特許第6573626号(P6573626)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6573626熱伝導性レンズクレードルを使用した医用画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573626
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】熱伝導性レンズクレードルを使用した医用画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/317 20060101AFI20190902BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20190902BHJP
   A61B 1/002 20060101ALI20190902BHJP
   A61B 1/06 20060101ALI20190902BHJP
   A61B 1/12 20060101ALI20190902BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
   A61B1/317
   A61B1/00 R
   A61B1/00 680
   A61B1/00 713
   A61B1/00 715
   A61B1/00 731
   A61B1/002
   A61B1/06 531
   A61B1/12 542
   G02B23/24 A
【請求項の数】22
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-558537(P2016-558537)
(86)(22)【出願日】2014年12月11日
(65)【公表番号】特表2017-500997(P2017-500997A)
(43)【公表日】2017年1月12日
(86)【国際出願番号】US2014069842
(87)【国際公開番号】WO2015089330
(87)【国際公開日】20150618
【審査請求日】2017年12月5日
(31)【優先権主張番号】61/916,043
(32)【優先日】2013年12月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516176589
【氏名又は名称】インテグレーテッド エンドスコピー、 インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ホイル、 ロニー、 アール.
(72)【発明者】
【氏名】アルマールズーク、 カイス
【審査官】 磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−251131(JP,A)
【文献】 特開平11−047080(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00− 1/32
G02B 23/24−23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡であって、
近位端部と、
遠位端部と、
前記遠位端部におけるオブジェクトの画像が前記近位端部において形成され得るように、前記遠位端部から前記近位端部まで延在する光路内に配置された複数のレンズと、
前記遠位端部に配置された少なくとも1つの固体エミッタであって、励起された場合に熱を生成する少なくとも1つの固体エミッタと、
前記複数のレンズを収容するように構成された長形の内部オープン領域を形成する熱伝導性クレードルであって、前記遠位端部に取り付けられ、前記少なくとも1つの固体エミッタによって生成される熱を前記遠位端部から離れるよう放散させるように構成された熱伝導性クレードルと
を備え、
前記熱伝導性クレードルは、導電性であり、
前記熱伝導性クレードルは銅を含
前記熱伝導性クレードルは、第1の曲がったセクションと第2の曲がったセクションとを備え、
前記第1の曲がったセクション及び前記第2の曲がったセクションの各々は、第1の長手方向エッジと第2の長手方向エッジとを有し、
前記第1の曲がったセクションの前記第1の長手方向エッジと前記第2の曲がったセクションの前記第1の長手方向エッジとは、第1の間隔、離れており、
前記第1の曲がったセクションの前記第2の長手方向エッジと前記第2の曲がったセクションの前記第2の長手方向エッジとは、第2の間隔、離れており、
前記第1の曲がったセクションは、前記少なくとも1つの固体エミッタの第1の電極に電気的に接続され、
前記第2の曲がったセクションは、前記少なくとも1つの固体エミッタの電極の第2の電極に電気的に接続され、
前記第1の曲がったセクションと前記第2の曲がったセクションとは、互いに電気的に絶縁されている、
内視鏡。
【請求項2】
前記内視鏡は関節鏡を含む、請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記少なくとも1つの固体エミッタは少なくとも1つの発光ダイオードを含む、請求項1又は請求項2に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記複数のレンズは長さ及び幅を有するロッドレンズを含み、前記長さは前記幅よりも長い、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の内視鏡。
【請求項5】
記第1の曲がったセクション及び前記第2の曲がったセクションは、直円柱の部分を含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記第1の曲がったセクション及び前記第2の曲がったセクションは実質的に等しいサイズを有する、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記第1の曲がったセクション及び前記第2の曲がったセクションは、それぞれが直円柱の実質的に半分を含
前記第1の曲がったセクションは、前記熱伝導性クレードルの第1の半分を形成し、
前記第2の曲がったセクションは、前記熱伝導性クレードルの第2の半分を形成する、
請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の内視鏡。
【請求項8】
前記第1の間隔及び前記第2の間隔は、少なくとも0.5mm分離される、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の内視鏡。
【請求項9】
前記第1の曲がったセクション及び前記第2の曲がったセクションの前記第1の長手方向エッジ、又は、前記第1の曲がったセクション及び前記第2の曲がったセクションの前記第2の長手方向エッジは、スペーサによって物理的に間隔を置いて離して配置される、請求項〜請求項に記載の内視鏡。
【請求項10】
前記熱伝導性クレードルを囲む外管を更に備える、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の内視鏡。
【請求項11】
前記熱伝導性クレードルは前記外管から電気的に絶縁される、請求項1に記載の内視鏡。
【請求項12】
前記遠位端部は前記光路の部分を形成する通路を備え、前記通路は、前記通路を通した前記光路の前記部分がガラス光学要素を含まないように、第1の反射面及び第2の反射面を備える、請求項1〜請求項1のいずれか1項に記載の内視鏡。
【請求項13】
前記第1の反射面及び前記第2の反射面は、金属被覆された基板を含む、請求項1に記載の内視鏡。
【請求項14】
前記基板はガラスを含む、請求項1に記載の内視鏡。
【請求項15】
前記通路に隣接した前記基板の内面は金属被覆される、請求項1又は請求項1に記載の内視鏡。
【請求項16】
前記少なくとも1つの固体エミッタはベースの上に配置される、請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の内視鏡。
【請求項17】
前記ベースは熱伝導性材料を含む、請求項16に記載の内視鏡。
【請求項18】
前記ベースはセラミック材料を含む、請求項16又は請求項17に記載の内視鏡。
【請求項19】
前記ベースは、前記少なくとも1つの固体エミッタに電力を提供するように構成された導電性経路を備える、請求項16〜請求項18のいずれか1項に記載の内視鏡。
【請求項20】
前記ベースの少なくとも一部は金属被覆される、請求項16〜請求項19のいずれか1項に記載の内視鏡。
【請求項21】
前記第1の曲がったセクションと前記第2の曲がったセクションとは、電気的絶縁部材により互いに電気的に絶縁されている、請求項1〜請求項20の何れか1項に記載の内視鏡。
【請求項22】
前記第1の曲がったセクション又は前記第2の曲がったセクションは、前記少なくとも1つの固体エミッタに接地を提供するように構成されている請求項1〜請求項21の何れか1項に記載の内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2013年12月13日出願の「熱伝導性レンズクレードルを使用した医用画像形成装置(Medical Imaging Device Using Thermally Conducting Lens Cradle)」と題された米国特許仮出願第61/916,043号の優先権の利益を主張するものであり、当該出願は参照によりその全体が本明細書中に援用される。
【0002】
本出願はまた、現在は米国特許第7,976,462号である2005年4月5日出願の米国特許出願第11/099,435号の関連出願であり、当該特許(当該特許出願)は参照によりその全体が本明細書中に援用される。
【0003】
本明細書中の様々な実施形態は一般に、内視鏡、関節鏡、及びその他の医用画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0004】
内視鏡は身体内に挿入されてその中の腔内の特徴の画像を形成し得る。内視鏡は一般に、画像形成のための光学系を含む長形の管状構造を含む。内視鏡は更に、照明を提供するように構成される場合がある。内視鏡は患者の身体内の画像を提供できるため、有用な診断及び/又は外科手術ツールである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のシステム、方法、及び装置は、それぞれがいくつかの革新的な態様を有し、それらの態様のうちのいずれの1つも本明細書中で開示される望ましい属性を単独で担うものではない。
【0006】
本開示中で説明される主題の様々な革新的な態様は、以下の実施形態において実装されてもよい。
【0007】
実施形態1:内視鏡であって、
近位端部と、
遠位端部と、
遠位端部におけるオブジェクトの画像が近位端部において形成され得るように、前記遠位端部から前記近位端部まで延在する光路内に配置された複数のレンズと、
遠位端部に配置された少なくとも1つの固体エミッタであって、励起された場合に熱を生成する少なくとも1つの固体エミッタと、
前記複数のレンズを収容するように構成された長形の内部オープン領域を形成する熱伝導性クレードルであって、遠位端部に取り付けられ、少なくとも1つの固体エミッタによって生成される熱を遠位端部から離れるよう放散させるように構成された熱伝導性クレードルと
を含み、熱伝導性クレードルは銅を含む、内視鏡。
【0008】
実施形態2:前記内視鏡は関節鏡を含む、実施形態1の内視鏡。
【0009】
実施形態3:少なくとも1つの固体エミッタは少なくとも1つの発光ダイオードを含む、実施形態1又は実施形態2の内視鏡。
【0010】
実施形態4:前記複数のレンズは長さ及び幅を有するロッドレンズを含み、前記長さは前記幅よりも長い、実施形態1〜実施形態3のいずれか1つの内視鏡。
【0011】
実施形態5:熱伝導性クレードルは、分離した第1セクション及び第2セクションを含み、第1セクション及び第2セクションは、直円柱の長手方向の長さに沿ってギャップによって物理的に分離された直円柱の部分を含む、実施形態1〜実施形態4のいずれか1つの内視鏡。
【0012】
実施形態6:第1セクション及び第2セクションは実質的に等しいサイズを有する、実施形態5の内視鏡。
【0013】
実施形態7:第1セクション及び第2セクションは、それぞれが前記直円柱の実質的に半分を含む、実施形態5又は実施形態6の内視鏡。
【0014】
実施形態8:第1の半分及び第2の半分は、それぞれが2つの長手方向エッジを有し、第1の半分の第1の長手方向エッジと第2の半分の第1の長手方向エッジとは間隔によって少なくとも0.5mm分離される、実施形態5〜実施形態7のいずれか1つの内視鏡。
【0015】
実施形態9:第1の半分の第2の長手方向エッジと第2の半分の第2の長手方向エッジとは間隔によって物理的に分離される、実施形態5〜実施形態8のいずれか1つの内視鏡。
【0016】
実施形態10:第1の半分の第2の長手方向エッジと第2の半分の第2の長手方向エッジとはスペーサによって物理的に間隔を置いて離して配置される、実施形態5〜実施形態9のいずれか1つの内視鏡。
【0017】
実施形態11:少なくとも1つの固体エミッタのうちの1つの、カソードに接続された第1の電気ラインと、
少なくとも1つの固体エミッタのうちの1つの、アノードに接続された第2の電気ラインと
を更に含み、第1の電気ライン及び第2の電気ラインは前記第1セクション及び第2セクションの間の間隔内に配置される、実施形態5〜実施形態10のいずれか1つの内視鏡。
【0018】
実施形態12:第1の電気ライン及び第2の電気ラインは電気ワイヤを含む、実施形態11の内視鏡。
【0019】
実施形態13:熱伝導性クレードルは導電性であり、前記熱伝導性クレードルは少なくとも1つの固体エミッタへの少なくとも1つの電気経路を提供する、実施形態1〜実施形態12のいずれか1つの内視鏡。
【0020】
実施形態14:第1セクションは前記少なくとも1つの固体エミッタのうちの少なくとも1つ上のカソードに電気的に接続され、第2セクションは前記少なくとも1つの固体エミッタのうちの少なくとも1つ上のアノードに電気的に接続される、実施形態1〜実施形態13のいずれか1つの内視鏡。
【0021】
実施形態15:熱伝導性クレードルを囲む外管を更に含む、実施形態1〜実施形態14のいずれか1つの内視鏡。
【0022】
実施形態16:前記クレードルは前記外管から電気的に絶縁される、実施形態1〜実施形態15のいずれか1つの内視鏡。
【0023】
実施形態17:遠位端は光路の部分を形成する通路を含み、通路は、通路を通した光路の部分がガラス光学要素を含まないように、第1の反射面及び第2の反射面を含む、実施形態1〜実施形態16のいずれか1つの内視鏡。
【0024】
実施形態18:第1の反射面及び第2の反射面は、金属被覆された基板を含む、実施形態1〜実施形態18のいずれか1つの内視鏡。
【0025】
実施形態19:基板はガラスを含む、実施形態18の内視鏡。
【0026】
実施形態20:通路に隣接した基板の内面は金属被覆される、実施形態18又は実施形態19の内視鏡。
【0027】
実施形態21:少なくとも1つの固体エミッタはベース上に配置される、実施形態1〜実施形態20のいずれか1つの内視鏡。
【0028】
実施形態22:ベースは熱伝導性材料を含む、実施形態21の内視鏡。
【0029】
実施形態23:ベースはセラミック材料を含む、実施形態21又は実施形態22の内視鏡。
【0030】
実施形態24:ベースは、少なくとも1つの固体エミッタに電力を提供するように構成された導電性経路を含む、実施形態21〜実施形態23のいずれか1つの内視鏡。
【0031】
実施形態25:ベースの少なくとも一部は金属被覆される、実施形態21〜実施形態24のいずれか1つの内視鏡。
【0032】
実施形態26:内視鏡であって、
近位端部と、
遠位端部と、
遠位端部に配置された少なくとも1つの固体エミッタであって、励起された場合に熱を生成する少なくとも1つの固体エミッタと、
遠位端部に取り付けられたクレードルであって、熱伝導性であり、少なくとも1つの固体エミッタによって生成される熱を遠位端部から離れるよう放散させるように構成され、更に導電性であり、少なくとも1つの固体エミッタへの電気経路を提供するように構成された、クレードルと、
クレードルの内側に配置された少なくとも1つのレンズと
を含む内視鏡。
【0033】
実施形態27:内視鏡は関節鏡を含む、実施形態26の内視鏡。
【0034】
実施形態28:少なくとも1つの固体エミッタは少なくとも1つの発光ダイオードを含む、実施形態26又は実施形態27の内視鏡。
【0035】
実施形態29:少なくとも1つのレンズは長さ及び幅を有するロッドレンズを含み、前記長さは前記幅よりも長い、実施形態26〜実施形態28のいずれか1つの内視鏡。
【0036】
実施形態30:クレードルは銅を含む、実施形態26〜実施形態30のいずれか1つの内視鏡。
【0037】
実施形態31:熱伝導性クレードルを囲む外管を更に含む、実施形態26〜実施形態31のいずれか1つの内視鏡。
【0038】
実施形態32:クレードルは前記外管から電気的に絶縁される、実施形態31の内視鏡。
【0039】
実施形態33:遠位端は光路の部分を形成する通路を含み、通路は、通路を通した光路の部分がガラス光学要素を含まないように、第1の反射面及び第2の反射面を含む、実施形態26〜実施形態32のいずれか1つの内視鏡。
【0040】
実施形態34:第1の反射面及び第2の反射面は、金属被覆された基板を含む、実施形態33の内視鏡。
【0041】
実施形態35:基板はガラスを含む、実施形態33又は実施形態34の内視鏡。
【0042】
実施形態36:通路に隣接した基板の内面は金属被覆される、実施形態33〜実施形態35のいずれか1つの内視鏡。
【0043】
実施形態37:少なくとも1つの固体エミッタはベース上に配置される、実施形態26〜実施形態36のいずれか1つの内視鏡。
【0044】
実施形態38:ベースは熱伝導性材料を含む、実施形態37の内視鏡。
【0045】
実施形態39:ベースはセラミック材料を含む、実施形態37又は実施形態38の内視鏡。
【0046】
実施形態40:ベースは、少なくとも1つの固体エミッタに電力を提供するように構成された導電性経路を含む、実施形態37〜実施形態39のいずれか1つの内視鏡。
【0047】
実施形態41:ベースの少なくとも一部は金属被覆される、実施形態37〜実施形態40のいずれか1つの内視鏡。
【0048】
実施形態42:内視鏡を使用する方法であって、
少なくとも1つの固体エミッタに熱を生成させ、少なくとも1つの固体エミッタは内視鏡の遠位端部上に配置され、
少なくとも1つの固体エミッタによって生成される熱を、遠位端部に取り付けられた熱伝導性クレードルを介して遠位端部から離れるよう放散させること
を含み、熱伝導性クレードルは銅を含む、方法。
【0049】
実施形態43:熱伝導性クレードルは、分離した第1セクション及び第2セクションを含み、第1セクション及び第2セクションは、直円柱の長手方向の長さに沿ってギャップによって物理的に分離された直円柱の部分を含む、実施形態42の方法。
【0050】
実施形態44:熱伝導性クレードルは更に導電性であり、方法は、熱伝導性クレードルを介して少なくとも1つの固体エミッタに電気を提供することを更に含む、実施形態42又は実施形態43の方法。
【0051】
実施形態45:内視鏡は、熱伝導性クレードルの内側に配置された少なくとも1つのロッドレンズを含む、実施形態42〜実施形態44のいずれか1つの方法。
【0052】
実施形態46:内視鏡であって、
近位端部と、
遠位端部と、
遠位端部におけるオブジェクトの画像が近位端部において形成され得るように、前記遠位端部から前記近位端部まで延在する光路内に配置された複数のレンズと、
遠位端部に配置された少なくとも1つの固体エミッタであって、励起された場合に熱を生成する少なくとも1つの固体エミッタと、
前記複数のレンズを収容するように構成された長形の内部オープン領域を含む熱伝導性クレードルであって、遠位端部に取り付けられた熱伝導性クレードルと
を含み、熱伝導性クレードルは、分離した第1セクション及び第2セクションを含み、第1セクション及び第2セクションは、直円柱の長手方向の長さに沿ってギャップによって物理的に分離された直円柱の部分を含む、内視鏡。
【0053】
実施形態47:第1セクション及び第2セクションは実質的に等しいサイズを有する、実施形態46の内視鏡。
【0054】
実施形態48:第1セクション及び第2セクションは、それぞれが前記直円柱の実質的に半分を含む、実施形態46又は実施形態47の内視鏡。
【0055】
実施形態49:第1の半分及び第2の半分は、それぞれが2つの長手方向エッジを有し、第1の半分の第1の長手方向エッジと第2の半分の第1の長手方向エッジとは間隔によって少なくとも0.5mm分離される、実施形態48の内視鏡。
【0056】
実施形態50:第1の半分の第2の長手方向エッジと第2の半分の第2の長手方向エッジとはスペーサによって物理的に間隔を置いて離して配置される、実施形態49の内視鏡。
【0057】
実施形態51:第1の半分の第2の長手方向エッジと第2の半分の第2の長手方向エッジとは間隔によって物理的に分離される、実施形態49又は実施形態50の内視鏡。
【0058】
実施形態52:少なくとも1つの固体エミッタのうちの1つの、カソードに接続された第1の電気ラインと、
少なくとも1つの固体エミッタのうちの1つの、アノードに接続された第2の電気ラインと
を更に含み、第1の電気ライン及び第2の電気ラインは前記第1セクション及び第2セクションの間の間隔内に配置される、実施形態46〜実施形態51のいずれか1つの内視鏡。
【0059】
実施形態53:前記内視鏡は関節鏡を含む、実施形態46〜実施形態52のいずれか1つの内視鏡。
【0060】
本開示中で説明する主題の1つ以上の実装の詳細は、添付の図面及び以下の説明において示される。本開示中で提供する例は主として医用画像形成装置に関して説明されるが、本明細書中で提供する概念は他のタイプの画像形成システム及び装置に適用されてもよい。その他の特徴、態様、及び利点は、説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。以下の図の相対寸法は縮尺通りに描かれていない場合があることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】本明細書中で開示される様々な実施形態による、レンズクレードル内で及びレンズクレードルによって支持される複数のレンズを含む内視鏡(例えば関節鏡)の概略斜視図を示す。
図1A】本明細書中で開示される様々な実施形態による、「エアプリズム」の概略断面図を示す。
図1B】本明細書中で開示される様々な実施形態による、「エアプリズム」の概略断面図を示す。
図2】本明細書中で開示される様々な実施形態による、2つの部分又は両半分を含む内視鏡クレードルの概略分解斜視図を示す。
図3】レンズクレードルと、クレードルの両半分の間に配置された電気ラインに結合された固体光エミッタとを示す、内視鏡の遠位端部の概略図を示す。
図4】複数のロッドレンズを支持するための単一のクレードルと、クレードル及びレンズを囲むように構成された外管との概略分解斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0062】
本明細書中のいくつかの実施形態は、身体の腔の内側を目視するための内視鏡を含む。内視鏡の様々な実施形態は、近位端と遠位端とを有する長形の管状構造内に配置された複数のレンズを含む。これらのレンズは、内視鏡の遠位端に位置する身体における特徴の画像を内視鏡の近位端に中継することが可能である。いくつかの実施形態では、2次元CCD又はCMOS検出器アレイなどの検出器が、中継された画像を感知するために内視鏡の近位端において含まれてもよい。いくつかの実施形態では、画像を目視するためにアイピース又はその他の光学系が使用されてもよい。特定の実施形態では、内視鏡は、体腔内に挿入されてそこに照明をもたらすように構成されサイズ決定され位置付けられた光源を更に有してもよい。例えばいくつかの実施形態では、この光源は内視鏡の遠位端に配置される。様々な実施形態において、この光源は、内視鏡の遠位端に位置する発光ダイオード(LED)などの少なくとも1つの固体エミッタを含む。そのような構成の1つの問題は、LEDなどの固体エミッタが光を発する際に熱を生成する場合があるということである。
【0063】
従って、本明細書中で開示される様々な実施形態は、内視鏡の遠位端において熱をLEDから離れるよう伝導するように設計される。本明細書中に記載される1つのアプローチは、複数のレンズを保持するためのクレードルなどの構造であって、LEDが位置している内視鏡の遠位端から熱を除去するための導管でもあるクレードルなどの構造を採用することである。例えばいくつかの実施形態では、内視鏡は、内視鏡の遠位端まで延在する、複数のレンズを保持するための熱伝導性のクレードル又はレンズホルダを含んでもよい。熱伝導性クレードルは、銅、アルミニウムなどの高熱伝導性材料を含んでもよい。従って熱伝導性クレードルは、熱を内視鏡の遠位端から離れるよう伝導することが可能であってもよく、それにより内視鏡の遠位端において、又は遠位端におけるLED又はその他の構成部品の、より低い温度がもたらされてもよい。本明細書中で開示される特定の実施形態では、熱伝導性クレードルは更に導電性であってもよい。
【0064】
動作中、光源から発せられた光は、体腔の内部におけるオブジェクト、表面、及び特徴(例えば壁)を照らして反射される。反射された光の一部は、内視鏡の遠位端における開口を通して集光されてもよい。この光は、クレードル内に配置された複数のレンズによって形成される光路に沿って内視鏡を通して導かれてもよく、それにより内視鏡の近位端においてオブジェクト、表面、特徴の画像を形成してもよい。特定の実施形態では、一連のレンズは、熱伝導性クレードルの内側に配置されたロッドレンズを含んでもよい。集光された光は次に、例えば光検出器アレイ又は光学カメラなどの光センサに導かれてもよい。従って、体腔の内側のオブジェクト、表面、特徴などの画像が、例えば医師よって、場合によっては、検出器と通信状態にあるディスプレイ上で目視され得る。
【0065】
例示のために、図1は、遠位端から熱を伝導するように構成された、例えば関節鏡などの内視鏡の一部を示す。内視鏡は、人体などの身体の一部に挿入されてもよい長形の部材を含む。内視鏡についての更なる説明は、米国特許出願第11/099,435号(現在は米国特許第7,976,462号)明細書に示されており、当該特許出願(当該特許)は参照によりその全体が本明細書中に援用される。
【0066】
図1を参照すると、内視鏡は、遠位端部110と、遠位端部に取り付けられたレンズクレードル170とを含む。遠位端部110は固体エミッタ120を含んでもよい。固体エミッタ120は、光を放射し身体の内部領域を照らすように構成されてもよい。図1では1つの固体エミッタを示しているが、他の実施形態では、例えば米国特許出願第11/099,435号(現在は米国特許第7,976,462号)明細書で開示された実施形態と同様に、複数の固体エミッタが内視鏡の遠位端部110に配置されてもよく、当該特許出願(当該特許)は参照によりその全体が本明細書中に援用される。いくつかの実施形態では、固体エミッタ120は白色光を発するが、エミッタ120は白色光エミッタである必要はない。狭い波長範囲内で放射するカラーエミッタが同様に採用されてもよい。例えば、画像は、照明に使用される特定の波長領域を感知可能な光センサによって形成されてもよい。特定の実施形態では、特定の波長の照明が蛍光用途のために採用されてもよい。従ってエミッタは、広帯域又は狭帯域の紫外光及び赤外光を発してもよい。
【0067】
図1を参照すると、遠位端部110はエアプリズムブロック150を含んでもよい。図1Aは、そのようなエアプリズム及びエアプリズムブロック150の断面図を示す。エアプリズムブロック150は本体を含み、本体は、入力開口155と、本体を通る通路と、出力開口157とを有する。本体150は、本体を通る通路153を画定する内部側壁を含む。リフレクタ151が、通路を通した光の伝播を補助するために通路内に配置されてもよい。図示されている実施形態は2つのそのようなリフレクタ151を含む。リフレクタ151は、図1Aに示すように、互いに対して角度θをなして配置されてもよい。リフレクタ151の間の角度θは、内視鏡のオフセット角によって異なってもよい。例えば、30度オフセットの内視鏡の場合、角度θは約15度であってもよい。別の例として、75度オフセットの内視鏡の場合、角度θは約37.5度であってもよい。リフレクタ151はまた、内視鏡の中心軸を基準にして角度を付けられてもよい。例えば図1Aに示すように、リフレクタ151のうちの1つは、内視鏡の中心軸を基準にして角度θをなして配置されてもよい。一般性を失うことなく、様々な実施形態において、角度θは角度θと等しくてもよい。
【0068】
リフレクタ151は、例えば、光を反射するエアプリズムブロック150の側壁上に、(図示されているような)反射鏡、及び/又は金属被覆を含んでもよい。いくつかの実施形態では、例えば金属被覆されたガラスプレートを含む反射鏡が、通路153の内部側壁上に配置される。そのような場合、入力開口155を通して受光された光は、リフレクタ151の反射面で反射されながら通路153を通して出力開口157まで伝播する。図1Bは、一対の金属被覆された基板を含む反射鏡を含むエアプリズムの実施形態の断面図を示す。基板はガラス、セラミック、プラスチック、アクリル樹脂、又は十分な構造的支持を提供することが可能な任意の材料を含んでもよい。基板は、本体150に隣接した第1の面159aと、第1の面159aとは反対側の第2の面159bとを有する。第2の面159bは通路153の境界の一部を形成する。図1Bに示すように、内視鏡の遠位端において集光された光が基板の第2の面159bにおける複数の反射によって通路を通して光センサに向かって進むように、基板の第2の面159bは金属被覆される。通路に隣接した基板の面を金属被覆することにより、基板の材料を通して進む際にもたらされ得る様々な波長の光の間の分散の量を有利に減らすか又はなくすことが可能である。いくつかの実施形態では、本体150はプラスチック、セラミック、又は金属を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本体150は、金属又は熱伝導性セラミックなどの熱伝導性材料を含む。エアプリズムを含む内視鏡の様々な実装は、米国特許出願第11/099,435号(現在は米国特許第7,976,462号)明細書にも記載されており、当該特許出願(当該特許)は参照によりその全体が本明細書中に援用される。
【0069】
再び図1を参照すると、遠位端部110は、前方レンズ130とカバープレート132とを更に含む。前方レンズ130は、エアプリズムブロック150の入力開口155内に配置される。カバープレート132は、エアプリズムブロック150の前方で前方レンズ130の上(又は前)に配置される。カバープレート132は、前方レンズ130に対して配置された穴をその中に含み、これにより光が穴を通過して前方レンズまで通ることができるようになる。従ってカバープレート132は、カバープレート内の穴を前方レンズ130と整列させるような様態でエアプリズムブロック150上に配置される。従って前方レンズ130によって受光された光は、エアプリズム150の入力開口155内に、及びエアプリズム150を通して伝播することが可能である。カバープレート132は、いくつかの実施形態ではステンレス鋼などの金属を含んでもよいが、その他の材料が使用されてもよい。
【0070】
カバープレート132は、固体エミッタ120からの光がカバープレートを通過することを可能にするためにエミッタに対して配置された穴もその中に有する。
【0071】
様々な実施形態において、前方レンズ130はガラス、サファイア、又はその他の実質的に光学的に透過する又は透明な材料を含む。いくつかの実施形態では、前方レンズ130は負のパワーを有する。特定の実施形態では、前方レンズ130は、平面が外側(例えばより遠位)に配置された平凹レンズを含む。従って、様々な実施形態において、前方レンズ130は体腔内の表面及び/又は特徴から反射された光を集光し、この光はエアプリズム内に伝播し、その中の反射面で反射されて、エアプリズムの出力開口157から出る。前方レンズ130は増加した視野を提供してもよく、体腔の側壁を画像形成するために、長手方向(例えばz軸)を基準にしてある角度だけ傾斜されてもよい。その上、いくつかの実施形態では、光が内視鏡の遠位端において内視鏡を基準にした斜め方向から集光され得るように、遠位端部110の前面は角度を付けられてもよい。例えば内視鏡は、腔内に内視鏡を挿入し、角度を付けられた前面が腔の内部側壁の一部に向けられるよう内視鏡を回転させることによって、身体内の腔の内部側壁を観察するために使用されてもよい。その他の設計も可能である。
【0072】
固体エミッタ120はベース160上に搭載されてもよい。図3はこのベースの更なる図を示す。様々な実施形態において、ベース160は熱伝導性材料を含む。様々な実施形態において、このベース160は電気絶縁材料を含む。特定の実施形態では、このベース160はセラミックなどの熱伝導性絶縁体を含む。様々な実施形態において、ベース160は、例えば、アルミナ(例えばAl)及び/又は窒化物(例えば窒化ケイ素)などの材料を含んでもよい。加えて、特定の実施形態では、ベース160の熱伝導特性を向上させるための被覆がベース160に施されてもよい。例えば、ベース160に熱伝導特性及び/又は導電特性を与えるために、ベース160は金被覆などを用いて金属被覆されてもよい。
【0073】
様々な実施形態において、ベース160はエミッタ(例えばLED)120を受け入れるように構成される。例えばベース160は、LED120上に配置されたピンを受け入れるための穴を含んでもよい。これらのピンは、エミッタ120への、例えば発光ダイオードのアノード及びカソードへの電気接続を含んでもよい。固体エミッタ120のカソード及びアノードへの電気接続を提供するために、ベース160は金属被覆されてもよく、かつ/又は金属経路を含んでもよい。これらの経路は、パターン化された金などのパターン化金属被覆から形成されてもよい。ベース160は部分的にエアプリズムブロック150上に配置される。更に、図3に示すように、ベース160は、場合によっては広い面積にわたってクレードル170と接触してもよい。様々な実施形態において、このインタフェースは、LEDベース160からクレードル170に熱を効果的に伝達するための十分な熱接触である。従って以下で説明するように、強力な熱伝導体であるベース160は、固体エミッタ120で生成された熱が内視鏡の遠位部110から、例えばクレードル170を介して離れるよう放散するのを補助し得る。
【0074】
図1に示すように、遠位端部110はリフレクタ140を更に含む。リフレクタ140は、図示されている実施形態では、開口を有するプレートを含む。開口は、壁又は面によって画定される周界を有する。この面は、少なくとも部分的に反射面であってもよく、かつ、白又はその他の反射色であってもよく、かつ/又は、光を反射する金属被覆などの反射材料を含んでもよい。プレート140は、LED120が開口内にあり反射面によって囲まれるように、LEDベース160上に配置される。このように構成することにより、エミッタから横方向及び/又は後ろ方向に発せられた光の少なくとも一部は場合によっては前方に反射され得る。様々な実施形態において、反射面は、有用な反射を増加させる形状又は輪郭を有してもよい。従って様々な実施形態において、リフレクタ140は、光の浪費を回避するために光を反射し再方向付けするように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、リフレクタプレート140は、金属又は熱伝導性セラミックなどの熱伝導性材料を含む。様々な実施形態において、リフレクタプレート140は、ベース160と良好な熱接触状態にある。
【0075】
図1及び図3に示し上述したように、遠位端部110はレンズクレードル170に接続される。特に以下の実施形態では、LEDベース160(及び場合によってはエアプリズムブロック150)はクレードル170の遠位端にしっかりと取り付けられ、それにより、LEDベース(及び場合によってはエアプリズムブロック)からクレードルまで容易に熱を伝達するための十分に良好な熱接触が提供される。図1に示すように、レンズクレードル170は、1つ以上の光学要素レンズ310のための長形の支持を提供する。例えばクレードル170は、少なくとも部分的にロッドレンズを囲んでもよい。従ってクレードル170は、複数のレンズ310を収容するための中央の内部オープン領域を含む。様々な実施形態において、この中央の内部オープン領域は、円筒形のエッジを有してもよいレンズ310がその中に共形的に嵌合するように形作られる。
【0076】
従って様々な実施形態において、クレードル170は、中空の円筒形の管又はその部分を含んでもよい。中空の円筒形の管は、内視鏡の遠位端部110から内視鏡の近位端まで光を伝播させるための光路を提供してもよい。クレードル170は、身体内への非侵襲的な挿入のために、小さな構造、例えば細い構造であってもよい。様々な実施形態において、例えばクレードル170は、5mm又は4mm未満の、しかし1mm又は2mmより大きな幅を有する。様々な実施形態において、幅又は外径は約3mm〜4mmの間である。十分な口径サイズを有するレンズ310がクレードルの中央の内部キャビティ領域内に配置され、内視鏡の小さな断面が維持されることを可能にするために、クレードル170の壁は薄くてもよい。いくつかの実施形態では、例えば壁は厚さ1mm又は0.5mm未満であるが、様々な実施形態においては0.1mmより厚くてもよい。いくつかの実施形態では、壁は厚さ0.2mmと0.3mmとの間である。クレードル170は、幅よりも十分に長くてもよい。例えばいくつかの実施形態では、(例えばz方向における)クレードル170の長さは、100mmと400mmとの間、及び200mmと300mmとの間であってもよく、その幅の10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、又はそれ以上の間、しかしその幅の100倍、90倍、80倍、70倍、又は60倍未満であってもよい。
【0077】
図1及び図2を参照すると、いくつかの実施形態ではクレードル170は、図示されているように、直円柱がその長さすなわち長手z方向に沿って分割された形状の、物理的に分離した部分172、174を含む。分離した構成部品172、174は、組み立てられた場合、レンズ310を収容するための中央のオープン内部領域を有する直円柱を形成するか又は実質的に形成してもよい。図1及び図2に示す実施形態では、クレードル170は、直円柱がその長さに沿って半分に切断された形状の、2つの物理的に分離した構成部品172、174、例えば両半分172、174に分割される。いくつかの実施形態では、分離した部分(例えば両半分)172、174は実質的に等しいサイズであってもよいが、他の実施形態では、分離した部分(例えば両半分)のサイズは異なってもよい。同様に、2つの構成部品172、174は、一緒にされた場合に完全に直円柱を作る必要はない。例えば以下で説明するように、内視鏡内のレンズ310を支持するために組み立てられた場合、両半分172、174の間に間隔が存在してもよい。
【0078】
図2を参照すると、各半分172、174は、凹状内面171と凸状外面173とを含む。凹状内面171は、両半分172、174が一緒に配置された場合にクレードル170内に複数のレンズ310が共形的に嵌合するように形作られる。外面173は凸状として示されているが、その他の形状も可能である。しかし上述のように、様々な実施形態においてクレードル170はあまり厚くなく、従って凸形状の外面173が凹状内面171に伴うことが多い。
【0079】
図2を参照すると、各半分172、174は長手方向エッジ210、212を含んでもよい。両半分172、174は、両半分の長手方向エッジが互いに近接するように互いに対して配置されてもよい。図1を参照すると、両半分172、174は、長手方向エッジ210、212の間に配置された間隔190によって分離されてもよい。図示されている実施形態では、両半分172、174のそれぞれが2つの長手方向エッジ210、212を含む。組み立てられたクレードル170を形成するために両半分172、174が一緒に配置された場合、一方の半分172、174の長手方向エッジ210、212のそれぞれは、他方の半分172、174の長手方向エッジから一対の間隔190によって分離されてもよい。以下でより十分に説明するいくつかの実施形態では、両半分172、174を電気的に絶縁するために、両半分172、174は物理的に分離されてもよい。しかしいくつかの実施形態では、間隔190のうちの一方又は両方が存在せず、両半分172、174は、それらの間に間隔を有するのではなく互いに接触する。特定の実施形態では、例えば、一方の間隔が、それぞれの半分の長手方向エッジ210の間に含まれ、それぞれのエッジの他方の長手方向エッジ212は互いに接触する。様々な実施形態において、間隔190(1つ又は2つ)は0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.8mm、0.9mm、及び1.0mmより大きく、5mm、4mm、3mm、2mm、1mm、0.8mm、又は0.6mmより小さい。例えばいくつかの実施形態では、間隔のうちの少なくとも1つは0.4mmより大きく0.6mm未満である。いくつかの実施形態では、間隔のうちの少なくとも1つは0.9mmより大きく2.0mm未満である。その他の範囲も可能である。
【0080】
様々な実施形態において、クレードル170の内面は平滑であり、レンズ310を互いに間隔を置いて配置するための表面特徴を内面上に含まない。そのような設計によりクレードル170の製造は単純化される。例えばいくつかの実施形態では、クレードル170又はクレードルの分離した半分172、174は押し出し成型されてもよい。レンズ310を、間隔を置いて離して配置するために、レンズは適切な長手方向間隔をそれらの間に有してクレードル170内に適切に置かれるか、又は、適切に間隔を置かれたレンズの周りにクレードル部分172、174が配置される。レンズ310の間に適切な間隔を有してレンズを配置するために、ロボティクスが採用されてもよい。しかし他の実施形態では、クレードル170の内面171上に表面特徴が含まれてもよく、又はレンズ310の間にスペーサが含まれてもよい。
【0081】
上述のように、様々な実施形態において、固体エミッタ120はかなりの熱を生成し得る。従って図1を参照すると、いくつかの実施形態では、クレードル170は、銅又はアルミニウムなどの熱伝導性材料をほぼ全体に含んでもよい。例えば特定の実施形態では、クレードル170は、少なくとも90%、95%、又はそれ以上、及び最大99%又は100%の銅を含む。同様に特定の実施形態では、クレードルは、少なくとも90%、95%、又はそれ以上、及び最大99%又は100%のアルミニウムを含む。特定の実施形態では、クレードル170は、少なくとも90%、95%、又はそれ以上、及び最大99%又は100%の、銅合金などの他の高伝導性材料、又はその他の金属を含む。高熱伝導性材料のクレードル170を形成することにより、固体エミッタ120によって生成される熱が、エミッタ120が配置された内視鏡の遠位端部110から離れるよう放散されることが可能になり得る。熱を内視鏡の遠位端部110から離れるよう伝達することにより、内視鏡の遠位端における過度の加熱なしに、かなりの熱を生成し得る明るい固体エミッタ120を熱伝導性クレードル170で使用することが有利に可能になる。従っていくつかの実施形態の場合、使用中に、熱伝導性クレードル170は内視鏡が体温から5度以内に留まることを可能にし得る。
【0082】
様々な実施形態において、複数のレンズ310はロッドレンズを含む。ロッドレンズは、例えば両半分172、174が互いに組み立てられた場合に形成されるクレードルの内部中央オープン領域内に配置されてもよい。従ってロッドレンズは、内視鏡の遠位部110から内視鏡の近位部までの光路内に配置されてもよく、少なくとも部分的にはクレードル170の内部領域内に配置されてもよい。光路は、集光された光が進む経路を提供してもよい。特に、エミッタ120からの光であって、そのうちのいくらかはリフレクタ140から反射されたものである光は、固体エミッタ120によって照らされた体腔の部分から反射又は散乱されてもよい。レンズ130はこの光を集光するように構成されてもよい。エアプリズム150はレンズ130に入る光を再方向付けするように構成されてもよく、これにより光はクレードル170を通して、クレードル170の長手方向軸(例えばz軸)に平行に、例えば2D光検出器又はアイピースなどまで伝播する。
【0083】
図1及び図3に示すように、様々な実施形態において内視鏡は、クレードル170の長手方向の長さに沿って延在する2本の電気ライン180、182を含んでもよい。2本の電気ライン180、182は固体エミッタ120に、例えばLEDのカソード及びアノードに、電気的に接続されてもよい。特に、2本の電気ライン180、182は、エミッタ120上の導電ピン又は電気リード線に電気的に接続するように構成されたLEDベース160上の金属被覆183a、183b(図3を参照)に接続されてもよい。2本の電気ライン180、182は、表面に絶縁材を有する銅又はアルミニウムワイヤなどの電気ワイヤを含んでもよい。ケーブルなどのその他のワイヤリングが使用されてもよい。
【0084】
図1及び図3を参照すると、間隔190は、固体エミッタ120のカソード及びアノードに接続される2本の電気ライン180、182のための空間を提供してもよい。しかしその他の設計も可能である。
【0085】
いくつかの実施形態では、銅管170の長手方向の長さに沿って延在するこれらの2本の電気ライン180、182は、内視鏡に含まれないか又は使用されない。代わりにこれらの実施形態では、クレードル170の各半分172、174が、電力を伝送するための電気伝導体又は電気ラインとして採用されてもよい。例えば各半分172、174はエミッタ120に、例えばLEDのそれぞれカソード及びアノードに、電気的に接続されてもよい。従ってクレードル170の各半分172、174は、それ自体がアノード又はカソードを含んでもよい。いくつかの実施形態では、両半分172、174は、LEDベース160上の金属被覆183a、183bに電気的に接続されて、エミッタへの電気接続を形成する。様々な実施形態において、両半分172、174は、両半分172、174の長手方向エッジ210、212の間の間隔190によって電気的に絶縁されてもよい。電気絶縁スペーサが採用されてもよい。ワイヤ180、182を使用することの代替としてクレードル170を1本以上の導電ラインとして使用することについて上述したが、いくつかの実施形態では、電気ワイヤ180、182及び導電クレードル170の両方が、内視鏡の遠位部と近位部との間で電気信号及び/又は電力を伝達するために使用されてもよい。
【0086】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、クレードル170は銅などの導電性材料を含み、これによりクレードル170は電気を運搬することが可能になる。クレードル170はそれにより、固体エミッタ120に電力又は接地を提供するための電気経路として働いてもよい。これらの実施形態では、クレードル170及び/又はその半分172、174の電気絶縁が、例えばクレードルを覆って嵌合する外管との短絡を防止するために有用であり得、それは、この外管はステンレス鋼を含んでもよく導電性であってもよいからである。1つ以上の絶縁被覆がクレードル170上、例えばクレードルの外面上に、又は外管上、例えば外管の内面上に、あるいは両方に配置されてもよい。クレードル170が導電性であるように構成され電気を運搬するために使用される実装では、遠位端110とクレードル170との間に絶縁材料が配置されてもよい。例えばカバー132とクレードル170との間に絶縁材料が配置されてもよい。
【0087】
図4は、内視鏡が内部クレードル410と外管450とを含むいくつかの実施形態を示す。図4に示す実装の様々な態様は、米国特許出願第11/099,435号(現在は米国特許第7,976,462号)明細書で開示された内視鏡の実装に類似してもよく、当該特許出願(当該特許)は参照によりその全体が本明細書中に援用される。上述のように、固体エミッタ120によって生成された熱を内視鏡の遠位部110から離れるよう放散させるために、内部クレードル410は銅、アルミニウムなどの熱伝導性材料を含んでもよい。加えて、外管450はアルミニウム、ステンレス鋼などの熱伝導性材料を含んでもよい。従って外管450も、固体エミッタ120によって生成された熱を内視鏡の遠位部110から離れるよう伝導してもよい。
【0088】
様々な実施形態において、内部クレードル410は、電気を運搬するために銅などの導電性材料を含んでもよい。従って上述のように、いくつかの実施形態では、内視鏡は、外管450の短絡を防止するために内部クレードル410と外管450との間に絶縁体を含む。場合によっては、内部クレードル410は、絶縁被覆を内部クレードル410の外部上に含んでもよい。あるいは外管450は、絶縁被覆を外管450の内部上に含んでもよい。いくつかの実施形態では両方が採用されてもよい。また、内部クレードルと外管との間の絶縁スペーサが採用されてもよい。
【0089】
図4を引き続き参照すると、上述のように、内部クレードル410は、1つ以上のレンズ310のための支持構造として機能してもよい。しかし図4に示す実施形態では、内部クレードル410は、ロッドレンズ310を保持するようにそれぞれが構成された複数のスロット440(5つ示されている)を有する。スロット440は、ロッドレンズ310の適切なアライメント及び長手方向の分離を、それらを通した好適な画像中継のために提供するようにそれぞれがサイズ決定され位置付けられた、スペース部450(4つ示されている)によって分離されてもよい。言い換えると、スロット440の間の間隔は、光学設計処方に従ってロッドレンズ310を長手方向で互いに間隔を置いて配置するために、スペーサ部450によって画定されてもよい。いくつかの実施形態では、スロットの間のスペーサ450は、薄い壁を含み曲げの影響を受けやすいクレードル410に構造的支持及び安定性を与える。
【0090】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、動作中に、内視鏡の少なくとも遠位部110は体腔内に挿入される。電力信号が固体エミッタ120に提供され、固体エミッタが光を発し熱を生成する。熱伝導性クレードル170は、熱を内視鏡の遠位部110から離れるよう放散させる。熱伝導性クレードル170は更に導電性であってもよく、それによりクレードル170は、固体エミッタ120に電力又は接地を提供するための電気経路をもたらす。固体エミッタ120によって発せられた光は、体腔内のオブジェクトから反射される。反射された光の一部はレンズ130によって集光される。次に光は、クレードル170内に配置されたロッドレンズ310などの複数のレンズ要素を通して導かれる。従って光は、内視鏡の遠位部110から内視鏡の近位部まで伝播する。
【0091】
しかし、その他の変形形態が可能である。特定の実施形態では、内視鏡の近位端からエミッタ120まで延在する電気ライン180、182は、その熱伝導性に加えて十分なサイズも有し、エミッタから及び/又は内視鏡の遠位端から熱を十分に放散させるための熱エネルギーの導管として働く。例えば電気ラインは、内視鏡の遠位部を体内への挿入に好適な温度に維持するために、十分な熱をエミッタから離れるよう伝達するための、十分な量(mass)と(x方向及び/又はy方向などの横断方向における)断面積とを有するリボンケーブルなどのケーブルを含んでもよい。そのような実施形態では、外管450内の導電クレードル170、410は除外されてもよい。代わりに中空の外管450は、クレードル170、410なしにレンズ310が中空の外管の内部領域内の所定の位置に保持されるようなサイズを有してもよい。
【0092】
本開示で説明した実装に対する様々な修正が当業者に容易に明らかとなり得、本明細書中で規定した一般的原理は、本開示の精神又は範囲から逸脱することなく他の実装に適用され得る。従って特許請求の範囲は、本明細書中に示した実装に限定されることは意図されておらず、本開示、並びに本明細書中で開示された原理及び新規な特徴と整合する最も広い範囲が認められるべきである。
【0093】
本明細書中で別個の実施形態の文脈で説明された特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実装されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈で説明された様々な特徴が、複数の実施形態において別個に又は任意の部分的組み合わせで実装されてもよい。その上、特徴は特定の組み合わせにおいて作用するものとして上記で説明された場合があり、最初にそのように主張された場合さえあるが、主張された組み合わせからの1つ又は複数の特徴が、場合によっては組み合わせから除外されてもよく、主張された組み合わせは部分的組み合わせ又は部分的組み合わせの変形を対象とするものであってもよい。
【0094】
同様に、動作は特定の順序で発生するものとして説明された場合があるが、これは、所望の結果を達成するためにそのような動作が、説明された特定の順序で、又は順番に実行されること、又は全ての説明された動作が実行されることを要求するものと理解されるべきではない。更に、開示されていない他の動作が、本明細書中で説明された処理に組み込まれてもよい。例えば、1つ又は複数の追加の動作が、開示された動作のうちのいずれかの前に、又は後に、又はそれらと同時に、又はそれらの間に実行されてもよい。特定の状況では、マルチタスキング及び並列処理が有利な場合がある。加えて、他の実装形態が特許請求の範囲内にある。場合によっては、特許請求の範囲に記載されたアクションは、異なる順序で実行され得、所望の結果を依然として達成し得る。
図1
図1A
図1B
図2
図3
図4