(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記金属粉体の少なくとも1個の塊の前記得られる酸素含有量が約1から約125ppmの範囲であり、及び/又は任意の得られる捕捉金属が約0.3から約10ppmの量で存在する、請求項1に記載の方法。
前記捕捉金属がマグネシウムであり、前記金属粉体の少なくとも1個の塊の酸素含有量が約75ppm未満であり、マグネシウム含有量が約15ppm未満である、請求項1に記載の方法。
熱間静水圧プレスが温度約1000℃から1200℃未満で行われ、前記熱間静水圧プレスステップが圧力100から250MPaで、理論密度の少なくとも98%の密度を得るのに十分な期間行われる、請求項11に記載の方法。
前記得られる高密度塊が、スパッタリングターゲット本体全体にほぼ均一に分布するグレインを含むスパッタリングターゲット本体であり、前記グレインの平均粒径が約40から約125μmである、請求項8から12のいずれかに記載の方法。
前記得られる高密度塊が、スパッタリングターゲット本体全体でほぼ均一な結晶学的組織を有し、結晶学的組織バンディング及び/又は結晶学的組織勾配が本質的にないスパッタリングターゲット本体である、請求項8から13のいずれかに記載の方法。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書の教示は、適切な出発材料を選択することによって、また、加工条件を制御することによって、比較的高純度のスパッタリングターゲットを、比較的高純度の粉体出発材料を製造し、圧密化することなどによって得ることができるという認識に基づく。こうしたスパッタリングターゲットも、本明細書の教示の態様に沿って加工すると、ターゲットの材料に予想されるほぼ理論的な結晶学的組織を示すことができる。例えば、観察される結晶学的組織は、ターゲット全体、特に、ターゲットのターゲット本体部分、すなわちスパッタリング操作中に衝突されるターゲットの部分でほぼ均一であり得る。一態様においては、本明細書の教示は、高純度耐熱金属粉体の(例えば、スパッタリングターゲットを形成するための)製造及び圧密化を予見する。例えば、本教示は、高純度耐熱金属(例えば、タンタル)粉体を形成する加工を予見する。粉体は、純度99.5、99.95、更には99.995重量パーセントとすることができ、酸素含有量が約150ppm未満(例えば、約10から約125ppm)及び捕捉金属(すなわち、指定加工条件において酸素に対する親和性が耐熱金属よりも高い金属。その例としては、マグネシウム、カルシウムなどの1種以上のアルカリ土類金属、ケイ素、アルミニウム、又はそれらの任意の組合せが挙げられる)含有量が約15ppm未満(例えば、約0.5から約10ppm)とすることができる。
【0011】
本教示によるスパッタリングターゲット本体は、本教示の粉体を圧密化することによって調製することができる。圧密化は、焼結、熱間静水圧プレス、熱間押出などの1つ又は任意の組合せによることができる。適切な密度(例えば、理論の約82から約88%)へのダイ圧縮及び/又は冷間静水圧プレスなどの1つ以上の圧縮ステップを利用することもできる。米国特許第8,226,741号及び/又は公開された米国特許出願公開第20080078268号(両方を参照により援用する)の教示によるコールドスプレーなどの噴霧を利用することもできる。ターゲット本体は、ASTM B311−08に従って全材料の理論密度の少なくとも約0.92、0.95、更には0.98倍の密度を有することができる。タンタルから本質的になる説明のための一ターゲット本体の場合、ターゲット本体は、少なくとも約15.4から約16.7g/cm
3、より具体的には約15.9から約16.7g/cm
3、更に具体的には約16.4から約16.7g/cm
3の範囲の密度を有することができる。スパッタリングターゲット本体は、後続の組立て操作(例えば、3点矯正組立て操作、クリープ平坦化操作、又はターゲット本体に応力をかける間の何らかの別の操作)中に受ける通常の応力に破断せずに耐えるように十分強くすることもできる。
【0012】
一般に、本教示は、粉体を製造する方法、及びスパッタリングターゲットを形成するために粉体を加工する方法を提供することによって上記必要性の1つ以上を満たす。
【0013】
粉体を製造する方法に関して、本教示は、その様々な態様の中でも、耐熱金属粉体を製造する方法であって、初期酸素含有量を有する耐熱金属粉体の塊を反応器中に配置するステップ、捕捉金属(すなわち、加工条件下で酸素に対する親和性が耐熱金属粉体よりも高い金属、望ましくは、捕捉金属は耐熱金属粉体よりも反応器中で酸素と酸化物を優先的に形成し、その後、反応器からの粉体の塊から分離することができる)の塊を耐熱金属粉体の塊から離して反応器内に配置するステップ、ここで、捕捉金属の塊と耐熱金属の塊は混合されていない(例えば、捕捉金属は耐熱金属の塊の中にない)、捕捉金属と一緒に捕捉金属酸化物を形成させるために、捕捉金属の少なくとも一部を少なくとも部分的に気化させ、初期酸素含有量の少なくとも一部と反応させる捕捉温度に反応器内で加熱するステップ、及び得られる酸素含有量が初期酸素含有量よりも少ない得られる耐熱金属粉体の塊が形成されるように、捕捉金属酸化物を耐熱金属粉体の塊から分離させるステップを含む方法を企図する。
【0014】
以下で説明するように、耐熱金属粉体は、少なくとも約99.5、99.95、更には約99.995重量パーセントの耐熱金属(例えば、タンタル)を含むことができる。初期酸素含有量は、約300重量ppmを超えてもよく、該方法の使用によって、その初期含有量を半分以上減らすことができ、更にはその初期含有量の75パーセント以上減らすことができる。耐熱金属粉体の塊は、深さ約0.3cmから約3.5cm(例えば、約0.5cmから約2.5cm)の層の形とすることができる。
【0015】
捕捉金属は、マグネシウム又は別のアルカリ土類金属とすることができる。捕捉金属は、反応器中で薄片の形で存在することができる。加熱ステップは、温度約800から約1000℃の加熱を含むことができる。得られる耐熱金属粉体の塊の得られる酸素含有量は約10から約125ppmの範囲であり、及び/又は得られる捕捉金属は約0.5から約10ppmの量で存在する。得られるタンタル粉体上に薄い酸化物層を形成するためなど、酸素を反応器に制御可能に導入するために、1つ以上の不動態化操作を採用することができる。
【0016】
ターゲットの製造に関しては、本教示に従って製造される粉体を圧密化することを含む方法が企図される。例えば、一態様においては、かかる方法は、粒径約45から約250μmの耐熱金属(例えば、タンタル)粉体の少なくとも1個の塊を、スパッタリングターゲット本体の少なくとも一部を画定するように構成された容器又は別の適切な装置に封入するステップを含むことができる。金属粉体の少なくとも1個の塊における粒子の約29から約56重量パーセント(例えば、約35から約47重量パーセント)は、粒径が150ミクロンより大きいが、約250μm未満である(かつ場合によっては、酸素に対する親和性が粉体の主要な金属(すなわち、重量で最大量存在する金属)よりも高い任意の金属元素(例えば、マグネシウム、カルシウムなどの1種以上のアルカリ土類金属、ケイ素、アルミニウム、又はそれらの任意の組合せ)の含有量が約10ppm未満である)。耐熱金属粉体の少なくとも1個の塊が容器又は別の適切な装置中に存在する間に、耐熱金属粉体の少なくとも1個の塊を圧密化して(例えば、熱間静水圧プレス、ホットプレス、焼結、又は圧密化して)、初期結晶学的組織(特に、熱間静水圧プレスし、容器から取り出した、又は圧密化した直後の初期結晶学的組織)を有する高密度塊を形成する。ここで、熱間静水圧プレス又は別の圧密化ステップは、高密度塊中で得られる初期結晶学的組織が理論的に無秩序で均一な結晶学的組織に近いような条件下で実施される。該方法は、熱間静水圧プレスステップの後及びスパッタリングの前に、得られる高密度塊のほぼ全体にわたって(例えば、得られる高密度塊の少なくとも約50%、70%、更には90重量%にわたって)初期結晶学的組織を(例えば、熱機械的加工によって)変えるステップを含まない。したがって、圧密化し(例えば、熱間静水圧プレス、ホットプレス、焼結、又は圧密化し)、容器から取り出した(並びに清浄化、表面処理、及び/又は受板への装着などのステップ)直後に得られる初期結晶学的組織が、得られるスパッタリングターゲットの最終組織である。
【0017】
特定の態様においては、本教示は、酸素含有量が約75ppm未満(例えば、約60ppm未満、更には約50ppm未満)及び/又は最大マグネシウム含有量が約10ppm未満(更には5ppm)の(例えば、純度が少なくとも約99.5%、より好ましくは少なくとも約99.95%、更により好ましくは少なくとも約99.995%のタンタル又は別の耐熱金属の)粉体を提供することを含む、スパッタリングターゲットを製造する方法を提供することによって、上記必要性の1つ以上を満たす。粉体は、粒径が約1000μm、約850μm、約650μm、約500μm、約350μm、更には約250μm未満とすることができる(例えば、粉体中の粒子は、約1000μm、約850μm、約650μm、約500μm、約350μm、更には約250μmを超えない)。例えば、全粒子の約95重量パーセント、約85重量パーセント、約75重量パーセントは、粒径が少なくとも約10μm、少なくとも約40μm、少なくとも約65μm又は少なくとも約90μmとすることができる。全粒子の約95パーセント、約85パーセント、約75重量パーセントは、粒径が約1000μm未満、約850μm未満、約650μm未満、約500μm未満、約350μm未満又は約250μm未満とすることができる。
【0018】
金属粉体の少なくとも1個の塊における粒子の約25から約65重量パーセント(例えば、約29から約56重量パーセント、更には約35から約47重量パーセント)は、粒径が約65μm、約150μm、約250μm、約500μm、約650μm又は約850μmより大きいが約1000μm未満とすることができる。驚くべきことに、粒径が約150μmを超える粒子を少なくとも約10、20、30、40、更には50重量パーセント使用すると、(例えば、熱間静水圧プレスの結果として)効果的に圧密化された塊をもたらすことが見出された。
【0019】
金属粉体の少なくとも1個の塊における粒子の約25から約65重量パーセント(例えば、約29から約56重量パーセント、更には約35から約47重量パーセント)は、約1000μm、850μm、650μm、約500μm、約350μm、又は約250μm未満であるが約10μmを超える粒径を有することができる。
【0020】
説明のための一例として、粉体は少なくとも1個の塊として使用することができ、粒子の少なくとも約95重量%が粒径約45から約250μmとすることができる(例えば、金属粉体の少なくとも1個の塊における粒子の約29から約56重量パーセント(例えば、約35から約47重量パーセント)は、粒径が約150ミクロンより大きいが約250ミクロン未満とすることができる)。
【0021】
粉体は、約1400℃、約1325℃又は約1250℃以下の温度で静水圧プレスして、ターゲット本体を画定することができる。プレスは、より低い温度(例えば、約1100℃未満(例えば、約1080℃未満、更には約1000℃未満))とすることができる。プレスは、圧力約100から約300MPa(例えば、約170MPaから約250MPa)とすることができる。
【0022】
例として、耐熱金属(例えば、タンタル)粉体の粒径は約10から約1000μmであり、粒子の少なくとも約10、20、30、40又は50重量パーセントは粒径が約150μmを超える(例えば、金属粉体の少なくとも1個の塊における粒子の約29から約56重量パーセント(例えば、約35から約47重量パーセント)は粒径が150ミクロンより大きいが約250μm未満である)ことが予想される。
【0023】
プレス又は別の圧密化方式は、こうした条件下で、<100>約5から約15体積%(例えば、約9から約11体積%などの約7から約13体積%)、<110>約15から約30体積%(例えば、約20から約23体積%などの約17から約26体積%)、及び<111>約10から約25体積%(例えば、約13から約16体積%などの約11から約20体積%)の(分析体の表面の垂直方向から15度(°)以内の主方向(例えば、軸)を有するグレインを分析するための、本明細書に記載の電子後方散乱検出(「EBSD:electron backscatter detection」)によって測定して)結晶学的組織を得るのに十分な期間行うこともできる。望ましくは、得られるスパッタリングターゲット本体全体の<100>、<110>及び<111>の結晶学的組織の体積比は、約5〜15:15〜30:10〜25(例えば、約9〜11:20〜23:13〜16などの約7〜13:17〜26:11〜20)の範囲である。このために、望ましくは、得られるスパッタリングターゲット本体全体の<100>、<110>及び<111>の結晶学的組織の体積比は、約1:2:1.4の範囲である。得られるグレインは、得られるターゲット本体全体にほぼ均一に分布し、粒径がターゲット全体で(例えば、少なくともスパッタリングで衝突されるターゲットの部分全体で)約15から約500、約350、約250又は約150μmの範囲である。望ましくは、粒径は、ターゲット本体全体の平均で約30から約145μm、より好ましくは約35から約135μm、更により好ましくは約40から約125μm(例えば、約40から約100μm、又は約50から約80μm)、更には約55から約115μm、約65から約105μm、又は約75から約100μmの範囲である。したがって、平均粒径は、約65μmを超えてもよい(例えば、約70μm、約80μm、約90μm、更には約100μmとすることができる)。得られる結晶学的組織及び/又は粒径が得られ、本明細書の教示の方法を圧密化(例えば、熱間静水圧プレス、ホットプレス、焼結など)のステップの後及びスパッタリングの前に、得られるターゲット本体全体の結晶学的組織を変えずに実施することができる。したがって、(i)(例えば、得られるターゲット本体全体の)結晶学的組織を変える圧密化に続く任意の熱機械的加工ステップ、(ii)(例えば、得られるターゲット本体全体の)結晶学的組織を変える任意の熱処理ステップ、又は(i)と(ii)の両方なしに、得られる結晶学的組織及び/又は粒径を得ることができる。
【0024】
本明細書の教示の別の一態様においては、本教示の方法によって製造されるスパッタリングターゲットが企図される。ターゲット本体全体でほぼ均一な結晶学的組織を有するスパッタリングターゲット本体(例えば、タンタルスパッタリングターゲット本体)も企図される。例えば、ターゲット本体は、結晶学的組織バンディングが実質的になくてもよく(すなわち、バンディング係数が<100>及び<111>配向で約7%未満であり、及び/又はバンディング係数が<110>配向で約10%、更には約7%以下とすることができる)、ターゲット本体は、結晶学的組織勾配が実質的になくてもよい(すなわち、平均厚さ方向勾配の絶対値が<100>及び<111>配向及び/又は<110>配向で約6%/ミリメートル(「mm」)未満であり、例えば、平均厚さ方向勾配の絶対値が約5%/mm、4%/mm、3%/mm、2%/mm、更には1%/mm未満とすることができる)。得られるスパッタリングターゲット本体全体の<100>、<110>及び<111>の結晶学的組織の体積比は、約1:2:1.4とすることができる。
【0025】
驚くべきことに、本明細書の教示は、過去のターゲットに比べて比較的厚いターゲット本体の形成を可能にする。例えば、ターゲット本体は、約1cm、約0.5cm又は約0.25cmと薄くすることができる。しかしながら、ターゲット本体を少なくとも約1.5cmの厚さとすることもできる。例えば、ターゲット本体を少なくとも約2cm、3cm、4cm、更には5cmの厚さとすることができる(例えば、約2.5から約5cmの厚さとすることができる)。それらをより厚くすることもできる(例えば、約5から約20cm厚以上)。
【0026】
さらに、得ることができる組織のために、本明細書の教示は、ターゲット本体をターゲット本体の実質的に全厚である深さまで(例えば、ターゲット本体の厚さの少なくとも80%、90%、更には95%の深さまで)スパッタリングすることができる技術的利点がある。したがって、本明細書の教示は、スパッタリングをターゲット本体の厚さの少なくとも80%、90%、更には95%の深さまで行う、本教示のターゲットを用いたスパッタリングの方法も企図する。さらに、得ることができる組織のために、本明細書の教示は、ターゲット本体が、ターゲットの様々な深さにおけるスパッタリング位置の間でかなり異なる(例えば、約20%を超える)平均スパッタ率をもたらし得る厚さ方向の組織変化を回避することができる技術的利点もある。粒子生成、及び/又はスパッタリングターゲットの寿命を尚早に短縮し得る別の有害な条件も、本教示によって回避することができる。
【0027】
本明細書の教示の更に別の一態様においては、本教示によるスパッタリングターゲット本体を用いてスパッタリングを行うことが企図される。テレビ、ビデオディスプレイ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、携帯情報端末、ナビゲーション装置、センサ、携帯型娯楽端末(例えば、ビデオプレーヤ、音楽プレーヤなど)、更には光起電装置の1つ以上など、幾つかの電子部品又は装置(例えば、障壁層、電極層などの層として、半導体の一部として、集積回路の一部としてなど)のいずれかに使用される薄膜結果も企図される。本教示によるスパッタリングターゲットは、ほぼ均一な厚さの材料の薄膜を直径(又は別の寸法)少なくとも約200mm、約300mm、更には少なくとも約450mmのウェーハ又は他の基板上にスパッタリングするために利用することができるようなサイズ及び寸法であることが予見される。これは、結晶学的組織を操作する後続の熱機械的加工又は別の二次加工ステップを必要とせずに、耐熱金属粉体などの金属粉体の塊を圧密化して(例えば、耐熱金属粉体などの金属粉体の塊を熱間静水圧プレスして)比較的大きいサイズのターゲット本体を形成する驚くべき能力のために少なくともある程度可能と考えられる。
【0028】
更に別の一態様においては、本教示は、圧密体の調製に使用される粉体の改善に関する。例えば、粉体は、耐熱金属粉体などの金属粉体、及びその合金とすることができる。粉体は、酸素含有量が約75ppm未満、より好ましくは約60ppm未満とすることができる。例えば、酸素含有量は、約10から約50ppmの範囲とすることができる。粉体は、(例えば、本明細書に記載の加工条件下で)酸素に対する親和性が耐熱金属粉体よりも高い不純物又は別の金属の含有量を約15ppm未満、約10ppm未満、更には約5ppm未満とすることができる。例えば、本教示は、約1から約150ppm、約1から約125ppm、約3から約75ppm、更には約5から約60ppm(例えば、約10から約50ppm)などの約150ppm未満(例えば、約125ppm未満、約100ppm未満、更には約75ppm又は60ppm未満)の酸素含有量、及び/又は約0.3から約15ppm、約0.5から約10ppm、更には約1から約5ppmなどの約15ppm未満、約10ppm未満(例えば、約5ppm未満)のマグネシウム(又は別の捕捉金属)含有量を実現するために採用することができる方法を説明する。粉体は、本明細書の表1に近い粒径分布を有することができる(例えば、示した値の約10、20又は30%以内)。例えば、圧密化前には、粉体は粒径が約250μm未満とすることができ、全粒子の約75重量%は粒径が約90から約250μmとすることができる。例えば、圧密化前に、耐熱金属粉体の少なくとも1個の塊を使用することができ、粉体は、粒子の少なくとも約95重量%が粒径約45から約250μmとすることができる(例えば、金属粉体の少なくとも1個の塊における粒子の約29から約56重量パーセント(例えば、約35から約47重量パーセント)は、150ミクロンを超える粒径を有することができる)。
【0029】
本教示は、様々な予想外の利点を提供する。例として、耐熱金属の塊における酸素を減少させるために、(例えば、場所又は別の粒子の形の)捕捉金属の塊を耐熱金属(例えば、耐熱金属粉体)の塊と物理的にブレンドしないことによって、驚くべきことに、耐熱金属の塊とブレンドされた捕捉金属の塊に比べて、得られる処理耐熱金属中の捕捉金属の量を、酸素含有量低減を損なわずに少なくすることができる(例えば、少なくとも30%、40%、50%、60%以下)。これは、高純度耐熱金属(例えば、純度99.995%)が必要な場合には、重要である可能性がある。さらに、本教示の効果及び利点は、従来技術と比較して、本教示が、より低温で、より短い反応時間で、又は両方で、耐熱金属の塊の酸素含有量を同様に、又はそれ以上に低減できることである。これは、処理量を増加させ、反応器操作のエネルギー消費を削減するのに特に重要である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
ここで本発明の特定の教示をより詳細に見ると、一般に、本教示は、スパッタリングターゲット、特に耐熱金属粉体(例えば、タンタル及び/又はニオブ)などの金属粉体から圧密化されたスパッタリングターゲット構造体を予見するものである。ターゲットは、一般に、ターゲット本体(すなわち、ターゲットの圧密化部分、特に材料除去及びスパッタ堆積の目的で衝突される全ターゲット組立品の部分)を含む。スパッタリングターゲット本体は、任意の適切な形状とすることができる。それは、略円形とすることができる(それは、その最大寸法として直径を有すると考えられる)。それは、矩形とすることができ、したがってその側端の1つをその最大寸法(例えば、側端の長さ)として有する。それは、管状とすることができる。本明細書の教示は、より小さいスパッタリングターゲットにも適用されるが、より規模の大きいターゲットに対して特に有用である。例として、より規模の大きいターゲット本体は、直径又は最大寸法が少なくとも約200mm、少なくとも約300mm、更には少なくとも約450mmのウェーハ又は他の基板の上にほぼ均一にスパッタリング可能であるようなサイズにすることができる。こうしたターゲット本体の例は、直径(又は最大寸法)が約0.2メートル、約0.3メートル、更には約0.4メートルを超える略円形又は矩形板構造体とすることができる。こうしたターゲット本体は、直径が約1メートル未満、約0.8メートル未満、更には約0.6メートル未満の略円形構造体とすることができる。ターゲット本体は約1cmと薄くすることができる。しかしながら、ターゲット本体を少なくとも約1.5cmの厚さとすることもできる。例えば、それらは、約2cm、3cm、4cm、更には5cmの厚さとすることができる(例えば、それらは、約1.5を超え約10cmまで、又は約2から約8cmの厚さ(約2から約5cm厚など)の範囲とすることができる)。
【0032】
ターゲット本体は、場合によっては、連結して、得られるターゲット本体を画定する少なくとも2個の圧密化予備成形ブロックを含むことができる。
【0033】
より具体的には、本明細書の教示のターゲット本体は、粉末金属(例えば、高純度タンタル粉体などの1種以上の粉末耐熱金属)を圧密化することによって製造することができる。圧密化は、焼結、熱間静水圧プレス、熱間押出、又は高温及び場合によっては高圧での高密度化から生じ得る。1つ以上の追加の圧密化ステップが存在し得る(該ステップは、高圧とすることができるが、室温若しくは室温付近、又は任意の熱間静水圧プレス、熱間押出及び/又は焼結の温度よりも低い温度とすることができる)。例えば、比較的低温の圧縮ステップ(例えば、冷間静水圧プレス、圧延、ダイ圧縮又はそれらの任意の組合せ)が存在し得る。参照により援用する米国特許第8,226,741号及び公開された米国特許出願公開第20080078268号に記載のものなどのコールドスプレー技術などの噴霧も可能である。例えば、コールドスプレーは、粒子(例えば、粉体)材料が固体として基板上に融解せずに堆積するプロセスである。このコールドスプレープロセスの間、粒子は、一般に、キャリアガスによって(例えば、わずか数百℃に)加熱され、(例えば、ノズルを介して)噴霧され、500から1500メートル/秒などの超音速で移動して、基板と衝突する。(参照により援用する)米国特許第6,521,173号カラム5及び6に開示されたものなどの別の圧密化手法も採用することができる。一手法は、材料の理論密度未満の所定の密度にまず圧縮することであり得る。これは、例えば、所望の組成の粉体の塊を冷間静水圧プレス又は圧縮することによって行うことができる。得られる粉体の塊は、熱間静水圧プレスなどによって更に高密度化することができる。
【0034】
多ブロック組立品を採用する場合、得られる圧密化された塊の2個以上を、(例えば、適切な熱間静水圧プレス容器に封入している間)2個以上のブロックを熱間静水圧プレスすることによって連結して、ターゲット本体を形成することができる。2個以上のブロックは、隣接ブロック間の空間内に任意の粉体、箔、タイル又は他の添加材料が存在する状態で、又は存在しない状態で連結することができる。
【0035】
出発粉末金属は、圧密化前には、(例えば、(金属元素が無いことを意味すると定義される)純度少なくとも約99.5%、99.95%、更には99.995%の)実質的に純粋な金属の1つ以上の粉体を含むことが企図される)。
【0036】
粉体は、粒径が約1000μm、約850μm、約650μm、約500μm、約350μm、更には約250μm未満とすることができる(例えば、粉体中の粒子は、約1000μm、約850μm、約650μm、約500μm、約350μm、更には約250μmを超えない)。例えば、全粒子の約95重量パーセント、約85重量パーセント、約75重量パーセントは、粒径が少なくとも約10μm、少なくとも約40μm、少なくとも約65μm、少なくとも約90μm又は少なくとも約150μmとすることができる。全粒子の約95パーセント、約85パーセント、約75重量パーセントは、粒径が約1000μm未満、約850μm未満、約650μm未満、約500μm未満、約350μm未満又は約250μm未満とすることができる。
【0037】
金属粉体の少なくとも1個の塊における粒子の約25から約65重量パーセント(例えば、約29から約56重量パーセント、更には約35から約47重量パーセント)は、粒径が約65μm、約150μm、約250μm、約500μm、約650μm又は約850μmより大きいが約1000μm未満とすることができる。驚くべきことに、粒径が約150μmを超える粒子を少なくとも約10、20、30、40、更には50重量パーセント使用すると、(例えば、熱間静水圧プレスの結果として)効果的に圧密化された塊をもたらすことが見出された。
【0038】
金属粉体の少なくとも1個の塊における粒子の約25から約65重量パーセント(例えば、約29から約56重量パーセント、更には約35から約47重量パーセント)は、約1000μm、850μm、650μm、約500μm、約350μm、又は約250μm未満であるが約10μmを超える粒径を有することができる。
【0039】
例として、それだけに限定されないが、粉体粒子は、以下の表1に近い分布を有することができ、予想される変化は、示した量の約10%、20%又は30%である。「平均」の列に記載した量は、全粉体混合物のおおよその重量百分率を指す。
【0041】
粉体は、圧密化前には、一般に、粒径が約250μm未満であり、全粒子の約75重量%は粒径が約90から約250μmである。上記粉体粒子を用いて製造される圧密化物品内の得られる粒径及び粒径分布は、圧密化前の粒径とほぼ同じと考えられる(例えば、約20%以内、更には約10%以内)。
【0042】
見て分かるように、本明細書の粉体は粒径が250μmを超えないが、粒径約150μmを超える粒子を少なくとも約10、20、30、40、更には50重量パーセント使用すると、(例えば、熱間静水圧プレスの結果として)効果的に圧密化された塊が得られ、本質的に無秩序な理論的な組織を有する得られる有効なスパッタリングターゲットも可能であることが驚くべきことに見出された。例えば、粒径約180から約250ミクロンの粒子を約15から約30重量パーセント(例えば、約20から約25重量パーセント)使用しても、(例えば、熱間静水圧プレスの結果として)効果的に圧密化された塊、及び本質的に無秩序な理論的な組織を有する得られる有効なスパッタリングターゲットが得られることが驚くべきことに見出された。さらに、同様の有効な結果は、粒径約150から約180ミクロンの粒子を約14から約26重量パーセント(例えば、約17から約22重量パーセント)使用しても可能であることも驚くべきことに見出された。したがって、(例として)表1を参照すると、出発材料は、粒径が150ミクロンより大きいが約250μm未満である粉体少なくとも約29から約56重量パーセント(例えば、約35から約47重量パーセント)を含むことができる。したがって、有効な圧密化のために粒径がわずか150ミクロン未満の粉体の塊を使用する粉体の塊を出発材料として使用する必要がない。
【0043】
粉体は、圧密化前には、好ましくは、酸素含有量が約75ppm未満、より好ましくは約60ppm未満である。例えば、本教示は、約1から約150ppm、約1から約125ppm、約3から約75ppm、更には約5から約60ppm(例えば、約10から約50ppm)などの約150ppm未満(例えば、約125ppm未満、約100ppm未満、更には約75ppm又は60ppm未満)の酸素含有量を実現するために採用することができる方法を説明する。粉体は、略球状とすることができる。粉体は、(参照により援用する)米国特許第6,521,173号の教示などによる非球状とすることができる。粉体は、(参照により援用する)米国特許第6,521,173号(例えば、実施例1〜3参照)及び(参照により援用する)米国特許第6,261,337号の教示に従って調製することができ、酸素及びマグネシウム(又は他の不純物金属)含有量が所望の限界未満であることを確認する追加の測定を行うことができる。例えば、約15ppm未満、更には約10ppm未満のマグネシウム(又は他の不純物金属)を得るために、米国特許第6,261,337号の教示に一般に従うことができるが、粉体の脱酸素温度は、約1050℃、900℃、更には850℃を超えない(例えば、粉体を形成するために金属水素化物(例えば、タンタル水素化物)材料を供する温度は、粉体を脱酸素するために十分な時間(例えば、約0.25から約4時間、約0.5から約2時間など)、温度約1050℃、900℃未満、更には850℃未満に制限することができる)。驚くべき予想外に高い純度を引き続き得ながら、米国特許第6,261,337号から変更して他のステップも採用することができる。例えば、以下から分かるように、捕捉金属と出発耐熱金属粉体をよく混合するステップをなくすことによって、比較的低い酸素含有量を得ることができ、及び/又は得られる低含有量の捕捉金属(例えば、マグネシウム)を得ることができることが予想外に発見された。米国特許第6,261,337号よりも低い温度を利用して、及び/又は高温でより短い加工時間を利用して、驚くほど良好な結果を得ることもできる。
【0044】
より詳細には、比較的低い酸素含有量及び比較的低い捕捉金属(例えば、マグネシウム、又はカルシウムなどの1種以上のアルカリ土類金属、ケイ素、アルミニウム、それらの任意の組合せなどの指定反応条件下で調製される、酸素に対する親和性がタンタル若しくは他の耐熱金属よりも高い他の金属)は、タンタル(又は別の耐熱金属)粉体の塊をマグネシウム、又は酸素に対する親和性が耐熱金属粉体よりも高い他の金属などの捕捉金属の存在下で、加工条件で加熱することを含む方法によって達成することができる。加熱は、耐熱金属粉体と捕捉金属の事前の混合なしで行われる。すなわち、耐熱金属粉体の1個以上の塊と捕捉金属の1個以上の塊の出発材料を物理的に分離する(例えば、空間的に別々の容器中に位置する)ことができる。加熱は、(例えば、酸素が反応器に入る可能性の低下に役立つために約850から約870トールなどの大気圧以上で)全般的に不活性な雰囲気を含む反応器中、及び/又は減圧下で実施することができる。加熱は、捕捉金属(すなわち、酸素に対する親和性が耐熱金属粉体よりも高い金属(例えば、マグネシウム、カルシウムなどの1種以上のアルカリ土類金属、ケイ素、アルミニウム、又はそれらの任意の組合せ))が少なくとも部分的に気化するが、耐熱金属粉体の融解及び気化温度未満の1つ以上の温度(及び/又は温度と圧力の組合せ)で行うことができる。得られる捕捉金属蒸気を耐熱金属粉体の1個以上の塊中に移し、耐熱金属粉体中に存在する酸素と反応させて、捕捉金属酸化物反応生成物を形成する。その後、得られる反応生成物を耐熱金属粉体から分離する。例えば、それは、物理的に(例えば、反応器内の1箇所以上に堆積又は形成し得る反応生成物を単離すること)及び/又は化学的に(例えば、一般にタンタルに比べて不活性であるが、得られる捕捉金属酸化物を選択的に除去する酸を用いた浸出によって)分離することができる。
【0045】
以下は、比較的低い酸素及び低いマグネシウム(又は別の捕捉金属)含有量のタンタル粉体を実現するために採用することができる反応の一例である。本教示は、一般に、他の耐熱金属加工、及び本明細書に記載の他の捕捉金属にも同様に当てはまる。例えば、本教示は、耐熱金属(例えば、タンタル)中、約1から約150ppm、約1から約125ppm、約3から約75ppm、更には約5から約60ppm(例えば、約10から約50ppm)などの約150ppm未満(例えば、約125ppm未満、約100ppm未満、更には約75ppm又は60ppm未満)の酸素含有量、及び/又は約0.3から約15ppm、約0.5から約10ppm、更には約1から約5ppmなどの約15ppm未満、約10ppm未満(例えば、約5ppm未満)のマグネシウム(又は別の捕捉金属)含有量を実現するために採用することができる方法を説明する。本教示は、耐熱金属(例えば、タンタル)中の重量による最終酸素含有量を、耐熱金属中の初期酸素含有量の約50重量%、40重量%、30重量%、更には約20重量%未満の量に削減するために採用することができる方法を説明する。
【0046】
所定量の処理すべき耐熱金属粉体(例えば、粒径分布が表1の約10%、20%又は30%以内であるタンタル又は別の耐熱金属粉体)を、1個以上の第1の容器、例えば、上部が開かれ、約0.3から約5cm、約0.5から約2.5cm、更には約1cmの間隔で互いに支持できるように配置することができる複数の積層トレイに入れる。容器は、好ましくは、タンタル粉体の層を捕捉金属からの蒸気(例えば、マグネシウム蒸気)にさらすために容器内に支持することができる。例えば、粉体の層は、深さ約0.3cmから約3.5cm、又は約0.5cmから約2.5cmとすることができる。最初の耐熱金属(例えば、タンタル)粉体は、初期酸素含有量を有することができる。例えば、それは、その中に約300から800ppm(重量)の酸素を含むことができる。
【0047】
所定量の捕捉金属(例えば、マグネシウム)粒子(例えば、薄片)を1個以上の第2の容器に入れる。粒子(例えば、薄片)は十分なサイズであり、反応条件下でほぼ完全に気化する。例えば、それらは、約70から約95(例えば、約80)重量部が米国標準篩サイズ20を通過し、約5から約30(例えば、約15)重量部が米国標準篩サイズ30を通過し、約10重量部未満(例えば、約5重量部)が米国標準篩サイズ40を通過する粒径を有することができる。
【0048】
容器は、好ましくは、捕捉金属粒子(例えば、薄片)の層を容器内に保持することができる。例えば、粒子の層は、深さ約0.3cmから約3.5cm、又は約0.5cmから約2.5cmとすることができる。タンタル粉体とマグネシウム粒子は、互いに接触してブレンドされない。その代わり、それらは物理的に分離されている。それらは、蒸気輸送によって(例えば、マグネシウム又は別の捕捉金属蒸気の輸送によって)互いに接触するにすぎない。例として、捕捉金属(例えば、マグネシウム)粒子の量に対する耐熱金属(例えば、タンタル)粉体の重量は、約500:1から約100:1、更には約400:1から約200:1(例えば、約333:1)などの約700:1から約50:1の範囲とすることができる。
【0049】
耐熱金属(例えば、タンタル)粉体及び捕捉金属(例えば、マグネシウム)粒子の各々では、それぞれの容器中で所定の深さを有する粉体又は粒子の層が存在し得る(例えば、層は、約0.3cmから約3.5cm、又は約0.5cmから約2.5cmの範囲とすることができる)。
【0050】
耐熱金属粉体及び捕捉金属粒子を含む1個以上の第1及び第2の容器を反応器内に配置し、反応器に全般的に不活性な流体(例えば、アルゴンガス)を充填し、反応期間を通して流体を反応器中に維持する、又は反応器に流す。反応器内の圧力を大気圧以上に維持することができる。
【0051】
例として、反応器内の温度を十分高温(例えば、約750から約1100℃、約800から約1000℃、約850から約950℃、更には約900℃)に十分な時間(例えば、約15から約240分間、約30から約120分間、更には約1時間)上昇させることができ、捕捉金属(例えば、マグネシウム薄片)は少なくとも部分的に気化し、得られる蒸気は、耐熱金属(例えば、タンタル)粉体中に存在する酸素の少なくとも一部と反応する。得られる酸化物が捕捉金属(例えば、マグネシウム)と一緒に形成され、反応器の冷却領域(例えば、反応器の最上部近く)で凝縮し、処理される耐熱金属(例えば、タンタル)粉体からそれを分離することができる。
【0052】
耐熱金属(例えば、タンタル)粉体中に最初に存在する酸素の一部が、耐熱金属(例えば、タンタル)粉体の少なくとも一部の上に薄い酸化物層を形成することもある。さらに、わずかな量の捕捉金属(例えば、マグネシウム)がタンタル粉体中にも拡散すると予想される。
【0053】
本教示は、耐熱金属と捕捉金属の出発粉体の均質混合を全般的に回避する独特なステップの組合せを使用するが、分離した捕捉金属供給源に加えて、ある量の捕捉金属と耐熱金属の出発材料の混合物を使用するステップが存在してもよい。例えば、混合物が存在する1つ以上の分離した区域(例えば、1個以上の層内などの反応器内)が存在することができ、混合物のない1つ以上の分離した区域が存在することができる。
【0054】
耐熱金属(例えば、タンタル)が捕捉金属酸化物の形成によって減少する反応条件を決定した後、得られる耐熱金属(例えば、タンタル)粉体の塊に酸素を制御可能に再導入する1つ以上のステップが存在してもよい。すなわち、反応器を十分低温(例えば、約60℃未満、より好ましくはほぼ室温)に冷却した後、耐熱金属粉体の少なくとも一部に薄い酸化物層を形成するために、反応器に酸素を制御可能に導入する1つ以上の不動態化ステップを採用することができる。例として、こうしたサイクルは、反応器を低圧に(例えば、減圧状態又はその近くに)ポンプダウンし、アルゴン(又は別の不活性ガス)を所望のレベルまで添加し、空気(又は別の酸素源)を各空気添加の間で休止しながら徐々に添加する1つ以上のステップを採用することができる。連続的な空気添加と休止のシーケンスを、大気圧又はその近くの空気が達成されるまで繰り返す。次いで、システムを減圧状態又はその近くに再度ポンプダウンし、連続的な空気添加と休止のシーケンスを繰り返すことができる。これを複数回(例えば、更に2回以上)繰り返すことができる。全体として、不動態化サイクルは、約4時間かかることもある。
【0055】
任意の不動態化ステップを採用した後、耐熱金属(例えば、タンタル)粉体及び任意の捕捉金属酸化物(例えば、酸化マグネシウム)を、タンタル粉体を単離する分離ステップに供することができる。例えば、それらを(例えば、反応器内の捕捉金属酸化物堆積物の除去によって、及び/又は得られる耐熱金属(例えば、タンタル)から捕捉金属酸化物を除去する適切な酸浸出ステップに供することによって)物理的に分離することができる。
【0056】
見て分かるように、米国特許第6,261,337号の教示とは対照的に、驚くべき結果が得られた。得られるタンタル粉体の比較的低いマグネシウム及び酸素含有量が、より低い反応温度及びより短い時間で可能である。さらに、こうした結果は、マグネシウムとタンタルをよく混合する必要なしに達成可能である。
【0057】
示したように、上記教示は、マグネシウムに関連して説明されているものの、マグネシウムに限定することを意図するものではない。タンタルの融点未満で気化することができ、反応条件下で酸素に対する親和性がタンタルよりも高い別の金属などの別の金属を使用することもできる。さらに、このプロセスは、別の耐熱金属(例えば、ニオブ)にも適用され、その場合、本教示は、タンタルの代わりにこうした別の耐熱金属を使用する。
【0058】
ここで、本教示に従って製造される粉体の使用に目を向けると、圧密化前に、2種以上の粉体を使用する場合、開示された粉体ブレンド技術に従ってそれらをブレンドすることができる。例えば、異なる粉体を乾燥容器に入れ、容器をその中心軸回りに回転させて、混合することができる。完全にブレンドされ、均一に分散された粉体が得られるのに十分な時間、混合を続けることができる。ボールミル又は類似の装置(例えば、回転円筒、回転円錐、二重円錐、V形(twin shell)、ダブルプラネタリー、及び/又はシグマブレードブレンダー)を使用してブレンドステップを行うこともできる。
【0059】
本教示の得られるターゲット本体における組成は、一般に、タンタル及び任意の追加の任意に選択できる合金元素を含むことができる。例えば、該組成は、得られるターゲット本体において、得られるターゲット本体の約70体積%を超える、約80体積%を超える、更には約90体積%を超える量のタンタルの実質的に純粋な相が存在するような量のタンタルを含む合金を含むことができる。
【0060】
少なくとも1種の追加の合金元素は、ニオブなどの金属元素とすることができる。Nbをタンタルの代わりに使用することができる。本明細書の教示は、別の耐熱金属に適用することもできる。
【0061】
大まかに述べると、本明細書に記載の方法は、熱機械的加工及び/又は熱間静水圧プレス後熱処理を回避することができ、それでもターゲット構造全体でほぼ均一な無秩序な結晶学的組織を有するターゲット構造をもたらす驚くべき認識から生じた。例えば、ターゲット本体は、結晶学的組織バンディングが実質的になくてもよい(すなわち、それは、<100>及び<111>配向のバンディング係数が約7%未満である)。ターゲット本体は、結晶学的組織勾配が実質的になくてもよい(すなわち、それは、平均厚さ方向勾配の絶対値が<100>及び<111>配向で約6%/mm未満である)。例えば、それは、平均厚さ方向勾配の絶対値を約5%/mm、4%/mm、3%/mm、2%/mm、更には1%/mm未満とすることができる。得られるスパッタリングターゲット本体全体の<100>、<110>及び<111>の結晶学的組織の体積比は、約1:2:1.4とすることができる。
【0062】
一般に、本明細書に記載のターゲット本体の製造は、前述の粒径を有するものなどの粉体出発材料を使用する。粉体は、熱、圧力又は両方の所望の時間の適用によって高密度化することができる。例えば、それらは、圧縮、焼結、冷間静水圧プレス、熱間静水圧プレス又はそれらの任意の組合せとすることができる。初期圧縮ステップを行うことができる。例えば、初期ステップを採用して、粉体の塊を理論密度の約50から約85%(例えば、理論密度の約60から約70%)に圧縮することができる。これは、適切な冷間静水圧プレス操作によって行うことができる。冷間加工ステップ、熱間加工ステップ、アニーリングステップなどの1つ以上の二次操作を実現することもできる。しかし、有利なことに、本明細書の教示は、こうした二次操作を不必要にすることができ、したがって、こうした二次操作を採用しないことが企図される。本教示の驚くべき1つの結果は、プレス後の冷間加工ステップなどの(例えば)中間二次操作なしで、スパッタリング問題を生じる欠陥がない完全理論密度の近く(例えば、理論の約98%)までターゲット本体を加工する能力であると考えられる。
【0063】
好ましい圧密化手法は、本教示の粉体の塊を容器に封入し(例えば、塊を熱間静水圧プレス缶などの容器に密封し)、次いで塊(例えば、非圧縮粉体の塊又は(例えば、前の冷間静水圧操作又は別の圧縮操作からの)圧縮粉体の塊)を熱間静水圧プレス(HIP:hot isostatically pressing)するステップを含む。
【0064】
本教示による熱間静水圧プレスは、好ましくは、圧力約100から約300MPa、約170MPaから約250MPa、より好ましくは約190から約220MPa(例えば、約200MPa)で行われる。HIPプロセスは、望ましくは、約1400℃、約1325℃又は約1250℃以下の温度で実施することができる。プレスは、より低い温度(例えば、約1100℃未満(例えば、約1080℃未満、更には約1000℃未満))とすることができる。例えば、HIPプロセスを温度約950℃から約1400℃で行うことができる。
【0065】
HIPプロセスは、約1から約12時間、より好ましくは約4から約10時間(例えば、約6時間)の範囲とすることができる。
【0066】
例として、それだけに限定されないが、塊を圧縮して、衝突される円盤状本体を形成することができる。塊を圧縮して、衝突される矩形又は別の形状の本体を形成することができる。衝突される得られる形状の本体のサイズは、望ましくは、直径少なくとも約200mm、300mm、更には少なくとも約450mm以上のウェーハ又は別の基板の全体にほぼ均一な厚さの薄膜をスパッタするのに十分な大きさである。
【0067】
熱間静水圧プレスステップに続いて、圧縮本体をその最終状態に機械加工及び/又は表面処理する1つ以上のステップが存在してもよい。例えば、表面材料を研削及び/又は研磨によって除去することができる。1つ以上の構造的特徴も同様に機械加工することができる(例えば、固定、高真空用途用受板のOリング受けなどの1つ以上の特徴)。本明細書の教示は、受板をターゲット本体に取り付けることも企図する。
【0068】
本明細書の教示の更に別の一態様においては、本教示によるスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングを行って、スパッタ堆積しようとする基板領域のほぼ全体にほぼ均一な厚さ(及び好ましくはほぼ均一な材質)の薄膜を生成することが企図される。テレビ、ビデオディスプレイ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、携帯情報端末、ナビゲーション装置、センサ、光起電装置、携帯型娯楽端末(例えば、ビデオプレーヤ、音楽プレーヤなど)の1つ以上など、幾つかの電子部品又は装置(例えば、障壁層、電極層などの層として、半導体の一部として、集積回路の一部としてなど)のいずれかに使用される薄膜結果も企図される。
【0069】
薄膜は、組織バンディング又は結晶学的組織勾配に起因し得る構造上の人為的結果を実質的になくすことができる。薄膜は、ターゲット本体の厚さ全体にわたって概して一定の膜厚を示すことができる(スパッタリング条件は同じ)(例えば、ターゲットの最上部からターゲットの底部までの膜厚変化は約10%未満、更には5%未満である)。薄膜は厚さが約350nm未満、約225nm未満、更には約100nm未満とすることができる。薄膜は厚さが約5nmを超える、更には約10nmを超えることができる。例えば、フィルムは、厚さが約15から約25nmとすることができる。単一のフィルム内の厚さ変化は、こうしたフィルムの平均膜厚の約20%未満、約10%未満、更には約5%未満とすることができる。
【0070】
本明細書に記載のターゲット本体を用いるスパッタリングは、ターゲット本体の実質的に全厚である深さまで(例えば、ターゲット本体の厚さの少なくとも80%、90%、更には95%の深さまで)スパッタリングする1つ以上のステップを含むことができる。
【0071】
得られるターゲット本体の微細構造は、好ましくは、本体全体でほぼ均一である。タンタル及び少なくとも1種の別の元素を含む典型的なターゲット本体においては、微細構造は、好ましくは、純粋なタンタルのマトリックスを示し、別の元素の領域は、マトリックス全体にほぼ均一に分布する。別の元素相の領域は、概して等軸とすることができる。別の元素相の領域は、サイズがターゲット本体又はターゲット全体でほぼ均一に変わり得る。
【0072】
当業者には理解されるように、本教示は、以下の特性及び/又は変化の1つ以上を企図する。本明細書に記載の方法は、ターゲットを形成するためにその後に熱機械的に加工される鋳造金属インゴットを形成する任意のステップを含んでも、含まなくてもよい。本明細書に記載の方法は、アニーリング又は別の熱処理の任意のステップを含んでも、含まなくてもよい。本明細書に記載の方法は、参照により援用する米国特許第8,250,895号の教示によるものなどの非対称圧延の任意のステップを含んでも、含まなくてもよい。本明細書に記載の方法は、電子ビーム溶解インゴット形成のステップを含まなくてもよい。本明細書に記載の方法は、鍛造(例えば、面鍛造(side forging)、据込鍛造など)のステップを含まなくてもよい。該方法は、任意の粉体のプラズマ処理又は他のプラズマ加工のステップを含まなくてもよい。
【0073】
本明細書に記載のターゲット本体は、粒径がターゲット全体で(例えば、少なくともスパッタリングで衝突されるターゲットの部分全体で)約15から約500、約350、約250又は約150μmの範囲とすることができる。望ましくは、粒径は、ターゲット本体全体の平均で約30から約145μm、より好ましくは約35から約135μm、更により好ましくは約40から約125μm、更には約55から約115μm、約65から約105μm、又は約75から約100μmの範囲である。したがって、平均粒径は、約65μmを超えてもよい(例えば、約70μm、約80μm、約90μm、更には約100μmとすることができる)。こうした平均粒径は、ターゲット本体のほぼ全体で実現することができる。こうした平均粒径及び粒径分布は、ターゲットの全体でほぼ均一にすることができる。グレインの主要な部分は、概して等軸とすることができる。例えば、グレインの少なくとも約60体積%、70体積%以上を概して等軸とすることができる。
【0074】
他の場所で述べるように、本教示に従って製造されるターゲット本体は、無秩序に配置された<100>、<110>及び<111>結晶学的組織成分を含むほぼ均一な結晶学的組織を全体的に示すと考えられ、一般に結晶学的組織バンド、結晶学的組織勾配又は両方がないと予想される。得られるスパッタリングターゲット本体の結晶学的組織は、<100>約9〜11体積%、<110>約20〜23体積%、及び<111>約13〜16体積%とすることができる。得られるスパッタリングターゲット本体全体の<100>、<110>及び<111>の結晶学的組織の体積比は、約5〜15:15〜30:10〜25(例えば、約9〜11:20〜23:13〜16などの約7〜13:17〜26:11〜20)の範囲である。したがって、得られるスパッタリングターゲット本体全体の<100>、<110>及び<111>の結晶学的組織の体積比は、約1:2:1.4とすることができる。分かるように、得られる結晶学的組織は、完全に無秩序な理論的な組織に本質的に近い。
【0075】
したがって、本明細書の教示は、中央部、厚さ、端部、上面及び底面を有する耐熱金属板(又は別のターゲット構造)を企図し、耐熱金属板(又は別のターゲット構造)は、板全体でほぼ均一である結晶学的組織成分<100>及び<111>の各々で(厚さ方向勾配、及び板を横切る変化を特徴とする)結晶学的組織を有する。
【0076】
ターゲット本体は、結晶学的組織成分<100>、<110>及び<111>について、厚さ方向勾配(単数又は複数)、及び/又はターゲット本体にわたる平均変化(すなわち、「バンディング係数(「B」))を特徴とする結晶学的組織を有することができ、平均厚さ方向勾配の絶対値は、6%、5%又は4%、3%、2%、更には1%/mm以下であり、及び/又はターゲット本体にわたる平均変化(B)は8%、7%、6%、5%又は4%、3%、2%、更には1%以下である。
【0077】
ターゲット本体は、結晶学的組織成分<100>及び<111>について、厚さ方向勾配、及び本体にわたる最大変化を特徴とする結晶学的組織を有することができ、最大厚さ方向勾配は、絶対値13%/mm、9%/mm、5%/mm、更には3%/mm以下であり、及び/又は本体にわたる組織の最大変化は、11%、9%、更には7%以下である。
【0078】
3つのグレイン配向をマッピングした
図1A〜1Cのマップでは、マップは、板法線方向(「ND:Normal Direction」、例えば、マップ上の垂直方向)から15度以内の特定の結晶学的方向を有するグレインを示す。NDから15度以内の<111>配向のグレインは、(本明細書に記載の試験方法に従ってEBSDマップでは一般に青色で示される)最も暗い陰影のグレインである。NDから15度以内の<100>配向のグレインは、(本明細書に記載の試験方法に従ってEBSDマップでは一般に赤色で示される)最も明るい陰影のグレインである。NDから15度以内の<110>配向のグレインは、(本明細書に記載の試験方法に従ってEBSDマップでは一般に黄色で示される)2番目に最も暗い陰影(すなわち、最も明るい陰影と最も暗い陰影との間の陰影)のグレインである。どの基準も満たさないグレインは、図では白色である(本明細書に記載の試験方法に従ってEBSDマップでは一般に灰色で示される)。陰影及び対応する組織を示す凡例が図に含まれる。
【0079】
図1Aを参照して、本明細書の教示が、一般に組織バンディングのない、ターゲット本体全体でほぼ均一な粒径及び分布を有するほぼ均一で無秩序な結晶学的組織を実現すると予想される状態を示す。その中で示した平均粒径は約71μmである。しかし、見て分かるように、より小さいグレイン及びより大きいグレインが見られ、本明細書の一般的教示内と考えられる。
図1Aのマップは、以下に従って製造することができる試料から作成することができる。タンタル粉体の塊を使用することができる。酸素含有量を低減し、任意の捕捉金属の含有量が約15ppm未満(例えば、約10ppm未満)である本明細書の教示に係る技術に粉体を供することができる。粉体の塊を(例えば、初期状態に圧力約220MPaで)適切な圧力をかけることによって冷間静水圧プレスして、理論密度の約82から約88%の密度を達成することができる。冷間静水圧プレス粉体は、容器内で、適切な温度及び圧力条件並びに適切な時間(例えば、約1250℃の温度、約207MPaの圧力で約6時間などの期間)熱間静水圧プレスして、理論密度に近い密度(例えば、理論密度の少なくとも98%)を得ることができる。得られる熱間静水圧プレス本体を容器から取り出し、(例えば、最終寸法に切断及び/又は機械加工することによって)加工することができる。
【0080】
この特別な説明は、特別なセットの材料及びパラメータから誘導されるにしても、本教示の範囲内の別の材料及びパラメータを使用すると、ほぼ同様の結果が得られると予想される。
【0081】
それに対して、
図1Bの試料は、冷間静水圧プレスし、次いで熱間静水圧プレスし、次いで熱機械的加工(すなわち、一連のクロスロール)に供したタンタル粉体ビレットである。それは平均粒径約48μmであるが、幾らかの組織勾配が生じていることが分かる。
図1Cの試料は、インゴット冶金(すなわち、電子ビーム溶解)によって調製された平板の非対称圧延を利用して、公開された米国特許出願公開第20090038362号の教示に従って実現することができる結晶学的組織を示す。それは同様に平均粒径約54μmである。したがって、
図1Aから、粉末金属から誘導され、スパッタリングを促進するターゲットが、圧密化後の熱機械的加工ステップなしで得られることが分かる。
【0083】
図3A及び
図3Bを参照して、
図1Aにマップされた<100>、<110>及び<111>配向に加えて、同じ材料に対する予想マップを示す。ただし、予想される<211>及び<310>配向のマッピングも含む。
図3Bは、
図3Aの矩形内の領域の拡大部分である。
図1Aのマップとは対照的に、この分析の目的で、また、配向のグループ間の著しい重複を避けるために、組織分析のための本明細書に記載の15度基準の代わりに10度基準を使用する。すなわち、公開された米国特許出願公開第20090038362号(例えば、段落159〜171)の教示を採用することができ、その配向の軸がスパッタリングターゲットの表面の垂直方向(EBSDスキャンにおけるy方向)から10度以内であるグレインの割合を数えることによって配向強度を計算することができる。これらの図においては、最も明るい陰影のグレインは、(本明細書に記載の試験方法に従ってEBSDマップでは緑色などの任意の色で示すことができる)<211>組織に対応する。次に最も明るい陰影の(すなわち、最も明るい陰影よりわずかに暗い)グレインは、(本明細書に記載の試験方法に従ってEBSDマップでは一般に赤色で示される)<100>組織に対応する。2つの最も明るい陰影よりわずかに暗い陰影のグレイン(すなわち、「中間」陰影)は、(本明細書に記載の試験方法に従ってEBSDマップでは一般に黄色で示される)<110>組織に対応する。最も暗い陰影のグレインは、(本明細書に記載の試験方法に従ってEBSDマップでは桃色などの任意の色で示すことができる)<310>組織に対応する。第2の最も暗い陰影のグレイン(すなわち、最も暗い陰影のグレインよりも明るい陰影)は、(本明細書に記載の試験方法に従ってEBSDマップでは一般に青色で示される)<111>組織に対応する。白色領域、すなわち陰影のない領域は、(例えば、適切な配向の範囲外である(例えば、法線方向(「ND」)から約15°の範囲外である)ので)検出不可能な組織マップ中のグレインである。陰影及び対応する組織を示す凡例が図に含まれる。
【0084】
マッピングから理解することができるように、本教示によるスパッタリングターゲット本体では、<110>組織の体積割合は、<100>及び<111>組織の各々を超えることができる。<211>及び<310>組織の一方又は両方の体積割合は、<100>、<110>及び<111>組織の各々を超えることができる。<100>、<110>及び<111>組織の体積による総量は、<211>及び<310>組織の総量の約0.4から約0.6(例えば、約半分)とすることができる。<111>組織の体積量は、<310>組織よりも少なくすることができる。<110>組織の体積割合は、<100>及び<111>組織の総量の約0.5から約1.5(例えば、約0.95又は約0.96)とすることができる。<110>組織の体積割合は、<110>、<111>、<211>及び<310>組織の総量の約0.1から約0.3(例えば、約0.2)とすることができる。<110>組織の体積量は、<211>組織、<310>組織、又は両方の体積量よりも少なくすることができる(例えば、約半分以下)。<111>組織の体積量は、<211>組織、<310>組織、又は両方の体積量よりも少なくすることができる(例えば、約半分以下)。
【0085】
得られるスパッタリングターゲット本体全体の<211>と<310>組織の相対体積比は、ほぼ同じ、又は互いの約20パーセント以内にすることができる。得られるスパッタリングターゲット本体全体の<211>と<310>組織の得られるスパッタリングターゲット本体体積比は、約1.2:1から約1:1.2、例えば、約1.1:1から約1:1.1、更には約1:1とすることができる。上で誘導された割合に限定せずに、5つのグレイン配向(<100>:<110>:<111>:<211>:<310>)の相対体積比を約5〜15:15〜30:10〜25:30〜45:30〜45とすることができる(例えば、約6〜12;16〜20:10〜15;33〜38;33〜38、又は公分母で約分すると約3:6:4:12:12の比を有することができる)。
【実施例】
【0086】
タンタル粉体試料を表2の条件に従って調製する。表1の粒径分布を有するタンタル粉体の層を、反応器中の複数の、積層され分離されたトレイ(例えば、各々が約4000cm
2の底面積を有し、互いに約1cm離れた4個の円形トレイ)に配置する。反応器は、体積が約1立方メートルである。タンタル粉体の積層トレイから離れた分離トレイにおいては、マグネシウム薄片の層も反応器中に配置される。マグネシウム薄片の量は、反応器中のタンタルの総量の約0.3重量パーセントである。温度は、反応が起こる温度である。時間は、そのような温度における時間である。表2に、列挙した条件に対する予想平均結果を示す。
【0087】
【表2】
【0088】
上から分かるように、比較的少ない量の酸素及び/又はマグネシウムを様々な条件下で達成可能である。
【0089】
本教示は、ターゲットの洗浄、粉砕又は機械加工若しくは表面処理、受板の取付けなどの1つ以上のステップも企図する。こうしたステップは、圧密化(例えば、熱間静水圧プレス)されたままのターゲットの表面の組織にわずかに影響し得るが、ターゲットのほぼ全体で組織改変を起こすとは予想されず、したがって本明細書の教示に矛盾しない。
【0090】
<総論>
ターゲット厚さとは、3次元スパッタリングターゲットの最小寸法を指す。例として、板構造を有するターゲットの場合、板は、各々が長さ及び幅(例えば、矩形の場合)又は直径(円形の場合)を有する上面と下面を有し、上面と下面の間の距離である厚さを有する。
【0091】
本明細書では、金属純度とは、格子間不純物ではない生じ得る他の金属の存在に関連した金属の純度(重量パーセント)を指す。
【0092】
本明細書に記載の結晶学的組織測定は、参照により援用する公開された米国特許出願公開第20090038362号(段落159〜171参照)の教示に従って成される。各試料の結晶学的組織は電子後方散乱回折(EBSD:electron backscatter diffraction)によって水平方向と垂直方向の両方で15μmステップで測定することができる(10μmステップなどの15μm未満のステップも可能であり、又は3などの数で割られる粒径(例えば、平均粒径)の測定など、粒径に基づいて選択若しくは決定することができる)。配向強度は、その配向の軸がスパッタリングターゲットの表面の垂直方向(EBSDスキャンにおけるy方向)から15°以内であるグレインの割合を数えることによって計算される。
【0093】
例として、試料は、ターゲット構造の中央部、ターゲット構造の中間半径、及び構造の端部から採取することができ、組織がEBSDによって水平方向と垂直方向の両方で10μmステップで測定される。
【0094】
試料の全厚のグレインマップを作成する。マップは、板法線方向(「ND」、マップ上の垂直方向)から15度以内の特定の結晶学的方向を有するグレインを示す。EBSD測定を行うときには、NDを板のスパッタリング方向と一致させることができる。ある種の機器(例えば、CHANNEL5パッケージなどのEBSDデータを処理するソフトウェアパッケージ)では、法線方向(「ND」)から15°以内の<100>配向を有するグレインを赤色で示し、NDから15°以内の<111>配向を有するグレインを青色で示し、NDから15°以内の<110>配向を有するグレインを黄色で示すことができる。5つのグレインマップを示すときには、NDから15°以内の<211>配向を有するグレインを緑色などのマップの他の色から識別することができる任意の色で示し、NDから15°以内の<310>配向を有するグレインを桃色などのマップの他の色から識別することができる任意の色で示すことができる。これらのある種の機器では、基準を満たさないグレインは、一般に灰色で示される。これらの色ブロックで占められる領域の割合は、下記数値因子の計算の基礎を成す。
【0095】
マップは、それらを上半分と下半分に二等分することによって数学的に解析される。切り抜き穴(例えば、高さ90μm)を有するが全幅のマスクを、切り抜き穴の最上部がマップの最上部に対応するようにマップ上に置く。窓の高さ(例えば、この場合90μm)は、約3グレインであるように選択することができるが、整数のEBSDステップを採用することができる(この場合、9ステップ)。赤色によって占有される切り抜き穴の面積割合を計算し、青色によって占有される割合も計算する。マスクを一段階で(例えば、10μm)下げ、計算を繰り返す。切り抜き穴の底部がマップの底部に対応するまでこれを繰り返す。結果を示すグラフを作成する(
図2A1、
図2A2、
図2A3並びに
図2B1、
図2B2及び
図2B3は、
図1Aに示した試料のそれぞれ上半分及び下半分のこうしたグラフの例である)。Y軸は面積割合を示し、X軸はマスク切り抜きの位置を示す(例えば、マップの上部又は底部から中間厚さまで)。グラフは、示した配向に対応する色でプロットすることができる。例えば、赤色の点は<100>を示し、青色の点は<111>を示し、緑色の点は<110>配向を示すことができる。これらのデータポイントを各配向に対して別々のグラフ上にプロットすることもできる(例えば、色で配向を識別できない場合)。このデータを解析して、厚さの各半分について、a)%/mmとして表される<100>データを通る最良適合直線の勾配、b)%/mmとして表される<111>データを通る最良適合直線の勾配、c)%として表される最良適合直線からの各<100>データ−ポイントの(y方向の)平均距離(ゼロ未満の場合は、ゼロとして数える)(これは、<100>バンディング係数に対応する)、及びd)%として表される最良適合直線からの各<111>データ−ポイントの(y方向の)平均距離(ゼロ未満の場合は、ゼロとして数える)(これは、<111>バンディング係数に対応する)を求める。平均勾配を計算するために、個々の勾配値の絶対値を使用する。<110>配向のデータも同様に解析することができる(例えば、%/mmとして表される<110>データを通る最良適合直線の勾配、及び%として表される最良適合直線からの各<110>データポイントの(y方向の)平均距離(ゼロ未満の場合は、ゼロとして数える)(これは、<110>バンディング係数に対応する)を求める)。
【0096】
結晶学的組織は、ターゲットの法線方向に平行な配向に対して示される(例えば、板であるターゲット本体の場合、結晶学的組織は、板法線方向に平行な配向に対して示される)。
【0097】
当業者は、上記方法を変更しようとするときでも、本明細書の教示にほぼ一致する結果を得ることができることを理解されたい。例として、米国特許出願第61/978,349号の図に示されたように、上記で15度の代わりに20度を使用すると、及び/又は15ミクロン増分に比べて10ミクロン増分を使用すると、異なる軸の同様の相対割合を示す組織マップが得られ、別の組織測定値を決定する十分な情報が得られる。
【0098】
粒径測定は、ASTME112−12に従って成される。
【0099】
別段の記載がない限り、粉体粒子サイズは、ASTM B214−07(2011)に従う篩分析によって測定される。さらに、別段の記載がない限り、粒径とは圧密化前のサイズを指す。
【0100】
タンタル粉体中の酸素の測定は、ASTM E1569−09に従って求めることができる。他の金属の酸素測定も、炉に挿入され電極間に保持された黒鉛るつぼに試料を置くことによって求めることができる。炉を不活性ガス(例えば、He又はAr)でパージする。十分高い電流をるつぼに流して、温度を2500℃以上に上昇させ、それによって炉内の金属からガスを発生させる。得られるガスを不活性ガスの流れに放出する。ガスの流れは、酸素をCO又はCO
2として測定する赤外検出器に導かれる。機器の較正は、公知の基準材料を用いて行うことができる。
【0101】
上記一般的教示のすべてに関して、本明細書では、別段の記載がない限り、教示は、部類(リスト)の任意のメンバーを部類から除外することができ、及び/又はマーカッシュ群の任意のメンバーを群から除外することができることを想定する。本明細書で表されるスパッタリングターゲットの割合は、スパッタ堆積に利用可能なスパッタリングターゲットの材料を指し、受板などの他のスパッタターゲット部品を含まない。受板は、本明細書に記載のスパッタターゲット本体に別個に付加できることを認識すべきである。本明細書に記載のスパッタリングターゲットは、円柱状とすることができる。それらは板の形(例えば、矩形、円形など)とすることができる。
【0102】
別段の記載がない限り、本明細書に列挙した任意の数値は、1単位の増分で下限値から上限値までのすべての値を含む。ただし、任意の下限値と任意の上限値の間は少なくとも2単位離れている。例として、成分の量、性質、又はプロセス変数の値、例えば、温度、圧力、時間などが、例えば、1から90、好ましくは20から80、より好ましくは30から70であると述べた場合、中間の範囲の値(例えば、15から85、22から68、43から51、30から32など)は本明細書の教示の範囲内であることが意図される。同様に、個々の中間値も本教示の範囲内である。1未満の値の場合、1単位は適宜0.0001、0.001、0.01又は0.1であると考えられる。これらは、特に意図されるものの例にすぎず、列挙した最低値と最高値の間の数値のすべての可能な組合せが本願において同様に明確に述べられたものと考えるべきである。見て分かるように、本明細書で「重量部」として表される量の教示は、重量パーセントで表される同じ範囲も企図するものであり、その逆も同様である。したがって、発明の詳細な説明における「得られるポリマーブレンド組成物の「x」重量部」という範囲の表現は、得られる組成物の重量パーセントの「x」の同じ列挙した量の範囲の教示も企図する。関連する部又は割合を比較することによって得られる相対割合も、明確に列挙しない場合でも、本教示の範囲内である。
【0103】
別段の記載がない限り、すべての範囲は、両方の終点、及び終点間のすべての数を含む。範囲に関連した「約」の使用は、範囲の両端に適用される。すなわち、「約20から30」は、少なくとも指定の終点を含めて「約20から約30」を包含するものとする。
【0104】
特許出願及び特許公報を含めて、すべての論文及び参考文献の開示を参照により本明細書に援用する。組合せを記述する「から本質的になる」という用語は、特定の要素、原料、成分又はステップ、並びに組合せの基本特性及び新規特性に実質的に影響しない他の要素、原料、成分又はステップを含むものとする。本明細書において要素、原料、成分又はステップの組合せを記述する「含む」という用語の使用は、要素、原料、成分又はステップから本質的になる、更にはそれからなる実施形態も企図する。複数の要素、原料、成分又はステップは、統合された元素、原料、成分又はステップによって提供することができる。あるいは、統合された元素、原料、成分又はステップは、個々の複数の要素、原料、成分又はステップに分割することができる。元素、原料、成分又はステップを記述する「1つ」の開示は、追加の要素、原料、成分又はステップを排除することを意図するものではない。ある族に属する元素又は金属の本明細書における表記はすべて、CRC Press,Inc.,1989年によって出版され、同社が著作権を有する「元素周期表(the Periodic Table of the Elements)」を参照したものである。族(単数又は複数)の表記は、族に番号をつけるIUPACシステムを利用してこの「元素周期表」に示された族(単数又は複数)に対するものとする。上の記述は、説明を意図し、限定を意図するものではないと理解される。多数の実施形態、並びに記載した実施例に加えて多数の適用例が、上の記述を読むことによって当業者に明らかになるはずである。したがって、本発明の範囲は、上の記述を参照して決定されるのではなく、添付の特許請求の範囲、及びかかる特許請求の範囲の均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。特許出願及び特許公報を含めて、すべての論文及び参考文献の開示を参照により本明細書に援用する。本明細書に開示した主題の任意の態様の以下の特許請求の範囲における省略は、かかる主題の放棄ではなく、本発明者らがかかる主題を、開示した発明の主題の一部であると考えなかったとみなすべきでもない。