数サブバンド(周波数副帯域)I/Q1 の位置ではないブロードバンド測定信号RFinのスペクトルのある部分が、フィルタ要素7、特に、バンド・パスフィルタを介して除去される。次いで、得られたベースバンド信号が、アナログ/ディジタル変換器8においてディジタル信号にされてI/Q変調器9に印加される。I/Q変調器9の出力部において、周波数サブバンドI/Q1 が得られる。それぞれの周波数サブバンドが、いわゆる、I/Qデータとして得られ、I/Q1 信号として下記において指定される。
【0038】
2つの他の周波数サブバンドI/Q2 、I/Q3 は、ブロードバンド測定信号RFinと、第2キャリア周波数ω2 、または、第3キャリア周波数ω3 とともに混合される(ミキシングされる)。したがって、周波数サブバンドが、I/Qデータとして、I/Q変調器9の出力部において得られる。
【0039】
図解し易い方法で、図4(b)は、図4(a)に図解した分割分割の伝達形態を示す。この文脈において、ブロードバンド信号RFinが連続的な線として描かれている。このブロードバンド信号RFinは、それぞれがダッシュ線(破線)として図解されている、キャリア周波数ω1 、ω2 、ω3 に対応する3つのサブバンドRFsub1〜RFsub3分割される。これらサブバンドRFsub1〜RFsub3はさらに、ベースバンド信号としてミキシング(混合)ユニット6によりさらに処理される。このために必要なフィルタ処理がフィルタ要素7により遂行される。
【0040】
周波数帯域の数の選択が、当該測定装置の内部で行われる。この文脈において、測定装置の帯域幅の分解能および測定信号の帯域幅Bは臨界的である。ブロードバンド測定信号RFinの帯域幅が広いと、適切な分解能で、特に、kHzの範囲で、信号分析を行うためには、より多くの周波数帯域が必要である。
【0041】
図5は本発明に基づく復調器5を示す。この復調器は、たとえば、図4(a)に示すように、I/Q信号として示されている周波数帯域を、FMドメインにおける周波数に変換するために、図2および図3の図解に基づいて必要である。一般的に、振幅Aを持つ位相不変(phase-invariant 、フェーズ・インバリアント)信号x(t)は下記式で表される。
【0042】
【数1】
【0043】
角周波数ωは位相φの時間微分である。
【0044】
【数2】
【0045】
時間離散(time-discrete )信号に関しては、下記が適用できる。
【0046】
【数3】
【0047】
時間離散信号の場合、位相φに関して下記が適用できる。
【0048】
【数4】
【0049】
ここで、IはI/Q信号の同相(in-phase) 成分を表しており、QはI/Q信号の直交位相(quadrature-phase) 成分を表している。
【0050】
したがって、I/Q1 〜I/Q3 信号を適用した場合、位相の値φは、位相ユニット51における2つの連続的にサンプルされたI/Q信号の間の位相差Δφと逆正接(アーク・タンジェント)計算によって決定される。位相ユニット51からの結果は、それから、上記関係に基づいて位相の差を決定する微分器(differentiator)52に印加される。したがって、それぞれのI/Q信号の位相情報の差を通じて、信号が周波数ドメインに転換される(transfer) 。微分器52は、理想的なハイパスにより、または、サブバンドRFsub の周波数ドメインのために必要なサブレンジのために少なくともリニアであるハイパスにより、特別に、製造されている。
【0051】
図6は本発明に基づく整列(アライメント)ユニット2を示す。図6の図解に基づけば、図3の図解からの例示的な実施の形態に基づくI/Q信号が整列ユニット2の入力に接続されている。相関器(correlator) 22により、それぞれの周波数帯域に対応している参照周波数帯域I/Qref と相関がとられる。そのような参照周波数帯域I/Qref を得るため、参照信号RFref が周波数変調器21によって変調され、その帯域がフィルタ要素7によって制限される。
【0052】
相関器22において、対応する参照帯域I/Qref がそれぞれのI/Q信号と比較されて、対応する時間定数tおよび対応するキャリア周波数fを決定する。時間定数tおよびキャリア周波数fは、正しい順序におけるI/Q信号(ベースバンド信号)を、結合ユニット3における正しい時間連続を用いて、結合し、再構成して再構成信号RFrecon を形成するために、必要である。
【0053】
それぞれの時間置換t1 〜t3 、そしてまた、それぞれのキャリア周波数f1 〜f3 は、整列(アライメント)ユニット2の出力においてピックアップされる。キャリア周波数f1 〜f3 は、分割(細分)ユニット1のキャリア周波数ω1 ,ω2 、ω3 に対応している。
【0054】
図7図2に示した例示的な実施の形態のための整列(アライメント)ユニット2を示す。この文脈において、各周波数サブ帯域FM1 〜FM3 は、周波数サブ帯域FM1 〜FM3 に対応する参照信号サブ帯域FMref1〜FMref3と相関がとられる。図6に対応する、整列ユニット2の出力において、パラメータt1 〜t3 および周波数f1 〜f3 がパラメータとして、整列ユニット2に提供される。キャリア周波数f1 〜f3 は、分割(細分)ユニット1のキャリア角周波数ω1 ,ω2 ,ω3 に対応している。
【0055】
図7に基づく整列(アライメント)ユニット2は、図2に基づく整列2より簡単に実現できることは明白である、その理由は、参照信号RFref が周波数ドメインに存在する場合、参照信号RFref の変調は、簡潔化を導く、I/Qドメインにおいて実現する必要がないからである。
【0056】
図8は本発明に基づく結合ユニット3を示す。この文脈において、図3に図解した例示的な実施の形態に基づくI/Q信号は、結合ユニット3の入力に接続されている。付加的には、整列ユニット2に基づいて決定された、時間遅延tおよびキャリア周波数fが各I/Q信号のため、結合ユニット3に提供される。
【0057】
この文脈において、I/Q信号I/Q1 〜I/Q3 の各々が時間遅延ユニット31に提供されて、時間相関方法で測定信号RFinの時間遅延が再構成される。混合(ミキシング)ユニット6によるそれぞれのI/Q信号I/Q1 〜I/Q3 の時間遷移の後、I/Q信号I/Q1 〜I/Q3 の各々が測定信号RFinの対応する周波数ドメインに遷移させられる。最終的に、遷移された信号の全てが加算ユニット33によって結合される。結合ユニット3の出力において、ブロードバンド再構成I/Q信号が生成される。
【0058】
図8の代替として、図9図2の図解に基づく例示的な結合ユニット3を示す。この文脈において、図2に図解の例示的な実施の形態に基づくFM信号は、結合ユニット3の入力に接続される。付加的には、整列ユニット2に基づいて決定された時間遅延tおよびスプリッタユニット(分割ユニット)11に基づいて使用されるキャリア周波数fが、各FM信号のため結合ユニット3に提供される。
【0059】
結合ユニット3の入力に提供された周波数帯域FM1 〜FM3 は、時間遅延ユニット31および周波数加算ユニット32を介して対応する測定信号RFinの位置に遷移させられる。時間遷移および周波数遷移に続けて、全ての周波数帯域の加算が加算ユニット33により実施される。ブロードバンド再構成測定信号RFrecon結合ユニット3の出力において生成される。
【0060】
図10は、たとえば、レーダー装置において、実用されているものとして、本発明に基づいて使用されるブロードバンド測定信号RFinの周期を示す。この文脈において、周波数fの変化が時間tに依存していることが示されている。そのような測定信号RFinはまた、部分的にリニア・周波数・変調信号として指定されている。それらは、それらのパラメトリック統計(parametrisation )によって特徴づけられている。この文脈において、測定信号RFinの周波数が固定または直線不変(リニア・バリアント、linear-variant)である、セグメント(区分)の数が、第1のパラメータである。図10によれば、4つのセグメント(区分)が提供されており、各々が特性セグメント期間(characteristic segment duration )T1 〜T4 を有する。
【0061】
第2のパラメータが測定信号RFinが開始する周期における開始時間t0 である。周波数オフセットf0 が第3のパラメータとして提供されている。同様に、最大周波数f2 、または、図示の特性、また、周波数f3 が、第4のパラメータとして、そのような測定信号RFinのための特性である。
【0062】
図解した信号は、下記のごとく数学的に記述される。
【0063】
【数5】
【0064】
ここで、上記式における記号は下記を示す。
n ; セグメントnの最後(end)周波数
N ; セグメントnごとの時間オフセット
0 ; セグメント1の前の時間オフセット
n ; n番目のセグメントの時間間隔(time duration)
N ; セグメントの数
n ; n番目のセグメント
G(T;TN ) ; ウインドウ(窓)関数
【0065】
今、参照信号RFref が送信機から送信され、図10にダッシュライン(破線)をつけて図解した、対応する測定信号RFinが受信される。この文脈において、受信した測定信号RFinは、時間遅延dおよび参照信号RFref に関係している振幅のオフセットVを提供している。この文脈における時間遅延dは、対象物および送信機の間の距離に対応している。この文脈における振幅オフセットは、送信機と対象物との相対速度に対応している。
【0066】
測定信号RFinおよび図10に図示の参照信号RFref は、セグメントT2 とセグメントT4 おける周波数の異なるリニア勾配(different linear gradient )を提供する。この異なる勾配が、検出した対象物の距離および速度の評価を向上させることを可能としている。
【0067】
レーダー装置の品質を決定するため、参照信号RFref が測定装置における測定信号RFinと比較される。図10に図解した拡大領域は、受信した測定信号RFinが、わずかに波のようであり、送信された参照信号RFref との比較により偏差(差)εだけ異なることを示している。この差εがレーダー装置の誤差であり、決定されなければならない。この差εは一般的に数キロヘルツである。
【0068】
測定信号の周波数変調は、測定信号の帯域幅Bに対応する周波数f1 とf2 との間で変化する。そのような測定信号RFinの帯域幅Bは、代表的には、2GHz である。小さな偏差εを検出するため、それに対応して十分な分解能の測定装置および本発明に基づく方法の使用が要求される。
【0069】
図11(a)は、変調器5の処理の後、図2の図解に基づいて得られる周波数帯域を示す。この文脈において、分割に関するこの文脈において周波数帯域によって包含されない領域がノイズとしての信号に加算される。そのようなノイズは期待されないのであり、それ故、整列(アライメント)ユニット2における平衡化処理および結合ユニット3における再構成処理の前に濾波(フィルタリング)されて排除される。対応する濾波された信号が図11(b)に従って図示されている。
【0070】
図12(a)は、外部トリガー信号Text を示す。Dirac(ディラック)インパルスを具備するこの外部トリガー信号Text は、測定信号RFinの各周期の開始を示している。特に、この外部トリガー信号Text は、結合ユニット3において整列した信号の再構成のための有益である。トリガー信号Text の各Diracインパルスは、結合ユニット3における測定信号RFinの新しい周期の開始を示している。外部トリガー信号Text を通して、偏差εの決定のための測定時間間隔が著しく短縮される、その理由は、個々の周波数帯域が外部トリガー信号Text に基づいてより簡単に位置決めることができるからである。この場合、複雑な相関を省略することができる
【0071】
図12(b)は分離されるべき測定信号RFinを示している。この文脈において、帯域幅Bは、測定装置により3つの周波数帯域Bsub1〜Bsub3分割される。これらの周波数帯域は重複しており、全体として、測定信号RFinの帯域幅Bよりかなり大きな帯域幅を提供する。このことは、一方では、参照信号RFref と測定信号RFinとの間の周波数オフセットの平衡化を図り、他方では、個々の周波数帯域の再構成のためのオフセットの平衡化のため、必要である。
【0072】
この方法で得られた周波数帯域は、整列(アライメント)ユニット2により時間臨界および周波数臨界の整列処理後、結合されて、図12(c)に図解したような、再構成された測定信号RFrecon を生成する。
【0073】
図12(c)は、ブロードバンド再構成測定信号RFrecon を示す。この文脈において、個々の周波数帯域間のオフセットが平衡でなけれならないことは明瞭である。整列(アライメント)ユニット2の相関器22により、測定信号RFinに関連する、各対応する周波数帯域RFsub の周波数が決定され、正しく位置決めされた。その結果としての結合測定信号RFrecon は、測定信号RFinのノン・リニア(非線形)の形状において図解されている偏差εを提供する。このノン・リニア性が、レーダー装置の偏差εを示している。
【0074】
図12(c)に図解したノン・リニア性は、強調して図解されている。結合した再構成測定信号RFrecon から参照信号RFref の減算を通して偏差εが得られる。測定信号RFinは周期的である。デジタル特性のため、測定信号RFinの全て周期は、分割(細分)ユニット1に連続して提供される。ビデオフィルタが用いられて、再構成された測定信号RFrecon の付加的な歪みをもたらす可能性がある、測定装置の固有のノイズ(背景ノイズ)を低減させる。ビデオフィルタは、周波数変調器5の後に配設される。
【0075】
代替として、測定信号RFinの複数の周期にわたる測定の平均化が、また、追跡平均化処理(Trace Averaging)として指定された複数の周期にわたる測定の平均化が行われて、固有のノイズが低減される。測定信号RFinのこれら複数の周期は平均された1つの周期を形成する。測定信号RFinの周期の平均値が得られ、その結果、測定信号の主要な非線形性が低減される。平均化処理は、測定信号RFin結合測定信号RFrecon 構成の後、評価の前に行われる。
【0076】
相関処理は利益的である、その理由は、周波数しいき値を見いだすために、信号のノイズが計算されなければならないからである。このことは、特に、参照信号との相関によって得られる。
【0077】
図2に図解したようなI/Q信号、または、図3に図解したようなFM信号の分析(解析)の代替として、位相変調信号も分析することができる。位相変調信号としては、下記式が適用できる。
【0078】
【数6】
【0079】
測定信号RFinの一部(部分)線形領域から、直交(qudrature)領域を持つ部分が形成される。PM(位相変調)信号としての周波数帯域の整列は、相関により遂行される。オフセットおよび時間遅延もまた、最大尤度解析(英語で、maximum Likelihood)により決定できる。
【0080】
周波数サブバンドに分割する範囲において、時間オフセットの平衡化および測定信号の全周期を表示するため、測定信号の少なくとも2つの周期が不可欠である。3つの周波数帯域および連続的な処理の場合、6つの周期の測定信号RFinが、それゆえ、解析されなければならない。
【0081】
本発明の範囲において、記述した全ての要素、及び/又は、図解した全ての要素、及び/又は、請求項に記載した全ての要素が、適宜、組み合わせることができる。特に、図2および図3の図解に基づく2つの例示的な実施の形態の組み合わせは、本願発明において、排除されない。
【符号の説明】
【0082】
1…分割(細分)ユニット
2…整列(アライメント)ユニット
21…周波数変調器
22…相関器
3…結合ユニット
31…時間遅延ユニット
33…加算ユニット
4…評価ユニット
5…復調器
51…位相ユニット
52…微分器
6…混合(ミキシング)ユニット
7…フィルタ要素
8…アナログ/ディジタル変換器
9…I/Q変調器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12