(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573659
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】ジェスチャ検出および追跡のための電極配列
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20190902BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
G06F3/041 580
G06F3/044 Z
G06F3/044 124
【請求項の数】17
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-504181(P2017-504181)
(86)(22)【出願日】2015年8月20日
(65)【公表番号】特表2017-524192(P2017-524192A)
(43)【公表日】2017年8月24日
(86)【国際出願番号】EP2015069192
(87)【国際公開番号】WO2016026948
(87)【国際公開日】20160225
【審査請求日】2018年8月8日
(31)【優先権主張番号】62/039,734
(32)【優先日】2014年8月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/830,355
(32)【優先日】2015年8月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511242328
【氏名又は名称】マイクロチップ テクノロジー ジャーマニー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アウバウアー, ローラント
(72)【発明者】
【氏名】ドルフナー, アンドレアス
【審査官】
萩島 豪
(56)【参考文献】
【文献】
特表2014−510974(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0194519(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0044199(US,A1)
【文献】
特開2013−210938(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/055534(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
H01H 36/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極配列であって、前記電極配列は、単一層に配列された容量タッチセンサの行および列を伴うマトリクスを備え、各タッチセンサは、第1の電極と、関連付けられた第2の電極とを備え、前記マトリクスの各行内の前記第1の電極は、接続され、前記マトリクスの各列内の前記第2の電極は、接続され、前記電極配列はさらに、
少なくとも4つの電極に接続された容量結合回路
を備え、第1の動作モードにおいて、前記容量結合回路は、交流伝送信号を受信するように構成され、前記容量結合回路は、前記少なくとも4つの電極に容量的に前記交流伝送信号を供給し、前記少なくとも4つの電極は、接続された第1の電極の最上行と、接続された第1の電極の最下行と、接続された第2の電極の最左列と、接続された第2の電極の最右列とによって形成されている、電極配列。
【請求項2】
前記容量結合回路は、第1、第2、第3、および第4のコンデンサを備え、前記第1のコンデンサの第1の端子は、最上行電極に接続され、前記第2のコンデンサの第1の端子は、最下行電極に接続され、前記第3のコンデンサの第1の端子は、最左列電極に接続され、前記第4のコンデンサの第1の端子は、最右列電極に接続され、前記第1、第2、第3、および第4のコンデンサの第2の端子は、ともに接続され、前記交流伝送信号を受信する、請求項1に記載の電極配列。
【請求項3】
電気接続を前記行および列に提供するように構成された複数の供給線を備えるコネクタ部をさらに備える、請求項1に記載の電極配列。
【請求項4】
基板をさらに備え、前記基板の上側に前記第1および第2の電極が配列されている、請求項1に記載の電極配列。
【請求項5】
前記基板は、可撓性基板である、請求項4に記載の電極配列。
【請求項6】
切替回路をさらに備え、前記切替回路は、第2の動作モードにおいて、前記行および列をタッチ検出デバイスと結合し、前記第1の動作モードにおいて、前記最上行、最下行、最左列、および最右列をそれぞれ、非タッチジェスチャ検出デバイスのそれぞれの入力と結合し、前記第1の動作モードにおいて、前記最上行、最下行、最左列、および最右列によって形成された電極は、伝送電極および受信電極として動作する、請求項4に記載の電極配列。
【請求項7】
前記第1および第2の電極は、前記第2の動作モードにおいて投影型容量タッチセンサとして動作する、請求項6に記載の電極配列。
【請求項8】
4つの電極が、前記最上行、最下行、最左列、および最右列によって形成され、前記第1の動作モードの間に前記容量結合回路を通して連続交流伝送信号を受信し、前記4つの電極のそれぞれの負荷を判定することによって評価される、請求項7に記載の電極配列。
【請求項9】
前記第1の動作モードにおいて、前記マトリクスの特定の残りの電極は、前記交流伝送信号を受信するようにさらなる切替ユニットを介してともに切り替えられる、請求項6に記載の電極配列。
【請求項10】
前記第1および第2の電極はそれぞれ、櫛形であり、櫛歯方式で配列されている、請求項1に記載の電極配列。
【請求項11】
請求項1に記載の電極配列を備えるセンサ配列であって、前記電極配列はさらに、基板の上部に配列され、前記行および列電極をコネクタと接続するように構成された複数の供給線を備えるコネクタ部を備える、センサ配列。
【請求項12】
前記供給線と接続されたコントローラをさらに備え、前記コントローラは、第1のモードまたは第2のモードで動作するように構成され、前記第1のモードは、無タッチジェスチャ検出のために、前記最上行、最下行、最右列、および最左列によって形成された電極を使用し、前記第2のモードは、タッチベースの検出モードのために、投影型容量タッチセンサとして前記第1および第2の電極を使用する、請求項11に記載のセンサ配列。
【請求項13】
単一層に配列された容量タッチセンサの行および列を伴うマトリクスを備えるセンサ配列を動作させるための方法であって、各タッチセンサは、第1の電極と、関連付けられた第2の電極とを備え、前記マトリクスの各行内の第1の電極は、接続され、前記マトリクスの各列内の第2の電極は、接続され、前記方法は、
第1の動作モードにおいて、
測定サイクルの間、容量結合回路を通して、接続された第1の電極の最上行および最下行と、接続された第2の電極の最左列および最右列とによって形成されたジェスチャ検出電極のみに連続交流伝送信号を供給することと、
前記ジェスチャ検出電極からの信号を処理し、前記ジェスチャ検出電極によって生成される電場に進入する物体の3次元場所を判定することによって、前記ジェスチャ検出電極の負荷を評価することと、
第2の動作モードにおいて、
前記交流伝送信号をオフにし、各容量タッチセンサの静電容量を測定し、容量タッチセンサがタッチされたかどうかを判定することと
を含む、方法。
【請求項14】
前記第1のモードにおいて、前記交流伝送信号はまた、前記マトリクスの他の所定の第1および第2の電極にも切替ユニットを介して直接供給される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第1の動作モードにおいて、前記行および列をタッチ検出デバイスと結合することであって、前記第1の電極および第2の電極は、前記第1の動作モードにおいて投影型容量タッチセンサとして動作する、ことと、第2の動作モードにおいて、前記最上行、最下行、最左列、および最右列をそれぞれ非タッチジェスチャ検出デバイスのそれぞれの入力と結合することであって、前記第2の動作モードにおいて、前記最上行、最下行、最左列、および最右列によって形成された電極は、伝送電極および受信電極として動作する、こととを行う、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
4つの電極が、前記最上行、最下行、最左列、および最右列によって形成され、前記第2の動作モードの間に前記容量結合回路を通して連続交流伝送信号を受信し、前記4つの電極のそれぞれの負荷を判定することによって評価される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の電極および第2の電極はそれぞれ、櫛形であり、櫛歯方式で配列されている、請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連特許出願)
本出願は、2014年8月20日に出願された、共同に所有された米国仮特許出願第62/039,734号に対して優先権を主張する。上記文献は、全ての目的のためにここで参照することによって本明細書において援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は、容量感知システムと、それを動作させる方法とに関し、具体的には、電場効果を使用する容量感知システムのための電極配列に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
本出願の譲受者によって製造されるMGC3130としても公知である、「GestiC(登録商標)」集積回路は、例えば、約100〜200kHzの準静的交流電気近接場を使用する、3次元無タッチジェスチャ検出および追跡のために使用されることできる、高感度容量感知技術である。そのようなシステムは、通常、電場を発生させるために、正弦波または方形波信号等の交流信号を受信する、伝送電極を使用する。複数の受信電極が、例えば、フレーム状方式で伝送電極の上方に配列され、受信信号から、物体の3次元位置が、信号処理を通して、集積回路デバイス内で再構築されることができる。
【0004】
そのような集積回路デバイスを使用する、ヒューマンインターフェースデバイス(HID)は、多くの場合、伝導性材料の層、例えば、印刷回路基板層(PCB)の銅の細片に形成される、センサ電極を要求する。これらの電極は、集積回路内の検出ユニットに電気的に接続される。検出システムに関して、従来の電極配列は、多層印刷回路基板上に形成され得、最下層は、多くの場合、全体として、またはその有意な部分が、送信機として使用され、より小さい受信電極および補償電極は、最上層上に形成され得る。2つを上回る層が、電極を構築するために提供されることができるが、また、そのような電極配列のための製造コストも増加させ得る。
【0005】
ジェスチャ検出ユニットの測定値は、とりわけ、センサ電極の近傍における標的物体(指/手)の位置に依存し、これは、電極と標的との間の容量結合に影響を及ぼし、交流電場の歪曲に応じて、標的測定信号をもたらす。ジェスチャも、個別のデバイスの任意の面積をタッチせずに、検出面積の上方で行われる。加えて、タッチ検出はまた、デバイスのある機能を実施/開始するためにも要求され得る。
【0006】
産業上の設計の平坦性および製造コストは、投影型容量タッチディスプレイを消費者および他の産業において躍進させている。今日、ますます多くの消費者ディスプレイ用途におけるタッチパネルは、単層電極設計であり、これは、製造がより容易であり、より高い収率を達成し、より薄く、かつ有意に低コストである。さらに、単層設計は、より優れた光学特性(より高い透過性)をもたらし得る。今日の2層GestIC(登録商標)電極設計は、3D手位置追跡およびジェスチャ認識に関するそのような初期量産市場にアクセスする障害となっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
故に、安価な電極配列の必要性がある。ある実施形態によると、電極配列は、単一層に配列される容量タッチセンサの行および列を伴うマトリクスを備えてもよく、各タッチセンサは、第1の電極と、関連付けられた第2の電極とを備え、マトリクスの各行内の第1の電極は、接続され、マトリクスの各列内の第2の電極は、接続され、電極配列はさらに、接続される第1の電極の最上および最下行と、接続される第2の電極の最左および最右列とのみに交流伝送信号を供給するように動作可能な容量結合を備える。
【0008】
さらなる実施形態によると、容量結合は、第1、第2、第3、および第4のコンデンサを備えてもよく、第1のコンデンサの第1の端子は、最上行電極に接続され、第2のコンデンサの第1の端子は、最下行電極に接続され、第3のコンデンサの第1の端子は、最左列電極に接続され、第4のコンデンサの第1の端子は、最右列電極に接続され、第1、第2、第3、および第4のコンデンサの第2の端子は、ともに接続され、交流伝送信号を受信する。さらなる実施形態によると、電極配列はさらに、電気接続を行および列に提供するように構成される複数の供給線を備える、接触面積を備えてもよい。さらなる実施形態によると、電極配列はさらに、その上側に第1および第2の電極が配列される、基板を備えてもよい。さらなる実施形態によると、基板は、可撓性基板であることができる。さらなる実施形態によると、電極配列はさらに、第1の動作モードでは、行および列をタッチ検出デバイスと結合し、第2の動作モードでは、最上行、最下行、最左列、および最右列を、それぞれに非タッチジェスチャ検出デバイスの個別の入力と結合する、切替回路を備えてもよい。さらなる実施形態によると、第1および第2の電極は、第1の動作モードでは、投影型容量タッチセンサとして動作してもよい。さらなる実施形態によると、最上行、最下行、最左列、および最右列によって形成され得る、4つの電極は、第2の動作モードの間、容量結合を通して連続交流伝送信号を受信し、4つの電極のそれぞれの負荷を判定することによって評価される。さらなる実施形態によると、第2の動作モードでは、使用されない電極は、交流伝送信号を受信するようにともに切り替えられる。さらなる実施形態によると、第1および第2の電極はそれぞれ、櫛形であり、櫛歯方式で配列される。
【0009】
別の実施形態によると、センサ配列は、前述のような電極配列を備えてもよく、電極配列はさらに、基板の上部に配列され、行および列電極をコネクタと接続するように構成される複数の供給線を備える、接続面積を備える。
【0010】
さらなる実施形態によると、センサ配列はさらに、供給線と接続されるコントローラを備えてもよく、コントローラは、第1のモードまたは第2のモードで動作するように構成され、第1のモードは、無タッチジェスチャ検出のために、最上行、最下行、最右列、および最左列によって形成される電極を使用し、第2のモードは、タッチベースの検出モードのために、投影型容量タッチセンサとして第1および第2の電極を使用する。
【0011】
さらに別の実施形態によると、単一層に配列される容量タッチセンサの行および列を伴うマトリクスを備える、センサ配列を動作させるための方法であって、各タッチセンサは、第1の電極と、関連付けられた第2の電極とを備え、マトリクスの各行内の第1の電極は、接続され、マトリクスの各列内の第2の電極は、接続され、方法は、第1の動作モードでは、測定サイクルの間、容量結合を通して、接続される第1の電極の最上および最下行と、接続される第2の電極の最左および最右列とによって形成されるジェスチャ検出電極のみに連続交流伝送信号を供給するステップと、ジェスチャ検出電極からの信号を処理し、ジェスチャ検出電極によって生成される電場に進入する物体の3次元場所を判定することによって、ジェスチャ検出電極の負荷を評価するステップと、第2の動作モードでは、交流伝送信号をオフにし、各容量タッチセンサの静電容量を測定し、容量タッチセンサがタッチされたかどうかを判定するステップとを含んでもよい。
【0012】
前述の方法のさらなる実施形態によると、第1のモードでは、交流伝送信号はまた、マトリクスの他の使用されていない第1および第2の電極のそれぞれにも容量性的に供給される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
電極配列であって、前記電極配列は、単一層に配列された容量タッチセンサの行および列を伴うマトリクスを備え、各タッチセンサは、第1の電極と、関連付けられた第2の電極とを備え、前記マトリクスの各行内の前記第1の電極は、接続され、前記マトリクスの各列内の前記第2の電極は、接続され、前記電極配列はさらに、接続された第1の電極の最上および最下行と、接続された第2の電極の最左および最右列とのみに交流伝送信号を供給するように動作可能な容量結合を備える、電極配列。
(項目2)
前記容量結合は、第1、第2、第3、および第4のコンデンサを備え、前記第1のコンデンサの第1の端子は、最上行電極に接続され、前記第2のコンデンサの第1の端子は、最下行電極に接続され、前記第3のコンデンサの第1の端子は、最左列電極に接続され、前記第4のコンデンサの第1の端子は、最右列電極に接続され、前記第1、第2、第3、および第4のコンデンサの第2の端子は、ともに接続され、前記交流伝送信号を受信する、項目1に記載の電極配列。
(項目3)
電気接続を前記行および列に提供するように構成された複数の供給線を備える接触面積をさらに備える、項目1に記載の電極配列。
(項目4)
基板をさらに備え、前記基板の上側に前記第1および第2の電極が配列されている、項目1に記載の電極配列。
(項目5)
前記基板は、可撓性基板である、項目4に記載の電極配列。
(項目6)
切替回路をさらに備え、前記切替回路は、第1の動作モードにおいて、前記行および列をタッチ検出デバイスと結合し、第2の動作モードにおいて、前記最上行、最下行、最左列、および最右列を、それぞれに非タッチジェスチャ検出デバイスの個別の入力と結合する、項目4に記載の電極配列。
(項目7)
前記第1および第2の電極は、前記第1の動作モードにおいて投影型容量タッチセンサとして動作する、項目6に記載の電極配列。
(項目8)
前記最上行、最下行、最左列、および最右列によって形成されている4つの電極は、前記第2の動作モードの間に前記容量結合を通して連続交流伝送信号を受信し、前記4つの電極のそれぞれの負荷を判定することによって評価される、項目7に記載の電極配列。
(項目9)
前記第2の動作モードにおいて、使用されない電極は、前記交流伝送信号を受信するようにともに切り替えられる、項目6に記載の電極配列。
(項目10)
前記第1および第2の電極はそれぞれ、櫛形であり、櫛歯方式で配列されている、項目1に記載の電極配列。
(項目11)
項目1に記載の電極配列を備えるセンサ配列であって、前記電極配列はさらに、基板の上部に配列され、前記行および列電極をコネクタと接続するように構成された複数の供給線を備える接続面積を備える、センサ配列。
(項目12)
前記供給線と接続されたコントローラをさらに備え、前記コントローラは、第1のモードまたは第2のモードで動作するように構成され、前記第1のモードは、無タッチジェスチャ検出のために、前記最上行、最下行、最右列、および最左列によって形成された電極を使用し、前記第2のモードは、タッチベースの検出モードのために、投影型容量タッチセンサとして前記第1および第2の電極を使用する、項目11に記載のセンサ配列。
(項目13)
前記容量結合は、第1、第2、第3、および第4のコンデンサを備え、前記第1のコンデンサの第1の端子は、最上行電極に接続され、前記第2のコンデンサの第1の端子は、最下行電極に接続され、前記第3のコンデンサの第1の端子は、最左列電極に接続され、前記第4のコンデンサの第1の端子は、最右列電極に接続され、前記第1、第2、第3、および第4のコンデンサの第2の端子は、ともに接続され、前記交流伝送信号を受信する、項目11に記載のセンサ配列。
(項目14)
電気接続を前記行および列に提供するように構成された複数の供給線を備える接触面積をさらに備える、項目11に記載のセンサ配列。
(項目15)
基板をさらに備え、前記基板の上側に前記第1および第2の電極が配列されている、項目11に記載のセンサ配列。
(項目16)
前記基板は、可撓性基板である、項目15に記載のセンサ配列。
(項目17)
切替回路をさらに備え、前記切替回路は、第1の動作モードにおいて、前記行および列をタッチ検出デバイスと結合し、第2の動作モードにおいて、前記最上行、最下行、最左列、および最右列を、それぞれに非タッチジェスチャ検出デバイスの個別の入力と結合する、項目15に記載のセンサ配列。
(項目18)
前記第1および第2の電極は、前記第1の動作モードにおいて、投影型容量タッチセンサとして動作する、項目17に記載のセンサ配列。
(項目19)
前記最上行、最下行、最左列、および最右列によって形成されている4つの電極は、前記第2の動作モードの間に前記容量結合を通して連続交流伝送信号を受信し、前記4つの電極のそれぞれの負荷を判定することによって評価される、項目18に記載のセンサ配列。
(項目20)
前記第2の動作モードにおいて、使用されない電極は、前記交流伝送信号を受信するようにともに切り替えられる、項目17に記載のセンサ配列。
(項目21)
前記第1および第2の電極はそれぞれ、櫛形であり、櫛歯方式で配列される、項目11に記載のセンサ配列。
(項目22)
単一層に配列された容量タッチセンサの行および列を伴うマトリクスを備えるセンサ配列を動作させるための方法であって、各タッチセンサは、第1の電極と、関連付けられた第2の電極とを備え、前記マトリクスの各行内の第1の電極は、接続され、前記マトリクスの各列内の第2の電極は、接続され、前記方法は、
第1の動作モードにおいて、
測定サイクルの間、容量結合を通して、接続された第1の電極の最上および最下行と、接続された第2の電極の最左および最右列とによって形成されたジェスチャ検出電極のみに連続交流伝送信号を供給することと、
前記ジェスチャ検出電極からの信号を処理し、前記ジェスチャ検出電極によって生成される電場に進入する物体の3次元場所を判定することによって、前記ジェスチャ検出電極の負荷を評価することと、
第2の動作モードにおいて、
前記交流伝送信号をオフにし、各容量タッチセンサの静電容量を測定し、容量タッチセンサがタッチされたかどうかを判定することと
を含む、方法。
(項目23)
前記第1のモードにおいて、前記交流伝送信号はまた、前記マトリクスの他の使用されていない第1および第2の電極のそれぞれにも容量性的に供給される、項目22に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1および2は、容量3次元ジェスチャ検出のための従来のセンサ配列を示す。
【
図2】
図1および2は、容量3次元ジェスチャ検出のための従来のセンサ配列を示す。
【
図3】
図3は、
図1または2による、センサ配列の簡略化された等価回路を示す。
【
図4】
図4は、グリッド形状の中心電極を伴う、1層センサ配列の第1の実施形態を示す。
【
図5】
図5は、伝送中心電極を伴う、1層センサ配列の第2の実施形態を示す。
【
図6】
図6は、複数の投影型容量タッチセンサ電極を伴う、1層センサ配列の第3の実施形態を示す。
【
図7】
図7は、複数の投影型容量タッチセンサ電極を伴う、1層センサ配列の第4の実施形態を示す。
【
図8】
図8は、複数の投影型容量タッチセンサ電極を伴う、1層センサ配列を使用するセンサ回路の第1の実施形態を示す。
【
図9】
図9は、複数の投影型容量タッチセンサ電極を伴う、1層センサ配列を使用するセンサ回路の第2の実施形態を示す。
【
図10】
図10は、複数の投影型容量タッチセンサ電極を伴う、1層センサ配列を使用するセンサ回路の第3の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(詳細な説明)
種々の実施形態によると、センサ配列、特に、準静的交流電気近接場の効果を使用する非タッチ3次元ジェスチャ検出システムのためのセンサ配列は、より低い材料および製造コスト、より薄いセンサ設計、ならびに透明設計のより優れた光学性能を提供するように設計されることができる。
【0015】
前述のように、3次元容量非タッチ検出システムは、準静的電場を発生させ、物体がそれに進入することによって生じるその電場内の擾乱が、評価される。評価は、ユーザの指等の物体の3次元場所を判定し、その位置を追跡し、ジェスチャの所定のプールからのジェスチャが行われたかどうかをさらに判定することを可能にする。そのようなシステムはまた、3次元無タッチマウスとして動作する、または任意の種類の好適な動作を制御することができる。そのようなシステムは、通常、例えば、100〜200kHzの周波数を有する正弦波または方形波信号等の交流信号を受信する伝送電極を使用して、準静的交流電場を発生させる。例えば、相互または自己静電容量測定とは対照的に、伝送電極は、発生器信号が恒久的に供給され、発生された電場内の擾乱が、測定される一方、電場は、測定の間、恒久的に維持される。本システムは、静電容量測定システム、例えば、相互または自己静電容量測定のために使用される容量分圧器または充電時間測定ユニットに一般的であるように、単一パルス、単一または複数のパルスによって発生された電圧、およびセンサ電極の関連付けられた電荷変化を評価しない。いくつかの実施形態では、複数の受信電極が、例えば、フレーム状方式に配列され、伝送電極によって発生された準静的電場を評価し、受信された信号から、物体の3次元位置が、信号処理を通して集積回路デバイス内に再構築されることができる。他の実施形態では、同一電極が、伝送および受信のために使用され、依然として、同一電場が発生されている間、評価は、電場内の擾乱によって生じた各送信機/受信機電極上の負荷を測定する。
【0016】
開示される種々の実施形態は、例えば、MicrochipのGestIC(登録商標)3D手追跡およびジェスチャ認識技術のための電極配列等の電極設計内の2つの電極層のうちの1つを排除するための解決策を提供する。しかしながら、開示される設計は、他のタイプのセンサデバイスにも有用であり得、GestIC(登録商標)3D手追跡およびジェスチャ認識技術に限定されない。種々の実施形態によると、技法は、TXおよびRX電極が1つのみの単一電極層内に統合され得る方法について説明するであろう。説明される技法は、GestIC(登録商標)システムのために提案されるものに類似電極設計を使用する任意の電極システムに適用されるが、そのようなシステムに限定されない。さらに、単層電極が1層投影型容量(pCAP)タッチマトリクス設計の中に統合され得る解決策も、開示される。
【0017】
図1および2は、従来の2層電極配列を示す。
図1に示される設計は、中心受信電極RX
Centerを含む一方、
図2に示される実施形態は、開放中心面積を伴う、フレーム設計を使用する。両設計では、4つの受信電極RX
North、RX
East、RX
South、およびRX
Westが、異なる最上層場所にあり、電極配列の上方の面積内でジェスチャを行う、物体、例えば、手についての空間情報を提供する。これらの受信電極(RX)は、下層伝送電極TX
Bottomによって発生された交流電場を受信する。非伝導性担体材料110、120(例えば、プラスチック、PCB材料、ガラス等)は、RX電極を伝送電極(TX)から隔離する。最下層内のTX電極TX
Bottomは、電場を励起し、かつRX電極を背面雑音から遮蔽する。電場は、例えば、TX電極TX
Bottomに供給される100kHz方形波信号によって発生されることができる。個別の電場は、次いで、伝送電極TX
Bottomによって、担体材料110、120の上方の面積、例えば、約最大10〜15cm内に投影される。例えば、その手を用いて、本面積内でジェスチャを行うユーザは、電場を擾乱させ、これらの擾乱は、4つのRX電極RX
North、RX
East、RX
South、およびRX
Westによって検出されることができる。受信された信号から、3次元位置が、処理されることができる。信号偏差、すなわち、第1および第2の偏差、ならびに各電極までの計算された線形距離が、ジェスチャ比較/評価を行うために使用されることができる。
【0018】
図3は、簡略化された等価回路を示す。C
RxTxは、RXとTX電極との間の静電容量を表し、約10〜30pFであり得る。C
RxGは、RX電極から接地までの静電容量を表し、約10〜30pFであり得る。C
Hは、ユーザ手とRX電極との間の静電容量を表し、約1fF〜1pFであり得る。C
Bufは、電極と結合されたRX入力バッファの高インピーダンス入力静電容量を表し、約6pFであり得る。
【0019】
GestIC(登録商標)技術において使用されるもの等の非タッチ近接場検出システムは、TX電極を介して励起された電場へのユーザの手の影響によって生じる、RX入力振幅変化を測定する。設計標的は、受信された信号の信号偏差を最大限にすることである。
【0020】
2層電極設計では、スタックされた電極設定は、概して、電子回路および液晶ディスプレイ等の下にある雑音源および接地の両方に対するRX電極の良好な遮蔽を提供する。
【0021】
最適電極設計では、C
RxTxおよびC
RxG静電容量は、小さく、類似サイズである。本シナリオは、例えば、Microchip Technology Inc.から利用可能な「GestIC(登録商標) Design guide, Electrodes and System Design MGC3130」に説明されており、参照することによって本明細書に組み込まれ、C
RxGの下限、検出回路の入力静電容量(例えば、4〜5pF)である。2層設計では、Rx−TX電極距離および絶縁担体材料の低誘電率が、小C
RxTxを可能にし、遮蔽TX層は、RX電極静電容量対接地を表す、小C
RxG値を保証する。
【0022】
TXおよびRX電極が、定義上、同一層内にある、種々の実施形態による単層設計では、z−寸法における十分な電場伝搬が、確実にされなければならない。
これらのタイプの検出回路のためのTX電極は、種々の実施形態によると、以下であり得る。
a)RX電極と同一層内の別個のTX構造
b)RX電極自体
c)同一層内の容量または抵抗タッチパネルの電極構造
【0023】
単層設計では、供給線の配索は、層間貫通孔接続が、定義上、不可能であるため、特に重要である。最適設計は、任意の供給線交差点を全く有していない。提案される種々の実施形態は、そのような設計を実現する方法の実施例を示す。
【0024】
ブリッジは、ある電極技術、例えば、箔またはガラス上のITO、印刷箔等において可能にされ得る。しかしながら、そのような技術は、高価である。ブリッジは、電極ボードを接続するフレックスケーブル上で実現されることができる。さらに、ブリッジは、電極に接続されるPCBおよびチップ上で実現されることができる。
【0025】
図4の設計は、TX電極をRX電極層の中に統合する解決策を示す。TX電極410は、両側からRX電極420の周囲をリング状に巡り、接地の影響を低下させる。RX電極420あたりTXリング410の1つの中断430は、個別のRX電極供給線440の接続を可能にする。電極あたり1つのみのRX供給線440が、
図4に示されるように、要求される。
【0026】
各RX電極420の周囲のTXリング410は、接地を外側デバイス部品、例えば、金属筐体から遮蔽し、したがって、感度を維持する。従来の設計、例えば、
図1および2に示されるようなGestIC(登録商標)設計と比較して、TX電極リング410は、真下の接地からの遮蔽を提供しない。前述とほぼ類似するC
RXTXおよびC
RXG値を維持するために、TXリング410は、RX電極420真下のより短い接地距離のために、RX電極420により近接しなければならない。接地は、例えば、透明1層電極構造下のディスプレイであることができる。
【0027】
個々のフレーム電極TXリング410はまた、例えば、GestIC(登録商標)設計において使用されるような随意のRX中心電極450のためのTX構造を形成する。例えば、中心タッチ検出のために、RX中心電極が要求されない場合、中心面積は、有利には、
図5に示されるように、TX電極510によって充填されることができる。システムの電場分布および感度は、増加する。
図5の提案される設計では、1つのみのTX供給線520が、要求される。中心電極510は、
図5に示されるように、電極420を囲繞するリング構造410および/または任意の他のアクセス可能リング構造に直接接続される。
【0028】
いくつかの実施形態によると、完全1層投影型容量タッチマトリクスが、
図6に示されるように、そのようなフレーム電極構造の中心面積内に統合されることができる。近接場受信電極420および内部pCAP電極610からの全電極供給線は、任意の交差点を伴わずに、1つの角620を通して配索される。本設計は、電極から電子回路基板まで1つのみのコネクタを要求し、1層電極ボードまたはガラス605上にブリッジを要求しないため、コストを節約する。任意の必要接続は、
図6に示されるように、コントローラPCB上またはコネクタ内に形成されることができる。
【0029】
pCAPマトリクスが電極列および行を形成するために要求されるブリッジは、最先端技術によると、フレックスコネクタ、電子回路基板(PCB)、およびタッチコントローラチップのいずれか上で行われる。
図6では、接続は、点線によって示される。全ての他の交差は、ブリッジを要求しない。
【0030】
両測定間の干渉を回避するためのPCAPとGestIC(登録商標)との間の時間多重化動作の場合、完全タッチマトリクスは、GestIC(登録商標)動作の間、GTX信号で駆動され得る(GTXは、以下では、GestIC(登録商標)TX伝送信号)。したがって、タッチ電極610は、リング構造410に接続される単一伝送電極を形成するようにともに切り替えられる。本切替は、ボード605の外部で、例えば、個別の切替回路によって行われる。これは、GestIC(登録商標)動作の間の画定された強力な電場およびpCAPとGestIC(登録商標)との間の最速ハンドオーバの利点を有する。pCAP電極610上に残っている電荷は、非常に敏感なGestIC(登録商標)測定に影響を及ぼし得ない。典型的には、コントローラチップの内部にあり得る、アナログマルチプレクサが、本動作モードを可能にするために使用されてもよい。例えば、GestIC(登録商標)チップもしくは任意の他の好適な無タッチ検出デバイスが、本機能を行うように設計されてもよい、または、例えば、アナログマルチプレクサチップを外部で使用して実装されてもよい。
【0031】
図7は、pCAP1層タッチマトリクス設計と1層電極配列を組み合わせた別の実施例を示す。pCAP TXおよびRX電極710は、ここでは、櫛構造として実現される。
図7はさらに、基板605が、伝送電極、受信電極、および複数のpCAP電極710に接続する個々の供給線の接続を可能にする、コネクタ区分720を提供するように延在または設計されることができることを示す。
【0032】
任意の実施形態における基板605は、コネクタ720を受容する面積を備える、剛性印刷回路基板であることができる、または当技術分野において公知の印刷回路コネクタを直接形成する、区分720を備えてもよい。代替として、基板は、コネクタを提供する、可撓性基板であることができるか、または可撓性PCBは、コネクタの中に挿入されることができる接続区分720を形成するかのいずれかである。
【0033】
いくつかの実施形態によるさらに別の解決策は、
図8に示され、GestIC(登録商標)システムのRX−TX静電容量の離散実現である。TX信号は、電極420毎に離散C
TX結合静電容量810を介してRX電極420上に結合される。C
TX静電容量810は、離散成分であるか、またはGestIC(登録商標)チップ上に統合されるかのいずれかであり得る。C
RXGに等しい最適化基準(C
TX=C
RXTX)を満たすために、C
TX_NorthからC
TX_Westの結合静電容量は、個々に、同調可能であるべきである(例えば、5pF、10pF、15pF、..、50pF)。
図8は、専用TX電極が要求されたことを示す。RX電極420は、電場を分布させ、ユーザの手によって生じる電場変化に敏感である。故に、各電極420は、同時に送信機および受信機として動作し、受信機能は、各電極420にかかる負荷を判定することによって行われる。本解決策は、C
TX同調が近似によって行われることができるため、実現がより単純かつ簡単である。電場シミュレーションは、C
RXTXおよびC
RXGを合致させるために要求されない。一方、接地遮蔽は、RX電極420上の高インピーダンスTX信号のため、効果が低くなり得る。GestIC(登録商標)タッチ面積(GestIC(登録商標)中心電極450)およびpCAPマトリクス(610、710)のための中心面積の使用は、以前の解決策と同一である。
【0034】
図7および8の実施形態に示されるように、pCAP電極710は、櫛歯方式で配列される上側および下側櫛状構造によって形成される。そのようなpCAP電極710は、
図7−9に示されるように、マトリクスに配列されることができる。ある上側および下側電極を組み合わせることによって、行および列が、形成されることができ、これは、二重機能のために使用されることができる。ジェスチャ検出モード(以降、GestIC(登録商標)モードとも称される)では、行または列全体が、別個に使用され、電極420に類似する電極を形成することができる。pCAPモードでは、これらの電極は、元々の意図通りに使用される。好ましくは、センサボードの外側に配列される、切替回路が、次いで、いずれかのモードでパネルを動作させるために使用されることができる。
【0035】
図9は、例えば、15個のpCAPセンサ710を伴う、単層タッチマトリクスが、pCAPモードとGestIC(登録商標)信号取得モードとの間で共有され得る方法を示す。ここでは、GestIC(登録商標)電極は、櫛構造電極の要素によって形成され、次いで、伝送および受信構造として使用される。各pCAPセンサ710は、上側および下側櫛構造電極から成る。最上行の上側電極は、ともに接続され、北側電極930を形成する。各行内の最後のpCAPセンサの下側要素は、ともに接続され、東側電極940を形成する。最下行の上側pCAP電極は、接続され、南側電極950を形成し、各行内の各第1のpCAP電極の下側電極は、ともに接続され、西側電極960を形成する。本接続スキームは、下側電極が、接続され、列を形成し、上側電極が、接続され、行を形成するという事実に起因して、システムがpCAPモードで動作するとき、依然として、各pCAP電極対を別個に評価することを可能にする。ジェスチャ検出TX信号GTXは、システムがジェスチャ検出モードで動作するとき、スイッチ920を介して、ジェスチャ検出GRX電極(ここでは、C
TX_East、C
TX_South、C
TX_West、C
TX_North)の中に容量的に結合されることができる。
【0036】
それらの外側電極930…960は、ジェスチャ検出モードでは、出力として使用され、pCAP測定の間、高インピーダンスに設定されなければならない。これは、GTX信号をオフにする、アナログスイッチ/マルチプレクサ回路によって行われることができる。
【0037】
本解決策の利点は、アクティブpCAPタッチ面積が境界まである、よりコンパクトな電極設計である。本設計では、電極パターン(例えば、櫛)がより長い供給線より敏感であることを保証することが必要であり得る。したがって、供給線の表面は、電極のうちの1つよりはるかに小さくあるべきである。一般に、供給線は、非常に薄いはずである(例えば、「ナノワイヤ」技術を使用して)。
【0038】
図10に関して、高GestIC(登録商標)モード感度を達成するために、再び、内側電極面積は、GestIC(登録商標)モード動作の間、伝送信号GTXで駆動されることが有利であり得、これは、接地に対するより優れた遮蔽およびz−方向におけるより良好な電場分布を提供する。本方法によって、pCAP動作から内側電極上に残っている電荷は、事実上、定義された電位にされ、pCAPモードとGestIC(登録商標)モードとの間に伝達効果は、生じない。
【0039】
スイッチ/アナログマルチプレクサ1010は、
図10に示されるように、電極がpCAPとGestIC(登録商標)動作間で切り替えられ得る方法を示す。一般に、GestIC(登録商標)GTXおよびpcapTXは、いくつかの実施形態によると、異なる信号であり得る。便宜上(HWおよびFW複雑性を低下させるため)、両信号は、他の実施形態によると、同一でもあり得る。
【0040】
図10では、異なる入力段階が、pCAPモードおよびGestIC(登録商標)モード動作のために示される。また、GestIC(登録商標)モードおよびpCAPモードのために、(部分的に)同一入力および信号調整回路を使用することも可能である。
【0041】
種々の実施形態によると、種々の電極配列が、タッチパネルおよびディスプレイ用途(例えば、対角線上で最大10インチ)のために、例えば、MGC3130ならびに後継3Dジェスチャおよびタッチコントローラ、例えば、MGC3430と併用されることができる。前述のように、GestIC(登録商標)技術は、大部分の実施例において、無タッチジェスチャ検出システムを実装するために使用されている。しかしながら、種々の実施形態は、そのようなシステムに限定されない。準静的交流電場を発生させ、擾乱を検出する、他のシステム、ならびに他の容量3D検出システムも、類似センサ配列から利益を享受し得る。