【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、その態様のうちの第1の態様によれば、電子写真法または磁気写真法による、少なくとも1種の化粧用トナーから開始する支持体上への画像の形成を可能にするように配置されること、および支持体上に存在するトナーを、ヒトケラチン物質との接触によるその移動またはその転写を可能にするのに十分なほど自由な状態で供給するように構成されることを特徴とする、化粧用物品を製作するためのレーザプリンタに関する。
【0008】
好ましくは、プリンタは、前記トナーを溶融させるための定着器を有しておらず、または非活動化された、もしくは非活動化可能な定着器を有する。
【0009】
「化粧用トナー」という用語は、レーザプリンタで使用される電子写真または磁気写真プロセスを通じた画像の形成と適合性のある、粉末状化粧用組成物を意味するものとして理解されたい。好ましくは、化粧用トナーは、電子写真用途に適したトナーである。
【0010】
トナーは、ヒトケラチン物質への施与と適合性があるという意味において、化粧用である。メイクアップしようとする表面に応じて、トナーの配合は異なっていてよい。たとえば、毛髪または爪への施与の場合、口唇への施与に使用されない可能性のある、ある特定の化合物、たとえば粘膜を傷つける恐れのある角状微小面付き顔料(angular microfacetted pigment)を使用することが可能である。
【0011】
本発明は、プリンタに送られる画像ファイルに応じた、要求に応じて個人化することのできる高精度のパターンに従って、化粧用組成物を支持体上に静電的または磁気的に堆積させることを可能にする。
【0012】
本発明は、必要に応じて、ユーザがパターンをその転写後に、たとえばその輪郭を和らげるために、かつメイクアップしていないエリアとの境界を滑らかにするために、手直しできるようにすることができる。
【0013】
本発明は、ユーザがパターンを印刷直後に転写しようとしていようが、デバイスをより長期間またはより短期間保管した後に転写しようとしていようが、溶媒を追加することなく単純な接触によって転写メイクアップ施与するのに適した、メイクアップデバイスを得ることを可能にする。
【0014】
本発明は、メイクアップデバイスについて、特にコントラストおよび精度の点から、レーザ印刷技術の性能を利用することを可能にする。
【0015】
プリンタは、カラーレーザプリンタでもよく、モノクロレーザプリンタでもよい。
【0016】
化粧用トナーは、カートリッジリザーバ内に収容することができる。好ましくは、このカートリッジは、トナーを交換できるように取り外し可能である。カートリッジは、トナーをドラムへのその転写前に計量および均質化するための機構と、オプションで、潜像形成後のドラム上の過剰なトナーを回収するためのリザーバも備える、アセンブリに属することができる。
【0017】
好ましくは、プリンタは、いくつかの化粧用トナーカートリッジ、特に、異なる色のいくつかのカートリッジ、または支持体上への複数の組成物の堆積を可能にする複数の区画のある1つのカートリッジを使用する。
【0018】
いく種類かのトナーを使用すると、一方では、パターンを所望の色で印刷し、したがって、支持体をユーザが選択した色の組成物で、次いでケラチン物質にそれを移動させ、またはそれを転写する目的で被覆することのできる可能性を、ユーザに提供することが可能になる。他方では、ユーザは、高解像度の複雑で高精度の画像を製作し、それをケラチン物質に転写できるようになる。
【0019】
プリンタは、トナーを溶融させるための定着器が存在するときには、ソフトウェア手段によって定着器を非活動化することを可能にするように構成することができる。このことが、プリンタを、たとえば用紙上に印刷するためにトナーの溶融をそれが化粧用トナーではない場合に行う従来の使用に対して、適合性のあるものにすることができる。一変形形態として、プリンタは、トナーを溶融させるための定着器なしで製造される。別の変形形態として、プリンタは定着器を有するが、定着器は物理的手段によって非活動化される。
【0020】
詳細には、定着器をソフトウェア手段によって非活動化させることができるとき、プリンタは、化粧用トナーカートリッジの存在を認識し、印刷が1つまたは複数の化粧用トナーカートリッジから行われるときに定着器を非活動化させるように構成することができる。
【0021】
プリンタが非活動化可能な定着器を有するとき、支持体上に堆積されたトナー層と、組成物の上を擦って、製作されたパターンに影響を及ぼす恐れのある1つまたは複数のローラとの接触を妨げるための仕組みを、プリンタに組み込むことができる。したがって、トナー定着器ローラを、トナー層で被覆した支持体から十分離れた配置で導入することができる。
【0022】
プリンタが定着器を有していないとき、印刷パターンに損傷を与えないようにするために、プリンタを、支持体上に堆積されたトナー層とプリンタの一部とのいかなる接触も妨げるように配置することもできる。
【0023】
プリンタは、トナーの粘着力は強めるが、移動または転写することのできるその能力をトナーが実際に失うことのないようにトナーのわずかな溶融を生じさせる、定着器を備えることができる。必要に応じて、この場合プリンタを、化粧用トナーカートリッジの存在を認識し、定着器の温度を、次いで転写によってトナーを移動させる、またはそれを施与することのできる可能性を失わないようにするために、トナーの性質に適合させるように配置することができる。
【0024】
化粧用トナーカートリッジは、トナー内で使用するのに適したサイズを有し、かつ化粧用途と適合性のある着色粒子を備えた、粉末状組成物を収容することができる。
【0025】
プリンタは、プリンタのドラム上に堆積されたトナーを、シート状の、かつ/または転写ローラによって支持される、基体から成る支持体に転写するように配置することができる。この場合、潜像が転写されるとき、転写ローラを回転させることができる。
【0026】
基体および転写面
一実施形態例では、本発明で使用する基体は、少なくとも1つの半透明または透明エリアを備える。
【0027】
半透明または透明エリアは、化粧用トナーを転写する前のメイクアップおよび/または処理される表面を、ユーザが基体を通して見ること、したがって、より容易に視覚化することを可能にする。したがって、半透明または透明エリアの存在は、有利には、ケラチン物質上に高精度のメイクアップ成果を生み出すことを容易にする一助となる。
【0028】
基体の半透明または透明エリアは、全体的または部分的に、化粧用トナーの層と重ねることができ、特に、それと一部重なり合っていてよい。
【0029】
化粧用トナーの層は、その全体を、基体の半透明または透明エリア上に重ねることができる。一変形形態として、化粧用トナーの層の一部だけが、基体の透明エリア上に重ねられる。
【0030】
基体は、透明または半透明材料製とすることができる。この場合、半透明または透明エリアは、基体の表面全体にわたって広がる。
【0031】
一変形形態として、基体は、その表面のすべてまたは一部にわたって不透明である。
【0032】
基体は、シート状の材料、特に透明材料を備えることができる。
【0033】
基体は、可撓性シートでもよく、剛性プレートでもよい。基体は、プラスチック(たとえばポリエチレンまたはポリスチレン)製とすることができる。
【0034】
基体は、優先的には、非吸収材料、たとえばプラスチックフィルムに基づく。基体は、有利には、少なくとも印刷を受けようとする面上で非多孔性である。
【0035】
転写面は、平坦でもよく、平坦でなくてもよい。
【0036】
基体の転写面は、アプリケータローラの外面、アプリケータパッドの表面、シート状の要素、パッチ、多孔性発泡体、特にスポンジもしくはワイプ(wipe)の表面、粗ブラシ、細ブラシ、または植毛チップ(flocked tip)のうちの、すべてまたは一部によって定義することができる。
【0037】
アプリケータローラは、まっすぐな円筒の形状を有することができる。一変形形態では、ローラは、でこぼこした円筒の形状、たとえば、アワーグラスの形状を有する。
【0038】
一変形形態では、ローラは「プレモールド型」であり、すなわち、メイクアップしようとするエリアの一般的な形状、たとえば、口唇の、眼窩の、足首の、または前腕の凹み(negative)に対応する、初期の非平坦形状を有する。
【0039】
一変形形態では、基体は、転写時に、メイクアップしようとするエリアの起伏を転写面が写し取るように、メイクアップしようとするエリアのインプリント(imprint)に押し付けられる。
【0040】
転写面は、たとえば、アプリケータローラまたはパッドの表面上に取り付けられた変形可能シートの表面のすべてまたは一部によって定義される。
【0041】
転写面は、弾性的に変形可能である。したがって、第1の構成では、転写面は平坦とすることができ、第2の構成では、転写面は曲面状とすることができる。
【0042】
一変形形態では、基体は、転写面が、印刷の間はたとえば実質的に平坦な第1の形状をとり、トナーをケラチン物質に施与する間は、第1のものとは異なる第2の形状をとるように構成される。第2の形状は、有利には、トナーで被覆しようとするケラチン物質の表面の形状、たとえば爪の形状、または顔の一部の形状に対応する。
【0043】
基体は、優先的には、非吸収材料、たとえばプラスチックフィルムに基づく。基体は、有利には、少なくとも印刷を受けようとする面上で非多孔性である。
【0044】
一実施形態例では、トナーを頬および/または爪に施与しようとするとき、基体は、1mm以上の、特に3mmの、たとえば1〜5mmの範囲の厚さを有することができる。
【0045】
一実施形態例では、トナーを目の周りのエリアに、かつ/または口唇に施与しようとするとき、基体は、3mm以上の、特に1cmの、たとえば3mm〜20mmの範囲の厚さを有することができる。
【0046】
一実施形態例では、トナーを鼻に、かつ/または耳のエリア内に施与しようとするとき、基体は、1cm以上の、特に3cmの、たとえば1〜4cmの範囲の厚さを有することができる。
【0047】
したがって、基体は、有利には、メイクアップしようとするケラチン物質のエリアに適合された厚さを有する。
【0048】
基体の厚さは、転写面に対して垂直に測定したその最大寸法に対応する。
【0049】
基体は、可変な厚さを有することができる。
【0050】
基体は、プレモールド型とすることができる。
【0051】
一実施形態例では、基体は、印刷された指示を備える。指示は、たとえば、トナーでメイクアップしようとするケラチン物質の性質について明記し、または「裏側を上にして」基体上に堆積されたパターンを、一定の比率で、比率を拡大して、比率を縮小して、もしくは比率を別様にして、「表側を上にして」示す。
【0052】
一実施形態例では、転写面が、基体の一部から分離可能である。
【0053】
基体は再利用可能とすることができる。
【0054】
たとえば、転写のためにアクセス可能であるが、プリンタから離れない基体上に、印刷が実施される。したがって、使用後に、プリンタは基体を再度組み込み、基体をクリーニングし、新たな印刷のために基体を準備することができる。組成物が上に堆積される支持体がローラであるとき、組成物をケラチン物質に、ローラをたとえば皮膚に接触させて転がすことによって転写することにより施与するために、次いでローラをプリンタから取り外すことができる。このローラは、その扱いを容易にする把持部にしっかりと取り付けることができる。
【0055】
本発明の別の主題は、化粧用トナーを収容するケースを備え、ケースが、本発明によるプリンタ内部に受領されるように設計されることを特徴とする、化粧用トナーのカートリッジである。
【0056】
本発明の別の主題は、化粧用トナーである。このトナーは、着色剤に加えて、電荷制御化合物、特定の添加充填剤、潤滑剤、ワックス、および/またはバインダを含むことができる。好ましくは、トナーの粒子は、1〜16μmの平均サイズD
50を有する。
【0057】
本発明の別の主題は、ヒトケラチン物質に施与される化粧用組成物を支持する支持体を準備するためのプロセスであって、前記組成物を支持体に、本発明によるレーザプリンタを用いて施与することにある(consist in)ステップを含む、プロセスである。
【0058】
準備プロセスは、処理しようとする領域に応じて、印刷されるパターンを選択することにあるステップを含むことができる。
【0059】
印刷されるパターンは、色のグラデーションを備えることができる。一変形形態として、印刷されるパターンは、平板な色調(flat tint)の形態をとる。
【0060】
このプロセスは、画面上に表示されたパレットから印刷色を選択することにあるステップを含むことができる。
【0061】
印刷されるパターンは、転写によって施与される、メイクアップ用の任意の使用パターン、たとえば皮膚のきめを真似るパターンを、再現することができる。
【0062】
印刷は、幾何学的矯正ルールに従うこともできる。転写面が変形可能である限りにおいて、施与の間、パターンが幾何学的に変形する(たとえば、2つの次元のうちの一方の広がり)。結果として、パターンは、施与後にパターンが所望の大きさであるように、幾何学的変形(この場合、変形可能な次元に沿った縮小)を伴って印刷される。一般的であれ特定的であれ、幾何学的ルールを、転写面上に印刷されるパターンに適用し、それによりパターンが、処理しようとするケラチン物質のエリア上への転写後に所望の形状を有するようにすることができる。そのような矯正ルールの使用は、後に見られるように、特にインプリントに一致するように起伏を帯びた転写面を有する基体の場合に、特に有利である。処理しようとするエリアおよび/または所望のパターンに適合された特定の幾何学的ルールを特に使用することができる。
【0063】
本発明の別の主題は、ヒトケラチン物質をメイクアップするためのプロセスであって、上で定義した本発明による準備プロセスを用いることによって支持体を準備し、次いで、支持体上に存在する組成物を前記ヒトケラチン物質、たとえば皮膚、口唇、まつ毛もしくは眉毛、毛髪、または爪に施与することにあるステップを含む、プロセスである。
【0064】
メイクアップするためのプロセスは、好ましくは、組成物で被覆した支持体を、前記ヒトケラチン物質に適用することによって転写することによる、組成物の施与を含む。
【0065】
施与は、一変形形態として、支持体上の組成物を、アプリケータ、たとえば植毛チップ、スポンジ、または発泡体を用いて移動させることによって行われてもよい。
【0066】
メイクアップするためのプロセスは、支持体の準備の前の、メイクアップしようとするエリアの画像の取得と、このように取得された画像に応じてパターンを印刷することにあるステップとを含むことができる。これにより、たとえば、パターンの輪郭を、メイクアップしようとするエリアの起伏に、かつ/または色に適合させることが可能になる。
【0067】
トナーをケラチン物質に転写した後、ケラチン物質を、特に噴霧によって堆積される保護被覆のトナーで被覆することができる。保護被覆のトナーは、無色樹脂とすることができる。
【0068】
本発明の別の主題は、化粧用組成物をパッケージングおよび施与するためのデバイスであって、好ましくはパターンを形成する化粧用トナーで被覆した支持体、特に本発明によるプリンタを用いて化粧用組成物が上に堆積された支持体を備えるデバイスである。支持体上に存在するパターンは、多色とすることができ、たとえばグラデーションに対応することができる。
【0069】
本発明の別の主題は、予め定義されたパターンに従って電子写真または磁気写真プロセスによって堆積された化粧用トナーの層を備える支持体である。
【0070】
本発明は、本発明の非限定的な実装形態例についての以下の詳細な説明を読むことから、また添付の図面を検討することから、よりよく理解することができる。